Nゲージ蒸気機関車>蒸機の工作>C58船底型テンダーベースセット
昨年のD51用に続き、やえもんデザインから発売されたパーツ製品です。
実は私もそれとは別に、自分でC58用の船底テンダーを作ろうと3Dモデリングを始めていたのですが、途中でこの製品が発表されたので中止していました。
キット組み立てのほうが楽ですからね。
2024.4.6
キットの他に、トミックスのC58のテンダーを使います。
説明書のとおりに組み立てるとすれば、使うのは中身のウェイトと上部の石炭部、カプラーポケットとカプラー、車輪、そしてドローバーです。
石炭は自分で作り、ウェイトも別に用意し…などと工夫すれば、C58テンダーの使用は必須ではないかもしれません。
昨年発売された、D51船底型テンダーベースセットと要領は同じです。
今回も作りたい特定機はなかったので、基本はベースをそのまま組み立て、一部配管などを追加した程度です。
前後の妻板を折り重ね、本体を曲げました。
前部妻板は後退角が付いているので軽く曲げます。表の板には、自分で裏側に折筋を入れてから曲げるように注意書きがあります。
注意書きは読みましたが、いざ実際に手を動かすとすっかり折筋を入れるのを忘れてしまい、ちょっと甘い曲げになってしまいました。まあここはそれほど見えるところではないので、あまり精神的ダメージはありません。
後部妻板にはテールライトを付けるため(付属しません)、自分で穴を開けておきました。前部妻板にもあとで取水コック用の穴を開け足しています。
側板の上部にフチをハンダ付けし、前後の妻板を固定しました。
前部妻板の曲げが少し強かったようで、側板との間に少し隙間が空いてしまったので、裏から真鍮線を当てて塞ぎつつハンダで埋めました。
前部妻板にディテールパーツを付けました。
左右の小さい取水コックは取り付け穴が開いていないので、自分で穴を開けました。取水コックはせっかく付けましたが、カーブで干渉するためあとで一部をカットしました。
後部妻板には下の取り付け穴から順に、上側に向かって部品を付けていきました。
裏側からハンダ付けする際にコテを当てやすいためです(私の感想です)。
テールライトは手持ちの余りを使ったので、左右で少し形や大きさが異なります。…余談ですがワールド工芸のキットでも、異なるタイプが混在して入っていたことがありました。ただのミスだと思いますが。
右側のステップには手持ちの真鍮線を曲げた暖房ホースを付けました。ちょっと短かったかもしれません。別売パーツも存在します。
床下にも結構たくさんパーツが付きます。熱を食うロストパーツを先にハンダ付けしておきました。
本当は集電対応にするのがよく、その場合は床板に集電板を通す穴を開ける必要があると思います。今回はやめましたので走行性能は落ちています。
下記は過去に行った集電対応の一例です。
→C59の組み立て(やえもんデザイン)より
次に真鍮パーツをハンダ付けしました。前方の枠は先に付けたロストの連結ピン(中間緩衝器)に、適当に重ねてハンダ付けしました。
床下には、表から見えるところだけ真鍮線で配管を固定しました。ATS配管の1本とブレーキ管のような感じです。
ちなみに真鍮線は付属していませんが、向こう側の暖房管を留めている虫メガネ状の配管留めは付属しています。
ついでに前部妻板にもATS配管を適当に作って固定しました。何かの空気作用管の余りを切り取ったものです。
C58のテンダーから、必要な部品を取り出しました。
上下を分離し、写真左にある石炭部分と、内部のウェイト(ダイキャスト部)のみ使うことにしました。ウェイトはドローバーの連結部の突起(青い矢印)を、根元からニッパーで切りました。
ただ、最終的にこのダイキャスト部を使うのはやめたので、カットする必要もなかったです。
テンダー中板は、説明書にある裏スジを利用する方法にし、前部をカットして上に曲げました。
テンダー内の後部には、この中板を固定するための中板リフトを固定しました。
説明書に従い、内部にウェイトを入れてから中板をネジ留めしました。後部のネジ1本で固定するので中板の前側が不安定ですが、下にウェイトがあるので落ち込まない感じです。
ウェイトはただ入れているだけなので不安定です。きちんと固定したいのですが場所もギリギリのようです。
前方には石炭を載せます。説明書の例では、この土台になっている増炭枠の部分も重ねて載せていますが、私は石炭だけにしました。
特別おまけとして、C58のフロント部に付ける標準的な形のステップと、排障器が付属しています。折り曲げて組み立て、ハンダ補強しておきました。
ハンダ付け作業はこれで終わりです。
どちらも接着固定することになりますが、排障器は接着面積も小さいので結構不安です。
排障器は先輪に干渉したため(写真では傾いてもいますが)、最終的には外しました。なおこの先輪は元の先輪より大きいΦ5.7mmです。
欲を言うならば、船底テンダーになったことで必要となるキャブ下のハシゴも欲しかったところですが、特別おまけに欲を言うかという(笑)。→ハシゴは別途作りました。
機関部と連結して様子を見るために、いったん台車などの床下パーツを付けてみました。
車輪はC58のテンダーの付属品ではなく、KATOのスポーク車輪(車軸短)を使いました。D51の船底テンダーではプレート輪心の車輪が多いようですが、C58の船底テンダーはスポーク車輪が多いように思います。
ATS車上子とブレーキシリンダーは、先にC58船底テンダーを自分で作ろうとしていたときにモデリングしてあったので、それを3Dプリントしました。D51船底テンダーに使ったのと同じです。
ドローバーにはテンダーのフックを引っ掛けるための穴を開け、後部をカットしました。
説明書にも図と寸法がありますが、私の現物合わせはだいぶズレた結果になりました。何か間違ったかも…?
連結して走行テストしました。
取水コックの前端がカーブでキャブにつっかえてしまったので、前端をニッパーでカットしました。また、あとでドローバーも微妙に延長し、R249までは通過できるようにしました。
ここまでは、大きな失敗もなくできていたつもりです。
落とすまではね
(修復中)
重いウェイトが入ったまま、当たり所悪くガッツリぶつかったため、薄い側板の一部が膨れて完全には直りませんでした。
顔は笑っていますが心は泣いています。
さて、エンジン側の色つやに合わせて塗装しました。
内部のウェイトは、ハンダをカットしたものに変更しました。
石炭を取り付けるために、かさ上げパーツをプラ板で作りました。
中板を給水口部分のネジで止め、前方にかさ上げパーツを入れて石炭を載せました。かさ上げパーツはもう少し後ろまで伸ばして、中板の前端を支えればよかったと、今になって思います。
増炭枠を使わなかったため、石炭の周囲には少し隙間ができます。
これでテンダーは完成です。特に何号機のテンダーというものではありません。上端がストレートのタイプ、です。
エンジン側も軽く後期形風にして、完成にしました。ナンバープレートは適当に手元にあったもので、実機と同一ではありません。
エンジン側はプレート先輪に交換し、キャブ下にハシゴを付け、ドーム前の逆止弁は非公式側ボイラー脇に移設しました。
ライトは旧テンダーから移植しています。
他は目立つハンドレール後部の開きを直したり、窓枠を塗りつぶしたりと細かいところです。
船底テンダーは台車形状も手伝って何となく足が速そうに見え、戦前型とはまた違う魅力があります。
船底テンダーの市販品はワールド工芸や、やえもんデザインのコンバージョンキットに例があるぐらいで(ガレージキット類では他にもあるかもしれませんが)、Nゲージのプラ製品には存在しないので、完成すればちょっと嬉しくなる製品だと思います。