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リメイク版「日本沈没」を見た。(2006年)
日本沈没と言えば、今から30年ほど前に小松左京原作で映画化され
日本が沈没するというショッキングな題材から大ヒット。
日本人がすべて見たのではと言えるほどの大ヒットになった作品だが
ここへ来てリメイクされる事に。
物語をアレンジしたのは別に気にならないし、
広告とか見ると全国各地が沈没するシーンが見られるようで、
ゴジラなき今、東宝特撮の粋を結集したような作品を期待して見る。
小野寺:潜水艇のパイロット。田所の調査に参加。
玲子:ハイパーレスキュー隊員。駿河湾の震災で小野寺と知り合う。
田所博士:日本沈没の時期を特定
山本首相:国民脱出を計画するが、阿蘇噴火で死亡。
鷹森大臣:山本の指示で国民脱出のため奔走。田所の元妻。
野崎官房長官:山本亡き後計画を牛耳るが、国民全員の避難には否定的。
結城:小野寺の相棒だが、海底作業中に地震で死亡。
美咲:駿河湾で玲子が救出した少女。身寄りがなくなり玲子の叔母が保護。
冒頭は、すでに大地震発生後。
駿河湾で大地震が発生し、町は壊滅状態に。
瓦礫の下にいた小野寺(草なぎ剛)は、何とかはい上がるが、
近くにいた少女美咲が、火炎に巻き込まれそうだと気づく。
何とか助けねばと感じた次の瞬間、ヘリが現れ、少女と共に小野寺も救出。
それはハイパーレスキュー隊員の玲子(柴咲コウ)だった。
アメリカの科学者コックス博士によると、
太平洋プレートが急速に沈む現象が発生しており、
あと40年の内に、日本列島は分裂した後、地中に引きずり込まれると予言。
駿河湾の地震はその予兆だと言うのだ。
山本首相(石坂浩二)らは、国民を脱出すべく対策を立てる必要があると考える。
一方、田所博士(豊川悦司)は、独自に調査を続行。
調査には、深海艇を操縦できる小野寺と、相棒の結城(及川光博)の協力もあった。
様々な調査を経て、コンピュータでシミュレーションした結果、
日本が沈没するまでの日数は、338日だと言う数値が出る。1年にも満たないのだ。
メタンガスやバクテリアが潤滑油の役目を果たし、
予想よりもかなり早く沈んでしまうのだ。
山本首相はその答えに愕然とするが、
他の科学者たちは目立ちたがりのパフォーマンスだと否定する。
あくまで自説を曲げない田所は、まもなく北海道と九州で異変が発生。
列島は崩壊を始め、フォッサマグナが砕けたら、
富士山の爆発と共に日本は沈むと予言する。
小野寺は、玲子と彼女の叔母の居酒屋、
そしてそこに世話になっている少女美咲らと親しくなる。
神戸の地震で家族を失った玲子は、度重なる地震の中、一人でも多く助けたいと言う。
美咲の母は瀕死の状態だったが、奇跡的に意識が戻り、「生きて」と言い残して死ぬ。
一方、山本首相はどちらかと言うと、田所博士の話を真に受けているらしくて
危機管理大臣として鷹森(大地真央)を任命。
何もしないのが一番という考えもあるが、
やはり国民は一人でも多く助けるべきと言う山本。
これから、各国に避難するため、協力を要請するため中国へ行くと言うのだ。
鷹森は実は田所の元妻で、事態の検証について協力を求めるが、
田所は一刻も早く避難させるべきと否定。彼のプロジェクトは解散させられる。
田所から日本沈没について知らされた小野寺は、
彼の腕を見込んでイギリスへ来いと言う誘いに乗ろうかと考える。
そんな中、北海道で大地震が発生。山々が噴火する。
それを聞いた鷹森は、田所の予言通りだと感じ、ただちに山本に連絡せよと指示。
山本はまさに九州上空を飛んでいて、始まった阿蘇の噴火に巻き込まれる。
南北2箇所で始まった大異変に、国中が騒然とする。
すでに死者は何千万にも達しているとか、対策室のモニタに表示されるが
描写があっさりしていて、そんな気は起こらない。
野崎官房長官は、1年で沈没すると言っても、
パニックが起きるだけで、実際には国民全体を避難させる事は不可能。
そこで5年後に沈没すると称して、緊迫度を和らげ、救えるだけ救おうと言うのだ。
大半が見殺しになる計画に、不満げな鷹森。
各地で各国への避難が始まるが、船やら飛行機やらが足りているわけでもなく
受け入れ先ではデモが起きたりして、遅々として進まず。
そこで、野崎は国宝を手みやげに、受け入れを求める。
それでもなお、受け入れ人数は不足しているが、野崎はある試算を示す。
それによると、各地で起こる地震などにより、8000万人の人間が死亡する。
つまり、避難させるのは残りの人間だけで良いのだ。
野崎の試算は正しいのだろうが、納得いかない鷹森。
野崎はサッサと退散してしまったらしく、結局後を仕切る鷹森。
彼女は、田所に何とか1人でも多くの人を救えないかと助言を求める。
すると田所は、奇想天外な計画を持ち出す。
地中に引きずられるプレートに、一直線に何個もの穴を開ければ
プレートはそこでちぎれて、日本の沈没は阻止できると言うのだ。
しかし、理論上はそうでも、
それをやるためには、全世界から掘削機を集め、
核爆弾なみのN2火薬を、すべての穴に入れて爆破する必要があると言う。
小野寺は日本中の大騒ぎをよそに、イギリスへ行く事を決意。
玲子に美咲と3人で行こうと持ちかける。先方が認めてくれたと言うのだ。
しかし、叔母さんらまでは無理。
神戸の震災で両親を失った玲子は、1人でも多くの人を助けたいと誓っていた。
彼女の祖父もまた消防署員だかで、その血が流れてると言う。
この祖父が、写真でしか出てこないけど丹波哲郎。
(叔母さんによると、祖父の話は、幼い玲子を励ますための作り話だったと言うが)
自分一人だけ幸せになれないと、立ち去ってしまう。
一方、田所の計画に参加する気のない小野寺に代わり
すでに避難した子供に日本の海を見せたいと、結城が計画に参加する事に。
鷹森の努力で世界中から削減機が集まり、N2火薬を配置する事に成功。
最後は起爆用の火薬をセットするだけだが。
潜水艇で向かい、アームで火薬をセットしようとする結城だが
突如発生した乱泥流に巻き込まれ、火薬のセットも帰還もかなわなくなる。
そんな中も震災は各地で展開。
東京でも大地震が発生。六本木ヒルズが沈んでいき、渋谷に洪水が発生。
鷹森らのいる司令センターも機能しなくなる。
その他の各地は震災の模様は見せず、その結果を見せるだけ。
