KATOのC62東海道形(2019-2)を、トミックスのミニカーブレールC177(R177mm)で走行させてみました。
少々危なっかしいですが、軽加工で脱線せずに走るようにはなりました。
KATOのC62の最小通過半径はR282です。私は当たり前のようにR249でも走らせていますが、そのままではR177は無理でした。 これは3号機のナンバーを付けていますが東海道形(2019-2)です。念のため…。 |
脱線する原因を一つずつ片付けます。
目標はR177の単純エンドレスを片方向に周回することとし、S字曲線やポイントの通過などは考えません。
[1] 従台車の脱線の理由は、キャブの下の配管に当たるためのようです。配管を取り外すと脱線しなくなりました。 |
[2] 先台車が脱線するのは、シリンダーブロックに当たるためと考えました。しかし、シリンダーブロックを青の矢印のように緩めても結果は変わりませんでした。 |
[3] 先台車は中心のピンで左右に滑りますが、この移動幅(1)をもう少し増やしたいものです。また車輪自体の横滑りの量(2)を増やすとよいかもしれません。 |
[4] まずは車軸の根本のボスを削り、横の移動量を増やしてみました。だいぶましになりましたが、これだけでは不十分でした。 |
[5] 先輪の軸受けと拝障器も少し削りました。また先台車自体の移動幅も増やすため、床板にある横長の穴を少し広げました。やりすぎて切り離してしまわないように要注意です。 |
[6] なお、車軸の付け根のボスを削りすぎると、車輪の金属部分が外れてしまいます。これはゴム系接着剤で接着しました。 |
[7] これでレールに載るようになりました。しかし、走らせてみるとまだ改善の余地があります。 |
[8] 単純エンドレスなら脱線はしませんが、内側の車輪が常時浮き気味になって落ち着きません。 |
[9] これはドローバーの首振り角度が足りないため、車体前方が外側を向いているためだと考えました。そこでドローバーの当たる部分のダイキャストブロックを少々削りました。 |
[10] 削る際には従台車を外しました。そのために床板を外しましたが、動輪がばらばらに落ちないよう注意が必要です。また従台車の取り付け部には薄い板バネがあるので、従台車を外すときはなくさないようにします。 |
[11] まだどれかの車輪がわずかに浮いたりしますが、ほとんど安心して見ていられるようになりました。脱線はまったくしません。R282用の機関車をR177で走らせるのですから、各部に無理はかかっていることと思います。 |
[12] ボディーを元通りに取り付けました。最初に外した配管は、従台車に当たる部分をカットしようと思いましたが、その前に外側にぐいっと曲げてみたところ、パキッと折れてしまいました(笑)。でも一応従台車には当たらなくなったので、カットもせずそのままです。 |
単機では走っても、何かを連結すると車体の軸線がずれて脱線することも考えられます。しかし、幸い大丈夫でした。
車体の長ーいオリエントエクスプレスを牽いています。台車マウントのアーノルドカプラーなので、急カーブに強いです。実は客車の台車も急カーブで厳しい摩擦にさらされていますが、脱線せずに走ってくれました。 でも傷めつける意図はないので、それほど長時間は走らせていません。
学習机の上などでも走れるので、結構楽しいです。
なおこの作例は、まだ先輪の加工を片側しか施していないので、たぶん逆方向には周回できないと思います。
月末に発売されるC62 2号機では、動力ユニットが変更されているため、同じようにできるかどうかはまだわかりません。でも先台車・従台車やドローバーの構造までは、大きく変わらないような気がします。
さて、以上はKATOのC62東海道形ですが、トミックスのC57は何の加工もせずにそのままR177を通過します。こちらの公証半径はR280ですから、やはり無理は禁物です。
ナローゲージなら別として、こういう小半径ではどこまでも続く線路を颯爽と走り抜けていく列車の雰囲気はなくなるので、インテリア的な楽しみ方になるかと思います。建物を並べてLED照明で飾ったりするときれいかもしれませんね。 これからの季節なら、真ん中に小さなクリスマスツリーを立てて雪を散らすなど。