生きる(52)

監督 黒澤明

 市役所の市民課長渡辺(志村喬)は、無欠勤の真面目さだが、
実際には無気力で、惰性的な日々が続いていた。
ある日、自分が胃ガンで余命わずかと悟り、ショックで欠勤。
飲み屋で知り合った作家に、人生を取り戻せと言われ、2人で遊び回る。
退職した女子職員の快活さに惹かれ、彼女につきまとう。
だが、息子夫婦らはこの関係を誤解。女子職員も気味悪がる。
彼女が人形を作るだけで楽しいと聞き、渡辺は自分も何かを作ろうと考える。
そこで、埋め立て地に公園を作る計画を推進。5カ月後、彼は死ぬ。
新聞記者は、公園建設の立て役者は渡辺ではと騒ぐが、
助役らは、あくまで一部を担ったに過ぎないと言う。
やがて、彼が自分の胃ガンを知っていた事がわかり、
何をするにも許可がいる役所で、公園を作った彼の生きざまに感銘を受ける。
公園で彼を目撃した警官は、楽しそうに歌っていたと言う。
やがて、課長が代わり、再び役所はたらい回しの仕事に戻った。

 と言うわけで、死を目前にして生まれ変わった男の話。
後半は、死んだ後と言うのが異色。でも、渡辺ってやっぱり気味悪い。

TV放送 93/06/20 BS05 20:02-22:30
 

緯度0大作戦(1969年)

監督:本多猪四郎

田代博士 海流を調査(宝田明)
マッソン博士 田代の助手(岡田真澄)
ロートン 記者。田代に同行
マッケンジー α号艦長(ジョゼフ・コットン)
アン・バートン α号の医師
姿博士 緯度0の医師(平田昭彦)
マリク マッケンジーに敵対する科学者
ルクレチア マリクの情婦
黒い蛾 マリクの手下

 田代博士らは潜水艇で海流を調査するが、海底火山の噴火に巻き込まれて遭難。
気がつくと、彼らは高度な技術で造られた潜水艦α号にいた。
マッケンジー艦長の話が本当なら、この船は164年前に出航した事になる。
マッソン博士の容体が思わしくないため、
艦は緯度0の海底2万メートルにある人工太陽の町へ。
ここには、死んだり亡命したはずの世界の頭脳が集まっていた。
争いもなく、マッソンも簡単に完治する。
一方、マッケンジーと敵対するマリクは、
万能の血清を開発した岡田博士親娘を誘拐する。
岡田博士はマッケンジーに居場所を教えるが、それこそマリクの罠だった。
マリクは、ライオンと鷹、そして手下黒い蛾の脳を合わせた怪獣を作り、
マッケンジーを迎え撃とうとする。
さらに岡田博士も改造しようとするが、かけつけたマッケンジーらが救出。
一同はα号で退散。マリクも黒い鮫号で追うが、怪獣と共に島の崩壊に巻き込まれる。
田代博士らは緯度0に留まる事となり、記者ロートンだけが帰還する。
だが、救助した連中は彼の話を本気にせず、
ロートンが緯度0へ行った証拠は残されていなかった。

 と言うわけで、東宝特撮の一作だが日米合作で
怪獣は当然のように出るけど、SFドラマがメイン。
遭難した宝田明らを助けたのは、世間から身を隠した
画期的な科学技術を持つ連中と来たら、ネモ船長や海底軍艦のバリエーション。
海底軍艦とかでは、敵対する連中は別の文化を持つ脅威だったりするが、
本作では同じ文化を持つ連中と仲違いしただけと言う点が異色と言うか、
ちょっとお手軽な感じ。
東宝特撮らしく、ここでは敵も味方も轟天号を思わせる戦艦が登場。
ただ、轟天号じゃないので、思い入れはもう一つ。
最後に一人だけ生還した記者の話を皆が本気にしないあたりは寓話的で、
やっぱり普段の東宝特撮とは毛色が違う感じ。
音楽だけは、ゴジラを思わせる伊福部昭。
巨大ネズミとコウモリ男も出るよ。

TV放送 2007/04/17 日本映画W 0000-****
 

宇宙大怪獣ギララ(67)

 謎の事故で失敗が続く火星探検に、AABγ号の佐野隊長らが挑戦。
未知の物体が船体に付着し、航行不能となり帰還。
だが物体は宇宙生物ギララで、巨大になり各地で暴れ回る。
ギララニュームで封印できると判明し、攻撃に成功。
地上では破壊できないため、宇宙へ廃棄する事となる。

 と言うわけで、怪獣ブームに乗って作られた、松竹唯一の怪獣映画。
わざわざ不審な物体を連れてきたり、
月に基地があるのに、地球からロケットを発射したりするあたりわからん。

TV放送 95/07/17 BS05 23:00-00:35
 

ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発(2008年)

隅田川すみれ(東京スポーツ記者) 加藤夏希
戸山三平(東京スポーツカメラマン)
伊部三蔵首相 福本ヒデ(ザ・ニュースペーパー)
大泉純三郎元首相 松下アキラ(ザ・ニュースペーパー)
高峰地球防衛軍参謀 古谷敏
木村地球防衛軍参謀 黒部進
鳴海地球防衛軍日本支部長 夏木陽介
タケ魔人 ビートたけし

 洞爺湖サミットが開催され、G8首脳が集結する。
そんな中、札幌に宇宙怪獣ギララが出現。
各国首脳は怪獣退治の主導権を握ろうと争う事に。
中国のロケットに付着した宇宙胞子が、高熱エネルギーであの姿になったのだ。
ギララは海に抜けるかと思われたが、エネルギーのある陸地に留まる。
各国が自国の兵器で攻撃するが、ギララには効果ない。
東スポ記者のすみれは、村の神殿にギララの絵があり
相対するタケ魔人が退治するという言い伝えを知る。
すみれはこれを信じ、村人と共にタケ魔人を呼び出そうとする。
一方、元首相大泉は核攻撃を主張。実は彼は北の将軍の変装で、
サミットを乗っ取りギララ退治で世界の王になろうとする。
しかし、もしミサイル攻撃されれば、胞子が飛び散り
世界中にギララが現れてしまうのだ。
間一髪、タケ魔人が現れミサイルを止めギララと対決。首を切り落として倒す。
将軍は姿を消し、サミットは再開されるのであった。

 と言うわけで、怪獣ブームの時代に、東宝ゴジラの二番煎じとしてガメラが登場。
これもヒットしたので、さらに日活のガッパ、松竹のギララが登場したが
いずれも一発屋に。
時は流れ、ゴジラもガメラも今風のマジメ路線で復活した事から
満を持してギララが復活。。。と言うわけでもなさそうで、
見てみると、ギララに対する各国のドタバタぶりをマンガチックに描く方が主眼。
日本の首脳陣は、モノマネのニュースペーパーという連中が
ネタそのままに明かなかぶり物で登場しており
ハナから「リアル路線なんか狙ってません」と言う姿勢。ギララは完全に脇役だ。
そうなると、この手の話は見た事があると思ったら
北の将軍が出てきて、「日本以外全部沈没」と同じ発想と気づく。
最後に出てくるタケ魔人もタケちゃんマンのノリで
あやうく劇場で見そうだったけど、ビデオで1回見れば十分という感じ。

TV放送 2009/10/03 WOWOW 0000-0137
 

宇宙大怪獣ドゴラ(64)

監督 本多猪四郎

 世界的な宝石強盗が相次ぐが、強盗団の犯行ではなかった。
警察の駒井(夏木陽介)や強盗団は、ブローカーのマークの仕業と考える。
謎の怪物が工場を破壊すると言う現象が発生。
強盗団は、ダイヤ輸送車を襲撃。撃ち合いになり、トラックが舞い上がる。
駒井は、怪物が事件に関係あると推理。
怪物の正体は、放射能で突然変異した宇宙細胞ドゴラであった。
ドゴラは炭素をエネルギーとしているのだ。緊急警戒がしかれ、ドゴラは九州に出現。
自衛隊の攻撃も、効果はなかった。宗方博士は、ドゴラが蜂毒に弱いと気づく。
強盗団は、マークがダイヤを持ち逃げしたと考え、彼を捕らえる。
だが、一味の浜子(若林映子)はダイヤを持ち逃げ。一味に追われる。
毒素が投下され、死滅したドゴラは岩状になって落下。一味は下敷きに。
マークはダイヤGメンで、ダイヤは最初からおとり用のニセ物だった。

 と言うわけで、ぬいぐるみではない怪獣もの。強盗団の話が、とってつけたよう。
マークは結局悪人ではない事にされたが、宗方博士のダイヤを盗んだのは事実。
強盗団一味に天本英世。話し方に特徴。防衛司令岩佐に藤田進。駒井の上司に田崎潤。

TV放送 93/03/25 BS05 09:40-11:10
 

宇宙人東京に現る(56)

 全世界で円盤が確認、続いて奇妙な生物が目撃され、人々は不安に陥る。
記憶喪失の女性は、天文台の小村博士らに接近。
異常な行動から、彼女が宇宙人の変身とわかる。
彼らはパイラ星人で、地球が原水爆で壊滅する危機を救うために訪れたと言う。
新天体Rが地球に衝突するため、世界中の核兵器を使用しなければ、地球は壊滅する。
各国は信用しないが、Rの発見でついに核兵器を使用。だが、効果はなかった。
Rは接近し、各地で異常気象が発生。
Rを破壊するには、松田博士(山形勲)発明の新爆弾が必要だ。
某国に誘拐された博士を、パイラ星人は救出。爆弾を製造し、Rを爆破する。

 と言うわけで、岡本太郎がデザインしたと言う奇妙なSF。
何しろ、核兵器廃絶の話が、途中から天体との衝突話になってしまうのだ。
宇宙人の正体がわかるまでは、かなり退屈。
文明が進んでいるはずのパイラ星人が、新爆弾の製法を知らなかったり、
核爆弾を使用させながら、効果がなかったり、誘拐した某国が博士を放置したり。
小村博士の助手磯部に、川崎敬三。

TV放送 93/09/25 04CH 02:20-04:09
 

ウルトラQザ・ムービー 星の伝説(90)

監督 実相寺昭雄

 古墳で怪死事件が続発。死体の頭には傷があり、周囲は海水で濡れている。
テレビ局に勤める浜野と百合子(荻野目慶子)らも古墳を取材。
撮影したテープは、なぜか再生できなかった。浜野は1人だけ九州へ行く事に。
彼は行方不明になり、万城目(柴俊夫)、戸川(風見しんご)らが探しに出る。
浜野の家は浦島町にあり、実家は竜宮島が見える場所にあった。
口から海水を吐く土偶に襲われ、真弓(高樹澪)と言う女性は浜野を探すなと言う。
土偶は宇宙服に似ており、怪死事件の被害者は、すべて古墳を荒そうとした者だ。
浜野の手帳を手がかりに、浦島神社へ。ここには天女伝説があると言われている。
現れた真弓は、万城目と話をするが、警察がかけつけ、怪獣ナギラを暴れさす。
調査をやめない彼らを真弓は殺そうとするが、現れた浜野が止める。
宇宙の星から訪れ、地球を破壊する者を止めようとした者がいた。
万城目は、興味本位の企画を中止。だが、スポンサーは開発のため、この地を調査。
その結果、海の神薙羅と呼ばれたナギラが暴れる。
真弓は新しい生き方を探すと宇宙船で去る。それはノアの箱船だったのだ。

 と言うわけで、ウルトラQを新キャストで復活させた映画。
だが、独特の雰囲気はなく、話は観念的。
環境破壊に警鐘するという感じはあるが、その対象が古墳ではいささか変。
ナレーターは、石坂浩二。刑事に小林昭二、毒蝮三太夫、黒部進。
取材の途中で佐野史郎が出てくる。テレビ局にはオリジナルの戸川一平も。
一の谷博士の研究室の壁には、オリジナルの写真が。

TV放送 93/03/31 06CH 01:10-03:15
 

エスパイ(1974年)

監督 福田純

 ドライバーの三木(草刈正雄)は、国際超能力機構と言う組織に迎え入れられる。
彼らは超能力を使うスパイ、エスパイと呼ばれ、三木にもその才能を見出したのだ。
バスコニアの紛争で、国連調停委員が敵のエスパイによって殺害される。
このままでは世界の破滅で、メンバーの田村(藤岡弘)、マリア(由美かおる)と共に
一味による首相暗殺を阻止しようと言うのだ。
田村は一味に捕らわれ、敵のボスウルロフ(若山富三郎)から仲間に誘われるが拒否。
一味は護衛を倒して首相を殺害するが、実はそれは替え玉だった。
三木は人を殺したショックで役に立たず、脱出した田村も能力を失う。
三木は幼なじみのジュディに連れ出されるが、実はそれも一味の幻覚だった。
田村が救出し、首相の護衛に向かわせるが、自身が車に閉じこめられる。
一味は地震の幻覚を起こし、首相襲撃をしようとするが、
危機を察知した田村がテレポーテーションでかけつけて阻止。
田村らはウルロフの隠れ家に乗り込み、超能力で対決。
マリアに対する愛がウルロフの能力を上回り、彼を倒す。

 と言うわけで、超能力を駆使するスパイの話で
冒頭の走る列車内の要人を射殺する手口は面白いが、
それ以外は何だかバカっぽい感じ。
もっとじゃんじゃん由美かおるが脱いでるのかと思ったが、それもないし。
藤岡弘らの上司に加山雄三。

TV放送
 

怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス(1972年)

発明おじさん (犬塚弘)
鬼沢 大工。おじさんの友人(三波伸介)
八五郎 鬼沢の同僚
斎藤 ダイゴロウの飼育係
鈴木 環境衛生省の役人(小林昭二)

 原潜の事故で蘇った怪獣が退治されて6年。
その息子ダイゴロウは孤島で飼育されるが、成長期で食費がかさみ、
ついに環境衛生省の鈴木は、成長を止める薬をダイゴロウに与える事を決定。
これに反対する発明家のおじさんは、テレビ番組で発明を披露。
降雨機からなぜか雪が降るが、賞金を得る。
実は宇宙から怪獣ゴリアスが飛来し、雪を降らせたと判明。
破壊をするゴリアスにダイゴロウが立ち向かうが、
空腹は何ともならず倒されてしまう。
通常兵器は効果なく、原爆を使えば海が汚染されてしまう。
ゴリアスを倒せるのはダイゴロウしかないと、一転、大量の食料が与えられる事に。
おじさんはゴリアスの角にカバーをかけて電撃を使えなくする。
さらに特訓で火を吐けるようになったダイゴロウが倒し、
ゴリアスはロケットで宇宙に返される。