京都では清水寺の前が海になり、名古屋はツインタワーが傾いてる。
大阪道頓堀は何事もないようだが、よく見ると既に水中に沈んでいる。
イギリスへも行かず、生きる目的も失っていた小野寺は、各地を巡るように。
彼の実家は造酒屋をやっており、母や家を継いだ姉(和久井映見)らが
何とか、造った酒を残そうと奮戦している。
軒先のツバメが最近戻ってこないと寂しがる母だが。
次第に増える惨状を見て、決心する小野寺。
彼は再び田所のところへかけつけ、結城が失敗した計画をやり遂げたいと言う。
しかし、あの深さに潜れる潜水艇はもうない。
(全世界から削減機は調達できたのだが。。。)
小野寺は、もう引退した潜水艇で潜ると言うが、深度は明らかに不足している。
田所は自殺行為だと言うが、他に方法もない。
小野寺の決意を知った田所は、彼に託すしかないと判断する。
某所で救助活動を続け、テントで休む玲子。
ここがまた緊迫感がないし、なぜか玲子のテントには他の隊員がおらず貸し切り状態。
交通手段もままならないはずなのに、かけつけた小野寺は別れを告げる。
単なる別れと思ったが、寝てる間に去ったのに気づき、
小野寺のただならぬ決意を察知。
ヘリで出発する小野寺のところへ、隊を離れてバイクでかけつけ抱き合うが、
結局その決意を理解したのか行かせる。
各地の震災は続き、どこへ向かうのか山を登り続ける美咲たち。
だが、ここでも地震は続き、山は崩れ奈落の底へ落ちていく人々。
震災描写としては、ここが一番怖い感じ。
前も後ろも崩れ、山中に取り残される美咲たち。
田所の計画が成功したとしても、もはや間に合いそうもないように思えるが。
富士山もあちこちで溶岩が吹き出し、噴火寸前。
噴火したら日本はおしまいだ。(もう、とうの昔に噴火しているものと思っていたが)
そんな中、小野寺は潜水艇で潜る事に。
目的は爆薬のセットだが、目標深度には耐えられず復帰は不可能。
そもそもセットするや否や爆発するらしい。
落ちていた爆薬を発見。さらに深い所へ落とすがアームで回収。
一方で、水圧で潜水艇もきしむ状態。
奮戦の結果、爆薬をセット。彼の任務は完了する。
次の瞬間、地球から少し離れた映像になり、並んで次々と爆発が発生。
まるで妖星ゴラスのような光景だ。
その効果はたちまち現れ、噴火寸前だった富士山はあっという間に収まり
崩壊寸前だった日本列島も、細かい島々になったが、間一髪全沈没を逃れる。
作戦成功を知った鷹森は、国民に向けて記者会見をするべきと言う事に。
官房長官あたりがすべきと言うが、各大臣らは鷹森こそふさわしいと言う。
軍の船の上で記者会見する鷹森は、残された地と人々でがんばりましょうとか言い
作戦のために命を落とした小野寺と結城に哀悼の意を述べる。
(いやいや、殉職した人はもっと大勢いると思うが)
周囲が水没し、島になった場所に取り残されていた美咲たち。
そこへ多くのヘリが到着し、玲子がなぜかピンポイントで美咲のところへ到着。
彼女たちを救助すると告げる。
と言うわけで、物語は始まるや否や、日本の沈没が明らかになり、
前作のように、徐々に明らかになっていく面白さはない。
それはそれで、派手なシーンが目白押しになりそうで良しと思うが、
北海道と九州でやや見せ場があり、いきなり何千万人もの死者が伝えられる。
本当はここら辺を徹底的に描くべきで、
地震のシーンは、どこか1箇所少なくとも10分はやるべきだったのだが
どうも演出が細切れで、何かあるとすぐ次のシーンになる見せ方の連発。
ニュースのシーンとかも激しく見せて、
大変な事態になったという雰囲気を強調すべきと思うのだが、
それがない上に、主人公たちは至ってのんきな様子で、
どうにも沈没していると言う雰囲気が希薄だ。
この雰囲気は終始継続され、ラストまで何か沈んでいない気がするんだけどと
思っていたら、最後に本当に沈まなかったりして困りもの。
主役2人のドラマに重きを置いたのはわかるのだが、
終始やる気のなさそうな草なぎ氏も、声が高くてレスキューに見えない柴咲コウも
何か沈没とは違う所にいるようで、浮いてる感じ。
最後にアルマゲドンみたいなのがあるのも、わざとらしいし。
地震で怖そうなのは、女の子ら一行の避難していた道路が崩れるあたりだけ。
後は誰かが死んだという雰囲気が感じられず。
あと気になるのは、レスキュー用のテントでちちくりあって
他の隊員はどこかへ移動させられてるのかとか
いっぱいある島の中から、女の子のいる所を一発で見つけるあたり。
名古屋、京都、大阪の沈没は、絵で見せるだけでかなりの手抜き。
妖星ゴラスみたいな大作戦も違和感あり。
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八甲田山
明治35年。日露戦争を控え、寒地対策と海上分断時の対策として
八甲田山越えの演習が必要となる。
そこで、神田大尉(北大路欣也)と徳島大尉(高倉健)の隊が双方から攻める事に。
雪山経験のある徳島は、軽装備で村人に道案内をさせる事に。
一方神田隊は、連帯の意地で210名の大隊を組み、案内人も拒否。
実権は大隊長(三国連太郎)が握ってしまう。
天候悪化で道に迷い、指揮権の乱れで立ち往生。凍死者が出る。
先へ進んだり引き返したりするうち、次々と死者が。
一方、無難に踏破した徳島隊は、途中、神田を含む大量の死者を発見する。
神田隊の生存者は12名。生還した大隊長は自殺。
一方、徳島大尉らは日露戦争で戦死した。
と言うわけで、日露戦争前夜の八甲田山死の彷徨を描いた映画。
高倉健が主役なんだろうが、彼は無難に生還するため見せ場は少ない。
神田隊の指揮系統の乱れに、組織の弱点を感じさせられる感じ。
この作戦を命じたのが大滝秀二。徳島側の連隊長に丹波哲郎。その部下藤岡琢也。
神田の妻に栗原小巻。神田側連隊長に小林桂樹。
徳島隊の隊員に前田吟。彼の弟が神田隊にいて死亡。徳島隊の案内役に秋吉久美子。
神田隊に同行する倉田大尉に加山雄三。別の大尉に緒形拳。彼は生き残る。
TV放送
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美女と液体人間(58)
監督 本多猪四郎
大量の麻薬が盗まれ、警察署長(平田昭彦)は三崎の犯行と考え、
恋人の新井(白川由美)を監視。だが犯人は服だけを残して消える。
浅田助教授(佐原健二)は核実験による放射能の影響で、人体が溶けたのだと指摘。
