久々のカーアクション映画「60セカンズ」(2000)を見た。

 かつてアクション映画の見せ場と言えば、カーアクションと言う時代があった。
「フレンチコネクション」「ブリット」以降はやったもので
最近で言えば、「ダイハード」以降はやっている爆発映画と言う感じか。
70年代には、マンガ「サーキットの狼」によってスーパーカーブームが起きたが
テレビの洋画劇場では、ちょっとカーアクションがあると
「この映画からスーパーカーブームが始まった」等と言うものだから
だまされて見たものだ。
今思い出しても、「続激突カージャック」「フリービービーン大乱戦」等を見たが
これらは、当時でさえ、ちょっと違うんじゃないのと言う気がした。
そんな中、高級車が一杯出てきて、それっぽかったのが「バニシングイン60」。
60秒で高級車を盗む一団の話で、そう言うシーンが延々と続き
最後の最後にカーアクションが展開。幼き頃は面白いと思ったものだが
今考えると、前に挙げた2作などと比べても、B級と言う感じ。
そんな映画がニコラス・ケイジ主演でリメイク。
あんな題材をリメイクしてヒットするのかとも思ったが
考えてみると、近年カーアクションは見せ場にあまり使われなくなっており
「ダイハード」以降の派手目な演出でカーアクション映画を作るとどうなるか
そう言う点で気になるので見た。

 キップと車泥棒一味は、店から乱暴に盗み出す手口で高級車を盗む。
うまく行ったかに思えたが、街で他の車とケンカになって競争。
おかげで目立ってパトカーに追われるハメに。
隠れ家にも警察が迫り、そこには盗むべき高級車の名前がズラリ。
あわてて消すが間に合わず、ライトの電球を消して逃走。
警察が来て、盗んだ高級車は押収されてしまう。
一方、子供用のゴーカート教室の教師をするメンフィス(ニコラス・ケイジ)は
謎の男に呼び出される。
組織のボス、カリートリーは、50台を集める仕事を
メンフィスの弟キップに命じたが、それを失敗させた。
そのため、このままでは恥をかくことになると、キップを車に入れて
そのままスクラップしようとする。
メンフィスはそれを止めさせ、代わりに彼自身が50台を集める事を検討。
おまけに残り時間は4日しかない。
実は、メンフィスは伝説的な車泥棒だったが、弟がマネしてこの世界へ入る事を恐れ
母の頼みで6年前に引退。すっかり足を洗っていた。
しかし、母も弟を助けるためなら仕方ないと承諾。

 メンフィスはさっそく、昔のメンバーを集める事にする。
整備工場の初老のオットー(ロバート・デュバル)
教習所教官のドニー。死体置き場で話をしないスフィンクス。
この手の映画にありがちな、変わり者のメンバーをそろえるわけだが
オットー以外は特に印象に残らない。
そして、今はバーテンをする元恋人スウェイ。
皆、6年前にメンフィスが突然引退した事が不満だっだだけに、
何を今さらとか言うものの、結局、たいした葛藤シーンもなく集まってくる。
一同は盗む車を探す。黒板に車の名前を書きだし、
通信等を傍受されても警察にばれないように、女性の名前をつける。
67年型ムスタングは、何度挑戦しても盗めないメンフィスにとって最大ライバル。
エレノアと名づける。盗めないと言うから、何か鍵が開けられない仕掛けとか
あるのかと思ったら、後でビックリする事実が明らかになる。
一方、かつてメンフィスを追っていたキャッスルベック刑事は
メンフィスが街に舞い戻ったと知り、必ずや泥棒をするはずとマークする。
意外に簡単に解放された弟キップの仲間も協力する事に。
メンフィスは嫌がるが、オットーらも仲間が多い方がいいと言い結局仲間に。
50台の内、大半はメドがつくが、新型のメルセデスは開けられない鍵が。
キップらは、前回ディーラーの販売人を買収し、複製を入手した。
今回もこの手が使えるはずだと取りかかる。
しかし、キャッスルベック刑事は、メルセデスが簡単には盗めない事から
ディーラーから鍵を入手した事を推測。販売人を脅して複製を作ったと聞き出す。
キップの仲間が、勝手に車を盗んできたため、メンフィスらはあわてる。
メンフィスの考えでは、最後の1日に一気に盗む。その方が捕まりにくいのだ。
おまけに、この盗んだ車から麻薬が見つかり、そこへキャッスルベック刑事が来て
一同はごまかすのにあわてる。結局、ばれずにすみ、これからはおれに従えと言う。
こういう展開になれば、この後もメンフィスらとキップらの確執がありそうだが
実はそれはない。

 ついに最後の日。作戦は決行。次々車を盗み出すが、
その手口、もちろん全部覚えているわけではない。
キップの仲間のハッカーが電動シャッターを開け、盗む。
メンフィスはスウェイと、狙った車を見張る。持ち主が部屋でHするのを待ち
そんな間にスウェイとの愛も再燃するが、結局Hが始まるとたちまち盗みに戻る。
ラブシーンらしき物はこれだけ。
しかし、こんなに待ち時間が多くて、50台も行けるものか。
キャッスルベック刑事と仲間は、他の車には目もくれず、
複製の鍵が渡されたメルセデスだけを見張る。
そうとは知らず、メンフィスらは3台のメルセデスをそれぞれ盗もうとするが
メンフィスは異変に気づく。近くに駐車されているバンの位置がおかしい。
実はそこに刑事が。寸前で思い直し、盗むのを中止。仲間にも連絡する。
刑事が、メルセデスをマークしている事に気づく。
しかし、メルセデスを盗まなければ、47台で作戦は成功しない。
なんて言うから、もう50台寸前なのかと思ったが、そうでもない。
そこで考えたのは、押収されたメルセデスを盗む事だ。複製した鍵はまだある。
複製した鍵で盗むと言う手口は面白くなかったが、
押収された車を狙うという展開はちょっと面白い。
しかし、その鍵を飼っている犬が飲み込んでしまい、
あわてて下剤で出させようとする。
カリートリーの仕事を奪われたと感じる別の一団が、何かと邪魔をするのだが
犬がフンをして喜ぶのを見て気味悪がって去る。
警察の押収した車置き場で、爆破を起こして警備員が気を取られる間に
まんまと3台を盗み出す。
キャッスルベック刑事は、張り込みが失敗したとわかり悔しがる。
だが、冒頭でキップ一味のアジトへ乗り込んだ際に見つけた何かの破片が
ブラックライトと言う物の電球との報告を受け、ピンとくる。
ブラックライトとは、特殊な塗料にこれを当てると光って見える。
やばい物を記す時に使う手口だ。あわてて元アジトへ急行。
そこに書かれた車の一覧を見るが、多すぎてどこをマークしていいかわからない。
だがキャッスルベックは、珍しいムスタングだけマークすればいいと言う。
その間にも一味は次々盗みを続ける。
らせんビルで追跡をし、車内に大蛇がいるシーンは、
オリジナルで車内にトラがいたバリエーションか。
キップ一味が何かで負傷するシーンもあるが、その他大勢はあまり印象に残らない。
わざわざ最後に残しておいた宿敵ムスタングに取りかかるメンフィス。
宿敵と言っても、なかなか見つけられないとか、なかなか盗めないわけでもない。
簡単にドアは開き、エンジンもかかる。だが警察に見つかり逃走。
この後激しい激しいカーチェースに。昔のような飛んだりはねたりを描くのではなく
車をアップ気味に写して、迫力は十分。
一本道を逆走したりするのも凄いが、全体としてどういう状況で
何を狙ってそう言うコースを走っているのかは、まったくわからない。
こんな激しい状態でも、キャッスルベック刑事は割とすぐ後ろにつける。
追ってる車が爆発したり、放水路を走ったり。
港の工事現場の間をすり抜け、クレーンがぶつかって壁を突き抜けるパトカーも。
物陰に隠れて待機するが、ついにムスタングの宿敵たるゆえんがわかる。
車がエンジンがかかりにくくなる。だがパトカーが迫ると簡単に回復。
昔からどうしても盗めなかったと言うのは、エンジンに問題があると言う事か。
再び逃げるが、前方は事故渋滞。しかも時間切れ寸前だ。
だが、なぜかわざわざこちら向けにキャリアカーが駐車されている。
後ろからもパトカーが来て、意を決したメンフィスは、
キャリアカーを利用してジャンプ。付近の車を飛び越す。
飛び越す前は、その向こうがどうなっているかわからなかったが
そこには車がいないのも御都合主義。もちろんキャッスルベック刑事も追ってこれず。
ここまで、何回かに渡って、時間切れまであと何時間と言う字幕が出たので
当然間に合うと思ったのだが、結局時間切れ。
こんな思いがけない事があったのでは、遅刻しても仕方ないと思わせればいいが
それが事故渋滞だけではちょっと弱い。
カリートリーは少しの時間切れも許さず、メンフィスも始末すると言う。
だが仲間がかけつけ見張りを倒し、メンフィスはカリートリーのアジトへ逆戻り。
廃工場みたいな所で格闘に。キャッスルベック刑事もかけつけ
彼が撃たれそうになっていると気づき、
突進してカリートリーを高所から墜落させて倒す。
結局、何の役にも立たなかったキャッスルベック刑事は、命の恩人だと彼を見逃す。
メンフィスも船に車に積んであるから調べろと言う。
メンフィス一味はこれからはマジメにやろうと言い、
オットーは彼のためにボロボロのムスタングだけは入手。
これを修理すると言ってプレゼント。メンフィスはスウェイとこれに乗って去る。

 と言うわけで、まあオリジナルがB級なので、それほど期待はしていなかったが
主演がニコラス・ケイジになったところで、物語は延々と車泥棒するばかり。
宣伝の惹句では「女は60秒でハートを盗む」とあるが
この女優の人、アカデミー賞ももらってるらしいが、何とも軽い扱い。
もちろん惹句のようなシーンは皆無に等しい。
前作と同じで、ラスト近くにようやくカーチェースシーンが展開。
今風のハードな描写で、こういうカーチェースは初めて見るので、
そう言う意味ではなかなか良かったのだが、
逆に言うとカーブしたりジャンプしたりポイントばかりをアップして、
全体としてどういう状況なのか全然わからないので、物語としては難あり。
カーチェースの迫力だけは見どころと言える。
 

バニシング・ポイント 激走2000キロ(1997年アメリカ)

 元レーサーのジム(ヴィゴ・モーテンセン)は、スポーツカーの搬送をしていた。
妊娠中の妻フィニーが危険との連絡を受け、急行する事になるが、
横暴な白バイに捕まり、逃走するハメに。
事件は大騒ぎになり、ラジオで中継され、警察もムキになって追跡。
ジムには濡れ衣の前科があり、FBIは売人と決めつける。
野次馬はジムに同情的だったが、妻が死んだと知りバリケードに突入するジム。
警察の銃撃でジムは死んだと思われたが、遺体は見つからなかった。

 と言うわけで、往年のカーアクション映画のリメイクで、TV作品らしい。
ロード・オブ・ザ・リングで人気の出る前のヴィゴ・モーテンセン主演。
妻のため、不当逮捕した警察から逃げ回る話だが、
いまいち痛快さに欠ける感じで、破滅的なエンディングもすっきりしない感じ。

TV放送 2005/08/27 BS05 1200-1340
 

バニシング・レッド(92)

 トラック運転手サンティ(ドルフ・ラングレン)は、警官に相棒エディを射殺され
その警官を射殺して刑務所へ。護送中、看守に狙われるが、逃走。
リタを人質に逃走するが、彼女は実は警官だった。
郡警察のセベレンスやシェリフ(ジェフリー・ルイス)らは総力で追跡。
サンティは仲間ジョー一味を呼び出し、撃ち合いで全滅させる。
実はサンティとセベレンスらは高級車専門の自動車泥棒団で、
正体がばれるのを恐れたセベレンスが、エディを射殺したのが発端だった。
真相を知ったリタも共犯として手配され、猛スピードでの追跡戦が展開。
サンティはセベレンスと格闘になるが、
監視カメラにセベレンスの殺しが映っていたため、シェリフは彼を逮捕する。

 と言うわけで、謎めいた展開にしているため、わかりにくいが
実はそれほど凝った話ではなく、最後にサンティが無罪放免になるのも不可解。

TV放送 94/05/14  BS05  22:00-00:00
 

パニック・イン・ザ・ダーク(2002年アメリカ)

 海底の鉱山の保安官に赴任したウイル(ディーン・ケイン)は
相棒のナイルズとクリストフ一味を逮捕する。
4年後。ウイルは異動になるが、昇進しないナイルズはウイルを逆恨み。
その頃、作業員に幻覚を見て死ぬ者が多発。常備薬ザイロバンが怪しまれる。
クリストフが釈放になり、明らかにウイルへの復讐心から向かっているが、
上司は争いを避けようと、ウイルに立ち去るよう指示。
だが施設内の異変に気づいて、結局ウイルは留まる事に。
ナイルズは昇進を約束できないと言われ、協力を拒否。
他の者も協力せず孤立無援に。クリストフの保釈金を払ったのは企業と判明。
ドクターを問いつめると、企業は効率を上げるために薬の投与量を増やしたと言う。
だがそれによって、精神障害が誘発され、
事件を闇に葬るため、ウイルを始末するためクリストフを釈放したのだ。
到着したクリストフ一味は、ザイロバンの資料とドクターを始末。
ウイルは原子炉の水を放水し、ヒロシマ級の爆発を誘発しようとする。
工員らは避難。ウイルは追跡する一味と撃ち合いに。
閉鎖用のドアを利用して敵を倒し、クリストフと対決。
これをたたきのめし、潜水服で海へ脱出。
その後施設は爆発し、到着した後任の保安官に救出される。

 と言うわけで、新スーパーマンのディーン・ケインが主演で、
あれ以来見かけなかったが、B級アクションなら主役が出来るのかと期待したが
どうも服装が違うとピンと来ない。
それはともあれ、物語は海底の鉱山で、主人公はそこの保安官という特異な設定だが
それに関する説明はほとんどなく、何だかドタバタしたあげくに窮地に陥るが、
何の事はない「真昼の決闘」の構図で、あれが何となく追い込まれたのに対し
こちらはわざわざ味方を断ったようなところがあり、あまり同情できない。
わざわざ助けに来た恋人は何の役にも立たず、
腹黒い同僚は、何かするかと思えば何もしない。
食塩水を使ったトリックも、とっさに思いついたわけでもないようなので、
計算づくかと思えばあまり感心しない。
ヒロシマ級の爆発があっても平気みたいだし。

TV放送 2003/07/18 BS05 2310-0050
 

パニック・イン・スタジアム(76)

