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鉄道院160形の組み立て その2

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ここから下廻りです。

シリンダーブロック

シリンダーブロックの板

シリンダーブロックの上面・後面は1枚の板になっています。

矢印の3箇所の折り線は、溝が外側になるように180度山折りして、つづら折りに4枚重ねにします(説明書に図示があります)。
他は溝が内側になるように90度谷折りです。

シリンダーブロックを折り曲げたところ

折り曲げてハンダ付けで固定したところです。
ここまではわかりました。

シリンダーブロックの残りパーツ

これにシリンダー前蓋(1)と、シリンダーカバー(2)を接合するのですが、何からどうしたものか…。

最初は両方を組み合わせながら一緒にハンダ付けしたのですが、閉じた箱になってしまうため、スライドバーの取り付けがやりにくくなりました。

反対側の部品取り付け

反対側は順序を変えました。

  1. 先にシリンダー前蓋を固定しました。この位置決めがあまりはっきりしませんでした。
  2. スライドバーを後ろから差し込んで、前端はシリンダー前蓋の裏側に突き当ててハンダ付けしました。
      先ほどは先にシリンダー外装を閉じてしまったため、これができませんでした。
  3. シリンダーカバーを合わせてハンダ付けし、閉じました。

ちょっと、どうするのが順当なのかよくわかりませんでした。

カプラー用ネジ

上面前方の小穴はカプラー取り付け用です。M1.2タップを立てました。
※通常のネジ穴はM1.4ですが、カプラーの取り付け穴のみM1.2です。

スライドバーは細く、後ろ側を引っ掛けたりすると簡単に曲がってしまうので注意が必要です。
組み立て後も、ここを外側から押してしまうとすぐ曲がってしまい、クロスヘッドの微妙な動きがダメになるので要注意です。

動力ユニット(1)

車輪座の貼り合わせ

左右の車輪座(フレーム)を2枚重ねに折り曲げて貼り合わせました。
前後にある、車輪押さえを取り付けるタブは直角に曲げ、ハンダで補強しておきました。

貼り合わせた左右の車輪座

貼り合わせ、組み立てた左右の車輪座です。
※印の1か所のみ、ピンを削り取って平らにしました(説明書に記載があります)。

この先、ネジを留める穴となる箇所にはすべてタップを立ててネジを切ります。通常はM1.4、カプラー取り付け箇所のみM1.2です。

モーター台・カプラー台

左側車輪座の後部に付く、モーター台(H1-5)とカプラー台(H1-4)です。
折り曲げて組み立て、それぞれのネジ穴にタップを立てました。カプラー台はM1.2です。

モーター台の固定

組み立てたモーター台を、左側車輪座の後部に合わせてハンダ付けしました。

カプラー台の固定

固定したモーター台の裏側後部に、カプラー台を固定しました。前後の向きがあります。

車輪押さえ

車輪押さえを組み立てます。ブレーキシューも一緒に表現されています。

車輪押さえの組み立て
  1. 3か所の軸受けの縁を外側に折り重ねてハンダ付けしました。
  2. 裏側2箇所の取り付けタブを直角に曲げ、折り目をハンダ補強しました。写真ではちょうど裏側に隠れています。
  3. ブレーキシューを折り曲げて組み立てました。
  4. ブレーキてこを差し込んでハンダ付けしました。

動輪の回転挙動によっては、動輪の輪心ブッシュがブレーキてこに接触することがあるので、あとでブレーキシューもろとも下側に少し寄せました(ブレーキシューを平行四辺形的に曲げました)。

右側の車輪押さえ

右側の車輪押さえには、修正パーツ(Z板)が入っていますので、そちらを使いました。
H1板にある修正前のパーツでは、取り付けタブの位置にミスがあり、車輪座にネジ留めできません。

カプラーポケット

付属のアーノルドカプラーを取り付けるための、カプラーアダプターを組み立てました。

マグネ・マティックカプラーNo.2001のショートタイプも取り付けられます。牽くものに応じてカプラーを交換するため、両方を用意しました。

以上で金属部のハンダ付け作業は終わりです。

輪心中心を整える

ロスト輪心を動輪に軽くはめられるようにヤスリで調整しました。
まずは中心の穴を、直径2.5mmの丸ヤスリが通るよう削りました。

輪心周囲を整える

続いて外周を平ヤスリで軽く削りました。ゴリゴリゴリ…とやりながら少しずつ向きを変えて2〜3周程度でしたか。

ただ、きついのはほとんど中心の穴のようで、それだけで車輪にはまることもありました

動輪組み立ての確認

ぎゅうぎゅうに力を入れなければはまらないようだと、位相の調整などがしにくいです。接着による取り付けになるため、緩いぐらいで大丈夫です。 ガタガタするほど緩ければ、多少連動に問題が出るかもしれませんが…。

