ピンク・パンサー5/クルーゾーは二度死ぬ(83)

監督 ブレーク・エドワーズ

 最高の捜査官クルーゾーが失踪し、世界一の警官に探させる事に。
彼が間抜けと知るドレフィス警視(ハーバート・ロム)は、コンピューターに細工。
選ばれたスレイ刑事はとんだドジだった。
ギャングらはクルーゾー復活を恐れ、次々と殺し屋を送るが、悪運のため助かる。
ピンクの豹盗難事件以後、クルーゾーが消えたため、
宝石泥棒ファントムと噂されるリットン(デビッド・ニブン)に会う。
彼によれば、クルーゾーはスペインに向かったと言う。
そこでも、スレイは殺し屋に狙われるが、またも悪運で切り抜ける。
殺し屋の1人ジュリーが、チャンドラー伯爵婦人の秘書と判明。
彼女がクルーゾーに整形医スタンを紹介したと聞き、
クルーゾーは射殺死体で発見された男と断定される。
実は伯爵婦人宅にいた男(ロジャー・ムーア)こそ、クルーゾーの整形で
ピンクの豹を盗み出したのだが、それもまたリットンらに奪われていた。

 と言うわけで、ピーター・セラーズが死んでも続けてしまったシリーズ。
後任のスレイがまたドジで、ギャグとしてはかなり幼稚。
ロジャー・ムーアもずいぶん間抜けな役をしたものだ。
リットンの甥ジョージに、ロバート・ワグナー。
音楽はヘンリー・マンシーニ。

TV放送 93/03/15 06CH 01:40-03:36
 

ピンクパンサー(2006年米)

クルーゾー警部 フランス警察(スティーブ・マーチン)
ドレフュス主任警部 クルーゾーの上司(ケビン・クライン)
ニコル ドレフュスの秘書
ポントン クルーゾーの助手(ジャン・レノ)
グリュアン 人気サッカーコーチ(ジェイソン・ステイタム)
ザニア グリュアンの恋人(ビヨンセ・ノウルズ)
ビズ グリュアンのライバル
ユーリ ビズのトレーナー
ボズウェル 006(クライブ・オーウェン)
ラロック カジノの男
パン博士 グリュアンが投資

 フランス対中国のサッカー試合で、
人気コーチグリュアンが毒殺され、ダイヤピンクパンサーが消える。
ドレフュス主任警部は、マスコミに邪魔されないよう、無能な刑事クルーゾーを起用。
注目をそらした間に犯人を逮捕し、名誉賞を受賞しようと考え、
念のため、ポントンをクルーゾーの助手につける。
クルーゾーは、グリュアンの恋人ザニアの元彼であるビズを疑う。
だが、ビズはラロックの仕業と否定。その後、何者かに殺害される。
ラロックがジュリアンに保険をかけて儲けたと考え、
彼のカジノへ乗り込むが、ガスマスク強盗が現れ大混乱。
居合わせた006と称する男が強盗を倒し、クルーゾーの手柄としたため、
クルーゾーは名誉賞の候補に加わる事に。
ザニアがダイヤ商人に電話した事から、クルーゾーは彼女に接近するが、
やましい事はないと言う。
武器入りのカバンにすり替えられたクルーゾーは、空港で騒ぎになって逮捕される。
クルーゾーの失態に喜ぶドレフュスは、
グリュアンが投資したパン博士が犯人と考え、パーティの席で逮捕。
一方ネットの記事を見て真相に気付いたクルーゾーもパーティにかけつける。
目撃者が犯人をユーと呼んだ事から、ユーリを逮捕。
偶然にも真犯人だったユーリは、グリュアンを無能だと殺害し、
真相に気付いたビズも始末したのだ。
ダイヤは、グリュアンにプロポーズされたダニアが持っていたと判明。
クルーゾー逮捕を報じる記事に、ダイヤを持ったダニアの姿が写っていたのだ。
ダニアは犯人と疑われないために隠していたとし、
ダイヤの正当な所有者と認められる。
クルーゾーは名誉賞を受賞し、
彼のドジで車に引きずられたドレフュスは重傷を負うのだった。