 スーパーボールへの出場を決めるアメフトの試合が開催され、
全米からファンが集まる。
借金しながらも賭けをやめられない男。
不和気味の夫婦(デビッド・ジャンセンとジーナ・ローランズ)。
失業中の子連れの若い夫婦(夫はボー・ブリッジス)。
VIPも訪れ、大統領も観戦の予定がある。
だが、スタジアムの電光掲示板の裏に、ライフルで無差別殺人を犯した男が潜入。
TV局のスタッフがモニタにうつった犯人を発見。
プロモーター(マーチン・バルサム)の連絡で
保安を担当する警官(チャールトン・ヘストン)が出動。
掲示板の塔の戸締まりを追及された係員が、単独で塔に登り犯人に突き落とされる。
チャールトン・ヘストンはSWATの出動を依頼(隊長はジョン・カサベテス)。
SWATチームは要所へ着くが、パニックを避けて攻撃はできない。
その間にVIPは避難。
ボー・ブリッジスは掲示板の上にライフルを持った男がいる事に気づき、
警官に連絡するが逆に捕まってしまう。
試合終了2分前になってついに犯人が犯行開始。
デビッド・ジャンセンが射殺され、
照明塔の上にいるSWATチームが次々と撃たれる。
ヘリから撃たれ負傷した犯人は次々と乱射。
賭けをしていた男が射殺され、ボー・ブリッジスの妻が負傷。
ようやく事態に気づいた観客にパニックが起こる。
塔に潜入したチャールトン・ヘストンとジョン・カサベテスによって犯人は撃たれ、
真相を語らないまま死ぬ。

 というわけで、アメフトを狙ったサスペンスものと言えば
「ブラックサンデー」があるが、あれに比べるとかなりつまらない。
パニックと題名にあるだけあって、パニックは激しいが、
それはラスト近くのちょっとの間だけであって、
基本的にはサスペンスドラマのはずだが、ちっとももりあがらない。
2人の主役以外はくせもの俳優でありながら、出番が少ない。
ちゃちな人間ドラマはパニック映画につきものだが、
観戦中に起こる話だからたかだか知れている。
かなり前からSWATチームが待機していたのに、
結局、大勢撃たれてしまったのはマヌケ。
照明塔の上のSWATが撃たれ、命綱で宙吊りになるが観客は興奮していて
気づかないと言うのはショッキングだが、見所はそれだけか?
真相を語らぬままと言うのは、だまされた気もする。
ちなみに直接のからみはないが、ジョン・カサベテスとジーナ・ローランズは夫婦。

TV放送 91/06/13  12CH  21:02-22:54
 

パニック・イン・ホスピタル 緊急病棟・医師たちの戦場(92)

 インターンのピーター(キーファー・サザーランド)は退役軍人病院へ。
そこでは軍に関係ない治療はするなと言われる。
だがスタージェス(レイ・リオッタ)はひそかに心臓の手術を。
病院の措置に不満の患者シューターは、銃を持って騒ぎを起こす。
上層部は規則違反を連発するスタージェスを問題視するが、誰も証言しない。
末期患者は次々退院させられるため、書類を偽造する。
院長はピーターに証言求める中、スタージェスはひそかに器具を盗み出す。
ピーターは隠しカメラの存在に気づき、テープを持ち出す。
医師たちは総出で勝手に手術を開始。警備員を閉め出す。
院長は怒り、警察がかけつけるが、政府の管轄なので手は出せない。
電気が止められついに抵抗を断念するが、手術は成功。
扉は開けられるが、かけつけた軍幹部の人物により、院長は更迭される。

 と言うわけで、若き医師たちが病院の体制に刃向かい
勝手に医療活動を始めると言う話は、
コメディの「ドクター・アカデミー」とまったく同じ設定で、
あちらがコメディだけに、どうもマジメに描いた分マヌケな感じ。
キャストはなかなか豪華だが、物語の主役はキーファー・サザーランドで
実質の主役はレイ・リオッタ。
その他、フォレスト・ウィテッカー、リー・トンプソンも医師役で出ている。

TV放送 2001/06/01 25CH 1330-1530
 

パニック・トレイン(2013年英)

ルイス・シェーラー 乗客。医師
マックス ルイスの息子
サラ・バーウェル 乗客
エレイン 乗客。老婆
ピーター 乗客。紳士風
ヤン 掃除係。手品師志望

 とある列車に乗ったルイスは、線路脇に誰かが倒れているのを目撃。
知らせようと車掌を探すが見当たらない。
列車は停車するはずの駅を通過し、6名の乗客は騒ぎ出す。
車掌室のハンドブレーキで減速させるが、運転士は対抗して加速。
車のいる踏切を突破し、エレインはショック死。
運転席に侵入しようとするが窓は割れず、車掌の死体を見つける。
ルイスが線路脇で見たのが、本来の運転士らしい。
マニュアルを見た一同は、連結部をはずす事を考える。
ヤンが車外に出て取り組むが失敗。
あと10分で終点に到達してしまう。
ルイスは連結部に消火器を起き、火を付ける事に。
爆発で板に穴が開き、車内から連結部を外す事に成功。
だが、反動でピーターが転落。後部車両はハンドブレーキで停止。
前部車両は燃え広がり、間一髪ルイスは飛び降り、無事だった。

 と言う訳で、列車が暴走する話。
とある列車に乗った乗客たちは、何者かが運転士と車掌を殺害し、
列車を暴走させていると知る。
90分の映画で、どうやら暴走してるらしいと気付くのは50分くらいの所。
乗客は6名で、その中に一味がいるかと思ったが、そういう謎解きはない。
あの手この手で止めようとするが、
新たな障害が発生と言うのを期待したが、あの手は二手くらい。
割に人のいそうな地を走ってるのに、外で誰かが騒いでいる様子もない。
ショートストーリーを伸ばしに伸ばしましたと言う印象です。

TV放送 2015/01/19 WOWOW 2100-2236
 

パニック・フライト(2005年米)

リサ ホテルの受付嬢
シンシア リサの後輩
ジャック・リップナー 乗客の男性(キリアン・マーフィ)
チャールズ・キーフ 副長官

 ホテルの受付嬢リサは休暇を取る。
留守中、大物政治家キーフがホテルを訪れる予定だ。
機中、隣の席のジャックは、リサの父を人質にしていると称し
ホテルへ連絡し、キーフの部屋を変えさせろと言う。
リサは他の乗客へ危機を知らせようとするが、その都度ジャックの妨害を受ける。
やむなく後輩シンシアに指示し、キーフの部屋を変更する事に。
機が着陸すると、リサはジャックにペンを刺して逃走。
シンシアに連絡し、キーフを避難させる。
一味はバズーカでホテルを攻撃するが、間一髪難を逃れる。
リサは父の家へ急行。ジャックが現れ格闘になるが父が射殺する。

 と言うわけで、機上なのにホテルでの要人暗殺に協力させられると言う設定が面白く
暗殺の設定がシンプルなのも好感が持てる。
逆に、機を降りてから空港くらいまでは許せるが、
自宅で延々と戦うのはマイナス。
キリアン・マーフィはバットマンの悪役もそうだが、不気味な感じが良い。

TV放送 2007/04/08 WOWOW 1600-1730
 

パニックマーケット3D(2012年オーストラリア・シンガポール)

ジョシュ
ティナ ジョシュの恋人。親友ローリーの妹
ジェイミー 万引き犯
ジェイミーの父 刑事
ライアン ジェイミーの恋人。店員
スティーブ ティナの新しい恋人
強盗犯 比較的穏和(ファンタスティックフォーの悪役)
カービー 凶悪な強盗犯
ジェサップ スーパー店長
カイルとヘザー 駐車場のカップル

 ジョシュは恋人ティナと婚約するが、
ティナの兄である親友ローリーがサメに食われる事件が発生。
 12か月後。ジョシュは町に戻ったティナと再会。
強盗事件が発生したスーパーに津波が押し寄せ、大勢が死ぬ。
ジョシュらは棚の上に避難するが、強盗犯は死んだらしい。
出口はふさがって出られず、店内に3メートル半のサメがいる事が判明。
危険な電線を止めるため、ティナの新恋人スティーブが潜るが、息が続かず溺死する。
店長はダクトから脱出を試みるが、大量のカニに襲われた挙げ句サメに食われて死ぬ。
生きていた強盗犯カービーは、人間をエサにして、その間に逃げようと言い出すが、
改心した仲間に殺され、自らがエサとなる。
浸水で助からないと思われた地下駐車場から店員ライアンらを救出。
ジョシュは、駐車場で入手した警官の銃でサメを撃退。
ガスタンクを爆破し、一同はできた出口から脱出。
町は壊滅的被害を受けていたが、ジョシュはやり直そうと言うのだった。

 と言うわけで、津波で浸水したスーパーに
閉じ込められた客たちの前に、サメが現れる話。
サメの他にも、大量のカニや強盗犯も現れるが、あくまで最大の障害はサメ。
シャークネードなんてのを見てマヒしてる者としては、
こんな実際にありそうな(?)設定じゃダメかも。
どうせならワニもいた、ヘビもいたとかにしなきゃ。

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パニック・ルーム(2002)を見た。

 いわゆる猟奇殺人の話ばかりがはやる昨今
考えてみると、その先駆けとなった「羊たちの沈黙」のジョディ・フォスターと
「セブン」のデビッド・フィンチャー監督のコンビ作なのだが
物語を聞いていると、どうもオーソドックスなスリラーらしい。
絶対安全なはずのパニックルームだが、
それは逆に出る事のできない部屋でもあったと言う展開で
派手な爆破シーンとかがあり得ない事から、物語勝負と言える。
これは見るしかあるまい。

 タイトルはマンハッタンのビル街。
ビルと水平に、看板のように人の名前とかが表示される。
メグ(ジョディ・フォスター)と娘サラは、
不動産屋リンチとカーランダーに案内され、新たな引っ越し先を探していた。
メグは離婚したばかりで、一人でもやっていけると、わざと大きな家を探す。
紹介されたのは、4階建てでエレベータまである大きな家。
サラはキックボードで移動するほど。
実は元富豪の住んでいた屋敷で、その遺産は行方不明のままだと言う。
各階を見るが、メグは途中の階が狭い事に気づく。
カーランダーによると、それはパニックルームと言う部屋だった。
非常用の物資も備蓄され、自動的に閉鎖するドアで
万一、招かざる客が乱入した時、ここへ逃げ込む事ができるのだ。
16個の監視カメラで部屋の外の様子も見られるし、電源や電話も別系統だ。
メグにはこれは不要にも思えたが、広い家が気に入りここへ住む事にする。
さっそく引っ越しを行い、電気の接続とかをするが、この手の作業は苦手のようで、
途中でやめて寝てしまう。広い家なので、サラは別の階で寝る。
その頃、建物には3人の男達が侵入していた。
パーナム(フォレスト・ウィテッカー)、ジュニア、ラウールの3人だ。
一応リーダーはジュニア。富豪の世話をしていたと自負する彼は、
遺産が得られないと知り、それを奪うために侵入したのだ。
パーナムは犯罪には関わりたくないが、失業中で仕方なく協力。
ラウールは覆面で顔を隠すが、こう言う時には役に立つと言うバス運転手。
ゆっくり準備する3人。
だが、トイレに行ったメグの流した水の音が響き、何者かがいる事に気づく。
パーナムは静かに各階を回り、メグと娘がいる事を確認。
家の引き継ぎでまだ無人と思っていたが、ジュニアが1日間違えたらしい。
もめる3人だが、今さら辞めるわけにはいかない。
一方、気配に気づくメグ。パニックルームで勝手に動作したモニタには、
3人の姿が映り、事態に気づく。
あわてて4階へ行き、寝ていたサラを起こし、連れ出そうとする。
エレベータで下へ行くが、一味もメグたちの動きに気づいて先回り。
このままでは危ないと、逆に上へ戻り、とっさに思い出したあの部屋へ逃げ込む。
自動ドアに物が引っかかり閉まらないが、あわてて引き込み、
一味を目前にドアが閉まった。

 メグらは何者も侵入不可能の部屋に逃げ込み一安心。
だが、電話は別回線のため、まだ未開通。外部へは連絡ができない。
外の部屋へのマイクは通じているので、警察へ連絡したから出て行けと警告する。
しかし、実はパニックルームの設計に携わったパーナムは、
この家の事を知り尽くしており、そんなはずはないと言う。
そしてカメラに向かって、紙に字を書いて説明。
電話は通じてないはず。そこにこそ探している物があると言う。
安全なはずのパニックルームだったが、
一味は彼女たちが出てくるまで、去るわけにはいかないのだ。
一味は何とか中に入ろうとする。ドアをトンカチでたたいたりするが歯が立たない。
下の階から天井を破ろうともする。心配するメグら。
全部天井を抜いたら、部屋は落っこちる気もするが、
パーナムはそれではダメだと言う。そこで彼は考え、部屋に面した壁を壊し、
通気口にホースを通し、そこへプロパンガスを流し込む。苦しむ二人。
目的は、あわてたメグらが出て来る事で、殺してしまっては意味がない。
だが、ラウールは調子に乗ってガスの量を増やし始める。
メグは中にあったガムテープで通気口をふさぐが、それで防ぎ切る事はできない。
そこで、メグは防火用の服を着て、危険な手に出る。ライターで着火したのだ。
ガスは爆発し、メグも吹き飛ばされるが平気。
だが、外側のジュニアが火に包まれ、大やけどを負う。
一方、パニックルーム内部も一部破損する。
メグらは、わずかな穴を見つけ、ペンライトで外部に連絡しようとする。
光に気づいた寝ていた隣家の男が気づいて目覚めるが、
気にせずブラインドを下ろしてしまう。
考えたメグは、3人が階下でもめてる間に、部屋の外へ出て携帯を取りに行く。
ベットが倒されていて探すのに苦戦。異変に気づいた連中もかけつける。
ようやく見つけて戻って部屋へ。
だがパーナムは平然としている。あの部屋では電波が届かないのだ。
失望するメグだが、別の事を思いつく。部屋の中の電話は通じていないが、
壁の中には外部の電話線が来ているはず。受話器をはずして、線をつなごうとする。
壁に穴を開ける物音を聞き、メグの狙いに感づくパーナム。
あわてて電話線を切ろうと、反対側からも壁を壊す。
メグは電話線をつなぎ、警察に電話するが、たらい回しにされて時間がない。
あわてて、今度は離婚した夫スティーブンに電話する。
最初に出たのは愛人。この声はジュディ・フォスターの前に主役をするはずだった
ニコール・キッドマンが演じているらしい。
そして夫に代わり、「助けて、3人の男が」と言うところで電話線が切られる。
すべて話す事はできなかったが、異変は伝わったはずと考えるが、ダメかも知れない。
気がつくと、サラに異変が。映画では詳しく語られないが
パンフによると、サラは糖尿病で、何時間かおきに注射を打たなくてはならないのだ。
糖分の食料があればいいのだが、部屋の中にある食料にはない。
となると、外へ注射器を取りに行くしかない。
その時、家に訪問者が。電話を聞いてかけつけた離婚した夫スティーブンだった。
メグとはちょっと歳が離れてる。不用心に来たので、一味に痛めつけられる。
ヤケド以来弱気になっていたジュニアは、
次々障害が出るので引き上げようと言い出すが、
その時ポツリと言った金額が大きかったので、残りの2人が驚く。
山分けのつもりだったのに、大半をジュニアが独り占めする気だったのだ。
どっちみち手に入らないのだから関係ないと言うジュニアだが、特にラウールは許さず
ジュニアを射殺してしまう。
メグは再び危険を冒して外へ出る事に。
イスに座らさせられた元夫スティーブンを横目に階下へ行くが
実はそれは覆面をはずしたラウールが顔を伏せていて、
メグのいないスキに部屋へ。パーナムも中に入る。
注射器を手に入れたメグは、異変に気づいてあわててかけつけるが、
ドアは閉じられ、薬だけが部屋の中に。

