子供の科学のラジオ>その2
少し年代がさかのぼります。特に1〜2石ラジオは単純な工作ですが、仕上がりにはどれひとつとして同じものがありません。感度、選択度、音質のすべてが違っていて面白いものです。
掲載:子供の科学 1974年2月号 | |||
製作時期 | 結果 | 失敗原因(推定) | |
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初回 | 2005年2月 | 成功 | 本当に感度がよい |
掲載:子供の科学 1975年1月号 | |||
製作時期 | 結果 | 失敗原因(推定) | |
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初回(推定) | 1975年1月 | 成功 | |
再挑戦 | 2005年3月 | 成功 |
掲載:子供の科学 1975年11月号 | |||
製作時期 | 結果 | 失敗原因(推定) | |
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初回 | 2005年3月 | 成功 | 周波数の高い局が少し感度不足 |
このラジオの回路は、「はじめてトランジスター回路を設計する本」(奥澤清吉氏・奥澤煕氏共著、2002年版、誠文堂新光社)に、「5石ハイファイラジオ」として今も掲載されています。トランジスタなどの部品は現在のものに変更されています。プリント基板のパターンは省かれていますが、ここに掲載したものがそのまま使えると思います。
お店によって違いがありますが、今でも意外と多くの種類のバーアンテナが売られており、割と動いている(売れていっている)ようです。いろいろ集めてみました。
(2009年現在)
SL-45GT 製造:「あさひ通信」 コア50mm |
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SL-55GT 製造:「あさひ通信」 コア50mm |
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SL-50GT 製造:「あさひ通信」 コア50mm |
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SL-41GT 製造:「あさひ通信」 コア50mm |
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PA-63R 製造:「マックス」 コア30mm |
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PB-450(平板コア) 製造:「マックス」 コア50mm |
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PB-450(丸棒コア) 製造:「マックス」 コア60mm (2009年現在、ほとんど品切れになってしまったようです。SL-55GT等で代用します。) |
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AP-50R 製造:不明 コア50mm |
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BA-200 製造:「アイコー電子」 コア45mm |
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AM-88 製造:不明 コア80mm |
上記の製造元は、添付の説明書に書かれているメーカー名をそのまま書いただけです。実際には違うところが製造しているものがあるかもしれません。
型番 | 受信周波数 | インダクタンス | 使用バリコン | Q |
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SL-41GT | 535〜1605kHz | 330μH±20μH | Max.260pF | 開放Q 100以上 |
SL-45GT | 535〜1605kHz | 330μH±20μH | Max.260pF | 開放Q 100以上 |
SL-50GT | 535〜1605kHz | 330μH±20μH | Max.260pF | 開放Q 100以上 |
SL-55GT | 535〜1605kHz | 330μH±20μH | Max.260pF | 開放Q 100以上 |
PB-450(平板) | (記載なし) | (記載なし) | 300pF(コイルをコア端から5mm) 290pF(コイルをコア中心) | 1000kHzにて200〜240 |
PB-450(丸棒) | (記載なし) | (記載なし) | 300pF(コイルをコア端から5mm) 290pF(コイルをコア中心) | 1000kHzにて200〜240 |
AP-50R | (記載なし) | (記載なし) | (記載なし) | (記載なし) |
PA-63R | 535〜1605kHz | 360μH | 300pFまたは360pFタップ切り替え | 1000kHzにて150 |
BA-200 | 535〜1605kHz | 330μH±5% | Max.260pF | 開放Q 100以上 |
AM-88 | 530〜1650kHz | 620μH | 140pF(2連) | (記載なし) |
昔は、ミューラーの0840TRというものもよく売られていて、SL-45GTと同じような用途に使われていたように思います。
PB-450より少し長いPB-455とか、SL-45GTの高感度版のSL-45GAとか、仲間もたくさんありましたね。
そのPB-455を30年ぶりに入手しました。
昔、近所の店にはPB-450がなく、買いに行くと必ずこのPB-455が出てきました。
外観はPB-450にそっくりですが、青リードがなく、代わりに黄色リードがついています。
説明書も付属しておらず結線の仕方もわからず、これを使ったラジオは必ず失敗するように感じていました。
改めて調べると、次のようになっています。
ああなるほど…。これは当時の私の頭では代用不可能です。PB-450はコイルが2個巻いてあるのですが、PB-455は1個のコイルで作られており、再生タップが赤・黄の2本用意されていたのですね。
掲載:子供の科学 1974年6月号 | |||
製作時期 | 結果 | 失敗原因(推定) | |
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初回 | 2005年3月 | 成功 |
掲載:子供の科学 1975年5月号 | |||
製作時期 | 結果 | 失敗原因(推定) | |
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初回 | 2006年7月 | 成功 |
バーアンテナは、懐かしいミューラーの0840TRが使われていて、これの端子をラグ板にハンダ付けして固定するようになっています。驚いたことに2006年になっても0840TRを売っているお店があり、新品(というのかどうかわかりませんが)で入手しました。
ケースの大きさには余裕がありますから、取り付け方を工夫すればSL-45GT等でもOKです。
掲載:子供の科学 1975年3月号 | |||
製作時期 | 結果 | 失敗原因(推定) | |
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初回 | 2005年4月 | 成功(やや混信) |
ラグ板をプリント配線に変更したものを作ったところ、大幅に性能が改善しました。→「#18 出力をちょっぴり大きくした3石高1ラジオ プリント配線版」
掲載:子供の科学 1975年3月号 | |||
製作時期 | 結果 | 失敗原因(推定) | |
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初回 | 2005年5月 | 成功 |
「その1」の最後にある(#7)直結式2石イヤホン・ラジオの3ヶ月前に発表されていたものですが、こちらはトランスの代わりに負荷抵抗を使っていたり、電池が倍の電圧になっていたりといくつかの違いがあります。 |
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余っていた名刺ケースに組む都合で電池は単4としました(元は単5で少し太い)。バーアンテナは、本誌ではミューラーの0840TRが使われていましたが、ここではSL-45GTを使っています。 あっさりできて鳴りましたが、同じ2石直結でも、感度は前のほうの(#7)直結式2石・イヤホンラジオのほうが一段上です。単にバーアンテナの大きさの違いなのかもしれませんが…。 |
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●回路図 「子供の科学」編集部の許可を得て作図 ●おもな部品(他に各種2mmビス・ナット・配線用ビニール線等)
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●ラグ板配線図 2次巻線は使っていないので、バーアンテナにPA-63Rを使い、黄色と黒のリード線を利用してもよいと思います。 |
バーアンテナのコイルを端ギリギリにしないと、地元の一番周波数の高い局(1440kHz)が受信できませんでした。他のラジオと同じバリコンを使っているのですが、バリコンかバーアンテナに個体差があるんでしょうか。
子供の科学でトランジスタを使ったラジオや電子工作の記事の全盛は、1960〜1970年代の10年くらいだと思います。ほとんどが1〜3石で、やさしく作れるようにという制約があるため、ほぼ同じ回路のものが形や部品を少々変えて繰り返し掲載されています。
さて、このコーナーはまだ続きます。