 と言うわけで、東宝ならぬ円谷プロの映画で、
子供人気を狙ったような怪獣が、強敵の怪獣に奮戦する話。
それだけでは物足りないと思ったか、
犬塚弘とか三波伸介なんて連中のややオーバーなお笑いで尺をとってる感じ。
これをやりすぎたか、人間不在の怪獣映画と言うのはよくあるが、
怪獣不在と言う感じに。
飼育された怪獣の餌の出費がかさむなんて、妙にリアルな描写もある一方で、
怪獣が現れたのに自衛隊とかが出動せず、対策を立てるのが町の発明家と来たら、
全体的にお手軽に作ってみましたと言う感じかな。

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海底軍艦(63)

監督 本多猪四郎

 元帝国海軍少将の楠見(上原謙)は、ムー帝国工作員23号(平田昭彦)にさらわれ
カメラマンの進(高島忠夫)らに助けられる。やがてムー帝国から警告が。
1万2000年前に海底に没した帝国は、高度な文明で生き延び、
再び世界を支配すると言う。彼らは海底軍艦建造を中止しろと言う。
死んだと思われたイ号403潜水艦艦長神宮寺大佐(田崎潤)が、
ひそかに建造していたのだ。彼の部下の案内でとある島へ。神宮寺に再会。
神宮寺は海底軍艦轟天号は、日本のみのために使用すると協力を拒否。
同行の記者(佐原健二)もムー帝国人で、ドックを破壊。進と神宮寺の娘真琴を誘拐。
ムー帝国は予告通り都市の破壊を開始。改心した神宮寺は轟天号を出動させる。
敵の潜航艦を追跡。皇帝を人質に脱出した進らを救出。
皇帝は話し合いを拒否したため、攻撃を決定。守神マンダを冷線砲で撃滅。
動力室を爆破。潜航艦も撃沈し、皇帝は燃える海へ去っていった。

 と言うわけで、話がいろいろ飛んでけっこう奇々怪々な感じ。
改心するや、平和のための話し合いを求める神宮寺もおかしい。
設定は奇抜で、シリーズ可能だと思うが、そうはならなかった。
高島忠夫の相棒に藤木悠。ムー帝国皇帝つきの爺みたいな役で天本英世。
防衛軍に藤田進。

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海底大戦争(1966年日米)

安部 記者(千葉真一)
ジェニー 記者
ハワード教授 科学者
ムーア博士 帝国の支配者
ハイム博士 ムーアの手下

 米海軍が新型魚雷を公開。
記者の安部とジェニーは実験に参加。その際、海底で半魚人を目撃する。
 潜水で調査した安部らは、海底の洞窟で半魚人に捕らわれてしまう。
そこにはムーア博士の基地があり、
未来の帝国の為に、捕らえた人間を改造して働かせていたのだ。
 さらにハワード教授も捕らわれ、計画への協力を強いられる。
安部らは改造措置を受ける。
 米軍が基地に気付いて攻撃。機器が損傷し、制御不能となった半魚人は隊員を襲う。
原子炉が爆発の危機に陥るが、
ハワード教授が安部らを救出し、間一髪脱出ポッドで脱出。
教授のおかげで、安部とジェニーも元の姿に戻るのだった。

 と言う訳で、60年代の東映によるSFもの。
日米合作で、当時よくあった米国人が日本語を話すやつです。
海軍の実験に同席した記者千葉真一は、海底の異変に気付いて自ら潜って探る事に。
(意外に浅い場所らしい)
海底にはショッカーの基地があり、
(すんません、ショッカーとは言ってませんでした)
人間を半魚人に改造していたのだ。
ネモ船長をパクった様な話で、
千葉真一は相棒の外人女性記者と共に半魚人にされかかる。
女性記者を改造するなんて、ちょっとサディスティックな期待が高まるが、
あごにウロコがついた程度で元に戻る。

TV放送 2016/10/08 チャンネルNECO 1805-1935
 

怪竜大決戦(66)

 近江の国。結城大丈は、忍びの大蛇丸と謀反を起こす。
生き延びた城主の息子、雷丸(松方弘樹)は、蟇道人に育てられる。
かつての弟子大蛇丸は、妖術で蟇道人を殺し、雷丸は仇討ちのため近江へ。
一方、娘つなで(小川知子)も、父を探して近江へ行く。
結城は雷丸の噂を聞き、彼をかばう百姓を殺す。
雷丸は自雷也と名乗り、大蛇丸と対決。だが、百姓の娘がさらわれる。
大蛇丸は雷丸になりすまし、人々の同情を買って、結城を倒そうとする。
それを知ったつなでは、忍び衆に捕まるが、一味の百部が助ける。
つなでの父が大蛇丸とわかり、大蛇丸は雷丸を殺せと指示。
だが、彼女は思いとどまる。大蛇丸をおびき出し、そのスキに雷丸が結城を倒す。
かけつけた大蛇丸は龍に、雷丸は巨大ガマになって対決。つなでが蜘蛛の飾りで応援。
大蛇丸を倒した雷丸は、領地を領民に任せて去っていった。

 と言うわけで、シリーズものみたいな感じ。
龍のアップなどはすごいが、龍はどう見ても人間が入っているとしか思えない。
妖術などの描写はなさけない。つなでの保護者ばばが何者なのかは不明。

TV放送 93/04/03 04CH 02:55-04:40
 

隠し砦の三悪人(58)

監督 黒澤明

 秋月を破った山名の軍勢は、秋月の軍資金の金200貫を探し回る。
一攫千金を夢見る百姓又七と太平は、すり鉢山で金を発見。
金探しを手伝う男(三船敏郎)は、山名領を経て同盟の早川領へ行く策に感心する。
男は真壁六郎太と名乗るが、これは秋月の侍頭の名だ。
彼の連れる女が、秋月の雪姫かと考えるが、姫は打ち首になった後だった。
実は真壁は妹を身代わりにし、姫と金を早川まで移動させようとしていた。
百姓に手伝わせ、一行は関所を通過。隠し砦が襲撃され、姫が生きていると判明。
敵に襲われるが、返り討ちにし、敵陣地で田所(藤田進)と槍で対決。降参させる。
一行は山で包囲され、ついに捕らえられる。
打ち首が決まるが、助けられた田所が寝返り、一行を逃がす。
百姓たちは金を積んだ馬を捕まえるが、秋月再興のため金は返却される。

 と言うわけで、スターウォーズの元ネタと言われる作品。
勝手な事ばかりするコンビと、勝ち気な姫。型破りな侍と面白い組み合わせだが、
最後にみな国のための行動だったとわかると、ちと拍子抜け。
隠し砦にいた爺に志村喬。敵襲撃で死ぬ。

TV放送 93/06/20 BS05 13:32-16:00
 

影武者(1980年)

監督 黒澤明

 武田信玄は、自分にうり二つの盗人(仲代達矢)を見つけ、彼を影武者にする事に。
断れば処刑される身とあり、いやいや従う事に。
その後、信玄は狙撃されて死んだとの情報が流れ、信長や家康は真偽を知りたがる。
信玄の家臣は、信玄の死後も3年は死を隠し通せとの遺言に従い、
影武者を信玄かのようにふるまい、その正体は一部の者にしか知らせない事に。
信長らの間者がその様子を見るが、本物の信玄だと確信。
やる気のなかった影武者も、信玄の遺体を見てその役を務める事に。
孫は信玄が別人になったと言うが、何とかごまかし、作法等を学んで信玄に扮する。
病気明けとごまかし、側室にも会うのを控えるようにし、何とか信用させる。
好機にもかかわらず動こうとしない信玄を不思議がる信長。
信玄の実の息子勝頼(萩原健一)は、盗人に頭を下げる事に反発。
家臣を前にして恥をかかせようとするが、意外にやりこめられ、
怒って単身兵を率いて出陣する。
仕方なく武田軍は出陣となり、信玄の存在感に敵は尻込みする。
勝頼は死後も存在感を残す父に絶望し、影武者は自信をつけて態度がでかくなる。
だが荒馬に挑戦して落馬。側室は川中島の傷がない事に気づき正体がばれる。
そのため、勝頼を大将として、影武者は追い出される事に。
信玄の死を知った信長は長篠へ鉄砲隊を配置。武田軍は迎え撃たれ全滅。
戦闘を見て呆然とする影武者は、死体の中へ飛び出し、彼もまた撃たれて死ぬ。

 と言うわけで、信玄の影武者が経験する数奇な運命の話だが、
意外や意外大活躍なんてシーンを期待したが、
影武者として登場するのは身内を前にしてだけで、
信長とかに対して戦ったわけでもなく
何か意外に早く追い出されて、勝手に死んでしまい、
ちょっと期待したような展開にはならず。
俳優も顔がいまいちアップにならず、誰が演じているのかわかりづらい。

TV放送 2002/08/30 BS05 2000-2305
 

ガス人間第一号(60)

監督 本多猪四郎

 神出鬼没の銀行強盗が現れるが、西山という男が逮捕される。
岡本警部(三橋達也)は、踊りの家元藤千代(八千草薫)が金を受け取ったと捜査。
だが彼らの前に水野という男が現れ、自分こそ真犯人と言う。
彼は佐野博士の人体実験でガス状の人間にされ、自由に制御できるようになったのだ。
水野は藤千代の公演を成功させるためには、人殺しも平気だ。
ガス爆発させるため、藤千代の講演会場へおびき寄せるが
藤千代は避難せず、自らライターをつけて自爆する。

 と言うわけで、人間シリーズの1作。
服はガス状にならないのだから、神出鬼没になると裸のはず。
それに、どう人体実験が失敗しても、ガスにはならないと思うが。
音楽は宮内國郎でウルトラマンでも使われた曲。

TV放送 98/11/09 BS05 22:00-23:35
 

ガンマー第3号 宇宙大作戦(1968年日米)

ジャック・ランキン中佐
ビンス・エリオット中佐 ステーションの隊長。ランキンの旧友
女医 (ルチアナ・パルッツィ)
トンプソン司令

 10時間後に、遊星フローラが地球に衝突すると判明。
回避するには、核爆弾で破壊するしかないと、
司令はランキン中佐に宇宙ステーションガンマー3号へ向かわせる。
ランキンは旧友であるガンマー3号隊長エリオット中佐らと作戦に臨む。
爆破は成功し、一行はガンマー3号に帰還。
だが、電気ショックを受けたような隊員の死体が見つかる。
どうやら遊星から未知の生物を持ち帰ってしまい、驚異的な速度で増殖しているのだ。
ランキンはガンマー3号から撤退し、爆破する事を決断。これにはエリオットが反対。
結局、一同は撤退するが、ランキンは生物を倒すため戻る事に。
助けに向かったエリオットが怪物にやられ、ガンマー3号は爆破される。
生還したランキンは、彼に最高の栄誉を求めるのだった。

 と言うわけで、オール外人キャストによる日本製SF映画。
新しい遊星が見つかり、何と明日地球に衝突すると言うから、
ずいぶんボンヤリしてた話です。
国際会議とかする余裕もなく、爆破するしかないと言うアルマゲドン的発想に。
作戦は簡単に成功するのだが、
メンバーが遊星の生物を宇宙ステーションに持ち帰ってしまう。
その生物たるや、電気エネルギーを食べ、無限に増殖すると言うから、恐ろしそう。
ステーションの人々が次々やられる展開は、後のエイリアン風だ。
ところがどっこい、生物はどう見ても、中に人入ってるでしょと言う外見。
隊員たちは妙にかっこつけてるが、結局逃げ回ってるだけ。
ステーションの女医がサンダーボール作戦のルチアナ・パルッツィだが、
別に出てこなくても物語的には支障ない。

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キングコングの逆襲(67)

監督 本多猪四郎

 某国は、核兵器用に北極でエレメントXを採掘。
マダム・ピラニア(浜美枝)の依頼で、ドクター・フー(天本英世)が当たる。
モンド島に実在すると言うコングそっくりの、メカニコングで採掘。
だが、磁気のためストップしてしまう。
国連調査隊のエクスプラー号は、故障のためモンド島へ。
そこで身長20mのコング、恐竜ゴロザウルス、大ウミヘビに襲われる。
ネルソン、野村(宝田明)両博士は国連で発表。
フーは催眠弾でコングを生け捕り。催眠術でトンネルを掘らせるが、術がとける。
看護婦スーザンの言う事なら聞くので、彼らを捕らえる。
だが、コングは暴れ東京へ。フーはメカニコングで追跡。
変心したピラニアは3人を解放。フーに撃たれ死ぬ。
東京タワーの上で2匹のコングは対決。メカニコングが墜落する。
船で脱出するフーだが、コングに沈められる。

 と言うわけで、キングコングもの第2弾。効率の悪そうなメカニコング登場。
主役たちは役に立たず、コングは女性の言う事だけは聞くと言う設定に固執。
ピラニアの変心はわけがわからず。フーの作戦もバカバカしすぎ。
フーの部下に黒部進。

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蜘蛛巣城(57)

監督 黒澤明

 鷲津義明(三船敏郎)は森の中で、蜘蛛の巣城の妖怪と言われる老婆に会い
城の主になると言われる。その話は大殿に伝わり、
予言を危険に感じる城主に命を狙われるかも知れない。
憲康が大殿を護衛する夜、妻にそそのかされ大殿を殺害。憲康の仕業に見せる。
敵乾(志村喬)が攻めてくる中、城内に本当の敵は鷲津だと言う空気が広まる。
森が動かぬ限り戦に負けることはないと予言され、自信を得る鷲津。
しかし森が動き出し、味方に矢で射られて鷲津は死ぬ。
乾の兵が木をかついで森に扮していたのだった。

 と言うわけで、物の怪の力を得て調子に乗る三船敏郎を描いた話だが
役名も人物関係の設定もわかりにくい上、
古い映画だからかセリフが聞きづらく、かなりきつい。
最後のオチは面白そうなのだが、そこまでが乗れないので、あまり喜べない。

TV放送 1999/12/13 BS11 2000-2155
 

ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣(1970年)