 ラウールは自動ドアに手を挟まれ、負傷するが、
パーナムが危険だとドアを開けようとしない。
パーナムは、残されたサラが弱っているのに気づく。
薬を注射しなくてはならないと知り、かまうなと言うラウールをよそに注射。
適当にやったようだが、サラは回復する。ひそかに残りの注射器を隠し持つ。
パーナムは大がかりな道具を利用して、床下の金庫を開け始める。
一方、外には警官が。実はスティーブンが警官も呼んでいたのだ。
メグはサラの安全を心配し、警官に何も起きていないと言う。
警官は、電話で「3」と言っていたと聞き、それについて言うが、
Hな話だとか称して、追及をかわそうとする。
それでも何か感ずる警官は、何かあるなら瞬きしてと言うが、
それにも応じず、警官たちは引き上げる。
メグはいろいろ画策して、家の中を走り回る。
スティーブンに銃を持たせ、降りてきたら撃てと言う。
パーナムらは床下の金庫を、いろんな装置を駆使してこじ開け、
中から証券だか何だかを回収。仕事を終えてサラを人質にして階下へ。
待っていたスティーブンは、一味に銃を向けるが、撃ち合いに。
パーナムは退散し、隠れていたメグがラウールと格闘に。
サラも馬乗りになって注射を撃つが、たいして効果なし。
階段から下へ落とすが、それでもラウールは弱らず、二人に銃を向ける。
戻ってきたパーナムがラウールを射殺。
パーナムは逃走しようとするが、なぜか結局かけつけた警察に逮捕され、
メグらは新たな家を探す事にする。

 と言うわけで、「セブン」や「エイリアン3」等
ちょっとわかりづらい所のあるデビッド・フィンチャー監督とあり
一抹の不安があったものの、話を聞いていると、
いわゆるヒッチコックタイプのスリラーらしい。
ここのところ、サイコホラーが続いていて、ちょっと食傷気味だったが
やはり、オーソドックスなスリラーが待たれたところだ。
パニック・ルームと言う脱出できない空間での物語は、
エレベータやら船の上やらに代わる、新しいシチュエーション。
そして、母は閉所恐怖症。娘は糖尿病の発作あり。
母の方はあまり物語に影響しないが、いずれにせよさらなるハンデありだ。
敵は3名で、「暗くなるまで待って」あたりを連想させていい。
閉ざされた空間で、いかなる攻防を見せるかがポイントで
前半はそれなりに見せ、この状態をラストまで維持できるのか心配されたが
後半になると、母が外へ出てしまい、助っ人まで現れて
娘が人質に取られているとは言え、なぜ警察に助け呼んだりしないのか
自分だけでも逃げてしまいたくはならないか、と思わせる。
母の愛が重要かも知れないが、あまりがんばりすぎると、
見ていて共感が持てなくなるものだ。
敵が仲間割れするのは、この手の話のお約束だが、
何しろジュディがいろいろ移動して、作戦を立てたりするので
物語としてはバタバタしすぎ。「ホーム・アローン」みたい。
フォレスト・ウィテッカーが、最初から人殺し否定派で
最後までその線を維持してしまうのが弱く、
それでいて、それはあまり主役には伝わらない。
最後にこいつが豹変して襲いかかったりしたら、怖かったかも。
いずれにせよ、前半のペースを維持してもらいたかったもの。
フィッシャー監督しては、わかりやすい作品で、
最近にしては良質のスリラーと認めるが、もう一工夫欲しい。
 

パニッシャー(89)

 5年間に組織の125人が殺害される。犯人はパニッシャーと言われるが、
バーコビッツ警部補(ルイス・ゴセットJr)は、
家族と共に死んだはずのキャッスル(ドルフ・ラングレン)刑事だと考える。
大がかりな麻薬の取引が行われ、パニッシャーも向かうが、忍者の襲撃を受ける。
日本の女親分田中は、フランコ(ジェローン・クラッペ)に傘下に納まるよう要求。
フランコは拒否し、戦争を覚悟する。
ボスの子供たちが次々と誘拐され、奴隷市場に売られようとしている。
パニッシャーは、子供たちがいると言う遊園地へ行くが、逆に捕まる。
そこで拷問を受けるが、抜け出し、逆に子供たちが倉庫にいる事を聞き出す。
倉庫へ急行、子供たちを救出。だが、フランコの息子トミーが捕まる。
バスに乗り、敵の追撃を振り切るが、かけつけた警察に逮捕される。
だが、護送車が襲われ、フランコに捕まる。フランコは息子を助ける事を要求。
田中のビルを襲撃。敵を次々倒し、女殺し屋を倒す。
田中はトミーを人質に取るが、パニッシャーがナイフで倒す。
フランコは、傷ついたパニッシャーを片付けようとするが、逆に倒される。
トミーに父のようになるなと警告し、パニッシャーは立ち去っていった。

 というわけで、暗殺屋みたいな話で、ありがちなんだが、
パニッシャーが強引なやり方ばかりしていて、見つからないのが不思議なくらい。
それに、正体はバレバレで、見つかる事も平気だったとは。
何のために下水道に住んでたりしたのだろうか。変な奴。
日本のヤクザも、かなり困った連中。道場の連中は、大勢いながら簡単に死んだ。
女ボスを殺した後に、フランコと戦うのは余計な気がするが。

TV放送 92/04/25  08CH  21:02-22:54
 



「パニッシャー」を見た。(2004年)

 またまたアメコミの映画化で
実は過去にドルフ・ラングレン主演で映画化されていると言う代物。
まあ特殊な能力を持つわけでなし、アメコミでないと言われても気がつかない感じ。
主演は知らない人で、見る候補としてはちょっと弱い気もしたが、
ロイ・シャイダーも出ているようだし、
ここらで1本くらい見ておきたい気がして見た。

 某所にて組織の取引が行われる。
取引に1人が新参者ボビーを連れてきて、もう片方が警察ではと怪しむ。
見ているこちらも、ボビーがパニッシャーになるのかと思わせる。
信用しろよとか言って取引が開始されそうになるが、そこへ警察の踏み込みが。
撃ち合いになり、取引相手の1人がまず殺され、続いてボビーも撃たれて死ぬ。
実は、最初に殺された男、つまりボビーを疑っていた男こそ
FBIの潜入捜査官フランク・キャッスル(トム・ジェーン)だったのだ。
救急車の中で、ニセの血のりとかをはずして起きあがるフランク。
ボビーの死は予定外で、気が滅入る任務だと言う。
フランクは、この任務を最後に引退する決意で
妻マリア(サマンサ・マシス)や息子ウイルらと普通の生活を送る事に。
ウイルは今まで引っ越しばかりの生活に不満げだったが、
今度こそ本当に落ち着けそうだと安心。
そんな時なのに、なぜかウイルは父にどくろマークのTシャツをプレゼントする。
フランクの父(ロイ・シャイダー)らと共に家族が集まってパーティする事に。
一方、息子ボビーの死を悲しむ実業家セイント(ジョン・トラボルタ)。
彼は裏社会に通じていて、ボビーが死んだ理由を調査させる。
ボビーを連れて行った男を痛めつけて、
父にいいところを見せようと奮戦した結果とわかるが、
取引相手に潜入捜査員フランクがいた事が判明。
セイントはフランクを始末するように指示。
だが、妻リヴィアはそれだけでは納得せず、家族全員を虐殺しろと指示。
セイントのもう一人の息子も含めた4人組の殺し屋が、パーティ会場を襲撃。
次々家族が殺され、奮戦した父も撃たれて死ぬ。
逃げるマリアとウイルの親子も車で逃げるが、転倒した末、桟橋で殺される。
フランクは必死に追跡するが、桟橋で妻子の死を知りショックを受ける。
さらに戻ってきた4人組に捕らわれ、撃たれて海へ落とされる。
一家は全滅したかに思えたが、フランクだけはボロボロだが無事で
海岸に流れ着いたところを知人に助けられる。

 失意のフランクは、死んだ事にして隠れ住み5ヶ月。
いまだ一味が逮捕されていないと知り、警察には任せられないと感じるように。
そこで、安アパートに居を構え、武器を集めて、
ここが襲撃されてもいいように(それは考えすぎと言う気もするが)
引き出しとかに銃を隠して、すぐに取り出せるように練習する。
そして、息子にもらったどくろのTシャツを着て、
執行人パニッシャーとして、セイント一味に制裁を加える事を決意する。
このアパートには、
別れた恋人につきまとわれているジョアン(レベッカ・ローミン・ステイモス)や
ピアスだらけのデイブ、大食漢のバンポ(ジョン・ピネット)が暮らしていた。
いずれも人生に疲れたような連中だが、互いの中は良さそう。
ジョアンが男につきまとわれるのを心配するが、フランクが軽く蹴散らし、
彼が新聞で話題になった人物ではと考えるように。
怖そうだが悪い人ではなさそうだと感じるが、
フランクはなかなか彼らに心を開こうとしない。
一方で、フランクはマスコミが集まる警察に押しかけ、
いったいいつ解決するのだと脅す。
おかげで、彼が生きている事は人々の知るところとなるが、
当然セイントらも知るわけで、闇の執行人がマスコミの前に出てどうするという感じ。

 フランクはまず、ボビーの仲間だった男を脅して、セイントらについて聞き出す。
彼もまた、セイントのやり方には不満を持っていて、次第にいろいろ漏らすように。
セイントが妻リヴィアを溺愛しており、浮気が疑われる者は始末していると知る。
彼女が週に1度だけ映画を見に行くと知る。
そこで、彼女の車を盗んでわざと駐車違反の場所へ移動。
セイントの腹心で、実はゲイのクエンティンを呼び出し、彼女の携帯で電話したりして
要は2人が浮気しているように工作する。
これが狙いがバレバレで、ちょっとまだるこしい感じ。
さらにセイントの集金所を襲撃し、かけつけた殺し屋をあっさり始末。
窓から金をばらまかれ、セイントは取引相手に不信感を抱かれる。
セイントはフランクがまだ生きていて、彼に襲撃を受けたと知り、
プロの殺し屋をかき集めて仕返しする事に。
まずラテン系の殺し屋が出現。ジョアンの仕事する食堂に現れ様子をうかがった末
車に乗ったフランクを襲撃。フランクは開閉式の橋をジャンプして逃走。
車が横転して弱るが、袖に隠していた飛びナイフで相手を倒す。
ジョアンらはフランクを励ますため、強引に食事に誘う。
ちょっと安らぎを覚える彼だが、やはり長居は出来ず、自分の部屋へ戻ると
今度はロシアから来た怪力の殺し屋に襲われる。
ジョアンらはそうとは気づかず部屋で踊ったりしているが、
その間に自室でフランクは殺し屋と大格闘。
隠した武器も怪力の殺し屋には歯が立たず、壁をぶち破ったりする始末。
007のジョーズ的な存在で、復讐劇にしては不似合いなコメディタッチ。
ようやくジョアンらも気がつくが、まったく加勢にならず、
何とか鍋の煮物をかけて弱らせ、階段から落として死なせる。
一安心かに思えたが、続いて4人組の殺し屋が現れ、
あわててジョアンは弱ったフランクと共に、床下の隠れ部屋へ隠れる。
4人組はデイブのピアスを引っ張って脅し、フランクの居場所を聞き出そうとするが、
引きちぎられても知らないと押し通し、ついに1人を残して退散。
だが隠れていたフランクが出てきてこの殺し屋を始末する。
フランクは、何の関係もない自分のためになぜと不思議がるが、
デイブは俺たちはファミリーだからと言う。

 意を決したフランクは、最後の決戦を挑む事に。
ジョアンらに遺書のような物を残す。
これは復讐ではなく、戒めだ。もし彼のアパートに戻ったら金庫を見ろと告げる。
まず、セイントの所へ妻リディアの駐車違反切符を届け、
フランクに味方する男が、何とかホテルでクエンティンを見かけたとか報告。
2人は知らないと言うが、セイントは浮気をしていると確信し、
クエンティンと妻リディアを始末してしまう。
その一方で、セイントは手下を集めてフランクと最終決戦をする構えに。
ところが、その建物に既にフランクは潜入していて、爆弾で一気に爆殺。
生き残りも次々射殺し、
セイントのもう1人の息子には、動いたら爆発する爆弾を持たせて去る。
そして逃げようとするセイントを捕らえ、車で引きずらせる。
その頃、後方の建物では、息子が動いたらしくて爆発が。
悲鳴の中、セイントは引きずられながら多数の車が駐車される駐車場へ。
大爆発が起こり、どくろマークの形に炎があがる。
すべての仕事を終えたフランクは、銃で自殺しようとするが、思い直し、
この後も世の中の悪を戒めていくために生き続ける事を決意。
デイブが退院し、ジョアンらに連れられてアパートに戻ると、
金庫にはフランクが残した大金があった。

