ヘアー(79)

 監督 ミルス・フォアマン

 オクラホマからニューヨークへ出てきたクロード(ジョン・サベージ)は
数日後にベトナム戦争のために軍隊へ入隊しようとしている。
だが、そこで知り合ったヒッピーたちの気ままな生活に影響されてしまう。
クロードは見かけた良家の娘シーラ(ビバリー・ダンジェロ)に一目ボレし
ヒッピーたちのリーダーであるバーガー(トリート・ウイリアムズ)によって
彼らは強引にシーラの家のパーティに出席し、逮捕されてしまう。
ヒッピーたちはポリシーなどはないようだが、なぜか長髪を切る事だけは拒否。
理由を聞かれても、彼ら自身も答えられない。
クロードの持っていた金によって、何とか全員保釈される。
シーラはクロードと打ち解けかけるが、
どうしてもヒッピーたちの無軌道な行動にはついていけない。
やがてクロードは入隊。シーラの所へネバダで訓練中のクロードから手紙がくる。
ヒッピーたちとシーラはともにネバダまでクロードに会いに行く。
だが、一般者は基地に入る事ができないので、
バーガーは軍曹の服を奪って、長髪まで切って基地に侵入。
点呼が頻繁にあると言うので、バーガーがクロードになりすまし、
クロードはみんなと再会。
だが、その間に出動命令が発せられ、バーガーはクロードの代わりに出兵。
クロードはあわてて戻ってくるが遅く、やがてバーガーは戦死してしまう。

 というわけで、テンポのいい曲に過激な歌詞のこの映画は
長い間見たかったのだが、ようやく見る事ができた。
最初から最後までヒッピーたちの無軌道な行動が出てきて
ややついていけない部分があったのは事実。
ジョン・サベージが何となくつられてしまうあたりは、
意外にそんなものかも知れない。
そういう意味では、彼がなぜか軍隊に入りたがった理由も不明。
「戦争とは白人が黒人に戦わせて、インディアンから奪った土地を守る事だ」
と言うセリフに見られる病んだ国アメリカの一面かも知れない。
「友達として求めている人がいるのに、国のために戦う」という文句も強烈。
ヒッピーの1人が誰の子供か分からずに妊娠してしまうが、
彼女に言わせると、そんな事は戦争に比べれば大した問題ではないと言う。
全体的に、観念的な部分が多かったような気がする。
戦争反対のメッセージがあるのはわかるが、
ヒッピーが集まっても何にもならない気がしてならない。
でも、ヒッピーとはそういうものなのか。
ラストでそんなに戦争を嫌がっていたトリート・ウイリアムズが
成り行きに巻き込まれて、出兵して戦死してしまうのはなかなか強烈。

LD
 

ヘアスプレー(2007年米)

トレーシー 太めだが陽気な娘(ニッキー・ブロンスキー)
ウィルバー トレーシーの父。オモチャ屋(クリストファー・ウォーケン)
エドナ トレーシーの母。大柄で引っ込み思案(ジョン・トラボルタ)
コーニー TV番組の司会
リンク 番組の出演者(ザック・エフロン)
ベルマ プロデューサー(ミシェル・ファイファー)
アンバー ベルマの娘。リンクの恋人気取り
メイビル 黒人コーナーの司会(クイーン・ラティファ)
シーウィード メイビルの息子。居残り教室でトレーシーと親しくなる
アイネス メイビルの娘
ペニー トレーシーの友人

 ボルチモアのちいさな町。太めだが陽気なトレーシーは授業は退屈だが
TV「コーニーコリンズショー」には夢中だ。
出演者の代役を捜していると知り、オーディションに出る事に。
プロデューサーのベルマは彼女をバカにするが、出演者リンクらが気に入り採用。
ベルマの娘アンバーを追い上げる人気者となる。
ベルマは黒人コーナーの打ち切りを決めたため、トレーシーは黒人たちとデモに参加。
全員が逮捕されるが、トレーシーだけが逃走。
芸能エージェントも来る生放送の日。包囲する警察を出し抜きトレーシーが乱入。
黒人娘のアイネスも踊り出し、ミスヘアスプレーの座はアイネスに。
コーニーは差別を撤廃すると宣言し、ベルマはスポンサーを侮辱してクビになる。

 と言うわけで、ミュージカル全盛時代は過ぎたが、最近でも時々ヒット作は登場。
本作もそんな一編だけど、何と言っても主役のキャラが抜群で
黒人でも白人でも平気でつきあえちゃうと言う、
天性の陽気さで歌って踊って全編楽しい。
暗めのミュージカルもあるけど、やはりこうでなきゃと言う感じ。
トラボルタの女装はちょっと抵抗あるけど、
ミシェル・ファイファーがやりこめられる展開まで面白い。

TV放送 2008/10/05 WOWOW 2000-2156
 

ペイヴメント 静かなる追跡者(2002年南アフリカ/ドイツ)

 アラスカで狼を追っていたサム(ロバート・パトリック)は
姉が大量の注射器を刺されて死んだと知りかけつける事に。類似した事件が発生。
足跡から下肢道具をつけており、薬を使うのは体が相手より小さいからと推理。
前科者サムが疑われ、撃ち合いで倒すが、サムは無関係と言う。
さらにオーンバック医師が殺される。
彼は早産の権威で、どうやら犠牲者は医療関係者ばかりらしい。
さらに大学で新生児医学を研究していた医師が殺される。
彼に関係して未熟児16名が死んでおり、関係者を調べる事に。
生き延びた未熟児が犯人と考え、急行する。
彼の母は犯行に同情していたが、恩師である医師も殺したと知り同様。
犯人は母を殺害。サムが人質に取られるが、危機一髪救出され犯人は逮捕される。

 と言うわけで、ロバート・パトリックが悪くない役を演ずる。
その役柄は、追跡のプロと言うわけで、まあどこかで聞いたような展開。
未熟児で車いすの男が犯人と言うのが目新しいが、
さほど生かされてるとも思えない。

TV放送 2004/10/23 BS05 1200-1335
 

米軍極秘部隊ウォー・ピッグス(2015年米)

ジャック中尉 米軍(ルーク・ゴス)
ハンス大尉 フランス人(ドルフ・ラングレン)
レディング大佐 上官(ミッキー・ローク)

 1944年フランス。
Dデイで要所を守り抜いたジャック中尉は、
フランス人のハンス大尉と共に、ウォービッグと言う部隊を率いる事に。
訓練の末、彼らに指令が下る。
独軍が完成させた射程150キロの大砲を確認する事に。
隊は大砲を発見するが、軍曹らが捕らわれてしまう。
ジャックらは奪った軍服と戦車で基地へ侵入。
軍曹らを救出し、大砲を破壊して退散。
隊は功績を評価され、任務を継続する事になるのだった。

 と言う訳で、ルーク・ゴスとドルフ・ラングレンと言う組合せの戦争アクション。
上官役がミッキー・ロークで、B級ないしC級アクション俳優揃い踏みと言うところ。
ゴスは米軍将校、ドルフはフランス人将校役。
前半は特殊チームを結成して特訓するシーンが続く。
後半は、独軍が設置した新型大砲の存在を確認に行く(破壊ではなく)と言う任務に。
ナバロンの要塞ライト版と言う印象。
あるいはナバロンのTVシリーズ版の第1話か。
どう考えても、新型大砲が目玉の基地に潜入したメンバーが捕まり、
何の目的で来たと尋問を受けるのもマヌケな感じ。
ただし、ゴスやドルフの出演作としては、かなりまともな出来。

TV放送 2016/01/07 WOWOW 2100-2227
 



ペイチェック 消された記憶」を見る。(2003年)

 これはベン・アフレック主演で、
キル・ビルのはざまのユマ・サーマン共演。
監督はジョン・ウーで、ブレードランナーやトータルリコール、
マイノリティ・リポートの原作者が原作の映画化と言うわけで、
何となく組合せ的に微妙なところがあるが、
まあベンのアクションみたいだから見る事に。

 技術者マイケル・ジェニンクス(ベン・アフレック)は、
立体に見えるモニターを買って、とある企業に乗り込む。
そこで彼はモニターを分解。マイノリティ・リポートのように、
透明のスクリーンを手で動かして、操作し、モニターの改造を検討。
(と言うか、このスクリーンの方がすごいのでは?)
ついに改造。それは、モニターがなくても立体に見えると言う
ホログラムのような代物だ。
ライバル企業の技術を奪って流用する事で、短期間で新技術を開発した事に。
彼はそれで報酬を得るが、話は機密に関係するため、
特殊な装置で、作業中の記憶を持つシナプスみたいな部分を、
ピンポイントでレーザーで焼き切り、いっさいの記憶を消してしまうのだ。
マイケルはこの仕事を続けており、消された記憶に疑問も感じなかった。
と言うか、記憶を消すなら、報酬を払わない事も出来ると思うが。
他の関係者から情報が漏れそうな気もするし。
脳に影響がないか確認するため、友人のショーティの所でスポーツトレーニングする。
実際にやったら影響ありそうだが、マイケルは健康そのものだ。
パーティで科学者レイチェル(ユマ・サーマン)と知り合い、誘おうとするが、
断られたので断念。2度挑戦しないの?と言われるが、今日はやめておく事に。
彼の新たな仕事は、巨大ハイテク企業オールコム社のプロジェクトだ。
報酬も高額だが、期間も3年と長い。従来の記録は彼自身の2ヶ月だ。
マイケルはこの仕事を受ける。
企業へ入ると、サングラスとか私物をすべて封筒に入れて預ける事に。
期間中は外出も禁じられる事に。
そして記憶を消去する期間を明確にするため、
注射器でビデオ編集用みたいな印をつけられる。
終了時に同様の処理をして、印と印の間の記憶を消せばいいのだ。
社長レスリック氏は、マイケルを社内に案内。
そこで気象コントロールとかの研究をする科学者レイチェルと再会。
本当に機密を漏らしたくないなら、部外者と会わせるべきではないが。
マイケルは部外者立ち入り禁止のような部屋へ。そこで作業を開始する事になるが。

 気がつくと、マイケルはレスリックの前で呆然としていた。
レスリックによれば、あれから3年たっており、マイケルは見事に成し遂げたと言う。
何か妙な感じだが、報酬を得るため弁護士事務所の所へ。
そこで渡された封筒には、身に覚えのない20個のガラクタが入っていた。
しかし、報酬が得られればそんな事は気にしないと言うマイケル。
彼が得た企業の株は、急速に成長しており、彼は莫大な財産を得たのだ。
だが、弁護士は、マイケルが4日前に株は放棄したと言う。
その代わりにこの封筒を受ける事になったと。記憶のないマイケルは混乱する。
とりあえず企業を飛び出すが、今度はFBIに捕らわれる。
FBIのドッジ(ジョー・モートン)によれば、
一味はFBIの機密を盗み出し、それをマイケルが完成させたと言う。
しかも持ち出した人物は殺されたと言う。
まったく記憶がないと言うマイケルに対し、
ドッジらは特殊な装置で、消された記憶の復元をはかる。
断片的に何かの映像がよみがえるが、相変わらず何かはわからないマイケル。
困惑するドッジは、タバコを吸おうとして、自分のを吸わずに
証拠品とも言うべき、マイケルの持っていた無煙タバコというのを吸う事に。
ところが、予想に反してタバコは煙を出してしまい、火災報知器が反応。
消火用の薬品みたいなのが放出され、部屋は何も見えなくなってしまう。
マイケルは、すばやく机の上にあった封筒のサングラスをすると
煙の中でも物を見る事ができる事に気づき、封筒を持って退散する事に。
FBIが追跡するが、封筒にバスのキップがあったため、
これでバスに飛び乗り去る。改めて封筒の中身を見るマイケル。
その中に指輪があったため、乗客の少年がこれを奪って逃走。
そこは弁護士事務所の前だったため、再び乗り込む事に。
弁護士に会った彼は、封筒を送ったのは彼自身だと聞かされる。

 マイケルはまず友人ショーティに連絡。
駅だかで密会する事に。そこで彼に事態を説明する。
ショーティによると、殺された科学者は、レーザーだかの研究をしていた。
このレーザーを発射すると、地球上を一周して自分の所へ戻るが、
その到達した先は、自分自身よりも少し未来になるため、
このレーザーを通して見ると、未来の自分が見えると言う技術だ。
どうやら、マイケルは未来を見れる装置を開発したらしい。
テレビでは、ロトの当選番号が発表されるが、
封筒の中のおみくじには、その番号がメモられていた。
マイケルは未来の自分が危機を脱するよう、いろんなアイテムを封筒に入れ、
怪しまれないようにしたらしい。
その時、一味の襲撃を受け、封筒にあった持っていた鍵で、
ショーティを関係者用の通用口から逃がす。
ショーティは照明を消し、その間にマイケルは逃走。
一味の殺し屋らしきウォルフらに追われるが、
封筒のライターとスプレーで火炎放射器を作り、1人を倒し線路で感電死させる。
さらにウォルフに追われるが、そこへ地下鉄が接近。
ウォルフは避難し、マイケルは基盤を封筒のクリップで細工し、
ショートさせて危機一髪引かれるのを阻止する。
ウォルフに、マイケルを逃がしたと報告を受けたレスリックは、必ず始末しろと指示。

 マイケルは、安ホテルへ入って、持ち物を見て事態を考える事に。
自分がカフェに予約を入れたと知り、
そこでどうやら3年の間に恋人になったレイチェルと会う予定だと考える。
一方、レスリックはレイチェルを監視。彼は仕事を終え記憶を消したと告げる。
レイチェルはショックを受けるが、彼女の部屋の洗面室に
湯気で文字が浮かぶようになっていて、カフェの名前と時間が。
喜んで出かけるレイチェル。
それを知ったレスリックは、彼女に似た女性を用意し、先回りさせる事に。
女性はカフェでマイケルに会い、企業へ入るのに必要な物を渡す約束だったと言う。
彼女にもその約束にもピンと来ないマイケルだが、
封筒にあるパスカードを渡す事に。
そして女性はマイケルにキスするが、彼女の目がコンタクトで、
色をごまかしている事に気づき。
僕の好きな野球チームはどこだと聞き、戸惑う女性を、かけつけたレイチェルが倒す。
カードを奪って退散する事に。一味はこれを追跡。
封筒にBMWのキーがあったので、車があるはずだと、
BMWが大量に置かれている駐車場で
どれか開かないかと試すが、なかなかみつからない。
レイチェルが、それはバイクだと気づき、近くの店からバイクを奪って逃走。
一味は車で襲撃し、ひっくり返ったりあれこれするが、
なぜかマイケルはバイクの腕はすごいらしくて、誰も追いつかず。
FBIもかけつけたため、マイケルはトンネルを逃げる。
パトカーが追跡するが、レイチェルがヘルメットを投げつけると気絶する。