監督 本多猪四郎

工藤 カメラマン
アヤ子 同行する女性
宮博士 怪物を研究(土屋嘉男)
小畑 産業スパイ(佐原健二)
リコ 島の住民
サキ リコの恋人

 カメラマンの工藤は、開発予定のセルジオ島を調査に向かう事に。
怪物伝説がある上に、行方不明の木星探検ロケットヘリオス7が目撃された地点だ。
調査技師横山は何者かに襲われ、目撃した島民リコはショックを受ける。
海底調査する工藤らは、イカ怪獣ゲゾラに遭遇。
炎で撃退するが、今度はカニ怪獣ガニメが出現。
工藤が焼き払い倒す事に成功。
ガニメから抜け出した宇宙生物は、産業スパイ小畑の体を利用。
地球征服を企む彼らは、カニやイカを巨大化させたが、
弱点である超音波を発するコウモリが現れたため、小畑に退治させたのだ。
カメ怪獣カメーバとガニメが現れるが、
アヤ子の声に自分を取り戻した小畑はコウモリを放ち、
混乱したカメーバとガニメはもろともに火山に落ちる。
小畑もまた火山に身を投げ、宇宙生物は全滅する。

 というわけで、東宝怪獣映画と言えばゴジラシリーズが当たり前の時代に、
初心に返って人間と怪獣の対決を描こうとした作品。
過去にゴジラが東京に現れた事もなさそうで、
怪獣自体が初めての出現らしいと言うあたりに好感が持てるが、
見てる側にその設定が伝わったかは微妙。
そんな中で南の島に怪獣が現れるが、それが最近飛来した宇宙生命体の仕業なのだが、
なぜか住民はゲゾラとかガニメとか以前から名前をつけてた様子。
高度な生命体のくせに、都市部を狙ったりせず、南の島で練習したりするものだから、
たまたまいたコウモリの超音波にやられたりして計画は失敗。
3大怪獣が一同に介する事はなく、
序盤はゲゾラが延々と暴れ、後半はガニメとカメーバが戦う。
ガニメは一度人間に倒されてるから、2匹目と言う事に。
全体として志は悪くなかったが、半端な感じに終わってるかな。
音楽は伊福部昭。

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ゴジラ(54)

監督 本多猪四郎

 船舶の行方不明事件が連続。大戸島の島民は伝説の巨大生物ゴジラのせいと言う。
古生物学者の山根博士(志村喬)らの調査団が大戸島へ。
多量の放射能と共に、身長50mのジュラ期の怪物が出現。
水爆実験で目覚めた怪物ゴジラは、自身も放射能を帯びている。
山根は貴重な生物への攻撃に反対するが、被害が続発。
彼の娘恵美子(河内桃子)は、兄のような存在の芹沢博士(平田昭彦)が
ゴジラ退治に有効な研究をしている事を知る。
ゴジラは自衛隊の防御を突破し、東京へ上陸。攻撃も歯が立たない。
銀座や国会議事堂を破壊。海へ去るが、被害は甚大だ。
恵美子は恋人尾形(宝田明)と共に芹沢の所へ。
芹沢の研究とは、水中の酸素を一瞬に破壊するオキシジェンデストロイヤーだった。
使用すれば、ゴジラを倒す事はできるが、兵器として悪用される事は間違いない。
決断した芹沢は書類を焼き、自ら水中に潜り装置をセット。芹沢は命綱を切る。
ゴジラは溶けていくが、山根にはそれが最後の1匹とは思えなかった。

 と言うわけで、ゴジラの記念すべき第1作。意外に破壊シーンは短い。
水の中で眠っていたはずなのに、島民が知っているなど、変な部分もある。
それにしても、オキシジェンデストロイヤー、どう悪用するのだろうか。

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怪獣王ゴジラ/GODZILLA KING OF THE MONSTERS!(1957年)

スティーブ・マーチン 通信員(レイモンド・バー)
山根博士 (志村喬)
山根恵美子 博士の娘(河内桃子)
尾形 恵美子の恋人(宝田明)
芹沢博士 恵美子の婚約者(平田昭彦)

 通信員スティーブは、知人である芹沢博士に会う為、日本に立ち寄る。
東京湾付近では8隻の船が消える事件が発生。
古生物の権威山根博士が、大戸島へ調査に行く事になり、スティーブも同行する。
住人は怪物ゴジラを見たと証言。
やがて体長400フィートの怪物が出現。
山根博士は、古代の生物が水爆実験で蘇った可能性を指摘する。
ゴジラは東京へ上陸。
高圧線を突破され、戦車隊の攻撃も効果なく、東京は火の海に。負傷者があふれる。
山根の娘恵美子は、芹沢博士の研究で倒せるかもと指摘。
それは、ボール大で東京湾の酸素を破壊する酸素破壊剤だ。
だが、東京湾の生物を全滅させる威力に、芹沢は使用をためらう。
避難する人々の祈りの歌に心を動かされた芹沢は、
これ限りだと資料を焼き、自ら海中で作業する事に。
芹沢は命綱を切って戻らず、装置が作動するとゴジラは苦しんだ末に骨になる。
偉大な男の犠牲で、地球は救われたのだ。

 と言う訳で、日本が誇るゴジラ1作目を海外向けに再編集。
通信員レイモンド・バーが来日した際、現れたゴジラに遭遇。
彼は芹沢博士、山根博士ら主要キャラ全員と知人と言う都合の良い設定で、
ゴジラの発見、破壊、退治と言う一連の出来事に、比較的違和感なく立ち合う訳。
個人的には、当時の日本映画ってセリフが聞き取りづらい印象があるが、
その点は字幕なのでわかりやすい。
ただし、全編通じて一歩引いた目線である事も確かです。

TV放送 2015/02/04 日本映画 1900-2020
 

ゴジラの逆襲(55)

 軽飛行機で魚群を探す仕事の小林は、岩戸島に不時着。月岡が救助に向かう。
2人はその島で、ゴジラと、戦う別の怪獣を目撃する。
彼らの証言から、山根博士(志村喬)らは、アンキロサウルス通称アンギラスと断定。
自衛隊は灯火管制と照明弾で、大阪湾に現れたゴジラを海へ誘い出す。
だが、事故で工場が火事に。ゴジラ上陸に続いて、アンギラスも現れる。
2匹の怪獣は激突。大阪城等を破壊。アンギラスをかみ殺し、ゴジラは海へ。
小林らは大阪本社再建まで、北海道に行く事に。そこにもゴジラが現れる。
やがて神戸島に出現。小林機がやられ墜落。
雪山を爆破。雪崩を起こし、生き埋めにする事に成功。

 と言うわけで、大ヒットの第1作に続く続編。大阪に出て次は北海道とはたまらん。
いったんゴジラがいなくなると、すぐ忘れてしまう感もある。
山根博士はちょっと出るだけ。アンギラスもすぐ死ぬ。ちと安易かも知れん。

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キングコング対ゴジラ(62)

監督 本多猪四郎

 パシフィック製薬提供の「世界驚異シリーズ」の視聴率アップのため、
桜井(高島忠夫)らは、ファラ島の魔神を調査に行く。
そこで見たのは、キングコングだった。桜井はコングの生け捕りに成功する。
一方、北極の氷が溶け、調査したシーホーク号が何者かに破壊される。
その原因は冷凍冬眠していたゴジラだった。ゴジラは帰巣本能から日本へ向かう。
輸送中のコングも暴れ出し、上陸。那須高原でゴジラと対決するが、旗色悪く後退。
高圧電流でゴジラの進路を食い止めるが、コングは帯電体質になって東京へ。
コングは桜井の妹ふみ子(浜美枝)を捕まえ、国会議事堂に。
ファラ島の赤い汁で眠らせる事に成功。ふみ子を救出する。
ゴジラ撃退のため、コングを富士山麓へ空輸。相打ちを狙う。
ゴジラが優勢だが、雷によってコングも元気に。
格闘の末、共に海に落ち、コングは去っていった。

 と言うわけで、ゴジラが復活し、米の代表怪獣キングコングと対決。
だが、コングはただの猿なので、やや不公平。ふみ子が2怪獣に襲われる展開も。
宣伝部長多湖に有島一郎。桜井の相棒古江に藤木悠。
ふみ子友人で何だかわからない女性に、若林映子。
ふみ子の恋人藤田に佐原健二。強力な繊維を発明する。防衛隊にはやはり田崎潤。
コングが大ダコと対決するシーンあり。

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モスラ対ゴジラ(64)

監督 本多猪四郎

 台風の末、静之浦に巨大な卵が漂着。
ハッピー興業の殿山が買い取り、政界の大物虎畑(佐原健二)と共に金儲けの算段。
インファント島の小美人(ザ・ピーナッツ)はモスラの卵として、返却を求める。
だが、虎畑らは聞き入れず島へ帰る。
一方、倉田浜干拓地で放射能が検出。ゴジラが出現。名古屋を破壊し、静之浦へ。
新聞記者の酒井(宝田明)、中西(星由里子)、三浦博士は、
モスラと戦わせるため、インファント島へ。島民は反対するが、モスラは協力を約束。
虎畑らはゴジラにやられ、モスラが急行。毒蛾の粉で攻撃するが、寿命で死ぬ。
自衛隊は高圧放電で攻撃するが失敗。ゴジラは子供たちの残された岩島を襲う。
モスラの卵から2匹の幼虫が誕生。糸でゴジラを攻撃。動きを封じ、ゴジラは海に。

 と言うわけで、ゴジラがまだ悪役だった作品。展開は恐ろしく単純。
人間の登場人物は、おまけでしかない。しかし、ゴジラの移動が早すぎるぞ。
デスクに田崎潤。酒井らの同僚に藤木悠。自衛隊の司令官に藤田進。

TV放送 92/12/06 BS05 09:10-11:00
 

三大怪獣/地球最大の決戦(64)

監督 本多猪四郎

 進藤刑事(夏木陽介)は、セルジアの王女サルノ(若林映子)の護衛の任に。
だが、特別機は爆破される。その頃、黒部渓谷には巨大な隕石が落下していた。
進藤の妹直子(星由里子)は、金星人と言う予言者を取材。地球は滅亡すると言う。
進藤は彼女が王女だと気づく。彼女の予言通り阿蘇にラドンが出現。
小美人(ザ・ピーナッツ)が乗るはずの船もゴジラが破壊。
ゴジラとラドンは横浜港を襲い、箱根から富士山麓へ。
塚本博士(志村喬)が診察するが、王女は異常ではない。
隕石からキングギドラが出現。防衛軍が出動するが、有効な手段はない。
村井博士はモスラの協力を考えるが、小美人はゴジラたちの協力も必要と言う。
一方、王女は金星人は滅亡し、地球人に同化したと話す。予知能力のみ残されたのだ。
彼女にショック療法が試みられるが、暗殺団が襲撃。撃ち合いで暗殺団は逃走。
モスラはゴジラたちを説得するが失敗。単身向かうが、結局ゴジラたちも加勢。
転落のショックで王女は正気を取り戻す。落石で暗殺団は全滅。
3匹の怪獣はキングギドラを連携攻撃。キングギドラは逃げ、王女は帰国する。

 と言うわけで、ゴジラが正義に回るきっかけとなった1作。
と言っても、まだ正義と決まったわけではない。けっこう言う事を聞かなかったりも。
王女の家臣に、天本英世。テレビ局に佐原健二。
2匹いたモスラの1匹は死んだ事にされた。

TV放送 92/12/11 BS05 20:00-21:50
 

怪獣大戦争(65)

監督 本多猪四郎

 196X年。木星の衛星X星から怪電波が受信され、宇宙船P1号が派遣される。
乗員の富士(宝田明)とグレンは、地下に住むX星人と接触。
彼らは、X星を荒らす宇宙怪獣キングギドラ退治に、ゴジラとラドンを貸せと言う。
癌の特効薬と交換という事で、地球側はこの提案を受け入れる。
世界教育社の波川(水野久美)は、鳥居が発明した痴漢よけブザーの契約をとる。
グレンは波川と接近。彼女とX星人統制官の関係を怪しむ。
X星人の円盤は、明神湖のゴジラと鷲ヶ谷のラドンを電磁波で誘導。
ゴジラとラドンはキングギドラを撃退。富士らは癌特効薬の秘密を受け取る。
テープには、地球降伏を求める声明が録音されていたため、世界中が混乱に。
降伏せねばゴジラらをコントロールして、破壊をさせると言う。
波川はグレンを愛するようになり、射殺され、グレンは牢に入れられる。
グレンと鳥居は、X星人が痴漢よけの音波に弱いと知り、脱出に成功。
2怪獣が暴れるが、Aサイクル光線で電磁波を妨害し、
円盤のX星人も音波によって苦しみ、自爆する。
ゴジラらはキングギドラを攻撃。キングギドラは飛び去っていった。

 と言うわけで、タイトル曲がかっこいい作品。X星の女性は、皆波川と同じ顔。
作品の大半は、地球人とX星人の攻防で、怪獣の破壊は少ない。
しかし、X星で、有名なゴジラのシェーが見られる。
宇宙局の博士に田崎潤。婦人代表と言う意味不明の存在に、塩沢とき。
グレンの声は納谷悟郎。統制官は土屋嘉男。鳥居は富士の妹ハルノの婚約者。

TV放送 93/03/29 BS05 09:30-11:10
 

ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘(66)

 遭難した漁師の兄ヤタを探すため、裕太は港へ。
知り合った2人や、逃走中の金庫破り吉村(宝田明)と共にヨットで沖へ出る事に。
だが、巨大なハサミに襲われ、彼らはとある島へ。
そこには、「赤い竹」と言う組織の基地があり、インファント島民を働かせていた。
逃げる者は、ハサミの正体であるエビラにやられるのだ。
逃げた島民ダヨ(水野久美)と合流。基地へ潜入し、核爆弾を製造している事を知る。
見つかり、逃げる裕太は気球に乗ってインファント島へ。兄と再会。
島民を助けるため、再び戻る事に。
一方、吉村らは落雷を利用して、洞窟に眠るゴジラの目を覚まさせる事に。
目覚めたゴジラは航空部隊を撃滅。基地を破壊する。
隊員たちは逃げるが、ニセのエビラよけの黄色い汁を使ったため、やられて全滅。
吉村らは捕らわれた島民を救出。だが、まもなく基地は爆破される。
エビラと格闘するゴジラは、そのハサミを折る。
ついに目覚めたモスラは、網に捕まる島民を連れて脱出。
ゴジラも海に飛び込み、島は爆発して沈んだ。