警察は麻薬組織逮捕を強行。だが液体人間に一味が襲われる。
液体人間に対し、警察は下水道での火炎攻撃を計画。
一味は隠した金を探して下水道へ。液体人間は一味を倒し火炎でやられる。
と言うわけで、放射能で液体人間になってしまった男の話で
設定だけはゴジラと同じだが、物語の方はあまり面白くない犯罪ドラマ。
TV放送 98/09/21 BS05 22:15-23:45
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火の鳥(1978年)
監督:市川崑
猿田彦 ヤマタイの兵士(若山富三郎)
ナギ クマソの少年(尾美としのり)
天弓彦 弓の達人。マツロ出身(草刈正雄)
ヒミコ ヤマタイの女王(高峰三枝子)
ヒナク ナギの姉(大原麗子)
グズリ 医師。実はヤマタイから来た(林隆三)
スサノオ ヒミコの弟(江守徹)
ジンギ ヤマタイを攻め入る騎馬民族の長(仲代達矢)
ウズメ 踊り子。弓彦の妹。猿田彦の妻(由美かおる)
ウラジ ヒナクの夫。火の鳥にやられる(沖雅也)
タケル ヒナクとグズリの息子(田中健)
イヨ ヒミコの家来である占い師(草笛光子)
スクネ ヒミコの家来(大滝秀治)
オロ ナギを助けた少女(風吹ジュン)
弓の達人弓彦は、マツロの国を出て旅に。
ヤマタイの女王ヒミコの弟スサノオは、
彼の腕を見込んで、永遠の命を得られると言う火の鳥を捕らえてほしいと言う。
マツロの国はヤマタイとの争いに備えるが、騎馬兵を率いたジンギの軍に滅ぼされる。
唯一醜い踊り子ウズメだけが、生かされる事に。
クマソの国では、少年ナギの姉ヒナクが病に苦しんでいた。
ヒナクの夫は火の鳥を捕らえ、その力でヒナクを救おうとするが、逆に焼け死ぬ。
放浪していた医師グズリが治療。グズリはヒナクと結婚する。
ところがナギは、グズリがヤマタイの軍を導くため潜入していたと気づく。
ヒミコの命令と言う猿田彦は人々を虐殺するが、
抵抗したナギを気に入り、生かしておく事に。グズリはヒナクを連れて逃れる。
帰国した猿田彦は、ヒミコにナギを殺せと命じられるが出来ず。
ナギはヒミコを倒そうとするが失敗。ヒミコは猿田彦を蜂の大群がいる穴蔵へ入れる。
スサノオはヒミコを批判し、目をつぶされて追放。
日食に人々は騒ぎ、ヒミコも動揺するが、そのすきにナギは猿田彦を連れて逃走する。
ナギは故郷に戻るが、村は全滅していた。
グズリは、ヒナクが子供を産めば村は蘇ると言うが、
ナギは姉のために火の鳥を捕らえると誓う。噴火が始まり、グズリらは洞窟へ逃れる。
そこは火の鳥の隠れ家だったが、周囲は切り立った崖で脱出できない。
ナギたちはジンギの軍に捕らわれ処刑されそうになるが、
ウズメが猿田彦の妻となる事で許される。
実はウズメの素顔は美人で、ジンギを欺いていたのだ。
ヒミコは病に弱り、イヨが後釜を狙うがヒミコに殺される。
弓彦は鉄の矢で火の鳥を捕らえるが、ヒミコはその生き血を飲む前に息耐える。
ウズメは猿田彦らを逃がす。
猿田彦はヤマタイの危機に再び軍を率いる事に。
だが、ジンギの襲撃で、猿田彦、スサノオ、そして加勢した弓彦がやられる。
ジンギはウズメの素顔を知り妻になれと言うが、彼女は猿田彦の子供を身籠っていた。
滅ぼしたつもりでも、女には女の武器があるのだ。
ナギは、弓彦が埋めた火の鳥を掘り出すが、干からびて血は出なかった。
ナギはジンギに倒されるが、近くの木に落雷があり、燃える炎の中から火の鳥が蘇る。
年月は流れ、火の鳥が隠れ家に戻ってきた。
グズリはすでに死に、ヒナクも弱っていた。
二人の息子タケルは、決意して崖を登る事に。火の鳥に励まされ、登り切る事に成功。
再び戻ると火の鳥に誓い、旅立つのだった。
と言うわけで、手塚治虫の原作を市川崑が大作映画化。
登場人物は、いずれをとっても主役ができそうな連中をかき集め、
音楽はなぜか不釣り合いなミシェル・ルグラン。
物語は邪馬台国やら神武天皇やら天照大神やら
いろんな話をブレンドした、古代絵巻風。
以前見た時は、マンガを読んでたのでよくわかったが、
月日が流れてどんな話か忘れた今見ると人物関係がなかなかわかりづらい。
由美かおると草刈正雄がどういう関係かよくわからなかったがどうやら兄妹らしい。
あと、長年ヒミコ役は草笛光子だと思ってたけど、それが勘違いとわかった。
有名俳優陣も、メイクや暗かったりで、言われないとよくわからない人も。
これより少し前に、同じ手塚治虫原作バンパイアTV版でとった手法で、
実写映画にアニメを合成するやり方を今回もとるが、これがどうにも違和感あり。
全部実写か、全部アニメにした方が良かった気がする。
市川崑自身は失敗作と言う認識らしいけど、
そこまで悪くはなく、それなりに壮大なテーマは感じられた。
もっとも、マンガのままのストーリーだから、監督の力量と言う事とは違うかも。
TV放送 2007/08/01 日本映画 1200-1416
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野良犬(49)
監督 黒澤明
新人刑事村上(三船敏郎)は満員バスで拳銃を奪われる。
ピストル屋を追及。淀橋の発砲事件が奪われた銃によると判明。
ベテラン刑事佐藤(志村喬)と組み、拳銃は遊佐が入手。
佐藤はホテルで遊佐を発見するが撃たれ、村上が追跡。追いつめ逮捕する。
と言うわけで、古い映画にありがちなセリフの聞きづらさが気になる。
バスで拳銃を盗まれるずさんさも、時代を感じさせる。
犯人を追いつめる捜査の行方はわかりづらい。
当時の野球場で巨人・南海戦のシーンあり。川上が出ている。
TV放送 98/12/26 BS05 13:00-15:03
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虹男(49)
やり手の女性新聞記者鳥飼は、旧友由利江が殺人容疑で取り調べられるのを知る。
摩耶博士の別荘が焼かれ、助手八郎の死体が発見された。
摩耶の姪である由利江は、野々村カネといたと言うが、彼女は行方不明だ。
由利江は「虹男」のしわざと言い、やがて野々村の死体が発見される。
摩耶家には、昔から虹男の伝説があり、彼を見た者は変死するのだ。
鳥飼は摩耶家に泊まる事に。ここには、虹を研究する摩耶博士の他、
奇妙な絵を描く長男勝人、5年ぶりに戻った次男豊彦、そして後妻がいる。
