Bobby Vinton International Fan Club of Japan
Newsletter, number 31
          May 1, 2004

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<New releases>CD

Classics/SMSP A52271・KRB Music Companies KRB7030-2
(2001)

Mr.lonely, Shadow of your smile,
It's a sin to tell a lie, Blue on blue,
Born free, Georgy girl, Roses are red,
Have I told you lately that I
love you,
Speak softly love, Blue velvet

目新しい内容ではないが、紹介からもれていたので今回取り上げ
ておこう。KRBという会社について詳しい情報はないが、米国内の
特定地域のコンサート会場等で販売されていたらしい。
4曲のトップ10ヒット(内3曲はNo.1を獲得)を含むベスト盤。
SMSPからでていた"Greatest hits"から4曲カットした内容だが、
”嘘は罪””野生のエルザ””ジョージイガール”の3曲はいまだに
日本では未発表のままである。


<New releases>
 CD/Omnibus
  日本盤 (2004−3−11)
   各2,500円

SONY MHCP-189 Toshiba EMI TOCP 67332 Victor VICP-62596

レーベルの枠を超えて、日本で注目されたシングル盤を年代でわけて収録
したオムニバス日本編集盤。今回は1955−1974までのヒットレコードのオンパレード。
全10枚リリースされ、その内の3作品にボビーのナンバーがラインアップされている。

第4集には1962年と’63年の計30曲が選曲され、ボビーの
”ブルー・オン・ブルー”
”ブルー・ヴェルヴェット”もこの時期の代表作として登場している。
その他の収録作品には”ドミニク”(スール・スーリール)”バイバイバ−ディ”(アン・マーグレット)、
”北京の55日”(ブラザース・フォア)”すてきなメモリー”(ジョニ−・ソマーズ)
”メッカ”(ジーン・ピットニ−)などがある。

第5集には1964年のヒットが計23曲収録され、ボビーの
”ミスター・ロンリー”が抜群の
存在感で他を圧倒している。他には”カム・バック・トウミー”(ロイ・オービソン)”太陽に歌って”
(ゲ−ル・ガーネット)”花はどこへいった”(キングストン・トリオ)”ほほにかかる涙”(ボビー・ソロ)
など当時の懐かしい洋楽作品がたっぷり楽しめる。

第10集には1972−74年の計20曲収められ、ボビーの
”涙のくちづけ”が久しぶりに
オムニバス盤で聴けるのは喜ばしい事である。その他では”スーパー・バード”(二−ル・セダカ)
”クレア”(ギルバート・オサリヴァン)”ハーフ・ブリード”(シェール)”恋の玉手箱”(チッコリー)なども
収録されている。

このシリーズは2002年に発売された”僕たちの洋楽ヒット”(1965−1984)(全15タイトル)
の続編であるが前回より今回のシリーズのほうが親しみの持てる選曲で楽しめる。
ボビーのヒット曲では”涙の紅バラ”(’62)”君待つ心”(’64)”涙のサテンピロウ”(’66)
”愛のメロディー”(’74)”パロマブランカ”(’76)など当然追加してもおかしくない名曲が
残っており続編を期待したい。


<ボビーと好敵手たち>Bobby and his rivals
Al Martino アル・マルティーノ (1927.10.07−)

ボビーの先輩にあたるアルはペンシルベニア州フィラデルフィアの出身。
本名はAlfred Cini.。父親はイタリアからの移民で、建設関係の仕事
につきアルもレンガ職人をしていた。
友人のMario Lanzaのすすめで歌手としてデビュー。アーサー・ゴッドフレイのタレント
スカウトショウに入賞し、すぐ"Here in my heart"を録音。イギリスのマイナーレーベルを
通じて発売され、1952年には全米で第1位を記録したのをはじめ、世界中で大ヒット。
その後、数年間、アメリカで人気を保っていたが、それ以降ヨーロッパでの成功とは裏腹に
忘れられたような存在となっていった。人気を盛り返したのは’60年代に入ってからで
1962年からCapitol Recordsから続々とヒットレコードやベストセラーアルバムを発表する。
"I love you because"('63)"Painted tainted rose"(63)"Living a lie"('64)などで1966年には
キャリアの分岐点と言える作品"Spanish eyes"が大ヒット、同名のアルバムはゴールドディスク
を記録するなど彼の最大のヒット作となった。その後も"Daddy's little girl"('67)"Love is blue"('68)
"Can't help falling in love"('70)"To the door of the sun"('74)"Volare"('75)と確実にヒットを出し、
本格派のヴォーカリストとして地位を確立する。テレビ出演は多くないが、映画では1972年の
”Godfather”に歌手のJohnny Fontane役で出演し歌も披露していた。1990年の"Godfather,
Part 3"にも同じく歌手役で出て”To each his own"を歌っていた。

