Nゲージ蒸気機関車2018年のメモ>2018.11.6

B6 2120形(トーマモデルワークス)

トーマモデルワークスから5年ぶりに追加されたB6です。
今までのようなキット形式ではなく、特製完成品として発売されました。構造も変わっています。


B6 2120形

B6 2120形(2018年) (拡大写真)
今回の製品です。今までのトーマモデルワークスのB6もすべて2120形ですが、今回は初の空制付きで、2221号機を参考に一般化されています。

B6 前回品

前回品(2013年) (拡大写真)
これは前回の2120形のひとつ、「原形」です。

今回の製品は税込でも2万円台であり、金属模型の完成品としてはだいぶ価格が抑えられています。一般的な蒸機キットとあまり変わらない価格帯です。細かいディテールは付加せず、特徴となる空制機器をアクセントにしてシンプルにまとめています。
タンク脇の冷却管は黒に着色済みの洋白?エッチングで、ユーザー自身がランナーから切り離して折り曲げ、両面テープで貼り付ける方式です。

ナンバープレートも赤に塗装済みなので、手を加えていく場合を除き、塗装が必要なところはありません。

前方

あっさりした作りです。
ライトには透明な平面板が入っています。

斜め後方

斜め上方

前作のロッド類は、動輪に固定されたクランクピンに、引っ掛け式にパチンとはめる構造でしたが、今回は六角のネジ式クランクピンでネジ留めされています。 今年発売された日車Cタンクのリニューアル品と同様です。六角ネジを回すため、レンチ代わりの六角穴付きボルトも付属しています。

ボイラー上のディテール

ボイラー部はディテールも含めて一体鋳造のようです。しかしハンドレールは別パーツで浮いており、適度にメリハリがついています。
砂撒き管も一体表現になっています。全体のディテール表現のバランスにおいて、不自然ではないと思います。

キャブやサイドタンクなどは金属板のエッチングで、リベットなど比較的細かいディテールが表現されています。

塗装の様子

塗装はほぼ完全なつや消しで、しっとりした感じの、きめ細かい塗りです。
ちょうどカラープライマーの黒を吹いた様子に似ていますから、もしかしたら手に脂っけが多いと、染みのような汚れが付きやすいかもしれません。念のため取り扱い注意です。
(私は、もう脂も枯れ果てました)

後方から河合商会と

前回のキットもそうですが、河合商会のB6(写真右)と比べると、特に幅が狭くてスマートです。小型モーターと薄い金属のおかげです。

ところでこの河合商会のB6、2年ぶりに動かしてみたところ、まったく走らなくなっていました。ダイキャストの崩壊ではありませんが、うんともすんともいいません。 別にそろそろ文鎮が欲しくなっていたわけではなかったんですけど…。

裏側従輪

前作のキットは、外側のフレームの内側に、ギヤと車輪を組み込んだ動力フレームを挟む構造になっていましたが、今回は最近の製品のようにプラ板で動輪を押さえる構造になりました。
従輪部分の台枠が一段狭くなっており、従輪が大きく左右に動くように工夫されています。

カプラーはマグネ・マティックカプラーNo.1015が付属します。KATO扱いのNo.2001と異なり熱着が不要なので組み立ては気分的に楽です。売っている店が少ないので付属しているのはありがたいです。
アーノルドカプラーは付きませんのでご注意。

前作の裏側従輪

こちらが前作です。従輪の内側に比較的幅のある台枠が収まっているため、従輪の左右可動域は今回の製品より狭くなっていました。

C177の通過

前作はミニカーブレールC177の走行は単機でも不可能でしたが、今回は2軸貨車を牽いてC177のエンドレスを脱線せずに走りました。
ただギリギリのようで、瞬間的に従輪が軽く浮く場面もありました。B6は特別な急カーブ用の機関車というわけではないので、もう1段上の曲線で余裕をもって走らせたほうがよいかと思います。ともかく前作より機関車の構造には余裕があります。

走りはちょうど金属キットを完成させて成功したような感じのものです(まあ、そうでしょうけど)。
もちろんKATOのコアレス機のようにスーパーなものではありませんが、ぎくしゃくせず安定した姿勢で普通に走るので十分かと思います。

集電は動輪の3軸です。私の古い固定式線路のレイアウトでは、スロー通過すると集電が怪しくなるポイントが1箇所あり、そこだけ速度を落とさないよう運転しています。

なお、製品の組み立てはとても丁寧で、きちんとできていました。手作りに近い金属製品でしょうから、個体差はあるかもしれません。


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