Bobby Vinton International Fan
Club f Japan Newsletter, number 32 Dec. 1, 2004 |
<New releases>
CD
Best of Bobby VInton/Epic Legacy EK85873(2004-6-22)
Roses are red, Rain rain go away,Blue on blue Blue velvet, There!I've said it again, My heart belongs to only you, Tell me why, Mr.lonely, Long lonely nights, Lonely, Please love me forever, Halfway to paradise, I love how you love me, Sealed with a kiss |
|
Epic ・Legacy EK85873 | 14 selections |
久しぶりに米国のエピックレーベルでボビーのベスト盤がリリースされた。14曲とベスト物としては、
収録曲数に不満が残るが、新しいファンを獲得するには、便利なCDであろう。全曲の録音データ
が掲載されているのも貴重だ。"Blue velvet"のアレンジャーとして今回、はじめてGradyMartinが
クレジットされた。録音は1963年7月25日、場所はニューヨークとされている。写真も珍しいもの
が使われており、備えて置きたい好盤。昨年Varese
SarabandeからでたCDのダイジェスト盤のような
内容だが、入手が比較的容易であり、ベストセラーになってほしい。
世界の珍しいアルバムから<Rare EPs from
around the World>
MexicoEC55009 ('69) |
France EP9002 ('65) |
今回は、珍しいEP盤を2枚紹介します。ともに、エピック在籍時の録音で、
メキシコ盤には、”To know you is to love you, Please
love me forever,
I love how you love me, Save the last dance for me"一方仏盤には、
"Lonely girl, I'll walk alone, Lonely, If I should lose your
love"の各4曲が
収録され、後者には"La blonde platine"の副題がつけられて、映画”ハーロー”
の劇場公開に合わせて、発売されたようです。油の、のりきっていた頃の作品であり、
彼の艶のある歌声に酔わされる。
<New Release>
CD
Carol Jolin/Sings Steve Allen
Doin' the samba, Nice little girls, Mr.New
York, Tell me your dreams, They said it wouldn't last, Mon Ami, I never know love till you, If you ever leave me I'm going with you, Spring is where you are, The day I found you, After you, Cupid, Blue again, The unusual place, That's what I'd call a dream |
|
Sings Steve Allen | Sea Breeze jazz SB3038(2000) |
ボビーがキャロル・ジョリンを見つけて、ツアーメンバーに加えたのは、1978年の事で、それから
12年間、彼女はボビーのツアーにヴォーカリスト及びキーボードプレイヤーとして参加していた。
勿論、1987年の日本公演にも彼女は来ていたし、”メモリー”ほかでその歌唱力を披露していた。
アルバム”アンコール”の"My first and only
love"でもボビーとの巧みな絡みを聴かせる。
その後、ボビーのバンドに、主にアレンジャ−として加わったTom
Kubisと恋に落ち、結婚。ボビーとも
別れることを選択した。すでに、今日まで何枚もCDを制作、発表しているが、この2000年のCDでも
制作・編曲を夫のトムが担当。その他に、サックス、フルート、ピアノ、キーボードと愛妻をバックで支えて
いる。1987年の日本公演に同行もしていたトムの名は、LP"Santa
must be Polish"の共同制作者及び
編曲者として名を連ねている。ビックバンド風のアレンジを得意としているようだ。
<New Releases>CD
Blue velvet, Mr.lonely, Roses are red, My
melody of love, Sealed with a kiss, Take good care of my baby, Raindrops keep fallin on my head, Those were the days, Who's sorry now, Blue on blue, Are you sincere, I love how you love me, Just as much as ever, My elusive dreams, My song of love, Please love me forever, P.S. I love you, Save the last dance for me 18 selections |