 と言うわけで、元FBI捜査官が家族を惨殺され、復讐をするという展開で、
「復讐ではない、戒めだ」などと大義名分をつけているが、
見ている方としては、復讐でないとあまり面白くない。
過去にも、ブロンソンの「狼よさらば」シリーズなんてのがあって
最初の内は、家族を殺されたりして復讐していたが、
途中から、殺される家族もいなくなり、
何か必然性も感じられないのに、処刑していく感じに。
こちらの方が凶悪なのではと言う気がしてきて
本作も、シリーズ化する気かどうか知らないが、続編からはつらいところがありそう。
とは言え、導入部である1作目は、
大変なヤツを敵にしてしまった的な面白さもあり、なかなか見せる。
序盤は家族を殺される展開で、ちょっとこれが長い感じ。
「何か長いなー」と思うようになった時、まだ家族は殺されていなかったので
どうなる事かと思ったが、殺されてからは割にテンポがよい。
ただ、見ていてわかりやすいのだが、
敵が1人ずつ順番に襲ってくるのは、抹殺しようとする方としてはどうかと思うし
緊迫感もさほど高まらない。
トラボルタの妻と腹心を浮気していると思わせる手口は、最初から見え見えで
「ああ、あの行動はそう言う意味か」という面白さはない。
ラテン系の殺し屋とか、ロシア人の殺し屋が出てくるあたり、
ちょっとコメディ色も出していて、路線的にどうかと思うが
クライマックスで並み居る強敵を一気に倒すあたりは面白い感じ。
トラボルタが強大な敵として、デアデビルの親分みたいに
最後に対決するのかと思ったら、意外に簡単にやられて拍子抜けだが
まあ、その前の襲撃シーンがそこそこ面白いから良しという感じ。
主演はディープブルーに出てたと言うから、たぶんサメを乗りこなせる男だと思うが
ドルフ・ラングレンと言うよりは、
クリストファー・ランバートみたいな感じでなかなか精悍。
幸薄そうなヒロインは、それにしてはスタイルがよいと思ったらX−メンのウロコ女。
ロイ・シャイダーは、善と悪のはざまでうまく動く検察官とか
主人公に協力する、それなりに過去は活躍した人物と思ったら、あっさり。。。
 

パニッシャー:ウォー・ゾーン(2008年米)

フランク・キャッスル 通称パニッシャー。処刑人
チェザレ 組織のボス
ビリー 通称ジグソウ。チェザレの手下
ルーニー・ジム ビリーの弟
ドナテッリ FBIの潜入捜査官
ドナテッリの妻子
マイクロ フランクの協力者
カルロス フランクの協力者
ソープ刑事 フランクを支援
ブディアンスキー ドナテッリの同僚(コリン・サーモン)
ミラー捜査官 FBI

 処刑人パニッシャーことフランクは、無罪になった組織のボスを襲撃。
右腕だったビリーをガラス粉砕機に落として倒す。
だが、FBIの潜入捜査官ドナテッリも死なせたと知り、引退を決意。
彼の妻に金を贈ろうとするが、拒否される。
一方、生きていたビリーは、つぎはぎの顔となり、ジグソウと名乗る。
ビリーが生きていると知ったフランクは、彼の始末を最後の仕事と考える。
ドナテッリの同僚ブディアンスキーはフランクに復讐心を抱き逮捕。
だが、ドナテッリの妻子が狙われたため、ブディアンスキーはジグソウを逮捕。
フランクは妻子を隠れ家に連れていく。
逮捕されたジグソウはFBIミラー捜査官と取引。
ロシア組織の情報を流す代わりに、フランクの情報と免責を得る。
ジグソウらはフランクの隠れ家を襲撃。報復のため、各組織の兵隊をかき集める。
だがフランクは多数の敵をものともせず、全滅させ、ドナテッリの妻子を救出。
ジグソウと対決し、槍で刺し殺す。
ブディアンスキーはフランクを見逃し、ドナテッリの妻も彼を許す。
フランクを支援していたソープ刑事は引退を勧めるが、
強盗を目撃したフランクは黙っていられなくなるのだった。

 と言うわけで、かつてドルフ・ラングレン主演で映画化されたパニッシャーは、
実はアメコミ原作で、トラボルタを悪役にして再映画化。
本作は3回目の映画化で、役者はまた変わり、出演陣の知名度は落ちたが、
前作の続きと解釈出来なくもない。
処刑人パニッシャーは、組織一味を一網打尽にするが、
潜入捜査官まで始末して後悔する。
一方、肝心の組織のボスは死んでなくて、復讐しようとしてくる展開。
パニッシャーを倒すため、他の組織に声をかけ、ギャング連合軍を結成。
その結果、パニッシャー1人でギャング軍団を全滅させると言う展開に。
その描写はあまり鮮やかとは思えず、何となく運良く生き残った感じ。
敵味方ともにパニッシャーの正体を知ってる上、
彼の行動は悪循環と言うか、負の連鎖を呼んでるようにしか思えず、
あまり正義のヒーローって感じじゃないね。

TV放送 2011/03/26 WOWOW 2200-2342
 



 「バニラ・スカイ」(2001)を見た。

 トム・クルーズが主演で、彼がキャメロン・ディアスという恋人がありながら、
ペネロペ・クルスという女性に惹かれ、それに嫉妬したディアスが
クルーズを道連れに自殺を図り、クルーズが生き延びてしまったばかりに
殺人の容疑をかけられるハメになると言う、
ヒッチコック風、ちょっとこっちにも落ち度がある、巻き込まれサスペンス
を期待して見た。
ペネルペ・クルス自身が出ている「オープン・ユア・アイズ」
と言う映画のリメイクらしい。

 「目を開けて」という声で目覚めるデビッド(トム・クルーズ)。
それは、恋人の声で録音されている目覚ましだった。
町へ車で出るが、しばらくすると異変に気づく。
タイムズスクエアは、電飾も鮮やかなのだが、なぜか人が一人もいない。
おかしいと思ってかけだすデビッド。
気がつくと「目を開けて」と言う声で目覚める。今までのは夢だったのだ。
隣には恋人ジュリー(キャメロン・ディアス)。
本当は遊びのつもりなのだが、ジュリーの方は本気だ。
今度こそ車で出かけるデビッド。なぜか夢とは車が違う。
物語は回想シーンも含めて展開。
心理学者であるカーティス(カート・ラッセル)が、デビッドに何があったのか聞く。
どうやら、彼にジュリー殺しの容疑がかかっていると言うのだ。
こんな調子で、物語は前後したり、時に夢も混ざっていたりして
かなりわかりづらい。そこがこの映画の面白い点である一方で、難点とも言える。
父の後を継ぎ出版社重役となったデビッド。後釜を狙おうとする一味もいるが
今のところデビッドには刃向かえない。
ある日、友人の作家ブライアンにパーティで、恋人を紹介される。
彼女はソフィア(ペネルペ・クルス)と言い、友人の恋人と思いつつ惹かれる。
何かにつけて、ソフィアに接近し、ソフィアもまんざらでもなさそうな素振り。
だが、この異変にジュリーは嫉妬心を燃やす。
話をつけたい等と言い、デビッドを乗せて車を走らせる。
結局、口論になってジュリーは車を暴走させ、橋の下へ墜落。

 これがもとで、どうやらジュリーは死んだらしく、デビッドは顔に深い傷を負う。
らしいと言うのは、そこらへんもはっきり語られず、ぼかされているからだ。
人に見せられない顔になったデビッドは、マスクで顔を隠すように。
だが、外へ出れば結局気味悪がられる。
心配していたソフィアらと再会するが、ブライアンとは飲み屋で口論に。
ソフィアもデビッドを選んだりはせず、デビッドは酔いつぶれて倒れる。
たびたび目の前に現れる不審な人物。彼がキーマンらしいのだが
その存在の意味がわかるのは、後半になってで、観客には特に気になる存在ではない。
やがてデビッドの顔を治療する技術が見つかり、手術で元の顔に戻る。
最初の内は、マスクをはずすのを恐れるが、ソフィアに説得されてマスクをはずし
二人は恋仲に。Hしてペネロペ・クルスはも披露。
だが、ふと気が付くと彼女はジュリーに変わっていて、その顔は血だらけの時も。
悪夢を見ているようだが、それが夢なのか、起きている時の幻影なのか
いまいち観客にはわからない。デビッドも混乱している模様だ。
ソフィアが死んだとか、殺したとかいろいろ言われたりもする。
気がつくといつも近くにいる男が、真相を語り出す。
彼は、デビッドを現実に呼び戻す役だったのだ。
実は、デビッドは、酔いつぶれた時以来、ソフィアとは会っていなかった。
あれからもう50年だかが経過。ソフィアももういない時代なのだ。
顔も実は治っていないのだ。
夢の中で、理想的な生活を続けられるサービスを受ける事になったのだが、
夢の中には、現実に戻るための役目の人物がいて、彼に頼めば現実に戻れるのだ。
何かのきっかけで、デビッドの記憶が甦り、それが混乱を招いたらしい。
カーティスはこの話を否定するが、討論する内に、
自分が実在しない存在である事に気づく。
もし望むなら、目を覚ます事もできると言われ、
デビッドは考えた末、目を覚ます事を決意。
そして「目を開けて」と言う声で目覚めると言うエンディング。
これを言ったのは誰?と言うのが、見た人の間で話題になっている点。
ジュリー説、(しかも目覚ましの声だと言う説も)ソフィア説、
そのサービスをやっている会社の女性係員説がある。

 と言うわけで、早い段階で、期待していた巻き込まれ型サスペンスとは
だいぶ違う事がわかる。
物語は、夢と現実が入り交じった感じで、何が現実で何が夢かわからない話となり
そうなれば、その入り組んだ話をどう解決するかに関心が移るが
結局、「観客の判断に任せる」と言った感じで終わりにされていて
ちょっと拍子抜け。最後に「オープン・ユア・アイズ」と言ったのは誰?とか
謎を残したままにして、監督が楽しんでいる様子だが
例えば「氷の微笑」の際も、真犯人は誰とか言って、
監督が後に、実はシャロン・ストーンだったとか発表しているが
映画の中に確たる証拠が提示されていなければ、
そんな話はどうとでもなりそうで、感心できない。
もう何十年も経過していると言う結末は、何やら「A.I.」をまた見せられたよう。
いろいろ議論しやすい映画ではあるが、期待した展開とは違い、
その意味では失望させられた。
 

ハネムーン・イン・ベガス(1992年米)

ジャック・シンガー (ニコラス・ケイジ)
ベッツィー ジャックの恋人(サラ・ジェシカ・パーカー)
トミー・コーマン 賭博師(ジェームズ・カーン)
ジャックの母 (アン・バン・クラフト)
マヒ・マヒ ハワイのタクシー運転手(パット・モリタ)
オーマン ハワイの住人(ピーター・ボイル)

 母親の遺言で結婚を禁じられたジャックは、恋人ベッツィーとの結婚を躊躇。
ようやく決断した彼は、式を挙げるためベッツィーと共にベガスへ。
有名な賭博師コーマンは、
空港で見かけたベッツィーが、死んだ妻ドンナにそっくりで驚く。
ジャックはコーマンにカードで敗れ、借金の代わりにベッツィーを奪われてしまう。
ジャックの態度に腹を立てたベッツィーは、コーマンと共にハワイへ。
あわてたジャックは2人を追うが、コーマンの手下によって足止めを食う。
ジャックに厄介払いされたと言うコーマンの話を信じたベッツィーは、
彼に求婚されて戸惑う。
再びベガスに戻るが、コーマンの強引さにあきれて逃げ出す。
ベガス行きの便が見つからないジャックは、エルビスに扮した団体の機に便乗。
一緒にスカイダイビングする羽目になる。
君の為なら死んでもいいと言うジャックにベッツィーは感激。
2人は大勢のエルビスに見守られてついに結婚するのだった。

 と言う訳で、ニコラス・ケイジのラブコメもの(?)
母の遺言で結婚するなと言われていたニコラスは、
恋人サラ・ジェシカ・パーカーとの結婚に躊躇。
ようやくベガスで結婚する事を決意するが、
サラが死んだ妻に瓜二つと気づいたジェームズ・カーンに奪われてしまう。
ニコラスのドタバタぶりが物語の中心で、
サラ・ジェシカは相手役と言うより脇役と言う印象。
大勢出てくるエルビスが面白いが、他の映画でも見た事あって、
ホントにエルビスって特別な存在なんすね。

TV放送 2015/06/07 ザシネマ 1615-1750
 

ハノーバー・ストリート 哀愁の街かど(79)

監督 ピーター・ハイアムズ

 43年ロンドン。米国パイロットデビッド(ハリソン・フォード)は
マーガレット(レスリー・アン・ダウン)と愛し合うが、彼女はすでに結婚していた。
彼女の夫ポール(クリストファー・プラマー)は、潜入作戦でデビッドと同行。
砲撃で仲間は死に、デビッドとポールは2人で親衛隊から書類を盗み出す。
辛くも逃走に成功。マーガレットの夫と気づくが、いい奴だと感じ、身を引く。

 と言うわけで、ハリソン・フォードが戦争中の不倫の恋に挑戦。
ありそうな話で、意外に簡単に身を引くのも、夫がいい人だと言うのも物足らない。
上官の大佐役に「私を愛したスパイ」の米艦長。音楽はジョン・バリー。

TV放送 96/10/24  12CH  13:00-15:00
 

ハバナ(1990年アメリカ)

監督 シドニー・ポラック

 ジャック・ウェイル ギャンブラー
 アルトゥーロ・デュラン レジスタンス幹部
 ボビー アルトゥーロの妻
 ジョー カジノのオーナー
 メノカル大佐

 58年バチスタ政権のハバナ。軍情報部は船で銃を発見。
乗員乗客を調べようとするが、
ギャンブラーのジャック(ロバート・レッドフォード)は金で解決する。
レジスタンス幹部アルトゥーロ(ラウル・ジュリア)は、
妻ボビー(レナ・リオン)が助けられたと感謝する。
さらにレジスタンス活動への協力を求められるが、それは拒否する。
だがアルトゥーロが死体で見つかり、当局は同志の名前を聞き出そうとボビーを尋問。
情勢は悪化し、ジャックはカジノのオーナージョー(アラン・アーキン)と組み、
一儲けしようとする。
さらにレジスタンスに協力するようになったボビーを説得し、彼女を脱出させる事に。
だが、ジャックは自分をCIAと思いこむメノカル大佐を脅して
アルトゥーロが生きている事を突き止め、ボビーに知らせる。
独裁政権が終わり、ボビーは夫の元へ戻り、ジャックはアメリカへ帰る。

 と言うわけで、キューバ革命を舞台にロバート・レッドフォードが
その緊迫感の中、人妻との恋に落ちるなんて話で
レッドフォードが「カサブランカ」をやりたくなったと言うような感じだけど
何だか間延びした感じであまり面白くない。
ヒロインのレナ・オリンは「蜘蛛女」とかシドニーの母とかきつめの役が多い人で
本作では最初つつましそうだったので調子が狂うが、最後は結局いつも通り。

TV放送
 

バビロンA.D.(2008年米仏英)

トーロップ 傭兵(ヴィン・ディーゼル)
シスター・レベッカ トーロップと同行(ミシェル・ヨー)
オーロラ 娘。トーロップと同行
ゴルスキー 組織のボス(ジェラール・ドパルデュー)
ノーライト教主 (シャーロット・ランプリング)
フィン トーロップの旧友
ダルクワンディエ オーロラの父