 と言うわけで、雰囲気を変えた作品となっているが、
主人公たちが島に来るまでの展開がやや強引。
「赤い竹」の警備隊長に平田昭彦。司令官に田崎潤。船長に天本英世。
ゴジラと大コンドルの格闘シーンがあり、倒した後、加山雄三のように鼻をかく。

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怪獣島の決戦 ゴジラの息子(67)

 楠見博士(高島忠夫)らは、食料問題を解決するために、
ゾルゲル島で気象コントロール実験を行う。新聞記者の真季(久保明)は強引に取材。
謎の妨害エネルギーで、放射能ゾンデが低空で爆発。
超高温や大豪雨を起こし、大カマキリの生体構造に異変が起き、巨大なカマキラスに。
カマキラスは巨大な卵を割り、中からゴジラの子供ミニラが誕生する。
ミニラはカマキラスに襲われるが、ゴジラがかけつけて退治。
妨害エネルギーは、親を呼ぶ脳波だったのだ。
真季は島に住むサエコ(前田美波里)と知り合う。
彼女は、戦後島に残った松宮博士の娘で、博士の死後1人で生活していたのだ。
ゴジラはミニラに、吼え方や放射能の吐き方を教授。
薬草を探すサエコはカマキラスに襲われ、ミニラがかけつけるが、
谷に眠るクモンガを起こしてしまう。
激しい戦いに、楠見は島を脱出する事を決意。凍結で怪獣の動きを封じる事を考える。
クモンガはカマキラスを倒し、ミニラにも危機が迫るが、ゴジラが急行。
楠見らの実験が成功し、降雪が始まる。彼らは脱出。
ゴジラはクモンガを倒し、しばしの冬眠に入る。

 と言うわけで、ついに完全に子供向けになった記念すべき作品。
ミニラの扱い等、バカバカしい感があるが、意外に真面目な面も。
隊員は、森尾に佐原健二、伊崎に平田昭彦。
古川の土屋嘉男は、島が嫌で暴れてばかり。
タイトル前に出てくる、話に無関係な飛行機のパイロットに、黒部進。

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怪獣総進撃(68)

監督 本多猪四郎

 20世紀末。小笠原の怪獣ランドには、ゴジラ以下の怪獣が集められていた。
だが、ランドが連絡を絶ち、怪獣たちが世界各地を襲撃。なぜか東京は免れていた。
ムーンライトSY3は怪獣ランドを調査。艇長の克男らを恋人杏子らが迎える。
地球に新しい文明を作るため、キラアク星人が怪獣をコントロールしたと言うのだ。
人間も怪獣も、機械で操作されたと判明。電波送信機が世界各地で発見される。
ついにゴジラらが東京を破壊。キラアクは居住権を要求。
富士山麓が根拠地とわかり、怪獣の操縦は月で行われていた。
克男らは月基地へ突入。キラアクは超高温でしか生きれない金属生命体だった。
操縦装置を取り外し、今度は地球側が怪獣をコントロールする事に成功。
富士山麓にゴジラ以下10怪獣が集結。キラアク基地破壊のためだ。
キラアクはキングギドラを戦わせるが、集中攻撃で敗れる。
続いて、燃える怪獣ファイヤードラゴンが出現。操縦装置を破壊する。
だが、ゴジラは本能的で行動し、地下要塞を破壊。
実は円盤だったファイヤードラゴンも、SY3が破壊する。

 と言うわけで、ゴジラ映画総決算的に11大怪獣が登場した作品。
登場するのは、ゴジラ、キングギドラの他、ミニラ、モスラ、アンギラス、マンダ、
ゴロザウルス、クモンガ、ラドン、バラン、バラゴン。バランはただの人形だけ。
大勢出てくるのはいいが、顔見せだけという印象も。意外にゴロザウルスが活躍する。
キングギドラもよってたかってやられ、ついに死ぬ。ひどい話だ。
古田博士に田崎潤。月基地司令官に佐原健二。
操られた怪獣ランド職員に、黒部進。いったいどうなった?

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ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃(69)

監督 本多猪四郎

 気の弱い少年一郎は、ガキ大将のカバラにいじめられてばかり。
彼は夢の中で、念願の怪獣島へ行く。そこでは、ゴジラらの怪獣が勢ぞろい。
ミニラと出会い、意地悪なガバラにいじめられている事を知る。
ゴジラはミニラに1人で戦わせ、自らはエビラやクモンガを倒す。
そして、ミニラの教育だ。
潜伏中の強盗の落とした免許証を拾った一郎は、強盗に捕まり、廃屋へ。
そこで再び夢を見て、ミニラがゴジラと協力して、ガバラを倒すのを見る。
ミニラを見習い、1人で戦う事を決意した一郎は、消火器等を使って強盗を倒す。
犯人は警察に逮捕され、自信をつけた一郎は、ガバラとのケンカにも勝つ。

 と言うわけで、円谷英二の病気のため、過去の特撮シーンをつないで
安易に作られた作品。物語も少年の空想が中心でかなり安易。
カマキラス、ゴロザウルス、マンダ、アンギラス、大ワシ(大コンドル)が
登場するが、すべて過去の作品。「南海の大決闘」「ゴジラの息子」が中心だ。
一郎の父の列車の運転士に佐原健二。近所のおもちゃ発明家の南に天本英世。

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ゴジラ対ヘドラ(71)

 駿河湾他各地で怪物が出現。生物学者矢野は、捕らえたおたまじゃくしを研究。
この生物はヘドラと名づけられる。鉱物でできていて、合体して大きくなるのだ。
煙突の煙を吸い、飛び散った破片で周囲は腐食。化学反応で光化学スモッグを起こす。
地球上の生物ではなく、隕石に乗ってきたらしい。
矢野は電流で乾かす事を自衛隊に提案。富士のすそ野に巨大な電極を設置する。
ヘドラは現れたゴジラと対決。2匹の格闘で、送電線が倒れてしまう。
だが、ゴジラの放射能を反射させ、ヘドラを攻撃。
完全に倒したかに思えたが、海には新たなヘドラが。

 と言うわけで、戦争批判の象徴から、正義の味方になったゴジラに対して、
公害批判をテーマにしたヘドラが対決。全編ヘドラばかりが登場。ゴジラはわき役。
人間側も矢野の息子が中心で、自衛隊などはおまけのようなもの。
ずいぶん、異色な作品と言える。ゴジラが空を飛んでしまう場面も。
矢野の甥か何かの行夫に、柴俊夫。当時の芸名は違う。ヘドロでやられる。

TV放送 93/03/26 BS05 09:30-11:00
 

地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン(72)

 売れないマンガ家小高は、子供ランドのゴジラ島建設にアイデアを出す事に。
だが、志摩マチコに、兄が監禁されていると聞かされる。
奪ったテープを聞くが、その意味はわからない。実はゴジラたちが反応していた。
小高らは子供ランドを調査。会長の須東らは死んだはずと判明。
彼らは志摩救出のため、ゴジラ島のゴジラタワーへ。だが、捕まる。
須東らはMハンター宇宙から地球侵略に来た、ゴキブリのような生物だった。
彼らはテープで、キングギドラとガイガンをコントロール。東京を破壊させる。
危機を察知したゴジラとアンギラスが急行。対決する。
全身がカッターのガイガンに苦戦。だが、小高らがゴジラタワーを破壊。
コントロールを失った2匹に反撃。2匹は宇宙へ去っていった。

 と言うわけで、全身武器と言う新怪獣ガイガンとの対決。でもいまいち。
怪獣島とゴジラ島があり、怪獣島には、ゴジラ、ラドン、アンギラス、モスラ、
カマキラス、ゴロザウルス、クモンガ、ミニラがいる。
総進撃の島とすれば、外には出れないはず。
キングギドラらがマッハ400と言う呆れたスピードで飛ぶシーンも。
防衛隊が、声でキングギドラと判断するし。
対決シーンは呆れるほど長く、そのくせ総進撃等の流用が多い。
小高の相棒で空手三段の女性に、菱見百合子。

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ゴジラ対メガロ(73)

 197X年。アスカ島で地下核実験が行われる。
300万年前、エムリア大陸が海底に水没した時、海底王国シートピアを建国。
だが、核実験で平和が破られ、地上との戦いのため、怪獣メガロを送り込んだ。
発明家伊吹のロボット、ジェットジャガーにメガロを誘導させる。
超音波で制御を取り戻した伊吹は、怪獣島のゴジラの応援を呼ぶ。
制御を失ったメガロは都市を破壊。ジェットジャガーは意志を持ち巨大になって戦う。
Mハンター宇宙からガイガンも現れ、ジェットジャガーはピンチに。
だが、ゴジラがかけつけ反撃。2匹の怪獣は退散。
ジェットジャガーはゴジラと握手し、元の姿に戻ると意志は消えた。

 と言うわけで、特撮シーンの使い回しは相変わらずだが、話自体もずいぶん安易。
必然性もなくガイガンを出し、ジェットジャガーは巨大化。退屈な戦いが続く。
核実験に対する抗議がありそうで、実際はすぐに断念してしまうし。
怪獣島のシーンで、ラドンとアンギラスが見える。

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ゴジラ対メカゴジラ(74)

 沖縄。考古学者冴子は、壁画から怪獣が出ると言う予言を知る。
正彦は洞窟で金属を発見。宮島教授(平田昭彦)はスペースチタニウムと言う。
ゴジラが現れ、アンギラスを痛めつける。実はサイボーグ、メカゴジラだったのだ。
本物のゴジラが出現。光線やミサイル攻撃を受け、メカゴジラも故障する。
宮島らは調査に沖縄へ。だが、何者かに捕まる。
彼らブラックホール第3惑星人は、地球征服を企み、宮島に修理を強制する。
冴子と正彦の兄敬介は、予言の置物を再三狙われる。
インターポールの南原(岸田森)と共に基地を発見。正彦らを救出。
祠に置いた置物から光線が。島に眠る伝説怪獣キングシーサーが目を覚ます。
落雷で元気になったゴジラも登場。だが、メカゴジラは2匹相手でも平気だ。
ゴジラは体内に電気を起こし、磁石になり、メカゴジラを引き寄せる。
ゴジラはメカゴジラの首をへし折り、南原らが基地を爆破。
キングシーサーは再び島に戻った。

 と言うわけで、メカゴジラの設定はいいが、ゴジラが磁石になると言うのはどうも。
すべて予言でわかっているというのはイヤだ。主人公兄弟がどうでもいい奴らだし。
敬介らが移動する船の船長に佐原健二。
キングシーサーを目覚めさせる歌は、それにしては妙に明るい曲だ。

TV放送 93/03/31 BS05 08:00-09:26
 

メカゴジラの逆襲(75)

監督 本多猪四郎

 潜水艦あかつきがメカゴジラの残骸回収に向かうが、発見できず、怪獣に襲われる。
ここにはチタノザウルスがいるとの説が。
説いたのは、異端視され追放された真船博士(平田昭彦)だ。
真船はブラックホール第3惑星人と協力し、チタノザウルスのコントロールに成功。
秘密基地ではメカゴジラ2号の改造も行われていた。
海洋開発研究所の一ノ瀬は、父は死んだと称する真船の娘桂に協力を求める。
だが桂は、実験の失敗で死に、第3惑星人によってサイボーグにされていた。
チタノザウルスが超音波に弱いと判明。
桂が超音波発生装置を破壊し、真船はチタノザウルスを暴れさせる。
桂は撃たれるが、再び手術を。メカゴジラの作動装置を桂につなぎ、基地は爆破する。
さらに強力になったメカゴジラを作動。チタノザウルスも暴れさせる。
ゴジラが対するが、劣勢だ。インターポールの村越は、真船の仕業と気づき、屋敷へ。
撃ち合いで真船は死に、自責の念にかられた桂も自殺。
ゴジラはメカゴジラを破壊し、逃げる円盤も爆破。
超音波で苦しむチタノザウルスも倒す。

 と言うわけで、再びメカゴジラと対決する作品。真船の危なさと、桂が意外にいい。
メカゴジラも確かに強力になった感じだが、最後にもろくなるのは困りもの。
防衛庁長官に佐原健二。

TV放送 93/03/31 BS05 09:30-10:56
 

ゴジラ(84)

 新聞記者牧(田中健)は、遭難した漁船で学生奥村(宅麻伸)を発見。
奥村は大黒島で巨大生物を目撃。林田教授(夏木陽介)は、これをゴジラと断定する。
三田村首相(小林桂樹)は、パニックを恐れて極秘に。
そのため、奥村は妹の直子(沢口靖子)とも再会できない。
ソ連原潜がゴジラによって沈没し、米ソ関係が緊張したため、公表に至る。
静岡の井浜原発が襲撃され、米ソは戦術核の使用を求めるが、首相は拒否。
やがて、自衛隊の迎撃を突破して、ゴジラは東京湾へ上陸。
ゴジラは有楽町を通過し、新宿へ。林田は帰巣本能を利用し、ゴジラの足止めに成功。
だが、ビルが閉鎖され閉じこめられる。
首都防衛用戦闘機スーパーXが、カドミウム弾でゴジラを眠らせる事に成功。
林田はビルから脱出し、自衛隊のヘリで大島三原山へ。
その頃ソ連の衛星が核爆弾を誤射。米軍に迎撃を依頼する。
迎撃は成功するが、ゴジラが目をさましてしまう。
スーパーXは武器が残り少なく、通常兵器で対決。
牧らはビルから脱出し、ゴジラは林田の誘導装置に導かれ、向きを変え三原山へ。
三原山に到着したゴジラは、人工的に噴火した噴火口へ消えていった。

 というわけで、久々に復活したゴジラ映画。
久々に悪役に戻ったわけで、第1作の「ゴジラ」から、本作までのシリーズは
なかった事になっているようだ。
田中健と沢口靖子は、ストーリーにほとんど関係ない役柄。
宅麻伸もそうで、田中健との使い分けと言うのがあると思うのだが。
ゴジラをリアルにしようとした分、港から延々と歩かなくてはならなかったり
つまらないところが目立つ。
首相の応対や、米ソの動きなど、実際にあったらと言う描写を意識しているようだが
いまいち描き方がたらない。米ソの反応などもっといろいろあるはず。
帰巣本能を利用するなどと言うのは、破壊王ゴジラにしては情けない感じ。
カドミウム弾とやらでグーグー寝るのも考えもの。
途中までは我慢していたが、スーパーXだけは我慢できない。
リアルに描こうとするならば、あんなものを出してはいけない。
だいたい、原爆の恐怖とか言うテーマはどこかへ消えてしまっているぞ。

