Zゲージのレールを発売している「ロクハン」の製品です。あまり深い話ではありません。
今まで国内メーカーのZゲージの線路はほとんどが直線と曲線で、単純なエンドレスが中心でした。ポイントは入手しにくい外国製品に頼るのが普通でした。
しかし昨年「ロクハン」から発売されたポイントは、大手家電量販店やカメラ量販店系の模型コーナーでも売られているため、ようやく国内でも本格的な6.5mmゲージのレイアウトを楽しめそうな状況になってきました。
プラ道床付きの選択式(非選択も可能)、スイッチマシンは道床に内蔵式と、Nゲージのユーザーにとっては馴染みやすい仕様です。
全国的に取扱店が極めて少ない状況に変わりはありませんが、Zゲージの利用者数を考えれば仕方ありませんし、今までに比べればかなりの進歩です。
ロクハンは新しいブランドですが、線路の道床はしっかりしており、走行安定性も良好です。Zゲージのレールには色々なメーカーのものがありますが、中にはあまり良くないのもあったのです。
写真は畳1枚の大きさに側線付きエンドレスを敷いたものです。天賞堂のD51が通過できる最小半径がR195なので、それを使いました。
側線には東京マルイのブルートレインが1編成まるごと収まります。フィーダーの位置を工夫すれば、機関車と合わせて9両ぐらい行けそうです。ただ畳1枚のスペースでは、直線部にフル編成が収まるというところまではいきません。
手前は天賞堂のD51の貨物列車ですが、2軸貨車を15両ぐらい置けます。もちろんD51はこれらを牽引できます。走らせると、まるで丘の上から実物の鉄道を見下ろしているように、ゆったりした風景が楽しめます。
…とはいってもすぐ一周して戻ってくるのでありました。
参考までに、こちらは同じスペースに9mmゲージのユニトラックを敷いたものです。曲線半径はR195に相当するR280としました。ブルートレインは機関車も含めて5両でぎりぎりです。
写真の16.5mmゲージと9mmゲージはKATOのユニトラック、一番下がロクハンです。 |
なお天賞堂のD51は最小半径がR195とされていますが、ロクハンのR195ではジョイントを通過するたびに動輪が浮き気味になる場合がありました。できればもう少し大きい半径の曲線を使ったほうがよいようです。 また他のゲージでもなるべく避けたいことですが、R195の出口直後に直線を挟まずにポイントを置くと、D51の先輪が脱線する場合がありました(個体差あり)。1車長さ程度の直線を入れれば問題ありませんでした。それ以外ではポイントの通過も非常に安定しており、通電性も良好でした。
ちょっと嬉しいのは、東京マルイの線路では必ず脱線していた485系(プラスアップ)も、ロクハンのポイントを正常に通過することです。 |
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ロクハンのパワーパックはトミックスのN-1000-CLに似た操作性ですが、各種スイッチの感触がよく、特に逆行スイッチはN-1000-CLに比べてはるかに使いやすいです。 |
ロクハンのポイントを使うには大きな注意点があります。それは、分岐側に他の線路をそのまま接続できないということです。道床同士がぶつかってしまいます。 これはKATOの4番ポイントでも同じですが、KATOの場合は一部を削った補助線路が付属しているので、特別な場合を除き自分で加工する必要がありません。しかしロクハンのポイントには補助線路が用意されていないので、必ずユーザー自身が工具を使って線路を改造する必要があります。パッケージ外部にそれとわかる記載はありません。 |
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基準線側・分岐線側の両方の道床を少しずつ削る方法と、片側のみ削る方法がありますが、先の4番ポイントを使ったことのある方ならどちらか一方をカットすることと思います。 道床の材質が固いので、カッターなどを使うときは十分に気をつけないと、刃が勢いよく飛び出してケガをする恐れがあります。工作に不慣れな方は特に注意が必要です。 |
メーカーの予定品を見ると、ポイントを使ったレールセットも計画されているようなので、少なくともその時期には何らかの補助線路が用意されるのではないでしょうか。入門用のレールセットだとすれば、事前工作が必須とは思えないからです。
2013.4.19補足 2012年4月の出荷分から、ポイントには初めからカット済みの直線レールが付属しており、アブナイ事前加工は不要になっているようです。良かったです。
今では日本型のZゲージの機関車も結構色々出ています。蒸気機関車まであります。
東京マルイのEF65はもちろん、手持ちの機関車はすべてスムーズに通過しました。
写真だけなので動きがわからなくてすみません。ロクハンのメーカーサイトにはいくつか動画があったと思います。
プラスアップ EF81 |
クラウンモデル EF64 |
天賞堂 D51 |
天賞堂 D51 まったく異常なし、素晴らしいです。 |
もちろんポイントを正常に通過できるかどうかは、その前後の線形や牽引している車両の状態にも左右されるので、中にはどうしても脱線するというケースも出てくるかもしれません。これはメーカー、ゲージに限ったことではないと思います。
写真では、Zゲージの車両がNゲージに比べて非常に小さいという事実がよくわかりませんが、実際にはどの機関車も人差し指程度の大きさです。
携帯電話と比べるとこんなに小さい…という写真なんですが、
こんな前世紀の携帯の大きさなど誰もわからないかも(1999年製)。ちなみに来年3月で使えなくなるそうです。