 東欧新セルビアの傭兵トーロップは、
組織のボスゴルスキーに依頼され、娘を米国まで届ける事に。
修道院にいた娘オーロラと、世話係シスターレベッカと合流。
オーロラは列車爆破を予知し回避。
男たちがオーロラを奪おうとするが何とか阻止。他の難民と共に潜水艦に。
レベッカは修道院でオーロラと出会い、娘のように育てたと言う。
ウズベキスタンでウイルス爆弾を生き延びたオーロラは、
2歳で19カ国語を話す等、不思議な能力を持つのだ。
トーロップは旧友フィンと合流。スノーモビルで移動する。
無人機の攻撃をかわすが、フィンにオーロラを狙われ射殺。
飛行機に乗り、NYへ到着。オーロラの妊娠が判明。トーロップの子供だ。
ノーライト教主にオーロラを届ければ任務終了と言われるが、
トーロップは一味に渡さず撃ち合いに。
レベッカがやられ、オーロラがトーロップを撃つ。
トーロップが気がつくと、そこにはオーロラの父と言う博士がいた。
20年前、博士は教主の指示で、スーパーコンピュータを母にオーロラを産み出した。
だが手放すの嫌がったため、ゴルスキーに奪われたのだ。
教主はゴルスキーを始末し、トーロップを追跡。
トーロップは某所にたどり着き、オーロラに再会。
彼女は新たな生命を産み、命を終える運命だった。
オーロラはトーロップに、父親になってと頼むのだった。

 と言うわけで、ビン・ディーゼルは、孤高の何でも屋みたいなキャラが似合う。
(近未来も)
そんな彼と魅力的な少女、ミシェル・ヨーの3人で旅すると言う展開は面白そうだが、
何だか少女の存在も一味の目的もよくわからず。
面白そうだけど、よくわからないと言う作品。

TV放送 2010/06/05 WOWOW 1900-2041
 



パピヨン(73)

 フランス領ギアナ。殺人の濡れ衣を受けたパピヨン(スティーブ・マックイーン)は
終身犯として刑務所に送られる。脱走の買収に金が必要なため、
ニセ金作りのドガ(ダスティン・ホフマン)を他の囚人から守る事に。
重労働をさせられたパピヨンは、乱闘のスキに脱走するが捕らわれ2年間独房へ。
ドガは食料の差し入れをするが、看守に気づかれ食事は半分に。
空腹に虫を食べるが、ドガの名前は告げず2年間を耐えきる。
パピヨンは音楽会に紛れ脱走を計画。買収での出所を期待するドガも結局同行。
島に流れ着くが、足を骨折したドガは軍に捕まる。パピヨンは現地人の村へ。
続いて修道院へ逃げ込むが、密告で逮捕され、5年間独房に入れられる。
そこを出ると島送りに。潮の流れが速いため脱出は不可能と言われている。
ドガと再会。彼はここで平和に暮らしていた。だがパピヨンは脱走の夢を捨てず
椰子の袋に乗って泳ぎ去った。その後、この刑務所は廃止された。

 と言うわけで、マックイーンが脱走する話となれば、「大脱走」みたいだが
颯爽とした感じはなく、それよりは不屈の精神、よく頑張ったと言う感じだ。
以前見た時は、もっと脱走した気がしたが、実際には3回のみ。実話らしい。
島送りを避けわざと足をケガした囚人の役にドン・ゴードン。あまり目立たず。

VHS
 

ハプニング(2008年米)

エリオット 高校教師(マーク・ウォールバーグ)
アルマ エリオットの妻
ジュリアン エリオットの友人(ジョン・レグイザモ)
ジェス ジュリアンの娘
ジョーンズ夫人 エリオットらを泊めた女性

 フィラデルフィアの高校教師エリオットは、
NYで事件があったと知り生徒たちを帰宅させる。
自己防衛本能が狂った人々が、次々と自殺し、テロが原因ではと報じられたのだ。
エリオットは、妻アルマ、友人ジュリアン、その娘ジェスと列車で移動。
フィラデルフィアも攻撃されたと報じられ、
外部と連絡が取れなくなったと、列車は小さな町で止められる。
テロは関係なく、北東部で現象が広がっているとわかり、人々は逃げ惑う。
ジュリアンは妻を探すため車に便乗するが、彼らにも影響が現れ一行は全滅。
エリオットらは農夫の車で移動するが、前方に死体を見つけ立ち往生。
同じように行き場を失った人々が交差点に集まる。
ラジオによると、異変は大都市から小さな町へ移動。
人の多くいるところで起こるらしい。
人々は2班に分かれて移動するが、もう片方の班に影響が現れ全滅。
エリオットは、植物が原因と推理。人の数に反応するらしい。
彼らは近くの家に助けを求めるが、
人を入れたくないと言う男に、一緒にいた若者たちが射殺されてしまう。
電気も通らない家に一人で暮らすジョーンズ夫人の家に泊まる事に。
だが夫人にも影響が現れて死ぬ。
エリオットはアルマに近づかないよう指示するが、彼女はこんな死に方はイヤと拒絶。
結局彼らに影響は出ず、どうやら異変は終わったらしい。
植物から神経毒が見つかったと言う者もいるが、
なぜそれが始まり、翌日に終わったかは謎のままだ。
そんな頃、今度は別の国で影響が出始めていた。

 と言うわけで、異色の作品を乱発するシャマラン監督の作品で、
今回は突然人々が自殺するが原因は不明と言う事件が発生。
テロが噂されるが、どうも違うらしく、
主人公マーク・ウォールバーグは教師ならではの論理的思考で分析。
植物に関係あるらしく、人が大勢いるところに発生するらしいなんて突き止めるが、
世捨て人みたいな老婆にも影響が現れて原因は不明のまま。
目に見える攻撃を受けた訳ではない点が疑心暗鬼を呼ぶと言う恐怖を描く。
セリフの中に、自然界の事はすべて解明された訳ではないと言うものがあり、
作品の意図が文明への警鐘にあるように感じられるが、
実は後半のそういう雰囲気が作品を安易なところに落ち着かせてる印象を与える。
テロとか巨大災害時の混乱ぶりを描くと言う意味で、
前半は悪くないので、最後まで謎のままだった方が良かった気がするが。

TV放送 2009/10/24 WOWOW 1440-1610
 

パフューム ある人殺しの物語(2006年独仏スペイン)

ジャン・バティスト・グルヌイユ (スカイフォールのQ)
バルティーニ 香水師(ダスティン・ホフマン)
ローラ グルヌイユが惹かれた女性
リシ ローラの父(アラン・リックマン)
果物売りの女

 18世紀フランス。グルヌイユは魚市場で産み落とされる。
母親は赤ん坊を捨てようとしたため絞首刑に。
赤ん坊はマダム・ガイヤールに養われるが、13歳の時に売られ、マダムは殺される。
親方にこき使われるが、グルヌイユは何万種類の匂いをかぎ分ける能力に気づく。
ある時、町へ出たグルヌイユは、果物売りの女の匂いに惹かれる。
騒がれたため口を押えて殺してしまい、
その死体の匂いをかいで、自身には匂いを保存する仕事があると悟る。
香水師バルティーニは、お使いに来たグルヌイユの匂いの能力に驚く。
グルヌイユはあっという間にライバル店の香水を再現。
親方から買い取る事にし、その後親方は事故死する。グルヌイユのおかげで店は繁盛。
だが、生き物の匂いは抽出できないと知り、グルヌイユは失望する。
グラースの町には、別の香水の製法があると知り、
100種類の処方を残して旅立つ事に。残されたバルティーニは建物が崩壊して死ぬ。
旅の途中で、馬車で通過したローラと言う女性の匂いに惹かれる。
グラースで香水の製法を学ぶが、その合間に町の女を捕えては殺害。
油を使って女たちの匂いを抽出する事に。
ローラの父リシは、美人ばかり狙う連続殺人犯を警戒。町を出る事に。
グルヌイユはローラを追い、宿屋に忍び込んで彼女を殺害。
ついに捕まり、処刑を待ち望む人々が殺到する。
だが、グルヌイユが香水の瓶を開くと人々は陶酔し、彼を天使だと言い出す。
大勢の人々が愛し合い、リシまでも逆らえなかった。
やがて人々は我に返り、別の男を処刑して事件は解決した事になる。
退散したグルヌイユは、香水があれば世界でも支配できるが
人並みに愛される事だけができないと知る。
最初に匂いを感じた町へ戻り、自らに香水をかける。
すると人々が愛してると言いながら飛びつき、やがて体はバラバラにされる。
彼は初めて愛されたが、服は持ち去られ、香水の瓶は空となった。

 と言うわけで、パフュームです。匂いをかぎ分ける天才的な能力を持つ男の話です。
生まれながらにして何万種類もの匂いをかぎわけられる主人公は
町で見かけた女性の匂いに惹かれ、思わず近づいて彼女を死なせてしまう。
彼女の匂いを再現したいと考え、いろいろ実験を進める内、
町の女を殺してはエキスを抽出すると言う作業を続ける様に。
やがて完成した香水は、大勢の人々を陶酔させるものすごい代物だったと言う訳。
マニアックと言うか、アブノーマルな人の話で理解しがたい面もありつつ
あるジャンルの天才がのし上がってく話は、割に好きです。

TV放送 2008/03/23 WOWOW 2220-0046
 

ハミルトン(99)

 ロシアの基地からテロリストが核ミサイルを奪う。
スウェーデン軍のハミルトンは、一味抹殺の指令を受け参加。全員を始末したつもりが
一人が逃げており、スウェーデンに持ち込まれたたらしい。
一味はロシアの鉄鋼会社で働いており、重役は米国人マイク(マーク・ハミル)だ。
どうやら、ホーキンスらが関与し、政府転覆の陰謀を企んでいたらしい。
だが、CIAはホーキンスを見失い、取り調べていたマイクも連れ去られる。
捜査を米国に任せれば、リビアを攻撃しかけない。
ハミルトンはリビアに潜入。PLOと協力して捜査するが、妻が人質に取られる。
取引現場を襲撃。マイクは車でハミルトンを引こうとし、地雷原で自爆。
妻は格闘で見張りを倒し、爆弾を除去していたハミルトンは、
生きていたマイクと対決。マイクは爆殺される。

 と言うわけで、ポリティカルアクションと言う感じだが、
スウェーデンの人が主役と言うのもピンと来ず、物語もちょっとわかりづらい。
マーク・ハミルもルーク以降は何だか、ちょっと悪い役ばかりのように思えるが。

TV放送 2001/08/28 BS05 2050-2257
 

ハミングバード(2012年英)

ジョゼフ・スミス 元兵士(ジェイソン・ステイサム)
シスター・クリスティナ 修道女
チョイ 中国人ボス

 アフガニスタンで戦ったスミスは、人を殺した罪悪感に耐えかね、軍から逃走する。
ホームレスとなったスミスは、金を盗ろうとする連中を返り討ち。
隠れたデイモン氏の家が留守と知り、そこで過ごす事にする。
ホームレス時代の恩人である娼婦イザベルを探すため、
炊き出しをするシスターに協力を求める。
スミスは働く中華料理店で腕っぷしを買われ、汚れ仕事をする様に。
稼いだ金を炊き出しに贈ったりするが、やがてイザベルが殺されたと知る。
犯人は客の1人らしい。
スミスはボスに犯人の情報を求め、その見返りとして、人身売買の仕事を手伝う。
シスターはアフリカへ行く事を決意し、最後の日をスミスと過ごしたいと言う。
一方スミスは別れた妻子に金を届け、犯人のいるパーティに乗り込む。
犯人マックスを屋上から落として倒したスミスは、
アフリカへ立ったシスターに手紙を届ける。
悪党を駆除し、炊き出しに食べ物を送った。
人並みに生きた夏を、君と過ごせて良かったと。
軍は逃亡兵であるスミスを発見。追跡するのだった。

 と言う訳で、ジェイソン・ステイサムのアクション作(?)。
アフガニスタン帰りのジェイソン・ステイサムは、
人を殺した罪悪感からホームレスに身を崩す。
シスターと知り合った彼は、
ホームレスに食事を与えたり、娼婦を殺した男を倒したりする展開。
決して巨悪と戦ったり、派手な撃ち合いがある訳ではないが、この雰囲気は悪くない。

TV放送 2015/020/27 WOWOW 2100-2240
 

ハムナプトラ 失われた砂漠の都(99)

 紀元前1200年。王の妾に手を出した大司祭イムホテップは、
王を殺すが妾は自殺。司祭は儀式により、妾を甦らせようとするが
衛兵に捕らわれ、極刑で生きたままミイラにされてしまう。
1923年。カイロ博物館で働くエブリンは
兄ジョナサンが、伝説のハムナプトラの地図を入手し、これを追う事に。
案内役としてリックを雇うが、ベニー一味と先を争う事に。
蜃気楼のように現れたハムナプトラへ。体内に入り込む虫や、強力な酸の仕掛け。
棺を守っていると言う男たちは、立ち去れと言うが
棺を開き、死者の書を開けると、司祭のミイラが動き出す。銃で撃っても平気だ。
ミイラは人を襲うたびに元気になり、次第に人間に近づくが、
それまでは猫が苦手らしい。ベニーらを手先に利用。
黄金の書には、ミイラを倒す方法が書かれているはずだ。
エブリンは捕らわれ、王の妾を甦らせようとするミイラの生け贄にされそうに。
黄金の書の言葉を読むと、ミイラ兵は妾を倒す。
さらに司祭はただの人間になり、刀で倒される。
トラップに触れたため、遺跡は崩壊。リックたちは間一髪脱出する。

 と言うわけで、インディ・ジョーンズシリーズが再開しないので
制作者が自分で作ったと言う作品だが、元ネタは戦前の「ミイラ再生」。
たしかに、似てる部分もあるが、間違っても冒険活劇ではない。
インディに比べると、アクションよりもCGの方がメインに感じられるのと
ジャングル・ジョージの印象の強いブレンダン・フレーザーが
どうもヒーローに見えないのが難。

TV放送 2000/12/25 BS05 2000-2210
 



ハムナプトラ2 黄金のピラミッド」(2001)を見た。

 ハムナプトラと言うのは、その製作者が、
インディ・ジョーンズの続編がなかなか出来ないので、自分で作ったと言う作品で
確かにそんな感じの作品に出来ているのだが
実は戦前の「ミイラ再生」のリメイクと言う形になっている。
ミイラ再生はボリス・カーロフが出ている怪しい映画だったが
ハムナプトラの1作目はミイラが蘇るあたり以外は似ても似つかず。
主役はブレンダン・フレイザーで、
「ジャングル・ジョージ」の間抜けな役にしか見えず。
彼と古代学者のレイチェル・ワイズ、さらにその兄ジョン・ハナの3人が
封印されていたミイラのイムホテップを蘇らせてしまい
そのために大騒ぎになると言う話。
古代にイムホテップは王に仕えていたが、王の妾を奪うため王を殺害し
その罪でミイラの刑にされてしまっていたのだ。
続編でもこのメンバーが再登場し、さらに主演二人の子供が登場し
さらなる強敵スコーピオン・キングと言うのが登場。
物語自体は繰り返しのような気もするが、まあ見てしまえ。