義母が殺され、近くには放心状態の由利江がナイフを持っていた。
続いて、博士も虹男におびえ、落ちたシャンデリアで負傷。
彼は親友の研究を盗み、学位を得ていた。
勝人は、自分の絵そっくりの構図で義母が殺されたため、その絵を隠す。
由利江は妊娠していたと判明。彼女は虹男におびえ、階段から転落する。
どうやら、みな何かを飲まされて幻覚を見ているらしい。
それは、勝人が使用していた虹の見える幻覚剤メスカリンだった。
再び由利江に疑いがかかるが、警部は豊彦こそ犯人として逮捕。
実は彼は八郎で、豊彦を殺害し、彼になりすましてアリバイを作ったのだ。
家族の弱みを握り、正体を明かそうとした者を殺したのだ。
由利江への屈折した愛が原因だったが、彼との子供をも階段の事故で殺してしまった。
と言うわけで、「透明人間現る」と並ぶ、戦後直後の大映の珍品。
しかし、割とマトモなので拍子抜けした。しかし、ちとわざとらしい気もする。
結局、虹男等と言う人物は存在せず。虹のシーンだけはカラーだが、絵が出るだけ。
何が怖いんだろうか。幻覚を見て、虹男だと思うと言うのも……。
鳥飼の恋人で、ライバル社の明石に小林桂樹。実は彼が主役。野々村カネが浦辺粂子。
TV放送 93/09/18 04CH 01:50-03:33
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復活の日(80)
監督 深作欣二
1982年。地球上のすべての生物を殺す細菌兵器MM−88が盗まれる。
細菌を積んだ飛行機は事故で墜落。やがて、全世界でイタリアかぜが大流行する。
参謀本部の将軍(ヘンリー・シルバ)は、ソ連の侵攻を恐れ、報復装置の作動を進言。
上院議員(ロバート・ボーン)が、米軍開発の細菌兵器である事を突き止める。
大統領(グレン・フォード)は、零下のため唯一生き残っている南極へ通告。
吉住(草刈正雄)は、ノルウェー基地でマリト(オリビア・ハッセー)を発見。
混乱で撃ち合いになり、彼女だけが生き延びたのだ。
コンウェイ(ジョージ・ケネディ)らは、独自の政府を設立。
感染したソ連潜水艦が上陸を求めるが、英潜水艦が撃沈。
1年後、吉住はワシントン付近の地震を予知。
カーター少佐(ボー・スベンソン)によれば、報復装置が作動し、南極も危険だ。
カーターと吉住は、ワシントンへ。女性や子供たちは、砕氷船で直撃を回避する。
予震が始まり、爆弾でカーターは死亡。わずかに間に合わずミサイルは発射される。
全世界で核爆発が起こり、南極も破壊される。
数年後、広大な大地を歩く吉住。小さな家に住んでいる人々。
ミサイルの放射能で、抗体はできた。彼らは、帰ってきた吉住を出迎える。
というわけで、細菌兵器で世界が滅んでしまうと言うショッキングな設定。
おまけに、無人の世界で報復装置が作動してしまうというおまけつき。
ずいぶん面白そうな設定だが、日本人のセンスの悪さで、けっこう損している。
外人キャストは充実しているが、すべて助演格だ。
吉住の恋人に多岐川裕美。医師に緒方拳。
南極基地隊員に、渡瀬恒彦、千葉真一、森田健作、永島敏行。
等、日本人キャストは大勢。しかし、扱いは軽い。
英潜水艦艦長マクラウドに、チャック・コナーズ。彼は生き延びたのか?
ワクチンを作る教授にセシル・リンダー。007/ゴールドフィンガーのライター役。
TV放送 92/06/26 06CH 02:10-04:49
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フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)(65)
監督 本多猪四郎
1945年。不死の肉体を研究するため、フランケンシュタインの心臓を
ドイツから広島の病院へ輸送。だが、原爆が投下され、病院は破壊される。
15年後。放射線研究所のボーエン博士、戸川(水野久美)らは、
正体不明の浮浪児を拾う。彼は放射能を浴びており、抵抗力を身につけている。
フランケンシュタインならタンパク質さえ補給すれば、手足さえはえてくる。
巨大に成長した子供は暴れて逃走。切れていた手からフランケンシュタインと判明。
各地でフランケンシュタイン出現したと報告。戸川らは延命を求める。
白根山の山荘が全滅。人間が食われたらしく、フランケンシュタインの仕業とされる。
捜索を続ける戸川らの前に、地底怪獣バラゴンが出現。
飛び跳ね光線を吐くバラゴンと、フランケンシュタインが格闘。バラゴンを絞め殺す。
湖から大ダコが出現し、格闘するが、湖底へ引きずり込まれていった。
と言うわけで、フランケンシュタインまで怪獣にしてしまうお話。
15年間成長しなかった奴が、服まで成長したりと妙な点はいろいろあるが、
何と言ってもおかしいのは、海外版で変えられたと言うラスト。
大ダコの出現が唐突で、格闘にも必然性がない。
広島の病院で原爆でやられる医師に、志村喬。戸川らの同僚川地に高島忠夫。
岡山警察に田崎潤、佐原健二。大阪警察には藤田進。
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フランケンシュタインの怪獣/サンダ対ガイラ(66)
監督 本多猪四郎
横須賀沖で船が怪物に襲われ、死んだはずのフランケンシュタインに疑いが。
スチュアート博士(ラス・タンブリン)、戸川(水野久美)らは、これを否定。
だが、細胞からフランケンシュタインと判明。怪獣は羽田空港を襲う。
メーサー攻撃で打撃を与えるが、別の怪獣が現れ、逃がしてしまう。
海の怪獣をガイラ、山の怪獣をサンダと命名。
サンダの肉片からガイラは生まれたのだ。戸川はサンダは穏和として攻撃中止を申請。
ガイラは東京に出現。サンダも現れ格闘に。
2匹は海へ行き、海底火山の噴火に巻き込まれていった。
と言うわけで、フランケンシュタインとはほとんど関係ない話。
サンダが心変わりした理由はよくわからない。
印象に残るのは、怪獣の足が速い事と、人を食う事。
防衛庁長官に、田崎潤。スチュアートの助手間宮に、佐原健二。
ガイラが大ダコと対決するシーンあり。
TV放送 93/03/29 BS05 09:30-11:00
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マタンゴ(63)
監督 本多猪四郎
数人の男女が船旅に出るが、嵐で島へ漂着する。