 2人で事態を検討する事に。
弁護士は20個のアイテムと言ったが、中には19個しかなかった。
ふと気がつき、封筒の中のレンズで拡大すると、
アインシュタインの切手の目の部分がマイクロフィルムになっていた。
そこで、近くの学校で顕微鏡を借り、さらに拡大してみると、
それは未来の新聞記事だった。
未来が予測できる装置のため、人々は将来敵になる連中を早めに攻撃する事に。
その結果、最後にはなぜか新聞記事でなくキノコ雲の写真が。
これは危険な発明だと気づいたマイケルは、これを破壊する事に。
警戒されているはずだか、パスカードがあるのは、これで侵入すると言う意味だ。
マイケルらは、企業の入り口の検問の行列に並ぶが、
金属探知器に、封筒にあったパチンコ玉を投げ、
警報を鳴らして混乱しているスキに裏口から侵入する。
と言うか、そんな裏口は、あっちゃいけないのでは?
レスリックは、2人が来ると知り待ち受ける事に。
実は、マイケルは完成したはずの装置を、わざと使用できないようにしており、
技術者に修復を図らせるがうまくいかず、
そうなればマイケル自身に直させようと考えていたのだ。
なぜか警備員とか誰もいないので不審に思いながら、マイケルらはラボへ到着。
ラボに入ると、封筒のコインやレンチを利用して、カード式のチェック機を破壊する。
そしておもむろに、「もう1度だけ動かそう」と言い出す。
これには上映中にも首をかしげたほどだが、
おぼろげな記憶に、マイケルがレスリックが撃たれたような画像があり、
それが確認したかったらしい。
マイケルは封筒のクロスワードの12に丸がついているのに注目し、
12番目の基盤に、爪みたいなのがついているので、これをはずすと
いきなり正常に作動するように。これで未来の映像を見る。
観客からすると、たいして情報は変わっていないのだが、
それを見て、レイチェルは歴史は変えられると言う。
装置が直ったと知ると、レスリックは襲撃を命令。
マイケルは装置を破壊するため、仕掛けをする。
ポンプみたいな物で、水素ボンベだかに接続しているのだが、
最後のボンベにピストルの弾を固定する。
マッチがあまったけど、マッチもここで使ったんだっけ。
そして通風口から脱出。一味は侵入し、2人を追う事に。
マイケルらは外へは出ていないようで、追跡する一味と格闘に。
2人とも科学者のくせに強い強い。バッタバッタと警備員らを倒す。
たまにはレイチェルの発明の、嵐を起こす装置とかも利用するが、
基本的には体力勝負だ。
レスリックは装置を使い未来を見て、マイケルが自分に撃たれて死ぬと知る。
マイケルはレイチェルを逃がして、決着をつける事に。
だが、レイチェルは簡単にレスリックに捕まってしまう。
そんな頃、殺し屋のウォルフは、マイケルを追おうともせず、自分の未来を見ていた。
レスリックはマイケルとレイチェルを並ばせ、
仲間と通路を挟んで銃を向け、撃とうとする。
まさに未来の映像通りだとほくそえむレスリック。
あきらめ顔のマイケルだが、レイチェルは「2度挑戦しないの」等と言う。
最後のアイテムであるデジタル時計には「今だ」と表示。
2人は通路からジャンプし、何のためかわからないロープみたいな所に飛び移る。
その瞬間、レスリックは仲間と共に発砲。弾は互いに命中してしまう。
そして、ウォルフは、自分が爆発で死ぬのを見て慌てるが、
ボンベの弾が破裂して爆発。巻き込まれる。大爆発でマイケルらは脱出する。
事故現場を検証するドッジは、マイケルが生きていたと確信しつつ、
上司にはマイケルらは死んだだろうと報告して、見逃す事にする。
レスリックの死により、企業は崩壊する事に。
レイチェルは得意の園芸で生活し、マイケルもそれを手助けする事に。
友人のショーティも2人の無事を喜ぶ。
だが何かを忘れている気がすると言うマイケルは、
ロトくじの当たり番号が書かれたおみくじを見る。
そこには、「遠くを知りて近くを知らず」と書かれている。
ぴんと来たマイケルは、近くにあるオウムの鳥かごの
下に敷かれた新聞紙の下を見ると、そこには当たりくじが隠されていた。
それはもともと得るはずだった利益と同額で、3人は山分けする事になる。

 と言うわけで、全体の印象としては、マイノリティ・リポートと、
ベンの親友マット・デイモンのボーン・アイデンティティをくっつけて、
いわゆるジョン・ウー美学のアクションの味付けをしたような作品。
マイノリティ・リポートのスピルバーグのように、大作ぶった所もないし、
ボーン・アイデンティティのように、記憶を取り戻すために必要なはずの小道具が
たいして役に立たないなんて事もなく、
個人的にはジョン・ウー作品は、MI2なんかも含めてあまり評価していないのだが
これはボチボチ面白い方かも。
ただし、未来が予知できるからと言って、
すべての小道具が狙い通りに役立ったりすると、ちょっと出来すぎと言う感じ。
マシンを破壊するはずなのに、わざわざ敵地へ乗り込んで、
たいして解明したい未来があるわけでもないのに、「もう1度だけ動かそう」なんて
苦笑するしかない安易な展開だし。
ベンにしろユマにしろ、科学者のはずなのに、格闘が強いなんて変な感じ。
特にバイクのシーンとクライマックスの格闘あたりは、かなり違和感あり。
最後のオチも、これがオチのつもりかと言いたくなるほど、見え見えだし
まあ、ジョン・ウーらしい映画と言えば言える。
 

ヘイトフル・エイト(2015年米)

マーキン・ウォーレス少佐 賞金稼ぎ(サミュエル・Lジャクソン)
ジョン・ルース 賞金稼ぎ(カート・ラッセル)
デイジー・ドメルグ 人殺し(ジェニファー・ジェーソン・リー)
クリス・マニックス 新任の保安官
オズワルド・モブレー 絞首刑執行人(ティム・ロス)
スマザーズ将軍 南軍の将軍(ブルース・ダーン)
ジョー・ゲージ (マイケル・マドセン)
ボブ 店で留守番する男
ジョディ ドメルグの弟(チャニング・テイタム)

起:賞金稼ぎの少佐らは吹雪で店へ。
承:ルースが毒殺される。
転:一味が護送中の賞金首を取り戻そうとしたのだ。
結:一味を始末するが、少佐も深手を負う。

 第1章
 賞金稼ぎのウォーレス少佐は、手配犯の死体3つを抱えて馬車に乗る事に。
馬車には同じく賞金稼ぎのルースが乗っていた。
彼は処刑を執行人に任せる主義で、女殺人犯ドメルグを護送していた。

 第2章
 途中から新任の保安官マニックスも同乗。
マニックスは黒人の賞金稼ぎを快く思わない。
少佐自身も南北戦争中は、南軍に賞金をかけられていたと言う。

 第3章
 一行は吹雪で途中の店に避難する。
そこには多くの男たちがいたが、ルースは何人かがドメルグの仲間だと警戒。
少佐は南軍の将軍に、賞金稼ぎに来た息子を返り討ちにしたと語る。
怒った将軍は銃を抜くが、少佐に射殺されてしまう。

 第4章
 騒ぎが収まり、ルースはコーヒーを飲むが、毒が入れられていて死んでしまう。
ドメルグが暴れるが、銃を奪った少佐が一同を並べる。
コーヒーを飲もうとしたマニックスだけは、一味ではないと味方に付ける。
少佐は、一味が店の主人であるミニーらを殺害したと推理。
ミニーに留守番を頼まれたと称するボブを射殺。
ゲージが毒を入れたと白状するが、少佐は床下から撃たれて重傷を負う。

 第5章
 時間はさかのぼり、ゲージらが店に到着。ミニーらを始末する。
ジョディをリーダーとする一味は、姉ドメルグを奪還べく待機したのだった。

 最終章
 少佐とマニックスは撃ち合いで負傷。
ドメルグを撃つと脅し、出てきたジョディを射殺する。
さらにゲージらを始末するが、少佐の銃が弾切れになってしまう。
ドメルグは、死んだ手下の賞金を餌にマニックスを味方に付けようとする。
だがマニックスは、ドメルグが毒を飲ませようとした事を恨み、少佐に味方する。
ドメルグを吊るして始末する。
一件落着するが、少佐らも弱っていた。
少佐が持つリンカーンが書いたと称する手紙を読んだマニックスは、
よく出来た創作だと語るのだった。

 と言う訳で、クェンティン・タランティーノ監督の西部劇。
サミュエル・L・ジャクソン、カート・ラッセル、ジェニファー・ジェーソン・リー、
マイケル・マドセン、ブルース・ダーン、ティム・ロスと言う一癖ある布陣。
こういうキャストにするあたりにも、タランティーノのマニアックさを感じます。
彼らはいずれ劣らぬ悪党で、吹雪で小屋に避難。
ところが、ラッセルが毒殺されてしまい、犯人は誰?と言う展開に。
西部劇だと思ったら、推理ものだったと言う訳。
時間が逆行するタランティーノらしい演出もあるが、
謎解き自体はそんなに奇抜ではない。

TV放送 2017/02/12 WOWOW 2200-0048
 



 メル・ギブソンは見逃せぬ「ペイバック」(99)を見た。

 「リーサルウェポン」以来メル・ギブソンの映画はほぼカバー。
最近でも「身代金」「陰謀のセオリー」「リーサルウェポン4」と見てきた。
アカデミー賞を得た「ブレイブハート」などよりも、やはりアクション系がいい。
しかし今回の「ペイバック」では初の汚れ役と言うから若干の不安が。
と言うのも、本当の初の汚れ役だった「テキーラサンライズ」では
真の主役はカート・ラッセルで、どうも映画自体もパッとしない出来だったからだ。
ひょっとしたらすごいつまらないかもと思ったが、
ひどい目に合わされた泥棒が、メル・ギブソンなりのとことん復讐する話と言うから
これは、メル・ギブソンがブロンソンばりの活躍する話と見たが
本当にブロンソンが出てきたり、ジェームズ・コバーンが出てきたり。
これはけっこう拾い物かも。

 シカゴの街。冒頭はポーター(メル・ギブソン)と言う男が
何か裏切られて重傷を負ったシーン。
当然死んだと思われていたようだが、
この手のやばい患者を裏で治療するヤミ医師に助けられ、街へ舞い戻る。
ポーターは不具者に扮して金をせびる男の金を奪い、
街でぶつかった男の財布をすってその身分証で銃を買い取る。
そして、どうやら裏切った一味でもある、妻のリンの所へ怒鳴り込む。
リンは殺されるかとおびえるが、今でも彼女を愛しているポーター。
彼女とHしたりして寝ていて、だが気がつくと彼女は麻薬で死んでいた。
純度の高すぎる麻薬で殺されたのかも知れない。
ポーターは回想。親友ヴァルが組織に15万ドルだか借金し、
返済できないと始末されてしまう。
そこで彼が目をつけたのは、チャイニーズマフィアの金。
現金の輸送中に襲えば50万ドルはあるはずで、
それをポーターと協力して襲撃し、折半しようと言う事に。
一方通行の道を逆走し、向かって来るマフィアの車にぶつけて、銃で襲撃。
簡単に金を奪って、迎えに来たポーターの妻リンの車で逃走。
隠れ家で現金を数えるが、予想に反してあったのは14万ドル。
それでも全額もらえれば何とかなるヴァルだが、
ポーターは約束は約束と7万ドルずつ分けようと言う。
追い込まれたヴァルは銃で脅すが、ポーターはそんな事もあろうかと平然。
ところが、リンまでもが彼に銃を向け、撃ってしまった。
意識の遠のく中、なぜと聞くポーター。実はヴァルは最初から裏切る気で、
ポーターが運転手をしていた組織の娼婦ロージーと親密にしている写真を、
リンに見せていたのだった。

 死んだリンの所へ麻薬を届けてきたチンピラを殴り倒したポーターは
ヴァルの居場所を聞き出そうとするが、チンピラは知らず
知っていそうなスタッグマンの名前を言う。
そこでポーターはスタッグマンの所へ。彼は組織の一員だが
悪徳刑事ヒックス警部(ビル・デューク)とレリー警部ともつながっていた。
彼らの事を物ともせず、ヴァルにポーターが舞い戻ったと伝えろと脅す。
これを知ったヒックス警部らは、ポーターの違法行為と復讐を黙認する上で
もし金を取り戻したらよこせと脅す。
一方でポーターは、ロージーの居場所も探す。
ポーターが死んだと思っていたロージーと再会。
当時、ポーターは妻がいるにも関わらず彼女の方を愛しており、その感情が戻る。
ロージーによれば、ヴァルは14万ドルを借金返済にあて、
今では組織の幹部におさまり、組織幹部が皆いるオークテッドホテルにいると言う。
スタッグマンはヴァルにポーターが探していると報告すると、明らかに動揺。
だが、警戒しているにもかかわらず、見張りとかを簡単に倒してまんまと潜入。
ヴァルはSM趣味があり、チャイニーズマフィアとも通じるパールと言う娼婦と
殴ったり殴られたりと言う怪しい関係を続けていた。
今も、殴られているところへ、ポーターが現れる。
ポーターは代わってヴァルを殴り倒すが、パールは平然と見ていて
私にも殴らせてとか言い出す始末。
今にも殺されかねないと思ったヴァルは、金は何とか返すと約束。
明日までに用意しろと言って去る。
あわててヴァルは組織のボス、カーターの所へ報告。
カーターは自分の不始末は自分で片付けろと取り合わず。
仕方なくヴァルは引き下がるが、カーターはトラブルが組織にも及ぶと懸念。
「問題はブロンソン氏をどうするかだな」等と言うから
ポーターの事を、復讐映画の代名詞ブロンソンと言っているのかと思って
ついウキウキしたが、カーターの上の大ボスの役名であった。
いずれにせよ、カーターはニヒルな組織の殺し屋を見張りにつける。
この殺し屋に扮するのが、「デス・ポイント」等で強烈な悪役を演じた
ジョン・グローバー。こんな所にも強敵がいたと期待させる。

 ここらへんから、ポーターを始末しようといろんな連中が現れるが、
交通整理できない感じで、よくわからない。
まずポーターが安ホテルに呼び出され行くと、そこは無人で電話が鳴っている。
おかしいと思って見ると、何か仕掛けがあり、ベッドの下には爆弾が。
そこでポーターはそのまま外へ出て、外で待機するジョン・グローバー一味を発見。
爆弾を利用して退治するのかと思いきや、この爆弾は使わずじまい。
そのままにしては、他の人が危険な気がして脚本に無理を感じさせる。
ポーターはガソリンタンクに細工して、殺し屋たちが気がつくと
タバコを投げ捨て車は爆発炎上。意外に簡単にジョン・グローバーは死ぬ。
ヴァルは金が用意できたとポーターを呼び出すが、
ヴァルを味方してか、チャイニーズマフィア側の都合か
パールら一味がポーターを襲撃。
車ではねて暴行するが、悪徳刑事ヒックス警部らに助けられる。
これでポーターは片づくと思っていたのか、ヴァルは退散。
だが、ロージーとの愛を深めたポーターは、
彼女がかつて暴力趣味の男にあたった事があると知り、それがヴァルと知る。
ポーターが彼女の家を出ると、
ヴァルはロージーが組織に不利な情報を漏らしかねないと考え、ロージーの家を襲撃。
だが、ポーターが忘れ物をして舞い戻る。
金を返せないと知ったポーターは、組織の事を聞き出す。
組織と戦っても勝ち目はないと言われるが、平気で足とかを撃つので
組織のボスはカーターとフェアファックスだと聞き、ヴァルを非情に射殺する。