TV放送 91/12/07 06CH 12:00-13:54
 

ゴジラVSビオランテ(89)

 白神博士(高橋幸治)は、ゴジラ細胞を利用して新しい穀物の開発に従事するが、
細胞を狙う連中に研究所が爆破され、娘(沢口靖子)を失う。
5年後。三原山でゴジラの活動が確認される。
自衛隊のゴジラ要員権藤(峰岸徹)と、若きエリート黒木(高島政伸)が活動開始。
ゴジラ対策には、核兵器を無力化する抗核バクテリアが最良だ。
そこで、生物学者霧島(三田村邦彦)や、白神博士が参加。
白神はゴジラ細胞、植物、そして娘の細胞をかけあわせ、新生命を作り出す。
生物は巨大化して芦ノ湖に出現。博士は生物をビオランテと呼ぶ。
テロ組織が三原山に爆弾を仕掛け、抗核バクテリアを要求。
しかし事故で爆破装置が作動。三原山は噴火し、ゴジラが活動を再開。
あすか(田中好子)が研究する超能力少女未希(小高恵美)は、ゴジラの接近を直感。
ゴジラは芦ノ湖でビオランテと激突。ビオランテを焼き払い、海中に消える。
黒木は、ゴジラが名古屋から上陸して若狭の原発に向かうと推理。迎撃体制をしく。
ところが、ゴジラは大阪湾に出現。
権藤がゴジラに抗核バクテリアを撃ち込むが、ビルが破壊され、権藤はやられる。
白神は、ゴジラの体温が低いので、バクテリアの効果が出ないと推理。
そこで、黒木は丹波山中に超高温を作り出す装置を設置。体温を上げる事に成功。
空から降ってきた粉からビオランテが再生。以前よりも進化して、ゴジラを襲う。
やがて、ゴジラはバクテリアの効果を受けて、海中に消え、ビオランテも空に消える。
白神はスパイに撃たれ死ぬが、そのスパイも超高温装置で消えていった。

 というわけで、復活ゴジラ第2弾は、どこか変な感じだ。
人間ドラマの部分がスパイものみたいな感じで、
いろんな組織がからんだりしているが、位置関係が不明で、さらにつまらない。
それに、まさか噴火口に落ちたゴジラが生きているとは思わなかった。
ビオランテという奴が、いったい何だったのか必然性がよくわからない。
超能力少女を出すのはいいが、使い方がもったいなさすぎる。
どうせなら、対決シーンとかあってもよかったのでは。
変な生物を作った男を野放しにしたりしているのも変。
実戦経験がないはずの自衛隊で、いかにエリートと言えども、
大阪市内を破壊するほどの戦闘の指揮をとらせていいものか。
続編を意識したラストも中途半端。

TV放送 91/12/11 06CH 21:00-22:54
 

久々の邦画「ゴジラVSキングギドラ」(91)を見た。

 ゴジラと言えば、昭和29年、第5福竜丸だかの被爆の直後、
3度目の核の驚異として出現した、世界を代表する怪獣だ。
太古の恐竜が核実験によって突然変異し、東京を荒し回る。
いったんは、核兵器を上回る新兵器で退治されたゴジラだが、後に同種が出現。
アンギラス、キングコング、モスラと言った連中と戦い
悪役怪獣のイメージを作ったが、
キングギドラと言う悪役の出現で、いつのまにか正義の味方になってしまった。
次第にゴジラ映画は子供向けとなったが、昭和59年に、久々に悪役として復活。
正義の味方となったシリーズ作品を、なかったものとしての展開。
妙に理屈っぽくて、そのくせバカバカしい所がいただけなかったが
今回20年ぶりのキングギドラと、16年ぶりの伊福部昭の音楽が復活したとあっては
これは見ないわけにはいかなかった。

 (これまでのあらすじ)
 30年前に東京を破壊したゴジラが、火山活動によって復活した。
ゴジラは新宿を破壊するが、その帰巣本能を利用して誘導され
大島三原山の噴火口に落とされ、噴火の中に消えていった。
誰もがゴジラは退治されたと思っていた。
だが、意外にもゴジラは外へ出られないだけで、溶岩の中で生きていた。
ゴジラが残した細胞を利用して、
核兵器を無力化する坑核バクテリアの開発が行われた。
これを狙うテロ組織が三原山を爆破。待ってましたとゴジラが活動を再開。
ゴジラ細胞と植物をかけあわせた怪獣ビオランテと激突。
ゴジラは体内に坑核バクテリアを撃ち込まれ、
活動が鈍り、日本海に消えていった。

 東京上空に巨大な円盤が出現した。各紙とも大々的に報道。
科学雑誌編集員の森村(原田貴和子)も関心を示す。
だが、森村の恋人でジャーナリストの寺沢(豊原功補)は、
恐竜ランドでの騒ぎに注目していた。
恐竜ランドとは、要は恐竜の博物館なのだが、
そこでかつて本当に恐竜を見たと称する老人が、
恐竜をバカにしてはいかんなどと騒いでいるのだ。
もともと、ゴジラの出現が事実なのだから、
実際に恐竜を見た人がいてもおかしくはないと思うのだが。誰も信用しない。
寺沢は老人に取材。戦時中、ラゴス島と言う島で、玉砕寸前の隊を
その島に住む恐竜が助けてくれたのだと言う。
だが、ノコノコ帰ってきた連中の話を、当時誰も聞かなかった。
寺沢は、この恐竜が後のビキニ水爆実験でゴジラになったのだと推理。
生物学者藤岡博士もこの説を可能性ありと言う。
恐竜ランドの所有者である新堂氏(土屋嘉男)は、財閥の長で、
戦後の日本復興の立て役者だが、実はラゴス島部隊の司令官だった。
新堂は恐竜を見た事を認め、その証拠写真を見せた。
藤岡博士は、これこそがゴジラの元の姿だと断定する。

 沈黙を保っていた円盤が接触してきた。
自衛隊が集結し、内閣安全保障室長土橋(小林昭二)らがかけつける。
(自衛隊の幹部の中に、ハヤタ隊員こと黒部進がいる)
円盤からは、3人の男女が現れた。
ウイルソン(チャック・ウイルソン)、エミー(中川安奈)と言った連中だ。
彼らは23世紀の人間で、タイムマシンで訪れたのだと言う。
その科学技術から、事実としか思えない。
ウイルソンによれば、23世紀の日本は、
ゴジラによる全土の放射能汚染で荒廃してしまっていた。
そこで、ゴジラそのものを存在しなかった事にするため、
現代人に協力を要請に来たのだ。
彼らは作戦に、寺沢と藤岡博士の参加を要求。
寺沢が後に書く予定だった「ゴジラの誕生」を読んで、彼らを指名したのだ。
さらに、「ゴジラVSビオランテ」で初登場し、
今はゴジラ担当要員にされた超能力少女未希(小高恵美)も参加。
彼らはまず陥落直前のラゴス島へタイムワープ。
新堂の隊は上陸した米軍によって玉砕直前だった。
だが、そこへ恐竜が出現。米兵を踏み散らし、米軍は全滅。
沿岸の戦艦からの攻撃を受けて、(艦長がケント・ギルバート)
恐竜は傷ついて倒れてしまった。
新堂らは救援がきて、泣く泣く命の恩人である恐竜を置いて帰還。
エミーらの助手で、アンドロイドのM11が恐竜をベーリング海に
瞬間移動させて、現代へ帰還する。
だが、その時、エミーがどう見てもキングギドラに似ている
ドラッドとか言うペットを3匹残していた。

 現代に戻り、ゴジラの消滅が確認された。
と言っても、ゴジラが存在しなくなったにも関わらず、
誰もがゴジラの事を知っている。困ったものである。
ゴジラの消滅と同時に、九州にキングギドラが出現した。
未希は、エミーらが意図的にドラッドをラゴス島に残し、
キングギドラを誕生させたのだと考える。
全くその通りなのだが、ドラッドと言うのが、ぬいぐるみみたいなペットで、
あれが突然変位してキングギドラができたかと思うと、情けなくてたまらない。
第一、何のために、わざわざ現代人に協力させたのかは不明だ。
ウイルソンは、キングギドラに九州に続いて全国各地の破壊を命ずる。
ドラッドは電波でコントロールできるペットだったが、
その機能がキングギドラにも残っていたのだ。
エミーは、日本全土を破壊するというウイルソンの考えを知り反発。
寺沢の所へかけつける。
彼女たちは、各国に均等の勢力を持たせる事を目的とした組織のメンバーだった。
23世紀の社会は、経済戦争で勝った日本が支配しており
軍事力では太刀打ちできなくなったため、20世紀の日本へ警告に来たつもりだった。
ゴジラはもともと、20世紀以降はほとんど出現しなかったのだ。
ところが、ウイルソンたちはそれだけでは事足らず、
日本を完全に破壊しようとしていた。
ウイルソンは、日本政府の意思決定に自分たちのコンピューターの使用を要求。
このままでは、日本は連中の思うままに操られてしまう。
自衛隊の作戦会議では、キングギドラに通常兵器は歯が立たないとの結論が出る。
土橋は、ベーリング海に眠る恐竜に核ミサイルを撃ち込み、
ゴジラを作り出してはどうかと提案。
非常に危険な方法だったが、他に道はない。ゴジラにキングギドラと対決させるのだ。
新堂所有の原潜が使用される事が決定する。

 だが、未希はベーリング海にゴジラを発見。
調べてみると、数年前にこの付近で、ソ連原潜が事故で沈没していた。
ゴジラはすでに復活していたのだ。
それを知った寺沢やエミーは、その事を新堂に連絡に行く。
だが、尾行していたアンドロイドのM11が妨害。
このM11が、「ターミネーター」を意識しているようで、
足が異常に速かったり、力が強かったり、不死身だったりするのだが、
例えば走っているシーンでは、人間の動きとバックとがあっておらず、
不自然きわまりない。
あれでは、とんねるずとかがよくやる、映画のパロディと大差ないぞ。
結局、M11に捕まり、エミーは円盤に連れ戻される。
キングギドラは迫力がまったくない戦闘機の攻撃をかわし、北海道へ。
一方、何も知らない新堂の原潜はゴジラに撃沈される。
やがてゴジラは北海道に上陸。
度重なる被爆で、ゴジラはかつてよりも強大になっていた。
エミーは、M11の頭にセットされている制御用のCDを交換。自分に協力させる。
彼女たちは、寺沢の協力も得て、円盤内にある、
日本に使わせようとしているコンピューターの破壊に着手。
北海道山中でキングギドラとゴジラが激突。
キングギドラの攻撃は激しく、さしものゴジラも形勢不利だ。
だが、コンピュータの破壊が成功。キングギドラは制御を失い、途端に形勢が逆転。
円盤内では、たった1つのコンピュータ爆破によって、あちこちで爆発が起こる。
だが、ウイルソンは、キングギドラが負けても、
ゴジラが代わりに日本を壊滅させるだろうと予言。
さらに、この円盤には、いかなる事故があっても23世紀へ
自動的に帰還する装置があるのだ。
寺沢とエミーは、ウイルソンらを気絶させ、円盤から脱出。
一方、ゴジラは放射能光線でキングギドラの1本の首を奪い、
さらに、羽根に穴を開ける。海へ落ちていくキングギドラ。
エミーは瞬間移動装置を利用して、円盤をゴジラの目の前に移動させる。
ゴジラはこの円盤を破壊。

 ゴジラは札幌の町を破壊し始めた。
M11の計算では、(どういう計算だか知らないが)
ゴジラは東京に到達する可能性大だ。
このままでは、ウイルソンの言うとおり、ゴジラによって日本は壊滅してしまう。
寺沢は、キングギドラを回収して、対ゴジラ用にサイボーグ化できないかと言い出す。
そこで、エミーは23世紀へ帰還。
海底でまだ生きていたキングギドラを回収。サイボーグ化の作業に入る。
日本はこの時代には、ゴジラの破壊によって極東の貧しい国と言われていた。
現代では、東北をあっという間に通過し、ゴジラは東京に到達。
万感の思いの新堂も、ビルごとゴジラにやられる。
東宝自衛隊自慢のメーザー砲も何の効果もない。
以前破壊したはずなのに、なぜか元通りになっていた新宿高層ビル街。
(命がけで取材するテレビ局の男に、時任三郎)
鈴木都知事が、政治生命を賭けて作った新都庁も、ゴジラによって破壊され始めた。
その時、閃光と共に、サイボーグ化したキングギドラが現れた。
M11のコンピュータも組み込まれ、エミーが操縦している。
対決するゴジラとキングギドラ。
だが、よくよく見ると、
キングギドラの攻撃は、ゴジラよりも都庁によく命中している。
結局、ゴジラの反撃が激しく、せっかく作ったキングギドラのサイボーグも大破。
エミーはゴジラ捕獲装置を作動させる。
ゴジラを大きな手錠みたいな奴で固定して、海へ移動。
ゴジラも放射能光線を吐き、キングギドラも大破して、もろともに海中に落ちる。
間一髪、エミーの乗った円盤が脱出。23世紀へ帰還する。
実はエミーは寺沢の子孫だったのだ。
海中でまだ生きているゴジラ。次回戦うのは、再びモスラ。
小美人はウインクがやるのではと言う観測が出ている。