そこで難破船を発見。食料が残されているのに、生存者も死体もなかった。
残された食料は少なく、マタンゴと呼ばれるキノコがあるだけだ。
仲間割れで吉田と麻美(水野久美)は追放され、キノコに手を出す。
キノコは一度食べるとやめられず、次第に自身もキノコに変身していくのだ。
だが食料がなくなり、乗員は仕方なくキノコに手を出して行くが
教授のみは抵抗。だが彼が恋する明子も手を出してしまう。
教授は単身島を脱出し救助されるが、人間らしさを失った東京よりも
島に残った方が幸せだったかもと後悔する。
と言うわけで、現代社会が人間らしさを失った点を批判した話だが
キノコに変身していくあたりの話は分かりにくく、特撮もごまかした感じ。
船長に小泉博。小山(佐原健二)は仲間割れで射殺される。
TV放送 98/08/24 BS05 22:00-23:30
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モスラ(61)
監督 本多猪四郎
インファント島に漂着した船員は、水爆による放射能に汚染されていなかった。
無人島のはずの島で、彼らは原住民に赤いジュースを飲まされたと言う。
ロリシカ国と日本は合同に調査を行う事に。リーダーはネルソン(ジェリー伊藤)だ。
新聞記者の福田(フランキー堺)は調査隊に潜入。
言語学者中条は身長30pの小美人(ザ・ピーナッツ)を発見。
調査隊は突如帰還。ひそかに島へ行ったネルソンは、小美人を捕らえる。
ネルソンは小美人で儲けようとする。福田らは小美人に会う。
彼女たちによれば、モスラが小美人を救うために来ると言う。
島で卵からかえった全長100mの怪獣モスラは、海上を東京へ向けて進む。
合成物質で小美人のテレパシーを遮断。自衛隊の攻撃でモスラは倒したかに見えた。
だが、モスラは第3ダムに出現。攻撃も効果なく、東京タワーへ。繭をつくる。
ロリシカの原子熱線砲が繭を燃やすが、モスラは成虫に。ロリシカへ去る。
ネルソンは小美人を連れてロリシカへ逃走していた。福田らは要請で急行。
モスラは多大な被害を与える。住民に見つかり、暴れたネルソンは射殺される。
中条は原住民がモスラを呼ぶマークを空港にかかせる。モスラは空港へ。
小美人たちに島の平和を乱さないと約束すると、モスラと彼女たちは去っていった。
と言うわけで、ゴジラ、ラドンに続く人気怪獣モスラの登場。
ネルソンはいったい何のために、自腹を切ってまで調査隊を指揮したのか。
モスラが突然ダムに出現したのも不思議だ。
ヘリ操縦士に佐原健二。放射能研究所の博士に平田昭彦。双方チョイ役。
調査隊日本代表原田博士に上原謙。新聞社の部長に志村喬。
VHS
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ゴジラなき後は、こいつが継ぐのか「モスラ」(96)を見た。
ゴジラが復活して、3作目の「ゴジラVSキングギドラ」からは
1年ごとにコンスタントに続編が作られ続けた。
近年は、まともな怪獣では勝ち目がないと思ったか、
ゴジラの分身みたいな怪獣が連発で登場。それもけちらし、ついに大往生を遂げた。
今後は別の形でゴジラが復活するのかと思えば、モスラを単発で登場させてきた。
近作「ゴジラVSモスラ」が「モスラ」のリメイク的だったので
「モスラ」単発でどうするのかと思っていたら、
モスラを地球の守り神的な存在として、悪の化身と言うよりは、
キングギドラの分身のような、デスギドラから地球から守ると言う事に。
予告編を見た限りでは、子供向けと言う感じだが、
来年の怪獣映画の予告も見たい気がするし、恒例行事だし見るしかない。
次回は、ラドンとかバランとかを単発シリーズでしてくるかも知れないし
案外「モスラ2」とか言って、シリーズ化してくるかも知れないが、何としても見る。
北海道紋別の工事現場では、豊国商事に開発が行われていた。
ニュースキャスターの田川(萩原流行)は、環境破壊だと批判的だが
現場責任者の後藤祐一はお構いなしだ。
彼は現場でペンダントのような石を見つけ、それを掘り出して家へ持ち帰った。
実はこれこそが、怪獣デスギドラを封印したエリアスの盾だったのだ。
事態に気づいたインファント島の妖精エリアス姉妹は、デスギドラ復活を阻止するため
日本へ向けて、小さなモスラ、フェアリーに乗って旅立った。
一方、悪の妖精と言うべきベルベラ(羽野昌紀)は、
逆にデスギドラを復活させようとしていた。
羽野昌紀は関西なまりで知られるが、ここではセリフだからかナマリなしにだ。
祐一は、持ち帰ったペンダントを娘若葉に渡す。
彼の留守中、家に侵入したベルベラは、若葉を操り、盾を手に入れる事に成功。
様子が怪しいと思った若葉の兄大樹は、フェアリーに乗った姉妹モルとロラと会う。
彼女たちに真相を聞かされ、若葉を助けようとする。
部屋の中を、ガルガルと言う小さな竜みたいのに乗ったベルベラと、
フェアリーに乗ったモルとロラが追っかけあい、光線を撃ち合い大変な始末。
大樹らの母真紀子(高橋ひとみ)もまきこみ、部屋の中はめちゃくちゃに。
毛色を変えて、小さなスケールでの戦いを見せたかったのだろうが
まるで「ミクロキッズ」の二番煎じで、子供だましと言う感を否めない。
フェアリーはガルガルの攻撃で負傷し、盾は持ち去られてしまった。
普通だと、ここまででもいろんな展開があって、
説明しているとかなり細かく長くなるのだが、今回は見てから1ヶ月以上たち
しかも当日ビール飲んでから見たので、途中寝てしまい、
おまけにかなり安易なストーリーなので、説明は割と短い。
北海道へ飛んだベルベラは、祐一による岩盤爆破を見届ける。
一方大樹らも、モルとロラを人形に見せて飛行機に乗り、北海道へ。
凧を利用してベルベラから盾を奪い返す事に成功するが、時すでに遅く、
山中よりデスギドラが甦ってしまった。
大樹らは父祐一と出会うが、どうもこのデスギドラ出現の騒ぎで、
両親と子供たちははぐれてしまったらしい。寝てたから確かな事は言えないが。
デスギドラが人気のない山の中で火を吹いて暴れ回るため、これは世界の危機だと
エリアスは最後の手段でモスラを呼び寄せた。
もちろん、モスラの歌を歌ってだが、寝てたから確かな事は言えない。
だが、モスラは卵を生んだばかりで、余命幾ばくもなかった。
モスラは触覚から光線とか出して攻撃するが、デスギドラにきくはずもない。