 日本でも’60年代、’70年代には彼のLPも数多く発売されたが、’80年代以降特に、CDが
登場してからは、まったく無視されてしまっており残念だ。今日でもアトランティックシティ等でときおり
ヘッドライナーショウを持ち、往年のファンを楽しませている。

 ボビーとの関わりでは、LP"Melodies of love"のなかでボビーは”Here in my heart"をアルに
敬意を払うかのように録音している。一方アルも、ボビーのレコーディングには注意を払い、LP
"Love theme from the Godfather"の中に”Every day of my life",LP"Love is blue"では
”Just as much as ever"をそれぞれボビーとは異なる表現で歌いこなしている。又、
 Joel Whitburnのチャートブック"Top adult contemporary 1961-2001"ではアーティスト部門で
ボビーが19位(44曲)、アルは25位(41曲)にランクされ似たような持ち味でファンを
つかんでいたのがわかる数字である。

CDs by Al Martino

Al Martino Collection/Razor & Tie 7930182201-2('99)
Style/Varese Sarabande 302 061 057-2(2000)
In concert/Woodford music WMCD 5695(1990)U.K.
I love you because・My Cherie/EMI 7243 5 21093-2('99)U.K.
Spanish eyes/Capitol CDP 7 91231 2('88)
Collectors series/Capitol CDP 7 96430 2('92)
Spotlight on/Capitol CDP 7243 8 32562 2('95)


All time great albums<この1枚>
  Spring sensations/Epic JE35998('79)

Seasons in the sun, Something, Our day will come,
Till, Baby take me in your arms, Let's sing a song,
First time ever I saw your face, Raindrops keep
fallin' on my head, Roses are red, All

’79年にリリースされたこの編集盤には、エピックレコード在籍時の
録音のなかから春にちなんだナンバーがセレクトされ、ボビーのソフトで
メロウな魅力が伝わってくる。自身のヒットは”涙の紅バラ”のみであとは
スタンダード、エヴァーグリーンポップスから選ばれている。”涙の紅バラ”から
”そよ風のバラード”の間には10年の歳月が流れているが、その間ボビー
がいかに名曲をうまく歌いこなしていたかがわかる。同じシリーズで、
"Autumn memories""Summer serenades"も発売され好評を博した。


Memorable hits<あの曲>想い出のビッグ・ヒット
There! I've said it again/Epic 5-9638('63)
    Flip: Girl with the bow in her hair
    Words and music by Redd Evans & Dave Mann
     Produced by Bob Morgan, arr. and conducted by
      Stan Applebaum
  邦題:
ブルーファイア/可憐なあの娘 
  レコード番号   LL−6014(’64−2)
  最高位: 第1位 
   Recorded on Sept. 5, 1963

”僕は、君を愛している。隠すつもりはない。くよくよするより愛していると
言ったほうが、いいんだ、ほら繰り返し言ったじゃないか。
以前も言ったが、それ以外には言えない。僕を信じてほしい。他の方法はない。
君を愛している。どこまでも、ほら繰り返し言ったじゃないか。”といった内容の
恋人同士が互いの愛を確認し合う内容のラブソングで1941年に出版されている。
1945年にVaughn Monroe, Jimmy Dorsey, Modernairesのレコードがチャートに入り
特にヴォ−ン・モンロー盤は同年5月から6週間第1位にランクされる大ヒットを記録。
その後も1959年にはSam Cooke盤が最高位81位を記録したのをはじめNat King Cole
なども録音した。
 ボビーはシンシナティのあるDJからのすすめでこの曲を録音。ちょうど”Blue velvet"が
人気のピ−クにあった時期でもあった。たった1回のテイクで録音を終えたボビーはNo.1
を確信していた。’63年11月8日にリリースされたこのシングルは翌1964年の1月4日付の
ヒットチャートで第1位につき4週間、その座を守った。日本では、邦題が影響してか今一つ
セールスが伸びなかった。それでも、この曲を彼の代表作にあげるファンも数多くいる。
目を閉じて、ボビーのヴォーカルに耳を傾ければそれも納得できるであろう。

