最後のお楽しみ、動輪と各種ロッドの組み立てです。
うまくいかないと、どこが悪いのかわからなくて、途方にくれてしまいます。
今回予想される失敗
・ロッドピンやネジをなくしてしまう
・ピストン棒を切り過ぎて抜けてしまう
・クロスヘッドピンをカシメすぎ、動かすとねじ切れてしまう
・エキセントリックロッドを切り過ぎて抜けてしまう
・第2動輪ピンを十分締めずにリターンクランクをハンダ付けしてしまう
動輪を取り付ける前に準備があります。 |
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ブレーキシューの手前で約2ミリずつ切り詰めます。それほど精密さは要求されないので、ニッパーでパチンと切って断面を削っておく程度で良いと思います。 |
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C58の輪心は、それまでのワールド工芸の蒸機と違い、金属製(ロスト)です。 車輪中心部や、ロッドピンをねじ込む穴の周りにバリが出ていると、ロッドが引っかかるので、きれいに削っておきます。この写真でも少しバリが出ています。 |
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先ほどのブレーキシューは、内側に曲がっていることがあるので、まっすぐにしておきます。 |
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台枠の凹形の切り欠きに動輪をはめ込みます。 写真は、ブレーキシューを取り付ける穴にネジを切っているところです。 |
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動輪を指で回してみて回転が渋かったり、はめ込みが浅くてブレーキシューの板に車軸が当たったりするときは、台枠の軸受け部を削ってスムーズに回転するようにします。 軸受けはとても大事な部分で、スムーズに走行するかどうかの第一の要因はここにあるように思います。削りすぎると、サイドロッドを付けたときにうまく回らなくなったり、蛇行するようになってしまいます。 鉛筆の芯で軸受けを丁寧に塗りつぶしておくと、回転がスムーズになるような気がして、よくやっています。 |
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動輪を取り付けたら指で回して回転がスムーズであることを確かめ、実際に線路に乗せて前後に転がしてみます。 |
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第1・第3動輪に、ネジ式ロッドピンでサイドロッドを取り付けます。ロッドの端に出っ張り(油壷)のあるほうが上になります。 動輪のネジ式ロッドピンは、なくしてしまうと代わりの市販品などがなく、部品請求するしかなくなります。 |
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少し転がしてみます。ただし、まだ第2動輪と結んでいないので、第2動輪のピン取り付け穴とサイドロッドが干渉して、引っかかってしまうことがあります。ここではまだ気にしません。 |
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ネジ式のロッドピンをサイドロッドの穴に通し、第2動輪に取り付けます。 |
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動輪がうまく回転するか確認します。ここで引っかかるようになったときは、まだ動輪の中心部などにバリが出ている可能性があります。ロッドのどこが当たっているのかよく観察します。 また、ここまで来ると炭水車を連結して走らせることができるので、レイアウトを何周かさせてみます。 |
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よく走ることを確かめたら、クロスヘッドとサイドロッドの取り付けに移ります。 |
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しまった!部品不良に当たってしまいました。 |
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ここで部品を請求して作業が中断するのも嫌なので、ヤットコの先で根元をつかんで180度ねじり、無理やり直しました。 |
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クロスヘッドを取り付けます。 ピストン棒をシリンダーの穴に差し込み、写真のようにメインロッドを手前に引いた状態で、クロスヘッドをスライドバーの表から引っ掛けます。 |
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引っ掛けたら、メインロッドを後方に回転させると、クロスヘッドは裏側からもスライドバーに引っかかって外れなくなります。 もし、クロスヘッドがスライドバーから落ちてしまうときは、クロスヘッドとメインロッドを固定しているピンのカシメがゆるくなっていることがあります。 |
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メインロッドを第2動輪ピンに差し込み、動輪を回してクロスヘッドが一番前に来るようにします。 |
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ピストン棒が一番手前に来たときに、シリンダーの前側にぶつからないようにします。写真の矢印の部分です。ぎりぎりセーフのように見えますが、実は回転の具合によってはつかえることがありましたので、ヤスリで削りました。 |
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今度はクロスヘッドが一番後ろに来るようにし、またシリンダーの中を見てみます。 ここでは長さの調節が目的なので、左右両側が終わったら、いったんクロスヘッド〜メインロッドは外しておきます。 |
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ラジアスロッドと加減リンクを取り付けます。 加減リンクの部分は部品を180度山折にして重ねますが、この素材は固くて、折り線からぽろりと取れてしまうことがあるので、あらかじめゴム系接着剤などを塗っておき、接着してしまうのがよいです。 この模型は加減リンクが動きません。今直角に曲げた部分の穴に、エキセントリックロッドが入って往復します。 |