これはいかんと思っていると、卵が親のピンチに反応していた。
生まれるには早すぎるのだが、エリアスは幼虫に期待をかけ、卵をかえす歌を歌う。
こうしてかえった幼虫は、デスギドラがあいかわらず山を燃やしている間に
海を渡って北海道へ来た。
しかし、その間にも親モスラはやられ、傷ついて動けなくなっていた。
エリアスは幼虫モスラを見て、体は小さいが勇気があるとか言い出す始末。
幼虫モスラは糸で攻撃するが、デスギドラはかみついて攻撃。
血と言うか体液と言うかを吐き出し、今にも引きちぎられそうだ。
だが、大樹らが取り戻した盾に祈った所、親モスラも回復。
親子で攻撃するが、デスギドラには効果なく、ダムが破壊される。
親モスラは飛べるからいいが、(あと人々はいないし、親子も平気らしい)
幼虫モスラは濁流の中に取り残されてしまった。
親モスラは傷つきながら、間一髪幼虫モスラを抱えて飛び去った。
ダムが破壊され、その下流がどうなったかは不明だ。
しかし、親モスラは力尽き、幼虫モスラを海に放すと自らは海に沈んでいった。
まてよ。幼虫モスラは泳げるんじゃないか。
大樹兄妹と父母は山の中をさまよい続けていたように思えたが、意外に簡単に再会。
デスギドラは山の中で暴れているだけなのに、負傷する人が続出。
病院も満員で、キャスターの田川もここにいた。
彼は、祐一がいるのを見つけ、おまえのせいだと非難。
どうして、工事がデスギドラと関係していると気づいたかは不明だ。
ここの医師役には寺尾聰。出演者に彼がいる事はタイトルでわかったが、
雰囲気的にそろそろ終わりそうにも思えたので、
彼の登場シーンは寝過ごしたのかと思った。
だが、大樹はモスラがきっと助けてくれるさと、子供のくせに患者を勇気づける。
幼虫モスラはわざわざ日本の反対の屋久島へ。
何万年の寿命だと言う屋久杉にたどり着き、生まれたばかりなのに繭を作る。
一方、デスギドラの方も突然閃光と共に羽根が生えて、飛び去る。
モスラの繭の方も、突然無数のフェアリーのように飛散し、
それが合体すると新モスラに。子供のくせにモスラとは柄が違うのだ。
新モスラはNEC本社ビルの前を通過し、
デスギドラが今どこにいるのか、記憶にもないし、パンフにも載っていないが、
そこへ急行。今度のモスラは光線も威力が上で、デスギドラもかなわない。
おまけに体当たりすると、また無数のフェアリーに分離したりして、
何か密度の低そうな奴だ。
どうやって倒したか、今となっては覚えていないが、デスギドラは倒され、
エリアスの盾で再び封印される。
ベルベラは逃げようとするので、大樹は止めようとするが、エリアスは見逃す。
なぜなら彼女は私たちの姉さんだからと言うが、どうも唐突な感じだ。
祐一一家はモスラの勝利に喜ぶが、周囲(と言っても山の中だけだが)が
焼け野原になったのを見て、まだ今ならやり直せると言う。
せっかくその気になっているのに、
モスラが飛び回ると焼け野原に草木が生え元通りになった。
と言うわけで、一応「ゴジラVSモスラ」で出てきたモスラ(と思うが)を
再登場させ、それを死なせてデザインを一新。
結局、来年はまさかと思った「モスラ2」で、当分シリーズ化するつもりらしい。
地球の環境を考えると言う意味では、主役にしやすい怪獣と言えるが
どうしても勧善懲悪的で子供向けぼくなると言うのは正解で
あらすじも、忘れてしまった以上に、実際かなり単純だったと言える。
舞台が山の中ばかりで、地球の危機と言う気がせず
登場人物も少ないと、安易に感じさせる要因は多い。
でも、義務だから、やっぱり来年は見てしまうのだろうか。
▼
「
モスラ2 海底の大決戦」(97)を見た。
ハリウッドでは「ID4」のローランド・エメリッヒ監督によるゴジラが製作中。
その予告編を見る限り、その足はまるで恐竜のよう。
派手な破壊シーンで、日本人とは違う視点で攻めてくるようだ。
そんなわけで、ゴジラ貸し出し中の今、日米対決は避けたのか、
別の人気怪獣モスラをまさかのシリーズ化。
前作ですでにガラガラだったのに、続編が登場。
水中には入れないと言う弱点が、今回は水中モードとかでうち破られると言う話だ。
来年の年末がどうなるかも気になるし、また何しろ恒例行事だから。
石垣島付近の漁師たちは、ヒトデのような奇妙な生物の大量繁殖に驚かされていた。
島の学校の先生は細川ふみえ。悪ガキ2人組は女の子にイタズラ。
毛虫を見せようとするが、女の子が振り返った拍子に悪ガキの手から離れて
細川ふみえ先生の胸の間に入ると言う、子供向けとしては意外な展開。
この後、ふみえ先生は再登場せず。
女の子の母親は紺野美沙子だが、こちらもチラリ。この後有名人は出てこない。
(羽野晶紀がいるか……)
そうこうしてはいても、悪ガキ2人組と女の子は意外に仲がいいらしい。
一方、島で珍しい生物を捕まえようとする男2人組。
ベルベラ(羽野晶紀)は2人組に接近。小さなドラゴン(ガルガル)で脅したりして
珍しい生物ゴーゴを捕まえろと指示する。
女の子汐里は林の中でピカチューにも思えるゴーゴを発見。不思議な生物にビックリ。
男2人組はこれを狙い、悪ガキ2人組が助ける展開に。
そこへ小美人ことエリアスのモルとロラが助けに来て、何とか逃げる。
エリアスによれば、海底に現れた怪獣ダガーラが、
ヒトデのような生物ベーレムをまき散らし、このままでは海が全滅だと言う。
それを助けられるのはゴーゴだけで、海の中にあるニライ・カナイと言う遺跡に
行かなければならないと言うのだ。
そこで子供3人組は、遺跡のある場所へ向かう。
すると地震で海底からピラミッドが現れる。一方、例の2人組も後を追っていた。
海底から現れた怪獣ダガーラは、石垣島の町を破壊。この合成が意外にうまい。
エリアスはモスラを呼ぶ。一方、子供たちは2人組に追われ、ゴーゴを奪われそうに。
成虫モスラがかけつけるが、ダガーラに海底に引きずり込まれる。
モスラは水中に入れないと言う弱点があったのだ。
子供たちはピラミッドの中の神殿で、王女ユナに出会う。
彼女はゴーゴのすごい力こそ宝だと言う。
何かが光ったりして、水中のモスラはピラミッドの上へ浮上。
さらに元気を回復し、水中モードと言う別の形態に変身し始めた。
ピラミッドはなぜか爆発を始め、子供たちも追っ手も脱出。
水中モードのモスラは、その姿のままバラバラに分裂し、ダガーラの腹の中へ。
このシーンは全面CG。こんなのがありなら、何でもありと言う感じだ。