 ポーターは厳重な警備を物ともせず、カーターのいるホテルへ乗り込む。
何だ君は。14万ドルでそんな危険を冒すとはと言われると、
間違えるな7万ドルだと否定。おまえのボスは誰だと聞く。
バカな奴だと思いながら、大ボスブロンソン(クリス・クリストファーソン)に電話。
組織のヴァルに金を取られたから返せと要求するが、
そんな事は関係ない。たかが14万ドルと言われ、7万ドルだと怒る。
そして、カーターの命乞いをしないとわかると、簡単に射殺する。
今度はおまえの番だと脅す。
その一方で、中ボスの1人フェアファックス(ジェームズ・コバーン)の所へも。
コバーンだけに、こっちの方が黒幕と言う感じもするが、特にそう言う展開はない。
彼も14万ドルのためにとか言うが、ちょっとポーターを気に入ったような感じ。
ブロンソンは組織では冷酷な男だが、息子ジョニーは溺愛。
彼の誕生日とあり、バスケの試合に招待されて大喜び。
終わって外へ出ると、美人の女性がリムジンで待っているから
これも父親のプレゼントだと思って大喜びして乗り込むが、
その女性はロージーで、運転手はポーター。ジョニーはまんまと誘拐される。
ポーターはつけ回すヒックス刑事らを陥れようと、
彼から盗んだ銃と警察バッチをヴァルの死体の近くに置いて
内務調査班に彼らは殺人容疑で逮捕される。
スタッグマンらはポーターにしてやられた復讐に彼を捕らえるが、
その車がチャイニーズマフィアの襲撃を受け、スタッグマンらはやられる。
だが、肝心のポーターは間一髪車を降りて、逆に返り討ち。
パールをも倒そうとするが、そこへ今度は組織の連中が現れて捕らわれる。
暴力は嫌いと言うフェアファックスらが尋問。
だが、息子を奪われたブロンソンは怒り心頭。
金は一応用意したが、払う気はまったくないと言い、ハンマーで足の指を砕かせる。
苦痛のあまり、ポーターは息子の居場所を教えると言う。
そこで、ブロンソンはポーターを車のトランクに閉じ込め、
監禁しているという場所へ向かうブロンソンら。
もうここらへんに来ると、トリックは見え見え。
交互にジョニーを見張るロージーの絵なんか出てくるが空々しい。
ジョニーはトランクの内側を破って車内へ。驚いた事に、そこには誰も待っていない。
しかも、都合の良い事に車内には電話が。おまけにあそこの電話番号も知っていた。
安ホテルにわざわざブロンソン、フェアファックスなどが全員そろって乗り込み、
誰もいないのでだまされたとビックリ。そこへ電話がかかってくれば
普通は警戒しそうなものだが、電話を取ってしまう。
だましたなと言うが、次の瞬間、ホテルの部屋は大爆発。
男が吹っ飛んで外のリムジンの所まで来て、弱りながら助けてくれと言うが
見捨ててその車で去る。
パーカーはロージーの待つホテルへ。彼女はジョニーに手錠をつけたまま立ち去る。
これまた都合の良い事に、リムジンには念のために用意した現金が全額置かれていて
これを持って2人はメキシコだかへ去る。

 と言うわけで、
この作品、いろんな敵が入り交じり、回想シーンもあったりして
最初の頃はなかなか状況が把握できない脚本の難はあるが
それが落ち着いてくると、どんな強い敵でも復讐していくカタルシスが感じられ
結局、大勢いた敵をほぼ全員倒してしまった快感はなかなか。
ただ、最後の見せ場であるはずのトリックは見え見えで、ちょっとマイナスだ。
 

ペイ・フォワード 可能の王国(2000年)

 ロスで事件捜査をする記者クリスは、暴走車に車を壊されるが、
見知らぬ人物にいきなり車をプレゼントされて驚く。
4ヶ月前。中学生トレバー(ハーレー・ジョエル・オスメント)は
新任の社会科教師シモネット(ケビン・スペイシー)に、
世界をどうしたら変えられるかと言うテーマを与えられる。
トレバーはホームレスジェリーに宿を与え、母アーリーン(ヘレン・ハント)は驚く。
3人の人を助け、次々助ければ、世界中が平和になるとトレバーは考えたのだ。
生徒たちはズルをする者もいるとバカにするが、シモネットは評価。
ジェリーは仕事を辞めて失敗。続いてアーリーンとシモネットを接近させようとする。
いじめられっ子のアダムは助けられず失敗。シモネットらも警戒して離れてしまう。
すべてが失敗になり、失望するトレバー。
だが、ヒッチハイクしていたジェリーは、自殺しようとした女性を止めていた。
暴力を起こして出ていった父リッキー(ジョン・ボン・ジョビ)が舞い戻り、
仕方なくシモネットは退散するが、リッキーは再び暴力をふるうように。
クリスは弁護士が、病院で男シドニーに助けられたと聞く。
シドニーは強盗だが、追われた時、ホームレスの老婆に助けられた。
その老婆こそ、トレバーの祖母(アンジー・ディキンソン)だったのだ。
疎遠だったアーリーンは祖母と仲直り。クリスは運動が広まった事を評価し、
トレバーにインタビューする。アーリーンとシモネットもよりを戻す。
トレバーは、なかなか世界は変えられないと言うが、
アダムを助けようとし刺されて死んでしまう。インタビューと共に、彼の死が報じられ
全米から彼らの家に大勢の人が集まる。

 と言うわけで、言ってみれば善意の押し売りネズミ講みたいな話で
劇中、「画期的なアイデア」とか言っているが、
その事自体はそれほどでもないのだが、
口コミ的に広がっていく過程が面白い。
記者がそれを逆に追うのも面白いのだが、
たった5人程度でスタート地点にたどり着いてしまい、
最後に全国から人が集まるような、広がりを見せたと言うのが
空々しい気もする。
例えば、うまく行かなかったパターンとかもあるはずで、
そう言うのも絡めて、それでも広がりましたという展開にすべきでは。

TV放送 2002/08/31 BS05 2000-2210
 

ベイビー・トーク」(89)を見た。

 この映画の中は赤ん坊は実は話ができる。
ところが、それは赤ん坊同士には聞こえるが、大人には聞こえない声なのだ。
しかもこの赤ん坊が大人よりもマセているのだ。
その彼が見た大人の世界に関する話だという予備知識で私はこの映画を見た。
この赤ん坊の母親を演ずるのが
「スタートレック2」でサービック大尉役でデビューしたカースティー・アリー。
「スタートレック3」ではギャラが安いことでゴネて降番した。
その後、「未来警察」に出演して、なかなかできる女優だと思っていたが、
まさかこんなにコメディをこなすとは思わなかった。
そして、この赤ん坊の父親の代役をするのがジョン・トラボルタ。
あのイモ兄ちゃんだが、ときどき光る俳優である。
(劇中「ステイン・アライブ」が流れるシーンもある)
おまけにこの赤ん坊の声をやるのが「ダイ・ハード」のブルース・ウィルス。
このメンツでは見るしかないわけだ。

 カースティー・アリーはベテランの公認会計士。
取引先の社長に引っかかってねんごろになってしまう。
この社長というのが妻子もあるのだが、
愛しているのは君だけさという決まり文句を吐くわけだ。
というわけで、精子が卵子に向かって突進するという露骨なシーンが出る。
この精子がやっぱり大量で聞かん坊の集団という感じで、
その中のリーダーがこの後、赤ん坊になる精子で
「おれについてこいっ!」と何とも元気一杯だ。
こうして彼女は妊娠するわけだ。
社長は離婚すると言っているが、いつになることかわからない。
体裁もあるので、親には人工受精と言ってごまかすが、
子供ができたことがうれしくて仕方がない。

 ところが、社長が別の女といちゃついているところを目撃したから話はこじれる。
ショックで産気づいた彼女はタクシーを呼ぶが、
そこへかけつけたタクシーの運ちゃんがジョン・トラボルタ。
彼女が産気づいていると気づいて不必要なまでのあわてかたでぶっとばす。
おまけに不必要なまでのおせっかいで病院の中までついてくるから
父親と誤解されてしまう始末。
しかし、赤ん坊にしてみれば、胎内という安住の地から引きずり出され、
見たこともない大きな生き物がのぞき込んでいるから恐怖でしかない。

 それからカースティー・アリーの育児奮闘記が始まる。
彼女の母親は父親のわからない赤ん坊など許さんと言っていたが、
いざ生まれてみるとかわいくて仕方がない。
ジョン・トラボルタは年老いた父親を老人ホームに入れるために
身元保証をしなくてはならず、カースティー・アリーの住所を拝借する。
それを知った彼女は怒るが、
トラボルタが金土だけベビーシッターすることで話がつく。

 彼はタクシードライバーだが、軽飛行機のインストラクターを目指していて
子供の扱いはカースティー・アリーよりもなれていて
いったいいつも何をしているのか不思議になる男だ。
おまけに食事も電話代も全部タダにしてしまうインチキ男である。
一方、カースティー・アリーの方は父親を作らなければと考えるのだが
デートしたどの相手も父親としては不適格だ。
などといった、たわいのない話を赤ん坊の視点から描くという
もう、それだけが売りの映画である。

 で、肝心の赤ん坊にしてみれば、
「あ、ママとかいう人が来た」というものの見方だ。
つまり、赤ん坊にしてみれば、親子とかそういった関係は何の意味も持たない。
しかし、「このママという人は親切だな」と考えだし、
「泣くと願いがかなうんだな。よーし」とくる始末だ。
で、赤ん坊同士で話していると、友達が何やら知らない人に連れていかれる。
それで、友人は「あれはパパよ」と言う。
そこで「パパとは何だ?」と聞くと
「ママといつも一緒にいる人よ」という答えが返ってくる。
ということで、赤ん坊はパパというのはトラボルタのことであるという結論を得る。

 トラボルタの何事も調子のいいペースに乗せられて
カースティ・アリーは一度は彼に心を許しかけるが、
よくよく考えると彼のような男を父親にしたのでは、
何でももらいもので片づけてしまう子供が育ち、悲惨な家庭になってしまうのではと
不安になってためらってしまう。
一方、彼女の上司は例の社長のところの仕事をほっとくのはいけないと言って
無理矢理社長のところへ行かせる。
社長は身勝手病が働いてカースティー・アリーと別れる原因となった女とは別れ、
カースティー・アリーとの復縁を言い出す始末。
彼女はこの社長に腹を立てながらも、
本当の父親である以上、会わせないわけにはいけないと思う。
で、彼女の留守中に社長が来るが、トラボルタが追い返してしまう。
トラボルタは赤ん坊が人工受精というのはウソで
実は父親がいたことにショックを受ける。
というわけで、二人はケンカ別れみたいになってしまう。

 当の赤ん坊にしてみると、トラボルタがいなくなったことがショック。
カースティ・アリーのところへ
トラボルタの父親が暴れだしたという電話がかかってくる。
(彼女は奥さんということになっているから)
カースティ・アリーは老人ホームでのゴタゴタを解決。トラボルタもかけつけるが、
その間に赤ん坊が他のタクシーを見てトラボルタだと思って追いかけていってしまう。
前にトラボルタが運転するのを見て運転はマスターしたこの赤ん坊、
駐車してあった車に乗って運転を始めてしまった。
と思ったら、何のことはないレッカーされている車だったのだけど
トラボルタたちは大あわて。またまた不必要なまでの乱暴な運転。
ようやく助け出してほっとする二人。
赤ん坊は二人が再びひっついたのを見て思わず
「ダーダー」(パパのこと)と本当の声を発してしまう。
この時、彼女はトラボルタが一番の父親だとさとるのであった。
ラストクレジット中に赤ん坊に妹が生まれ、
またまた「やれやれ疲れた」などと憎まれ口をたたくのもおかしい。

 というわけで、トラボルタはあんな踊ってばかりでなくて
こういう調子のいい男を演ずればかなりいいと思うのだが。
ブルース・ウィルスの軽快なシャベリは「ダイ・ハード」で証明済みだが
それがすべてだと言ってもいい映画なのだけれども
ラストで赤ん坊が本当に声を発してしまうシーンは何だか感動さえある。
それまでとは別の存在になったというショックだろうか、
誕生のシーンよりもショックは大きい。
これはいける映画だと思ったが、二度見れるかどうかはよくわからない。
 

というわけで、リトル・ダイナマイツ/ベイビー・トークTOO(90)を見た。

 赤ん坊が話ができるということでヒットした「ベイビートーク」の続編。
赤ん坊に話ができると言うのがどうも納得いかなくて、
(例えば動物なら擬人化ということで話はつくのだが、
だんだん大人に近づいていく人間の赤ん坊となると話がややこしい)
前回は輪廻転生を引き合いに出して理解しようとした。
輪廻転生というので、人間が死んでもやがて生まれ変わって
赤ん坊の頃は子供の頃よりも逆に頭がいいのだが、
それを言葉にできず、やがて成長するにつれてそれを忘れてしまうという説がある。
この映画はそういう説に基づいているのかと思ったが
考え直してみると、そういうものでもないようだ。
子供は大人よりも直感的にものをとらえる能力があると言われている。
(またこれだ)
そうした子供が大人の世界をシニカルに見て、子供には表現できない部分を、
大人の声(ブルース・ウィルスら)が代わりに発する映画と見た。
何しろこういうことを考えていると、きりがないシリーズではある。

 (前作のあらすじ)
税務士一家の娘カースティ・アリーは、不倫の結果、息子マイキーを出産する。
マイキーの父親はとんと無責任だが、
ひょんなことから知り合ったタクシードライバーのジョン・トラボルタは
子供のめんどうを見させたらピカ一で父親には最適。
そんなこんなで、結局二人は結婚して、娘のジュリーが生まれるのであった。
(あらすじにならないほど、たわいない話だが、
ポイントはマイキーの批評にあるのだから仕方がない)

 前作のラストからちょっとバックして、トラボルタとカースティ・アリーがH。
突破できないはずのペッサリーを、ちょっと脇から失礼して受精。
マイキーは兄になると聞かされて、
母親のような世話をしなくてはならないと思いこみちょっと困惑。
(マイキーは実際にはしゃべれるのだが、映画の中で実際に話したのは1度のみ。
あとは前作と変わらぬ心の中の声であった)
妹ジュリーはへその緒が首にからまって帝王切開される。
(へその緒と関係あるのかどうかはわかんないけど)
そんなこんなで、マイキーはジュリーのめんどうを見ようとするのだが、
両親の関心がジュリーに移ってしまったので、嫉妬していじわるをする。
一方、カースティ・アリーの両親は、
トラボルタが安月給の軽飛行機操縦士をしているのに不満。
そこで、高給の操縦士の仕事を世話するが、
トラボルタはかえってへそを曲げてしまう。
そうしていると、カースティ・アリーの弟が勝手に居候でいついてしまう。
この弟がぐうたらでずうずうしい奴なので、トラボルタが怒って出ていってしまう。
カースティ・アリーはトラボルタに腹を立てているわけではないのだが、
弟を追い出すわけにもいかないので困ってしまう。
そうこうしていると、彼女の友人が強盗に家を荒らされたと言ってこれまた居候。
しかも、この友人が弟とできてしまう。
一方、マイキーはジュリーにいじわるしていたのを反省。
ついでにトイレットマンという怪物が出るという噂のあるトイレへ
ついに一人で行く事に成功。フタを開けずにやっただけなのに、
カースティ・アリーも様子を見に来たトラボルタも大喜び。
こうして2人は仲直りしかけるが、トラボルタは悪天候の中仕事へ行く。
カースティー・アリーは不安になって迎えに行き、結局フライトは中止。
だが、その間に家に強盗が侵入。留守番のカースティ・アリーの弟が追う。
その間に料理中の火が紙に引火。家は火事になる。
マイキーは冷静にジュリーを助けて避難。
帰ってきたトラボルタが火を消し、
強盗を倒した事に感心してカースティ・アリーの友人は弟と結婚。

 というわけで、実にたわいない話で、
今回は赤ん坊の声もマイキーとジュリーの二人に分かれ
大人の会話のようになってしまって、前作のユニークな独り言が聞かれなくなった。
大人をバカにしたシニカルなシーンも少なくなって
どちらかと言うと、大人同士のドラマをそのまま描いていて
むやみなミュージカルっぽいシーンもあり(トラボルタが出ているせいか)
面白いと言えば、そういう作りだから面白いけど、
本当にたわいない話になってしまった。
前作は面白くて、子供の視点を変えれば、まだまだ行けると思ったが
可もなく不可もなくという出来で、
アメリカではテレビシリーズもできたと言うが、もう続編は勘弁してほしい。
 

ワンダフルファミリー ベイビー・トーク3(93)

 モリー(カースティ・アリー)はリストラで失業。
逆に夫ジェームズ(ジョン・トラボルタ)は、大企業のおかかえパイロットに採用。
息子マイキーは、サンタがいないと知ってショック。
そこでジェームズが野良犬ロックス(声ダニー・デビート)を飼う事にするが、
サマンサ社長がダフネ(声ダイアン・キートン)を譲り、一挙に2頭に。
おとなしいダフネに対し、しつけのないロックスに家の中はめちゃくちゃ。
しかもジェームズは出張がちで、モリーはサマンサに嫉妬心を抱く。
仲の悪いロックスとダフネも、ひょんな事から意気投合。
クリスマスにサマンサはジェームズを山荘で誘惑するが、ジェームズは拒否。
モリーも決心して山荘へ向かうが、道に迷う。ロックスらの活躍で警察の小屋で再会。