From the Billboard magazine, Hot 100
on Jan. 4, 1964
1 There!I've said it again/Bobby Vinton
2 Louie, Louie/Kingsmen
3 Dominique/Singing nun
4 Since I fell for you/Lenny Welch
5 Forget him/Bobby Rydell
6 Popsicles and icicles/Murmaids
7 Talk back trembling lips/Johnny Tillotson
8 Quickstand/Martha and the Vandellas
9 Nitty Gritty/Shirley Ellis


<New releases>CD
Omnibus

   Smash singles and hard to find classics, vol. 1
      Zereque ZERECD 0033(2003)
        Includes "My melody of love" by Bobby Vinton
               愛のメロディー/ボビー・ヴィントン
        18 selections 全18曲
        チャート成績 第1位 カナダ(1974−11−30)

Love is over/Lou Christie,
Hichin' a ride/Vanity Fair,
Hushabye/Robert John,
Feelings/Capricorn,
Ooh I do/Lynsey De Paul
Summertime, summertime
/Hobby Horse, Angle baby/
Dusk and others

1969年から1974年のヒットソングで今日では入手が困難な音源を集めて18曲
収録。各曲のレーベル、ナンバー、ヒットチャートでの順位(主に、カナダ、イギリスでの
成績)各アーティストの主なシングルヒットがその年代順にジャケットスリーブに紹介され
ている。さらにライセンスの取得先も記入されるなどデータは詳細である。同時に第2集
も発売されているが、どこの国で企画され発売されたのかクレジットからは特定できないが、
音源は正規のマスターテープから起こされているようだ。ボビーの”愛のメロディー”は現在
はABCレコードから回収されており、ボビーからの許可なく収録できないできないはずで
前述のとうり、ライセンスの取得の掲載もあり、全18曲のラストを飾る名曲であり、ヒットポップス
ファンに人気の高い曲と理解できる。


<News>Bobby Vinton collapses on stage in Lancaster.
 ボビー・ヴィントン、ランカスターのステージで体調不良。
(地元の新聞の他、ビルボード誌でも報じられた。)

2月22日、ボビーはコンサートツアーの会場、ペンシルベニア州
ランカスターのアメリカン・ミュージック・シアターのステージでショウの
開始後1時間位経過した時点で、ピアノ奏者のそばに腰をおろし、ピアノ
演奏を始めようとして、そのままキーボードに頭部を突っ込むように倒れこみ
ピアノ奏者により支えられた。ボビーは”今日のショウはここまで”と語った
という。その後ボビーに救急車も呼ばれたが、楽屋で元気を取り戻し、近く
のホテルで家族と一緒になった。ボビーの病状についての詳細は公表されて
いないが、その後のツアーの中止延期等の情報はない。

 この4月で69になったボビーに全米ツアーはやはり、肉体的にきつくなって
きているのかも知れない。病状が深刻なものでなかった事を祈っている。


Bobby Vinton and the Beatles
 <ボビー・ヴィントンとビートルズ>

Encyclopedia of the Beatles people, by Bill Harry.
    (London, Blandford、1997)


この書籍によるとボビーは、アラン・クラインによりマネージメントされた
アメリカの歌手で、ビートルズの”I want to hold your hand"
(抱きしめたい)により第1位の座から蹴落とされたとの記載がある。
(曲は、ブルー・ファイア)その後、同年の12月には
<"Mr.lonely">で再度第1位に返り咲いていると補足もされている。
Allen Kleinはサム・クックやボビーのマネージメントを手がけた後、
イギリスのグループ、ローリング・スト−ンズ、アニマルズなどの
ほか1969年にはビートルズの経営アドバイザーとして認められるが、
それは、ジョン・レノンにうまく取り入った事に起因しているとされる。
一方でポール・マッカートニーとは当初から不仲で、
やがてはそれが、グループの解散の一因ともなっていく。

イギリスのグループにアレンを紹介したのは、ボビー自身と言われている。
ボビーはかってインタビューに答えて、「1960年代を通じて活躍できたのは、
ビートルズが僕のライバルであったソロシンガーを打ち負かしてくれた
から」と皮肉っぽく語ったこともあった。