 冒頭は5000年前。スコーピオン・キングと言う男が、世界征服をたくらむが
戦いに敗れ全滅。砂漠をさまようスコーピオン・キングは
悪魔に魂を売る事を約束すると、そこにオアシスが突然現れ、永遠の命を得たと言う。
しかし、5000年前には、世界と言ってもかなり範囲が狭かったはず。
軍勢も妙に人数が多いが、こんなに人が集まるわけないと思うと
CGにしか思えず、かえってしらける面も。
時代を古くして、伝説をでっちあげるのは別にいいんだが、
あまりにもウソっぽいのはいただけない。
時は流れて1933年。リック(ブレンダン・フレイザー)と
エヴリン(レイチェル・ワイズ)がハムナプトラから生還して8年。
今では結婚し、息子アレックスもいる。
彼ら3人がエジプトで秘宝探すが、前作と同様、後先を考えずに乗り込むタイプ。
その頃から、エヴリンは何やら幻覚を見るようになり
秘密の扉とかを次々と当ててしまう。だが何かの秘宝を見つけると
仕掛けにはまって水が流れ込み、大変な目に。このままではおぼれ死ぬ。
一方、入り口で待機していたアレックスは、秘宝を狙う一味に襲われていた。
だが、アレックスの機転で、石像が次々と将棋倒しになり
(まるで前作の図書館のシーンのように)
最後の石像が壁を崩すと、中から水があふれて、リックらも無事脱出する。
一味がどうなったか、それは見てからだいぶたったので覚えてない。

 リックらは家のあるロンドンへ帰宅。
見つけたのは、スコーピオン・キングの残したと言う伝説のブレスレットだ。
これを利用すると、幻のオアシスにあると言う黄金のピラミッドの
場所を教えてくれると言う。
だがスコーピオン・キング自体が伝説で、実在したかも怪しいのだ。
しかし、前作で助けてくれた守り人のアーデス・ベイがかけつけ、
金には弱いが、当てにはならないエヴリンの兄ジョナサンも現れる。
イタズラでブレスレットをつけたアレックスは
目の前にものすごい映像が現れ、ピラミッドへの行き方を目にする。
おまけに、これは取りはずす事ができないのだ。
そうこうしていると、このブレスレットを狙う一味が現れる。
撃ち合いとかになって逃げる一同。またもミイラが現れて追われるハメに。
愛車は壊されたかして動けず、仕方がないのでロンドン名物の二階建てバスに。
リックが二階。その他が一階で、追ってくるミイラ軍団を撃ちまくって撃退。
何せCGだから、壁とかも平気で走ったりする。
乗り込んできたミイラとリックが格闘。
バスの行く手にはトンネルがあり、二階部分が吹っ飛び、ついでにミイラも吹っ飛ぶ。
リックは伏せていて難を逃れる。
このアイデアは「007/死ぬのは奴らだ」のパクリだが、
主人公が二階にいる分、やや迫力は増すが、パクリはしょせんパクリだ。
難を逃れて一安心するが、スキを見てアレックスが一味にさらわれてしまう。
実は、英国博物館の館長は、前作の敵イムホテップを崇拝しており
イムホテップの恋人アナクスムナンの生き写しと言えるミラと言う女性と手を組み
まずイムホテップを甦らせ、スコーピオン・キングの力を利用して
世界を征服しようと企んでいたのだ。
最初はミイラ風だが、次第に人間のようになっていくイムホテップ。

 アレックスはブレスレットをつけてしまったため、3日だかの間に
黄金のピラミッドに行かないと死んでしまう。
イムホテップ一味のねらいもピラミッドとあれば、
ピラミッドに向かうしかないと後を追う事に。
捕らわれたアレックスは、各地にスキを見て目印を残すシーンもあり。
途中で見張り役の男に見つかってしまい、この男が強敵なのかと思えば
意外に早めにミイラか何かにやられて死ぬ。
もう一つ記憶に残るのは、アレックスが列車のトイレから逃げるシーン。
垂れ流し式なので、簡単に飛び降りられるのだが、結局捕まってしまう。
その間に、イヴリンが捕らわれて、怪しい儀式にから助けるシーンもあった。
火の中からリックが飛び出すんだが、どういうつながりだかは忘れた。
実はイヴリンは、アナクスムナンとライバルだった王の娘の生まれ変わりだったのだ。
幻影に思えたのも、その頃の記憶が甦ったのだった。
そんな事が、どういう順番だったか展開し、
リックは旧友イジーの気球で、わざわざ断崖の間をすり抜けて追跡。
ピグミーミイラと言う、小さなミイラに襲われるがこれを振り払い、
さらに魔法で、断崖の間を洪水が迫り、これのおかげで墜落したはず。
だが修理可能な程度の損害で、イジーにまかせてついに見つけたピラミッドへ急ぐ。
夜明けは寸前で、もう明るくなっているが、アレックスは平気。
いわゆる日の出時間まではいいらしい。
あわててリックはアレックスを抱えて、ピラミッドに滑り込みセーフ。
まてよ。と言う事は、いつの間にか、リックはアレックスを取り返していたのか?
たぶん、もうピラミッドの場所がわかったからお役ご免と言う事で捨てられたか。
一方、アナクスムナンの霊が甦り、ミラに乗り移る。
アナクスムナンは、かけつけたイヴリンを撃ち、イヴリンは死んでしまう。
リックらはピラミッドの中へ。英国博物館の館長は、ここで何かの罠でやられる。
足下のあやしい岩場には、巨大なサソリとなったスコーピオン・キングがいた。
岩場の下は地獄のようになっていて、下にはピグミーミイラか何かがウヨウヨ。
一方、アナクスムナンは、イヴリンと対決していたような記憶もあるが
イヴリンは死んでいたはずなので、兄ジョナサンだったかも。
だけど、どこかで魔法でイヴリンは甦るので、もう甦っていたかも。そこらは怪しい。
スコーピオン・キングの心臓を矢で射た者は、何でも願いがかなうと言われるが
強敵そうなので、イムホテップはリックに戦わせて、漁夫の利を得ようとする。
スキを見て矢を射るが、リックが飛びついて矢を阻止。
イムホテップは岩場から落ちそうになり、アナクスムナンに助けを求めるが
怖くなったアナクスムナンは見捨てて逃走。観念したイムホテップは落下して死ぬ。
ついにスコーピオン・キングを倒したリックが、「戻れ」と言う。
その頃、外ではアーデス・ベイの軍隊と、
犬みたいなミイラ軍団がそれぞれすごい大軍で対決していたが
ミイラの方が遙かに数が上で、もう歯が立たないと観念していた頃。
だが、リックの声と共に、周囲のオアシスやらミイラやらが吸い込まれて消えていく。
アーデス・ベイらは大喜び。一方、リックらはあわててピラミッドから脱出。
確か、アナクスムナンは虫にやられて死んだはず。
危機一髪、かけつけたイジーの気球に飛び乗り、
兄ジョナサンはピラミッドの頂上にある宝石か何かを回収して帰還したはず。

 と言うわけで、前作もそうだったのだが
大勢の人や嵐の派手なシーンは、どう見てもCGと感じさせてしまい、
あまり感心はできない。やはり昔の特撮の方が味があったし、妙にリアルだった気も。
人が多いシーンも、ものすごい数のエキストラがいたりすると感心したが
CGで何万人集まったとか言われても。
そう言うところを気にしなければ、インディ・ジョーンズの系統でそこそこ楽しめる。
まあ、調子の良い展開はお約束で、先も読めてしまうので
面白いと言えば面白いが、記憶に残ると言うほどでもない。
 



久々の新作「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝」(2008年)を見た。

リック・オコーネル 元冒険家。(ブレンダン・フレイザー)
エブリン・オコーネル リックの妻。歴史家。(マリア・ベロ)
アレックス・オコーネル リックの息子。歴史家。
ジョナサン・カーナハン エブリンの兄。(ジョン・ハナ)
シー・ホワンディ 中国古代の皇帝。(ジェット・リー)
ミン・グオ 皇帝の家来。皇帝に処刑される。
ツイ・ユアン 妖術師。ミン・グオと恋仲に。(ミシェル・ヨー)
リン 秘宝を守る謎の娘。実はツイ・ユアンの娘
ヤン将軍 皇帝を復活させようとする。
女兵士 ヤン将軍の部下。
ウイルソン 博物館館長。アレックスの恩師
マグワイア リックと親しいパイロット

 ハムナプトラって、もともと「ミイラ再生」と言う映画のリメイクで
インディ・ジョーンズがなかなか復活しないので、製作者が自分で作ったと称する物。
と言うくらいだから、ミイラは出るけど、基本はインディ風活劇。
邦題は前作でミイラが住んでた都市の名前だけど、
今回の舞台は中国だから、実はまったく関係がない。。。
2作目まで作ってしばらく間が空き、本家インディが復活するも、
何か同窓会みたいで感心しない出来。
一方、こちらもインディほどではないがしばらくぶりの復活で
ブレンダン・フレーザーは継続だが、何かHなレイチェル・ワイズが降板。
小僧だった息子も急に大人になってるし、シリーズとしてどうかと言うところもあるが
悪役はジェット・リーだし、そもそもインディほど志が高くない分
逆に面白いんじゃないかと思って見た。

 冒頭は古代中国。万里の長城とか作ってるから秦の始皇帝の時代?
死んだ者は埋められ土台にされていると言う。
国王シー・ホワンディは強大な権力を持つが、老いは防げず、
不死の力を得るため女妖術師ツイ・ユアンを呼ぶ。
彼女は不死について記された書物を探すと言い
王は用が済んだら、彼女を自分のものにしようと企んでいた。
だが、彼女は書物探しを協力する事になった腹心ミン・グオと親密に。
それを知った国王は、ミン・グオを処刑。
妖術師は国王に呪いをかけて退散する。

 そして時代は流れ20世紀。第二次大戦が終わり、平和な日々に。
リックらの息子アレックスは、恩師ウイルソンと共に中国国王のミイラを見つける。
そこに謎の娘が現れ、妨害しようとする。
 一方リックは釣りして過ごすがどうもしっくり来ない。
妻エブリンは、自らの体験を小説にしてヒットするが、
平和な日々に続編が書けないでいる。
そんな中、夫婦に宝を届けるため上海に行ってほしいという依頼が。
夫婦は刺激を求めてこの依頼を受ける事とする。
 夫婦は上海でエブリンの兄ジョナサンが経営するバーへ。
息子アレックスは学業にいそしんでいるはずだが、ここで大立ち回りしていていた。
リックとアレックスは険悪な感じで、エブリンは心配する。
アレックスは見つけたミイラを見せるが、そこへ中国軍のヤン将軍らが現れる。
実はアレックスの恩師である博物館長は、将軍と通じていて
共にミイラを甦らせようとしていた。
それに必要なのが、リックらが持ってきた宝の中の液体なのだ。
発掘現場にいた娘もかけつけ、これを阻止しようとするが失敗。
国王のミイラは甦り、馬車に乗って上海の路地を走り回る。
これを追うリックやアレックスら一同。
花火とか爆発させ大立ち回りするが、結局逃げられる。

 ヤン将軍一味は、ミイラを復活させるため伝説の都市シャングリラへ行くはずだ。
ならばと、酒場にいたパイロットのオンボロ飛行機に乗り急行する事に。
国王のミイラを止めるためという目的が一致し、娘リンも同行する事に。
雪原に不時着して崖ギリギリで着陸。ここから歩いて寺院へ。
ここで追ってくる国王一行を待ち伏せする事に。
寺院へ行く道は吊り橋だけなので、とりあえず橋を壊せばいいはずだがそうはせず
橋を渡って追ってきた一味に押され気味。
こうなったら寺院を爆破するしかない。(気づくのが遅い)
リンは助けを求め、現れたのは何と雪男イエティ。その怪力で一味を投げ飛ばす。
撃ち合いの末、アレックスを助けようと撃たれるリック。
爆破で雪崩を起こし、国王一味を抜き飛ばし、
リックらはイエティが覆い被さって難を逃れる。
 だが負傷して危険な状態のリック。ケンカしていたアレックスも心配する。
リックを助けるには、シャングリラの不死の力しかない。
リックをタンカで運んで山を登る一行。その果てに草原の広がる天国のような場所が。
そこがシャングリラだった。そこには娘の母が。それこそがかつての妖術師だった。
この母娘は不老不死で何千年も生き続けていたのだ。
母が霊水をかけると、リックの傷はたちまち回復。
ただし、不老不死になったりはせず、傷が治っただけ。父子の中も回復。
 やがて国王一味が迫り、決戦の構えに。
妖術師はミン・グオのミイラと、長城に埋められた兵士たちのミイラを復活させる。
国王のミイラ軍とCGフル活用の大激突に。
妖術師も不死の命を捨て国王と戦うが、敗れて命を落とす。
国王はいろんな怪物に変身して暴れ回るが、
結局神殿みたいなところでリックらと対決。
将軍は腹心の女兵士と共に水車みたいなのに挟まれて死ぬ。
リック親子は二手に分かれ、急所?を攻撃して倒す。
無事一件落着。アレックスは普通に歳をとるようになったリンとラブに。

 と言うわけで、冒頭は今から何千年も昔の中国の話で、
国王は、力を手に入れようと雇った妖術師を気にいるが、
家来が彼女と親密になり、怒って彼を始末。しかし自らも呪いをかけられると言う話。
この国王がジェット・リーだが、何か小柄の彼は雰囲気じゃない感じ。
まあ映画の中で顔を出してるシーンは意外に少ないけど。
第2次大戦が終わり、冒険から足を洗い、物足りない日々を送るブレンダン夫妻。
やはり奥さんの女優が代わったのは痛手で、別の映画を見てるみたい。
一方、息子は歴史家となり、中国国王のミイラを発見する。
ブレンダン夫婦や義兄もまじえて、ちょっとお約束の家族ドラマ風展開もあるが
基本はドタバタのアクション。
将軍の部下で、顔に傷のある女士官がちょっと魅力ある感じ。
パンフにも載っていないけどモデルさんらしい。
国王は上海の路地みたいな所で大暴れしたりするが、
パワーがあるはずなのにどうもスケールが小さい。
一行は国王が永遠の命を手に入れるのを阻止するため、伝説の都市シャングリラへ。
途中の寺院に立てこもるが、あっという間に追いつめられる。
寺院へ通じる唯一の道は吊り橋なので、とりあえずこれを壊せばいいと思うのだが。
そんな彼らを助けたのが何とイエティ。
ミイラとイエティではジャンルが違う気もするが、もう何でもアリだ。
撃ち合いで負傷したブレンダンを助けるため一行はシャングリラへ。
そこでは妖術師がまだ生きていて、ブレンダンを助けるが
不老不死になったりはせず、ただ傷が治っただけ。
ついに国王一味と、よみがえった家臣一味のミイラ同志がCGで大激突。
国王はいろんな怪物に変身する能力を持つが、お約束の弱点があって。。。
まあ物語はお約束で、ご都合主義で、粗いところもあるけど
派手な見せ場であきさせず、志が高くない分、変な失望感は少ない。
 

