ハイ・クライムズ(2002年アメリカ)

 やり手の弁護士クレア(アシュレー・ジャッド)は
夫トムと平和に暮らしていたが、ある日家に賊が侵入。
捜査で指紋を採取されたトムは、12年前から追われていた人物として逮捕される。
実はトムの本名はロンで、海兵隊で9人殺害の罪で追われていたのだ。
訴追は有能なウォルドロン少佐で、弁護側は若手のエンブリー中尉。
特殊な軍法もあり、不利な状況でクレアが自ら弁護する事に。
88年エルサルバトルで米人が爆殺され、テロ組織を追うマークス准将の指揮で村へ。
そこで腹心ヘルナンデス少佐が村人9名を殺害。トムに罪を着せたと言う。
クレアは海兵隊出身のチャーリー(モーガン・フリーマン)に協力を要請。
裁判では7名がトムの犯行を証言したと言うが、5名はその後死亡。
ウォルドロンは取引を求めるが、トムはこれを拒否する。
チャーリーは証人アポットを見つけ、偽の証言を命じられたと聞き出すが、
彼はその後行方不明に。証言のテープは無価値とされる。
さらに部屋が盗聴されており、情報が筒抜けと気づく。
窮地のクレアは、マスコミに事態を公開。
米人が殺されたのはヘルナンデスの仕業で、米軍は隠そうとしたとの情報を得る。
クレアは何者かの襲撃を受け流産。ショックを受けるが調査を継続。
爆破で負傷したヘルナンデスの治療記録を入手。
マークスに突きつけると、国防上の理由として告訴は取り下げられる事に。
クレアはトムと共に家へ戻る事になるが、調査を続けていたチャーリーから連絡が。
2人の証人が殺された時、トムは彼らの居場所へ出かけていた。
そして証人の妻は、トムの手のクセを覚えていたのだ。
真相を知られたと知るトムは、クレアを始末しようとするが、
かけつけたアポットに射殺される。
立ち直ったクレアは、チャーリーの所で働く事にする。

 と言うわけで、アシュレー・ジャッドとモーガン・フリーマンの組み合わせで
「コレクター」の続編かと思いきや、それは別の題名で
こちらはむしろ「ダブル・ジョバディ」風に
事件に巻き込まれたアシュレーが、巨大な敵と戦うため奮戦する話。
軍法の特異さや軍の妨害と戦うあたりが面白いのだが、
当然、夫が真犯人ではと疑われる展開があるはずと思えば、
最後の最後まで疑われないので、いやな予感がするとその通りに。
何でもかんでもどんでん返しを入れればいいと言うものではなく、
台無しになる気がする。
クレアの妹がアマンダ・ピートでセクシー担当。

TV放送 2004/01/25 BS05 2000-2200
 

ハイジ(2005年英)

ハイジ 両親のいない娘
おじいさん ハイジの祖父。アルムおんじ(マックス・フォン・シドー)
ペーター 牧童
クララ 屋敷の娘。車椅子
ゼーゼマン氏 クララの父
クララの祖母 (ダイアナ・リグ)
ロッテンマイヤー 屋敷の女性(ジェラルディン・チャップリン)
ブリギッテ ペーターの母
ペーターの祖母 盲目
デーテ ハイジの叔母
セバスチャン 屋敷の召使の男性
チネッテ 屋敷の召使の女性

 両親が事故で死に、デーテおばさんに育てられていた娘ハイジは、
山に住む祖父に預けられる。
世捨て人のおじいさんは迷惑がるが、結局おいてやる事に。
ハイジは、牧童のペーターやその祖母らと親しくなる。
だが再び現れたデーテおばさんは、
屋敷の娘クララの遊び相手にと、ハイジを連れ出してしまう。
数日で戻れると信じるハイジは、クララとすぐに仲良くなる。
だが、厳しいロッテンマイヤーさんや、山のない町に困惑。
猫を連れ帰り騒ぎを起こすが、クララの父ゼーゼマン氏に気に入られる。
クララの祖母とも親しくなり、文字を教わる。
だがクララの祖母が帰ると、ロッテンマイヤーさんは厳しくし、
ハイジは夜中に歩き回るように。
医師はホームシックと診断。山に返される事になる。
おじいさんはハイジを受け入れず、ハイジは自分が傷つけたと感じる。
ヤギの小屋で寝泊まりし、結局おじいさんもハイジを受け入れる。
おじいさんはハイジを村へ連れていき、冬は学校に通わせる事に。
やがてクララが訪れ、山で過ごす事に。
気に入らないペーターは、クララの車椅子を壊してしまい、
止めようとしたハイジは崖から落ちそうに。
おじいさんが引き上げるが、驚いたクララが思わず立ち上がっていた。
おじいさんはハイジの将来を心配するが、
山に住む事にした医師が、面倒を見る事を約束する。

 と言うわけで、フランダースの犬の実写版もあったが、こちらはハイジの実写版。
話はアニメとほぼ同じで、召使のチネッテに至るまで登場人物にも過不足なし。
ただ、どうしてもダイジェスト版みたいになってるのは否めず。
夢遊病になってもすぐに気付かれ、あっさり山に戻るし、クララともすぐに再会する。
アニメとちょっと違うのは、ハイジが山に戻るところ。
アニメでは人間技とは思えないジャンプでおじいさんに飛び付くが、
この映画のおじいさんは最初ハイジを拒絶する。
だがハイジは、自分が出ていった事でおじいさんを傷つけたと感じて
ヤギの小屋で寝泊まりする。ここはアニメと好対照で、どちらも捨てがたい。
もう一つ、ペーターはクララを快く思わず、車椅子を壊してしまう。
それを止めようとしたハイジは崖から落ちそうになり、
結果的にクララは思わず立ち上がるように。
ペーターが車椅子を壊した事は誰も気付かず、彼も話さないから、
ここは後味が良くない。
何にせよ、この映画のポイントはハイジ役の女の子に、どれだけ好感が持てるかで、
その点はまったく問題なし。
ところで、クララのおばあさん役がボンドガールもやったダイアナ・リグで、
これはもう言われないとわからなくてビックリ。

TV放送 2007/12/10 ムービープラス 1900-2042
 

ハイジャッキング(2012年米)

ポール・ロス CIA(エクスペンダブルズにいた)
ブルース・リーブ 富豪
オットー リーブの部下(ドミニク・パーセル)
ジョー・バラード MI6(ヴィニー・ジョーンズ)
オリヴィア ロスの恋人
ロストウ 一味のリーダー

 CIAロスはMI6ジョーと共同作戦を遂行するが、ジョーが撃たれて死亡。
責任を問われてロスは謹慎処分になる。
一味が富豪リーブの専用機の情報を集めていたと知り、ロスは独断で同行。
乗員に扮していた一味が機を制圧。リーブは部屋に立てこもる。
大金を要求されたリーブが拒否した為、妹や財務担当が射殺される。
ロスとリーブの護衛オットーが一味を倒すが、リーブの部屋が爆発。
リーブは死亡と判断される。
ロスは、リーブが実際には機に乗っておらず、
自身の別の企業に送金する事で資金洗浄したと気付く。
オットーと共に、リーブの潜伏先を襲撃するのだった。

 と言う訳で、ハイジャックされた機内の攻防を描く物語。
ヴィニー・ジョーンズが出てくるが、早々に死亡。
主役はエクスペンダブルズで見た事ある人と、リンカーンことドミニク・パーセル。
曰くのある富豪の乗った旅客機が、謎の一団に乗っ取られる。
一団は富豪に大金を要求するが、主役2人が大暴れすると言う訳。
実際には、でくの坊と言う言葉は彼らの為にあるような活躍ぶり。
あの状況で大きな男が2人揃って行動するなんて、仲良しクラブかよと言いたくなる。
曰くある富豪が、事件に一枚からんでるのはお約束。

TV放送 2016/03/06 WOWOW 1400-1530
 

ハイジャック(1972年アメリカ)

ジョン・ギラーミン監督

 オハラ機長(チャールトン・ヘストン)はミネアポリス行きの便を操縦。
離陸寸前に、結婚式に行くという軍曹を乗せる。乗客には大物議員も。
女性客が、トイレに口紅で爆弾を仕掛けたとの文字を発見。
爆弾らしき部品も見つかる。再びコースを変えろとの指示が。乗客も異変に気づく。
機はアンカレッジに着陸。機長らは軍曹(ジェームズ・ブローリン)を怪しむ。
包囲した警官に気づき、軍曹は暴れ出し、一部の乗客を降ろした上で、
モスクワ行きを要求。隠れていたFBIも捕らわれてしまう。
了解しなかったソ連もようやく着陸を許可。モスクワに到着。
議員らを引き渡し亡命を求めるが、軍が包囲。軍曹は射殺される。

 と言うわけで、主演がチャールトン・ヘストンの旅客機ものとなると
「エアポート75」と混ざりそうだが、
こちらは何だか乗客の数が少なく感じられる。
普通のハイジャックは、いきなり犯人が銃を突きつける感じだが
この映画では前半、姿を見せないあたりがいい。
しかしながら、怪しい人物が1人しかおらず、結局彼が犯人だったので拍子抜け。
ソ連まで行く展開もまあいいが、見せ場の数がちょっと足らない気がする。

TV放送 2002/01/30 01CH 0130-0318
 

ハイジャック(2007年米)

ジャック・ベンダー 元FBI(ディーン・ケイン)
アリシア ジャックの妻。航空局に勤務(リー・トンプソン)
マヤ ジャックの娘
サイラス・ジャンセン 逮捕されたテロリスト(ウイリアム・フォーサイス)
ドーソン FBI時代の上司
アリシアの上司 (リチャード・ラウンドトリー)
リナ・ハーウェン キャスター
セーラ 客室乗務員(2代目スピーシーズの人)
ブライアン ジャックの隣の乗客。元航空技師
グレッグ・ギリアド ハイジャック犯

 FBIのジャックは、テロリストのサイラスを逮捕。
だが、突入を強行した上司ドーソンを殴りクビに。
乗り合わせた機がギリアドにハイジャックされ、一味はサイラスの解放を要求する。
核爆弾を持つと称しており、ロス上空で爆破すれば500万人が犠牲となる。
ジャックの隣りの乗客は元航空技師で、座席に埋められた電話線を取り出し
パソコンで外部に連絡取ることに成功。航空局に勤める妻アリシアに状況を知らせる。
さらにひそかに抜け出して、一味の状況を監視。
一味は銀行役員の家族を人質にとり、役員に大金を動かすよう要求していた。
 アリシアはジャックの話を上司らに伝えるが本気にせず、撃墜の用意が進む。
ジャックは貨物室で爆弾を発見。ブライアンの指示で解除を試みるが偽物だと気づく。
一味の目的はサイラスの解放やロス破壊ではなく、金をいただく事だったのだ。
見つかったジャックは一味に痛めつけられるが、客室乗務員セーラらに介抱される。
その頃、ドーソンが銀行役員の家族を救出。
ギリアドらはパラシュートをつけて、機から脱出。
軍による撃墜が迫るが、爆弾は偽物だと伝え、小型機用の飛行場への着陸に成功。
一味は10億ドルの債券を手に入れるが、かけつけたジャックと撃ち合いに。
ギリアンを射殺し、ジャックは警備責任者として雇われる事となる。

 と言うわけで、前後編によるハイジャックものTVスペシャル。
主役は新スーパーマンことディーン・ケイン。
彼は元FBIで、たまたま乗り合わせた飛行機がハイジャックされる
と言うダイハードな話。
彼の妻リー・トンプソンは航空局の幹部。隣の乗客は航空技師。
一味の要求は、ケインがかつて逮捕した男の釈放と言う偶然が重なる。
彼はパソコンを使って妻に状況を連絡。
一味の真の狙いは別にあったとか、お約束の撃墜命令とかあるが、
ちょっと条件揃いすぎだよね。

TV放送 2014/02/01 ザシネマ 1245-1534
 

陪審員(96)

 アニー(デミー・ムーア)は、マフィアのルイによる殺人事件の陪審員をする事に。
そんな彼女の前に、マーク(アレック・ボールドウィン)と言う男性が接近。
だが彼は、ルイを無罪にしろと脅迫。逆らえば息子オリバーを殺すと言う。
絶対有罪と言われた事件だが、アニーの必死の説得により、証拠不十分で無罪に。
実際はマークこそ殺人犯で、ルイが巻き添えで容疑者にされたのだった。
検事はアニーが脅迫されたと気づき、協力を要請するが、
それに腹を立てたマークは、アニーの友人ジュリエットを殺害。
アニーは息子をグアテマラの友人に預け、ルイにマークを処分させようとする。
だがマークはルイ一味を返り討ちにし、復讐心からグアテマラへ急行。
しかしアニーは先回りし、彼を射殺する。

 と言うわけで、陪審員の正体がばれて、容疑者の関係者に脅迫されると言う話。
(実際には真犯人だけど)面白い裁判ドラマが展開するかと思えばそれほどでもなく
ルイに殺させようとするあたりはありがちだし、どうも今一つ。
急にグアテマラに行くのは唐突な感があり、アニーが簡単に倒すのも困りもの。

VHS
 

背信の行方(1999年英・仏・米合作)

 ヴィニー(ニック・ノルティ)は、逮捕されたので
旧友で今は大物のカーター(ジェフ・ブリッジス)にすべて暴露すると脅す。
カーターはあわてて再会。ヴィニーは濡れ衣のストーカー行為で訴えられたと言う。
ヴィニーのたかりに手を焼くカーターは、相手セシリアに会うが、
彼女はヴィニーの恋人で、訴えたりするはずがないと言う。
彼女によると、ヴィニーは私立探偵と称し、競馬の八百長を追っていたらしい。
カーターは若い頃から競馬に関係し、八百長工作をしていたのだ。
ヴィニーはコミッショナーのシムズに売り込むが、追い返される。
彼はカーターの妻ロージー(シャロン・ストーン)と再会。
ヴィニーはかつてロージーに求婚したが断られたのだ。
八百長で大金を得た三人は山分け。ロージーはそれを隠すためシムズと寝たのだ。
真相を知ったセシリアはシムズに会う。
彼はすでに事件を克服しており、今度は彼らの番だと言う。
カーターとヴィニーは計画通りに行かずに途方に暮れ、
ロージーは種馬を射殺してしまう。セシリアはヴィニーの元を去り、シムズを選ぶ。

 と言うわけで、ニック・ノルティ、ジェフ・ブリッジスと
シャロン・ストーンと言う3人の男女について
昔の幸せな頃とくたびれた頃を描いて、使用前使用後という感じ。
時代順に描かず、時々バックして過去に何があったかが次第に明らかになったり、
なぜか3人と関係のないところで、カップルができたり
ちょっと面白い部分もあるが、全体的に何が彼らに起きたのかいまいちピンと来ない。
原作はサム・シェパード。

TV放送 2002/02/16 BS05 2000-2157
 

パイソン(2000年アメリカ)