|
Velvet dreams/Essential | SME (Poland) 5153982(2004) |
SMEは米国やイギリスで、主要なアーティストのEssential
seriesをリリースしているが、
ボビーのそれが、ボビーの母国、ポーランドでリリースされた。ただし、"My
melody
of love""Sealed with a kiss""Blue on
blue""Are you sincere"の4曲は、Curbの
音源(CurbD2−77253 Greatest hits)を使用し、Are
you..は別テイクのようだ。
全体的な音質はまずまず、18曲でボビーの全てを知ろうとしても困難だが、コンパクト
にうまくまとめられていて、初心者向きと言えるだろう。エピックの音源はコレクタブルの
CDを主としているようだ。ポーランド語のライナーは残念ながら、解読できないが、貴重
なCDとして今後永く愛されるであろう。
Bobby Vinton Show at the Orleans, Las Vegas, on Nov. 4, 2004
オーリンズホテルのボビー・ヴィントン・ショウ
ボビーのステージに接するのは1年半ぶりの事。オープニングは、今回は”マイ・フェア・レディ”
の”踊り明かそう”で登場。PBSのDVD(VIDEO)から大きな変更はないが、ラスト近くでLuther
Vandrossのグラミー賞受賞作”Dance with my father"を取り上げたのには、驚いた。その他
インターナショナルメドレーの代りに”オペラ座の怪人”メドレーで会場を魅了した。まもなく米国
では映画が公開されることもあり、ボビーも大変な熱の入れようであった。”この曲は40年前にヒット
したのに、いまでも世界にはたくさんの兵士がいる。”といって”Mr.lonely"を情緒豊かに歌い、拍手
喝采、客席は総立ちとなった。"Blue
velvet""Roses are red""There! I've said it
again"のNo 1
.ソングは、メドレーでなく、切り離して歌われ、客席のため息を誘った。
ラストは、”クライング””愛のメロディー”と続け、余韻を残して終了。喉の調子は6割程度と感じら
れれたが、テクニックで補っていた。又、初日ということもあり、客席には"Ritchie
Little"地元の著名
DJ、愛妻Dolly Vintonの姿もあった。一時体調をくずしていた時期もあったが、今回のショウでは、
その心配はほとんどなかった。
楽屋では、とても話しができる状況では、なかったが、昨年、日本で2枚のCDが発売されたことを説明
すると、”今でも、日本では、私の音楽が聴かれているのか?”と不思議がる半面、うれしそうでもあった。
大統領選挙の直後で、大規模な車のコンベンションが開催されている事もあり、ラスベガスの街は、ビジネス、観光の客でどこのホテルでも大混雑。20から30万近くの訪問客がきていたそうだ。ホテルのショウも
豪華で、ボビーのほかにもTony Bennett, Wayne Newton,
Paul Anka, Dobbie Bros., Gladys Knight
など日本でもお馴染みのスター達が、主要なホテルに出演していた。11月3日、スターダストホテルに
いったもののウェイン・ニュートンのショウは当日キャンセル。11月5日にはMGMグランドでポール・アンカ
のショウがキャンセルで、結局ボビーのショウだけで終わってしまったが、ショウは充実していて、満足できた滞在であった。
<Memorable hits> あの曲 〜想い出のビッグヒット〜
Tears(Billy. Uhr−Frank Capano)
想い出の涙
Epic
5−9894(’66) 日本盤 LL904(’66−5)
Producer: Bob Morgan
Arr. & Cond. Charles Callello
Flip: Go away pain(Vinton-Allen-Richards)
Recorded on Jan. 6, 1966
最高位:59位
1931年にRudy Valleeがヒットさせたこのロマンティックなバラードは、これまでにVic
Damone,
Jerry Valeなどの男性歌手がとりあげてきているが、なかでもイギリスのKen
Doddのバージョンは
1965年9月30日から5週間全英チャートの1位に輝いた。ところがこの、Dodd盤はアメリカでは
不発に終わりボビーが取り上げ、1966年3月19日には59位まで上昇した。
”想い出の涙は貴方が残していったもの。意図しなかった愛の思い出。貴方が僕を忘れてしまった
なんて信じられない。一緒に長く幸福な時を過ごしたのに。涙は、唯一の慰め。でも涙は、傷ついた
心は癒せない。許しあい、忘れよう、後悔の涙をうれし涙に変えよう。”といった内容の愛のバラードを
ボビーはさりげなく歌い、独特のロマンティックなムードを漂わせている。
日本盤のB面には、この年のサンレモ歌謡祭参加曲"Lo
non posso crederti"が収められている。
From the Billboard Magazine, Hot 100 on March
