パネルに線路を固定し、山や街のあるレイアウトの製作方法の概要です。レイアウトの規模や内容に応じて方法は様々であり、これが唯一の正解というものはありません。
レイアウトはパネルに固定しなくてもできます。床の上に線路を敷き、市販の建物を並べたものも、ほぼ一定の線路配置を保っていればレイアウトと呼ばれます(フロアレイアウト)。これとは別に、部屋の一角に固定的に場所を確保し、そこに線路を敷いて地形や建物を作り込んだものを固定レイアウトと呼びます。部屋に固定されていなくても、線路が何らかのパネルに固定されていれば固定レイアウトと呼ばれることも多いようです。ここではそういったホームレイアウトを作る一例をご紹介します。
まずはレイアウトを作ろうと決心することが一番大切ですが、次には場所と相談しなければなりません。あれもこれもと考えると、いくら場所とお金があっても足りませんから、「このスペースで作る」「この列車のために作る」のように何か制限を設けたほうがよいかもしれません。始めは床の上で線路を組み立てて、しばらくの間試行錯誤し、納得のうえでレイアウト作成に取り掛かるとよいでしょう。
Nゲージの小さなホームレイアウトは、角材とベニヤ板で作ったパネルの上に作るのが普通です。パネルは材料を集めて自分で作ってもよいですが、900×600mmくらいのものなら市販のパネルを利用すると簡単です。市販のものは表面のベニヤが薄く、全体にあまり丈夫ではないので、気になる人は別な木材で補強したり、上にもう1枚ベニヤを貼り重ねたりするとよいでしょう。レイアウトを薄いパネルの上に作ると、走行音がガーガー響いて結構うるさいものですが、ベニヤを厚くするといくらか静かになります。
小さいパネルの場合、なるべく勾配や立体交差はやめて、平らな線路配置にすることをお勧めします。走行距離が短いと勾配が急になり、運転も落ち着かずに大変です。どうしてもダイナミックな立体交差が欲しい場合は、無理な坂を作らずに済むよう、少し大きめのプランで考えたほうが良いでしょう。
パネルができたら線路を正確に並べ、線路の中心線や外形を鉛筆でパネルの上に正しく記入します。大きい曲線は、細長い板や厚紙の1端を中心の位置にピンで留め、そこから曲線半径だけ離れた場所に穴を開けて、鉛筆でぐるりと回せば簡単に描けます。
山の位置やトンネルポータル(入口)の位置も記入しておきます。また、主な建物や道路、プラットホームの位置もここで記入しておいても結構です。
ベニヤ板の表面は、バラストやカラーパウダーを撒くときに使う木工用ボンドの水溶液や、霧吹きの水などがどんどん染み込んでしまうので、鉛筆で作図する前に表面をいったん茶色などで塗っておくこともあります。
線路を作図した位置に正確に固定します。固定には短い釘を使います。釘は枕木の中央の穴からまっすぐ押し込み、小さいハンマーで軽く叩いてから、さらにペンチの先などでそのままぎゅっと押し込みます。ベニヤが薄いと釘が突き抜けるので怪我をしないように気をつけましょう。
電動ポイントやフィーダーのコードは、線路脇に小さい穴を開けて裏側に通し、ビニルテープなどで整然と並べて配線します。
走らせたい車両がすべて調子よく通過するかチェックしましょう。ポイントやジョイナーが不良のようなら、線路をいったん外して交換してみます。このような意味から、線路は接着剤でべったり貼り付けないほうがよいように思います。
トミックスは道床の幅が狭いので、違和感があるようならバラスト(砂利)を撒いてみるとよいでしょう。道床の両肩に市販のバラストを少し撒いて筆で形を整えます。両面テープを併用してもよいです。その上から中性洗剤をごく少量混ぜた水を霧吹きでそっと吹き付けます。木工用ボンドを水で溶いて薄め(薄めすぎないよう)、スポイトでたらして丸一日乾かします。ポイントやフィーダーの周辺にはトラブル防止のため撒きません。ユニトラックの場合はそのままでも特に違和感はないと思います。またどちらでも、もっとリアルにしたい人は実物を参考にエアブラシなどで着色してみるとよいでしょう。