 輸送機が機長(エド・ローター)らの心配をよそに、荷物が暴れ出して墜落。
さらにキャンプ場のレズカップルロバータとリサが何者かに殺される。
ジョンは友人トミー(ウイル・ウィートン)らと山へ行くが、リサらの死体を発見。
ジョンに恋人クリスティンをとられた警官グレッグは、ジョンに疑いをかける。
死体が酸でただれており、ジョンの兄の工場で使う酸が怪しまれる。
不動産王ケニーと女性客が、巨大なヘビに襲われて惨殺される。
ジョンは巨大生物を目撃するが、警察は信用しない。
実はヘビ学者ルドルフ博士(ロバート・イングランド)が研究していたヘビで、
軍事利用可能だと博士は主張するが、国家安全保障局は抹殺を決定。
保障局によってジョンは解放され、精鋭部隊がヘビを襲撃。だが反撃で全滅する。
トミーが殺され、恋人テレサは逃走。探しに来たジョンらも襲われる。
一同は施設に逃げ込み、ルドルフ博士と合流。
施設に誘い込み、爆薬で爆殺。かけつけたグレッグの車で逃げる計画だったが、
爆弾は不発。博士が身を犠牲にして爆破させるが、それでもヘビは死なず。
工場まで誘導し、ウインチで酸の池に落として倒す。

 と言うわけで、巨大な蛇が暴れる話で、CGだから動きが妙に早いと言うのは
アナコンダと同じパターンだが、ジャングルの奥地でなく町に出現。
ただ、食われるのでなく酸でやられると言うのが、何か妙な感じで
殺人と疑われると言うサスペンス色を出そうとするが、そもそもそんな話ではない。
おびき寄せるとか言って、車についてくる巨大な蛇が
道路をずっと移動する姿はかなりマヌケ。

TV放送 2003/08/02 BS05 1225-1410
 

ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ(2005年米独)

デビッド・キャラウェイ博士 心理学者(ロバート・デニーロ)
デビッドの妻 (エイミー・アービング)
エミリー デビッドの娘(ダコタ・ファニング)
キャサリン 女医。デビッドの教え子(ファムケ・ヤンセン)
エリザベス 近所の女性(エリザベス・シュー)
エイミー その姪
ローラ 隣の女性
スティーブン その夫
保安官 (ライミ版スパイダーマンのコナーズ博士)

 NY。心理学者デビッドは妻が自殺してしまい、ショックを受ける。
娘エミリーも心を閉ざしたため、親子で田舎町に引っ越す事に。
エミリーはチャーリーと言う友人が出来たと言うが、
デビッドは空想上の存在だと理解。
やがて「おまえが彼女を殺した」と落書きがあったり、
浴槽に猫の死体が入れられる事件が発生。
エミリーはチャーリーの仕業だと言うが、
デビッドにはチャーリーの正体がわからず困惑。
デビッドと親しくなったエリザベスは、
エミリーが自身を邪魔に思ったと考え、弁解するが、
クローゼットから現れた何者かに襲われ、窓から落ちて死ぬ。
異変に気付いたデビッドは、浴槽にエリザベスの死体を発見。
混乱したデビッドは、自らのノートに何も書かれていないのを見て、
ようやく真相に気付く。
妻の浮気に気付いたデビッドは彼女を殺害。エリザベスも窓から突き落としたのだ。
父親の部分が消え、チャーリーだけになったデビッドはエミリーを追い回す。
かけつけた教え子のキャサリンと格闘になり、彼女に射殺される。
エミリーはキャサリンと暮らす事になるが、
彼女が描く自分の絵には2つの顔があった。

 と言うわけで、デニーロとダコタちゃんによるサスペンス(?)
心理学者デニーロの妻が自殺し、娘ダコタが心を閉ざすように。
田舎町に引っ越した彼らだが、
ダコタは空想上のチャーリーが友達になったと称し、彼らの周囲に異変が発生。
誰の仕業かと言うあたりが焦点になる訳。
ダコタちゃんが怪しい描き方になってるけど、
死体を動かしたりした事を考えると体力的に無理。
霊的な線を疑わせない感じなので、
おのずと真犯人は(そうなった理由も何となく)察しがついてしまい、
またこのパターンでしたかと言う失望感が。
妻はエイミー・アービング、近くに住む女性がエリザベス・シュー。
そしてデニーロの教え子である女医がファムケ・ヤンセンと、
女優陣は私の好きなあたり。

TV放送 2006/10/08 WOWOW 2200-2340
 

ハイ・フィデリティ(2000年米)

 レコード店店長のロブ(ジョン・キューザック)は、
過去の失恋の5位を思い出し、失恋したローラは含まれないと強がる。
最初は10代の時のアリソン。だがその仲は6時間しか持たなかった。
次が大学時代のペニーだが、胸を触らせてもらえず別れる。
3番目が理想的な女性チャーリー(キャサリン・ゼータ・ジョーンズ)。
彼女とは2年つきあうが、彼氏ができたと言われ別れられる。
4番目のサラとは、互いに失恋した同士で親密になるが、やはり彼氏ができて別れる。
5番目はジャッキーと思うが、やはりローラが5番目だと認める。
友人マリーから、ローラが恋人イアン(ティム・ロビンス)ができたと聞き思い悩む。
DJをしていたロブは、ローラと知り合いつきあうように。
だが彼女が妊娠中に浮気し、ショックのローラは中絶したのだ。
なぜふられ続けるのか突き止めるため、まずアリソンの家へ電話。
母親がアリソンは初恋の相手と結婚したと言うが、自分の方が先だと自信を持つ。
ペニーはロブにふられたショックで、次はレイプだったと腹を立てる。
サラは謎の病気になったと言われ、相談する気が失せる。
ロブはローラとよりを戻そうとし、ローラもこのまま別れる事に抵抗を感じる。
チャーリーは人の話を聞こうとせず、ロブを過去に取り憑かれてると批判。
ローラの父が死に、ロブは葬式に呼ばれる。
ローラはイアンとは別れており、ロブと別れている状態に疲れたと復縁。
相変わらず、別の女性キャサリンのためにテープを作ってあげたりするが反省。
求婚して頭の中を変えたいと言い、ローラも承諾する。

 と言うわけで、ジョン・キューザック主演で、
見てみるとキャサリン・ゼータ・ジョーンズとかティム・ロビンスとか、
それほど有名でなかったジャック・ブラックなんか出ている映画で、
キューザックが過去の恋人について思い出すと言う話だが、
独り言みたいなのが多くて、キューザックが製作もしていると言うから
何やら独りよがりの作品が出来てしまったなと思ったが、
聞けば「アバウト・ア・ボーイ」と同じ原作者との事で、
そう言われると何となく似た雰囲気がある。
物語は時代が前後するのかと思って、その気で見ていたら
何の事はない現在の話ばかりだったので拍子抜け。
音楽オタクが物語にひねりを入れているようだが、どうもピンと来ない。
キューザックの店の店員バリーにジャック・ブラック。

TV放送 2002/09/21 BS05 2130-2330
 

ハイランダー2 甦る戦士(91)

 1999年。オゾン層の破壊で死者が続出し、
ネンマン博士とマクラウド(クリストファー・ランバート)は保護シールドを作成。
だが、25年後。高温と湿気で地球は荒廃していた。
500年前。マクラウドと師ラミレス(ショーン・コネリー)らは
惑星ザイストのカターナ将軍(マイケル・アイアンサイド)の支配に抵抗。
反逆罪として、マクラウドらは不死として地球へ送られた。
シールド外の紫外線が正常に戻ったと知ったルイーズ(バージニア・マドセン)らは
シールド破壊を計画。カターナの刺客を倒し若返ったマクラウドに協力を要請。
地球に来たカターナが待つシールド工業を襲撃。カターナを倒し、シールドを破壊。

 と言うわけで、バージニア・マドセンが出るというので見たが
設定は奥深そうで、話はかなり浅い。

VHS
 



パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマン・チェスト」を見た。(2006年)

 この映画はディズニーランドのアトラクション「カリブの海賊」を映画化し
大ヒットした作品の続編。すでに3作目公開も決まっているわけ。
前作は何となく見逃し、実はビデオでも見ない状態だったが
どうせこういう映画はわかるだろうと思って行ってしまう。

ジャック・スパロウ 海賊船ブラックパール号の船長。
エリザベス 勝ち気な女性。ウイルと結婚する予定。ジャックと因縁が。
ウイル 同じくジャックと因縁が。
デイビー・ジョーンズ 深海の悪霊
ベケット卿 エリザベスとウイルに死刑を宣告。ジャックのコンパスを狙う
ノリントン かつての提督。落ちぶれるが復活をもくろむ
ビル ウイルの父。海の怪物に変身させられてる。
スワン提督 エリザベスの父
ティア・ダルマ ブードゥー教の予言者
クラーケン デイビー・ジョーンズが操る巨大イカ?

 あれから3年。
エリザベス(キーラ・ナイトレー)とウイル(オーランド・ブルーム)は
結婚する事になるが、突然逮捕されてしまう。
海賊ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)を逃がしたためと言う口実だが
どうやら影で糸を引くのは東インド会社のベケット卿。
その目的は、ジャックのコンパスにあるらしい。
ウイルは死刑を撤回させる条件として、このコンパスを手に入れようとする。
エリザベスもまた、父スワン提督の手引きでまんまと脱獄し、
彼女もまたジャックを追う。
ジャックはと言うと、最近パッとせず、部下たちは不満を漏らす。
トルコの刑務所から鍵の絵の描かれた布きれを盗み出すが。
ある日。ジャックのところへ「靴ひものビル」と言われるビルが現れる。
彼は実はウイルの父で、ブラックパール号の乗員だったのだが、
バルボッサがジャックに反乱を起こした際、反対したため海に沈められたのだ。
その苦しみから解放される代わりに、「深海の悪霊」と呼ばれる
デイビー・ジョーンズに100年間仕えると約束させられた。
デイビー・ジョーンズの部下は皆、体の一部が海の生物に変化しており
ビルもまた、人間だった頃とは豹変してしまっていた。
ジャックもまた、デイビー・ジョーンズとの契約で
ブラックパール号の船長の座を手に入れたのだが、
13年が経つと、彼はデイビー・ジョーンズの部下にならなければならないのだ。
時が来れば、深海の魔物クラーケンと言う、巨大なイカみたいなヤツに
海に引きずり込まれて、ビルらと同じ運命を歩む事になるのだ。
ジャックは、8年間はバルボッサに船を奪われていた等と称して
何とか言い逃れしようとするが、手に黒い刻印が現れ始め、
その時は刻一刻と迫っていた。
デイビー・ジョーンズは10年に1回しか陸地に上がる事かできないため
それを利用して、陸地へ逃げようとするジャック。

 ウイルはブラックパールが停泊する島を発見する。
ところが、ジャックは船員と共に原住民に捕らわれてしまい、
追ってきたウイルも同じハメに。
何やら球状に作った檻に入れられ、檻のまま逃走し、崖から落ちても平気だったり
派手な見せ場は続くが、ちょっと現実離れした感じで退屈する。
何とか逃げ延びたジャックは、ウイルに鍵の描かれた布を見せ、
この鍵を手に入れれば、コンパスは渡すと言う。
ジャックはウイルと共にティア・ダルマという女性の小屋へ。
彼女はブードゥ教の予言者で、かつてジャックの恋人だったらしい。
彼女によると、デイビー・ジョーンズはかつて水夫だったが、
恋に破れ、自らの心臓を取り出して箱に封印。鍵は肌身離さず持っていると言う。
そしてダルマは、ジャックに陸地を意味するお守りとして砂の入った瓶を渡す。
ウイルは、ジャックの口車に乗せられ、
鍵を追って、デイビー・ジョーンズの乗るフライングダッチマン号へ。
デイビー・ジョーンズは、ジャックの身代わりとして、100の魂を要求。
3日以内に100人を生け贄にせねばならず、とりあえずウイルが犠牲に。
あわててジャックは、水夫をかき集める事に。
そうとは知らず集まってくる水夫たち。役に立たない連中でも次々採用。
その中には、かつては提督だったが、今は落ちぶれたノリントンの姿も。
彼は何とかジャックを利用して、再び提督の座に返り咲こうともくろむ。
奴隷のようになったウイルは、ひどい目に遭わされるが
父であるビルが身代わりとなる。
家族を捨てて海賊になったと言うビルは、家族のために死んでも本望と言う。
そんな父に、ウイルは必ず助け出すと約束する。
ビルの協力で、寝ている間に鍵を奪い逃げるウイル。
ウイルは商船に拾われるが、
デイビー・ジョーンズの手先であるクラーケンに破壊される。
からくも難を逃れるウイル。

 エリザベスもまたジャックのところへ到着。
欲しい物の方角を指すはずのコンパスだが、今ではジャックが持っても効果なく
エリザベスに持たせてみる。
すると、コンパスが示したのは、孤島十字架島だった。一行は島へ向かう事に。
ウイルも到着。共に宝箱を探す。宝箱をめぐって争奪戦に。
デイビー・ジョーンズを倒し、父を助けようとするウイル。
復活をもくろむノリントン。2人は水車の上で激しい剣の応酬。
一方、デイビー・ジョーンズの一味も島へ到着。
ジャックは鍵を手に入れ、宝箱の中の心臓を、砂の瓶に入れる。
そして、それを使ってすぐにデイビー・ジョーンズを倒せば良さそうなものだが
切り札になるとか何とか言って、すぐには使わず、某所に隠す。
ところが、これがノリントンの手へ。ノリントンはベケット卿のところへ持ち帰る。
切り札を失ったジャックと、エリザベス・ウイルらは、ブラックパール号で逃走。
しかし、デイビー・ジョーンズとクラーケンの追跡からは逃れられそうもない。
ふと気づくと、一人逃げようとしているジャック。卑怯者と失望するエリザベス。
ウイルらは必死にクラーケンに応戦。ブラックパール号が沈むのも時間の問題だ。
ところが、また気がつくと、
改心したのか舞い戻っていたジャックがクラーケンを追い払い、逃げ切ろうとする。
ジャックに心惹かれたのかキスするエリザベス。
それを見てショックを受けるウイル。
だが、エリザベスはジャックを船に縛りつけ、一同を逃がそうとする。
彼女はジャックに良心が残っていたのに戸惑いながら、
ジャックを犠牲にするしか、生き延びるすべはないと考えたのだ。
やがて現れるクラーケンに、単身立ち向かうジャックは、その腹の中へ。
一方、ノリントンはベケット卿のところへ到着。
そしてまた、この事態を収拾させるべく、新たな人物が現れるところで次回作へ続く。
たぶん前作の敵だと思うけど、それはそこ、まだ前作を見ていないから。

 と言うわけで、物語は3人の主役が入れ替わり立ち替わり活躍する話で
しかも派手な見せ場がちりばめられていて、飽きさせない作りとは思うが
何か物語としてはけっこう単調な感じ。
デイビー・ジョーンズと言うのが変身するとクラーケンになるのかと思っていたので
何だかピンと来ない所があったし、
デップ船長が何やら出し惜しみをして、なかなかデイビー・ジョーンズを倒さないので
ちょっとまだるこしいなと思っていたら
何となく後半、これは次回作へ続くという感じだなと言う雰囲気になり
実際そう言う展開で終結。
主人公が死んでるのに続編が出来るわけもないし、
何か、騒がれてるほど面白くないかも。
 