 と言うわけで、かつてピーター・セラーズが演じた人気シリーズを
スティーブ・マーチンで再シリーズ化。
セラーズは好きなんだけど、
ピンクパンサーにおけるドジぶりはどうも好感が持てなかった。
それは本作も同様で、クルーゾーはあり得ないレベルのドジ。
それが妙に作用して事件を解決する所が面白さと思うが、
そうはなっていない部分もあり、ラストなんかまともに推理してる。
(空港の検査場の写真が新聞記事に載ってるのはセキュリティ上おかしいけどね)
ところで、ジェイソンが出てるから見たけど、登場シーンはタイトル前に終了。
007候補だったと言うクライブ・オーウェンは、006と称する謎の人物で登場。
ちょっと天然の秘書ニコルが魅力的。

TV放送 2007/06/02 WOWOW 2000-2131
 
 

ピンクパンサー2(2009年米)

クルーゾー警部 フランス警察(スティーブ・マーチン)
ドレフュス主任警部 クルーゾーの上司(ジョン・クリーズ)
ニコル クルーゾーの秘書
ポントン クルーゾーの助手(ジャン・レノ)
ビチェンゾ ドリームチーム。イタリア警察(アンディ・ガルシア)
ケンジ ドリームチーム。日本警察
ソニア ドリームチーム
ベレンジャー クルーゾーの教育係
アロンゾ 密売屋(ジェレミー・アイアンズ)
ローレンス アロンゾの仲間

 怪盗トルネードが世界各地に現れ、
各国の優秀な刑事が集合したドリームチームが捜査に当たる事に。
フランス警察のドレフュス警部は、
クルーゾーを駐車違反取締りの閑職に回していたが、やむなく参加させる事に。
トルネードは、10年前に盗みをやめたはずで、なぜ再開したかは謎だ。
ピンクパンサーが盗まれたとの連絡に、ドリームチームはパリに集結。
イタリア警察のビチェンゾはニコルを狙っており、クルーゾーは気が気でない。
犯人がローマからパソコンを操作したと判明。
チームは、ローマにいる密売屋アロンゾの屋敷へ。
アロンゾはトルネードとの関係を否定するが、クルーゾーは彼を監視する事に。
ニコルと食事するビチェンゾと出くわし、騒ぎを起こしてしまう。
そんな中、ローマ教皇の指輪が盗まれる事件が発生し、チームは教皇を訪問。
クルーゾーは、教皇の衣裳を着てバルコニーから落ちそうになる大失態を犯し、
チームをはずされる。
アロンゾの仲間ローレンスが自殺し、屋敷で盗品が見つかる。
DNAも一致し、彼こそトルネードとして、チームは祝賀会を開く。
一方フランスの恥とされたクルーゾーは、
ふとした事から真相に気付き、祝賀会に乗り込み、チームのソニアこそ犯人だと指摘。
トルネードを研究していたソニアは、彼と接点があり、
ローレンスを自殺に見せて始末したのだ。
追い詰められたソニアは、ダイヤを撃ってバラバラに。ポントンに倒される。
バラバラになったのはピンクパンサーの複製で、
盗まれる前にクルーゾーがすり替えていた。
鑑定のプロであるトルネードなら、偽物と気付いたはずだ。
クルーゾーは、ソニアの車を駐車違反で取り締まった事を覚えていた。
それはピンクパンサーが盗まれた前日で、まだソニアはパリにいないはずだったのだ。
ドリームチームは、クルーゾーこそ世界一の捜査官と称賛。
ビチェンゾは、ニコルの心は常にクルーゾーにあったと敗北を認める。
ドレフュスは、事件解決の手柄を横取りしようとするが、
クルーゾーを閑職に回した事は秘密だったのでかなわず。
クルーゾーはニコルと結婚する事になるが、そこでも大騒ぎを起こすのだった。

 と言うわけで、マーチンクルーゾーによるシリーズ第2弾。
今回も、クルーゾーがハイレベルなドジぶりを見せる展開。
ドレフュスは役者がQの人に代わり、出番が少なめ。
アンディ・ガルシアらドリームチームがクルーゾーに振り回される。
前作と同様、ラストでクルーゾーはなぜか見事な推理を見せ、普段とのギャップあり。
今までバカにしていたドリームチームも、彼こそ世界最高の刑事なんて言い出すし。
ニコルと親密になるのも違和感があり、
彼女が惚れてるのに、クルーゾーが気付かない前作の雰囲気の方が良かったかな。

TV放送 2010/07/28 WOWOW 1920-2052
 

ヒンデンブルグ(75)