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バルブスピンドルガイドの部分をシリンダー後部のスリットに差し込み、モーションプレートの裏側に加減リンクを通して、ネジ止めします。 【失敗】ここで片側のネジを飛ばしてなくしてしまいました。 |
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エキセントリックロッドは一番長い位置で切り離しておきます。 取り付けたら動輪を回転させて、エキセントリックロッドが一番後ろに来るようにし、穴から抜けない程度の長さに切断します(あまりぎりぎりにすると、回転のガタによって抜けることがあるので、若干余裕をみます)。 |
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回転させてみて、どこにも引っかからずスムーズに回るようになったら、反対側も取り付けて同じように調整します。 |
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ここまででスムーズに動くようになったら、いったんエキセントリックロッドを外し、調整済みのクロスヘッドとメインロッドを再び取り付けます。 次に、第2動輪ロッドピンと、リターンクランクをハンダ付けして固定します。 |
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これですべてのロッドが取り付けられたので、おそらく第1動輪ピンと、メインロッドが引っかかってしまうと思います(矢印の個所)。 車体をどんな向きにしても、指先で車輪を回すとカラカラ調子よく回るよう、時間をかけます。第1動輪ピンが引っかかっていないのに途中で止まるときは、またピストン棒やエキセントリックロッド先端を疑います。 |
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完了したら、テンダーと連結して走らせてみます。もしカーブで脱線するときは、前述のようにテンダーとの連結部が近すぎたり、高さに問題がある場合があります。動輪の回転が止まってしまうようなら、もう一度前に戻って確認します。 この作業は根気がいるので、集中できなくなったら翌日に回しても良いのでがんばります。別にしばらく投げ出して、やる気が出たときに再開すればよいように思います。 ここまでがうまく行ったら、次に進みます。 |
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下廻りを取り付けるため、キャブ下の取り付け穴にタップを立ててネジを切ります。 |
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ブラストパイプのあたりには、少し太い1.7mmのネジが入るのですが、穴が小さいのでヤスリで少し広げておきます。 |
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前から見て傾いていないか確かめます。傾いていたときは、下廻りとの取り付けに問題があるのか、下廻りそのものが歪んでいるのかを調べて対処します。 |
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上下を合体したら、もう一度線路の上で車輪の回転を確かめます。 |
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先台車を組み立てます。車輪押さえ板は未塗装でも良いと思ったのですが、断面がピカピカして見えるので結局このあと筆塗りしました。 |
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先台車は窮屈な場所に収まるので、スノープローに接触するかもしれません。左右に首を振るときに接触するようなら、スノープローを少し前方に押し広げて当たらないようにします。 |
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従台車のバネと、ドロダメの先端が干渉して、従台車の動きを妨げるかもしれません。どちらか、あるいは両方を切り詰めて接触しないようにします。 |
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最後にコンビネーションレバーを取り付けます。 |
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機関部ができた状態でテンダーと連結しますが、そのままだとテンダーのドローバーがやや短くて、石炭皿がキャブ床の後端にぶつかってしまうかもしれません(この場合カーブで脱線します)。仕方がないので、連結ピンを機関車側に10度ほど傾けて、距離をかせぎました。それでも十分機炭間隔は狭いです。 実際に組んでみると、予想以上にこのへんの調整不良が走行の妨げになるようです。連結ピンを傾けても限界があるので、潔く石炭皿をカットするか、ドローバーを何らかの方法で延長したほうが良さそうです。実は最初に発売されたC58船底テンダーよりも、石炭皿がかなり長いのです。 |
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ようやく完成です。製作時間はのべ約20時間でした。早く完成させて走らせたかったのですが、意外にかかってしまいました。 長期にわたって作る場合は、あらかじめ部品不足がないかどうかだけは、きちんと確かめておいたほうが良いと思います。趣味製品ですし、キットの部品がいつまでもメーカーに在庫していることは期待しないほうが良さそうです。 |
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向こうは最初に発売された船テンダー。ちょっとツヤを出してあります。 |
初めて下廻りを作る場合、一度でうまく行くと良いのですが、色々なことが一度に起こると何が原因なのかさっぱりわからなくなってしまうかもしれません。ただ、恐らくは単純な原因の積み重ねなので、部品を1つ取り付けるごとに確認していくのが一番です。