ハムレット(90)

 デンマーク。ハムレット(メル・ギブソン)は父王を失い、
伯父が母(グレン・クローズ)と結婚して王に即位した事に反感を覚える。
見張りが前王の亡霊を見たと聞き、ハムレットも見張りに。
現れた王は弟に毒殺されたと告げ、ハムレットは復讐を決意する。
彼は奇怪な行動したり、父殺害を劇にして伯父の反応を見る。
伯父が犯人と確信し、母に説明。危険を感じた王は彼をイギリスへ。
ハムレットは自分を処刑しろと言う文書をすり替え、同行者が処刑される。
恋人オフィーリアは気がふれて死に、兄レアティーズは復讐心を燃やす。
王は毒殺を計画。舞い戻ったハムレットとレアティーズは剣で戦う事に。
ハムレットの優勢に母は喜び杯を飲むが、毒のために死ぬ。
ハムレットも毒の剣を受け、王を殺害。真相を伝えろと言い残して死ぬ。

 と言うわけで、シェークスピアの悲劇も意外に展開は単純。
奇怪な行動をとったり、オフィーリアの気がふれる部分がわかりづらい。
メル・ギブソンとグレン・クローズが母子と言うのも無理がある気が。
音楽はエンニオ・モリコーネ。

TV放送 94/11/05  BS11  19:30-21:37
 

ハムレット(97)

監督 ケネス・ブレナー

 デンマーク。ハムレット(ケネス・ブレナー)は、父王が死に
叔父が跡を継いだ事に反発。母ガートルードの心変わりにも不満だ。
そんな中、父の亡霊に会い、弟である現国王に毒殺されたと聞かされ復讐を決意。
ハムレットの奇行が叫ばれ、恋人オフィーリアの父である大臣ボローニアスは、
身分不相応と娘にハムレットと別れさせた事が原因ではと考える。
ハムレットは劇団の芝居で、毒殺の事を演出。国王の動揺から、真実だと確信する。
母の心変わりを責め、隠れた男を国王と思い殺すが、それは大臣だった。
ハムレットを危険視する国王は、使節として英国へ追い払う。
ショックのオフィーリアは気が触れて溺死。兄レアティーズは復讐を誓う。
ハムレットは英国へ行かず舞い戻り、国王はレアティーズと組み毒殺を計画する。
レアティーズは和解したと見せ、ハムレットと剣で勝負。
意外な優勢に喜ぶ母は、毒杯を飲んで倒れる。戦う内、剣が入れ替わり互いに傷つく。
改心したレアティーズは王の計画を告げ、ハムレットは毒杯で王を倒す。
領土を取り戻そうとするノルウェー王子に王位を譲り、ハムレットは死ぬ。

 と言うわけで、シェークスピアづいたケネス・ブレナーのハムレット。
物語の方は、メル・ギブソン版と同じだが、やや長め。ちょっとまだるこしい感も。
豪華キャストが見物。王の亡霊を見た見張りのマーセラスに、ジャック・レモン。
劇団の座長にチャールトン・ヘストン。オフィーリアはタイタニックの人。
オフィーリアの墓掘りはビリー・クリスタル。
国王の使いはロビン・ウイリアムズ。流れ弾で死ぬ。
英国特使はリチャード・アッテンボロー。

TV放送 99/09/04 BS05 12:00-16:15
 

バラ色の選択」(93)を見た。

 これは、マイケル・J・フォックス主演で、
彼自身の「摩天楼はバラ色に」の焼き直し的作品と言われている。
あれは、マイケルが持ち味の要領のよさを生かして、
大企業のメールボーイから重役にのし上がる話だったが、
今回は、ホテルマンが成功か恋かに悩む話らしい。
ま、結局の所、ありがちな話で、彼自身もそう言うのに出ていたりするわけだが
こういうのは、お約束と言えども楽しめるわけだから、見てしまえ。

 ダグ(マイケル・J・フォックス)は、高級ホテルの接客係。
高級車の中で電話で、株だかを売買する姿を見ると、大物のようだが、そうではない。
実は、ホテルの得意客で、みるからにマフィアのサルバトーレ氏のお使いだ。
顔の聞く彼は、ダイヤを見立てて、それをサルバトーレの恋人に贈らせる。
もちろん、チップが目的で、これがバカにならない収入となるわけだ。
老ポーターのミルトンは、一度に大量の荷物を運ぶ事を自慢としており、
おかげで時間がかかってしまう。支配人はクビにしようと言うが、
ダグは支配人の長時間の私用電話を持ち出して、クビを思いとどまらせる。
ダフ屋みたいな連中から、「ミス・サイゴン」や野球のチケットをかき集め、
ケンカ中の夫婦に、夫からのプレゼントと称して贈ったりもする。
中には、小額のチップしか払えない者もいるが、そんな場合は遠慮する。
気の聞く人物として、ホテルのみならず、界隈でずいぶん有名のようだ。
彼が狙っているのは、香水係のアンディ。
客に香水を買ってきてと言われ行くと、なかなか決められないおばさんに困っている。
そこでダグは1つを選び、襲いたくなるほどだ等とおだて、さっさとおっぱらう。
しかし、アンディはそんな彼に感謝しながらも、デートの誘いは拒否。
なぜなら、恋人がいるからだ。
ダグは、その人物には奥さんがいるだろうと言うが、アンディは独身だと否定する。
サルバトーレの所へ、見るからに危なそうな連中が、何かのケースを持って現れる。
やばいと感じたダグは、あわてて電話するが、答がない。
急いでかけつけると、男たちはケースからバイオリンを取り出し、
誕生日の歌を歌い始めた。ホッとしたダグは、宿泊料をタダにするサービス。
そんなやり手のダグも、実は安アパートで寂しい生活を送っていた。
だが、彼には自分のホテルを持つという目的があったのだ。
1人寂しくTV「モンスターズ」を見るシーンがあるが、
この作品の監督は、映画「アダムスファミリー」の監督で、
TV「アダムスファミリー」とTV「モンスターズ」は同時期の似た作品であるので
ちょっとしたシャレと言う事か。

 彼はこっそり、ホテルの空き部屋を友人たちに貸すと言う副業をやっていた。
それと言うのも、彼の目的であるホテルを手に入れる件で
力になってくれるかも知れない実業家クリスチャンを紹介してくれると言うからだ。
そしてついに、クリスチャン(アンソニー・ヒギンズ)と会う日が来る。
彼にホテルの計画を説明。ダグが買い取ったルーズベルト島にあると言う古い屋敷を
ホテルに改築し、最高の装飾品や商品を揃えようと言う構想だ。(安直な構想だ)
チップ等をかき集め、恋人も作らず、ただこれだけのために金を集めた。
すでに、いくつかの許可は得ていると言う。後は資金が必要なのだ。
企画書を見せろと言われ、ダグは大喜び。
恋人とHするから、部屋へ案内しろと言われ、そこへ現れた女性はアンディだった。
ショックを受けるダグだが、クリスチャンを怒らせるわけにもいかない。
複雑な思いで、彼は部屋を去った。
クリスチャンは引き上げるが、アンディはなかなか部屋から出てこない。
掃除係のおばちゃんは、バラすぞと脅迫するので、野球のチケットでなだめる。
イヤリングだかを探すアンディを連れ出すが、彼の皮肉った態度にアンディは怒る。
妻はいないはずと言うと、会った時はそう思ったと言う。
エレベーターの中でも口論になり、アンディは非常ベルを鳴らしたりする嫌がらせ。
誰の相手をしようと勝手でしょと言うわけだが、やっぱり複雑だ。

 ダグは、客の1人が、ホテルで高い時計を買おうとするので、止める。
近所の安売りの店で、何千ドルも値切れると言うのだ。
柄の悪い店へ行くと、そんなに引けるか等と悪態をつきながら、
結局店員はずいぶん負ける。
実は、それでもこっそりダグに金を渡すほど儲かっているのだ。
ダグはミルトンにこの時計を宅配便で送らせる。
ダグの前に、国税庁のドランクウォーターなる人物が現れる。
彼は、ダグの所得に申告漏れがあるのではと、疑問を抱いているのだ。
クリスチャンは、妻と別荘へ行くため、アンディとの約束を守れなくなる。
彼女がナイトクラブで歌うのを聞くと言う約束だ。そこで代理に、ダグをやる。
アンディの歌はあまりうまくなく、客にも受けない。
彼女はオフオフブロードウェイで1日だけ歌ったと言う芸歴。目標は歌手なのだ。
ダグは拍手するが、アンディは無視状態。
それでも仕事だから近づき、伝言があるとしつこく説明。
仕方がなく、ダグで相手する事に。しかし、おもりをつけるような扱いに不満だ。
いやだいやだと言いながら、何かいろいろとダグとアンディの絡みがあった気がするが
何があったかとか、どこの場所でかとかは、ずいぶん忘れてしまった気がする。

 アンディに、クリスチャンが1人で別荘に行ったような事を言ったため、
翌日、アンディは慰めるとか称して、別荘に連絡して出かけてしまう。
だが、クリスチャンは結婚祝いで大勢の客を呼んでおり、彼女が来ると困るのだ。
あわててダグは、友人の友人だかのコネを利用して、ヘリをチャーター。
アンディが来る前にかけつける。
アンディに似た後ろ姿の女性の肩を叩き、一緒に帰ろう等と言ったため
その女性は変態だと騒ぎ出す。
アンディが現れ、ダグは離婚パーティだ等といい加減なウソをつく。
ホテルの客である女性を、奥さんだと説明。
私のせいですみません等と言うと、その女性は夫の浮気と思いこむ。
夫はダグのウソに怒るが、別の夫婦の浮気をごまかすためと次から次へとウソをつく。
そして、アンディを部屋へ閉じ込めさせ、
その間にクリスチャンから逃げるための車を借りる。
(アストンマーチンを貸してと言ったが、後で乗った車にはベンツマークがあった)
アンディの部屋には、世界的なデザイナーのジュリアンが。
国税庁のドランクウォーターが現れたり、変態呼ばわりする女性に追われたり
収拾のつかない状態で、ベランダから飛び降りたり大変だ。
アンディはジュリアンと意気投合して飲みまくり、ダグは強引にかついで連れ出す。
その部屋へ、夫たちの浮気相手がいると信じた妻たちがなだれ込み
典型的なデザイナーと言う事で、オカマに描かれてるジュリアンを見てびっくり。
妻たちは夫の浮気に嘆くが、みんなはいいわよ、私の夫は男とよと叫ぶ者も。
ダグらは車に飛び乗るが、ドランクウォーターが現れ、化けの皮をはいでやると言う。
アンディは、ダグの話がほとんどウソと知って怒る。
すべてクリスチャンの機嫌を取るためと知った、なおさら軽蔑。
パックを奪って、人質ならぬ物質にして、彼女の家のトイレを拝借。
妻と別れると言いながら、なかなか別れないクリスチャンの態度に頭に来たアンディは
荷物をまとめて出ていくと言う。
あわてて、ダグは、離婚は時間の問題と取り繕う。
クリスチャンからも電話がかかり、出ようとしないアンディに代わってダグが出る。
ダグはクリスチャンに、何と取り繕うかと聞かれ、アドバイス。
それをそのままアンディに話し、アンディは出ていくのをやめる。

 不本意ながらアンディとクリスチャンの仲を取り持つ羽目になるダグは、
アンディのおもり役を断ろうとするが、ホテルの件を持ち出され、またも呼ばれる。
クリスチャンによれば、どうやら実現しそうだと言うのだ。
クリスチャンとの夕食までの間、仕事があるので、相手をしてやってくれと言う。
またまたダグが現れたので、アンディはおもりは不要と断る。
しかし、クリスチャンの助けを受けないわけにはいかず、さんざん説得。
自分のために、私を利用しているのね等と言われて反論もできないが、
結局、クリスチャンとのイタリア旅行用のカメラが欲しいと言われる。
そこで、例の安売りの店で買わせたり、
大きな場所で歌ってみたいと言われれば、野球場の真ん中で国家を歌わせたり。
自分の顔の広さを利用して、どんな希望もかなえると豪語する。
アンディは、ダグ自身の夢はと聞くと、彼はホテル用地の古い屋敷へ連れていく。
ホテルを持つ事が自分の夢。彼は楽しそうに語る。
この夢を実現させるために、金をけちり、恋人も作らなかったのだと。
時間が来て、アンディは待ち合わせのバーへ行くが、
ダグは、仕事をしているはずのクリスチャンが、妻と食事しているのを見つける。
遅れてきそうだと言って、アンディとワインを飲む事に。
そこでダグが服を仕立てた老夫婦に会う。
夫が似合わない服を買ったため、妻は近寄ろうとせず困っていた。
そこで、ダグは夫とアンディにダンスをさせる。妻を嫉妬させるためだ。
夫は、アンディにあんたは幸せだと話す。ダグのようないい奴と一緒でと。
友人でも何でもないわと反論。彼の目的はチップだけよと言う。
すると、夫は、彼は親身に世話してくれた。思いやりがなければできない事だ。
ダグは、ピアニストに夫婦の結婚記念日だと話させ、感激した妻と夫は仲直り。
思わず、ダグを見直したアンディは、クリスチャンに気兼ねは不要よとダンスする。
次第に気持ちが高ぶり、思わずキスしそうになった時、
クリスチャンから電話がかかってきた。
ホテルへかけつけると聞き、ダグはあれはなかった事にと言う。
しかし、アンディは何か不機嫌で、何もなかったと怒る。
思わず花瓶を投げたりする怒りかたで、現れたクリスチャンも困惑。
ダグは去るが、何か心残りして、思わず非常ベルを鳴らす。