パイレーツ・ムービー(82)

 海賊フレデリック(クリストファー・アトキンズ)は殺しはイヤと1人立ちを決意。
総督の娘メーベル(クリスティ・マクニコル)と恋が芽生えるが、
総督は海賊に宝を奪われ、海賊の船長は何とか息子を呼び戻そうと画策。
だがこれは海賊ショーを見に来たメーベルの夢と気づき、彼女はすべて丸くおさめる。

 と言うわけで、海賊映画はそれなりにおもしろいものだが
今回は最初から夢落ちと見当がついていて、それだけに現実離れしていてバカらしい。

TV放送 95/02/24 12CH 03:10-04:40
 

ハウリング(81)

監督 ジョー・ダンテ

 キャスターのカレン(デュー・ウォーリス)は、連続殺人犯エディに襲われ、
エディは射殺されるが、ショックで悪夢を見るように。
精神医ワグナー(パトリック・マクニー)の勧めで療養所へ行く事に。
だが、そこは狼男の隠れ蓑で、夫ビルや同僚テリーが犠牲になる。エディも仲間だ。
人間と共存すべきと言うワグナーに反発し、他の連中はカレンを殺そうとする。
かけつけた同僚テリーは、狼男を倒す唯一の方法、銀の弾で逃げる事に成功。
カレンは番組で公表する事を決意。証明するため、自らも狼に変身してみせた。

 と言うわけで、狼男を最新(当時)のSFX技術で描いた作品。
狼男たちが、狭い範囲に隠れていて、あまりサスペンス的なものは感じられない。
カレンも狼になっていたと言うのはありがちだが、襲った相手は気づいていないのか。

TV放送 97/07/11 10CH 02:20-04:14
 

バウンティー・ハンター(2010年米)

マイロ・ボイド 賞金稼ぎ(ジェラルド・バトラー)
ニコール 記者。マイロの元妻(ジェニファー・アニストン)
ニコールの母
ボビー マイロの元同僚
アール 襲撃した男

 元警官のマイロは、借金返済の為、賞金稼ぎの仕事を受ける事に。
捕まえる相手は元妻ニコールだった。
記者である彼女は、警官への暴行容疑をかけられるが、
事件を追って裁判所への出頭をすっぽかしたのだ。
マイロはニコールを見つけて強引に連行。
ニコールは情報屋ジミーが連れ去られたと訴え、
マイロは聞く耳持たないが、男の襲撃を受ける。
ようやく事件に関心を持ったマイロは、
男アールがタトゥー屋に出入りしていると突き止める。
張り込みの為、2人は新婚の頃に泊まったホテルへ。
寄りを戻しかけるが、ニコールはマイロがあくまで賞金をもらう気だと知り失望。
彼女は単身タトゥー屋に乗り込み、捕われたジミーを救出。
マイロも合流し、アールが警官だと知る。
マイロは元同僚のボビーがアールと組んで、保管庫から証拠品を持ち出したと疑う。
保管庫を訪れると案の定ボビーが現れるが、アールも現れて撃ち合いに。
マイロがアールを射殺する。
ボビーは、アールが証拠品の麻薬で商売していると疑い、追跡していたのだ。
一件落着するが、マイロは予定通りニコールを警察へ突き出し、彼女は牢へ。
賞金をもらったマイロは、警官を殴って彼も牢へ。
どうかしてると言われながら、2人は柵越しにキスするのだった。

 と言う訳で、ジェニファー・アニストンとジェラルド・バトラーのラブコメ(?)
解説にはアクションコメディと書かれてます。
バトラーは逃走犯を捕まえる賞金稼ぎで、
警官への暴行容疑による出頭命令を無視した元妻である記者アニストンを護送。
バトラーは借金取りに追われており、
アニストンは事件の核心に迫られた一味に追われると言う訳。
ドタバタを経て、夫婦が寄りを戻す系の話だから、
噂のモーガン夫妻を連想したが、あれはラブコメメインでいまいちだった。
本作は、むしろサスペンス要素が強く、ラブコメはおまけな印象。
ただし、サスペンスの方もたいして盛り上がらないから、やっぱり中途半端な感じ。

TV放送 2011/06/11 WOWOW 2000-2150
 

バウンティ・ハンター 母娘賞金稼ぎ(2000年)

 賞金稼ぎラルフ(クレイグ・T・ネルソン)は、殺し屋タイニーを追うが
車が爆破されて死亡。遺産はなく、借金が10万ドルある事が判明。
妻ドティ(アネット・オトゥール)と娘ブランディは、家の物を売って回るが
最終的には賞金稼ぎを継ぐしかないと判断。ラルフの元締めポールには断られ
女性のオーナーに依頼され、18歳の売春婦ロビンを捕まえる。
だが彼女を心配したドティは、保釈金を払って同居させる事に。
ドティらはテレビで宣伝して評判に。次第に依頼が増える。
ブランディは、同時にラルフを殺した男を見つけたら賞金を出すと言い、
怪しい連中が集まる。アンバーと言う女性は、元の彼氏リースの仕業と言うが、
あまりのガセネタの多さに信じない。ドティらはタイニーを捕らえるが、
ポールが賞金を出し惜しみしたため、しばらく隠す事に。
ロビンはダークと親しくなるが、ヘンリーにつきまとわれ、ダークが撲殺。
アンバーが殺され、ドティらはリースが犯人と確信。ポルノ俳優と突き止める。
ドティは友人マーナ宅へ押しかけビデオを確認するが、
ダークこそリースと気づく。彼はマーナをも殺害していた。
彼はブランディをも襲うが、ドティがかけつける。
ダークはかつてラルフを偶像視していたが、つきまとったため逮捕され、
以来彼を恨んでいたのだ。だが撃たれて逃走。車にひかれて死ぬ。
ドティは惹かれあったタイニーを引き渡して賞金を得る。

 と言うわけで、かつてマークしていたアネット・オトゥールも
その後、さっぱり出なくなり、「48時間」の続編も不在だったりしたが
ここで再登場。ただし、ブランクは隠せず、かなりふけてただのおばはんに。
物語の方は、夫の賞金稼ぎ稼業を、妻と娘が継がざるを得なくなって
ドタバタを起こすという展開は、早い段階で分かってしまい、
実際その通りなのだが、
夫と言うのが、ちょい役だがクレイグ・T・ネルソンである事も驚かされるが
その役名が、ラルフ・パパ・ソーソン。
何と、スティーブ・マックイーンの遺作となった「ハンター」で描かれた
実在の賞金稼ぎの人物ではないか。
調べてみると、あのときの奥さんもドティ。
となると、これはもう実話としか言いようがなく、
この娘は、あの娘かなんて感慨もあったりして、別の意味で感激した。

TV放送 2002/05/18 BS05 1300-1435
 

バウンティ 愛と反乱の航海(1984年米)

 バウンティ号の艦長ブライ大尉(アンソニー・ホプキンス)は、
船を奪われた件で審査を受ける事に。
彼はタヒチからパンの苗木を運ぶ任務に就く事になり、
友人クリスチャン(メル・ギブソン)を航海士に。1787年12月英国を出発。
船員に貴族風の振る舞いを強制したり、世界一周を狙って危険な航路を回ろうとしたり
不満が高まる。忠実だった副官フライヤー(ダニエル・デイ・ルイス)を解任し
クリスチャンを副官に。死者が出たのも船医のせいと言う。
島に到着し、島民に歓迎される。船員たちは島の娘と親密に。
クリスチャンもタイナ王の娘にのめり込み、艦長の夕食会にも出なくなる。
艦長は出発を決めるが、船員チャーチル(リーアム・ニースン)は留まると言い脱走。
だが彼らは捕らわれ、クリスチャンも未練を残して同行する事に。
1789年出帆。艦長は持ち物検査を厳しくし、再度世界一周に挑戦しようとする。
船員の不満は爆発し、ついに半数が決起して艦長らを拘束。
荷担しなかった半数をボートに乗せ、漂流させる。人食いの島でひどい目に。
一方船は島へ戻るが、歓迎されず、追い出される。チャーチルらは島に留まる。
クリスチャンらは士気が低下する中、島に到着。船を燃やし留まる事に。
ブライらは英国軍に助けられ、彼は裁判に。ボートでの行動が評価されて無罪に。
クリスチャンらは18年間消息不明だったが、その後アダムスだけが見つかる。
クリスチャンの生死には諸説あり、今でも子孫が生きているとも言われる。

 と言うわけで、実際にあったというバウンティ号の反乱の話で、
ひいきメル・ギブソンの作品の中では、取っつきが悪そうで未見だったが、
これがなかなか面白い。
まだ微妙に若いアンソニー・ホプキンス船長に対する船員たちの不満が、
自然に包まれたタヒチの島で爆発し、
ついに故郷へ帰る事をやめ、船を奪うという展開で、
船長の陰湿なまでの抑圧ぶりと、南の楽園での開放感、
そして、ボートで漂流する事になってからの船長の態度など、
物語としての面白さを感じさせる。
イヤな船長を懲らしめるとか、南の楽園で生涯を謳歌するなんて展開に
ならないあたりが、現実の厳しさと言う事か。
審査の裁判官にローレンス・オリビエ、エドワード・フォックス。
音楽はヴァンゲリス。

TV放送 2002/02/01 BS05 2035-2255
 

蠅男の恐怖(58)(未公開)

 空軍の研究で物質電送装置を開発するアンドレは、それを成功させるが
自らを使った実験で、ハエと原子が混在し、頭がハエになってしまう。
頭が人間のハエを見つければ再生可能だが、妻エレーヌには見つけられない。
次第に意思が失われるアンドレは、エレーヌに自らをプレス機で殺させる。
兄フランソワ(ビンセント・プライス)や警部は信じられなかったが、
クモの巣に頭が人間のハエを発見。ショックのあまり石で叩きつぶし
事件はアンドレの自殺として片づける。

 と言うわけで、後に「ザ・フライ」としてリメイクされた作品。
科学の発達のため、自然の法則を破ってしまうテーマはいいが
単純に頭がハエの人間と、その逆が出てくるこのオリジナルにはちと疑問が。

TV放送 95/08/11 BS05 05:00-07:00
 

蝿男の逆襲(1959年アメリカ)

 母の葬式に出たフィリップは、父アンドレの死に疑問を持つ。
叔父フランソワ(ビンセント・プライス)を追及。
アンドレは物質転送の研究をしていたが、自らがハエと合体してしまい、
妻エレーヌにプレス機で殺されたのだ。
フランソワの反対にもかかわらず、フィリップは父の研究を継ぐ事を決意。
助手アランと研究を開始し、フィリップも結局協力する事に。
ところが、実はアランは警察に追われており、装置をマックスに売ろうとしていた。
書類を盗むアランは、刑事に見つかるが倒して転送。モルモットと合体させ始末。
不審に思うフィリップも倒して、ハエと共に転送。彼もまたハエ男になってしまう。
警察はハエ男を追跡。襲われたフランソワは事件を知るビーチャム警部に相談。
ハエ男はマックスとアランを襲撃。屋敷に戻って娘セシールを襲うが、
ビーチャムがかけつけ、転送機へ。分身であるハエも転送機に入れ、無事元に戻る。

 と言うわけで、「ザ・フライ」でリメイクされた蠅男の恐怖の続編。
前作で死んだ主人公の遺志を受け継いだ息子が、
おじさんの反対も聞かずに、転送装置の研究を続けるが、
2つの物体が混ざると言う根本的な問題は解決する気がなかったらしく、
またも蠅男になってしまうと言う展開。
途中でモルモットと混ざったモルモット男も出てくるが、そちらは出番が少なく
どんな場合でも、必ず混ざり方は同じと言うのが妙な感じ。
そして、何か改善したわけでもないのに、もう1度転送すると戻るのも困りもの。

TV放送 2003/10/08 BS05 1800-1930
 

蝿男の呪い(1965年イギリス)

 精神病院を抜け出した女性パットは、車で通りかかったマーチンに助けられる。
屋敷に招いて求婚するが、彼はひそかに父と研究をしていた。
父子とも体に異変が生じており、薬を投与して維持しているらしい。
ルネ警部らはパットを追って屋敷を突き止めるが、結婚を理由に追い返す。
パットは隠された小屋を調べ、そこで奇怪な姿の女性を見て驚く。
一方、ルネ警部はマーチンがジュディスと言う女性と結婚したはずと突き止める。
パットは夜にピアノを弾くジュディスを目撃。だがその顔は醜くなっていた。
しかし、夢だと否定され、混乱するパット。
証拠を隠滅するため、ロンドンの兄弟アルバートのところへ転送し始末させる事に。
ルネは父子が転送実験の失敗で、蠅の遺伝子を受け継ぎ、急速に老化していると知る。
ついにマーチンは真相を告白。人類を救うために実験を続け、
ジュディスや留学生らで人体実験をしたのだ。
ジュディスは暴れて助手タイと格闘。
タイはジュディスを殺してしまい転送装置で始末して逃走する。
警察がかけつけ、マーチンは父を転送。だがロンドンに送られた連中が暴れ
機械を破壊したため父は再生されず。アルバートと連絡が取れず、マーチンは苦しむ。
パットは車の中で死に、骸骨になったマーチンを発見する。

 と言うわけで、蠅男の恐怖のシリーズ第3弾。
第2弾は、なぜか白黒になり、話は第1作のなぞりのようで工夫がなかったが、
今回は科学者と結婚した女性を狂言回し風にして、(半端な部分もあるが)
夫の謎の研究に迫ると言う、マッドサイエンティストものの図式で展開。
人が良さそうなのに、助手や家族を実験台にして、
不要になったら始末するなんて、あまりにもひどい話で
例えば動物実験ではいけなかったのかと言う気もするし。
しかし、今回の実験がうまく行かない理由は、あまり明らかにされず、
ハエすら飛んでこない。
と言うか、この3作目はビデオ化さえされなかったと言うが、
その理由は最後まで見ると明らかになる。
何しろこの映画、蠅男は出てこないからだ。
最後に、シリーズはまだ続くかもと言う意味で
「IS THIS THE END?(これで終わりか)」と出るが、
まさに、おいおい、これで終わりかいと突っ込みたくなる。

TV放送 2003/10/15 BS05 1800-1940
 

破壊!(1974年米)

マイク・キニーリー 風俗課の刑事(エリオット・グールド)
ファレル マイクの相棒
リゾー 一味のボス
ジャッキー 娼婦

 風俗課のマイクとファレルの刑事コンビは、娼婦ジャッキーを逮捕。
警察の上層部にも顧客がいて、彼女は簡単に釈放。
一味のボスがリゾーだと知り、令状もないまま監視するが、一味に痛め付けられる。
マイクらはコンビを解消されるが、
監視を続けた挙げ句、リゾーが心臓病で倒れて入院。停職にされる。
だが、リゾーが病院を隠れ蓑に、麻薬取引をしていたと気付き急行。
救急車を奪って逃げるリゾーを追い詰める。
リゾーは、すぐに釈放され、お前らはクビだとうそぶく。
その後どうなったか不明だが、マイクは刑事をやめて転職した。