 と言うわけで、赤ん坊が話すこのシリーズも子供が成長して、今度は犬が話す事に。
こうなると、当初の面白味とはずれた感じだが、前作よりは面白い。
無愛想だがバスケが好きな娘ジュリーもなかなか。
母役のオリンピア・デュカキスも再登場。

VHS
 

ベイブ(95)

 子豚のベイブは、食用に農夫アーサーに買われ、犬のフライに育てられる。
フライの子犬は牧羊犬として売られ、寂しい彼女はベイブを牧羊犬として育てる。
フライらが負傷し、アーサーはベイブを牧羊犬コンテストに出す事を思いつく。
羊たちが野犬に襲われ、ベイブが助ける。
コンテストに出場するが羊たちは言う事を聞かない。
だが仲間の羊が暗号を教えたため、羊たちはきちんと整列して移動。満点で優勝する。

 と言うわけで、豚が言葉を話すと言う設定で、アカデミー賞候補になった話。
豚の視点で社会を見ているのが微笑ましい感じ。
「ベイビー・トーク」とかと同じ路線だ。

VHS
 

ベイブ 都会へ行く(98)

 豚のベイブは最優秀牧羊犬に選ばれるが、飼い主のアーサーが負傷。
稼ぎ頭が寝たきりになり、農場を守るため、アーサーの妻エズメと大会へ行く事に。
しかし、空港で足止めを食い、付近の都市で泊まる事になるが
条例でどこにも動物は泊まれない。ようやく一軒がこっそり泊めてくれる。
そこは動物だらけで、猿がカバンを持ち去り、騒ぎ出したエズメは逮捕される。
動物たちはエサがないため、ベイブは猿たちと調達に。
わずかな食料を得るが、ベイブは猛犬に追われるハメに。
逆におぼれそうになった猛犬を助け、猛犬は動物たちにベイブに従えと言う。
ベイブはリーダーとして食料を分けるが、隣人が動物を追い出せと警察を呼ぶ。
警察は動物をすべて捕らえるが、ベイブは何とか逃げ出す。
匂いで研究所へいる事に気づく。このままでは研究の実験台にされるのだ。
動物を逃がすが、医師会のパーティに迷い込み、釈放されたエズメもかけつけ大騒ぎ。
ホテルの女主人はホテルを貸し出し、その金で農園は守られ楽園となる。

 と言うわけで、牧羊豚ベイブの物語の続きで
動物たちも心から接すれば気持ちが通じると言う感じ。
猛犬が仲間になる展開はいいのだが、最後のパーティのシーンはドタバタ過ぎる感も。

TV放送 2000/09/24 BS05 2000-2137
 

ベイマックス(2014年米)

ヒロ・ハマダ ロボットの天才少年
タダシ ヒロの兄
おばさん ヒロを養う
ロバート・キャラハン教授 タダシの恩師(ジェームズ・クロムウェル)
クレイ氏 実業家

フレッド ヒロの仲間
ゴーゴー ヒロの仲間
ワサビ ヒロの仲間
ハニーレモン ヒロの仲間

 ロボットの天才少年ヒロは、兄タダシと同じ大学へ入る為、マイクロボットを開発。
タダシの恩師キャラハン教授に評価される。
だが、爆発事故でタダシと教授が死亡。
落ち込むヒロは、タダシが遺したケアロボットのベイマックスの存在を知る。
何者かがマイクロボットを複製していると突き止めたヒロは、
改造したベイマックスや仲間と調査。
実業家クレイを疑い、その施設へ。
かつてテレポート技術の研究をしていたが、失敗したと言う。
そこに、マイクロボットを従えた歌舞伎マンが現れる。
歌舞伎マンの正体は生きていた教授で、
テレポートの実験で娘アビゲイルが死んだ彼は、クレイに復讐心を抱いていたのだ。
教授はテレポート装置で、クレイの施設ごと吸い込もうとする。
だが、マスクを外された歌舞伎マンは無力化。
ベイマックスはアビゲイルの生命反応に気付いて救出するが、
自らは装置内に取り残されてしまう。
仲間の活躍が報じられる中、ヒロはベイマックスを失った悲しみを感じていた。
だが、残された腕が握っていたプログラムが入ったカードを見つけ、
ベイマックスは再び甦るのだった。

 と言う訳で、ディズニーのアナ雪に続くアニメ。
ロボットの天才であるヒロ少年は、
事故死した兄によるケアロボットのベイマックスを改造。
仲間たちと共に、事故の真相を追うと言う訳。
ディズニーぽい心暖まるお話のフリをしているが、
実はマーベルのアメコミが原作で、ファンタスティックフォーみたいな展開。
アニメなのに、ちゃんとスタン・リーまで出てきます。

TV放送 2015/11/21 WOWOW 2100-2242
 

ペイルライダー(85)

監督 クリント・イーストウッド

 砂金探しで生活する貧しい村を狙い、大物ラフート一家は襲撃を続ける。
町で殴られるバレットを、牧師(クリント・イーストウッド)が助ける。
彼の登場に村人は団結。ラフートは1人1000ドルで土地を買うと提案。
だが、バレットらは夢を捨てるなと戦う事を決意。
バレットの恋人サラや、その娘メイガンは牧師に恋心を抱く。
だが、牧師は単身町へ出向き、ラフートの部下や、保安官助手たちを次々倒す。
因縁のあるストックバーン保安官も倒し、ラフートはバレットが射殺。
牧師は町を去っていった。

 と言うわけで、古くからの典型的な西部劇を復活させた感じ。
物静かだが、怒ると目茶強いと言う、こういう単純なのもけっこういい。
ラフートの息子ジョシュにクリストファー・ペン。
部下の大男クラブにリチャード・キール。なぜか、寝返る。

TV放送 94/05/05 08CH 01:45-03:29
 

ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金(2013年米)

ダニエル・ルーゴ ジムのオーナー(マーク・ウォールバーグ)
エイドリアン ルーゴの仲間
ポール・ドイル ルーゴの仲間(ドウェイン・ジョンソン)
ヴィクター・ペペ・カーショウ ルーゴの客(名探偵モンク)
エド・デュボイス2世 探偵(エド・ハリス)
医師 (プリズンブレイクのアブルッチ)

 95年。ジムのオーナーであるルーゴは、
金持ちの客ヴィクターに見下されるのに嫌気が差し、彼から巻き上げる事を計画。
相棒エイドリアンと客のドイルを仲間にする。
苦戦しながら、ヴィクターを拉致する事に成功。
だが、コロンの匂いで正体がばれてしまう。
何とか書類にサインさせ、金と屋敷を奪う事に成功。
正体がばれた為、火をつけた上に車でひき殺したつもりだった。
それでも生きていたヴィクターは警察に訴えるが本気にされず、
探偵デュボイスを雇う事に。
一方、ルーゴらは遊びまくった挙げ句、
さらにポルノ王から巻き上げようとして、殺してしまう。
デュボイスの連絡で警察が乗り出し、エイドリアンとドイルが逮捕。
ルーゴはヴィクターの隠し口座があるバハマに逃れるが、
ヴィクターらに追われて逮捕される。
裁判ではなかなか証拠が出なかったが、自責の念にかられたドイルが自供。
ルーゴとエイドリアンに死刑判決が出て、ドイルは15年の刑とされる。
アメリカンドリームを追ったルーゴは、夢を実現したかに思えたが、
求めすぎてはダメ。それがケガのもとだ。

 と言う訳で、マーク・ウォールバーグ主演のアクションコメディ(?)
ジムのオーナーであるマークは、金持ちの客から財産をいただこうと計画。
ドゥエイン・ジョンソンらと組んで、金持ちを誘拐。
筋肉バカの悲しさか、計画は穴だらけだが、勢いで成功し、大金を手にする。
そこでやめればいいのだが、さらに調子に乗って墓穴を掘ると言う訳。
マイケル・ベイがトランスフォーマーの合間に作った日本未公開作で、
尺は2時間とベイ作品にしては短め。
それでも長く感じるのは、無計画に行動するシーンが延々と続くからか。
監督:マイケル・ベイ

TV放送 2014/11/27 WOWOW 2300-0109
 

ペーパー・ムーン(73)

 母を失ったアディ(テータム・オニール)は、叔母の所へ行く事に。
母の友人と言う男モーゼ(ライアン・オニール)と同行。アディは父親ではと疑う。
モーゼはペテン師で、未亡人に聖書を売りつけて稼ぎ、アディも協力する事に。
途中、ダンサーのトレクシーも同行する事になるが、アディは彼女を追い出す。
密売人に彼の酒を売りつけ稼ぐが、弟である保安官に追われ、金を奪い取られる。
叔母の家に到着するが、アディは家を飛び出し、モーゼと旅を続ける事にする。

 と言うわけで、ライアン・オニール親子が、親子かも知れない2人を演ずる。
何と言ってもテータム・オニールの、ませた演技が出色で、天才的だったと言える。
この後、パッとしなかったのが不思議なくらい。
逃走中、車を交換した家の息子にランディ・クエイド。レスリングで勝負して勝つ。

TV放送 97/01/27 BS05 10:00-11:45
 

ペギー・スーの結婚(86)

監督 フランシス・コッポラ

 ペギー(キャサリン・ターナー)は夫チャーリー(ニコラス・ケイジ)と別居状態。
高校の同窓会で、発明王になったリチャードと再会。恋していたマイケルは消息不明。
パーティの女王に選ばれ、ショックで失神。気がつくと、25年前へ戻っていた。
なつかしい家族との再会。高校時代を再び楽しもうと決意。
恋人ペギーが急に冷たくなったので動揺するチャーリー。
ペギーはガリ勉リチャードに事情を説明。未来の発明で儲ける事を考える。
彼女はスポーツマンのマイケルに接近するが、重婚を求める彼に失望。
マイケルとの噂を聞いたチャーリーは動揺するが、
ダメになったチャーリーを知るペギーは、彼とは一緒になれないと言う。
リチャードも彼女に結婚を求めるが、子供に会いたい彼女はもうとどまれない。
祖父母に事情を説明し、タイムトラベラーの集まりへ行くが、効果なし。
かけつけたチャーリーが求婚し、誕生日のプレゼントを渡したため、気を失うペギー。
病院で気がつき、元の世界に戻ったペギー。マイケルから見舞いの本が届いている。
君なしでは生きられないと言うチャーリーと、ペギーはもう一度やり直そうと決意する。

 というわけで、タイムトラベルものと言うが、これは幻想では言う気がする。
何しろ、歴史は全く変わっていないんだし、彼女が若くなっているのも変だからね。
二度と戻らない過去へ戻った寂しさのようなものを、もっと出しているとよかった。
ペギーの友人キャロルにキャサリン・ヒックス。

TV放送 92/02/09 10CH 21:02-22:54
 

北京原人の逆襲(1977年香港)

ジョニー 探検家
ルー 探検隊の隊長
サマンサ 女ターザン
リン ジョニーの元恋人
ジョニーの弟

 大地震で、ヒマラヤの山中に体長15メートルの巨大な猿人ペキンマンが現れる。
猿人を捕まえて儲けようとするルーは、隊を組んで奥地を探検する事に。
恋人リンが弟と浮気し、失意のジョニーも同行する。
猿人が現れるとルーらは退散。ジョニーはジャングルに住む娘サマンサに助けられる。
彼女は幼い頃に飛行機事故に遭い、以来ジャングルで暮らしていたのだ。
ジョニーはサマンサと愛し合う。
彼は香港で猿人を公開する事をルーに提案。猿人は船で移送され、見せ物にされる。
ルーはサマンサに迫り、それを見た猿人が暴れ出し、ルーを踏み潰す。
サマンサが説得するが、軍はもろともに攻撃。
猿人はビルから落ちて死に、サマンサも息耐える。

 と言うわけで、北京原人は人間の祖先で、巨大な猿人ではないよね。
これは邦題だけの問題?
ラウレンティス版キングコングが話題になった際、
便乗して香港で作られたパクリとしか言い様のない作品。
ヒマラヤの奥地にいた巨大な猿人ペキンマンを、
興行主が香港へ連れてきて見せ物にする。
ペキンマンにも人間の恋人がいるが、それが女ターザンことサマンサ。
キングコングは都会の女性が恋人だったので、
そこはヒネったとも解釈できるが、むしろごった煮感が強い。
サマンサが興行主に襲われるのを見たペキンマンは暴れ出し、
都会をひとしきり破壊した後、高層ビルに登って軍に倒される。
ついでにサマンサまで殺されるのは香港流と言うべきか、
ハリウッドの感覚とは異なる。
特撮は東宝系の連中が出向いたとの事。
ペキンマンの造形には愛敬がなくて、あまり見入る感じではない。
一方で見入ってしまうのはサマンサの方。ビキニみたいなターザン衣裳だが、
むちむちした体型で、いつポロリがあるかハラハラする始末。
予告編見ると、裸も見せてるようだけど、
日本の家族連れ向けにカットしたって事かしら。

DVDレンタル
 

北京の55日(63)

 監督 ニコラス・レイ

 1900年。西太后時代の北京は、諸外国の軍隊が占拠していた。
外国人追放を目的とした義和団は、居住区の襲撃を続ける。
ドイツ公使が殺され、米軍のルイス少佐(チャールトン・ヘストン)は現場を目撃。
主犯はトゥーアン王子だったが、混乱を避けるため、西太后は諸外国に撤退を要請。
しかし、英国公使アーサー卿(デビッド・ニブン)は、抗戦する事を提案。
各国も従うが、日本の柴大佐(伊丹十三)ら軍部は大軍を封じる自信がない。
激しい戦闘の中、ロシア公使の義妹ナターシャ(エバ・ガードナー)は負傷者の看護。
連合軍は城壁を取り戻すが、大勢が死亡、武器も不足する。
おまけに、中国正規軍が援軍の列車を爆破したため、連合軍は孤立。
西太后は連合軍に降伏を求め、戦勝会が催される。
アーサー卿とルイスは、敵の弾薬庫を爆破。
ルイスは、100km先まで来ている援軍に接触しようとするが失敗。
ナターシャは大切な宝石を中国人に売り、衣料品を獲得。だが、敵の攻撃で死亡。
敵は巨大な戦車で攻撃するが、連合軍は手製の大砲で反撃。
55日目。援軍が到着し、敵は撤退する。

 というわけで反戦や、国際協調まで描いている気がするスペクタクル。
もっとも、連合軍のやっている事は、立派な侵略で
中国軍を悪者扱いしているのは、まったく不当な話としか言い様がない。
史実に基づいた話だが、弾薬庫を爆破するくだりなどは、
「ナバロンの要塞」のようだ。いったい何だったのだろうか。
どこかの軍隊のリーダーが、ウォルター・ゴテル。

TV放送 91/11/23 12CH 03:05-05:35
 

北京のふたり(97)