又、ボビーは故ジョン・レノンの友人であったこともよく知られている。
1980年にはジョンの死を悼んで”It was nice to know you, John"を発表
した。アラン・クラインの事務所で顔を合わせたりしているうちに知り合った
ようだ。
ボビーとクラインの関係については、また別の機会にとりあげたい。
   
Beatles songs recorded by Bobby Vinton

Something/My elusive dreams Epic BN26540
Michelle/Sounds of love(on sax) Epic BN26542
Ob-La-Di, Ob-La-Da/Party Music TVLP177604
All my loving, I want to hold your hand, Yesterday,
Hey Jude/
100 memories TVLP79054


Rare albums from around the world<世界の珍しいアルバムから>
 <CD>Omnibus
    Film music von Eis Am Stiel/BMG Ariola 262 006(1998) 
                        Germany 
    グローイング・アップ・<サウンドトラック>
      Mr.lonely/Bobby Vinton 収録

       全16曲 16 selections

Rock around the clock/Bill Haley,
Que sera sera/Rosemary Squires,
Diana/Paul Anka, Lollipop/Chordettes
Ciao, ciao bambina/Dominico Moduno,
Hey Paula/Paul & Paula, Come prima/
Marino Marini, Long tall Sally/Little
Richard, Hey Baby/Bruce Channel,
Witch doctor/John Morris, Tutti Frutti/
Little Richard, Put your head on my
shoulder/Paul Anka and others

1978に日本でも放映された映画「グローイング・アップ」では、ボビーの”ミスター・
ロンリー”が効果的に使用されていた。CDは日本では、いまだに未発売だが、
ドイツではすでに発売されていた。欧米では、"Lemon popsicle"という原題で知ら
れているが、マイナー作品で、サントラのLPもマイナーレーベルで出ていた。
DVD化もされておらず映画そのものの評価はけっして高くないが、1950年代、
60年代のポップスがうまく挿入され新鮮なイメージを与えていた。
 このドイツ盤には16曲収録されているが、ブラザース・フォアの”グリーン・
フィ−ルズ”などがオミットされてしまっているのが残念である


<New release>DVD
Rock, Rock, Rock/Passport Video DVD711(2003)
All region/2hours

最近、米国で発売されたこのDVDには、”Rock, Rock , Rock"(1956)
"The Alan Freed Story"の2作品が収録され、ボビーは後半のアラン・
フリード・スト−リ−に数分登場し、初期のロックンロール時代において
、どうやってヒット曲が誕生していったかを、わかりやすく説明している。
映像からは’80年代初期のボビーと推定できる。ボビーのヴォ−カルが
聴けないのが残念だが、こういった番組に登場して時代を検証するボビー
は、ここではエンターテイナーとは別の素顔を見せている。
なお、"Rock, Rock, Rock"には、アラン・フリードのほか、Chuck Berry, Moongrows,
Lavern Bakerなどが登場する。”Alan Freed Story"は、DJアラン・フリードの栄光と
ペイオラによる挫折のスト−リ−。短編だが、貴重な作品。

                     編集後記

 先日、友人と名古屋の栄にあるあるカラオケ店に入った。迷うことなく外国曲のリストを
見ると、ボビーの作品では"Roses are red""Blue velvet""Mr.lonely"ここまでは、どこの
店でもほぼ同じなのだが、その店には、もう1曲"Blue on blue"がリストに加えられていた。
迷わずマイクを取ったが、この曲をはじめて聴いたときの衝撃を想い起こした。
もう、40年以上も前のことだが、当時、夢中になっていた洋楽作品の中でも、特別な曲
でもある。この曲に出会っていなかったら、このニュースレターも現在、発信されていな
かったであろう。ボビーとの関わりの始まりだった。
"Little green apples""Behind closed doors"Most beautiful girl""For the good times"
のような通向きな作品がプログラム化されているところを見ると、カラオケ愛好家には、 
かなりの洋楽通がいるのだろう。

 ボビーは現在、ツアー中心の活動を行い、時折、テレビ出演もこなしている。
2月下旬に体調をくずしたというニュースは、心配な出来事だが、体調の回復を
ファンとして祈りたい。そして、是非日本での公演を期待したいものだ。

Bobby Vinton International Fan Club of Japan
    Newsletter, number 31.
編集・発行 Bobby Vinton International Fan
        Club of Japan
       May 1, 2004
             (c)2004 J. Tsukada
     

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