 と言うわけで、エリオット・グールド主演で、
ピーター・ハイアムズ監督の70年代アクション。何か面白そうだよね。
グールドと相棒は風俗課の刑事で、風俗嬢を逮捕したりするが、
一味が警察上層部ともつながっていて、簡単に保釈される。
ならばと、一味のボスに迫るが、圧力はエスカレートするばかり。
グールドらのはみ出しぶりもヒートアップ。
はみ出し刑事コンビものの走りみたいな映画だが、正直、あまり盛り上がらない。
ラストも寸止めみたいな感じ。

DVDレンタル
 

破壊的防御システム エンクリプト(2003年アメリカ)

 荒廃した世界。歴戦の戦士ガースは、元実業家ライヒに呼び出される。
彼は高額な報酬と引き替えに、厳重な警備のビンセント邸から
芸術コレクションを回収する仕事を受ける事に。
そのために最新の装備を持ち、ライヒの部下ラピエールらと同行する事に。
建物はダイアナと言う防御システムが護衛。ヘルナンデスがやられる。
ライヒの目的は絵ではなく、
ビンセントが開発した温暖化から地球を救う微生物だった。
ガースは手柄を横取りしようとするラピエールと格闘の末倒す。
さらにライヒに狙われるが爆殺。
戦いで弱ったガースは、ダイアナの作る夢の世界で暮らす事となる。

 と言うわけで、知ってる人もいない作品だが、
題名から、厳重な仕掛けだらけの施設へ侵入するアクションかと思って見ると
そう言うシーンは大してなく、
何となくセリフだけでごまかされたSFと言う感じで拍子抜け。
エンディングもピンと来ない。

TV放送 2005/07/23 BS05 1140-1320
 

バガー・ヴァンスの伝説(2000年米)

ロバート・レッドフォード監督

 ゴルフ中に発作で倒れた老人ハーディ(ジャック・レモン)は少年時代を思い出す。
28年。町では天才的と言われるジュナ(マット・デイモン)が評判に。
富豪の娘アデール(シャーリーズ・セロン)と恋人で、皆にもてはやされる。
だが第一次大戦から戻ったジュナは雲隠れしてしまう。
父の仕事を継いだアデールは、ゴルフ場建設に意欲を燃やし、
スター選手ヘーゲンとジョーンズを呼んで対決させる事に。
ハバナの選手を出すべきだという声が出て、少年ハーディはジュナの名前を挙げる。
酔っぱらいと賭けをしていたジュナだが、アデールらに説得され出場する気に。
バガー・ヴァンス(ウイル・スミス)と言う男が現れ、キャディをすると言い出す。
ジュナは特訓をするがなかなか調子が出ない。
試合が始まり、地元ジュナは大人気。だがミスショットが続き1日目で12打差に。
皆を失望させる。バガーはそろそろコースを見ろとアドバイス。
ホールを感じたジュナは凄いショットを見せ、どんどん追い上げ大騒ぎに。
ホールインワンも出し、1打差まで追い上げる。
舞い上がり、池へ落として3打差に。動揺するがバガーのアドバイスで再び回復。
暗くなるが、車の明かりで続行。
ジュノはうっかりボールに触れ、誰も気がつかなかったが申告する。
バガーはもう私は必要ないと、5ドルを受け取り立ち去る。
最終ホールで、ロングパットを決め、3人がタイで終了する。
ジョーンズらは引退し、ジュナとアデールは再び恋仲に。
ハーディは老いてもゴルフを続けている。

 と言うわけで、マット・デイモンのゴルファーを中心にした話で、
監督ロバート・レッドフォード自身が出演した、ナチュラルのゴルフ版という趣あり。
だがあれに比べると、地味というか、抑え気味の感じ。
その雰囲気と、狂言回しのジャック・レモンが意外にいい味を出している。
シャーリーズ・セロンの、気の強い富豪の娘は、
もう少しうまく描けばもう少し面白かったと言う感じ。
肝心のウイル・スミスは、ちょっと困ってしまう感じで、
何しろ題名にあるくらいだから主役なわけで、ひょうひょうとした感じで
マット・デイモンを立ち直らせ、しかも肝心な結末を見ずに退散するあたり面白いが
それが逆につかみ所のなさでもあり、
何か彼が主役というのがピンと来ない感じ。

TV放送 2002/09/28 BS05 1445-1700
 

博士の異常の愛情、
または私は如何にして心配するのを止めて、水爆を愛するようになったか(64)

監督 スタンリー・キューブリック

 米空軍戦略作戦基地。
リッパー将軍は、マンドレーク大佐(ピーター・セラーズ)にR作戦の指示を出す。
ソ連各所から2時間の位置のB52警戒部隊は、作戦を受け、目標に向け出発。
暗号装置をセットしたため、暗号のない通信は受け付けない。
タージドソン将軍(ジョージ・C・スコット)は、
敵に動きがない状態で、R作戦の指示が出たと知り、国防省作戦室へ。
マンドレークは実戦でない事に気づき、帰還命令を求めるが、リッパーは答えない。
国防省会議。大統領(セラーズ)は、空挺師団に基地への攻撃を指示させる。
タージドソンは、死傷者を最小に抑えるためには、全面攻撃しかないと主張するが、
大統領はソ連大使を呼び、ソ連首相と電話で話す。
情報を教え、撃墜を求めるが、首相は最終兵器の存在を伝えてきた。
自動装置で作動し、10ヶ月で地球を滅ぼす兵器。米国にも同様のものがあるはず。
兵器開発局のストレンジラブ博士(セラーズ)は、可能だと言う。

 戦闘の末、基地の守備隊は降伏し、将軍は自殺。
B52はミサイル攻撃で暗号装置が損傷。燃料漏れも始まる。
マンドレークは暗号を解読し、大統領に連絡。
全機が帰還したかに見えたが、1機だけ引き返していない事が判明。
1機でも攻撃すれば、最終兵器は作動する。
B52は燃料漏れのため目標変更。
コング少佐は水爆に馬乗りになって修理。そのまま投下される。
ストレンジラブは、100年間地底に避難する事を提案。
20年間で現在のGNPに達すると言うが、
タージドソンは、ソ連が水爆を隠せば100年後にはソ連が勝つと不安がる。

 というわけで、「また会いましょう」と言うラストの曲が皮肉な映画。
キューブリックにしてはずいぶん分かりやすい映画だ。
「未知への飛行」と同じような話だが、大統領を総統と呼ぶストレンジラブが異色。
100年後の事まで心配する、戦争の愚かさを皮肉したブラックコメディ。
B52乗員に、ジェームズ・アール・ジョーンズ。

LD
 

バカルー博士の超次元アドベンチャー(84)(未公開)

 バカルー博士(ピーター・ウェラー)は、時速800kmのジェットカーをテスト。
次元の壁を破る事に成功。これはリザルド博士(ジョン・リスゴー)が、
失敗した理論を応用したもので、リザルドは以来精神病院にいたが脱走。
だが、宇宙船から電流による連絡があり、バカルーはエイリアンが見えるように。
森にも宇宙船が出現。ヨーヨーダイン社のビックブーテ(クリストファー・ロイド)が
こじ開けようとするが、自爆される。
メンバーのシドニー(ジェフ・ゴールドブラム)は、ヨーヨーダインの社員がすべて
ジョンだと気づく。しかも、全員がハロウィンの日に入社している。
1938年のオーソン・ウェルズによる火星人襲来のニュースは実は本当だったのだ。
エイリアンのジョン・バカーがバカルーに接触。
超次元に追放されたウォービンがリザルドに化け、仲間と共に帰還を企んでいるのだ。
エイリアンはそれを阻止するため、地球攻撃を計画。
研究室が襲われ、バカルーの恋人ペニーもさらわれる。
ヨーヨーダインでは、帰還用宇宙船を建造。だが、バカルーの装置なしでは不完全だ。
やがて仲間が現れ撃ち合いに。宇宙船で逃走されるが、攻撃艇で追跡撃破。
ペニーは毒グモの毒で死ぬが、帯電したバカルーがキスをするとよみがえる。

 というわけで、バカルー・バンザイと言うけったいなマルチ人間の物語。
あまりに無茶苦茶な話なので、わけがわからない。
精神病院の係員に、「48時間」の警官や、「ビバリーヒルズコップ」の悪役の人。

TV放送 92/09/27 12CH 14:30-16:30
 

白銀に燃えて(93)

 17年。17歳のウィルは父を失い、大学進学のため犬ぞりレースに出る事を決意。
800qのレースで優勝賞金は1万ドル。特訓を積みカナダへ。
子供に参加は無理と言われるが、新聞記者キングスレーが記事になると支援。
スタートでトップに出るが、心臓破りの坂で抜かれる。
悪魔の滑り坂では転倒者が続出。早朝からスタートし、居眠りする事も。
ボルグは他の選手の妨害を続け、次々脱落。そんな中、ウイルは鉄のウイルと評判に。
他のスポンサーに買収されそうになるが拒否。国中の応援を受ける。
最終日。どんどん順位を抜かれるが、ボルグが危険な近道を教える。
ボルグが犬が暴れて脱落。森を抜けてトップに。大声援の中、僅差で優勝する。

 と言うわけで、実際にあったと言う話の映画化。
抜いたり抜かれたりするが、夜はみな同じ場所で泊まるので拍子抜けかも。

VHS
 

白鯨(56)

監督 ジョン・ヒューストン

 1841年。イシュメルとモリ打ちクイケグ(レオ・ゲン)は捕鯨船ピクオド号へ。
予言者は、エイハブ船長が死に、船員も1人を残して皆死ぬと予言。
航海が始まると、エイハブ(グレゴリー・ペック)は、追うのは白鯨のみと話す。
モービー・ディックと言うその鯨は、世界一強く、エイハブの片足を奪ったのだ。
エイハブは白鯨の行き先を予測。漁も中止させて白鯨を追う。
副官のスターバックは、彼の行動を危険視。だが、皆は船長に協力的だ。
やがて、予想した海域へ。クイケグは自らの死を予知し、棺桶を作らせる。
ついに白鯨が出現。嵐でも帆を降ろさずに追跡。
ボートで白鯨に接近するが、ボートを沈められ、モリを刺すエイハブごと海に消える。
再び現れた白鯨は、残るボートや船を沈め、去っていった。
ただイシュメルだけが、クイケグの棺桶につかまって助かる。

 と言うわけで、メルビルの原作を映画化した作品。
復讐劇と言う感じだが、もっと復讐心を抱く経過を描写したり、
白鯨との対決を何度も見せてほしかった。
漁師相手の神父にオーソン・ウェルズ。脚本は、レイ・ブラッドベリ。

TV放送 93/10/23 BS05 20:00-21:57
 

白鯨との闘い(2015年米)

オーウェン・チェイス 航海士(クリス・ヘムズワース)
ポラード船長
マシュー・ジョイ 航海士(キリアン・マーフィ)
トーマス・ニカーソン 若造の船員(新スパイダーマン)
ヘンリー 船員。船長の甥
メルビル 作家(ベン・ウィショー)

起:作家メルビルはエセックス号の生存者に取材する。
承:船は怪物鯨に襲われて沈没。
転:漂流する船員は、人肉を食べて生き延びる。
結:メルビルはすべてを描く必要はないと考える。

 1850年。作家メルビルは、エセックス号の生還者トーマスを取材。
トーマスは妻にさえ詳細を語らなかったが、話せば楽になると言われ、重い口を開く。
 チェイスは捕鯨船エセックス号の航海士として雇われる事に。
新人船長のポラードが不漁でも引き上げようと言い出し、船員の不満が高まる。
 エクアドルに停泊する彼らは、
悪魔と呼ばれる怪物鯨の噂を耳にし、これを仕留めようと言う事に。
ついに鯨の群れを発見するが、怪物鯨に船を破壊されてしまう。
 船員らはボートで漂流した末に、島に到着。
だが、生還が叶わなかった先客の白骨死体を発見。
チェイスらは再び海に出る事を決断。
再び漂流し、彼らは生きる為に、死んだ仲間の肉を食べる様に。
それでも足らず、くじ引きで負けたポラードは甥ヘンリーに自分を撃つように命ずる。
耐えかねたヘンリーは自殺してしまう。
 90日の漂流を経て、生き延びた数名が救助される。
捕鯨産業を守る為、怪物鯨やくじ引きの話は隠す様に指示される。
これに反発したチェイスは立ち去った。
 結局、聴取を受けたポラードは白鯨の仕業だと証言。
彼は再び海に出て白鯨を追うが、見つからなかった。
島へ戻ったチェイスは、残る生存者を救助。後に商船の船長となった。
 トーマスの話を聞いたメルビルは、
あくまでも小説だから、すべてを描く必要はないと言い残す。
彼が書いた小説は、ホメロスの叙事詩のようだと称えられた。

 と言う訳で、白鯨のモデルとなった実話を描く作品。
鯨漁に出たクリス・ヘムズワースらは、怪物と言うべき鯨に襲われて漂流する。
作家メルビルは小説化する為に取材するが、隠された事実には触れなかったと言う訳。
白鯨はあまり現れず、もっぱら漂流シーンだから、何か思ってたのとは違う印象。
「隠された事実」も、今の目で見るとインパクトは今一つ。

TV放送 2016/12/11 WOWOW 2100-2301
 

バグジー(91)

監督 バリー・レビンソン

 組織のバグジー(虫けら)ことベン(ウォーレン・ビーティ)は、
南カリフォルニアの管理を任される。
経済観念のない彼は豪邸等を買いまくり、女優の卵バージニアに接近。
裏切りを許さない冷酷さで、コーエンやジャックを配下に。
ムッソリーニの友人である伯爵に近づき、暗殺を計画するが、終戦で未遂に終わる。
砂漠の町ラスベガスへ行き、ここに大きなホテルやカジノを建てる事を思いつく。
町全体を統治する計画に、マイヤー(ベン・キングズレー)らが出資。
だが、費用はどんどん増す。妻と離婚し、バージニアに金の管理を任せる。
密告した旧友ハリー(エリオット・グールド)を射殺し、逮捕されるが、
証人を買収して無罪放免に。費用が不足し、株を売りまくる。
しかも、バージニアに200万ドルのネコババの疑いが。
彼女は2人の旅行用に金を残していたのだ。
46年。ついにオープンするが、客は来ず、一時閉鎖する事に。
ベンはマイヤーに処分され、ホテルは彼に受け継がれた。
1年後、バージニアは金を返却して自殺。
ラスベガスは91年までに、1000億ドルの収入を上げた。

 と言うわけで、ラスベガスをつくったギャングの話だが、
なぜそこまで、ベガスに固執したのかはいまいちわからない。
音楽はエンニオ・モリコーネ。

TV放送 93/08/29 BS05 20:00-22:20
 

バグズ・パニック(2003年アメリカ)