 ジャック(リチャード・ギア)は米中衛星放送契約のため北京へ。
知り合った女性ホン・リンと愛し合うが、翌朝彼女は死体で見つかり、
ジャックは逮捕される。大使館との連絡もままならず、弁護士は中国人しか選べない。
シェン弁護士は、有罪を認めた方が罪は軽くなると言うが、ジャックは拒否。
ホン・リンは携帯で話しており、通話記録を調べるが、何者かに抹消されている。
移送中に何者かに襲われるが、ジャックはどさくさに逃げ出し大使館へ。
現れたシェンは、彼の無罪を信じなかった事を悔やむと言い、
まずい立場になった彼女の事を考え、ジャックはあえて逮捕される。
シェンは通話記録を入手。会話していたホアンは警官にも電話しているらしい。
ホアンはジャックを襲った犯人で、証人として召喚するが、
検事総長は裁判中にシェンを呼び出し足止め。ジャック自身が奮戦する。
黒幕の疑いがあるショー大臣を召還すると思われたが、
ジャックの商売敵、大臣の息子ダンを召還。
ダンはジャックの失脚で契約を得て、出世したのだ。
ホン・リンの写真からダンが恋人だったと主張するが、昔の事だと否定。
通話記録の相手は大臣だったが、ダンは捜査の及ばない父の携帯を利用したのだ。
裁判官は無理矢理閉廷し、ホアンを逮捕するが、ホアンはダンの指示と言う。
ホン・リンの父である将軍はダンを射殺する。ジャックは釈放される。
ジャックはシェンと帰国しようとするが、祖国は捨てられないとシェンは留まる。

 と言うわけで、不利な条件のそろった中国で濡れ衣をかけられた
リチャード・ギアが奮戦する話で、最後の最後まで事態が好転せずに
展開はなかなか面白いのだが、真相解明の部分はちょっとわかりづらい。

TV放送 2000/06/03 BS05 1140-1345
 

ヘザース ベロニカの熱い日(1988年米)

ベロニカ・ソーヤー 女学生(ウィノナ・ライダー)
JD 同級生(クリスチャン・スレーター)

 ベロニカは、学園の女王様である3人のヘザーの取り巻き。
彼女たちの意地悪に協力させられる日々に嫌気が差し、
中の1人ヘザー・チャンドラーを殺したいと思う様に。
はみ出し者JDと親しくなったベロニカは、彼と協力し、
二日酔いの薬と称して、ヘザーに洗浄剤を飲ませようとする。
ヘザーはイタズラを承知しつつ、臆病と言われたくないと飲み干して死んでしまう。
動揺するベロニカだが、ヘザーの遺書を偽造し、自殺を装う。
別のヘザーに誘われ、カートやラムとダブルデートする事に。
何もしていないのに、色々吹聴されて頭に来たベロニカは、
おもちゃの銃で脅そうとするが、JDはカートらを本当に射殺。
やむなくベロニカは、カートとラムが禁断の関係にあり、自殺したと偽装する。
本当に殺したくはなかったと、ベロニカはJDを避ける様に。
彼を止められないと感じたベロニカは、首を吊って自殺したふりをする。
ショックを受けたJDは学校に爆弾を仕掛けるが、生きていたベロニカと対面。
だが、JDは爆破をやめる気はなく、ベロニカと格闘に。
ベロニカに撃たれるが、まだ生きていたJDは、自らに爆弾を巻き付けていた。
学校を爆破する気などなかった、すれば君も巻き添えだと言って自爆する。
すすまみれになったベロニカは、学園を守る保安官になると誓うのだった。

 と言う訳で、ウイノナ・ライダー主演の、ちょっとダークなコメディ(?)
共演はクリスチャン・スレイターで、
当時付き合ってたらしいから、本作がきっかけかも。
ライダーは学園の女王様たる3人のヘザーの取り巻きで、
よくある学園ドラマならば悪役の脇役と言う役どころ。
だが、女王様に嫌気が差していて、恋人になったクリスチャンと協力して、
ヘザーの1人に嫌がらせをする事に。
ところが、やり過ぎて彼女が死んでしまい、自殺を偽装する羽目にと言う訳。
ライダーはこの事態にきゃーきゃー騒いでるけど、間違いない悪女ぶり。
シザーハンズより前の作品と言う事を考えると、女優って化けるなと言う印象だ。
と言うあたりまでは面白かったが、
終盤になって、ライダーの態度が急変した感があって、方向性がわからなくなる。
普通なら、ヘザー3人とも始末すべきだろうと言う気もするが、
そのヘザーも見ていて区別がつかない。

TV放送 2014/09/01 WOWOW 2100-2243
 

ベスト・キッド(1984年アメリカ)

ジョン・G・アビルドセン監督

 ダニエル(ラルフ・マッチオ)は、母の仕事でカリフォルニアへ転居。
アリ(エリザベス・シュー)と親しくなるが、元恋人ジョニーらのいじめを受ける。
ジョニーは、厳しいコーチ(マーチン・コーブ)による空手コブラ会のメンバーだ。
イジメを受けるダニエルを、管理人ミヤギ(ノリユキ・パット・モリタ)が助ける。
彼は沖縄出身で、空手の達人だったのだ。
ミヤギはコーチと話をつけ、試合で決着をつける事に。
ダニエルは車を洗ったり、ペンキ塗りをさせられたりするが、
いつの間にか空手の型を身につけていた。アリとの気まずい関係も修復。
ついに大会に出場。ダニエルは次第に調子を出して勝ち続ける。
コーチはダニエルに勝つため、準決勝で反則負けし、ダニエルのひざを痛めつける。
回復せねば、ジョニーの優勝だが、ケガを押して出場。
ジョニーは反則を続けるが、ダニエルはツルの型でジョニーを倒し優勝する。

 と言うわけで、シリーズとなった作品で、
少年が主人公だからお手軽な感じかと思えば
これがしっかりできていて、ムダなシーンが少ない良くできた作品。
戦うのではなく防御が大事だと、空手の精神を教えるミヤギのとぼけた味は
日本人恐るべしと思わせるのだが、続編以降はちょっとずれた方向へ。
コブラ会には、マックイーンの息子チャドもいるが、この後は見かけず。
音楽はビル・コンティ。

TV放送 2001/12/02 BS11 1920-2130
 

ベスト・キッド2(86)

監督 ジョン・G・アビルドセン

 ダニエル(ラルフ・マッチオ)はミヤギ(ノリユキ・パット・モリタ)に
空手を学び、大会でコブラ会を倒す。
6カ月後。母は引っ越し、ダニエルはミヤギの家の世話に。
父の危篤のため、ミヤギは沖縄へ。ダニエルも彼に同行。
ミヤギは45年前、恋人ユキエをめぐって親友サトウと対立。沖縄を去る事になった。
到着すると、サトウの甥トグチらに脅され、恨みが続いている事を知る。
サトウは島を支配し、決闘を申し込む。
ダニエルは、ユキエの姪クミコ(タムリン・トミタ)と接近。
トグチの嫌がらせや、サトウが村を売ると言うため、ミヤギは決闘を決意。
台風で、サトウは神社の下敷きに。トグチは逃げ、ミヤギらが救出。
改心したサトウは、トグチを卑怯者とののしり、村の再建に協力する事に。
盆踊り大会に乱入したトグチは、ダニエルと対決。
苦戦するダニエルは、極意であるデンデン太鼓の動きでトグチを倒す。

 と言うわけで、東洋の妖しい教訓と共に空手を学ぶ前作は面白かったが、
今回は、どうしても沖縄に見えない怪しい島が舞台。(ずいぶん狭そう)
そればかり気になって、話の方はいまいち。
コブラ会コーチとして、マーチン・コーブが再登場。音楽はビル・コンティ。

TV放送 94/03/11 04CH 21:03-22:54
 

ベスト・キッド3 最後の挑戦(89)

監督 ジョン・G・アビルドセン

 コブラ会空手のクリース(マーチン・コーブ)は、
ダニエル(ラルフ・マッチオ)とミヤギ(ノリユキ・パット・モリタ)にやられ、
今では生徒もいない状態だ。旧友テリーは、彼らへの復讐を約束。
選手権が迫るが、ミヤギは試合のための空手ではないと、出場をやめさせる。
彼は盆栽屋を開くが、マイクらに脅され、ダニエルはたまらず出場を承諾。
ミヤギの指導は受けられず、テリーの反則も辞さない空手を教わる。
だが、これはダニエルを試合に引き出すための作戦だった。ミヤギはダニエルを特訓。
試合では、決勝で反則を連発するマイクに痛めつけられる。
だが、自分に負けるなとのミヤギの声に、力を呼び戻し、ついに勝利をおさめる。

 と言うわけで、何でも教訓にしてしまうミヤギが、
今回は盆栽を中心に話を展開するのには、苦笑させられる。試合も盛り上がらず。
陶器店の店員ジェシカと仲良くなるが、前の彼氏とよりを戻し、
途中で去っていくあたりは、何のために出てきたんだか……。
音楽はビル・コンティ。

TV放送 93/11/27 08CH 21:02-22:54
 

ベスト・キッド4(94)

 ミヤギ(ノリユキ・パット・モリタ)は、戦友の孫娘ジュリーの面倒を見る事に。
彼女は両親が事故死し、今は反抗期。父が教えた空手を通じて、ミヤギと心を通わす。
学校を統率するデューガン(マイケル・アイアンサイド)一派とジュリーは対立。
対決の末、ジュリーとミヤギがデューガンらを倒す。

 と言うわけで、生徒が女の子に代わっての第4作。
別に試合とがあるわけでもなく、同じ事の繰り返し。音楽はビル・コンティ。

VHS
 

ベスト・キッド(2010年米中)

ドレ・パーカー (ジェイデン・スミス)
シェリー ドレの母
ハン アパートの管理人(ジャッキー・チェン)
メイリン バイオリンを弾く少女
チョン いじめっこ
リー カンフー教室の先生
ハリー 近所の少年

 ドレ少年は母ジェリーの仕事の都合で、デトロイトから北京に引っ越す事に。
さっそく近所の少年らと遊び、公園で見かけた少女メイリンと親しくなるが、
それを快く思わないチョンらに痛め付けられる。
チョンの嫌がらせは続くが、管理人のハンがドレを助け、チョンらを叩きのめす。
ハンはチョンが学ぶカンフー教室に乗り込み和解を求めるが、リー先生は納得しない。
やむなくカンフー大会で決着をつける事とし、それまでチョンが手を出す事を禁ずる。
ドレにカンフーを教える事となったハンは、
ジャケットを脱いで柱にかける動作を続けさせる。
本格的なカンフーを期待したドレは失望するが、
やがてそれがカンフーの動作に通じる事に気付く。
メイリンの父は交際を禁じるが、ドレはハンの助けで謝罪し、
彼女が試合を応援する事を許可される。
一方でドレは、ハンに妻子を事故で失った過去があり、心に傷を負っていると知る。
どん底ではい上がるかは自分次第と気付かされたと、ハンはドレに道着を贈る。
そしてついに大会の日が訪れる。最初は戸惑うドレだが、要領がわかると勝ち続ける。
準決勝ではチョンの同僚リアンと対戦。
リアンはリーの指示で、反則を犯して、ドレの足を痛め付ける。
ドレは不戦敗の危機にあったが、ハンの治療もあり、時間ギリギリに復帰。
決勝でチョンと対戦する。ドレがリードすると、リーは足への攻撃を指示。
耐えぬいたドレがチョンを倒して優勝。
リーの生徒たちは、リーではなくハンに敬意を示すのであった。

 と言うわけで、ヒットした空手少年の話のリメイク。
旧作は、2回劇場で見た数少ない作品です。
それをウイル・スミスの息子とジャッキー・チェンでリメイクと聞いて、
何かイヤだなと感じたのが本音。
ジェイデンはデトロイトから中国へ引っ越す事になり、
心細かったが、中国人の彼女も出来たりする。
それを快く思わない中国人少年らにいじめられるが、
アパートの管理人ジャッキー・チェンに助けられる。
カンフーの達人ジャッキーに教わり、
カンフー教室に通う中国人少年らと大会で決着をつける事にと言う訳。
旧作をなぞった展開で、マッチオ版で若干雑に思えた描写も、
本作はていねいに描いていて好感が持てる。でもしっくり来ない。
旧作は舞台がアメリカなのに空手をやる面白さがあったが、
本作は中国でカンフーをやると言う当たり前感がいけないのか。
私だけの問題かも知れないけど、このハードルは大きい。
だがていねいな描写は試合まで続き、最後の盛り上がりは本作が勝る。
映画的に終わりが盛り上がった方が面白いのは明らかで、ここで好評価に。
両方が合わさると、ベストなんだけどね。(ベストキッドだけに)

TV放送 2011/08/13 WOWOW 1200-1420
 

ベスト・フレンズ・ウェディング(97)

 料理評論家ジュリアン(ジュリア・ロバーツ)は
元恋人で今でも親友のマイケルから、4日後の結婚式に招待され大あわてする。
キム(キャメロン・ディアス)と言うその女性は、大金持ちの世間知らずで
ジュリアンを気に入るが、ジュリアンは互いの悪口を言ったりして妨害しようとする。
勢い余って、キムの父と称して、安月給のマイケルを解雇するよう上司にメール。
仕事を辞めたくないマイケルは婚約解消を決意。ジュリアンは後悔を感じる。
だがマイケルに自分を選んでくれと告白。彼女の真意を知ったキムは怒って立ち去る。
マイケルの心が自分に向かないと知ったジュリアンは、メールの件を告白。
彼が愛するのはあなたと、キムを呼び戻し結婚させる。

 と言うわけで、ジュリア・ロバーツがラブコメに挑戦と言う感じで
友人でしかない男の結婚を阻止しようと奮戦する話は面白いのだが、
最終的に奪えば痛快なのだが、そうはならないのでちょっと消化不良だ。

TV放送 99/05/01 BS05 12:05-13:55
 

ヘッドハンター(2004年米カナダ)

ビンセント・パーマー ヘッドハンター(クリスチャン・スレーター)
ベン・キーツ 技術者
エミリー・キーツ ベンの妻(エステラ・ウォーレン)
アリソン ベンの娘
フランクリン ベンの雇い主(マイケル・クラーク・ダンカン)

 フランクリンの会社は、逃亡犯を追跡するシステムを構築。
開発したのは技術者のベンだ。
 そんな中、ヘッドハンターのパーマーがベンをつけ回し、
レズタット社へ勧誘する様になる。
どこかから、ベンが中心人物だと言う情報が漏れたらしい。
パーマーはプレゼント攻勢や高額の給与提示をし、妻エミリーは魅力を感ずる様に。
だが、ベンのフランクリンを裏切れないと決意は固い。
 パーマーは、ベンが会社を辞めると言う噂を流し、社内に動揺が広がる。
さらには相手の奥さんを殺した事があると脅迫。
執拗な留守電攻勢を受けたベンは、妻を殺されたジョンに相談。
ジョンは、転職するか奴を殺すしかないと言う。
 ベンは、あちこちに仕掛けられた隠しカメラを発見。
だが、パーマーの仕業だと言う確証が必要だ。
そこでパーマーの家を調べるが、フランクリンを監視していたと判明。
パーマーはフランクリンのサインを偽造した挙げ句、彼を射殺してしまう。
 フランクリンの葬儀でパーマーを殴りつけたベンは、拘束されてしまう。
契約すれば出してやると言われ、ベンはやむなくサインする事に。
仕事を成し遂げたと喜ぶバーマーだが、
レズタット社からベンが現れなかったと連絡が入る。
あわててベンの家に行くがもぬけの殻。追跡システムで逆に追われる身となる。
現れたベンと撃ち合いになり、
格闘の末装置の上へ落とされたパーマーは、感電して死ぬ。
一件落着し、ベンは自分の会社に出社するのだった。

 と言うわけで、ちょっと前の映画で、クリスチャンが迷走し始めた頃?
彼は強引な手口のヘッドハンターで、プレゼント攻勢、
夜討ち朝駆け、家族を味方につけるなんてのは当たり前。
ターゲットの秘書にスパイを送り込み、盗聴し、あげくに邪魔な連中を始末。
こうなると、ヘッドハンターと言うよりは、ストーカーの域。
物語は、つきまとわられる技術者を中心に描くので、
いつ反撃するかがもっぱらの関心に。
彼が開発した追跡システムが役立つ訳だが、
クリスチャンをぎゃふんと言わせる程の効果は出ず。
ところで、無警戒だったけど、技術者の妻がエステラ・ウォーレン。
以前ほどHな感じではない。

