テンダーを組み立て、塗装して、問題の最終調整に突入します。
どういう結果になるかは、まもなく判明します。
テンダー外板は曲げ済みです。内張りとの折り目は、きちんとヤットコなどで挟んで密着させます。 |
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2枚重ねになっている外板の内側から、ハンダを流して順に固定しました。 ハンダごてを押し付けると外板が歪みます。1箇所だけ加熱しすぎても歪むことがあります。 |
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ここでは床板を最初に固定していますが、直角に取り付けるのが難しいので、テンダー妻板を取り付けたあとのほうがよいかもしれません。 | |
テンダー妻板を組み立てました。 B-5とB-6を組み合わせて裏側をハンダ付けし、石炭皿B-9を差し込んで裏側をハンダ付けしました。 |
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それを取り付ける前に…手すりC-8を2本取り付けておきました。 理由は、妻板を先に付けてしまうとハンダごてが入りにくくなるからです。でも、できないことはありません。 |
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妻板を取り付けてハンダ付けしました。テンダー外板と突合せになります。 | |
テンダー後部にも手すりとステップを取り付けました。 | |
テンダー上フタに車体枠(外周の斜めのフチ)を取り付けました。 上フタには後部の片側に切り欠きがあり、左右対称ではありませんが、このキットの形式の場合は特に向きは関係ないようです。 |
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車体枠の後部のライト取り付け座を折り返してハンダ付けしました。 次に上フタに給水口をはめて裏からハンダ付けし、車体枠を取り付けてハンダ付けしました。 |
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炭庫覆いは、上部を外側に折り返して(赤の矢印)下端の断面をハンダ付けし、次に離れている1箇所(青の矢印)を直角に突き合わせてハンダ付けしました。 | |
炭庫覆いとライトを上フタにハンダ付けし、テンダー車体に取り付けました。 車体と上フタはハンダ付けで固定してしまって構いません。 |
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次は床板です。 エッチングの模様が見えない面を上にして、緑色の折り線(破線状にエッチング抜きされている)を90度山折りしました。 |
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水色の線に沿って180度上側に折り返しました。 | |
ステップを根元から180度下側に折り返しました。 | |
これで完了です。表面に流れないように注意して、ハンダを流して固定しました。 | |
後部端梁を折り返してハンダ付けし、車体後部にハンダ付けしました。 |
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マグネ・マティックカプラーを取り付けるため、B-4を折り曲げて取り付けました。中央のネジ穴は、この時点で床まで貫通させておいたほうがよいです。私は塗装後にテンダー上部を取り付けたままドリルで穴を空けてしまい、少しテンダー後妻の下側に傷をつけてしまいました。 付属のアーノルドカプラーを使う場合は、A板についているパーツを使うのだと思います。 |
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B-3を折り曲げて箱状にし、床板にハンダ付けしました。 | |
とっておいたφ0.4真鍮線を折り曲げて、赤線の位置に取り付けました。 しかし、床板と車体は分離することもあるので、真鍮線のどちらか一方は、差し込むだけにしなければなりません。 |
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私は床板側を固定することにしました。 真鍮線を曲げて床板に通し、裏側からハンダ付けしました。 | |
上端は、テンダーの上下をネジ止めするときに、後ろから差し込むだけにしました。 10年後のリニューアル品では逆に上端をハンダ付けして固定し、下端をフリーにして組み立てました。 |
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テンダー台車の車輪押さえ(C-11)を折り曲げておきました。 | |
台車を折り曲げて組み立てました。軸箱に相当する部分は何度も折り重ねて表現します。 裏表を間違えないようにして、水色の線から上部を180度手前に折り返しました。 |
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緑色の線から、先端を向こう側に180度折り返し、水色の線の位置で手前に180度折り返しました。 |
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4箇所の軸箱をすべて折りたたむと、このようになります。 取れないうちに、合わせ目からハンダを流して固定しました。 |
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4箇所の軸受けを、水色の線から90度折り曲げ(エッチングの折り線を谷折)、次に台車枠を緑色の線の位置から90度折り曲げました。 青い線の位置で手前に180度折り返してハンダ付けしました。 |
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折り曲げたら、断面からハンダ付けして固定しておきました。 写真に写っていませんが、最後に中央の穴にホワイトメタルのバネを差し込んで接着しました。 |
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テンダー用車輪は、4軸ともピボット軸の先端を切り落としました(ケガに注意)。 リニューアル品では最初から平軸のものが付いており、そのまま使えました。 |
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軸受けに車輪をはめ込み、車輪押さえをネジ留めしました。 実際にはこの作業は塗装後に行いますが、試運転のためいったん取り付けています。 |
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M1.4×5.0ネジに、ワッシャ(B-11)とバネ、カラーを通して床板にネジ止めしました。 私はネジの1本を間違えて大ギヤ固定に使ってしまったので、代わりに余った4.0ネジを使いました。長さがギリギリのため、カラーを少し削って短くすることになってしまいました。 |
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塗装前に、機関車前方のブレースを取り付けておきました。 ここはφ0.5真鍮線を使うことになっていますが、私の買ったキットには付属していなかったので(φ0.25とφ0.4だけだった)、手持ちのものを使いました。 矢印で示している部分の長さは、約12.5mmですが、組み立てによって多少変わるかも知れません。 |
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これで、塗装前の組み立てはすべて終わりました。 今はまだ、ちゃんと走っているようです。塗装後の最終組み込みでどうなりますか。 |
塗装して、安全弁・汽笛・ナンバープレートを取り付け、窓ガラスを入れて最終組み込みしました。
ワールド工芸のナンバープレートは、昔はちょっと表現が弱かったのですが、この頃はしっかりしたものになっています。
さて試運転と最終調整です。
最初は調子よく走っていたのに、やがて不調になり、それをきっかけに連鎖的に崩壊していきました(またか…)。
ただ、今回は動力の分解には至りませんでした。
クロスヘッドと第一動輪の間に余裕が全然なく、すぐ干渉してしまいます。また、回転がどうもスムーズではありません。
クロスヘッドピンが何度も外れてどこかに飛んでいったり、「何でこんなことをしているんだろう」と泣きたくなりました。
何度もスライドバー周辺の調整をやり直し、ハンダが取れたり付け直したりと8時間くらいかかって、気がつけば朝になってしまいました。
■原因■
スライドバーがやや内側に寄ってハンダ付けされていたのが原因のひとつで、できるだけ取り付け穴の外側に当たるようにしてハンダ付けし直し、快方に向かいました。
そのほか、最初に圧入した1軸の芯が出ておらず、回転が振れていたため、再度万力で圧入しなおしたところウソのようにスムーズになりました。
やっと安心できる走りになりました。結構静かで、低速より滑らかに走ってくれます。
試しにオハ31が何両引けるかやってみましたが、平坦線で6両くらいは平気でした。
エンジンドライブとは思えないほど車高が低いです。
8100形に比べますと、少し難易度が低くなっていたように思います。
ただ、動輪を抜き取らないと分解ができず、そのつど新しい駆動軸を使って位相調整をやり直すはめになるのは依然大変です。
同じコンソリデーション(先輪1軸+動輪4軸)でも、9600形とはずいぶん違ったスタイルです。
なかなかNゲージで発売されるような形式ではないので貴重な製品です。ただ調子を損なうと修理がやっかいなので、いたわりながらそっと使わなくてはいけないのが辛いところです。
レイアウトで主力機として常用したいという場合は、下廻りを分解したり、手入れをしやすい構造に改造するなどの工夫がいるかもしれません。