宮城県涌谷町わくや万葉の里の万葉歌碑
宮城県涌谷町わくや万葉の里の万葉歌碑を訪ねてきました(2010/10)。奈良時代、陸奥の国の小田の郡から金が産出しました。涌谷町はその地に比定されており、このわくや万葉の里の広場に、金の産出を祝う家持の歌碑他、計4基の歌碑があります。また、この広場をさらに進むと、黄金山神社があり、そこにも万葉歌碑があります。
下の写真は、国道346号線沿いの黄金山神社の鳥居で、この鳥居をくぐると広場になっており、そこに4基の歌碑があります。さらに下の写真は、わくや万葉の里の地図です。地図左側を走っている道が国道346号線で、右端に黄金山神社があります。赤いマルポチが万葉歌碑です。
以下に、歌碑を、鳥居の側から順に書きます。
その1
天皇(すめろき)の 御代(みよ)栄えむと 東(あづま)なる 陸奥山(みちのくやま)に 金(くがね)花咲く (巻18-4097) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。
(作者) 大伴家持
(大意) 天皇の御代が栄えるだろうと、東国の陸奥の山に黄金の花が咲く。
その2
東(ひむがし)の 野に炎(かぎろひ)の 立つ見えて かへり見すれば 月傾(かたぶ)きぬ (巻1-48) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。
(作者) 柿本人麻呂
(大意) 東の野に曙が輝くのが見えている。振り返ってみると月が西の空を渡っている。
その3
春の野に すみれ摘(つ)みにと 来(こ)しわれそ 野をなつかしみ 一夜(ひとよ)寝にける (巻8-1424) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。
(作者) 山部赤人
(大意) 春の野にすみれを摘もうと来た私は、野に心をひかれたので一夜寝てしまった。
その4
銀(しろかね)も 金(くがね)も玉も 何せむに 勝(まさ)れる宝 子に及(し)かめやも (巻5-803) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。
(作者) 山上憶良
(大意) 銀も金も玉もなんの役に立とう。優れた宝も、子供に及ぶことなどあろうか。
所在地
宮城県遠田郡涌谷町涌谷字黄金宮前23 わくや万葉の里の広場 (→ 地図のマークの辺りが広場です)
行き方
JR石巻線涌谷駅から直線距離で北北西2.5km辺りに位置します。国道346号線沿いです。