この攻撃でダガーラはやられ始める。ピラミッドも崩壊。
ピラミッドから海岸まで、十戒の紅海のように海が避け、
子供たちや追っ手の連中は海岸まで走り抜ける。
ピラミッドは沈み、ダガーラも倒されるのであった。(たぶんそんな展開だ)
と言うわけで、飲んでから見たおかげで、トイレへは行くわ寝るわで大変な始末。
しかも前作と同様、子供向けを狙ったような安易な展開。
前作は山の中で暴れたのに対し、今回は海の上。どちらも人々にはたいして影響なし。
出演者も子供が中心で、有名な大人の俳優はほとんどなし。
ダガーラが石垣島で暴れるシーンは、なかなかの合成で、
違和感なく感心させられるのだが、
モスラがダガーラの腹の中に入るシーンは、見るからに100%CGで、
最近の他の映画等でもCGの乱用には嫌気がさしていたので、
これにはあきれさせられる。
まるで「火の鳥」「バンパイヤ」式に、一部をアニメにしたのと同じ話で
特撮が大変なシーンはCGにすると言うのは手抜きとしか思えない。
そんなわけで、TVならともかく、映画館で見るにはちょっとと言う感じ。
例年だと、ヒットのため来年の続編製作決定と来るところだが、今回はそれもなし。
▼
「モスラ3 キングギドラ来襲」(98)を見た。
ゴジラがあちらへ移って手持ちぶさたになった東宝は
ゴジラに続く人気怪獣モスラを主役に据えて、今回で3作目のもシリーズだが
いかんせんどう見ても子供向けで、脚本や特撮にも安易さが目立ち
いつ行ってもかなりのガラガラさ。
シリーズが続行するのが不思議だったが、今回でこれも打ち止め。
モスラ単体ではパワー不足とようやく気づいたのか
ゴジラシリーズの宿敵キングギドラを悪役として登場させる事に。
いつもいる仲間のゴジラやラドンもおらず、
モスラだけではかなわず、過去にさかのぼって若いギドラを倒せと言う展開らしい。
いくらキングギドラが出ても、途端に面白くなるとも思えないのだが
一応は年中行事だし、来年はどの怪獣が出てくるかも気になるし見るしかあるまい。
インファント島。ベルベラ(羽野昌紀)はエリアス族の伝説の力を持つという
3つのメダルを奪おうとする。
だが不審に思った小美人モル(小林恵)とロラ(建みさと)が阻止。
1つだけ持ち去られる。ロラ役は、前作までは何とかさやかと言う女の子がやってたが
TV等で人気が出て降板したらしい。子供向け映画ならではの扱いの軽さだ。
モルらはメダルが剣につくことに気づく。だが片方のは合わない。
どうやら、ベルベラの持っていったメダルが合うようだ。
残されたメダルには勇気と知恵という文字が。
彼女たちは、ベルベラが残した「空から恐怖の大魔王が降りてくる」と言う
言葉に不安を感じる。これはノストラダムスの予言のことか?
その頃、各地で巨大な隕石の落下が目撃されていた。
富士山麓青木ヶ原に住む一家もそれを見ていた。
父(大仁田厚)、母(松田美由紀)のウソっぽい家族。
長男翔太に弟修平と妹珠子。
翔太は登校拒否で、現代の問題も描いていると言いたげなあたりがイヤだ。
それからしばらくして、大阪の小学校で先生や生徒は何らの妙な震動を感じる。
気がつくと、生徒たちは姿を消し、先生だけが取り残されていた。
各地で同様の事件が起き、学校にいた修平と珠子も消えてしまう。
モルらは、この事件が一億三千年前に恐竜を滅ぼしたものの仕業と考える。
その正体はキングギドラ。もちろん、ゴジラと戦った事など人々は知らない。
ギドラは名古屋を襲撃。まだオープンもしていないタワービルを破壊。
いつも通勤で渡っている横断歩道を人々が逃げまどう。
名古屋では看板に「キングギドラが名古屋を襲撃」と書かれているが
そのシーンは1分にも満たない。
モルらは、フェアリーという小さなモスラが飛んでいる上で立ち上がり
モスラの歌を歌う。するとモスラが急行。
どうやら消えた子供たちは、青木ヶ原にできたドームに閉じこめられているらしい。
ここはまだ心の美しい者、つまり子供しか入ることができないと言うのだ。
何の目的でギドラが、そんな連中を集める必要があったのか、
それは最後まで説明されることがない。
だが、モスラの武器は、何だか体重が増えたみたいなギドラには歯が立たない。
こてんぱんにやられて瀕死の状態。
おまけに、うっかりギドラの目を見てしまったロラは、
モルよりも純粋だったと言う説明があるが、心を奪われてしまい
ギドラの手先になってモルの首を絞め始めるが、格闘の末フェアリーから転落。
ドームに吸い込まれる。
ギドラはさらに、以前メカギドラが破壊したはずの新宿副都心を破壊。
青木ヶ原の様子を見に来たベルベラは、どこかから出てきた触手に捕らわれ
これまたドームに引きずり込まれる。
様子を見に来た翔太は、途方に暮れるモルと出会う。
一方、両親はドームに子供が捕らわれたと知り、何とか助けようとかけつける。
同様の両親が大勢いたはずなのだが、現地に着いたのは彼らだけだ。
モスラは今のギドラには歯が立たないが、1億3000年前に戻って
白亜紀の幼いギドラなら倒せるかも知れないと言う。
そんな事言って、行ってみたらけっこうでかいギドラだったのだから
もっと昔に行けばよかったのではと言う気がしてならない。
エネルギーを消費する危険な作戦にモルは反対するが、
モスラの意志が固いと知り、モスラにエネルギーを与えるがそれで消耗。
モスラはワープみたいな事をして白亜紀へ到着。
モルは「今ついたわ」と言うが、時間の流れを考えると変な話だ。
何とかロラを助け出してくれと、翔太につまようじみたいな剣を託して息絶える。
息絶えると言っても、透明な人形みたいになるだけなのだが。
学校にも行けない翔太は悩むが、意を決してドームに飛び込む。
中には無数の子供たちが。なぜか全部日本人だ。
白亜紀には当時のモスラと言う原始モスラが見守っていた。
また、いろんな恐竜が。シリーズ初の恐竜登場シーンも見せ場と言うが
何と人形をまとめて動かしているだけで、水平に移動したりする始末。
茨城県自然博物館にある恐竜と似たような感じ。
あんないい加減な物を出すくらいなら、こんなシーン作らない方が良かったのでは。
スマートになったギドラは、2本足で素速く走り回る。モスラはこのギドラにも苦戦。
その頃、と言うか未来に当たるのだが、翔太はロラを見つけて
モスラを助けてくれと訴える。悪者になったロラだが、彼の訴えに心を取り戻す。