 警官が地下鉄構内で惨殺される。FBIマットは連続殺人犯ではと捜査するが
検死官によると昆虫の酵素に似た成分が残され、昆虫学者フォスターに調査を依頼。
それは80キロ以上の昆虫に襲われ、食べられたと判明する。
世界最深の地下鉄が開通し、車内でパーティが行われるが、襲撃を受け全滅。
マットらは特殊部隊と共に乗り込むが、隊員も襲われる。
防弾チョッキも効果なく、爆発で地下鉄もスピードが出せない。
どうやら6500万年前の生物で、地下鉄工事でよみがえったらしい。
技術者レイノルズによると、社長は化石層にぶつかった事に気づいたが
関係者を買収して隠していたと言う。
虫は次第に進化し、空が飛べるように。
フェンスに電流を流し、足止めするが、時間の問題だ。
しかも現れた社長は口止め料を払い、爆破を阻止しようとする。
隊員は全滅し、社長も襲われる。
空を飛ぶのは女王で、外へ出れば繁殖してしまうが、女王が死ねば全滅するはずだ。
レイノルズは単身乗り込み、自爆して女王も焼き殺す。

 と言うわけで、太古の生物がよみがえるとか、社長が利益優先するとか
女王が死ねば全滅するとか、どこかで聞いた設定の連発で
世界最深の地下鉄というのも空々しく、
まあ安易な話である事に変わりはないと言う感じ。
特殊部隊が必死なのが気恥ずかしい。

TV放送 2005/07/18 BS05 1645-1815
 

バグズ・ライフ(1998年アメリカ)

 アリの王国では、バッタのホッパに貢ぎ物を出していたが、
フリックのヘマで貢ぎ物が台無しに。
改めて食べ物を集めるよう求められるが、フリックは助けを求めて旅する事に。
だが王女アッタらは、厄介払いできたと喜ぶ。
場末の虫のサーカスでは、火事を起こしたフランシスらがクビに。
彼らを戦士と誤解したフリックは彼らに助けを求める。
サーカスの一団もスカウトと誤解し、共にアリの国へ向かう事に。
フリックが戦士を連れ帰ったとアリたちは大喜び。
一団は事態を知り退散しようとするが、鳥に襲われたアッタの妹ドットを助ける。
その一件でホッパでさえ鳥は恐れる事に気づき、張り子の鳥を作る事に。
一団も王国に愛着を覚えるが、サーカス団長が現れ一団の正体がばれる。
ショックを受けたアッタは、フリックと一団を追い出す。
だがホッパは貢ぎ物がない事を怒り、女王を処刑すると言う。
ドットが助けを求め、事態を知ったフリックらは引き返す。
そして張り子の鳥で襲撃するが、正体がばれてしまう。
ホッパは怒るが、フリックはアリはバッタのしもべでないと言い、アリたちは団結。
大軍で攻撃したためバッタらは退散。
ホッパはフリックを襲うが、そこは鳥の巣で、今度は本物の鳥に連れ去られる。
王国に平和が訪れ、一団は去る事に。フリックは国に残る事を決意する。

 と言うわけで、何か同時期に作られたアンツと混ざって、
見た気でいたが未見だった。
こちらがディズニー版で、
だめなヤツががんばれば皆のヒーローになれると言うお約束のパターン。
いろんな出来事が、虫の視点だと人間と異なるというあたりのおもしろみはある。

TV放送 2003/11/24 BS05 1745-1925
 

爆走トラック’76(1975年米)

キャロル・J・ハマー トラック運転手(ジャン・マイケル・ビンセント)
デュアン ハマーの雇い主。父とも仕事していた
バック デュアンの背後にいる人物

 ベトナムから戻ったハマーは、トラックを買い運転手の仕事をする事に。
父の友人だったデュアンから仕事をもらう事にするが、
積み荷が違法なタバコとスロットマシンと知り、結局断る。
だが、そのために新たな仕事はもらえず、銃でデュアンを脅し強引に仕事を得る。
デュアンは裏切り者として、背後にいるバック一味に始末される。
ハマーはデュアン殺害の容疑で逮捕されるが、妻の訴えで無罪を勝ち取る。
バック一味に仕返し、さらに背後の企業GH社は和解を求める。
だが、一味はハマーを襲撃。仲間も殺され、妻は流産してしまう。
怒ったハマーはトラックでGH社に突入。
負傷して入院するが、病院の前に賛同者が集まり、ストに突入するのだった。

 と言うわけで、ジャン・マイケル・ビンセント主演の70年代アクションで、
トラック運転手となったビンセントが、禁制品の輸送を断り、
嫌がらせしてきた輸送会社やその背後の大企業に仕返しする話。
と言うと、Aチームのノリだが、1時間半の映画なのでちょっと長く感じる。
禁制品の輸送は許せないが、仕事はほしいので、
そんな連中を銃で脅して無理矢理仕事をもらったりして、
主人公の価値観はどのあたりにあるのかわかりづらい。
最初敵ぽかった雇い主も、途中から味方するが、
寝返ったと言い切るほどではなく、でも結局一味に始末されてしまう。
勧善懲悪ぽい話だが、そうはなっていないあたりが微妙。
クライマックスは主人公がトラックで大企業に突入するが、
ビルに突入したわけではなく、看板を壊しただけ。
黒幕をぎゃふんと言わせる描写もない。
一度は殺人容疑をかけられた彼が、こんな事したのにおとがめなし。
最後に賛同者が病院の前に集まり、ビンセントがニコッとして終わるが、
その前に奥さんが複雑な表情してるのも気になる。
まあ、ストやる事になったみたいだけど、
根本的な解決になったかと言うと怪しいところ。
ベストキッドのコーチが一味で出ている。

TV放送 2008/10/03 WOWOW 0155-0330
 

白熱(1973年米)

ゲイター・マクルスキー 囚人(バート・レイノルズ)
コナーズ保安官 (ネッド・ビーティ)
デュード 密造酒作り
ロイ 密造酒作り(ボー・ホプキンス)
ルー 協力者の女

 囚人ゲイターは、弟ドニーがコナーズ保安官に殺されたと知る。
コナーズは酒の密造をする連中と通じており、抗議したドニーは始末されたのだ。
町は密造酒で潤っていたが、弟の復讐の為、財務省の捜査に協力する事に。
一味に接触するが、コナーズも情報を得ていた。
ゲイターは逃げ回り、
深追いしたコナーズはパトカーごと川に落ちて命を落とすのだった。

 と言う訳で、バート・レイノルズ主演のアクション。
続編ゲイターも作られ、そちらは何回か見たのだが、なぜかこちらは初見。
囚人バートは、弟が悪徳保安官ネッド・ビーティに殺されたと知る。
ビーティは密造酒の一味と通じており、町が密造酒で潤っている面も否定できない。
だが、弟の仇となれば事情は別と、政府に協力して保安官の不正を追う事に。
ゲイターはあまり面白くなかった印象があるが、本作の序盤はぼちぼち面白い。
だが、潜入した感は弱く、最初から好き勝手やって、一味が自滅した感じ。
バートは車を暴走させるばかりで、後のトランザムシリーズを彷彿させる。

TV放送 2015/12/05 イマジカ 1700-1841
 

ついでにパシフィック・ハイツ(90)というのも見た。

 ジョン・シュレンジャー監督といえば、いろいろとあるらしいが
私にとっては、何と言っても「マラソンマン」。
現代のニューヨークに潜入していたナチの残党が、
うっかりナチの財宝に気づいてしまった大学生のダスティン・ホフマンを拷問にかけ
歯医者だというナチの残党が、ダスティン・ホフマンの歯に穴をあけてしまう
というシーンはショッキングであった。
そのジョン・シュレンジャーがスリラーを作った。
それも、悪役と言うべき変質者(というのとは、ちょっと違って詐欺師なんだけど
マトモじゃない。社会病質者というらしい)
を演ずるのがバットマンことマイケル・キートン。
彼に狙われるのが「ワーキングガール」のメラニー・グリフィスと
「フルメタルジャケット」のマシュー・モディン。
ま、後者の2人はあれだけど、マイケル・キートンはちょっとひかれる。
これは見るべきかと思ったところに、「プレデター2」と同時だったので見たらしい。

 メラニー・グリフィスとマシュー・モディンのカップルが
(参考までにメラニー・グリフィスの方が女ね)
パシフィックハイツというところの家を買った。
ちょっと高い家だが、なかなかいい家で、今まで別々に住んでいたのを同棲にして
1階の2部屋を貸し出せば、ローンの返済に当てられる。
そこで、さっそく間貸し人を探し始める。
最初に見つかったのが、岩松マコ扮する日本人夫婦。
続いて黒人の男が候補になるが、日本人夫婦の引っ越しのどさくさで
申込用紙がどこかへ行ってしまう。
そこへ現れたのがマイケル・キートン。彼にマシュー・モディンが会う。
いささか強引だが、即金で半年分の家賃を払うと言うので心が揺らぐ。
しかし、お金がたらないということで、まず何ドルかを払って後で送ることにする。
ところが、その金が届かないうちにマイケル・キートンが住み着いてしまう。
メラニー・グリフィスたちは何とか家賃を取り立てようとするが
ドアをノックしても返事がない。ときどき顔を出すのは見かけない同居人だ。
ところが、ある夜、日本人夫婦の苦情で起きてみると
夜中だというのに何かカナヅチで打っているらしい。
苦情を言うが、聞こうとしない。
そこで、電気を切ってしまい、暖房も止めてしまう。
ところが、それがもとで警察がかけつける。
弁護士によると、いったん居住を始めると、例え家賃を払っていなくとも
居住権があるから、電気を止めたりしてはならないのだ。
しかも、おわびとして家賃を安くしなくてはならない。
世の中には、そうした法を盾として居座っている者がいるらしい。
逆にマイケル・キートンの方が訴えてくる始末。
電気を止めたのがアダとなって裁判でも勝ち目はない。
しかも、どんどん裁判の費用がかかり、家のローンが払えなくなってくる。
銀行は家を抵当として差し押さえようとする。
このままでは、自分の家を追い出されてしまう。
続いて日本人夫婦の家にゴキブリが大量発生。
どうやら、これもマイケル・キートンの部屋から来ているらしい。
たまりかねた日本人夫婦は出て行ってしまう。
妊娠していたメラニー・グリフィスは度重なるショックで流産。
怒ったマシュー・モディンはマイケル・キートンを殴り倒す。

 その結果、マシュー・モディンは逮捕。
検事も同情的だが、どうしてもマイケル・キートンに有利だ。
しかも、警察命令で150メートル以内へ近づくことができない。
ところが、電話でメラニー・グリフィスが嫌がらせされていると知って
家へ戻ってくるが、マイケル・キートンに撃たれる。
これでも、正当防衛としてマイケル・キートンは捕まらない。
しかし、ようやくマイケル・キートンの立ち退き命令が出る。
カギをこじ開けたその部屋は、あちこちにいろんな大工道具で穴をあけたり
ひっかいたりされていて無茶苦茶だ。もちろん、マイケル・キートンはいない。
しかし、これで彼から逃れられたが、それではおさまらないメラニー・グリフィスは
彼の愛人からマイケル・キートンの居場所を聞き出す。
彼は高級ホテルに滞在し、マシュー・モディンの名を語って
大金持ちの婦人(メラニー・グリフィスの実の母親の「鳥」のティッピ・ヘドリン)
から金をせしめようとしている。
メラニー・グリフィスは妻と称してパーティーの開催をホテルに依頼。
その上でカードを無効にして、銀行も凍結してしまう。
そのため、戻ってきたマイケル・キートンはツケが払えない事になる。
タッチの差で逃げだしたメラニー・グリフィスに気づいた
マイケル・キートンは彼女を追跡するが、ホテル側につかまり、警察へ送られる。

 しかし、彼は大金持ちの婦人にだまされているのだと説明して
保釈金を出させる。
マイケル・キートンが切り刻んだ部屋を修理するメラニー・グリフィス。
しかし、猫がいないのに気づいて外へ出る。
ここでやられるか?と思わせて、実は2階にいるマシュー・モディンが襲われる。
続いて戻ってきたメラニー・グリフィスが襲われ、
「リーサル・ウェポン2」でも出てきたピストルみたいな釘打ちで頭を打たれるが
好運にも壊れていたために助かる。
そのスキに床下にもぐったマシュー・モディンは、床にあいている穴から手を出し
マイケル・キートンの足を引っ張る。
倒れるマイケル・キートン。何かわけのわからない突き出た棒がささって死ぬ。
そして改装したこの家を2人は売りに出すのであった。

 というわけで、この映画は法律とか銀行の仕組みとか
そういうことを知らないと、ちょっとつらいところのあるわかりにくい展開だ。
あんなことをやって、マイケル・キートンは何が得だったのかよくわからない。
マイケル・キートンのいやがらせはかなり陰湿で、
それでいて法的には問題ないという、現代の落とし穴をついたようなもので
不快感はかなりのものがある。
でも、かなり早い段階で、これは銀行に差し押さえられるんではと思っていると
その通りになって、それがもとで流産するというのは何かモタモタしていて、
嫌がらせがだんだんエスカレートしていくようだったら、よかったのにと思う。
最後の最後にきてメラニー・グリフィスが反撃に出て
ちょっと面白くなってきたか?と思わせるが
たかだか金を使えなくした程度で、反撃としてはいまいち。
普通はもう少し長くするものだが、最後に殺したりせずに、
もっと痛快に仕返ししてやればよかったんだがなあ。
というわけで、これは面白くできる題材だが、どうもなあ……。
 

パシフィック・リム(2013年米)

ローリー・ベケット パイロット
森マコ パイロット(菊地凛子・芦田愛菜)
ペントコスト司令官
ニュートン 生物を研究
ゴッドリーブ 裂け目を研究
ハンニバル・チャウ 闇商人(ロン・パールマン)

 次元の裂け目から地球外生命体「怪獣」が現れ、世界中に被害を与える。
世界は一丸となり、新兵器で退治するイエーガー計画が遂行される。
ドリフトと言う機能で2人が一心同体となって操縦する巨大ロボで、
ローリーと兄のベケット兄弟は歴戦で成果をあげる。
だが、怪獣の進化でイエーガー計画は有効でなくなり、兄がやられたローリーは引退。
防護壁計画に移行するが、怪獣は壁を撃破。
ペントコスト司令官は、再びイエーガーで対抗すべく、ローリーらを召集する。
科学者ニュートンは怪獣とのドリフトに成功し、
地球を乗っ取ろうとする何者かが、クローン培養した怪獣を送り込んだのだと知る。
その頻度は高くなり、このままでは人類は絶滅してしまう。
一方で裂け目を研究するゴッドリーブは、
その時こそ核爆弾で裂け目を破壊する好機だと言う。
ローリーはマコと組む事に。
子供の頃に怪獣に襲われた記憶を制御できないマコは、
操縦に苦戦するが、何とか克服。最後の決戦には司令官も出動する。
裂け目はDNAを認識し、怪獣しか通さないと判明。
司令官は自爆し、倒した怪獣を抱えてローリーらが裂け目へ落下。
体内の原子炉をメルトダウンさせ、脱出ポッドで脱出。裂け目は崩壊するのだった。