接着は塗装後、動輪の組み立ての際に行いました。

塗装前の確認

塗装するための金属部品を揃えて点検しました。
塗り分けは明治村の12号機風にすることに決めました。基本は黒一色で、前後の端梁が赤です。

クレンザーや洗剤で洗い、アクリジョンで塗装しました。
動輪・先輪は、輪心がはまり込む内側のみ、つや消し黒で細吹きしました。スポークの間から、ピカピカした車輪の金属面が見えるのが気になることがあるためです。普段は特に塗ってはおらず、今回は気が向きました。

アクリジョンは下の色を隠す力が弱く、端梁の赤色はきれいに出ないので、先にベースレッド(赤色系統下地色)を塗ってから重ね塗りしました。

動力ユニット(2)

塗装後の下廻りパーツ

塗装した下廻りパーツです。

左右の車輪座(フレーム)は、表側のみ塗っており、ギヤ類の付く裏側は塗っていません。かといってマスキングしているわけでもなく、吹き込むままです(面倒だったので…)。あんまり、製作の姿勢としてはよくないかも。

ギヤ関係のパーツ

左側の車輪座には小ギヤ、大ギヤを取り付けます。部品を取り出して向きや順序を確かめました。

小ギヤの取り付け
  1. ギヤの取り付け座(H1-10)を重ねました。
  2. 小ギヤを、少し出っ張りのあるほうを向こう側(フレーム側)にして置きました。
  3. 中央に小ギヤ軸を差し込み、向こう側からM1.4×2.5ネジでしっかり留めました。

小ギヤを指で回して、引っかからずに軽く回ることを確かめました。
小ギヤ軸の平らな端面には、バリなどの出っ張りがないよう、きれいにヤスっておきます。次で重ねる大ギヤとの間に余裕がほとんどないので、平らにしておかないと引っかかってしまいます。

大小ギヤの取り付け
  1. 大ギヤを小ギヤに噛み合わせて置きました。
  2. 中央に大ギヤ軸を差し込み、向こう側からM1.4×2.5ネジでしっかり留めました。

大ギヤを指で回して、大小のギヤが連動してスムーズに回ることを確かめました。もし引っかかるようなら、小ギヤ軸の表面を疑います。

大ギヤ軸にそっくりな「メカステー」というパーツが2個入っているので、間違えないように注意です。以前のキットの説明書には、両者の見分け方が書かれているものがありましたが、今回の説明書には記載がありません。

左右車輪座の組み立てパーツ

左右の車輪座を合体するためのパーツを並べて確認しています。
大ギヤ軸に似た真鍮製のメカステー(前後2個)を中心に、ワッシャーなどを挟んで、左右からM1.4×2.5mmネジで車輪座を留めます。

右側の車輪座(写真では下側)は、車体の他の部分とは電気的に絶縁するため、絶縁ブッシュや絶縁ワッシャに挟まれてネジ留めされます。

結合した車輪座を下から見たところ

合体した車輪座を下から見たところです。

組み立てのとき、3箇所の軸受けが平行になるように注意します。ネジ穴のアソビなどによって、左右の車輪座が少し前後にずれたり、傾いたりすることがありまして、車輪の転がりがぎこちなくなることがあります。

実は私の買ったキットには、メカステー2本のほかに、大ギヤ軸も2本入っていまして、最初1本ずつ取り違えるミスをしました。

車軸の整形

左右の動輪押さえをM1.4×1.5mmネジで留め、軸受けに2.5mm丸ヤスリを通して塗装をはがしました。

今回は通電確保以外にも、軸受けが少々きつく感じたので、それを是正する意味もありました。この作業は軸受けを傷めないように気を使って、丁寧に行う必要があります。軸受けはものすごく大切ですものね。

終わったら、車輪押さえは再び外しておきました。

動輪と車軸

ギヤ軸に先輪と動輪を圧入します。
今回のキットは、間にワッシャーやギヤスペーサーなどを挟む必要がないので簡単です。

先輪にも同じギヤ軸が流用されていますが連動はしません。集電は先輪からも行われます。

万力に挟んだところ

万力に車輪とギヤ軸を挟んで…

圧入完了

徐々に狭めていき、車輪の金属軸とギヤとの隙間がなくなったら完了です。

あんまりガタガタな万力は平行圧入できないので使えません(何となく頼もしそうな外見でも、全然ダメなものもあります)。
万力の代わりに、大型のノギスを使って平行圧入しているという方もいらっしゃいました。他にも、工夫して使えそうなものはあるかもしれません。

先輪の輪心挿入

先輪は車軸への圧入後、プラ輪心を重ねて、もう一度圧入して輪心をはめ込みました。

動輪の輪心挿入

動輪にゴム系接着剤でロスト輪心を接着しました。ギヤに噛み合わせた状態で、前後の動輪の向きが同じになるようにしました。
ギヤのアソビが多少あるので、アソビによるガタの程度が同じになるように輪心の位置を決めました。

動輪の輪心挿入(右側)

右側の輪心は90度先行する位置に接着しました。
ギヤ連動なので、90度というのは多少違っていても大丈夫ですが、前後の動輪の向きは極力一致させないと、サイドロッドを付けたとたんにうまく転がらなくなります。

この先はロッド類を取り付け、モーターを取り付けて走るようにします。


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