Nゲージ蒸気機関車蒸機の工作>C61の組み立て(やえもんデザイン)

C61九州タイプの組み立て(やえもんデザイン)

C61九州タイプ

2013.1.23

2012年10月に発売された、C61九州タイプです。
今回は動力にKATOのC62 2号機を使い、テンダーの集電機構は省略しました。その代わりエンジン側には色々と削り加工が必要です。

1 2 3 [4]


動力の加工

次にを作るなら動力をどうしようかと考えていたときに、「N蒸機の世界」さんにお勧めを受け、今回はKATOの動力を使うことにしてみました。
使用したのはC62 2 北海道形の動力ユニットです。
ワールド工芸の金属キットにマイクロエースやトミックスの動力ユニットを組み込む加工は、今まで何度もやっていますので、特に苦労した点はありません(でも失敗はします)。

動力ユニット

普通、左右のブロックはネジ留めされているのですが、このユニットは違いますね。前方にはモーターの接点と動輪バネがあるので、これらは外してから加工しました。
なお後方にプラ製のギヤ軸が2本見えます。

前後に赤く記した部分は、あとで削り取った部分です。

モーター撤去

上部の灰色の留め具を外すと、モーターとフライホイールが取り出せます。
動力ブロックは外側から削って1mmほど幅を詰め、キットのランボードの内側に入るようにします。

左右のブロックはしっかり組み合っていたので、分離せずにこのまま削りに入りました。構造については深く考えていませんでした。

しかし

折れた動力ブロックのピン

やってしまった…。

削りも終盤というところで、突然左右のブロックがずれて分解。

この前後の2箇所のピンにて左右が固定されていたのですね。それを外側から力をかけてゴシゴシ削っているものですから、ぽっきり折れてしまったようです。

折れてしまったピンはもう使えないので、写真のようにプラ板のスペーサーをたくさん挟んで左右を合わせました。
自分でやった失敗にへこたれているわけにもいきません。

調整

左右の微妙なズレを直してぴったり合うようにスペーサーなどを調整し、機能は回復しました。走行状態をテストしながら数日かけました。
少しでもズレがあると、動輪の3軸が平行にならずにぐらぐらして、水平を出すどころではなくなります。
不注意で余計な仕事を増やしてしまいました。

動力再組み立て

動力の幅を詰めたため、モーターの接点が外側にはみ出してしまうので、ハサミで接点を細く切って収めました。

動力加工終了

万一、ボイラーが左右のブロックに一緒に触れるようなことがあるとショートするので、念のため片側だけテープを貼っておきました。

C62 2のシリンダーブロックは、上側が外に向かって広がっているので、垂直に直して使いました。

ここで色々あって1ヶ月ほど中断します。年が明けてしまいました。

ボイラーの組み立て

これは先の東北型とほぼ同じで、難しかった箇所も同じでした。前ページまでの製作の記録があったので進め方は楽でした。
やはり、2両以上組み立てようとお考えの方は、何らかの形で1両目の製作メモを残しておかれることをお勧めします。

ランボードの取り付け

ランボードは、コンプレッサーや給水ポンプの屈曲部を境に前後の高さがずれやすいです。メーカーを問わず、いつも手間のかかるところです。

今回はボイラーに取り付ける前に、ランボード裏側に補助の金属板を垂直にハンダ付けし、まっすぐ固定してしまいました。そのままボイラーにランボードをしっかり固定してから、金属板を取り除きました。

しかし、金属板をきれいに外すのにまた神経を使います。加熱しすぎると、せっかくボイラーに固定した部分がずれてしまい、元も子もなくなってしまいます。このやり方はもっとよく考える必要がありそうです。

ボイラー内側

ランボードより下側のボイラー部分は切り取り、前方の煙室下部も傾斜部のあたりまで削りました。

ボイラーに部品を取り付けるときは、内側に出っ張らないよう、はじめから部品の取り付け足の長さをぎりぎりに切断して付けていきました。あとで削るより楽ですし、取り付け足を削ったら部品も取れてしまうということが少なくなります。

生地完成 公式側

付属の切り取りデフを使って、13号機風に組み立てました。全体的にはほとんど素組みです。
砂撒管を途中で切断してしまったり、ランボード下の冷却管の取り付け部を全部ちぎってしまったりと、変な失敗と修復作業がありましたが、概ねスムーズにいきました。

なお13号機も時期によって、オイルポンプ箱の位置など装備に多少の違いがあるようですね。あと火室脇に消炎装置のラッパを作って付ければ面白かったかなと思います。

生地完成 非公式側

キャブ下のハシゴは取り付け部が少ないので、裏側に真鍮線をべったり沿わせて補強しました。他に配管の一部を下端に重ねて支えています。

KATO動力の場合も、ドローバーがストーカーエンジンに当たりやすいので、内側から半分カットしました。R249は通過するよう各部を調整しました。

テンダーの構造は先の東北タイプとほぼ同じです。後ろ側の閉じた九州形の増炭板が付属しており、表面の木目が細かくエッチングされています。

完成

やえもんデザイン C61九州タイプ

若干組み立てが怪しいですが無事にできました。塗装はプライマーも含めてすべて水性です(結構練習しました)。 いわゆるラッカー系に比べると、1工程ごとの乾燥時間を多めに取らないといけないようですね。でもだいぶ身についてきました。

R249・R280通過前提では、機炭間隔はこれでぎりぎりでした。増炭板の前側とキャブ屋根が接触しやすいので、増炭板を後方にずらせば少し余裕が出ます。ただ東北型のように増炭板の前側が高くないので、調整は特に苦労しませんでした。

やえもんデザイン C61 前方

指定どおりトミックスのC57の動力を使うのに比べて、KATO動力が有利な点を考えますと、
・値段が安く、入手しやすい。動力ユニットだけ吊るしで売られていますしね…。
・エンジン部の集電性能がよいので、テンダーからの集電工作はしなくても何とかなります。
・動輪径がトミックスよりちょっぴり大きい。ただ期待したほどではありません。はっきり言ってほとんどわからないです。

逆にトミックスのC57の動力のほうが有利な点は、
・ボイラー側の切削加工が不要で、動力の切削加工も不要。集電に問題がなければラッキーです。

値段や入手性を別にすれば、どちらの工作が簡単に感じるかは人によって違いそうです。
私はKATOのC62にまだ余剰機があるので、次もそれを使おうと考えています。
…2号機と3号機は同時に発表されず、2号機だけ先に発表されましたよね。そのとき、もし3号機が出なかったら2号機を改造して作ろうと思い、余分に予約してしまったのです。案の定、その後すぐ3号機が発表されました…。

(C61の組み立て おわり)


[←前ページへ]

1 2 3 [4]

「Nゲージ蒸気機関車」トップページに戻る