 と言う訳で、ヘルボーイのギレルモ・デル・トロ監督による怪獣もの。
日本ならではの設定である怪獣や巨大ロボを、あちら版として実写化。
日本の特撮ファンにも好評だったとの事。
次元の裂け目が出来てしまい、異次元から怪獣が世界各地に次々現れる。
人類は手を組み、2人1組で操縦する巨大ロボで対抗。
だが、怪獣も進化して効果が薄れ、ロボ計画が中止になり、巨大な壁で防ごうとする。
だが、壁は簡単に破られ、ロボ計画に関わってた連中が、
(旧式で)勝手に立ち向かうと言う訳。
怪獣の設定をリアルにしようとする意図は理解できるが、
こうなった経緯を序盤に盛り込み過ぎ。
かつてのパイロットである主人公が、菊地凛子と組んで操縦するが、
序盤に比べてその後の展開はあまり進展した印象を受けず物足りない。
ゴッホが浮世絵を真似して描いたみたいな印象で、似てるけどちょっと違う感じ。
ヘルボーイことロン・パールマンが出てるのはご愛敬。

TV放送 2014/06/22 WOWOW 1300-1511
 

走れ走れ!救急車(76)

監督 ピーター・イエーツ

 民間の救急車会社フィッシュバイン社は、ライバルのユニティ社をかすめ、
仕事を得るために苦戦。停職中の警官トニーが運転手になり、
秘書ジェニファー(ラクエル・ウェルチ)と接近。
麻薬中毒患者に撃たれてルロイが死亡。
ジェニファーは資格を取り、運転手に。だが、出産した母が死にショック。
悪酔いしたマードックが銃を乱射し、射殺される。
市は公認企業を選ぶが、経営難のため、ユニティと合併する事に。

 と言うわけで、民間の救急車と言う日本では知られない職業の話だが、
全体としてとりとめもなく、必然性もなく死ぬ仲間もいて、変な話。

TV放送 93/10/14 BS05 10:00-11:56
 

パス・トゥ・ウォー戦争へと続く道(2002年アメリカ)

監督 ジョン・フランケンハイマー

 65年。ケネディの後を継いだジョンソンが大統領に再選。
選挙戦ではベトナム戦争に触れなかった彼だが、状況はゲリラに苦戦中。
ベトナムへは予算を回したくないが、空爆がダメなら地上戦をするしかない。
戦争を推し進めるべきと言うボブ長官(アレック・ボールドウィン)や、
ハト派のクラーク(ドナルド・サザーランド)に挟まれジョンソンは苦悩するが、
ついに空爆を決意。戦争を終結し、国内の法案に専念しようと考える。
キング牧師の扇動により、アラバマで黒人のデモ隊が集結。
ジョージ・ウォレス知事(ゲーリー・シニーズ)と会い、混乱を押さえるよう依頼。
黒人問題など存在しないと演説し、喝采を受ける。
ついに地上部隊を投入。5万人を送り込むが、さらに18万人が要求される。
数的優位に立てば勝てると主張する声もあるが、ソ連中国の介入を恐れる声も。
クラークは、ゲリラを倒すには100万人が必要だと言い、周囲を驚かせる。
北爆は効果なく、これ以上やっても批判を受けるだけと主張。
だがボブは同盟国の信頼を失うと増派を主張する。
そんな中、ボブの目の前で焼身自殺する者が現れ、ベトナムでは英雄扱いを受ける。
ボブはさらなる増派を求め、クラークまでも今爆撃を停止して失敗すれば
タカ派を止められなくなると爆撃継続を支持する。

 ジョンソンは北爆を停止し、北側が交渉に出るのを待つ事に。
だがホーチミンはこれを無視したため、ハノイを攻撃する。
戦闘は泥沼になり、皆の批判を受けるボブの妻がストレスで倒れる。
ロバート・ケネディは北爆を批判し、大統領選への出馬を発表。
ボブは作戦が失敗していると発表し、失望したジョンソンは彼を長官からはずす。
68年米大使館が攻撃を受け、空前の被害を受ける。
さらに20万人の増兵を求められる。
クラークは停戦まで引き延ばせば選挙に勝てると言うが、
ジョンソンは、3年間をムダにはできないと主張。
各地で暴動が起き、対立候補が票を伸ばす中、ついにジョンソンは和平を決断する。
戦闘を縮小し、北爆は中止する事に。そして次期大統領の指名は辞退する。
和平会談はニクソン政権まで4年続き、73年ジョンソンは、調停の5日前に死んだ。

 と言うわけで、これがジョン・フランケンハイマーの遺作らしく
ちょっとゲーリー・シニーズが出ていて、
数年前に彼主演で、アラバマ州知事を描いた事もあり、
一緒に撮影したのか、再び呼び出したのか知らないけど、
この時代に力を入れていたらしいと伺える。
物語は、ケネディとニクソンの狭間で、
ベトナム戦争の責任を負った形になってしまったジョンソンの話で、
彼自身は決して戦争を望んでいなかったと言うのがポイント。
よくわからなかった時期の話で、主題としては面白いが、ちょっと長い。

TV放送 2003/10/18 BS05 1450-1740
 

ハスラー(61)

 ビリヤードで凄腕のエディ(ポール・ニューマン)は、
最高と評判のミネソタ・ファッツ(ジャッキー・グリーソン)と対決。
40時間に及ぶ戦いの結果、一時は勝つが、形勢が逆転し大敗。
嫌気がさし、相棒のチャーリーと別れ、知り合ったアル中のサラと同居する。
賭け士ゴードン(ジョージ・C・スコット)は、
相棒として金とチャンスを与えると言うが拒否。
場末で荒稼ぎしたエディは、男たちに親指を折られる。
回復し、落ちぶれて気が変わったエディは、ゴードンと契約。
彼を愛するサラも同行する事に。だが、ゴードンは彼女を邪魔者扱いする。
富豪フィンドレイ(マーレー・ハミルトン)との対決で、負けたエディは
目を覚ませと言うサラを追い出し、再び対決。大勝する。だが、サラが自殺する。
失意のエディは、全財産を賭けてファッツと対決。
生まれ変わったと言うエディには、ファッツもかなわない。
ゴードンは分け前を要求するが、エディは拒否。ゴードンは親指を折ると脅迫するが、
愛していたサラを失った罪悪感にさいなまれたエディは、去っていった。

 と言うわけで、ビリヤードとかプールとかの区別がつかないので、
いまいちわからない部分があった。
出てくる連中は、エディとサラをのぞいて、みなずるそうで辟易。
ポール・ニューマンが、まだ若造なので驚かされる。

TV放送 93/03/17 BS05 09:40-12:00
 

ハスラー2(86)

 監督 マーチン・スコセッシ

 かつての名ハスラーのエディ(ホール・ニューマン)は
ビリヤードのナインボールに天才的な才能を見せる青年
ビンセント(トム・クルーズ)を見つける。
彼は恋人カルメン(メアリー・エリザベス・マストラントニオ)にぞっこんだが、
彼女はビンセントが平凡な男に終わりそうなのが気に入らない。
エディはビンセントにナインボールの大会に出場する事を勧め
カルメンを含めて3人で9週間の旅に出る。
最初は調子にのりやすいガキだと思っていたビンセントだが、
次第に腕を上げ、次々とホールを回って勝ちまくる。
だが、途中のホールで世界一儲けるという男と対戦し、
大会で賭け率を下げるためにわざと負ける。
彼らの戦いに乗せられて、エディもホールへ出る。
そこでかつての友人と対戦するが、逆にカモられてしまい
八つ当たりのようにビンセントとケンカして、以後別々に行動する事になる。
彼は奮起して猛特訓し、大会に参加する。
エディとビンセントはそれぞれ勝ち続け、ついに対決を迎える。
勝負はエディの勝ちだったが、実は賭け率の高いビンセントが
自分に賭けてわざと負けたのだった。
準決勝に進んだエディは棄権し、ビンセントと真剣な勝負をする。

 というわけで、妙に男くさいドラマとしてはなかなかだが、
どうもビリヤードが好きじゃないので、その分退屈だったと言える。
カルメンの存在はなかなか光るものがある。
でも、自分が負けたからってビンセントとケンカするエディって子供じゃん。

TV放送 91/07/13 08CH 21:02-22:54
 

裸の銃を持つ男(88)

監督 デビッド・ザッカー

 ロス警察のノードバーグ(O・J・シンプソン)が撃たれて重傷を負う。
ドレビン警部補(レスリー・ニールセン)は、ノードバーグの調査した船の持ち主
ラドウィック(リカルド・モンタルバン)に会う。彼は市の有力者だ。
秘書のジェーンが対応。ノードバーグの服からヘロインが見つかり、彼に疑惑が。
一方、ラドウィックは感覚誘導催眠で、一般の人間を殺し屋にする。
ドレビンは医師に襲われ、教習車で追跡。だが、医師の車が爆発してしまう。
彼はジェーンと接近。ラドウィックに不審を抱き、オフィスへ忍び込む。
そこでエリザベス女王暗殺計画を知るが、証拠を燃やしてしまう。
ドレビンは女王歓迎のレセプションで、誤解から女王に抱きつき免職になる。
ジェーンはラドウィックの暗殺計画を知り、ドレビンに話す。
野球場で7回と8回の間に、選手が女王を襲うのだ。ドレビンは主審に扮して潜入。
判定で時間を稼ごうとするが、その間に1人の選手が銃を持ちだし、乱闘に。
麻酔で選手を止めるが、ラドウィックはジェーンを人質に。
これまた麻酔で倒す。だが、リモコンが作動し、ジェーンも殺し屋になる。
だが、彼女を愛するドレビンが説得。警察に復帰する事になる。

 と言うわけで、「フライングハイ」の連中が作ったTVシリーズの映画版。
ドレビンはドジと言うよりは無神経タイプ。話自体はけっこうマジの部分も。
冒頭、アメリカを倒せ会議で、ゴルバチョフ、カダフィ、ホメイニらのそっくりさん。
警察のチーフエド役に、ジョージ・ケネディ。

TV放送 93/01/03 08CH 00:45-02:25
 

裸の銃を持つ男PART2 1/2(91)を見た。

「裸の銃を持つ男」と言うのは、「ホットショット」等と同じ3人組が作った
ただひたすらギャグをつづるタイプの映画である。
個人的には、「ケンタッキー・フライド・ムービー」
「フライングハイ」の衝撃が忘れられず、
以後、この連中の映画はできるだけ気をつけて見るようにしている。
この映画では、名わき役として知られるレスリー・ニールセンが、
「フライングハイ」に続いて登場。
いったんはTVシリーズとなったようだが、「あまりにもギャグが激しいので」
すぐに中止になってしまったようだ。で、これが映画になったと言うわけだ。
3人組は副業としてまともな映画も作っていて、その最たる例が、「ゴースト」。
最近は、調子に乗りすぎて、ギャグがいまいち乗らなくなっている感があるが、
「フライングハイ」の自動操縦に勝るギャグが、いつの日にか登場する事であろう。

 ワシントン。ホワイトハウス。
米大統領ブッシュ夫妻(そっくりさん)によって、パーティが開催された。
警察一の優秀警官とされるドレビン(レスリー・ニールセン)は、
実はかなりのボケた野郎だ。
つまり悪運が強くて、どういうわけか、難事件を解決してしまうわけで、
上司である女性本部長だかには、頭痛の種だ。
この手の、大ボケ警官としては、「ピンクパンサー」のクルーゾーがあるが、
クルーゾーのボケはあまりにも程度が低すぎて、非現実的だった。
ドレビン氏のボケは何とか許容範囲だ。
ブッシュ夫妻が入ってきたところへ、いきなり勢いよくドアを開けて
夫人をノックアウトしてしまうくだり。
(これと同じギャグが、後で警察署を乗っ取った犯人を倒すくだりで出てくる)
倒れた夫人を助けようとして、さらに机の下で頭をぶたせたりする。
このパーティは、エネルギー問題に対して、
安全なエネルギー(太陽エネルギー)の開発をするマインハイマー博士のものだった。
マインハイマーは、研究所で研究を続けていた。
掃除のおやじが、ごみ箱の中から時限爆弾を発見するが、
時計と勘違いし、時間を合わせようとして大爆発。
ドレビンは、上司のホッケン部長(ジョージ・ケネディ)や、
同僚のノードバーグ(O・J・シンプソン)らと捜査に当たる。
この3人の役者を見ると、まるでまともな映画かのようだ。
ドレビンは、現場でかつての恋人ジェーンと再会。
彼女は、今では石油会社社長ハプスバーグと恋人だ。
嫉妬するドレビンは、飲み屋に行き、「いちばん強い奴を」と言うと
案の定、強そうな男が出てきた。
ジェーンが現れるが、毎度おなじみとさえ言えるサムの弾いてくれた曲は、
妙に陽気な曲で、しんみりしている場合じゃない。

 実は、その頃ハプスバーグら火力発電や原子力発電関係者は、
マインハイマーを誘拐し、そっくりさん変装のプロに頼んで、
太陽エネルギーの開発をやめさせようと言う演説をさせる計画だ。
爆発現場からは、古代の遺跡などが発見されたが、どれも犯人には結びつかない。
ジェーンが爆発現場に赤いバンがいた事を覚えており、このバンが発見される。
持ち主のサヴァージと言う男をマークする。
ノードバーグはバンに発信器を取り付けようとするが、
それが意外に大がかりで、車の下に潜ったノードバーグはオイルだらけ。
しかも、バンは発車し始め、発信器を頼りにドレビンは尾行。
(ノードバーグは、車の下に潜るための台車の上に寝ている)
途中から、ドレビンらのパトカーの下に移ってしまい、
続いてデトロイト行きのバスへ。
偶然にもその途中でサヴァージの家があって、そこに立てこもっていたため、
ドレビンらも包囲に参加。
ドレビンが警官の肩を叩いた拍子に撃ってしまい、大銃撃戦に。家は穴だらけに。
何とか止めると、なぜか平気のサヴァージは車を要求。
ドレビンはまかせとけと、装甲車に乗るが、運転方法がよくわかっておらず、
サヴァージの家を突き破って暴走。当然逃げられてしまう。
しかも、装甲車は動物園に突っ込み、猛獣が町に逃げ出した。
サヴァージの車が、ハプスバーグのものだとわかったため、
そこで、ハプスバーグの所へ行き、追及するが、いまいち証拠がない。
気まずくなったジェーンの所へ花束を持って行くが、
ドアを閉じるたびにはさんでしまい、次第にボロボロに。
何とか仲直りするが、シャワーを浴びているところへ、サヴァージが忍び込んでいた。
ジェーンはつい歌い出すが、サヴァージはつられて大声で歌ってしまい、
見つかってしまう。
かけつけたドレビンと格闘に。サヴァージが奪った電気歯ブラシを、
ドレビンの口に突っ込むシーンがある。
これなどは、忘れもしない「マラソンマン」の拷問のようなパロディのようなだが、
口から泡が出てくるのがおかしい。
ドレビンは、何とかサヴァージの口に消火栓をくっつけ、水を解放。
バルブは壊れてしまい、水は止まらず、サヴァージは破裂する。
この後、たぶん、例の「ゴースト」のパロディである
泥々になってもロクロの前で愛し合うシーンがあったはず。
ドレビンはサヴァージの持ち物の中から、カードを見つける。
彼はジェーンにハプスバーグが犯人だろうと言う。
(言ったのは、もう少し前だったかも)
そして、マインハイマー博士もおかしい。
だが、マインハイマーは身長が25センチ変わり、右利きが左利きに変わっただけで
特におかしいとも思えない。

