印象に残るというなら色々ありますが(マイクロエースのスーパーナメクジとか…)、金属キットの中に、今までにない種類のものがいくつかありました。
特に組み立ててよかったと思うのは3つです。
偶然ですが、ワールド工芸・やえもんデザイン・トーマモデルワークスにそれぞれ1つずつあります。
以下は発売順です。
今までの同社Nゲージの小型機とは色々と違い、新しい感じのするキットでした。
ひとつは下廻りです。組み立て後の軸抜きが可能になったことは本当に楽でした。
もうひとつは上廻りがかなり精密に見えることです。そういう機関車だといえばそうかもしれませんが、見本写真を見て真っ先にそう思いました。
…そして、その上廻りの組み立て手順がよくわからんのです(笑)。説明書で「手順」を十分説明できていないのですよね。何をどこに付けるのかは大体わかりますが、こういうものは「手順」を間違うと、あとで部品が付けられなくなることがよくあるもので、ちゃんと箇条書きにして説明してヨ!と心の中で半ベソをかいていました。
この製品が損をしている点があるとすれば、組立説明書に尽きると思いました。
ちなみに下廻りの組み立てはちゃんと順番が書かれていて、何の苦もありませんでした。
バリエーションの3つめも予告されていますから、人気が出たのでしょう。「手順」が自分なりにわかってしまえば、全体の規模も小さいので楽しく組み立てられます。
→クラウス10形の組み立て
これは、私が今までに組み立てたエンジンドライブのキットの中で、最もよく走ったキットです。
走りがキットばなれしており、安定感や低速の滑らかさは同クラスのプラ量産品以上です。ワールド工芸に比べると要求される加工の程度がかなり少なく、軸穴の仕上げも要りません。神経を使うところはないように思えますが、アホみたいに(失礼)よく走ります。
いつも走らせているわけではありませんが、たまに引っ張り出すたびに感動します。うわ、やっぱりよく走る、と。
組み立て記事にも書きましたが、スライドバーのあたりがちょっと弱いような気がするので、そこだけ気をつけて扱ったほうがよいと思います。
ボイラーは真鍮挽物なので、適度な重さがあって安定しています。この構造ですと、ボイラーまわりにリベットの多い形式は作りにくいでしょうが、もしかしたら真鍮ボイラーにエッチング板を巻きつけてネジで留める、のような方法で色々行けるのかもしれません。
→B6の組み立て
これは良かったです。KATOのC56がよくできていることもあり、金属製のキャブやタンクが何の違和感もなく収まります。
今までのやえもんデザインのキットは、すべて屋根などがプレス曲げされていましたが、このキットはまったくの板なので、最初それを知ったときはしょんぼりしました。しかし、そこを何とかボロボロになりながらも形にしていく作業は、思いがけず面白かったです。あまり難しく考えないほうがうまく作れるかもしれません。
いくつも欲しいとなるとくたびれますし、私なんかは仕上がりにばらつきも出ると思うので、多少高くても断然曲げ済みがありがたいですが、たまにはいいです。
組み立てている最中、早くしないとKATOから発表されてしまう…!などと要らんことを考えながら焦っておりました。
結果、そんなことはなく、良かったといいますか何といいますか。
→C12の組み立て
以上、この3つは今までになかった傾向のキットで、特に印象的だったものです。
組み立てにおいては、それぞれ色んな失敗をしていますが、それはどのキットでもそうなので水に流してしまっています。