Nゲージ蒸気機関車2012年のメモ>2012.3.24

C57 180(トミックス) その3

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テンダー

トミックスの車体は全体的にほぼ一定のディテール粒度で作られているようで、ふだん見えにくいテンダー後方も精密感があります。

C57 180 C57 180
下の1号機とは重油タンク周辺の形状が結構異なっています。
ハシゴやカプラー解放テコは別パーツで立体感があります。後方ライトも点灯式になっています。 今までどおりダミーのテールライトのレンズも別部品ですが、実はそのためレンズの周りに太いフチができて形はイマイチです。電気機関車的な作り方かもしれません。
C57 1 C57 1
解放テコとテールレンズの別パーツ化、及び後部ライトの点灯は、現在のトミックスのC57の共通仕様です。
D51 498(KATO)

D51 498(KATO)
こちらは最近のKATO製品です。KATOはあまり見えない部分にはコストをかけずにさらっと流す方針のようで(実際、かなりお徳感がある)、テンダー後部は一体モールドです。

ただし、内部にはDCCデコーダーとスピーカーを組み込むスペースが用意されており、これはこれで手の込んだ仕様です。トミックスのC57をサウンド対応にするのはものすごく大変です。

テンダー下廻りの様子です。このあたりにも両社の模型化の考えの違いが垣間見えます(全然、的外れかもしれません)。

トミックス
トミックス
ATS車上子は別パーツで、ユーザーが差し込んで取り付けるようになっています。台車枠に隠れがちな車輪にもスポークがあります。
KATO D51
KATO D51
奥にあるATS車上子は一体成型でごく簡素なものです。反面、表からよく見える台車枠は立体的で精密な表現になっています。

意味があろうとなかろうと全体的に一定の盛り付け方でディテール表現をするのがトミックス、見せ場になるところにはドーンと盛り付け、それ以外はそれなりにというのがKATOの表現になっているようです。
そういえばトミックスの旧製品など、ランボードの裏側やキャブの天井にまでディテールがありました。9600も全体的に一定といえば一定でしたね…。ただちょっと温度が低かったような気がしますが。

発電機周辺

配管などが集中するひとつの見せ場です。精密感を演出するのに重要な場所ですが、やりすぎるとシルエットが悪化するので、小形の模型ではこれまた難しいです。

C57 180
C57 180
機器の配置は1号機と同様ですが、配管のモールドはすべて作り変えられています。 発電機の排気管と消音機は目立つ割に省略されていますが、これはトミックスのまとめ方の考えによるのでしょう。
C57 1
C57 1
C57 180(KATO)
C57 180(KATO)
モールド表現といえばKATOも手馴れています。あっさりしていますが必要な配管は全部あり、キャブにかかる消音機まですべてが一体モールドです。

キャブ側面

C57 180
C57 180
屋根だけ見ると1号機と同じに見えますが、側面のナンバー位置やタブレットキャッチャー、前面の電気配管の作り分けが行なわれています。 キャブ下の配管のほか、ドロダメの配管の走り方も作り分けられています。
C57 1
C57 1

走らせて遊ぶのが中心の方、特に人形を乗せて見ようという方には、窓ガラスをカットして前方に開けた状態にしてみると効果的です。
ただし、窓ガラスを外したり、それを削ったりするのはそれなりに手間がかかります。
ほか、後方ひさしの下縁は実物よりも高いので、走行に支障がなければ下側にプラ板などを貼ってみるといいかもしれません。実物はもっと下側に分厚い感じです(本当に実物どおりにするとテンダーにぶつかりそうですが)。

価格設定的に、いろいろいじって遊ぶ模型なのか、メーカーのデザインをそのまま味わって使う模型なのか微妙なところですが―まあそれは買った人が決めることですが―、現状では最も3次形の素に近い模型とも言えるので、手を加えていくのも楽しそうです。


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