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適宜、旧製品やトミックス製品も並べました。
KATOの新旧と、トミックスのC57について。
KATOのリニューアル品は、裏の前端に斜めの削ぎ取りがない、薄型のデフを採用しています。裏側には補強リブのモールドもあります。
Nゲージは小さいので、デフの厚みがどうしても前面の印象に影響してしまい、作る人(メーカー)によって処理の方法が色々かと思います。
トミックスはデフの厚みを、車体の外形寸法から内側に取っているようです。KATOは厚みを片側0.2mmずつ外側にも逃がしているようです。
どんな方法がそれらしく見えるかは機関車によっても異なるように思います。私が自分で機関車の模型を作るときも、いつも悩みます。
旧製品のボイラーはモールド表現主体で、そこにまた絶妙な技がありましたが、リニューアル品は別パーツも多用されています。
ハンドレールや加減弁ロッドは樹脂製で、歪みも少なくきちんとしています(ランボード下のみフニャっています)。
KATOお得意の、配管留めが黒い空気作用管の銅色塗装も施されています。
ドームです。3つ並べてみました。
目立つ割に、図面に表れない形状が多いので、模型化に苦労する箇所ではないかと思います。
どこかで踏ん切りを付けなくてはいけませんね。
KATO 旧製品
手作業による造形?ならではの、いい感じの丸さです。
KATO リニューアル製品
旧製品に比べるとちょっと角張った部分もあります。シルエットはきれいにできていると思います。
トミックス 1号機
後方の傾斜にもっと丸みがあれば、もっとよかったかなと思いました。急角度で直線的に下りているためです。
あとで出た180号機のドームはとてもよくなっているので、いつか再挑戦していただきたいところ。
KATO 1次形
いつもの窓の開いた格好で、ひじ掛けも出ており、人形を乗せると引き立ちます。
キャブ下は相変わらずものすごいですが、多数の配管に機器が埋没して、メリハリがつかなくなってきているような気もします。
キャブ後方の縦の雨樋は、下のほうで分離していて、別々のパーツにモールドされているのが面白い処理です。一応真横から見た時は重なって見えるように形状が工夫されています。
トミックス 1号機
トミックスは窓が全閉ですが、はめこみガラスになっています。前面窓の幅も実機らしくフチもはっきり表現されています。
キャブ下の配管密度はKATOほどはありませんが、トミックスの模型のバランスの中ではちょうどいい感じがします。たとえば、発電機の排気管も付いていませんので。
キャブ下周辺にあってほしい、ドロダメ、速度検出器、分配弁、渦巻塵取はきちんと見て取れます。
KATO 1次形
従台車上のドローバーに火室下部のような目隠し板が取り付けられており、向こう側が透けて見えないように工夫されています。
従輪のスポークまで抜けています。
トミックス 1号機
KATO旧製品と同じく、従台車にはバネとイコライザーが一体でモールドされ、一緒に首を振るシンプルな構造です。
KATOの1次形のバックプレートです。
旧製品はここにSM-5モーターがびっしり詰まっていました。その時代はモーターが外にはみ出していなければ、キャブ内いっぱいでもあまり気にならなかったのですが、今ではバックプレートがあるのが当たり前になりましたね。
KATO 1次形
トミックス 1号機
KATOの動輪はトミックスに比べて若干大きく、実物寸法に近づいています。先台車の形状のせいか、先輪スポークのシースルー効果も大きいです。
トミックスは動輪輪心にちょっとヒケがあって波打っていましたが、昨年のC11ではビシッとしたものになりました。
KATO 1次形
KATOは新しいC62以降、ランボード下のボイラーもプラのケーシングで覆われており、ボイラーバンドなどのモールドもあります。
トミックス 1号機
トミックスはダイカストがそのまま見えています。ただこんな撮り方をしなければ、そんなに目立つところでもありません。
サイドロッドが一番下に来た時に、合併テコがちゃんと垂直になるのはよいところです。今のKATOは前傾してしまいます。
テンダーはダミーライト付きとなりました。
埋め込み型(薄型)のテールライトがモールドされたことは、旧製品とは一番プロトタイプの違いを感じるところかもしれません。
こちら側のカプラーてこは別パーツではなく、モールドで済まされています。KATOは、あまりバック運転が主体とならない形式は、いつもそうするようです。
ATS車上子は今回細密化され、他とディテールの感じが揃いました。
新しいATS車上子は、テンダーの中身の底板にモールドされています。
これが外板の底部の穴から、外に顔を出す構造です。
テンダーのダイカスト部分は、D51標準形と同じパーツです。
DCCサウンドデコーダーの小型スピーカーをはめ込むくぼみも付いています。
後部のダミーライトの導光部も、そのままテンダー内部に差し込まれているので、光源を積む工作をすれば点灯化も可能と思います。
構造は4次形と似ているので、分解方法も似ています。
ランボードを押さえて、キャブの床板を上方に持ち上げればボイラーが外れました。
キャブをボイラーから外すには、先に発電機と配管を外す必要があります。
屋根裏にはウェイトが設置されています。ウェイトはドーム内にもあります。
動力ユニットの本体は、4次形と同じもののようです。
第3動輪がギヤ駆動し、そこからサイドロッドで第1・第2動輪に連動しています。
ゴムタイヤは第3動輪にあり、第1・第2動輪がエンジン側の集電車輪です(テンダーは4軸集電)。
第1動輪の軸受けにリン青銅の板バネがあり、第1動輪が上下に動くようになっています。
レールに載せて車体前方を上から押すと、軽くわずかに沈み込みます。
バネの具合にもよると思いますが、若干前側が浮き気味になる傾向があるようです。今のところ車輪がレールから離れることはありません。
動力性能はC57 4次形と同様に大変よく、出発のスムーズさや速度変化の滑らかさも快適です。
音も静かですし、現状のC57の模型の中では一番かと思います。もちろん個人の感想です。使用環境や好みによって違うでしょう。
特定機ではない、いわゆるC57を模型化したものですので(一定のプロトタイプはありますが)、特定機はトミックス、一般機はKATOという具合に共用できると思います。
むやみに拡大した写真ばかり載せましたが、実物は手のひらに載るほどの小さな模型にディテールがぎゅっと詰まっていて、見ているだけで楽しいです。
(おわり)
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