19, 1966 1 The ballad of the green berets/Sgt. Barry Sadler 2 19th nervous breakdown/Rolling Stones 3 These boots are made for walkin'/Nancy Sinatra 4 Nowhere man/Beatles 5 Elusive butterfly/Bob Lind 8 Homeward bound/Simon & Garfunkel 59 Tears/Bobby Vinton |
Bobby and his rivals 〜ボビーと好敵手たち〜
ナンシー・シナトラ(1940.06.08〜 )Nancy Sinatra
故フランク・シナトラを父に持つナンシーがショウビジネスの世界で最初に脚光を浴びたのは
1960年5月12日のABCーTVのスペシャルプログラムで除隊後、初のテレビ出演となった
エルヴィス・プレスリーとフランク・シナトラ共演の"Wellcome
home Elvis"に出演した時
とされている。1961年にはリプリーズレコードからシングル"Cuff
links and a tie clip/Not just
a friend"をリリースするが不発に終わる。その後も”Like
I do"(レモンのキッス)””Tonight
you belong to me(イチゴの片想い)”などは本国以上に、日本や南アフリカなどで支持された。
1966年にLee Hazlewoodの制作で"These boots are made for
walkin'"(にくい貴方)をリリース
2月には、チャートの第1位を獲得。"How does
that grab you, darlin'""Sugar town"など
トップ10に入るヒットを継続させた。
1967年4月にはフランク・シナトラとのduoで”Something
stupid"(恋のひとこと)が再度チャート
のトップにたった。この年には、映画”Speedway"でプレスリーと共演したり、”007は2度死ぬ”の
主題歌を手がけるなど、人気の絶頂期であった。
その後もHazlewoodと組んで"Summer
wine""Jackson""Lady bird"などをヒットさせ
’60年代を通じて、チャートの常連となった。1985年には父シナトラの伝記”My
father"
を出版している。現在でも父親の音源を管理する一方で自身のレコーディングも時折、残している。
CDs by Nancy Sinatra
Boots/Sundazed SC 6052('95) How does that grabs you/SC 6053 Nancy in London/SC 6054 Sugar/SC 6055 Country, my way/SC 6056 Movin' with Nancy/SC 6057 Nancy/SC 6058('95) You go-go girl/Varese Sarabande 302 066 059 2('99) Sheet music/DCC DZS 160('98) How does it feel/DCC DZS 171('98) One more time/Cougar CGRCD-4701-2('95) Nancy Sinatra/Sanctuary SANCD 302(2004) California girl/Buena Vista 60753-7(2002) |
Andy Williams in Japan 〜2004年のアンディ・ウイリアムス〜
2004年7月、アンディ・ウイリアムスの久々の日本公演が実現した。
当初は2月に予定されていたが、鳥インフルエンザの影響もあり、7月に
延期になった。公演は東京、大阪、神奈川、名古屋の4ヶ所であり、筆者
は7月28日の名古屋公演(場所:名古屋市公会堂)を観ることができた。
ショウは途中20分の休憩をはさんだ2部構成で約2時間、たっぷり上質の
ポピュラー音楽を味わうことができた。オープニングは”ある愛の詩”途中
から日本語もまじえて歌い、続けて"Love is
here to stay"で完全に客席
を自身の世界に引き寄せた。ブライアン・ウイルソンの”神のみぞ知る”では
敬虔な祈りをこめて歌い、アカデミー主題歌賞を受賞した作品”Days
of
wine & roses""Moon river""Call me
irresponsible"をメドレーでなく、フルに
聴かせた。"Born free""Shadow of your
smile"も声量のある歌声で、余裕
たっぷり。初期のヒットメドレーは、ケーデンス時代のヒットが中心だが、
”もう離さない”なども加えていた。"Never
can say goodbye"は、意外な
選曲で、彼に向いた作品であるかは少し、疑問に感じた。
後半は"Call me"でスタート。ボサノバ・メドレーが続き、”イパネマの娘”
"Felicidade""Meditation"などをギターソロをバックにクールに歌った。
1973年のアルバム"Solitaire"からタイトル曲や”Make
it easy for me"
取り上げたのにも、驚いたが、”好きにならずにいられない”やイギリスでリバイバル