TV放送 2010/02/19 WOWOW 2200-2335
 

ベビーシッター・アドベンチャー(87)

監督 クリス・コロンバス

 クリス(エリザベス・シュー)は、デート当日に妹の病気とマイクに断られる。
しかたなく、ベビーシッターの仕事へ。娘サラの相手が仕事だが、
友人ダリス宅に泊まるはずのブラッドは、クリスに気があるため家に残る事に。
家出した友人ブレンダから、ダウンタウンの駅まで迎えに来いと電話が。
仕方がないので、現れたダリスまで同行して駅へ向かう。途中車がパンク。
トラック運転手プルートが牽引してくれるが、妻の浮気を知り銃を乱射。
浮気相手の車に飛び乗るが、自動車泥棒ジョーが工場まで連れていく。
泥棒連中は工場がばれたと一行を監禁。彼らは天井から脱出。
ダリスがプレイボーイを持ち出すが、そこに注文がメモされていた。
病院でプルートに再会。工場に車を届けたと聞く。大学生ダンが、修理代を工面。
マイクが別の女性とデートしているのを目撃。殴り飛ばす。
その間に、サラは組織に追われ、両親がパーティしている高層ビルへ。
追い詰められるが、ジョーが助ける。
駅でブレンダを拾い、両親の車を追い越し、何事もなかったフリを。
彼女を突き止めたダンに、交際を求められる。

 と言うわけで、わき役が多いエリザベス・シューが主役。
次から次へと窮地に追い込まれる展開は、同監督「ホーム・アローン」より面白い。
しかし、ブルースを歌わなきゃダメと言う店で、
ベビーシッターブルースと言うのを歌い、受けるのはちと恥ずかしい気がする。
音楽はマイケル・ケイメン。

TV放送 93/03/13 08CH 21:02-22:54
 

ヘラクレス(70)(未公開)

 人間の世界が見たいと、ヘラクレス(アーノルド・シュワルツェネッガー)は
ゼウスの命令を無視し、ニューヨークへ。
言動から頭がおかしいと思われるが、怪力は人々を驚かせる。
動物園から逃げた熊を倒し、レスリングで人気者に。
ゼウスの妻ジュノーは、ヘラクレスに薬を飲ませ、力を奪う。
そのため、力比べで負け、賭をしていたギャングに追われる羽目に。
ビーナスらが助っ人を送り、助かったヘラクレスは、自らの身勝手さを知り帰る。

 と言うわけで、シュワが、アーノルド・ストロングと称して出た珍品。
ぬいぐるみの熊と対決したり、陳腐な展開ばかり。シュワでなければ見るに耐えない。
報告を聞いたゼウスが、人間の世界へ行くラストもお約束のようだ。
人気にあやかったヘラクレスの映画のポスターに、ゴジラの写真が。

TV放送 93/07/24 12CH 03:25-05:10
 

ヘラクレス(1997年米)

ヘラクレス ゼウスの息子
ゼウス 神
ハデス ゼウスを敵視してる神(ジェームズ・ウッズ)
ピロクテテス 通称フィル(ダニー・デヴィート)
メガラ 通称メグ。実はハデスの手下

 ゼウスと対立する神ハデスは、
占いで惑星直列の際に宇宙の支配者となるが、ヘラクレスに敗れると知る。
そこでヘラクレスに呪いをかけ、人間にしてしまう。
青年になったヘラクレスは、ゼウスに会い、自分が本来は神だったと知らされる。
オリンポスには神しか住めないが、ヒーローになれば神になれると言う。
フィルの訓練を受けたヘラクレスはドラゴンを倒し、
人々にヒーローと称えられるように。
ハデスはメグと言う女性を捕え、解放する代わりにヘラクレスの力を奪う契約をする。
だがメグはハデスの手下だったのだ。
ハデスはゼウスへの怒りを怪物化して暴れさせる。
改心したメグはヘラクレスを助けようとして負傷。
契約は無効になり、力を取り戻したヘラクレスは神々を助ける。
さらに死んでしまったメグを死の水から助け出し、逆にハデスを落とす。
ゼウスらはヘラクレスを真のヒーローと称えるが、
人間の世界こそ住む場所だと気付いた彼は、戻る事にするのだった。

 と言うわけで、ギリシャ神話のヘラクレスを主人公にしたディズニーアニメ。
メル・ギブソンが声やっていると思ったけど、それはポカホンタスだった。
ゼウスの息子ヘラクレスは、
ゼウスを快く思わないハデスの罠で神になれず人間にされてしまう。
オリンポスに住むには、真のヒーローになる必要があると知り、
ヘラクレスは冒険の旅に出るが。。。と言う展開。
ギリシャ神話になじみがない者には、
タイタンの戦いのメドゥーサとの戦いみたいな一般にも知られるエピソードがないと
ちょっと盛り上がらず。

TV放送 2010/11/06 WOWOW 1430-1603
 

ヘラクレス(2014年米)

ヘラクレス (ドウェイン・ジョンソン)
イオラオス ヘラクレスの甥
アムピアラオス ヘラクレスの仲間。預言者
アタランテ ヘラクレスの仲間。女兵士
アウトリュコス ヘラクレスの仲間

コテュス王 (ジョン・ハート)
ユージニス 王の娘(ローグネイションのヒロイン)
アリウス ユージニスの息子
エウリュステウス王 ヘラクレスの宿敵(ジョゼフ・ファインズ)
レーソス 敵

 ゼウスと人間の息子ヘラクレスは、数々の怪物を倒したとして伝説となっていた。
実はその武勇伝は、甥イオラオスが大げさに語ったものだった。
ある時、ヘラクレスは、レーソス軍に苦戦するコテュス王に協力を求められる。
そこで、兵士たちを鍛えた結果、レーソス軍を倒す事に成功。
だが、養女ユージニスによると、コテュスこそ暴君だと言う。
彼女の夫を殺され、正当な後継者である息子アリウスの王位も奪われたのだ。
ヘラクレスを人間と承知で利用したコテュスは、部下として仕えるよう求めるが拒否。
ヘラクレスは仲間たちと城に殴り込み、大暴れ。
コテュスは宿敵エウリュステウス王と組んでいたが、ヘラクレスはこれを倒す。
さらに巨大な石像を倒してコテュスらを下敷きに。
生き延びた敵兵はヘラクレスに従う事に。神の子でなくも英雄になれるのだ。

 と言う訳で、ドウェイン・ジョンソンがヘラクレスを演ずる話。
神ゼウスと人間の子供ヘラクレスは、多くの怪物を倒したと伝説になっていた。
実は、伝説は彼の仲間が広めたもので、ヘラクレスは普通の人間だったと言う訳。
何だか期待したものと違って拍子抜けだが、ヘラクレスが怪力である点は事実。
この手の「噂とは違う存在」は、知恵でカバーしたりするケースが多いが、
そうでもない。
人々も、ヘラクレスが人間と知っても失望する訳でもなく、
何でこんな設定にしちゃったのやらと言う印象。

TV放送 2015/11/23 WOWOW 2000-2138
 

ベリー・バッド・ウェディング(98)

 カイルはローラ(キャメロン・ディアス)と結婚する事に。
カイルの悪友ボイド(クリスチャン・スレーター)らがパーティをして騒ぐが、
ボイドの弟マイケルがHしていた娼婦が事故死し、
気がついた警備員をボイドが刺殺してしまう。一同は死体を持ち出して始末。
一同は動揺。特に信心深いマイケルの兄アダム(ダニエル・スターン)が動揺。
マイケルは脅しの意味で車をぶつけるが、アダムが死んでしまう。
アダムの妻ロイスは、事態に不審を抱くように。
ボイドはロイスを襲撃。反撃を受けるが、結局始末してしまう。
ボイドはマイケルをも始末し、内輪もめに仕立てようとする。
事態を知ったローラは、結婚式をやめる気はなく
保険金で儲けようと考えるボイドとカイルが格闘に。ローラはボイドを殴り殺す。
何とか結婚式を終え、ローラは残る唯一の証人であるムーアを始末しろと言う。
カイルはムーアと死体を始末。ムーアの始末は断念。
だが帰り道に考え事をして事故を起こし、2人とも足を失い、
同じく体が不自由になったアダムの子供も引き取るハメになりローラは狂乱する。

 と言うわけで、キャメロン・ディアスとクリスチャン・スレーターが出る映画で
おもろい映画かと思えば、冒頭から殺人が連発。
しかもその対象が肉親やら身近な存在ばかり。
後半になって、ようやくブラック・コメディとして苦笑くらいできるようになるが
そこまでの印象はかなり悪く、
体が不自由になった人を笑いものにしたようなエンディングも好感が持てない。

TV放送 2001/04/02 BS05 0230-0415
 

ペリカン文書」(93)を見た。

 これは、「ザ・ファーム法律事務所」の原作者ジョン・グリシャム原作で
女子大生が、ある殺人事件に関する推理を文書にしてみたら、
たまたま、それが大当たりで、やばいと感じた黒幕に命を狙われるという話。
「イヤー・オブ・ザ・ガン」等と同じ趣向だが
巻き込まれてハラハラした後に、思いがけない復讐をするという展開が想像でき
けっこう期待できる作品と言える。
この女子大生役に、結婚直前に婚約破棄して以来、(最近別の奴と結婚したが)
仕事に干されていた感のあるジュリア・ロバーツ。
一緒に真相に近づく記者に、「マルコムX」等のデンゼル・ワシントン。
彼らを取りまく連中には、「ライトスタッフ」のサム・シェパード。
「ダイ・ハード」等、いつもインチキくさそうなウイリアム・アサートン。
「クリフハンガー」等、凶悪な悪役が多いが、善玉もやるジョン・リスゴー。
TV「アイ・スパイ」「アメリカン・ヒーロー」のロバート・カルプ。
「コクーン」等のヒューム・クローニンなど、豪華キャスト陣。
監督は「大統領の陰謀」「推定無罪」のアラン・J・パクラ。
音楽はジェームズ・ホーナー。必ずや期待に答えてくれるに違いない。

 最高裁判事で高齢のローゼンバーグ判事(ヒューム・クローニン)は、
何かの判決で、民衆の非難を受けるが、まったく気にも止めない様子。
取材する記者グランサム(デンゼル・ワシントン)は
歯に物を着せない辛辣な報道をし、判事も彼が気に入っている様子だ。
その頃、とあるホテルでは、何かの組織と殺し屋の接触が行われていた。
まず殺し屋が人を探すフリをしてドアをノックすると、ドアの下から封筒が出てくる。
これを受け取って、隣室へ。説明は電話で。意外に幼稚なトリックだ。
殺し屋が受け取った封筒には、最高裁判事たちの写真が。その2人に印があった。
変装した殺し屋は、まずローゼンバーグのいる病院へ。
看護人を1発で射殺し、続いてローゼンバーグをこれまた1発で処分。
続く目標は、ジェンセン。彼はドキドキしながらポルノ映画館へ来ていた。
殺し屋は後ろの席に座り、ポップコーンを食べるフリをしながら、
一気にロープで首を絞めた。
この連続殺人は話題となり、当然の事ながら、大統領まで話は届いた。
側近のコールは、最高裁再編成のチャンスと喜ぶ。
このコールを演ずるのは、「ゴースト」で裏切り者の友人を演じたあいつ。
彼はなかなか腹黒く、実は大統領の部屋をこっそりモニターで監視しているのだ。
FBIが捜査に当たるが、まったく手がかりがない状況だ。
このFBIの担当に、ウイリアム・アサートンがいるが、
はっきり言って、チラッと出ただけで、後はまったく出てこない。
(パンフを見ると、CIA長官とある。そうは見えなかったのだが)

 その頃、とある大学の法学科の教授キャラハン(サム・シェパード)は
この事件にショックを受けていた。
と言うのも、ローゼンバーグは彼の恩師だったからだ。
と言うわけで、彼の恋人で生徒でもあるダービー・ショウ(ジュリア・ロバーツ)は
この事件に注目する。2人は確かに最高裁判事だが、共通点は少ない。
そして、細かい共通点まで考えれば、犯人の可能性は無限にあるのだ。
ダービーは、講義まで休んで図書館で資料を探しまくり、
荒唐無稽にも思える推理をし、これを文書に書き上げた。
彼女は照れながらこれをキャラハンに見せ、キャラハンはこれを読んで関心を持った。
なかなか面白いと、FBIの顧問である友人ヴァーヒークに見せる。
このヴァーヒークを演ずるのが、「ホームアローン」のパパ役の人。
ヴァーヒークはこの推論を1つの可能性として認め、FBI長官ヴォイルズに提出。
この文書は、なぜか「ペリカン文書」と呼ばれ、けっこう重要な意味を持つように。
その可能性を追求すれば、大統領(ロバート・カルプ)の周辺にも
捜査が及ぶ事になる。大統領としては、それだけは避けたい。
側近のコールは、この文書の影響を重視し、何とか捜査を抑える事を考慮。
だが、捜査を妨害すれば、これまた問題になりかねない。
この一大事に、犬の訓練で1日を過ごしたと言う意外にノンキな大統領は
FBI長官を呼び、捜査をやめるよう要請。
長官は、コールが以前FBIの捜査を非難した事を挙げ、ああ言う事がないなら
承諾すると言う事で、話はついた。

 ローゼンバーグの本を書くと頑張っていたキャラハンだが、
なぜか意気消沈し、ダービー・ショウの方が、断定的に書けていいなどと言う。
酔っているにも関わらず、彼は運転すると言い張り、
怒ったダービーは、スタスタと去る。
この後は、この手の映画を見慣れた者なら、容易に想像がつく展開。
エンジンをかけると、なかなかかからず、次の瞬間爆発して車は吹っ飛んだ。
愕然とするダービー。爆発の衝撃で自身もケガをして、しかも精神的にもショックを。
何が何だかわからない状況で、警察の何とかと称する人物が尋問し、
続いて別の警官が到着。彼によれば、前の警官は本物ではないと言う。
病院に残されたダービーは、落ち着くにつれ、
自分が狙われたのだと言う確信を強めていった。
しかも、相手は警官に扮する事などへっちゃらの、大物たちだ。
身の危険を感じたダービーは、その場を去り、かつらをかぶって変装し
ホテルに隠れる事にした。彼女はFBI顧問ヴァーヒークに電話。
状況が状況だけに、彼も信用できず、どうなっているのかと聞く。
ヴァーヒークも正確には事態を認識しておらず、
ダービーに会って保護すると約束するが、彼女はとりあえず信用しない。
だが、たちまちホテルに尾行者が現れ、街でも妙な男に狙われる始末。
尾行とか盗聴とかは、映画の間中、再三あったので、
実際の所、どこどこにあったか正確にすべて覚えているわけではない。
実は、彼女の部屋自体を、監視している連中がいて
最後の方で彼らの正体がわかるのだが、状況はわかりにくい。
彼らは、彼女が無防備なので、数時間のうちに処分されるのを恐れる。
そんなこんなで、彼女はびびるばかり。いろいろあったが、あまり覚えてない。
友人の女の子に会って、親戚の家に行ったと噂を流せと言ったりするが、
その子と会うために、街に出たりするノンキさにあきれたりする。
そして、せっかく流した噂は、まったく効果がなかった。
その頃、冒頭にあったホテルでは、再び殺し屋が次の暗殺指令を受ける。
ま、おわかりだとは思いますが、標的はダービーだったのだ。

 こうして、ダービーは周囲の監視に気づき、いよいよ危機感を覚える。
しかたなく、電話で、ヴァーヒークと会う事を承諾。
遊園地だかに呼び出し、赤い野球帽で太めと言う彼を探す事に。
しかし、この会話は盗聴され、殺し屋はヴァーヒークを射殺。
枕を腹の代わりにして、赤い帽子で遊園地へ向かう事に。
自分も三編みにしたりして変装するダービーだが、
ヴァーヒークの特徴の人物が来たので、すっかり信用して名乗り出てしまう。
2人はとにかく、何かの行列に並ぶ事にするが、
そうしながらも、男はポケットから拳銃を取り出そうとしていた。
次の瞬間、男は何者かに撃たれ、即死。
気づいたダービーは走り去り、他の客も走って騒然とする。
黒幕はコールだと察しがついていて見たので、
コール自身だったか、別の人物だったかは定かでないが、
一味は、ダービーの暗殺の失敗した事を確認する。