 ドレビンは、ホッケン部長やデトロイトから戻ったノードバークらと調査。
彼は潜水服を着て、わざわざ汚水の中を通過して、ハプスバーグの倉庫へ接近。
ロープでよじ登るが、ロープにドーベルマンが引っかかってしまい、
屋根の上で対面。ハプスバーグらの秘密会議場へおっこちる。
ドレビンは、本物のマインハイマーと共に縛られ、一味はパーティ会場へ。
ドレビンは何とかロープをはずそうと、棚にロープをこすりつけたりするが、
そのために棚の上のモノが次々と、マインハイマーの頭の上に降り注ぐ。
そこへ、ようやくホッケン部長らがかけつけ、パーティ会場へ。
約束では、裏口でジェーンがカギを開けて待っていてくれるはずだが、
マインハイマーが気がついて、彼女を中に入れてしまったため、
ドレビンらは中へ入れない。
そこで、メキシコ人みたいな連中のバンドに扮して中へ。
そのままステージへ。おかしいのは、車イスのマインハイマー博士までもが、
バンドに扮装している事だ。
ホッケン部長は、ニセ者のマインハイマーを捕まえ、本物をステージへ出す。
ところが、それを知らず、ドレビンは本物のマインハイマーのズボンをぬがし、
本物ならおしりにアザがあるはずと言う。
だが、本当にあるので、こすったり、やすりで削ろうとしたり。
(ニセ者のマインハイマーの車イスが暴走して、
E.Tのように、月を背景に飛ぶシーンは、ここだと思ったが、違ったかも)
ホッケン部長が現れ、何とか取り繕い、本物の犯人はあいつだ!と叫ぶと
パーティ会場のあちらこちらで、人質をとる男たち。
いや、君たちの事じゃない、とその場はおさめるが、
ハプスバーグはジェーンを連れて去っていた。
本物のマインハイマーは、安全なエネルギーについて熱弁。悔しがる黒幕。

 ドレビンは、どうやったんだか忘れたが、敵を倒し、
ハプスバーグの逃げ場所を聞くと、「B計画……」とつぶやいて死ぬ。
そこで、ドレビンは、他に死にかけている者はいないかと言うと、
苦しそうに手を上げる者。
かけつけると、ハプスバーグは核爆弾を用意していた。
B計画とは、これを爆破する事だったのだ。
すでにスタートしており、解除するには6桁の暗号しかない。
ドレビンは聞きだそうとするが、勘違いしたホッケンが窓からつき落としてしまう。
だが、意外にもハプスバーグは、入り口の布製の屋根がクッションになって無事着地。
と思いきや、逃走していたライオンに襲われてしまう。
事情を知ったホッケンらは、パーティ客を避難させる事に。
ドレビンとジェーンは残り、何とか爆弾を止めようとする。
ホッケンが会場に行くと、マインハイマーの演説は資料の102章に達しており、
全員が熟睡。そこで、官能小説を読ませると、みなムクムク起きてくる。
そうして、落ちついて避難すれば、爆発しても安全ですと言った途端、
場内はパニックに。
ドレビンはマニュアルを読みながら、爆弾を止めようとするが、
リセット操作をしたつもりが、秒読みが早くなってしまう。
間一髪。もはや間に合わないと観念して、逃げようとしたドレビンの足に
コンセントが引っかかり、時限装置はストップ。
ドレビンは表彰されるが、またもトンマで、ブッシュ夫人が宙づりにされてしまった。

 というわけで、途中どうしてもストーリーが思い出せない部分が
何カ所かあるので、パンフレットの助けを得たが、
そこからもわかるとおり、全体として筋があるはずなのに、いまいち不明瞭だ。
全編爆笑の連続というわけには行かなかったが、
ラストでホワイトハウスにかけつけてからはそれなりに楽しめた。
まともなコメディと言うわけではなく、とはいえ非現実的と言うほどでもなく
(もちろん、実際にはありえないのだが、レベル的に大した事ない)
中途半端な作り。全体的には、どこかにありそうなスパイもののようだ。
レスリー・ニールセンやジョージ・ケネディは、もともとわき役的で
コメディをやってもそれほど意外ではないが、
2枚目風の黒人役者O・J・シンプソンが、軽い感じでバカやっているのがよかった。
例の「ターミネーター2」のパロディは出てこなかったが、
ひょっとすると、エンドクレジットの後に……。しまった!
このシリーズも続々編は「裸の銃を持つ男PART33 1/3」らしいが
これに、T1000役のあいつがゲストで出るようだ。
 

裸の銃を持つ男 PART33 1/3最後の侮辱」(94)を見た。

 このシリーズは、「ケンタッキーフライドムービー」「フライングハイ」
と言う、日本で言えばひょうきん族的な、羽目はずしすぎの映画ばかり作る
ザッカー兄弟とエイブラハムの3人組ZAZという連中の作品だ。
もっとも、3人も次第にバラバラに活動するようになり、
中には「ゴースト」のような真面目な作品で当てるものも出る始末。
チャーリー・シーン主演の「ホットショット」も彼らのシリーズ。
どいつがどの作品を作っているのか、全然分からない状態だが、
まあ、こういうのが嫌いでない者としては、見逃さないようにしている。
実は、今回この作品をチェックしたもう1つの理由として
日本ではそれほど騒がれなかったが、全米を騒然とさせた事件の
中心人物O・J・シンプソンが、同僚役でレギュラー出演しているのだ。
シンプソンと言えば、フットボールの世界では、
日本の野球の王氏のような存在で、その後俳優に転向。
「タワーリングインフェルノ」「カサンドラクロス」「カプリコン1」等の
大作映画の人数増やしに使われることが多かった。
そうは言っても、他の役者よりも二枚目で、真面目そうな彼が
おちゃらけな演技をすると言うのが面白みの1つだったのだが、
日本公開を目前にして、彼が前妻を殺害し、逃走をした疑いで逮捕される。
まあ、アラン・ドロン等、殺人事件に巻き込まれた映画関係者は他にもいるが
黒人だからと言うわけではないが、どうも今回は本当ぽい。
(本人は否定しているが、逃げたのが怪しい)
そんなこんなで、主役は「ポセイドンアドベンチャー」等の脇役専門だった
レスリー・ニールセン。
「フライングハイ」出演が、シリーズ出演のきっかけとなったようだ。
彼の恋人役のプリシラ・プレスリーは、その名前から、
先日マイケル・ジャクソンと結婚したプレスリーの娘かと思ったが、
そうではなくて、何とプレスリーの奥さんだった人物。
多分、マイケルの奥さんの母親で、ずいぶん若作りしているわけだ。
ボス役として、アカデミー章受賞経験もあるが、
アーネスト・ボーグナインと同様、どうも二流に見えるジョージ・ケネディ。
このレギュラー4人組を中心としてシリーズで、
前作の「裸の銃を持つ男 PART2 1/2」は、
「フェリーニの8 1/2」を抜いて、分数題名興行記録を更新と言う
そりゃ、当たり前だろと言いたくなる宣伝文句つき。
ゲストとして「レモ第1の挑戦」「ライトスタッフ」のフレッド・ウォード。
本当の事を言うと、「ビバリーヒルズコップ3」と同時上映だったので見た。

 (前作までのあらすじ)
 ロス警察のドレビン警部補(レスリー・ニールセン)は、
エリサベス女王暗殺を狙うラドウィックを倒し、
彼の秘書ジェーン(プリシア・プレスリー)と恋に落ちる。
エネルギー業界の独占を狙うハブスバーグは、マインハイマー博士を誘拐し、
ニセ者に演説を代わらせ、自身に有利な発表をさせようとする。
またも、秘書をしていたジェーンと再会。その協力で事件を未然に防ぐ。

 それから数カ月後。ドレビンは、駅で何者かを待ち受けていた。
彼はベンチで新聞を読む。
同僚ノードバーグ(O・J・シンプソン)は、売店の売り子、
上司エド(ジョージ・ケネディ)もポーターだかに扮して張り込む。
すると、そこへ乳母車を持って、階段を上ろうとする婦人が現れる。
気になるドレビンは、彼女の手助けをして、乳母車を持ち上げることに。
言わずと知れた、「アンタッチャブル」の駅のシーンのパロディだ。
(もっとも、あれ自体が「戦艦ポチョムキン」のいただきと言われるが)
しかし、今度は2つの乳母車を引く女性が。
しかたなく、ノードバーグに対応をさせるが、続いてさらに1人の婦人。
今度はエドが対応し、3人で4つの乳母車を引く羽目になる。
そこへ、見るからにギャングのような連中が登場。
彼らはドレビンらに気づき、撃ち合いに。弾みで乳母車は階段を落ちる。
エドは、足に隠した銃を抜こうとするが、ベルトがひっかかり、
いっこうに抜けないため、隠れて気がつかないようなフリをする。
撃ち合いのさなか、コインを見つけて拾うドレビン。
乳母車は階段を転げ落ち、弾みで赤ん坊たちが、次々と放り出されるが、
ノードバーグが得意のフットボールのように、すべてキャッチ。
調子づいて、投げようとするが、あわてて母親が止める。
運悪く、そこへクリントン大統領一行が。
さらには、ローマ法王一行までもが、通りかかってしまった。
そして、郵政省の労組だかと言う、過激派みたいな連中が、
機関銃を持って現れたため、状況は混乱する一方。
敵が多すぎると叫ぶドレビンだが、それはありがちな悪夢であった。

 ここらで、毎度おなじみの、
パトカーのサイレンが、妙な場所を走り抜けるタイトルシーン。
今回は、レース場、ピンボールの中、ウォータースライダー、ボブスレー、
スターウォーズのデス・スター攻撃のシーン、
そしてジュラシック・パークへと通過し、恐竜に踏まれてペシャンコとなる。
実はドレビンはジェーンと結婚し、刑事は退職していた。
ジェーンはやり手弁護士として、活躍中。
裁判のシーンが出るが、なぜか検事側も傍聴人も裁判官も子連れの女性で、
裁判中に授乳したり、裁判官の木槌がおもちゃに変わっていたり。
彼女は、ドレビンが危険な仕事をすることに反対し、
彼が退職することを条件に結婚したのだ。
その頃、刑務所にいる、札付きの爆弾魔ロッコ(フレッド・ウォード)は、
これまた悪党の母親の面会を受けていた。彼女は、リビアだかの使者を紹介。
米国で派手な爆破をやれば、500万ドルを出すと言う。
それならば、もってこいの目標があり、その金で脱走も可能と言うロッコ。
専業主夫となったドレビンは、部屋の掃除や買い物に従事。
慣れないスーパーでの買い物に苦戦して、ビニール袋をまき散らしたりするが、
当人はそれに気づいていない。
銃声がして、強盗が乱入。はっとしたドレビンは、銃を探すが、
退職の際に、銃はエドに返してしまったのだ。
自らが退職したことを思い出したドレビンは、みすみす強盗を見逃す。
警察の仕事を捨てきれないドレビンは、無理した退職が原因で不能になり、
ジェーンは、ドレビンがよそよそしいのは、それが原因と誤解した。
セックスクリニックに行くが、2人が愛し合っているのは間違いなく
医者もサジを投げるアツアツぶり。もはや問題はないかに思えた。
しかし、ジェーンの留守中に、エドとノードバーグが現れ、
仕事を話を持ちかける。
連続爆破事件の捜査上に、タニアと言う女性の名前が浮かぶ。
ドレビンはその名前に記憶があった。
「ステイン・アライブ」の音楽に乗って、ディスコに現れるドレビン。
人々が踊る横で、ドレビンやエドらが死体の捜査をする。
多毛症とか言って、主役3人の髪型がモーツァルトみたいだったり、
バカでかいアフロヘアーだったりする。
容疑者として調べたのがタニアだったのだが、彼女にはアリバイがあった。
「サタデーナイト・フィーバー」がヒットした頃の回想だと仮定すると、
タニアが全く同じ若さなのが、設定を無視していておかしい。
今、タニアは病院で看護婦をしている。
そこで、ドレビンに潜入捜査してほしいというのが、エドらの要請だった。
いったんは拒否するドレビンだったが、
銃が撃てるのも魅力だし、(潜入で銃を撃ってどうする気か)
ジェーンの留守中に済みそうなので、引き受けることとした。

 病院と言うことで、わざわざ片腕を包帯にまいて、ケガ人のフリをするドレビン。
しかし、彼は全く気づいていなかったが、
ここは外科ではなく、精子希薄症患者用の病院だった。
(そんな病院が本当にあるのかどうか知らないが)
最初に出てきた看護婦に、(タニアではない)
幼い頃から、伯父とよく庭の木に登って、飛距離を競ったものです等と
木から落ちた事を意味する言い訳をするが、看護婦は当然、別の解釈をする。
では、検査しますからと言われ、コップを渡され、個室へ入れられるドレビン。
こ、これで何を?と聞いて、事情を察知したのか、全くわかっていないのか
ドレビンは精子の採集をする事となる。個室も壊れそうな勢いで暴れるドレビン。
不審に思った看護婦が、困難ならと、成人ビデオを貸してくれるものだから、
またもハッスルするドレビン。不必要なほどの大量の精子を提出する。
休憩時間にタニアを発見し、バレないように隠れるドレビン。
ひそかに、ナースセンターの引き出しから、タニアのファイルを探す。
そこには、レーガン(ケネディだったかも)暗殺計画のファイル等
物騒なものがいっぱい。しかし、それには目もくれず、タニアのファイルを発見。
住所をメモるため、ハンカチに、近くにあった口紅で書き取る。
そこへ当のタニアが登場。何してるの?と言われ、あわてて口紅を塗り、
気分転換だよと言ったため、ではと、SMスタイルの女性が登場する始末。
タニアは、ドレビンと会ったような気がするが、実際には最後まで気づかない。
帰宅したドレビンを、ジェーンは待ち構え、初夜のように楽しもうと言う。
ネオンまでついた、派手なガウンで現れるが、
ドレビンは、股間にシャンペンをかけると、湯気まで出る始末。
しかも、背中にはムチによる傷まであったため、ジェーンはビックリ。
当然、浮気したのねと言うのが筋なのだが、そうは言わず、仕事したのねと怒る。
いや、女に会ってたんだと、普通は言わない弁解をするが、聞く耳を持たない。
もう出ていくと言うジェーン。部屋に入ると、次の瞬間には身支度して登場。
玄関の外には、タクシーまで待っている。
最後に言うことはと聞かれ、ジェーンにキスするドレビン。これがあいさつだ。
しかし、ジェーンは去り、友人ルイーズと気ままな旅に出ることに。
これは、「テルマ&ルイーズ」のパロディなのだが、
元ネタの知名度がやや低いため、わかりにくい。
このルイーズ役でチョイ出演したのは、「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」で
ヒロインのオードリー役をやった奴らしい。
大量の家財道具を車に積んで、旅に出る2人であった。