 というわけで、監督の大森一樹は、ゴジラと007をやりたかったと言うだけあって
人間ドラマの部分が、スパイものっぽい展開が多いようだ。
でも、タイムワープを利用しながら、どうもつじつまがあわなさすぎる。
23世紀の人間が、20世紀を守るために戻ってきたと言う事は
あれでゴジラは完全にやられていなくてはならず、続編では出てこられないはず。
それは置いとくとして、ゴジラを悪役のままにすると言う事は意識しているようだが
それでも殺そうとする展開がなく、延々と続編へ続いていってしまう。
続編を意識した作りでは、どうしても煮えきらないはず。
次回作は、93年正月と言うから、ついに1年1本ペースになってしまうわけだ。
全体の展開は、アイデアは面白いと思うのだが、やや間延びしていて
えらく長い映画を見せられたと言う印象が強い。
伊福部昭の音楽は、旧作の音楽を借用した部分はいいのだが、新しい音楽はいまいち。
特撮は、ゴジラ対キングギドラの激突はなかなかと思ったが、
キングギドラはあの独特の、「キリキリキリ……」という鳴き声がなくてさびしい。
キングギドラと戦闘機の空中戦は、あきれるほどつまらなく、
宇宙船は、単なるミニチュアのアップにしか見えない。
何と言っても苦笑するのが、M11の動きだ。ふざけているとしか言い様がない。
「ターミネーター2」の2号は、どうやったのかスムーズな動きだったが
あれくらいやって欲しかったものだ。
いずれにせよ、外国映画のいただきが多く、しかもそれがヘタクソだ。
ゴジラもキングギドラも、人間たちの道具に落ちぶれてしまっていて残念。
次回はモスラとの激突だが、キングギドラより弱そうなモスラでは……。
小美人は誰がやるのだろうか。祐子と弥生との意見もあるが。
 

邦画は東宝特撮だけ。「ゴジラVSモスラ」(92)を見た。

 ゴジラは、1954年核兵器の象徴的存在として出現。
いったんは倒されたものの、同種が出現。
やがて年1回の割で出現し、次第に悪役から地球を守る善玉に転向。
必然的に子供向けとなり、シリーズは終了したかに見えた。
ところが、ゴジラ世代が大人となり、マジで復活を望んだりするので復活する事に。
悪役である事が必須とされ、その結果、第1作以外はなかった事とされた。
できるだけリアルにと言う姿勢は、娯楽性を落とす結果となったが、姿勢は買えた。
しかし、復活第3弾「ゴジラ対キングギドラ」では、悪玉2匹を対決させねばならず
タイムトラベルを駆使し、その結果多くの矛盾を生んでしまった。
前作はこんな粗筋である。
ゴジラによる破壊で苦しむ未来人が、
タイムマシンでゴジラになる前の恐竜を退治に来た。
元は恐竜なのだから、そう長生きできるとも思えないが、それはよしとする。
彼らはゴジラ以前の恐竜を、水爆実験の島から別の海へ転送。ゴジラは消滅した。
だが、実は日本を破壊しようとする未来人によって、
ドラッドと言うペットが放射能でキングギドラに。
この意外な展開は、「怪獣は放射能で生み出せる→いかなる動物も放射能で巨大に
→放射能は実は体にいいのでは?」と言う、従来のテーマを崩す結果となった。
このゴジラの転送で、シリーズのどこまでがなかった事になったのかは、不明だ。
だが、ゴジラは別の海でも結局誕生。日本を破壊しようとするキングギドラを撃滅。
改心した未来人が、キングギドラを未来で回収し、サイボーグに。
再対決の末、ゴジラは金具で固定されて海に沈んだのだ。
未来人が助けにこないと言う事は、もうゴジラは死んでいなければならないはず。
そういえば、日本近海には、キングギドラの改造前と改造後が沈んでいる事になるが、
これはタイムパラドックスを起こさないのか。
頻繁に怪獣が出現する日本が、どうして現実の日本と同じ発展をしているのか。
そうした様々な疑問を抱えて、ゴジラはモスラと対決する事となった。

 モスラは、1961年、「モスラ」に初登場。その後ゴジラシリーズ4作に登場。
卵から幼虫成虫と変態をとげる様や、平和の使者と言う位置づけが、
他の怪獣と決定的に異なり、ゴジラに負けない人気を誇っている。
モスラはインファント島の守神とされている。インファントとは幼児だかの意。
モスラはマザー(母)が語源と言われ、自然破壊から地球を守ると言う意があるのだ。
しかも、モスラは弱そうなクセに、唯一ゴジラに勝った怪獣なのだ。
(「モスラ対ゴジラ」もっとも糸にまかれたゴジラが海に落ちただけだけど)
モスラと切っても切れないのが身長30p程度の小美人。モスラの巫女的存在だ。
演じたのは元祖がザ・ピーナッツ。2代目がペア・バンビと言う連中でいずれも双子。
今回3代目には、双子から離れてウインク説とか、
リンリンランラン、祐子と弥生、きんさんぎんさん説などがあったが、
第3回東宝シンデレラの2人をコスモスとして登場させる事に。
考えてみれば、初代シンデレラの沢口靖子は復活1弾のヒロイン。
第2回の小高恵美は、復活2作目から連続出演。彼女たちが出るのは必至だったのだ。
そんなこんなで、モスラと共に、影のモスラと言われる新怪獣バトラも出現。
モスラを語る時避けて通れない、「モスラの歌」も復活。
音楽は前作に続いて、再び伊福部昭。
そして、本編もさる事ながら、前作の最後に「ゴジラVSモスラ」の予告編があった。
ゴジラも年1作となり、過去のシリーズの人気怪獣が再登場するパターンのようだ。
次回作は何と対決するのか。本命ラドン、2番人気エビラ、大穴ガメラと言う感じ。
今回も予告編がつくのだろうか。本編以上に期待できるものがある。見るしかない。

 小笠原海溝に巨大な隕石が落下。
前作でキングギドラを引きずったままのはずのゴジラも、その影響で活動を再開。
隕石の影響は多方面に及び、台風まで発生。
この影響で南のとある島では、巨大な卵が地中から現れていた。
その頃、考古学者で、今は盗堀をしているインディ・ジョーンズを意識した設定の
藤戸(別所哲也)は、タイで秘宝を盗むが、警察に逮捕される。
彼を迎えに来たのは、内閣安全保障室と言う謎の組織の長である土橋(小林昭二)。
前作に続いての登場。そして、藤戸の別れた妻である雅子(小林聡美)。
彼女は、環境計画局と言う組織の一員で、様々な環境破壊の調査をしていた。
隕石落下後、インドネシアのとある島に、謎の物体がある事を衛星がキャッチ。
この島は丸友産業と言う会社が買い取っており、社員の安藤(村田雄浩)も来る。
彼らは、藤戸にその調査を依頼。断れば何十年もの刑になると聞き、しかたなく承諾。
目標はインファント島。藤戸、雅子、安藤の3人が意外に身軽な装備で向かう。
島は激しい森林伐採によって、あちこちで土砂崩れを起こしていた。
人のいい安藤は、自分の会社が環境を破壊している事に複雑な思いだ。
3人はジャングルを抜け、キャンプ。小林聡美が持ち味のコミカルな演技を見せる。
藤戸は、滝の後ろに洞窟を発見。そこには壁画が。
彼は何万年も前のものと断言。エジプト文明が5000年前だと言うのに。
壁画には、2匹の向かい合った虫のような絵と、放送禁止マークのような紋章。
これは、「モスラ」にも出てきたマークだが、それほど重要な意味はない。
彼らはさらに進み、巨大な物体を発見。何かの卵のようだが、恐竜ではない。
すると、どこからか「モスラの卵です」と声が。
見ると、身長18pの2人の女性。通称小美人だが、彼女たちはコスモスと名乗る。
何万年も昔、コスモス族はモスラを神として祭ってきたが、
天候を操作しようとして、地球生命体と言う、地球を守るための怪獣、
黒いモスラことバトラによって滅ぼされてしまったのだ。
モスラはバトラと戦い、北の海の氷の下に封印。だが、隕石で甦ったかも知れない。
大洪水で高い土地へ逃げた少数だけが生き延びた。今は2人だけと言うわけだ。
以前は、日本人に色を塗った原住民が出てきたものだが、今回はそれもいない。

 安藤はこの事を日本にいる社長の友兼(大竹まこと)に連絡する。
モスラが現れる時、必ず悪徳興業師が現れるが、今回はこいつだ。
彼は富士山麓にゴルフ場を建設し、環境破壊と抗議を受けるが、知った事ではない。
インファント島の嵐で工事が中断しているので、巨大な卵の話に飛びつく。
何が何でも日本にもってこいと言うのだ。
どう考えても悪い話だが、卵を放置するよりも、日本に持っていった方がよいと
言われると、コスモスもその気になり、地球を守れと訴えるため同行する事に。
巨大な船に卵を乗せ、船で曳航。船長は大和田信也だ。
一方、環境計画局では謎の生物が移動しているのを発見。
隕石のせいでゴジラを見失ってしまい、ゴジラではと思われたが違う。
東都大学教授の深沢(篠田三郎)は、報告にあったバトラと考える。
篠田三郎はウルトラマンタロウだった事もあるが、大映出身でガメラの出演経験あり。
バトラはものすごいスピードで日本へ接近。
環境計画局では、この後、怪獣を監視するだけ。長は南野(宝田明)。
元祖「ゴジラ」や「モスラ対ゴジラ」に主演した当時の二枚目だが、
今はキザな感じが目立つ。もっともまったく活躍しない。
土橋もここで監視。彼も「いったい地球はどうなるんだ」と
泣き言ばかり言って活躍せず。
自衛隊の面々もなぜかここにいて、またもハヤタこと黒部進もいるが、活躍せず。
つまり、この部屋の連中は、状況を伝えるだけだ。
自衛隊の迎撃を頭部から出す光線で突破したバトラは、いつのまにか地中に潜り、
名古屋に出現。名古屋城やテレビ塔など、繁華街栄付近を破壊。
自衛隊をけちらし、再び地中に消える。
一方、環境計画局にいて、ゴジラ専属の監視員である超能力少女未希(小高恵美)は
ゴジラの出現を察知。彼女は3作連続の出演だ。
ゴジラは都合よく、フィリピン沖航行中のモスラの卵を曳航する船の付近に出現。
危険を察知した藤戸は、卵を乗せた船を切り離そうとして、安藤と格闘に。
結局、切り離されるが、卵が発光。中からモスラの幼虫が生まれる。
ゴジラはモスラに放射能光線で攻撃。モスラも糸攻撃や、尻尾にかみついたりする。
(もっとも、こいつら浮いてるんだから、大した事はできないはずだが)
モスラはふり飛ばされるが、そこへ猛スピードでバトラが急行。
バトラは光線を武器にゴジラと格闘。
その間にモスラは島へ帰ってしまい、2匹の怪獣は海中へ。
この付近で火山活動が発生。隕石の影響らしいが、2匹はこれに飲まれてしまう。
ゴジラとバトラは海底火山の中へ消えていった。

 フィリピンで休息を取る事になる一行。だが、安藤は土産がなくて弱る。
そこで思いついたのはコスモスだ。彼は複雑な思いで2人を持ち帰る。
友兼はこれに大喜び。イメージキャラとして使用すると言い、おもちゃの家を与える。
一方、藤戸らはコスモスがつれ去られた事に気づき、あわてて帰国。
雅子を娘のみどりと、同僚の田中好子らが迎えに来る。
田中好子もまた、ほとんど活躍しない。困った映画だ。
土橋らはコスモスの返還を求めるが、友兼は所有権はこっちにあると拒否。
(所有権って言うけど、小さいけど人間だと思うのだが)
捕らえられたコスモスたちは、得意の「モスラの歌」を唄う。
これにひかれてモスラが海上を向かってくる。
だが、丸友からコスモスが消えていた。実は藤戸が盗み出し、売ろうとしていたのだ。
雅子らはモスラ攻撃に反対するが、あの大きさゆえ、上陸されただけで被害は甚大だ。
やむを得ず、自衛隊の攻撃が行われるが、効果なし。
たちまち上陸し、ミニチュア然とした建物を破壊し、赤坂へ。
破壊を続けるモスラを見て、喜ぶ友兼は日本は私が作り直すと豪語。
だが、安藤は自分たちのした事に対する天罰だと、青くなっている。
一方、雅子は、未希の超能力でコスモスを探していた。
赤プリだか何だか知らないが、ホテルに急行。
コスモスをバスケットで運ぶ藤戸を発見。売って雅子とやり直そうとしていたのだ。
だが、かわいげのない娘みどりにまで怒られて、藤戸は反省。
コスモスも人がいいので、簡単に許し、モスラに無事を見せればいいと言う。
モスラは破壊を中止。向きを変えたので自衛隊が攻撃するが、意図は別にあった。
モスラは国会議事堂へ向かい、糸を吐いて繭を作る。幼虫の時期がすんだのだ。
(生まれて1日程度なのにだ)
人々はモスラの動向を見守る。テレビでコスモスを見た友兼は興奮するが、
安藤にあなたは間違っていると諭され、安藤は去る。
普通、この後友兼は怪獣に殺されるはずだが、それはない。

 深沢教授らは富士山の振動を観測。ついに噴火を開始し、ゴジラが出現。
ゴジラは1500度もの高温のマグマの中を、呼吸もせずに移動してきたのだ。
ギョッ!とする我々に、科学者は一言。「奴は人知を越えている」
東宝自衛隊自慢のメーサー砲で海上へ追い出そうとするが、計画はもろくも失敗。
あっという間に、横浜が危険地域になる。
モスラの繭が光り、中からカーペットのような皮膚をした、
まるで人形のような成虫モスラが出現。
あたりは光る粉だらけ。「モスラ対ゴジラ」では、毒蛾の粉で最後の武器だったが。
大勢の人間は皆平気だ。これまた横浜へ。
そして海では、幼虫バトラが閃光にまみれて、突然成虫に変身。
申し合わせたように、横浜へ向かう。
横浜ベイブリッジ上空でモスラとバトラが激突。バトラの光線に形勢不利なモスラ。
ベイブリッジを破壊すると、いきなり「みなとみらい21」会場へ。
ゴジラは横浜駅前ジョイナスの横を通過。結局、みなとみらい21へ。
バトラの攻撃でモスラは弱って、地上に伏せる。
そこへゴジラが。バトラと激突。だが、ゴジラが相手だとやられてしまう。
今度はモスラがゴジラに向かう。かけつけた藤戸らの連れたコスモスによれば、
やっぱり最後の武器だと言う毒蛾の粉をまき散らす。(成虫になったばかりなのに)
これが意外に効果があり、ゴジラの放射能を反射させてしまう。
しかも、モスラが今まで内緒にしていた光線を発射。ゴジラも打撃を受ける。
モスラは伏せているバトラに近づき、怪獣語でささやく。
再び立ち上がったゴジラとモスラが激突。
大観覧車がモスラに倒れかかるが、バトラが助ける。2匹は協力する事になったのだ。
再び粉をまき散らし、放射能を防ぎ、モスラの光線を浴びせるものだから、
さすがのゴジラもダウン。こいつら意外に強いではないか。
そして、バトラとモスラが倒れたゴジラを持ち上げて海上へ。
しかし、ゴジラはバトラにかみつき、2匹はもろともに海中へ落下。
モスラはその上空に毒蛾の粉で円を描く。これがまた放送禁止マークだ。
どうやら、これでゴジラは封印されたらしい。

