Nゲージ蒸気機関車>メモ>2017.4.2/2020.12.19
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異常な拡大ばかりですみません。
細部を見ようとすると、実際の模型の印象からかけ離れていってしまいます。だから画像では模型が本当にどんな感じなのかは、わからないんですよね。
すっきりしたディテールで、薄いボイラーバンドも目立ちすぎず表現されています。
細い空気作用管への銅色もきれいに入っています。
キャブ天窓は開閉します。トミックス的には外せないギミックのようです。私は使いませんが、この機構が外観を損なっていることはないので、あって困ることはありません。
前後の窓ガラスにはワイパーが銀色表現されています。
C61までは、側面の窓枠はガラス側に表現されており、茶枠だと周囲の隙間が目立つことがありました。今回は窓枠は車体側に表現されています。
窓は全閉です。開けたほうが運転中の感じが出ると思います。
屋根上の信号炎管はユーザー取り付けです。他につかみ棒・標識灯ステー・エアホース・ナンバープレートがユーザー取り付けパーツです。特別なものはないので、蒸機をやっている人なら取り付けはすぐ終わるでしょう。
標識灯のステーのみ、上級者向けとされ、0.5mmドリルで穴あけが必要です。個人的には0.6mmドリルがおすすめです。
キャブ下の配管類も現在の標準レベルで再現されています。これ以上は望まないですよね。
この製品はミニカーブレールの通過という重い課題を背負っています。そうです通過するのです、半径140mmを。
従台車の可動域確保のため、空気溜めを外側いっぱいに寄せ、ドア下のハシゴもやや大きく外に張り出しています。それでもミニカーブレールではハシゴの下段が従台車に当たりそうになるため、専用の別パーツも付属しています。
標準の端梁パーツ。
ミニカーブレール用の端梁パーツ。
ハシゴが短く、後部ステップがありません。
単機でただC177やC140のS字を走らせてみたところでは、標準の端梁パーツでも通過はしましたが、特にC140では引っかかることもありそうです。わざわざお金をかけて別パーツを作っているので、問題が起きるケースはあるのでしょう。
怪しかったらミニカーブレール用の端梁に即交換でいいと思います。
私が買ったものは、何かフロントに対してキャブ側が傾いているようで、何度かぎゅっとひねって直しています。プラ部分にはぐらつきがあまりないので、ダイキャスト部に起因するのかもしれませんが、わかりません。
今になって、上の写真を見てみますと、左右のダイキャストがずれているようにも見えます。でも下手にいじると走行に影響するかも…。
たまたま目に留まって気になっただけかもしれないので、このくだりはあとでカットするかもしれません。購入後の感想をだらだら書いております。すみません。
フロントです。煙突の回転によるライトの消灯機構もまだあります。この機構は、本家?KATOの最近の新製品では、すでにオミットされています。
レンズ上部に横縞のレンズカットが表現されています。過去にはマイクロエースが全面縦縞で標準化したことがあります。
端梁幅は1/150ぴったりです。プラ製デフの厚みを内側に取っているようです。デフの裏側表現は昔の標準的なもので、前端のみ斜めに削いでおり、裏側のリブ表現はありません。上廻りで古さや厚ぼったさを感じるのはここぐらいです。
一般的なC11と比べ、デフ上部の高さとステーの曲線形状が違いますが、これは325号機であるからです。ステー立ち上がりの曲線部分が少ないのが特徴です。
ナンバープレートの文字はいつものようにきれいです。煙室扉ハンドルはもっとくっきり、浮き立たせてもよかったように思います。
このほか、トミックス40周年記念のヘッドマークと、それを取り付けるための交換用バネ箱も付属しています。これは初回生産分のみ付属していると説明書にあります。KATOのC50記念品と違い、今後も325号機そのものは再生産の可能性があるのかもしれません。
→2020.12.19追記:その後、2020-2021年度版カタログにて本製品は生産中止となり、結局は40周年記念の1度きりの製品となってしまいました。
後部タンクです。こちら側が先頭になるときのために、後部用ダミーカプラーも付属しています。
カプラー上部の端梁に開いている丸穴は、ダミーカプラーのときに装着できるエアホース用です。
こちらのハシゴもタンクを避けて外側に張り出しています。
トミックスの蒸機では久々のスポーク動輪です(前回は9600)。
動輪間に見えるダイキャストブロックには、台枠表現などが彫刻されています。
加減リンクからオイルポンプ箱に斜めに伸びる作用ロッドもあります。最初にKATOのC56でこれを見たとき、プラ量産品でここまで作る必要があるのだろうかと思ったのですが、何かもう普通に見えるようになってしまいましたね。
