Nゲージ蒸気機関車以前のメモ>2006.12.3(EF65 500)

EF65 500

トミックスからEF65 500が発売されたので、大先輩のKATO製品と並べてみました。


横から

近くから撮ったため写真が歪んでしまっています。申し訳ございません。
ここでは断片的に写真を撮ってご紹介することしかできませんので、実際の造形や出来栄えについては、模型店にてお確かめください。

KATO KATO EF65 500
(拡大写真)
過去に何度もリニューアルされていますが、車体長のオーバーは現在に至るまで変わりません。気持ち悪いほど滑らかに走ります。
トミックス(新) トミックス EF65 500
(拡大写真)
トミックスの最新作で、従来の1100番代とは技術的に格段の進歩を遂げています。EF66では見送ったカプラー開放テコの別パーツ化もなされました。
トミックス 1100 (参考)トミックス EF65 1100
(拡大写真)
トミックスのEF65は今までこれだけでした。旧世代に属する製品です。その分値段も安いです。

トミックスは発売予告で「実車の意外に短い車体長を再現」のようなコピーを使っていましたが、この言葉を使うためには長い製品が存在しなくてはならないわけで(笑)、KATOを意識していたのは明らかですね。
なお、KATOは「500番台」、トミックスは「500番代」というような表現を使っていますが、どっちでもいいんでしょうか。

前方から

KATO
KATO
トミックス
トミックス

KATOの前面手すりは、1000番台では以前から別パーツ化されていますが、500番台ではまだです。トミックスはF形なのでスカートまわりが賑やかです。カプラー開放テコは大変細く、わずか0.18mmですから、金属線などで作るよりもはるかに繊細です。
前面のナンバーのインレタを貼るのは、初歩の方には難しそうです。周りにデコボコがあるため、ぎりぎりまで台紙を切り詰めなくてはならない部分があり、ほんの少し曲がっても目立つ部分ですから、慣れた方でも面倒だと思います。かといって、他に何かいい手段も思いつきません。逆に扱いを簡単にするには、どこか割り切った表現にしなくてはならないのかもしれません。

KATO
KATO
トミックス
トミックス

トミックスの前面窓の下の手すりは、いかにも浮いているように見えますが、これは光の加減です。さすがに9mmゲージでここを別パーツにするのはオーバーでしょう。モールドだけでちょうどいい感じになっています。

KATOの初期製品では、スカートがカプラーと一緒に左右に首を振るという豪快な構造になっていました。現在ではさすがに受け入れられないでしょうが、スカートを欠き取らずに台車マウントの連結性能を維持するという意味では結構いい方法でした。私の小型レイアウトはスペースの都合で曲線部にホームがあるので、現在のボディーマウントの機関車では自動連結ができなくなってしまいました。

KATOの弟 KATOのEF65には、このほかに16.5mmゲージの弟がいます。これは窓下の手すりはもちろん、乗務員室扉の手すりやステップ、屋上配管までことごとく別パーツ化されています。9mmゲージでは当時うまくいかなかった部分を、16.5mmゲージに求めたという具合にも見えますね。

屋根

KATOKATO
トミックストミックス

トミックスの側面窓はガラスがはめ込まれていますが、Hゴムは車体側に表現されているようです。しかしそのモールドが繊細で、ガラスもぴったりはめ込まれているため、どういう部品の分割になっているのかはっきりしないほどです。運転席の側面窓も、側板とほとんどツライチになるまではめ込まれていますが、そのせいか周囲には若干の歪みがあります。KATOのほうが平面度は上ですが、少し引っ込んでおり、側面の明り取りやモニターには一切ガラスがありません。

全体

KATOKATO
長らく日本中のレイアウトを走り続けてきた、ベテランのEF65です。KATOスケールの蒸気機関車には割と長さが合うかもしれません。昔から多くの9mmゲージファンを育て、9mmゲージの活躍シーンを知り尽くした模型という感じです。
トミックストミックス
こちらはトミックスの若者です。最新製品らしく素晴らしい出来栄えです。なぜかHGという扱いではないのですね。両社の造形の違いのため、KATO製品に慣れた目にはある意味新鮮です。今後大きく育ってくれるかもしれません。
KATOKATO
何かお顔の両側が黄色っぽくなってきました。古くから何度も生産されているので、ロットによってクリームの部分の色合いや濃さには若干の違いがあります。長い、でかいと言われ続けて30年ですが、独特の加速音で滑らかに加速するので、初めてこれを体験すると感動するかもしれません。
トミックス

トミックス
拡大写真では、前面のクリームの上部の塗り分けがやや甘く感じますが、肉眼では気にならないと思います。走行性能は同社の旧EF65に比べると格段に進歩して非常にスムーズですが、KATOのEF65が奇跡のように滑らかなので、この点は若干及ばないかもしれません。しかし、ハイレベルなことには違いありません。

2009.9.13追記 KATOのフルリニューアル品が発売され、滑らかさが少し落ちたので、今はトミックスのほうが発進・停止ともに滑らかのような気がします。音も静かです。

カプラー取り付け ここでの写真は、KATO・トミックスともにマグネマティックカプラー(No.2001)に交換してあります。今回のトミックス製品にも、カプラーや車体を削ったりすることなく無加工で取り付けられます。ただし、高さ調整用に厚さ0.5mm程度の板を下に挟む必要があります。取り付けネジはカプラーに付属のものを使い、もとのMカプラーを外した穴にねじ込みます。下からはみ出した部分は切り取ります。少しすわりが悪いので、接着剤を使ったり、何かスペーサのようなものを工夫するとよいと思います。

久々に買ったトミックスの電気機関車は格段の進歩を遂げていました。こういう設計・金型・製造技術はどこまで進歩するんでしょうね。販売戦略的なものでしょうが、値段もKATOとぴったり同じです。トミックスの電気機関車ファンの方なら、模型店で実物を見たら思わず欲しくなるかもしれません。

《関連リンク》 EF65 500(マイクロエース) EF65 500(P形)KATOリニューアル品 EF65 500(P形・F形)


●比較した模型について


「Nゲージ蒸気機関車」トップページに戻る