「子供の科学」誌というと、鉄道模型専門誌とは少々毛色が違う、一般模型工作の観点から鉄道模型にアプローチしている記事も多く興味深かったのですが、山崎喜陽氏や、著名な鉄道模型モデラーやクラブが記事を担当していたこともありました。
1976年は1年をかけて、9mmゲージのレールを利用した軽便鉄道のシリーズがありました。シリーズ最後に近い号では、発売されたばかりのトミー K.S.KタイプCタンクを利用したエッチングキットの工作が紹介されていました。
以下の2枚の画像は、「子供の科学」1976年11月号(誠文堂新光社)掲載の「鉄道模型入門」記事(P.138〜P.141)からの引用です。
「子供の科学」は「小・中学生の科学と趣味の雑誌」というものです。
当時から、たとえ対象が小学生でも、記事で指示されれば自分でブリキや真鍮を切り出し、ハンダ付けをして組み立てることも要求されました。変に子供だからといって生易しくしないところが魅力でもあったかと思います。ここまで這い上がって来いと。
だから大人が読んでも面白い本でした(注:ただし大半はペーパーや木材など取り組みやすいものです。たまにガツンと来るのです)。
私なんか勤めてからも自分用に買って読んでいました(笑)。まあ、途切れ途切れにですけど。特に中身が濃かったのは1960年代の高度成長期で、大人でも消化不良を起こしそうな濃さです。機会があればいつかご紹介します。
記事の冒頭を引用させていただきますと、次のようにあります。
しんちゅう工作は鉄道模型の基本ですが,ペーパーやプラスチック板の工作に比べてとてもむずかしいと思われており、手を出さない人が多いようです.
でもなれると,むしろペーパー工作より作りやすく,模型工作の本当のおもしろさがわかってくるでしょう.
しんちゅう工作は鉄道模型の基本ですが,ペーパーやプラスチック板の工作に比べてとてもむずかしいと思われており、手を出さない人が多いようです.
でもなれると,むしろペーパー工作より作りやすく,模型工作の本当のおもしろさがわかってくるでしょう.
これだけ読むと、1976年の工作事情は今とあまり変わらないように見えますね。
この中の、「でもなれると」がポイントなのでしょうね。一体、どれだけ慣れる必要があるのか…。普通、その前にめげてしまうのも今と同じかと思います。