監督 ロバート・ワイズ

 37年。独退役将校ツェッペリンによる飛行船ヒンデンブルグが、
2度目の大西洋横断をする事に。米国の独大使館に爆破を予告する手紙が届く。
宣伝効果を考え、独軍はリッチー大佐(ジョージ・C・スコット)に警備をさせる。
乗客には伯爵婦人(アン・バンクロフト)、ナピア少佐(バージェス・メレディス)等
不審な人物が大勢。水素は危険とされたが、米国のヘリウム独占のためやむを得ない。
爆破予告の手紙は、予言者を自称する婦人によるものと判明。
乗員のボース(ウイリアム・アサートン)は気球の亀裂を危険を侵して修理。
だが、彼こそが爆破犯で、ナチの宣伝道具である飛行船を、
乗客が全員降りてから爆破するのだと言う。ナチに懐疑的なリッチーは逮捕を躊躇。
右腕のゲシュタポは、爆弾の場所を聞き出すために独断で彼を拷問する。
強風で着陸は延期。リッチーは爆弾の除去を試みるが、爆発が起こる。
ちょっとケツ切れ。

 と言うわけで、飛行船史上最悪の事件は実は原因不明で、
それを説明したような話。乗客の中から犯人を探すような展開はありきたりだが、
ナチの象徴のようなバカでかい飛行船が、最後に爆発するシーンはけっこうすごい。
プルス船長にチャールズ・ダーニング。音楽はデビッド・シャイア。

TV放送 94/06/01 04CH 01:20-03:44
 

ヒンデンブルグ 第三帝国の陰謀(2011年独)

マーチン・クルーガー 技師
友人 乗員
ジェニファー・ヴァンザント マーチンを助けた女性
フリッツ・リッテンベルグ ジェニファーの許嫁
ヴァンザント氏 ジェニファーの父。石油会社のトップ
ヴァンザント夫人 ジェニファーの母
エッケナー ツェッペリン社会長

 技師のマーチンはグライダーで墜落するが、ジェニファーと言う女性に助けられる。
彼女は米石油会社社長ヴァンサント氏の令嬢で、フリッツと言う許嫁がいた。
妻子が飛行船ヒンデンブルグで帰国すると知ったヴァンサントは、下船するよう連絡。
マーチンが知らせようとするが、フリッツに襲われる。
格闘の末倒すが、フリッツは飛行船に爆弾があると言い残して死ぬ。
危険を知らせようと、マーチンは離陸する飛行船に乗り込むが、
ゲシュタポに捕まり、機密文書を盗んだ殺人犯として尋問を受ける。
ジェニファーは、フリッツの部屋でダイナマイトを発見。
爆弾の話が事実とわかり、解放される。
水素による飛行船を爆破し、ヘリウムの輸出を解禁させ、
戦争を起こそうとする一味の陰謀らしい。
ヴァンサント夫人は否定するが、嵐で到着が遅れていると知ると動揺。
このままでは、着陸の15分前に爆発してしまうのだ。
マーチンらは船内を捜索。着陸寸前に爆弾を発見し、解除に成功する。
だが、嵐で飛行船は帯電しており、結局爆発を起こしてしまう。
人々は逃げ惑い、マーチンとジェニファーは助かるが、夫人は爆発で死ぬ。
ヴァンサント氏やツェッペリン社のエッケナー会長は、軍に脅され真相を明かせない。
マーチンは機密文書と交換に、一味に捕らわれたジェニファーの解放を要求。
ヴァンサント氏は一味の男を射殺し、自らも自殺する。
爆発事故では、乗員13人、乗客22人が死亡した。

 と言うわけで、爆発事故を起こしたヒンデンブルグ号をめぐるドラマ。
主人公は技師で、ヒロインは米企業トップの令嬢。
令嬢には許嫁がいるのだが、主人公と恋に落ちると来たら、
飛行船版タイタニックと言う趣。
ヒンデンブルグ爆発については諸説あるようだが、
本作では独国の軍部と米企業が結託した陰謀と言う事らしい。
主人公もヒロインも、たまたま乗り合わせたとかではなく、
都合良く陰謀に巻き込まれるあたり、安直なドラマと言う印象を否めない。
爆発の描写は、ジョージ・C・スコット版より派手。

TV放送 2014/02/16 WOWOW 2330-0120