ヒットを記録した”恋はリズムに乗せて”を軽くこなした後、ジム・ウエッブの重厚な
”マッカーサーパーク”では、ドラマティックな歌唱を聴かせた。ゴスペル調の
"How sweet it is"では、会場のファンとシング・アロングし、交流をはかったが、
曲が日本で馴染みが薄く、あまり盛り上がらなかった。”ハワイの結婚の歌”や
”カナダの夕陽”など往年のヒット作を交えながら、”五木の子守唄”では、
たどたどしい日本語を披露。最後は”見果てぬ夢”アンコールは"You"ll
never
walk alone"で締めくくった。個人的には、"May
each day""Almost there"など
が取り上げられず選曲に不満が残った。
今年76歳になる小柄なアンディは背中が少しまるまったが、張りのある歌声で
存在感を示してくれた。歌のうまさも’60年代と比べると、歴然と上達している。
現在でもミズーリ州ブランソンに自身の劇場を構え、昨年はグレン・キャンベル、今年
はアン・マーグレット、来年はペチュラ・クラークと毎年、新しいパートナーと組んで、
ファンを楽しませている。今年の12月18日には、ボビーも出演したラスベガスの
オーリンズ・ホテルのアリーナでクリスマス・ショウが予定されている。
Moon River Theater |
残念ながら、今回の公演は空席が目立ち、シナトラやペリー・コモのような評価を
得られていないアンディだが、プロモートももう1歩だったし、ファンに忘れさせてしま
うレコード会社にも責任はあるだろう。
We need a little christmas ('95)Unison Music V20044 |
All time great albums 〜この1枚〜
Sounds of love/Epic
BN26542('70)
Bobby Vinton on sax
Raindrops keep fallin' on my head, Call me, I will wait for you, Michelle, Sweet Maria, Taste of honey//I'll never fall in love again, Somewhere my love, Heartache, Now I know, Oh, lonesome me Featuring Chuck Cochran on piano |
|
Epic BN26542('70) | Instrumental Sounds of love/on sax |
’70年にリリースされたこのアルバムは、ボビーのサックス演奏が収録されているが、
残念ながらヴォーカルは聴けない。最大の魅力は選曲だが、通して聞いても、印象が
薄く、どうも契約をこなすために制作された盤のようで制作者のクレジットもない。
”雨にぬれても””恋よさようなら”それにシングル"For
he's a jolly good fellow"の
B面として出ている"Sweet Maria"はヴォーカル盤と同じ伴奏が使用されている。
"Heartache""Now I
know""Michelle"などは是非ヴォーカルで聴いてみたい。
"Oh lonesome me"は、現在でもステージでサックス演奏で紹介されることがあり、ここで
そのルーツにたどりつく事ができたわけだ。
この他にも、ほとんどの楽器をこなせるボビー。ここでは、ボビーの器楽奏者としての
1面を垣間見ることができファンには、興味深い作品といっておこう。
編集後記
しばらく、体調のせいもあって渡米できず、フラストレーション
がたまってしまい、それが、また体調に影響するという悪循環が続いた。
何はともあれ、ラスベガスに到着。11月上旬のヴェガスは1年で1番過ごし
やすい時期だそうで、そのせいか催しも多く、街は大変な混雑だった。
ボビーの次男クリスはすっかり日焼けして見るからにスポーツマンに変身して
いた。どうやらゴルフに夢中で、奥さんはLPGAのツアープロで、すでに2人の
子供を養っているようだ。ボビーはこの女性もショウのバックコーラスに加えて
いた。スタイルのよいなかなかの美人だった。
CDショップには何軒か立ち寄ったが、すでにコレクタブルズのCDは店頭には
なく、ソニー、カーブの商品が主体だった。ある店ではCD"16
most requested songs"
を$17.99で販売していた。この値段をつけても売れるということなのか。もちろん
内容のいい作品なので、安い値段では売りたくないという意識の現れかもしれない。
アメリカでのボビーのショウも今後、年末まで、クリスマスナンバーを取り入れた
構成になるが、来年の11月から12月にかけては、古巣ブランソンのVariety
theatre
(旧: ブルーベルベット劇場)に出演することが決まったようだ。やはり、まだ劇場に
愛着があるようだ。
今年もあと1月。来年も是非、米国のどこかで、ボビーのライブに接したいと思っている。
それに、もう1度是非日本でも、楽しいショウを観る機会をファンに与えてもらいたいものである。
Bobby Vinton International Fan
Club of Japan Newsletter, number 32. 編集・発行 Bobby Vinton International Fan Club of Japan Dec. 1, 2004 (c)2004 J. Tsukada |