 一方、ジェーンが去り、何のきがねもなくなったドレビンは、現場へ復帰。
上司エドらは彼を歓迎し、輝かしい業績を残した人物として、
その数々の持ち物を壁に飾る。
他には、エリオット・ネス。そして悪名高き元FBI長官フーバー氏。
なぜかフーバー氏の額には、バレリーナの衣装が。
手土産に自分で作ったケーキをふるまうドレビン。すっかり主夫状態だ。
タニアの住所を書いたハンカチは、結局紛失してしまっていた。
連続爆破事件の捜査上にロッコが浮かび、彼が何か計画しているとにらむ。
そこで、ドレビンが囚人として潜入捜査することに。殺人鬼として、刑務所へ。
刑務所の庭では、囚人たちが、スポーツをしたり、ブランコで遊んだり、
棒高跳びで塀を乗り越えたりしている。ドレビンは偽名でロッコと同室に。
彼は大物ぶって、ロッコにも一目おかれる。
しかし、夜になると、次に殺す奴のリスト作成だとか言いながら、
ジェーンへの想いを手紙に書き綴る。これほど落ち込んだ事は、人生で5度目だ。
4度目は、婚約していた何とかと言う女性との別れの時だった。
回想シーンで、小屋へ走りよる女性の姿。
しかし、ドレビンが勢いよく開けた小屋の扉にぶつかり、女性は崖から転落。
それだけでも大変なのに、サメの大群まで現れてしまったのだ。
そんな悲惨な事があったとは、まったく知らないドレビンは、
彼女は来なかった等と思い出にふけるのであった。
シャワーを浴びているドレビンに、刑務所ではありがちの、
屈強な男の魔の手が襲いかかる。
しかし、ドレビンの股間には、カギが大量についた頑丈な貞操帯があった。
昼食時間、ロッコはもう1人の同室の男と、脱走計画を話していた。
完璧だと言う計画書を見せるが、看守に見つかってしまう。
その時、ドレビンが立ち上がり、食事がまずい等と叫んだため、
囚人たちが一斉に、オーバーなほどの暴動を起こす。たちまち、あちこちで殴り合い。
ドレビンは計画書を奪い、口の中に入れてしまう。
しかし、それでは飲み込めないので、シュレッダーにかけ、
(なぜかあったので)ソースをかけて、苦戦しながら飲み込む。

 この騒動で、もう1人の同室の男は捕まり、
ドレビンは頼りになる奴と言うことで、脱走計画に参加する事に。
通気孔から穴を広げると言う、古典的な方法をとるわけだが、
これは「アルカトラズからの脱出」で使われた手段。
実は、ロッコ役のフレッド・ウォードは、
あの映画にイーストウッドと逃げおおせた、囚人役として出演していた。
穴掘り中は、人形が彼らの代役を務めると言うのも同じだが、
それが一目でわかるマネキンで、途中で足がはずれたりもするが、
お約束なので、看守も気づかない。
ここからは「大脱走」のいただきで、ドレビンは日中は、部屋でキャッチボール。
そして、夜は穴掘りをし、大量の砂が出て処分に困る。
そこで、運動の時間に砂を処分すると言うのも「大脱走」と同じだが、
わざわざ、審判が砂をはらったホームプレートの上に落としたり、
食事係の時は、食事に混ぜてみたり。
野球をやると、ホームプレートがマウンドよりも高くなってしまうが、皆気づかず。
そしてついに決行の日。彼らは一度は誤って墓穴から外へ。
まずいと思って掘り直し。今度は高校の敷地に出るが、
高校生たちはたちまち機関銃を撃ちまくり、ドレビンらは走って逃げる。
高校生の方が、大人の囚人よりも怖いと言う現状への皮肉か。
彼らは、ロッコの母親の車でアジトへ。
そこにはタニアもいたが、彼女は最近病院で会った事すらも思い出せない。
唯一、母親だけが、ドレビンに不審を抱き、本当は警官だろうと、
銃を突きつけて聞き出そうとする。
ロッコもその気になって、そう言えば怪しいと銃を突きつける。
しかし、ドレビンが、いや違うと言うと、妙に簡単に一同納得する。

 一方、旅に出たジェーンは、男に言い寄られ、
それを避けようとすると、男は走ってきたトラックに引かれてしまう。
大変だわと叫ぶジェーンに、ルイーズはもっと男を殺しまくりましょうと言う。
ジェーンはドレビンに知らせなきゃと言いながら、ハンカチを取り出すと、
そこには何やら口紅で住所が。本当に女に会ってたと知るジェーン。
彼女は、ドレビンに会うため、一路この住所へ向かう事にした。
かたやドレビンは、タニアに言い寄られて弱っていた。
相棒の女には手を出せないとか言ってごまかそうとするが、結局濃厚なキスを受ける。
そこへ到着したジェーンが現れ、何事かと大騒ぎ。
ドレビンはあわてて言い繕い、ロッコたちもかけつけたため、
結局、ジェーンは人質として連れていく事となった。
ロッコの目指す爆破の目標は、アカデミー賞授賞式だった。
授賞式が舞台になると言うことで、「ボディガード」のいただきと言う話もあるが、
これはややこじつけ。

 ロス市街の全景が写ると、あちこちで火の手が上がっているが、
そんな事は気にせず、授賞式は行われている。
じゃあ、抜かるなよと各人は配置につく。
ドレビンはジェーンを見張る役と言うことになるが、当然そんな事はせず、
ロッコの母親を縛りつける。
ロッコは、受賞者の名前が書かれた封筒に爆弾を仕掛ける気だ。あわてて中へ。
しかし、招待状のない者は入れない。
しかたなく、近くにいたアル・ヤンコビック
(昔、マイケル・ジャクソンのマネをしてた奴)のカップルから服を奪って入場。
ここからは本物が登場すると言うのが売りだが、ややB級の気がする人選だ。
一方、タニアは、受賞者の名前が書かれた封筒を見張る、
保険会社の社員を誘惑するため、その前に立って、いろいろ挑発するが、
まったく効果がない。
しかし、梱包などに使われる、空気の入ったプチプチつぶす奴(通称プチプチ)を
つぶし出すと、この社員もたまらず、おれがやると言わんばかりに奪う。
この間にロッコは爆弾入りの封筒にすり替えてしまう。
(封筒に入るほど、細い爆弾があるわけがないが)
かけつけたドレビンらは、封筒の近くにいる連中が、
揃いもそろってプチプチをつぶしているのを発見。
封筒は机の上に並べられているが、今年も賞の数が増やされ、
いったいどれに入っているものやら、探すのも一苦労の量だ。
ジェーンが封筒を調べている間、ドレビンは舞台の封筒が気になる。
舞台では、エリオット・グールドとマリエル・ヘミングウェイのコンビが
何とか賞を発表。ドレビンは冷や汗をかくが、これは爆弾ではなかった。

 続いて、女優賞だかの発表で、
ラクエル・ウェルチと何とかドナヒューと言うTVの人気者が出るが、
このドナヒューが、ドレビンに似た銀髪で、これ幸いとすり代わる事に。
移動式の階段から、2人が降りてくる寸法だが、
ドレビンの方は遅れてきたため間に合わず、あわてて飛び移る展開に。
ウェルチはすでにマイクの前に立っているが、
ドレビンはあわてて階段を転げ落ち、ウェルチにぶつかって、
マイクがウェルチの口の中へ。あわてて吐き出させる展開に。
のんきにテレビを見ていたエドやノードバーグたちは、
テレビに写るドレビンを見てびっくり。
あわてて飛び出すが、運悪く、宝くじの当選番号の発表もあるため、舞い戻る。
ウェルチとドレビンは、受賞の前にコメントを話すのだが、
ドレビンは慣れていないので、黙ったまま。
ようやく、前のモニターにセリフが写されていると気づいて、それを読み出すが、
ウェルチのセリフや、「(厳かに)」等の説明書きまで読んでしまう。
とにかく発表しようと、ウェルチが封筒を開けようとするが、
まだ爆弾が見つかっていないため、時間を引き伸ばすしかない。
ドレビンは封筒を奪い、イルカ保護の話をし始める。
イルカなんか1匹いれば十分、ツナはイルカではなく人間に回せ等とスピーチ。
思わず拍手する者もいるが、大半は唖然としている。
ウェルチが何とか受賞者を発表しようとするが、ドレビンはことごとく妨害。
最後には怒ったウェルチが、ドレビンと格闘に。
この映画のすごい所は、ラクエル・ウェルチ扮する誰かとの格闘ではなく、
ラクエル・ウェルチが自身の役で、格闘シーンを見せると言う意外さだ。
結局、封筒は開けられるが、中身は本物。
テレビ中継をするスタッフたちは、ドナヒューはもう出すな等と叫ぶ。

 エドたちが到着。ドナヒューの様子がおかしいとか、
ドナヒューがアル・ヤンコビックを襲ったとか、怪情報が飛び交う。
警備員たちに追われるドレビンは、舞台に飛び出し、
何とかと言う俳優兼歌手のバックダンサーとして踊る羽目に。
また、ドナヒューが出たぞと大騒ぎ。
一方、ロッコらは縛られた母親から、ドレビンが警官だと言う事を知る。
封筒が危ないと急行し、ジェーンを捕らえる。
ダンスでドタバタをやったドレビンは、ジェーンが捕まったと気づき、
探し回ると、タニアを発見。彼女はどこだと問い詰める。
しかし、タニアはそんな事はどうでもいいと、ドレビンに言い寄る。
あまりの色っぽさに、思わず緊急事態にもかかわらず、その気になるドレビン。
だが、ドレスを脱いだ彼女のシルエットには、股間に一物が。
「クライング・ゲーム」のいただきと言うこの展開に、ドレビンはショックを受け、
またも舞台に飛び出し、演奏中のホルンの中に吐くものだから、ホルン奏者は大変。
ついに授賞式のフィナーレとして、作品賞の発表が行われる。
紹介するのは、ジェームズ・アール・ジョーンズとオリンピア・デュカキス。
候補は、リチャード・アッテンボロー監督のミュージカル「マザー・テレサ」
「食べるって素晴らしい」と、歌いながらアフリカだかの貧しい村を走り回る。
他にも、スピルバーグの「ポケチャク・パーク」等が作品候補に。
いよいよ発表ですと言う時、ドレビンがまたも乱入し、封筒を奪う。
中身を見ると、まさに爆弾。「爆弾だ(ボム)」と叫ぶと、
「ブスと野獣」の関係者が立ち上がって拍手が起こると言う、
意味不明のシーンがあるが、実はボムとは、最低映画を意味するらしい。
それで立ち上がってしまうのだから、自分たちも自覚していると言う事か。
しかし、そこへジェーンを人質にとったロッコが登場。
観客はこの事態に驚くが、逃げ惑うとかそう言うことはない。
ドレビンはスキをつかれて、マンマと爆弾入りの封筒を奪われ、
観客全員が頭を押さえる始末。ロッコはジェーンを抱えてロープをつかむと、
これが滑車で上へ上がる仕組み。
ドレビンも後を追おうとするが、ロープが足にひっかかって、宙づりに。
そのままロッコに激突し、落とした封筒をノードバーグが手に入れるが、
ロープを足にひっかけたままのロッコが落ちてきて、封筒をやすやす回収。
そのまま、ゴム状にびょーんと縮んで、ロッコは反動で空高く舞い上がる。
なぜか上空を自家用機で飛んでいた、スポンサーのリビアだかの使者の機へ突っ込む。
ちょうど、便器の下から頭が入った状態で、使者と再会。
どういう事だと聞こうとするが、次の瞬間には爆弾は爆発。
ドレビンとジェーンの仲直りは、テレビで全国へ放送され、祝福される。
そして、数カ月後。ドレビン二世が誕生したと言う事で、
ドレビンはノードバーグと病院へ急行。
しかし、そこで対面したのは、黒人の赤ちゃんだったので、
ドレビンは激怒するしてノードバーグを追い回すが、
そんな事とは露知らない当のジェーンは、正真正銘のドレビンの子供を抱いていた。

 と言うわけで、この細部に凝りすぎのシリーズは、
それを説明していると、ずいぶん長々とした物になってしまうが、
話自体はずいぶん簡単。
ギャグ的には目新しいものはなく、アカデミー賞のシーンがキャストでうならせるので
それなりに面白いとは思うが、大騒ぎするほどのものでもない。
 

裸の銃を持つ逃亡者(98)

 熱狂的ファンを持つバイオリン奏者ライアン(レスリー・ニールセン)は
実業家グッヒュー(マイケル・ヨーク)の妻ローレンに家に招かれるが
グッヒューが殺されていた上、何者かに襲われ、犯人に仕立てられてしまう。
殺人罪で死刑が決まるが、護送のバスはカエルをよけようとして崖下へ転落。
ライアンは混乱に乗じて逃走。ファーガス(リチャード・クレンナ)が追跡する。
キャスト言う女性と恋に落ちるが、彼女がローレンと姉妹と気づき罠と考えように。
犯人が義手だった事から病院に侵入し、記録室を調査。
犯人ショーンはローレンら姉妹の兄とわかる。キャスらはライアンを始末し、
続いて国連総長を狙う。だがローレンが撃ったのは空砲で、ライアンは無事だった。
彼はローレンの父だと言う国連長官の式典へ急行。
暗殺を阻止し、かけつけたファーガスらが一味を逮捕。ライアンの無実が証明される。

 と言うわけで、すっかりコメディ中心になったニールセンが
今回は「逃亡者」を中心にパロディにしたもの。
ミッション・インポッシブル、北北西に進路を取れ、
シークレットサービス、タイタニックもエジキになったと言うわけたが
この手のパロディ連発ものが、かつてほどのインパクトを感じさせられない。

TV放送 
 

レスリー・ニールセンの裸の宇宙銃を持つ男(1981年)

 船長(レスリー・ニールセン)らは宇宙船で未知の惑星を探検。
この惑星は、巨大怪獣によって文明が絶滅したらしい。
スターク博士(パトリック・マクニー)はゼリー状の生命体を発見。
これを船へ持ち帰るが、生命体は急速に成長。
マキュー(シンディ・ウイリアムズ)が襲われかかる。
乗員の批判の中、麻酔で捕らえ、コンピュータは生命体が乗員を食べる気と分析。
しかし博士は友好的だと決めつけ、説得しようとして食べられる。
船長らは退治しようとして食われ、
マキューらは歌でおびき寄せてエアロックから追い出す事に成功する。

 と言うわけで、レスリー・ニールセンと言えば、もともとはシリアスな人だが
フライングハイ以降コメディ中心になり、
裸の銃を持つ男以来、日本ではなぜか「裸の」をつけたタイトルで紹介され
これもそんな1作。しかも裸の銃よりも前の作品。
パトリック・マクニーなんて所も出ていて、ボチボチ豪華そうだが、
主役は実はアメグラのシンディ・ウイリアムズで、ニールセンは途中で死ぬ。
物語は宇宙船にエイリアンが侵入したと言うネタのパロディだが、
何ともスローテンポでイライラするほど。
たまに老人になっても続いてる「ダーティハリー」とか、
なぜかスペクトルマンの映像とかが出てくるが、唐突な感じ。

TV放送 2002/09/13 BS11 0200-0335