 一方、記者のグランサムは、割と月並みな調査をしていたが、
ガルシアと名乗る人物から、最高裁判事殺人事件の犯人を知っているとの電話を得る。
男はひどくおびえ、結局中身は語らないまま電話を切る。
逆探知に成功したグランサムは、再度電話してきた男の写真を撮る事に成功。
だが、相変わらず話はしてくれず、そんな事が何ども続いた。
この日も、ガルシアからの電話が切れ、再度かかってきたので、
彼かと思えば、声の主は女性。(こういう、先の読める展開には失望させられる)
彼女はペリカン文書をめぐって、2人が殺された等と言うのだが、
グランサムはそんな文書の事は聞いた事がないので、半信半疑だ。
事件の真相を知っていると言う電話は、連日のようにかかっているからだ。
彼女はアリスと称し、(アリスと言うのは彼女の友人の名だが、
友人に危険が及ぶと言う可能性は考えなかったのだろうか)
キャラハンと、FBIのヴァーヒークが殺された事を説明。そしてホテルへ呼び出す。
2つの殺人を確認したグランサムは、けっこう信憑性が高いと考え、
ホテルへ出向く。もっとも彼女の言うヴァーヒークは別人で
本物はホテルの一室で殺されていたのだが。

 彼女は本名を名乗り、ペリカン文書の内容について説明を始める。
素性もよく知らない男と、よくホテルで2人きりになるものだと思うが
キャラハンがファンだったからと言うので、信用しているのだ。
もちろん条件は、情報源を明かさない事。公表は彼女が国外へ出た後にする事だ。
彼女によれば、文書の中身は以下のようなものである。
マティースと言う大物が、石油運搬用に湿原の開発を計画した。
だが、自然保護を訴える連中がこれに反対。この地には多くの鳥類が生息するのだ。
中でも、ペリカンが貴重だとして、彼らはペリカンをメインに据える。
だが、反対団体の代表は、明らかに何者かに殺されたにも関わらず
警察は自殺として処理。2人の最高裁判事の共通点は、自然保護派だと言う事。
そして、マティースこそが、現大統領の最高の資金援助者なのだ。
自然保護団体は裁判に持ち込むが、マティースが勝訴。
しかし、控訴した段階で、最高裁のローゼンバーグが差し止めしたのだ。
ローゼンバーグは老齢のため、5年も待てば自然死は間違いないが
その時には現政権が残っていまい。
話し終えると、安心してダービーは隣室で寝てしまい、
残ったグランサムは、事件の整理をしていた。
ペリカン文書がマティースを震撼させたに違いないが、このままでは証拠が少ない。
では連日電話してきたガルシアは何者か。
マティースの法律事務所の人間が、偶然何かを知ってしまったに違いない。
グランサムは、ガルシア探しを協力しろと要請するが、
もはやダービーは一刻も早く出国したい考えだ。
何とか説得しようとするが、やはり出国するという電話があって彼女は消えた。

 グランサムは事件を追い続けるが、編集長キーン(ジョン・リスゴー)は
やり手の記者であるグランサムが、証拠の少ない事件にかかりきりなのが不満だ。
それよりは、新判事が誰になるかとか、そうした方を追ってほしい。
情報源であったダービー・ショウは姿を消し、ガルシアからは連絡がなく
大統領官邸の掃除人で、情報を流していた黒人も、
身の危険を感じて、旅行と称して長期休暇を取ってしまった。八方塞がり状態だ。
しかも、彼の近辺にも尾行の影が及ぶ。
グランサムは休暇を取り、山小屋で考える事にする。
だが、その山小屋に何者かが近づいてきた。現れたのは、ダービー・ショウだった。
彼女は盗聴を見越して、裏をかいたつもりなのだ。
そして、ガルシア探しを協力すると言う。
マティースの利用していた法律事務所の、何とか社の社員名簿を入手。
まともに電話しても、社員の情報を明かしたりはすまい。
そこで、まず大学へ電話し、かの社でバイトした生徒を洗い出す。
そして電話番号を調査。メモに書くが、みんな市内局番が555なのは笑える。
問題の生徒に会い、写真の人物の事を聞いて回るが、なかなか知っている者がいない。
ようやく、依存症とかで入院している人物を発見。
グランサムが取材のフリをして院長の目をごまかし、そのスキにダービーが病室へ。
彼はダービーが天使のように見えたと、快く話をしてくれた。
問題の人物は、石油関係の担当であった、何とか氏だった。

 ダービーは顧客のフリをして、この法律事務所へ。
問題の人物を呼び出すと、受付や上司たちが明らかにうろたえる。
その上司が言うには、くだんの人物は交通事故で死んだと言うのだ。
話が聞きたいので、こちらへどうぞと言われるが、
身の危険を感じたダービーは、失礼ね等と言いながらその場を立ち去る。
グランサムが調査すると、確かに問題の人物は、1週間前に事故死していた。
そこで未亡人の家へ行くが、彼女の父親が会わしてくれない。
メモを残すと電話があり、ようやく会ってくれた。
もちろん彼女たちは、単なる事故死という点に疑問を感じていた。
未亡人は、夫がどういう仕事をしていたか知らなかったし、
彼が残した物にも不審な物はなかった。
だが、今まで使用していなかった銀行の、貸金庫の鍵を発見したと言うのだ。
未亡人は危なそうなので行くのを恐れ、グランサムは代役がいると話す。
一方、ローゼンバークの葬儀に出た大統領は、コールから意外な話を聞く。
自分が解決したつもりでいたペリカン事件が、まだくすぶり、
自分たちの地位を揺るがそうとしていると言うのだ。
コールは、この事態を無難に収拾するには、
新しい最高裁判事に、マティースを有罪にするような人物を選び、
マスコミの前でFBIに捜査に力を入れるよう要請し、
ペリカン文書の事も言及した方がよい。
コールの話にうなる大統領は、すべてをもみ消す手はないのかと聞く。
コールは、1つだけあるが、どんな方法かは聞かない方がいいと答えた。
もちろん、真相を知る人物を抹殺する事に違いない。

 ダービーは、未亡人のフリをして銀行へ。
いろんな番号は聞いているので、何の疑いも持たれない。
だが、ここへ怪しい女性が尾行にきていた。
貸金庫にあったのは、何かの書類とビデオだ。
ダービーはグランサムと合流し、地下の駐車場へ。
だが、この間に殺し屋がキャラハンの時と同じ爆弾を、彼らの車に仕掛けていた。
エンジンをかけるかに見えたが、まず書類を見る事に。
どうやら、殺された法律事務所の人物は、
マティースの件を担当するうち、誤って上司の秘密のメモをコピーしてしまったのだ。
内容はビデオを見なければわからないが、よしさっそく見ようと、
エンジンをかけようとするが、なかなかかからない。
ダービーはキャラハンの時と同じ音だと、逃げるよう指示。(できすぎの展開)
失敗に気づいた殺し屋と、女性の殺し屋が駐車場の中を追い回す。
隠れたり見つかったり。殺し屋は車で追い回す。
そして、何とも都合のいい事に、ハンドルを切り損なった殺し屋の車は、
グランサムの車に衝突。爆弾が爆発して殺し屋は死ぬ。

 編集長キーンは、グランサムの車が爆発したと聞き、
事件の真相に迫っていたのかと驚かされる。
だが、彼は無事で、問題のダービー・ショウを伴って登場。
キーンも一味と思っていたので、信用するのは危ない気がしたが、
そう言う展開はなく、新聞社の連中が集まってビデオを見る事に。
その内容は、身の危険を感じた法律事務所の男が、妻に遺した物だった。
誤ってコピーした上司のメモには、ローゼンバーグとジェンセンを処分すれば
すべてが丸く納まると言う主旨の事が書かれていたのだ。
グランサムは、まず法律事務所に電話し、陰謀に関与した事を記事にすると通告。
続いて、コールへも電話。FBIの捜査を妨害した事を記事にすると言う。
さらにFBI長官にも電話。捜査中止を受け入れた事を記事にすると。
やばいと感じた長官は、新聞社を訪問し、
真相を明かすので、FBIの過失を追及するのはよせと言う。
彼によれば、キャラハン爆死直後に現れた警官や
遊園地で殺し屋を射殺したのはCIAだと言う。
彼らは、事件の真相を追って、彼女を泳がせていたのだ。
ダービーは、長官に国外への無事な脱出の段取りを要求。
目的地は秘密で、そこまではグランサムに同行させると言う。

 こうして、長官の専用機でダービーはどこかの地へ去る事に。
またまたこの機が、ドカンとでもいくのかと思ったが、それはなし。
目的地に着くと、事件の真相を暴いた記事の新聞が届く。
そこには、記者の名前として、グランサムとダービー・ショウとあった。
2人は別れる際に抱き合うが、やっぱり白人と黒人という事があるのか
そんなに深い仲にはならずじまい。
事件は大スキャンダルとなり、グランサムはニュース番組に呼ばれる。
このキャスターによれば、法律事務所の数名が逮捕され、コールは辞任する羽目に。
大統領も、次期選挙での当選はおよそ不可能となった。
各マスコミは、ダービー・ショウを探したが、どうしても見つからなかった。
ひょっとして、彼女はグランサムの産物ではないか。
つまり、世論を代表した声と言うわけだ。
グランサムはあいまいな笑いを見せ、そうかも知れないと言う。
ダービー・ショウは、どこかの地でこの放送を見て、微笑んでいた。

 と言うわけで、ずいぶん期待させられた作品だが、
いざ見てみると、大統領が犯罪に関与していたと言う点の意外性は
ウォーターゲートが現実にあったので、それほどのインパクトはない。
偶然、書いた文書が真相に迫っていたと言う展開は、前例があり、
巻き込まれ方としてはいまいち。
キャラハンが殺されるシーンや、殺し屋が処分されるシーン等は、
この手の作品を多く見ている者なら、ある程度想像がつく。
キャラハン爆死直後は、ちとオーバーなほどうろたえて見せたが
見ている者にはそれほどのインパクトを与えず、
にも関わらず、その後は意外に無警戒な行動が続く点も気になる。
(だからリアルと言われたらそれまでだけど)
周囲がすべて敵という展開は、007等ではお約束だが
あまりやりすぎると、逆に空々しくなるもの。
それよりは、主人公が人間不信に陥るような展開がありそうだが、それはない。
等と言うわけで、まあ、全体として、どこかで見たようなシーンの連続で
たたみかけるような展開とは言い難いが、
それなりに重厚な作りになっている点は評価したい。
今回最大の収穫は、パンフに乗っていた話だが、
同じアラン・J・パクラ監督で、ジェーン・フォンダがアカデミー賞を取った
「コールガール」が、地方では「ニューヨーク売春地帯」と言う
ポルノ映画のような題名で公開された事を知った点だ。
 

HELL ヘル(2003年アメリカ)

 工員カイル(ジャン・クロード・バン・ダム)は妻グレイを殺される。
犯人コヴィクは金持ちの息子で無罪に。怒ったカイルは彼を射殺。
終身刑で刑務所に入れられる。暴れたカイルは独房へ。隣の房から妙な声を聞く。
3人殺したと言う無口な男451号と同室に。
ここでは囚人たちのケンカで賭けをして、無法地帯状態となっていた。
マフィアのアンドレイとケンカになり、やられては独房へ入れられるハメに。
カイルは体を鍛え続け、賭けでアンドレイと対決する事に。
苦戦の末勝利し、やがて連勝するように。
だが自分を見失ったと気づき、対戦相手として送り込まれたバルヤとは対決せず。
看守の命令もきかず、縛られて炎天下で放置されるが、
敵対していたグループもカイルに同調。皆で対決をやめてしまう。
危険を感じた看守は、独房の怪力男ミロシュを出す。
だが、ミロシュはカイルが独房仲間だと気づき看守を攻撃。撃たれて死ぬ。
カイルは2週間監禁され、再び決闘するように。
バルヤとも対決し倒すが、451号が手引きして脱走する事に。
451号は所長を殺害して捕らわれ、3ヶ月後刑務所は閉鎖された。

 と言うわけで、バン・ダム物は何でも見るが、
まあどこかで見たような刑務所物の寄せ集めという感じ。
最初はバン・ダムがそれほど強くなく、後半は強くなるが、
暴動を起こしても、その後は普通に囚人で居続けたりして、
何かカタルシスと言うかそういう物を感じさせない。

TV放送 2004/09/20 BS05 1320-1500
 

ヘルファイター(1968年米)

チャンス (ジョン・ウェイン)
グレッグ チャンスの同僚
ティッシュ チャンスの娘(キャサリン・ロス)
マデリン チャンスの元妻(ベラ・マイルズ)

 チャンスらは油井火災の専門家。
ニトロで火を消し、その間にバルブを閉じるやり方だ。
火災が発生し、見事消火するが、チャンスがブルドーザーに挟まれて負傷。
危険な状態と知り、疎遠だった娘ティッシュがかけつける。
チャンスの意識が戻るが、
その間にティッシュが部下グレッグと結婚したと聞かされ困惑する。
さらに離婚した元妻マデリンもかけつけ、チャンスと寄りを戻す。
チャンスらは依頼があれば世界中を飛び回るが、
某国の消火では、グレッグが毒ガスを吸いそうな事態に。
これに懲りたチャンスはグレッグに会社を譲り、自らは石油会社の重役となる。
ベネズエラで火災が発生。
5つの油井が燃えており、間の3つは同時に消火しなければならない。
さらにゲリラの襲撃も心配される難しい現場で、グレッグはチャンスに助けを求める。
かけつけたチャンスの活躍で見事消火。軍がゲリラも撃退するのだった。

 と言う訳で、ジョン・ウェイン主演のドラマ。
西部劇ではなくて、油井の消火活動を専門とする連中の話。
彼らは世界各地で火災があると呼び出されるが、事故をきっかけにウェインは引退。
娘婿に会社を委ねる事に。
だが、大火災が発生し、
この事態に対処できるのはあなたしかいませんと呼び出される訳。
娘がキャサリン・ロスで、妻がベラ・マイルズ。
物語の雰囲気はハタリに似てるが、何となく散漫な感じ。
最後の見せ場たる大火災のシーンが10分くらいで、あまり盛り上がらない。

TV放送 2014/09/05 スターチャンネル 2300-0101
 

ヘルボーイ(2004年アメリカ)

ヘルボーイ 冥界から来た怪物(ロン・パールマン)
トレバー・ブルーム教授 ヘルボーイの父代わり(ジョン・ハート)
エリザベス・シャーマン 火を操る女性。リズ(セルマ・ブレア)
エイブ・サピエン 半魚人
ジョン・マイヤース FBI。ヘルボーイの世話係
クレイ FBI。マイヤースの先輩
マニング FBIの部長
ラスプーチン 実在した怪僧

 44年。戦局逆転を狙うナチスは、怪僧ラスプーチンに冥界の扉を開かせる。
米軍の攻撃で扉は閉じられるが、中から怪物のような赤ん坊が現れる。
ブルーム教授はヘルボーイと名づける。
現在。FBIの新人マイヤースは、超常現象捜査防衛局に配属に。
そこには伝説とされたヘルボーイがいた。
博物館に現れた魔物退治に向かい、怪物を倒す。
超能力を持つ半魚人エイブは、謎の一団が博物館から容器を持ち出したと知る。
マイヤーズは防衛局を去り今は精神病棟にいるリズに会う。
同僚クレイが殺され、ヘルボーイの責任を問う声も。
ラスプーチンが現れ教授を始末。それを知ったヘルボーイはショックを受ける。
モスクワの軍事基地には、ロシアの復活を信ずる一団が集結。
ヘルボーイがかけつけ対決。だが彼の右腕は冥界の鍵だった。
扉を開けと脅す一味。ヘルボーイが石盤に手を入れると
巨大なイカのような怪物が現れラスプーチンを倒す。
さらにヘルボーイと対決。飲み込まれるが体内で大爆発。
リズが巻き込まれるが、ヘルボーイのキスで甦る。