スポーク先輪は通電式で、KATOのC12(写真左)によく似ています。
先輪車軸から集電する方法もほとんど同じです。ただこの模型の場合、これでも集電性能が十分とはいえないようです。
動輪の2軸がゴムタイヤ付きのため集電に不利なのです。
先台車と従台車を外したところです。ダイキャストブロック側にバネがあり、各台車をレールに押し付けています。
従台車の後部にある突起を挟み込むように、後ろからカプラーがはめ込まれています。カプラーは左右に首を振るようになっています。交換用のTNカプラーも付属しています。
C57と違い、他社のカプラーをそのまま取り付けることはできません。自動解放のためマグネ・マティックカプラーを取り付けるには、後部端梁を開口して、MT-7などを接着取り付けするのが楽そうです。
一見、形がよく似ている、KATOの重連ナックルカプラーの根元を削って差し込んでみました。
だめだこりゃ(笑)
走らなくはないです。真面目な人が真面目に加工すれば何とかなるかもしれません。
いったん、アーノルドカプラーに戻しました。
別途、両方のカプラーを切り貼りしてみたものです。多少ましになりました。
→トミックスのC11後部に重連ナックルカプラー
キャブを外したところです。キャブ〜炭庫の外し方は説明書に記載されています。
運転室後部に、石炭取り出し口などのディテール表現があります。
もちろんバックプレートもあり、一般的な機器表現がされています。
炭庫を外すと、上部には後部ライト用のLEDが見えます。
内部のLED基板には、モーターの電流を制御する半固定抵抗が入っています。手前のコネクターはコアレスモーターのリード線です。
コアレスモーターはLEDが点灯する前に動き出すので、常点灯を重視しているトミックスは何とかしたかったのでしょう。
半固定抵抗は、付属のドライバーを使って車体の下部から調整できます。
抵抗を大きくすると、LEDの点灯のあとからモーターが動き出すようになります。もちろん全体的に速度が遅くなります。
常点灯を期待しない人には関係ない機能ですが(特に、主に消灯状態で使う場合は)、それなりのコストがかかっています。
動力ユニットです。コアレスモーターからジョイントを介してウォームに伝達しています。
ウォームの前端がフライホイール的な形状になっていますが、ほとんど過走はしないようです。集電が弱くなると乗り切れずに止まりがちです。
前方にある黒いパーツにはLEDが内蔵されています。
手持ちの品+個人の感想ですが、走り心地は一昔前の製品という感じで、トミックスでいえば9600に近いでしょうか。個体差はあると思います。
私が買った3両では、トラムウェイのC11よりは滑らかですが、マイクロエースのC11には及ばないという感じでした。駆動音はトラムウェイが最も静か、安定性ではマイクロエースが一番でした(ただしマイクロエースの後期製品は、前期に比べて動きは悪くなっているように感じます)。
1両は走行中に低い周波の「グイングイン…」というような振動音が出ることがありましたが(後に軽減)、挙動は安定していたので、これを常用することにしました。
他は左右に波打つような走行をしたり、低速時に何でもなさそうなところで集電が途絶えることがありました。これぐらいの性能の商品であると考えました。
→全然、それを期待したわけではありませんヨ(笑)。
最新のトミックス製品ですから、最近のKATOのコアレス機のように、静かで安定した動きが期待されると思いますが、きっぱり、それはありません。
ただ松竹梅あるとしたら、梅ぐらい、たまに竹が混じるかというように感じました。
底板を外したところです。
一方のダイキャストブロックへのはめ込みが固いなど、ちょっと不調の原因になりそうな部分がありましたが、まあ普通の構造に見えます。
こうしたほうがいいんじゃないかな、という箇所もなくはないですが、素人が考えるようなことはメーカーはとっくにお見通しでしょうから、おそらくピント外れかと思います。
分解で引きはがされた抜け殻です。
C57に比べ、特に変わった構造はないと思います。なおサイドタンクも真上に引き抜いて外せます。
トミックス初期のCタンクと、最新のCタンク。40年の歳月を感じます。
今回のC11の動力性能は膨れ上がった妄想品質には届きませんでしたが、外見は期待通りに仕上がっていました。
この模型でしか経験がありませんが、KATOのパワーパックを使うと、走行中・特に低速時に「チリチリ」「ジジジジ」のようなノイズ音が顕著に発生します。モーター付近から発生しているようです。ただしパワーパック ハイパーDXでは、動き出すときのみ「ジジッ」と短いノイズ音が乗るものの(逆転直後など)、その後は静かでした。
トミックスのパワーユニット N-600とN-1000-CLでは、そのような音はしませんでした。特にN-600は動きも素直でした。やはり自社製同士は相性がよいのでしょう。KATOのコアレス機も、KATOのパワーパックのほうが性能を発揮すると思います。