 モスラとコスモスは、空港で主要登場人物とお別れを言う事に。
コスモスによれば、唐突な気もするが、20世紀最後の年、
隕石が衝突して地球は壊滅するのだ。バトラはそれを阻止する役目を帯びていたのだが
いまモスラが引き継いだ。モスラは何とか隕石の軌道を変えると言う。
もし、21世紀を迎える事ができたら、モスラの事を思い出して下さいと言い、
コスモスたちは今まで見せなかった飛行能力を見せ、モスラの触角の中へ消える。
そして、モスラは宇宙へ。おいおい、大気圏には脱出速度と言うのがあって……。
まるで鉄腕アトム最終回のような終わりかたと聞いたが、その通りであった。

 と言うわけで、その存在自体が平和の意味を持つモスラと、
地球を守るための怪獣バトラが出てくると言う設定は、それだけで面白そうだが、
環境破壊と言うテーマを意識し過ぎたせいか、全体的に間延びした感じ。
ラストの唐突な展開も、環境破壊は深刻だよと言いだけだが、うまい手とは思えない。
前作が矛盾だらけとは言え、テンポがよかったのに対し、今回はテンポが悪い。
モスラたちが意外に強いのはよかったが、特撮に手抜きが目立つ。
相変わらず脚本担当の大森一樹は、いろいろ盛り込むが、全体として安易だ。
レギュラー的な登場人物がずいぶん増えたが、扱いが軽すぎて、
出さない方がよいのではと思うほど。
小美人はやはりザ・ピーナッツの方がよかった。これは間違いない。

 で、肝心の次回作予告が、やっぱりあった!「急告!ゴジラ40周年記念映画」
ときたから、これはすごそうだ。
そして、ゴジラ第1作のフィルム。こ、これは1作目のリメイクか?
期待が膨らむ。「今度の敵は、最強最大!」え?何だ何だ。
「ゴジラ5!」復活第5弾と言う事か。これは仮題だろう。で、敵は?
「ゴジラVSメカゴジラ!1994年公開!」
次の瞬間、頭に激痛が走った。メ、メカゴジラ?
確かに、メカゴジラは2度も出た人気怪獣だが、子供向けになっていた時期の話。
本当に大丈夫なのだろうか。メカゴジラのデザインはあのままか?
そこで、「ゴジラ対キングギドラ」で歴史が変わったため、
第1作で死ぬはずの芹沢博士が、まだ生きていて、
ゴジラ対策にロボットを作ったと言う展開を考えたが、どうだろうか。
 

1年1本邦画はこれだけ。「ゴジラVSメカゴジラ」(93)を見た。

 毎年、同じ話になるが、ゴジラは54年に、水爆実験で甦った怪獣として登場。
第3の核の恐怖として、恐れられたが、
ゴジラ生みの親の1人円谷英二は、早い段階から子供向けにする事を考えていた。
その結果、ゴジラはいつの間にか正義の味方にすりかわり、
(正確には「地球最大の決戦」の途中で)
「シェー」をやったり、加山雄三の物まねをしたりと、ずいぶん人間くさくなった。
以後、ほぼ年1作のペースで製作され、何度も原点へ戻れとの話も出たが、
子供たちの怪獣ブームの中、そんな事ができるはずもなかった。
ブームが去り、75年の「メカゴジラの逆襲」を最後にシリーズは休止。
それでも、毎年、製作予定は挙がっていたらしいが、
本格的に復活の話が出たのは、84年の新作「ゴジラ」だった。
とにかく原点へ戻れとの方針で、妙にリアル路線を推し進めたため、
話としては退屈だったが、その姿勢は買えた。
89年に「ゴジラVSビオランテ」が登場し、以後は対決シリーズが続く。
当初は、ゴジラはひと休みし、「ヤマトタケル」と言う作品を作るとの噂もあったが、
ゴジラ誕生40周年、第20作という事で、今回の大作をぶつけ、
対決シリーズの完結作として、「ゴジラVSメカゴジラ」ができたわけだ。
生みの親の1人、特撮の円谷英二はずいぶん前に死んでいるが、
監督の本多猪四郎は、「メカゴジラの逆襲」を遺作として、
以後は、友人の黒沢明の手伝いばかりして、ちょうど今年死去した。
来年は、東宝監修のもとで、ハリウッド版ゴジラが登場するらしい。
いやがおうでも、ムードは盛り上がっているわけだ。

 一方で、対決する相手のメカゴジラは、74年に「ゴジラ対メカゴジラ」で登場。
今回は、地球側の秘密兵器として登場だが、この時は宇宙人の兵器。
全身からあざやかな光線を発射し、アンギラスを惨殺するあたりに魅力があり、
評判となったメカゴジラに、ゴジラ映画の原点を見たとの声もあがった。
(不必要なキングシーサーの登場にはまいったが)
そのため、翌年の「メカゴジラの逆襲」では、
シリーズ初めて、ゴジラの名前なしに他の怪獣の名前がタイトルに入るという事態に。
正直言って、個人的には、この作品を70年代ゴジラの最高作と考えている。
監督の本多猪四郎の遺作となり、(しかも久々の復活)
音楽も、実質的に久々の伊福部昭。
平田昭彦の怪しげな博士が久々に登場し、
ゴジラ史上初めての、女性の裸(ニセ物だけど)も登場。
平田昭彦の娘桂さんだが、実はサイボーグと言う設定だ。
メカゴジラが、前作に続いて、首を折られて倒されると言う安易な点は気になるが、
それでもやっぱり気に入っている。
にも関わらず、これを最後に、シリーズは休止してしまった。
シリーズとしては、最近の怪獣という感があるが、
実際には登場したのは20年も前の話。
今回はメカキングギドラを下半身デブのメカゴジラに改造し、
地球防衛の最終兵器として使用する展開だ。
このバカバカしい設定を、どこまでリアルにやり遂げるか、興味もふくらむ。

 さらに、この作品で、前作までの、キングギドラ、モスラに匹敵する
第4の怪獣ラドンが復活。
ラドンは、56年「空の大怪獣ラドン」として、ゴジラに続く単発怪獣として登場。
ただひたすら、音速で飛び、その勢いで周囲が飛ばされると言うだけの話。
夫婦で助け合い、火山で死んだラドンは、
ゴジラシリーズの「地球最大の決戦」「怪獣大戦争」で、
怪獣の頭数を増やすために登場。
基本的には、ゴジラと同じタイミングで、正義についたり悪についたりする。
「怪獣総進撃」にも登場し、後は怪獣島なる島の住民として、チラリと出る程度。
モスラ等と比べ、バックボーンが弱いためか、
単発でゴジラにぶつけるには、至らなかったようだ。
このラドン、ただでは弱すぎるので、火まで吹かせるらしい。
もう1つ、ラドンの卵のそばで別の卵が見つかるらしい。
当初から、まさか、ミニラの卵とか言うんじゃないだろうなと言われていたが、
(ラドンのエサの、メガヌロンの卵説もあった)
これが大当たり。
90年代のミニラ、ベビーゴジラ等と言うふざけた物が登場するのだ。
いかにも、恐竜ブームに乗ったと言う感じの、この展開。
東宝内部でも抵抗があったようだが、真面目にやっているらしいので、目をつぶろう。

 3匹の怪獣とベビーゴジラを中心に、鈴鹿、京都、幕張で対決が繰り広げられる。
出演は、高島一家で3人目のシリーズ出演者、高島兄。
高島父もゲスト出演するらしい。
彼の役は、当然のように、メカゴジラを操縦するパイロットだ。
そして、ベビーゴジラを守る科学者に佐野量子。
シリーズ連続出演記録更新中の、小高恵美。今回も三枝未希役だ。
前作で、小美人コスモス役の2人も、別の役でゲスト出演。
第1作以来、シリーズ最多出演記録を持つ佐原健二が
イカトンとブートン等と言うCMそのままに、防衛庁長官役で出演。
音楽はまたまた伊福部昭。
シリーズでも特に印象に残る、「地球最大の決戦」のラドン登場のテーマが
(パラララーと言う奴。文章じゃ、わかんないか)
久々に復活するらしい。
去年に引き続き、続編がどうなるのかと言う期待も膨らむ。(今回は予告はないかも)
何しろ、40年間の総決算という事で、見ないわけにはいかないのだ!(長い前置き)

 (前作までのあらすじ)

 三原山で復活したゴジラは、毎年1回、新しく出現する怪獣と戦うため、
日本を破壊し続けた。
日本の繁栄を止めようとする未来人は、ゴジラ以前の恐竜をワープさせ
ゴジラの誕生を阻止したと称して、その実、キングギドラを誕生させる。
一方、別の場所でも核は存在するため、ゴジラは誕生。キングギドラを撃破する。
改心した未来人は、キングギドラをメカキングギドラに改造。
ゴジラと対決。やっぱりやられるが、ゴジラを海に沈める事に成功する。
一方、隕石が地球に飛来し、異常気象が発生。
ゴジラが暴れ、伝説の怪獣、モスラとバトラも暴れ始める。
3匹の怪獣は、約束でもしたかのように、横浜に集結。
バトラが身を犠牲にして、ゴジラを海に封印。
モスラは、バトラがするはずだった隕石の回避のため、宇宙へ飛び去った。
こうして、封印されたゴジラは、今回、何事もなかったかのように
海から出現するに違いない。

 冒頭は、メカキングギドラのアップ。それを見つめる連中。
1992年。度重なるゴジラの被害に対して、国連はG対策センターを設立。
国連マークの真ん中にゴジラの絵が入ったマヌケなマークの下、筑波に本部を設置。
世界中のスタッフを集め、ゴジラに対する新兵器の開発に取り組む。
まず、第1号機として、ガルーダと言う戦闘機が作られるが、
飛行能力には優れても、戦闘能力で落ちるガルーダは廃案に。
そこで、メカキングギドラの構造を、アシモフ博士なる人物が研究し、
第2号機の建造にとりかかる。それこそ、人類の英知を結集したメカゴジラだった。
(ゴジラに似せる必要はまったくないと言う点には、あえて触れないでおこう)
そして1994年。いまだにガルーダに愛着を持ち
こっそりこれを改造している青木(高島兄)。
彼の所へ後任の女性が現れ、(この後任を演ずるのが中山忍らしいが、よくわからず)
青木は異動させられる事に。移動先はGフォースだ。
Gフォースは、対ゴジラ用に訓練された軍隊だ。
隊長は佐々木(原田大二郎)、先輩に曽根崎(宮川一朗太)。
他数十名だが、中心人物がこれでは、ちとたよりないチームと言う印象は否めない。
おまけに、青木の趣味が翼竜だと聞かされ、恐竜坊やに用はない等と怒られる。
メカゴジラ乗員は4名で、青木は4人目として、なぜか選ばれたのだ。
彼らの訓練は、宇宙飛行士のように、イスをくるくる回されたり、空手をしたり。
空手では、相手の外人金髪女性にやられる。彼女もメカゴジラの乗員だ。
コンピュータールームみたいな所では、
過去のゴジラの映像を見せられ、講義が行われる。
その途中で、いねむりをする青木。どこかで見たようなお約束のシーンだ。
最後には、メカゴジラのコクピットに似せたシュミレーション。
ここでは全員が英語で話さなくてはならないらしい。
青木は要領が悪く、怒られてばかりだ。

 北の孤島アドノア島。ここへ、生命科学研究所の一行が来ていた。
翼竜の卵が見つかったと言うのだ。
一行は、大前博士(川津祐介)と助手の五条(佐野量子)、桂木(ラサール石井)だ。
かつてこれほど完全な形で、翼竜の卵が発見された事はなかった。
しかも隣には、最近割れたと思われる卵の破片が。
彼らは卵を回収。テントで一泊し、夜も大前は、卵についた植物を調査。
どうやら古代植物らしい。
物音に気づき、外を見ると、何と翼竜が飛び回っているではないか。
それはプテラノドンが核の影響で突然変異した、ラドンだった。
(誰がそんな学名をつけたのか知らないが、博士はすぐそう言い切る)
どれだけの速度かわからないが(以前はマッハと言われた)、
とにかく超高速で飛び回り、あちこちのテントが飛ばされる。逃げまどう一行。
すると、海岸からは、前作で封印されたはずのゴジラが、
そんな事はとんと覚えがないと言わんばかりに登場。
高速で飛ぶ衝撃波で攻撃するが、そんな事が効果あるはずもない。
一行はヘリで逃げるが、途中、輸送する卵が赤く光るのに気づく。
ゴジラは放射能でラドンを攻撃。たまらずラドンは絶命する。

 翼竜の卵は京都にある研究所に持ち込まれ、ここで研究される。
これをニュースで知った青木は、翼竜好きの血が騒ぐ。
(何せ、車には、どこで売ってるのだか、翼竜のぬいぐるみが飾られているのだ。
ところで、ラドン出現には関心を示さないのだろうか)
そこで京都へ向かう。五条が仕事をする部屋へ無断で入り、
勝手に写真を撮りまくるものだから、五条が怒り出す。
青木はこれも何かの縁等とわけのわからん事を言うが、五条は取り合わない。
部屋を追い出されるが、こっそり古代植物のサンプルを盗み出す。
これを口実に、また会いに来るつもりだ。
G対策センターの、食堂で食事を取っている青木の隣に
超能力少女で、チームでも中心的人物である三枝未希(小高恵美)が座る。
彼女は、青木の持つ古代植物に、何かを感じる。
そこで2人は、未希が勤める超能力研究所へ。
ここにいる彼女の後輩を演ずるのがコスモス。
今回も2人そろって登場で、しかもセリフまでそろっているのはご愛敬。
続いて、研究所長として高島忠夫も登場。
息子演ずる青木に向かって、君がGフォースとは頼りないと言う。
未希は、子供たちに古代植物を見せ、何を感じるか調べさせる。
そして、彼らが感じた音楽をコンピューターで再生。
(そんな事が可能かどうかわからないが)
京都へ行き、生命科学研究所の大前博士らに聞かせる。
だが、この曲を聞くと、卵に異変が始まる。
もともと、卵が赤く光る時は、どうやら不安を感じている時らしいと思われていた。
そして、五条が近くにいる時は、比較的平静を保っているため、
大前は彼女を保護者としてつけたのだ。
今、卵が赤く光り、震動を始めた。卵は割れ、中から生物が誕生。
それは、翼竜ではなかった。ゴジラザウルスの子供だったのだ。
託卵と言って、鳥類等に他の種族に卵を預け、育てさせる生物があるが、
これはそれに似た状況らしい。
ベビーと呼ばれる事になったこの恐竜は雑食で、
そこらに飾ってあった花をむしゃむしゃ食べ始める。
(それにしても、レントゲンとかで、翼竜じゃないと気がつかないものだろうか)

