Nゲージ蒸気機関車蒸機の工作>C54の組み立て

C54の組み立て(5)

1 2 3 4 [5]


動力ユニット

説明書で最初のページにあるのは動力ユニットの組み立てです。ただ塗装をはさむのと、自分としては気楽に組み立てられる部分なので、たいてい最後に回しています。

C53と同じなので、写真はほとんどC53の組み立て記事から移植しました。

小ギヤの取り付け

4個の小ギヤを、車輪座AとCにネジ留めしました。なお車輪座の表側は黒で塗装しておきました。

小ギヤ軸の表に出ているバリをきれいにヤスリ取っておきます。この上にすぐ大ギヤが重なるためです。

大ギヤと車輪座の取り付け

左右の板H1-3とH1-4に、車輪座を取り付けました。

  1. 大ギヤは裏側にバリが出ていないことを確かめてから、大ギヤ軸や回転座を通してネジ留めしました。
  2. ギヤのない側は、薄い回転座を通してネジ留めするだけです。
    いずれも車輪座が軽く左右にスイングすることを確かめます。
ベースプレート組み付け

ベースプレートへの組み付けです。

  1. ベースプレートのH-1板とH-2板はぴったり重ね、ハンダ付けで2枚を固定しておきました。固定したほうが反りにくいと思いますが、重ねてネジ留めするだけでも組み立てはできます。
  2. ギヤの付いている側の板(H-3)をネジ留めしました。接合面は通電する必要があります。
絶縁側の組み付け

今度は絶縁側です。

  1. ベースプレートの上にプラワッシャー(絶縁ワッシャー)をはさんでから、H-4板を置きました。
  2. 説明書とは違う方法ですが、ひっそりH1板に付属しているこの部品(部品表で×印が付いているもの)をH-4板の穴に重ねました。たぶんこの部品はこうやって使う通電ラグではないかと思います。H-4板にのみ接触するようにします。
    ※注:本来はこの部品を使わずに付属のリード線をハンダ付けします。
  3. 絶縁ブッシュを通し、ネジ留めしました。ベースプレートとH-4板は電気的には接触しません。
車輪の圧入準備

車輪を圧入する際、軸にワッシャーを入れるのを忘れやすいので、あらかじめ並べておきました。
車輪にはプラ輪心をはめ込み、ゴムタイヤ付き車輪の入る位置も確かめておきました。いつも内側に点対称で配置されています。

車輪の圧入
  1. ワッシャーを忘れぬようにギヤ軸を軸受けに置き、左右から車輪を通して圧入。左右から圧入した金属のパイプ車軸が、中央のギヤに当たったと感じたら止めています。その先もギュウギュウ押し込んだらだめだと思いますが、「ギュ」ぐらいなら平気です。
  2. ゴムタイヤ付き車輪はこの位置になります。
  3. 圧入の際に、この台車枠取り付け部が邪魔になりやすいので注意します。使う万力によってどうしても当たってしまうときは、圧入する車輪と万力の間に、車輪の直径よりも少し大きく平らな板を挟むのが良さそうです。
モーターの取り付け
  1. モーターをモーター台にネジ留めし、モーター台の端子をモーター端子の穴に差し込んで接触させました。
    モーター台は床のH-3板にネジ留めしますが、このときシャフトが斜めにならないよう、まっすぐ前後を向くようにします。
  2. 反対側のモーター端子には、H-4板にネジ留めした通電ラグのヒゲ部分を通して接触させました。ウォームを付ける前に、レールに乗せて通電し、モーターが回転することを確かめました。

なお、付属しているモーターによっては、説明書のとおりの向きに取り付けると、逆走してしまうことがあります。極性を示すマークの形や数が場合によって異なるのです。あとで発売されたC54 17号機でそうなりました。実際に確かめて配線したほうがよいです。

今回はモーターの配線をハンダ付けせず、接触だけで組み立てました。これは先月発売された、アルナインの産業用Bタンクを参考にしました。うまくいけば、接着剤だけで組み立てる方は、本当に一切ハンダ付けをする必要がありません。

端子を曲げる

モーター台の端子は90度外側にひねって、後ろに出っ張らないようにしました。そのままだと石炭ウェイトに接触しそうだったためです。
石炭ウェイト側も念のため、端子に当たらぬよう削っておいたほうがよいようです。少しでも接触すると、ショートして走らなくなります。

ウォームの取り付け
  1. ウォームをモーター軸にエポキシで接着しました。前後の位置は、ウォームの真ん中に大ギヤの中央が来る程度です。
    説明書には寸法図がありますが、たまに付属しているウォームの長さが違っていることがあるので、必ず確かめています。
  2. 床板のブレーキてこを接着。本当は塗装前にハンダ付けしておきたいのですが、組み立ての邪魔になるのでがまんしています。
上下の組み付け
  1. 前後4箇所のネジで、動力ユニットをテンダー本体に固定しました。
    テンダーの姿勢を確認し、傾きがあればそれぞれのネジ部に薄い板やテープ等を挟んで調整します。
  2. 4箇所の台車枠をネジ留め。
  3. このあと最後にカプラーを取り付けました。

完成

最終的に全体を調整して終了です。工作の甘かったところはどうにもなりませんでしたが、また次の機会にということで…。
キットの形はC54そのものです。すぐ売り切れたそうですが、メーカー完成品もきっと売れるでしょう。

C54

C54

C54

C51・C53を作ったワールド工芸にはぜひC54も手がけてほしかったので、実現して嬉しいです。内容も期待どおりでした。
また今回は、配管部分を中心にほとんどの組み立て手順が示されていたので、心理的にとても楽でした。
早く組み立てたかったのでハンダ付けで組みましたが、接着剤だけで組み立てることも十分可能です。

実は私もワールド工芸のC51・C53・C55などを合成してC54を作ろうと思い、材料を集めていたのですが、 C54は結構どれとも違うのです。何をベースにすればまとまりやすいともいえず、考えていたところにこのC54が発表されたので、何の未練もなく中止しました(笑)。

C54には従台車の改造や、シールドビーム・皿型火の粉止め・長いひさしなど特徴的な装備も色々あるので、いくつかバリエーションも考えられそうです。
(終わり)


[←前ページへ]

1 2 3 4 [5]

「Nゲージ蒸気機関車」トップページに戻る