 と言うわけで、冥界とやらから呼び出された怪物が正義の味方となり
同じような怪物を倒すと言う話で
当然、その怪力ぶりが魅力になるはずなのだが
いかんせん、どういう設定なのかわかりづらく
相手もどの程度で倒せるのかわからないので、クライマックスも盛り上がらず。

TV放送 2006/05/30 WOWOW 0500-0715
 

ペンギンズfromマダガスカル ザ・ムービー(2014年米)

[ペンギンズ]
 隊長
 コワルスキー
 新人
 リコ

デイブ オクト博士
シークレット ノースウインドの隊長

 何年か前。行列する事に疑問を持った隊長らペンギンズは、
転がった卵を追って列を離脱。
卵から新人が産まれるのを見届けるが、氷山で沖に流されてしまう。
 現在。自販機に吸い込まれたペンギンズは、ベネチアに輸送される。
現れたオクト博士ことタコのデイブは、動物園の人気者であるペンギンを妬んでいた。
デイブは破滅させてやると言うが、ペンギンズは退散する。
 彼らは、弱い動物を助けると言うノースウインドと言うチームに助けられる。
リーダーのシークレットは、デイブがメデューサ血清と言う薬で何かを企むと知る。
用済みのペンギンズをマダガスカルへ送られるが、飛行機を脱出して上海に到着。
 世界各地でペンギンがさらわれる事件が発生。
上海でも新人がさらわれてしまい、追跡する隊長らはとある島に到着する。
そこではペンギンが集められ、デイブがメドゥーサ血清で怪物にする実験をしていた。
隊長らは新人を助けようとするが失敗。
シークレットは退散するが、隊長は助けに行くと言う。
 デイブはNYに大量のペンギンを返す事に。
人々は喜ぶが、ペンギンは血清によって緑色の怪物に変身させられる。
大騒ぎとなり、害獣として駆除される事に。
助けに来た隊長らも変身して暴れるが、難を逃れた新人が説得。隊長は我を取り戻す。
血清の装置をリバースにし、新人のキュートさを増幅して放射。
ペンギンたちは元の姿に戻り、
デイブはスノードームに閉じ込められ、子供に気に入られるのだった。

 と言う訳で、マダガスカルシリーズのスビンオフ。
かのシリーズで、脇役ながら存在感を見せるペンギンたちを主役に据える。
テレビシリーズもあるらしい。
ペンギンズのキャラは相変わらずで、
頭が良さそうだけど、実はそうでもなくて、悪運だけで窮地を乗り切ると言う訳。
今回は、ペンギンの人気を羨むタコ博士と戦う。
ベネディクト・カンバーバッチとかが声をやってるらしいけど、
吹替えで見たのでわからず。

TV放送 2016/05/08 WOWOW 1100-1232
 

ヘンゼル&グレーテル(2013年米)

ヘンゼル 兄(ジェレミー・レナー)
グレーテル 妹 (慰めの報酬の殺された方)
ミュリエル 魔女の親玉(ファムケ・ヤンセン)
ベンジャミン 兄妹のファン
エドワード トロール
ミーナ 疑いをかけられた女
ベリンジャー 保安官(プリズンブレイクのアブルッチ)

 森に残されたヘンゼルとグレーテルの兄妹は、魔女に襲われるが撃退。
以来、魔女狩りの専門家となった兄妹は、各地で魔女を倒して評判となる。
ある時、子供たちが行方不明となる事件が発生。
保安官はミーナと言う女を魔女として裁判にかけるが、市長が兄妹を伴って登場。
兄妹はミーナは魔女ではないと解放。保安官に代わって事件を追う事となる。
魔女を捕えた兄妹は、
魔女の親玉たるミュリエルが、魔女たちを集めて何かを企んでいると突き止める。
兄妹の親は白い魔女で、その心臓を手に入れようとしたミュリエルは
母には勝ち目がないと考え、娘を狙った。
危険を察知した両親は兄妹を森に隠し、母は焼き殺され、父は吊るされたのだった。
ミュリエルは魔女を集めて集会をするが、兄妹がこれを襲撃。
実は良い魔女だったミーナと、親しくなったトロールのエドワードが仲間に。
対決の末、ミュリエルを倒した兄妹は、
悪い魔女を倒すため、エドワードらを仲間に加えて旅を続けるのだった。

と言う訳で、ヘンゼルとグレーテルが魔女ハンターになったと言う設定の話。
発想はブラザーズグリムとかと同じ。
元々の話はお菓子の家くらいしか記憶にないが、魔女が絡んでたらしく、
以来、兄妹は魔女ハンターとして活躍していたと言う訳。
魔女が次々と火あぶりにされる中、
魔女軍団を集めたファムケ・ヤンセンと対決する展開。
いわばこの後に作る予定のシリーズの為の序章と言う体裁だから
設定は二番煎じで、見せ場は出し惜しみ感あり。

TV放送 2014/10/17 WOWOW 0100-0227
 

ペンチャー・ワゴン(1969年米)

 ベン(リー・マービン)は、
馬車が転落した男(クリント・イーストウッド)をパートナーにし、金探しへ行く。
男ばかりの集落へ、モルモン教徒の男女が現れ大騒ぎに。
毛嫌いされていたエリザベスが、身売りされるハメになり、ベンが落札してしまう。
エリザベスに求められ、400人の男が小屋を建てる事に。
皆が彼女を見ていると心配に。男がさらに女を呼ぶ事にし、売春宿となる。
エリサベスは男とも親密になり、2人は互いに彼女を譲り合う。
ベンは酒場の地下へトンネルを掘り、こぼれる砂金をかき集める事を計画。
ベンは酔っぱらい女遊びをしてエリザベスを怒らせる。
やがてトンネルが崩落し、町が崩壊人々が逃げまどう。
ベンはどこへともなく町を去る事にし、男シルベスターはエリザベスと残る事に。

 と言うわけで、クリント・イーストウッド出演作はすべて押さえたつもりが
意外な漏れを発見。
リー・マービンとクリント・イーストウッド競演と言えば、男臭いドラマぽいが
題名は何かミュージカル風。実際舞台のミュージカルが基らしくて
アクションなど皆無で、ゴールドラッシュの村へ花嫁が買われてきたと言う話。
これがまた2時間半の長い作品で、途中休憩があったりするが、
2人が花嫁を奪い合ったり譲り合ったりする展開で、
それに交えて、楽に金を手に入れようとしたために……と言う展開もあって
全体として雰囲気は悪くないが、間延びした感じ。
ミュージカルと言っても、さほど歌わない。

TV放送 2002/10/14 BS05 1130-1420
 

ペントハウス(2011年米)

ジョシュ 管理マネージャ(ベン・スティラー)
スライド 泥棒(エディ・マーフィ)
チャーリー フロント(ケイシー・アフレック)
フィッツヒュー氏 住人(マシュー・ブロドリック)
エンリケ エレベータ係
アーサー・ショウ 大物
デナム捜査官 FBI(ディック&ジェーンの妻)

 ジョシュは超高級マンションのやり手管理マネージャ。
ある時、ペントハウスに住むショウ氏がFBIに逮捕される。
ジョシュは職員の年金運用を彼に託しており、すべて失ったと知る。
怒ったジョシュは、同僚チャーリーらと乗り込み、ショウの車を破壊。クビになる。
FBIのデナム捜査官にショウの情報を渡すが、既知の物ばかり。
彼女が知りたがっているのは、隠し金の在りかだ。
ショウが壁に金を隠したと確信したジョシュは、
チャーリーらを集めて2000万ドルをいただこうと企む。
子供の頃に同じ施設にいた泥棒スライドにも協力させる。
一方で、チャーリーはマネージャに採用され、一味から抜ける事に。
ジョシュは感謝祭のパレードに紛れて行動を起こす。
職員の関心をそらした間に建物に侵入。壁に隠された金庫を見つけるが、中身は空。
実はショウが大切にした車が純金製で、その価値は4500万ドル相当だとわかる。
結局チャーリーも協力してクレーンで吊り下げ、持ち去る事に成功。
ショウは隠し金庫が見つかり、情報隠匿したとして保釈が取り消される。
一方、ジョシュらも逮捕されるが、
車に隠された帳簿を見つけた彼はデナムに取引を持ちかける。
ジョシュを除く全員が釈放となり、純金の車はバラバラにされて職員たちに配られる。
ジョシュはただ一人刑務所に入れられるが、その顔は満足げだった。

 と言う訳で、ベン・スティラーとエディ・マーフィ共演のコメディ。
スティラーは超高級マンションのやり手管理マネージャ。
だが、住人ショウ氏に職員全員の財産を奪われた上に、
ショウはおとがめなしになりそう。
そうはさせじと仕事仲間と組み、
スティラーの幼なじみである泥棒エディに協力を求めると言う訳。
巧みな計画の面白さや、大物をぎゃふんと言わせる痛快さは、ことごとく寸止めで、
もっと面白く出来たんだけどねーと言う印象。

TV放送 2015/03/28 ザシネマ 2100-2244
 

ベン・ハー(1926年米)

 ローマ帝国の絶頂期。エルサレム。
旅人はナザレのヨセフの宿屋へ。1000年前にダビデが休んだと言う洞窟へ。
そこで妻マリアとヨセフは幼子を見つけ、旅人は真の王、救世主イエスだとあがめる。
時は流れ、ユダヤの名家ハー家のベンは、旧友でローマ軍に入ったメッサラと再会。
彼はイスラエル総督グラテウスと凱旋するが、ハー家の瓦がグラテウスに当たり、
一家は捕らわれる事に。ベンハーは助けなかったメッサラに復讐を誓う。
ベンハーはガレー船で奴隷のようにこき使われるが、
途中男に水を飲まされると力が沸くのを感じる。
船は海賊の攻撃を受け、ベンハーは護民官アリウスを助けて帰還。
アリウスは彼を養子に。ベンハーは戦車競争で優勝し続け、皇帝もたたえるように。
ベンハーは母と妹を捜し、かつての奴隷シモニデスを見つける。
ハー家は絶え、家族はもういないと知り、ベンハーはショックを受ける。
メッサラを戦車で倒したいと言うアラブ人イルデリムは、ベンハーと戦う事を決意。
衝撃の再会で、2人は金貨5万ドルを賭けて対決する事に。

 激しい戦車競争でメッサラは転落。ベンハーは勝利し、メッサラの財産をはぎ取るが
母と妹との再会は果たせず、むなしさが残った。
その頃、救世主が成人し、民を解放しているとの噂を聞き、
ベンハーは軍を率いて彼を守ろうとする。
そんな中、ベンハーは伝染病にかかった母らに再会。だが触れ合う事もできない。
イエスはビラト総督に引き渡され、死刑判決を受ける。
あの人が治してくれると信ずるシモニデスの娘エステルは、
ベンハーの母らをイエスのところへ連れて行き触れさせると、病気が治る。
助けると言うベンハーに、私の王国は地上にないと言い、磔で息絶える。
ベンハーは、あの人は互いに愛し合えと告げ、心の中で生き続けるだろうと言う。

 と言うわけで、後にチャールトン・ヘストンでリメイクされた
ベンハーの物語を、同じ製作者が戦前に作っていたという代物。
白黒でサイレント映画なのだが、なぜか時々カラーになる。
その変わる意味がよくわからないが、当時としては画期的な技術を披露したのかも。
まあ弁士つきの放送を見たので、吹き替え版みたいだが、
物語の構成はしっかりしており、やや長めで退屈になりそうな話も面白く見れる。
リメイクは、最後の最後に「実はイエスの話だったんです」という展開だったが、
このバージョンは最初から事あるごとにイエスの話が出てきて構成はやや異なる。
ガレー船や戦車のシーンもちゃんとあって楽しめる。

TV放送 2002/03/29 BS11 0145-0410
 

ベン・ハー(59)

 監督 ウイリアム・ワイラー

 紀元26年。ローマはユダヤ支配の強化を計画。ユダヤに新司令官メッセラが赴任。
彼は、親友で富豪のジュダ・ベンハー(チャールトン・ヘストン)と再会。
メッセラは、ローマに従わぬ者の名を聞くが、ジュダは断り、絶交状態になる。
ジュダは奴隷の娘エスターに、結婚の許可を与えるが、実は彼女を愛していた。
新総督グラトゥス卿が赴任。ジュダの屋敷の瓦が落ち、総督が負傷。
ジュダ一家は逮捕され、ジュダは裁判なしでガレー船行きが決定。
彼を見せしめにしたメッセラに、戻るまで生きていろと言い残す。
連行されたジュダに、1人の男が水を飲ませてくれた。

 数年後。ジュダの船に、新長官アリウスが赴任。マケドニア船撃滅に向かう。
アリウスは、ジュダを自分の剣士になるよう勧めるが、ジュダは逃げてみせると豪語。
戦闘に突入。アリウスは、ジュダの鎖をはずすよう指示。
敵艦と激突。ジュダは見張りを倒し、みんなの鎖をはずす。
海に落ちたアリウスを助け、ローマ船に拾われる。
ローマ軍は勝利をおさめ、アリウスはジュダを従えて凱旋帰国。
皇帝によって、ジュダの赦免が許可される。

 数年後。ローマの競馬でジュダは活躍。アリウスはジュダを養子にする。
アリウスの友人ピラトが、新しいユダヤの総督に赴任。
ジュダは母と妹を助けるため、ユダヤの地へ戻る。
ある族長から、メッセラが出場する競馬大会に、参加してくれと頼まれる。
ジュダは荒れ果てたわが家で、結婚せずにいたエスターと再会。母と妹は依然不明だ。
彼はメッセラに、母と妹の居場所を教えれば、復讐しないと約束。
メッセラは地下牢で2人を発見するが、らい病にかかっており、らい病の谷へ。
エスターはジュダに2人は死んだと告げる。

 やがて競馬大会が開催。メッセラは粉砕用の刃物で、敵の車輪を粉砕。
あらゆる妨害をする。ジュダとメッセラの一騎打ちとなり、
メッセラはジュダを鞭打つが、車輪がはずれ、後続の馬に踏まれる。優勝するジュダ。
重傷のメッセラは、ジュダの母と妹は生きていると告げて死ぬ。
ジュダは谷へ行くが、エスターが会う事を止める。
帰路、神の御子という人物に多くの人が集まるのを見かける。
エスターは残って話を聞くが、ジュダは総督ピラトの所へ。
ローマ市民の権利を得るが、皆をダメにしたローマに従う事はできないと拒否。

 エスターはナザレの男に感激し、憎しみに満ちたジュダを非難。
らい病の谷では、妹が死にかけていた。
エスターはナザレの男に会えば救われると言ったため、ジュダは母と妹を連れ出す。
だが、男は裁判にかけられ、十字架を背負って処刑場へ向かっていた。
ジュダは、それがかつて水をくれた男キリストである事を知る。
やがてキリストは磔にされ、息を引き取る。
すると、嵐が始まり、奇跡のように、2人の病気が治り、ジュダの憎しみも消えた。

 というわけで、大変な長さの映画を見てしまった。
主人公は一応、ベンハーだが、影の主役がキリストである事は間違いない。
スペクタクル的な見せ場がいろいろあって、ベンハーの数奇な生涯も面白く見たが
それがいきなりキリストに切り換えられてしまうのは、
おいおい、そんな話だったのかと言う驚き。
ガレー船のローマ兵に、007のロバート・ブラウンが出ている。

TV放送 91/12/31 04CH 01:50-06:14