 その頃、四日市付近にゴジラが出現。鈴鹿サーキットを軽く通過し、京都へ向かう。
人々が逃げまどうシーンがあるが、合成ばかりで、ミニチュア作成は少ない。
いよいよ、メカゴジラ出動に。だが、青木は呼んでも現れない。
しかたなく、代役を乗せて、メカゴジラは出動。
巨大なドームが開き、寝ていたメカゴジラは立ち上がる。
そして、最短距離を測定し、ジェット噴射で飛行。富士山の前を通過する。
鈴鹿山脈あたりの山にいるゴジラの所へ、あっという間に到着。
無駄な事に、メカゴジラはズッシズッシと、歩いて接近する。
目の前にある物すべてに放射能を吐くゴジラは、メカゴジラを見るやたちまち攻撃。
しかし、装甲が丈夫なメカゴジラには効果がない。
メカゴジラは両目から発する光線で攻撃。
しかも、ゴジラの放射能を吸収し、
増幅するプラズマ・グレネードなる装置があるのだ。
この激しい威力には、さしものゴジラもひっくり返る。
続いてメカゴジラは2本のフックをゴジラに打ち込む。
ここから高圧電流を流し、ゴジラを弱らせるのだ。
これは効果あったのだが、なぜか電流は逆流を始め、
(オーバーヒートとか出ていたような気がする)
コクピット内の計器が火を吹き始める。
途端にゴジラは反撃を始め、メカゴジラを倒す。
ひっくり返ったメカゴジラは、簡単に機能を失い、回復も可能なのだが、
アシモフ博士は大事を取って、帰還を命令。
メカゴジラに期待をかけていた、瀬川長官(佐原健二)らは失望を隠せない。
ゴジラはGフォースの戦車部隊を突破し、京都へ。
清水寺に接近するが、これを破壊するシーンはない。
続いて京都駅付近へ。京都タワーを破壊。見上げた構図なので、ミニチュアは少ない。
さらにゴジラは生命科学研究所へ。
大前博士らは、ベビーがゴジラを呼び寄せている事に気づく。
そこで彼らは、地下にある細胞保存用の、気密性の高い部屋へ。
ゴジラもベビーを感じる事ができなくなったのか、
建物をちょっと破壊して去っていった。

 無断外出したと言う事で、青木はGフォースからはずされ、駐車場係に。
故障したメカゴジラのオーバーホールが始まる。
いきなり多くの機能を追加するのにはびっくり。
なぜ、最初からその機能をつけなかったのだろうか。
メカゴジラは攻撃力には優れていたが、起動性に欠けていた。
そこで青木は、ガルーダの飛行能力を利用し、ゴジラの死角に回り込む事を考える。
これを強引にアシモフ博士に話し、工学関係のセクションに復帰する。
メカゴジラと合体し、スーパーメカゴジラとなるのだ。
ゴジラと同種という事で、ベビーに対する関心が高まり、
ベビーはG対策センターへ移される。
そこでの調査で、ゴジラザウルスには、腰部に第2の脳がある事が判明。
ここを攻撃すれば、ゴジラの動きを封じる事ができるのだ。
(第1の脳を攻撃した方が、もっと効果的な気がするが)
飼育係は当然五条で、彼女はベビーを盲目的に信用し、
食われるのではと言う不安もないようだ。
三枝未希はGフォースに参加。超能力で第2の脳を探し出し、
フックを打ち込んで、高圧電流を流し今度こそ倒す計画だ。
しかし、何の邪気もなさそうなベビーを、ゴジラ対策に利用する事は
未希や五条の心を曇らせていた。
そうは言っても、期待をかける瀬川長官の席には、
おもちゃ屋で売っているようなメカゴジラの人形が飾られているのだ。
五条に気がある青木は、翼竜ロボットなるものを自分で作成し、
2人で乗って楽しんだりする。
未希と彼女の超能力センターにいる子供たちは、例の曲に歌詞をつけ、歌ってみせる。
観客にしてみれば、この歌がベビーのみならず、
ゴジラ等にも影響がある事はわかっているので、
超能力少年少女が、意味もわからずに歌を歌うあたりには苦笑せざるを得ない。
しかも、歌い始めると、声が大人の声に変貌。
前作で好評だったモスラの歌の、2番煎じと言うところか。
やっぱり、この歌を聞くと、ミニラ、あいや、ベビーは暴れ始める。
しかも、アドニア島でずいぶん前に死んだはずのラドンに
この歌がなぜか届いて、甦ってしまう。
それも、体に妙な異変が起こり、色は赤色に、そして口からは火を吹くようになる。
後で説明があるが、ラドンもゴジラなみになったとの事だ。
このラドン、ファイヤーラドンと呼ぶらしい。

 Gフォースは、ゴジラ撃滅作戦として、ベビーを輸送し、
南方の無人島で迎え討つ計画だ。
ベビーをコンテナに入れ輸送する事に。
怖がるベビーを見かねて、五条は一緒にコンテナに乗る事にする。
その頃、ラドンは仙台だかの上空に出現。一路、輸送中のベビーに向かっている。
おびえるベビーの目が赤くなると、兄弟のようなラドンがかけつけるのだ。
(少なくとも種族が違うのだから、そんな超能力者みたいな事はない気がするが)
ラドン出現の報に、計画は中止、ヘリに帰還命令が入る。
しかし、時すでに遅く、ヘリはラドンに撃破され、
落下するコンテナを拾い上げたラドンは、今回の最終目的地である幕張へ向かう。
途中、浦安のディズニーランド上空を飛ぶが、やっぱり合成で、破壊シーン等はない。
落下したラドンは、コンテナを下に置き、くちばしでつつく。
中の五条にはたまらない状況だ。
幕張にラドン出現との連絡を受け、改造したメカゴジラが出動。
しかし、武器はゴジラに温存したいため、ガルーダに攻撃の指示を出す。
ガルーダに乗っているのは、ジョンソンのはずだったが、
実際に乗っていたのは青木だった。
五条がピンチとの連絡を受け、居ても立ってもいられなくなったのだ。
ガルーダは光線で攻撃するが、ラドンには効果がない。
しかも、空中で接触を受け、ガルーダは墜落してしまう。
(ガルーダのコクピットには、「バトル」とか表示されているバカなパネルがある)
やむを得ず、メカゴジラが対する事に。
傾斜した姿勢で飛行してくるメカゴジラは、けっこうかっこいいぞ。
ラドンが発する光線を吸収し、プラズマ何たらで増幅して攻撃。
あまりの激しい攻撃に、ラドンは泡を吹いて息絶える。
もっとも、ラドンがこんなに役立たずのまま死ぬはずがないので、
また甦る事は目に見えていたのであった。

 ホッとするのも束の間、海からゴジラが出現する。
上陸したゴジラは、またまたノッシノッシと歩いてきたメカゴジラと接近。
マリンスタジアムをはさんで向かい合う。
ゴジラの放射能に対し、メカゴジラも口から飛び出す光線で攻撃。
だが、これはあまり効果がなく、ゴジラはみるみる接近。
マリンスタジアムをけちらす。
組み合った状態になり、ゴジラはウインカーのような色をした、
メカゴジラの右目を攻撃。右目がつぶされ、ここからの光線が出せない。
しかも、激しいゴジラの攻撃で、負荷がかかりすぎ、
すべての兵器がいまにも使えなくなりそうだ。
この状況を回避するには、ガルーダとの合体しかない。
ガルーダは瓦礫の中に墜落しており、無線連絡もできないでいた。
メカに強い青木は、故障箇所を修理。
修理した途端、飛行可能になるだけでなく、無線連絡までできるから驚きだ。
また休暇にでも行っていたかと思うと言う隊長の言葉をよそに、
青木はメカゴジラとの合体体勢に入る。
アシモフ博士には、簡単な改造で合体可能だと言っていたが、
コクピットが下がったり、変形していく様を見ると、
とても簡単な改造だったとは思えない。
合体が完了すると、お約束のように、「スーパーメカゴジラ合体完了」の声。
スーパーメカゴジラになると、今まで故障していた右目も元通りだ。
ガルーダの飛行能力で、ゴジラの死角に回る事が可能になったメカゴジラ。
ゴジラの放射能で、ワールドビジネスガーデンと言う双子のビルの片方が破壊される。
ちょうど劇場へ行った日に乗降した海浜幕張駅も、粉々に崩される。
メカゴジラは、なぜ合体する前は使わなかったと言う気がするが、
例の増幅する光線でゴジラを倒す。
またまた例のフックを打ち込み、高圧電流攻撃。
さらには、麻酔弾まで撃ち込んで、ゴジラは弱る弱る。
さらに沈痛な思いで、未希がゴジラの腰部にある第2の脳へフックを打ち込む。
すべての兵器で攻撃等と言う、無茶な命令も実行され、ゴジラは完全グロッキー。
もはや倒したも同然だ。
とは言え、まだ完全に倒したわけでもないのに、
青木は自作の翼竜ロボットで、後はよろしく等と言って降りてしまう。
五条の入ったコンテナは、バーナーで開かれようとしていた。
青木はそこへかけつける。
しかし、ベビーは、同種の危機に暴れ始め、ドアを体当たりで開ける。
目が赤く光ると、今度こそ死んでいたはずのラドンが、またまた息を吹き返した。
ラドンは倒れたゴジラに覆いかぶさり、全身の熱を与えるかのようにする。
周囲に、モスラの毒蛾の粉のような粉が舞い、死んだかに見えたゴジラに熱が。
しかも、あろうことか、裂けていた第2の脳が、ひっつき始めたのにはびっくり。
生命を与え切ったラドンは、風化したように粉状になって、
骨も残さずに消えてしまう。
立ち上がったゴジラは、高温の熱を持って、フックを切ってしまい、
今までは青色の放射能を吐いていたが、今度は赤い放射能を吐く。
あまりの高温に、さしものメカゴジラの装甲も、溶け始める。
激しいゴジラの攻撃に、メカゴジラは完全に機能を停止。
コンピューターも生存者0と言い切ってしまう状態で倒れる。
だが生きていた乗員たち。脚本家が、死なせるのはまずいと思ったのだろうか。
隊長も、もはや奴には何も通用しないと言い切る。
危険な状態に、五条たちは逃げる事に。
彼女は、ベビーはゴジラと行くのが幸せと考え、ベビーは置いていく事にする。
母親代わりの五条と離れようとしないベビーだが、未希が超能力で例の歌を伝える。
(これで、意志が伝わるのか不明だが)
ゴジラはベビーに近づく。恐れてコンテナに隠れるベビー。
いやがってついてこない姿は、まさしくミニラそのものだ。
2匹は、静かに海に去っていく。それを見届ける人々。
隊長が、結局生命のある者とない者では、生命のある方が強い等と日本語で言うと、
乗員の外人の女性が、それに同意する文句を、英語で話す。
今に、彼らの時代がまた来るわ等と言う、
佐野量子の間の抜けたセリフで締めて、この映画は終わるのであった。

 と言うわけで、復活後、対決路線と呼ばれた一連のシリーズは、
一応この作品で完結という形をとっている。
前作「ゴジラVSモスラ」がシリーズ最高の興業収入を上げたと言うのに
(とは言っても、物価が違うから、単純に比較はできないが)
スタッフは前々作の「ゴジラVSキングギドラ」をどちらかと言うと気に入っていて
物語的にも、前作の存在はほぼ無視された状態にある。
テーマ的には、生命は大切だよ的に、
ベビーをめぐる怪獣たちの愛情とでも言いたげな行動の方が、
機械で作られた兵器よりも上だと結論づけられているが、
ベビーという奴が生物には見えず、テーマ自体がずいぶん陳腐に感じられる。
ゴジラに対する怪獣(メカゴジラ)が人間側の操縦する兵器で
シリーズ史上、初めてと言っていい事に、
人間がゴジラと対等に戦えたと言う点はいいのだが、
主役の青木がまともに戦わない点はマイナス。
しかも、最後にはバカな現象によって、ゴジラが甦ってしまうので大いにマイナスだ。
全体的には、飽きさせないように、戦闘シーンを中心に
見せ場を途切れないようにしている点で評価できるが、
その分、展開的にひねりがなくなっている。
総合して、見せ場はよく、物語に一ひねりほしいと言う感じ。
で、マイナス点としては、ベビーと、最後に甦る点か。
伊福部昭の音楽は、毎度毎度の事ながら、よくできている。
特撮としては、ミニチュアが驚くほど少なく、幕張だけに集中したのがいただけない。
でも、メカゴジラは本当にでかく見えてよかった。
ガルーダのアップは、ミニチュアにしか見えなかったけど。

 最後に、恒例の次回作の予告について。
まず、本編の前の予告で、来年夏公開予定の、「ヤマトタケル」の予告が。
そこではキングギドラそっくりの、ヤマタノオロチが出てくるだけ。
時代公証に捕らわれない作品にするとの事で、
監督と特撮は、「ゴジラVSメカゴジラ」と同じ。
出演は、高島兄と沢口靖子と言う、ゴジラゆかりの人物でそろえるようだ。
そして、本編の後の予告では、「ゴジラ6製作決定」とあるが、
具体的な題名や、戦う相手等についてはいっさい説明がなく、
いささか拍子抜けをくらった。公開は、しばらく後になりそうだ。
さらに、ハリウッドで製作中と言う、「アメリカ版ゴジラ」の広告も。
こちらも、細かい説明はなし。
失望したので、対戦相手はカマキラスと、勝手に決めつけた。