 デザイナーのジュリアンの発表会があり、ダグは呼び出される。
企画者のクリスチャンは、ダグに契約書を渡す。
ただし、国税庁ににらまれているため、名義はクリスチャンにすると言う。
ダグはこれに承諾。ついでにする会話で、クリスチャンに離婚の気がないと知る。
3回目の結婚だと言うのに、離婚する事などない。
では、アンディをだましているのかと言うと、君には関係ないと言う。
そうとは知らないアンディは、結婚直前のイタリア旅行になると信じきっている。
発表会の会場前から、2人は旅行のため空港へ車で向かう事に。
その前に、何者かとクリスチャンと話しているのを見て、誰かが気になるアンディ。
意を決したダグは、契約書を破り、ホテルへ駆け込む。
そして、例のカルバトーレ氏に恩を着せ、トラックを用意してくれと頼む。
続いて、タクシーを呼ぶが、渋滞でピクリとも動かない。
そこで、馬車用の馬を借用し、歩道をかけぬける。
一方、サルバトーレの会社のトラックが道をふさぎ、クリスチャンらは立ち往生。
警官がトラックを移動させるが、アンディは例の人物が国税庁の男と気づく。
つまり、クリスチャンはダグのホテルの企画を気に入り、
その土地の所有権を得るため、ドリンクウォーターを利用したのだ。
アンディは、それではダグの夢はどうなると怒って、車を降りてしまう。
追おうとするが、渋滞になっていて、戻れないクリスチャン。
馬が休憩してしまったダグは、自転車と交換してかけつける。
道路をはさんでアンディを発見。互いにだまされている事を説明。
2人は結婚する事に。かつての客から電話があり、時計が届かなかったと言う。
その代わり、ホテルの企画書が届き、気に入った彼は出資すると言う。
なぜ時計の代わりに企画書が届いたのか、
老人ボケのポーター、ミルトンが取り違えたおかげだった。

 と言うわけで、「アダムスファミリー」の監督が監督と言うので、
日本人にはあまり受けないギャグが目白押しなのではと言う不安があったが
たしかに、そう言う部分もちょっとあったものの、
全体的はお約束的なハッピーエンドものでよかった。
ホテルか恋かを選ぶ羽目になり、恋を選びながら、
結果的にはホテルも手に入れるだろうと言うのは、ある程度予想がついた。
自らの好きな女性が、他の男性とうまくやるのを取り持たなければならないと言う
「大人の恋」的な雰囲気が気に入ったが、
これは「アパートの鍵貸します」と言う作品のいただきだったらしい。
ラストの老ポーターのボケでハッピーエンドになると言うのもいいが、
この手のサクセスストーリーにしては、展開のうまさを感じさせられない。
 

バラキ(1972年伊仏)

ジョー・バラキ (チャールズ・ブロンソン)
マリア バラキの妻(ジル・アイアランド)
マランツァーノ ボス(ジョセフ・ワイズマン)
ルチアーノ その次のボス
ヴィト・ジェノベーゼ その次のボス
マッセリア マランツァーノに敵対するボス

 30年。刑務所を出たバラキは、マランツァーノのところで働く事に。
最初は運転手だったが、やがて殺しに参加するようになる。
敵対するマッセリアの手下を次々始末し、最後にはマッセリアを殺害。
31年。マランツァーノが殺され、黒幕であるルチアーノが新しいボスに。
レイナ夫人の所へ身を隠したバラキは、その娘マリアと親密になり結婚する。
結局ルチアーノの下で働く事になるが、彼が逮捕され30年の刑に。
その手下ジェノベーゼがボスとなる。
57年。バラキは足を洗おうとしていたが、
警察に店を営業停止にされたため、やむなく麻薬の仕事に参加する。
ジェノベーゼが麻薬売買の罪で逮捕され、続いてバラキも逮捕され15年の刑に。
63年。バラキは公聴会で証言する事になるが、組織に口封じさせる事を恐れる。
首吊り騒ぎを起こすが生き延び、FBIはジェノベーゼより長生きさせると誓う。
バラキは7年間独房にいて心臓発作で死ぬ。
ジェノベーゼも獄死したが、それはバラキよりも半年前だった。

 と言うわけで、ブロンソンによるギャング実録もの。
バラキなんて名前なので、冷酷な殺し屋を連想するが、実際は割に下っぱ。
彼は実在の人物で、何人かのボスの手下として、それなりに出世。
結婚を機に足を洗おうとするが、逮捕されてしまう。
FBIは内情を知る人物として証言を求めるが、
組織の手が刑務所内にも及ぶと言う訳。
展開はありがちで、バラキ自身は組織の駒だった事もあり、
見せ場的にもあまり派手にならず。バラキ以外の名前の区別がつかないのも難。

TV放送 2013/12/14 WOWOW 2315-0120
 

パラサイト(99)

監督 ロバート・ロドリゲス

 いじめられっ子のケイシー(イライジャ・ウッド)は校庭で奇妙な生物を発見。
新聞部部長デライラと職員室に忍び込むが、そこで教師プランメルの死体を発見。
さらにフットボール監督(ロバート・パトリック)が
女医ハーパーを襲い、その耳に何かの生物を入れるのを目撃する。
ケイシーは警察を呼ぶが、証拠はなく狂言だと言われる。どうも警官も怪しい。
さらに生徒が集められ、次々と何かをされている。
デライラと仲間を集め、フットボールチームの元主将スタン、
女生徒ストークリー、転校生メアリーベス、麻薬を売っているジークが仲間に。
SF好きのストークリーは、エイリアンの侵略ではと言う。
怪物化した教師ファーロングに襲われるが、麻薬の注射を刺すと泡を吹いて死ぬ。
生物は人間の体を利用して水分を摂取。ファーロングは麻薬の利尿効果で死んだのだ。
そこで敵を見分けるため全員が麻薬を吸い、デライラが生物と判明。逃げられる。
生物はどんどんと仲間を増やすが、ボスを倒せば増殖は防げそうだ。
ケイシーらが監督らを追う間、メアリーベスが怪物に変身。彼女がボスだったのだ。
ストークリーも寄生され、ジークが負傷。唯一残ったケイシーが対決。
ロッカー室を追い回された末、麻薬を注射して怪物を倒し
寄生されていた生徒たちも回復する。

 と言うわけで、吸血鬼アクションを作ったロバート・ロドリゲスだけに
ボディスナッチャーものを現代風にアレンジ。
途中の血液検査ならぬ麻薬検査のシーンは「遊星よりの物体X」。
パクリが多いと言う印象。仲間が次々寄生されるシーンはなかなかいいのだが
最後にボスを倒したら回復するのは興ざめ。
しかも、未知の敵なのに、そうなるとわかっていたのも変だ。
欲求不満だったが寄生されて豹変する女教師にファムケ・ヤンセン。

TV放送 2000/09/03 BS05 2000-2146
 

パラダイス(82)

 19世紀後半。バクダット。
良家の娘サラ(フィービー・ケイツ)は、召使いと旅に出る。
神父夫婦と息子デビッドも同行。
サラに目をつけた奴隷商人ジャッカルは、彼らのテントを襲撃。
サラと召使い、そしてデビッドだけが逃げ延びる。
彼らは発見した泉に住み着くが、ジャッカルが襲撃、召使いが殺される。
逃げだした2人は、オアシスに住み着く。
医学書から男の体に関心を持つサラ。
禁欲的なデビッドも思春期の欲望はおさまらないが、サラは拒否。
ジャッカルらがまたも襲撃。サラをさらう。
しかし、テントに忍び込んだデビッドが救出。
だが、彼はサソリにかまれて倒れてしまう。
サラの献身の看病のおかげで、デビッドは回復。ついに2人は愛し合うようになる。
夢のような日々が続くが、またもジャッカルが襲撃。
しかし、デビッドのはなった矢により、ジャッカルは死ぬ。
そして、長い旅の末、2人は文明社会にたどりつく。

 というわけで、「青い珊瑚礁」の二番煎じの様な話で、
フィービー・ケイツは、ブルック・シールズに比べて平気で脱ぐし、
ずいぶん二流の女優という感があったが、この後そうでもなくなったようだ。
でも、この映画自体は、他に知った奴もおらず、
話自体も退屈で、それだけという感じ。

TV放送 91/10/06  10CH  01:10-03:05
 

パラダイス・アーミー(82)

監督 アイバン・ライトマン

 失業したジョン(ビル・マーレー)とラッセル(ハロルド・ライミス)は軍隊へ。
軽い気持ちで入るが、ハルカ軍曹(ウォーレン・オーツ)の激しいしごきを受ける。
はめをはずし、MPのルイーズ(ショーン・ヤング)らと仲良しに。
スピルマン大尉は、再訓練を進言すると決定。
それを知ったジョンらは徹夜で特訓。バーニティ将軍の気に入り、特殊作戦に参加。
イタリアで武装した新型車輌のテストだが、ジョンらはこれを拝借してデートに。
盗難発覚を恐れた大尉らは、ひそかに追跡し、誤ってチェコ国内へ。捕らえられる。
連絡を受けたジョンらは、新兵器を駆使して人質救出に成功。英雄になる。

 と言うわけで、「ゴーストバスターズ」の連中が集まっていた作品。
無軌道に羽目をはずしながら、最後に割とマジメにやるのが拍子抜け。
自分らの不始末が発端なのに、英雄になるのは合点がいかない。
気の弱い同僚に、ジャッジ・ラインホルト。大食らいオックスにジョン・キャンディ。

TV放送 93/12/29  04CH  03:15-05:15
 

パラダイン夫人の恋(47)

監督 アルフレッド・ヒッチコック

 富豪パラダイン夫人(アリダ・バリ)が、夫を毒殺した容疑で逮捕される。
腕利きの弁護士キーン(グレゴリー・ペック)が担当。
魅惑的な夫人に惹かれ、妻ゲイは心配する。
裁判では、召使いアンドレ(ルイ・ジュールダン)に遺産が入るとか、
パラダイン氏と口論していた事などを指摘。
アンドレが夫人に求愛したため、夫人は夫に解雇を求め、口論になったのだ。
彼を犯人にしようとする。
だが、夫人は、毒を入れたワイングラスを洗ったのは自分だと証言。
アンドレが自殺したとの連絡が入り、彼女はショックを受ける。
アンドレを愛した夫人は、夫を殺したが、彼は夫人をかばったのだ。
彼の死はキーンのせいと言われ、ショックのキーンは退席する。

 と言うわけで、ヒッチコックの裁判劇だが、キーンが夫人を愛してしまい、
核心の部分に触れないように、アンドレを犯人にしようとするが
逆に夫人に嫌われてしまう話。でも正直わかりにくいし、ハラハラしない。
検事ホーフィールドに、レオ・G・キャロル。

TV放送 93/02/06  BS05  08:15-10:15
 

薔薇の素顔(94)

 心理学者ビル(ブルース・ウイリス)は、患者の自殺でスランプに。
友人ボブのグループセラピーに参加。だが、ボブは何者かに刺されて死ぬ。
そこでビルが後任に。患者は妻子を失ったバック(ランス・ヘンリクセン)、
赤面症のリッチー、潔癖性のクラーク、レズのソンドラ。SM癖のケイシーだ。
いずれも不審な所があり、彼らのうち誰かが犯人らしい。
ビルは接触事故を起こしたローズ(ジェーン・マーチ)と知り合い、惹かれあう。
だが彼女は素性が不明だ。リッチーの兄デイルは、弟のセラピーを辞めたいと言う。
やがてケイシーが殺される。ビルはバック、ソンドラ、クラークが
同じボニーとつきあっていると知る。そしてローズこそボニーであるとわかる。
リッチーは犯されて自殺し、デイルは妹ローズにリッチーに扮しさせたのだ。
彼女は多重人格になり、ボニーが出たため、デイルは秘密に気づいた者を殺したのだ。
ローズはデイルを殺し自殺しようとするが、ビルが説得し助ける。

 と言うわけで、ブルース・ウイリスが心理がらみの殺人に巻き込まれる話で、
ヘンリクセンあたりが怪しいと言う気もしたが、
ジェーン・マーチが関係ないフリして出てくるが、彼女が事件に絡むのは見え見え。
マーチは「ラマン愛人」に続いては多い。
でも子供にしか見えないのに、人々はその点を不審には思わなかったのだろうか。

VHS
 

薔薇の名前(86)

 1327年。北イタリアの僧院。ウイリアム修道士(ショーン・コネリー)と、
弟子アドソ(クリスチャン・スレーター)が訪問。
僧院長(マイケル・ロンズデール)は、画家アデルモの不可解な死の調査を依頼する。
死体は塔の下だが、窓は閉じていて、悪魔のしわざと噂された。
だが、ウイリアムは自殺した死体が転がったのだと推理。
やがて、ギリシャ語翻訳者の死体が発見される。彼はアデルモとホモ関係らしい。
ウイリアムは、2人が働いた写本室に関心を持つ。妙に本が少ないのだ。
彼は助手ベルンガーが隠したメモを見つけ、あぶりだしで何か書かれているのを発見。
しかし、隠れていたベルンガーに持ち去られる。
ベルンガーを探すアドソは、食料の代わりに僧の相手をしていた娘を発見。
彼女に迫られ、救いたいと言う感情を持つ。
ウイリアムは写本室の奥に関心を持つが、そこは立入禁止だ。
ベレンガーの死体が見つかるが、ギリシャ語の本はない。
その靴は、翻訳者の死体のそばにあった足跡と同じだ。そして指と舌にはインクが。
ウイリアムは、アデルモが毒入りのインクを調合したと考える。
ベレンガーは禁書のありかを発見し、その秘密をメモに。
アデルモに読ませる代わりに、ホモの相手をさせる。アデルモは絶望で自殺。
翻訳者はそれを書き写し、インクの毒で死ぬ。ベレンガーは死体を捨て、本を読む。
そして、彼もまたインクの毒で死んだのだ。

 だが、捜査は中止に。異端審問官ギー(F・マーリー・エイブラハム)が来たのだ。
ウイリアムはひそかに調査を続行。祭壇の地下に、巨大な文書館への通路を発見。
書き写していたメモで、禁書のありかを探すが、わからない。
異端者のサルバトーレが娘に迫り、火事を起こす。
ギーは2人を捕らえ、娘を魔女と呼ぶ。そして、一連の事件に関係ありと。
ウイリアムもかつて審問官で、ギーと対決していた。
だが、彼に反対したウイリアム自身が異端と呼ばれ、拷問の末撤回した事があった。
サルバトーレが、レミジオもまた異端者だと告白。
裁判が始まり、ギーは僧院長とウイリアムを判事に選出する。
ギーは彼らを異端者として、火あぶりを命ずる。
だが、ウイリアムは殺人には無関係と主張。彼らはギリシャ語が読めない。
あの本さえ見つければ、事件は解決する。
やがて、マルチーアと言う男が再び毒で死ぬ。ギーはウイリアムのせいと決めつける。
ウイリアムは再び文書館へ。隠された部屋を発見。そこにはホルヘ師が。
その本は笑いについて書かれていた。笑いは恐れを消し、信仰をなくす。
ホルヘは本に火をつけ、自らも包まれる。
火あぶりが始まるが、農民が集まり、娘は助けられる。
逃げるギーは、崖から落とされて死ぬ。
2人は去る事となる。以来、世俗の恋はしていない。彼女の名前は知らない。

 というわけで、ショーン・コネリーが中世のホームズばりの推理をする話。
宗教が世界を支配する中、真実のみを信じる姿は、勇気があるが
本当にそんな奴がいたとは思えない。どうも製作意図はいまいちつかめない。
音楽はジェームズ・ホーナー。

TV放送 92/07/18  BS11  22:00-00:15