huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye
 
相送

                        梁・何遜


客心已百念,
孤遊重千里。
江暗雨欲來,
浪白風初起。





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               相ひ送る

客心(かくしん)  (すで)に百念,
孤遊( こ いう)  (かさ)ねて千里。
(かう) 暗くして  雨 (きた)らんと(ほっ)し,
(なみ) 白くして  風 初めて()つ。

             ******************

◎ 私感訳註:

※何遜:南朝・梁の詩人。480年頃〜518年。字は仲言。東海郡郯県(たんけん:現・山東省郯城の西南)の人。八歳で詩をよくし、二十歳前後で、秀才に推挙された。詩は離別の情を描くのに長けていた。

※相送:ここでは、旅立つ作者が、見送り人に記念として書き残した詩。 ・相送:「相-」は、動作が対象に及んでくる時に使う。「…てくる」「…ていく」の意。「相互に」の意味はここではない。白居易の『勸酒』「昨與美人對尊酒,朱顏如花腰似柳。今與美人傾一杯,秋風颯颯頭上來。年光似水向東去,兩鬢不禁白日催。東鄰起樓高百尺,題照日光。」 李白に『把酒問月』「天有月來幾時,我今停杯一問之。人攀明月不可得,月行卻與人。皎如飛鏡臨丹闕,拷喧ナ盡C輝發。但見宵從海上來,寧知曉向雲陝刀B白兔搗藥秋復春,娥孤棲與誰鄰。今人不見古時月,今月曾經照古人。古人今人若流水,共看明月皆如此。唯願當歌對酒時,月光長照金樽裏。」や、陶潜の『飮酒二十首』其一「衰榮無定在,彼此更共之。邵生瓜田中,寧似東陵時。寒暑有代謝,人道毎如茲。達人解其會,逝將不復疑。忽與一觴酒,日夕歡。」 、陶淵明の『雜詩十二首』其七の「日月不肯遲,四時催迫。寒風拂枯條,落葉掩長陌。弱質與運頽,玄鬢早已白。素標插人頭,前途漸就窄。家爲逆旅舍,我如當去客。去去欲何之,南山有舊宅。」や張説の『蜀道後期』「客心爭日月,來往預期程。秋風不,先至洛陽城。」杜甫の『州歌十絶句』其五に「西一萬家,江北江南春冬花。背飛鶴子遺瓊蕊,趁鳧雛入蒋牙。」とある。李U『柳枝詞』「風情漸老見春羞,到處消魂感舊遊。多謝長條似,強垂煙穗拂人頭。」、唐〜・韋莊の『江上別李秀才』に「前年相送灞陵春,今日天涯各避秦。莫向尊前惜沈醉,與君倶是異ク人。」とあり、范仲淹の『蘇幕遮』「碧雲天,黄葉地,秋色連波,波上寒煙翠。山映斜陽天接水,芳草無情,更在斜陽外。   黯ク魂,追旅思,夜夜除非,好夢留人睡。明月樓高休獨倚,酒入愁腸,化作思涙。」とあり、唐末・韋莊の『浣溪沙』「夜夜思更漏殘 など、下図のように一方の動作がもう一方の対象に及んでいく時に使われている。
B
もっとも、李白の『古風』「龍虎相啖食,兵戈逮狂秦」、『遠別離』の「九疑聯綿相似,重瞳孤墳竟何是。」や『長相思』「相思,在長安」や王維の「入鳥不相亂,見獸相親。」などは、下図のような相互の働きがある。
B
勿論、これらとは別に言葉のリズムを整える働きのために使っていることも詩では重要な要素に挙げられる。

※客心已百念:旅をする者(=作者)の思いは、すでに多くの思いが交々に起こっている(のに)。 ・客心:旅をしたときの思い。旅情。旅先での心細い気持。盛唐・張説の『蜀道後期』で「
客心爭日月,來往預期程。秋風不相待,先至洛陽城。」と使い、晩唐・杜牧は『南陵道中』で「南陵水面漫悠悠,風緊雲輕欲變秋。正是客心孤迥處, 誰家紅袖凭江樓。」と使う。 ・已:とっくに。すでに。平水韻上声四紙で韻字でもある。 ・百念:多くの思いが交々に起こることを謂う。

※孤遊重千里:一人旅の旅路は、これから更に遥かある。 ・孤遊:一人旅。ひとりぼっちの旅路。 ・重:かさねて。加えて。再び。 ・千里:遥かに離れた距離を表す。後世、盛唐・高適の『除夜作』に「旅寒燈獨不眠,
客心何事轉悽然。故ク今夜思千里,霜鬢明朝又一年。」とある。

※江暗雨欲來:(旅立とうとする時、)川は暗くなって、雨が降り出そうとして。 *後世、晩唐・許渾咸は『咸陽城東樓』で「一上高城萬里愁,蒹葭楊柳似汀洲。溪雲
初起日沈閣山雨欲來風滿樓。鳥下黒盗`苑夕,蝉鳴黄葉漢宮秋。行人莫問當年事,故國東來渭水流。」と使う。 ・暗:暗くなる。 ・欲來:来ようとしている

※浪白風初起:浪は白く(波立って)、風が起ころうとしている。 ・初起:初めてたつ。初めて起こる。前出・許渾咸は『咸陽城東樓』で「溪雲初起日沈閣山雨欲來風滿樓。」と使う。





◎ 構成について

韻式は「AA」。韻脚は「里起」で、平水韻上声四紙。次の平仄はこの作品のもの。

●○●●●,
○○○○●。(韻)
○●●●○,
●●○○○。(韻)

2012.4.10



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