モルとロラの剣が合体する事に気づいて、近くにいたベルベラの剣も合体させる。
3つは知恵と勇気と愛を意味し、それぞれがそろうと強大な力を得ると言うのだ。
ロラが歌を歌うと、なぜか過去のモスラに伝わり力が回復。
モスラはギドラの尾を切り落とし、火山に突き落とす。
だが自らも力を使い果たし、息絶える。それを原始モスラが糸で繭にくるむ。
一方現代では、ギドラが今にも子供たちを襲おうとしていた。
過去のギドラがいなくなったので、こちらのギドラは突然消滅。
よかったよかったと言うが、どうもおかしい。
歴史が変わっていないとか言い出すベルベラ。変わったら大変だろ。
気がつくと再び現れるギドラ。白亜紀で切れた尾が再生したらしい。
でも、それなら成長の度合いが遅いような気もするが。
モスラ亡き今、戦うのは我々しかいないと、ベルベラがロラと手を組み立ち向かう。
だがそんなもので歯が立つわけがない。
すると、地面の下から繭にくるまれたモスラが登場。どうやら生きていたらしい。
今度のモスラはなぜか鎧モスラに変身し、ギドラの光線も跳ね返す。
ギドラの片方の翼を破る威力。
最後には、チャンバラのようにすれ違いざまに攻撃し、通り過ぎて2匹とも動かず。
敗れたのは当然ギドラだった。こうしてモスラが勝ち、ドームは消滅。
無数の子供たちが解放され、全部の親が来ていたみたいで出迎える。
翔太も弟たちと合流。父母と再会する。
透明になってたモルは生き返り、ベルベラは仲間になったわけじゃないと言い去る。
と言うわけで、モスラシリーズ第3弾は、人気悪役怪獣を出したわけだが
ゴジラシリーズとの関連はなく、登場時の音楽も違えばデザインもちょっと違う。
同じ怪獣が出たと言われてもちょっとピンと来ない感じ。
とは言え、理屈はおかしいとは言えタイムトラベルとかを絡めたおかげか
シリーズの中では一番マシな出来。一応はシリーズ継続も可能な終わり方。
どう見ても子供向けで、登校拒否とかの問題を取り上げた優等生ぶりも気に入らず
恐竜の特撮の手抜きぶりもいただけない。
まあ、シリーズの中ではマシな方というのが救いか。
▼
「ヤマトタケル」(94)を見た。
東宝特撮と言えばゴジラだが、以前は戦争ものや、古代もの、怪獣以外のSFもの
と言うジャンルも多く作られていた。
最近は観客の呼べるゴジラだけに製作が集中しているようだが、
それでは目先が変わらないし、尻すぼみになるのは避けられない。
そんな中で、久々に、この古代ものぽいヤマトタケルが製作された。
一応は、時代にとらわれないと言う事になっているが、
作品を見てみると、やっぱり古代もの以外の何物でもないと言う印象だ。
古事記のヤマトタケルの話をベースとして、
最後にはヤマタノオロチとの対決があると言う展開。
東宝怪獣の中のキングギドラの造形が、
ヤマタノオロチを参考にしているのは疑いのない事実。
かつても「日本誕生」等と言う映画を作っているし、ま、お家芸と言える。
監督・脚本・特撮は「ゴジラVSメカゴジラ」と同じ連中で、
主演も「ゴジラVSメカゴジラ」の高島兄と、復活第1作「ゴジラ」の沢口靖子。
ゴジラの連中が関わっている事は間違いないが、
新しい方向性として見逃す事はできない。
東宝はけっこう力を入れているようで、
話がちょっと違うロボットもののアニメをテレビ放送。
三種の神器を集めていくと言うあたりもRPG的で、
子供たちにも受けると思ったようだが、劇場はあっと驚くガラガラさ。
東宝自身が作ったためか、公開をやめるにやめられないと言う感じだ。
予告編では、年末の「ゴジラVSスペースゴジラ」や復活「ガメラ」も登場。
(大映は、自身の公開網がないため、東宝系で公開される)
ゴジラは、ミニラことベビーゴジラが、リトルゴジラと名を変えて再登場。
モスラや「地球防衛軍」のモゲラも登場するらしいが、
肝心のスペースゴジラは、かなり情けないデザインだ。
ま、いろいろあるけど、怪獣ものはなくならないようだし、この作品も見逃せない。
宇宙の始まり。劇中では、宇宙の事を「ウツ」と呼んでいる。
宇宙はその重みに耐えられず爆発。これがすべての始まりであった。
まさしく、ビッグバンを思わせるオープニング。
やがて様々な神が誕生するが、そう言うのにくわしくないので、ピンとこない。
そして、イザナギ・イザナミと言う夫婦神が誕生する。
それから時が流れ、大和の国の王ケイコウ(篠田三郎)に双子の子供が生まれる。
だが、占い師ツキノワは、双子は不吉なものとして、弟を処分するよう命ずる。
ケイコウの妻は断腸の思いで、次男オウスを捨てる事となる。
オウスはカゴに入れられ、崖から落とされるが、
突然、光輝く鳥(火の鳥を思わせるが、動きはラドンのよう)が現れ、
カゴをつかんで、伊勢の社へ置き去った。
ここの主ヤマトヒメ(宮本信子)は、ケイコウの妹だったが、
カゴを置いていった鳥を見てびっくり。
それは、天照大神の使いと言われる、天の白鳥だったのだ。
天照大神の意志を無視するわけにはいかず、ケイコウもしぶしぶ、
ヤマトヒメがオウスを育てる事を認める。
オウスは、ゲンブとセイリュウと言う妖術とかを使う連中に鍛えられ、すくすく育つ。
ある日、ゲンブらが妖気が強いと言う洞窟に入ってみると、
壁の中に光輝くマガタマがあったので、つかんでみると、
彼の体は突然粒状になって、壁のむこうの部屋へ移動してしまう。
部屋の中には、岩に突き刺さった剣があるが、これはどうしても抜けない。
そこにあった像は、おまえはやがて、3つの光を手に入れ、
その時、再び出会うだろうと話す。
気がつくと、彼は外に。そのマガタマは大切に持つ事にする。
成長したオウス(高島兄)は、剣とかを鍛え、けっこうたくましくなる。
ある日、どうしても彼に会いたいと言う母の願いを聞き入れ、
王ケイコウは、オウスが家に来る事を許可する。
しかし、まもなく母イナヒヒメは病死し、
それをオウスが呪い殺したと信ずる長兄オオウスと格闘に。
突然マガタマが光り、すさまじい力でオオウスは飛ばされ死んでしまう。
父ケイコウは、こんな彼をもてあまし、野蛮な国とされるクマソへ派遣する。
そこのクマソタケルを殺せと言う命令だ。有名なクマソ征伐の話である。
クマソへの道中、偶然を装って、(装ってもあまり意味はないが)
ゲンブとセイリュウも同行する事となる。途中、橘神社と言う神社による。
ここには天の白鳥の絵が描かれており、彼らに縁のある場所と思われる。
彼らを盗人と思ったオトタチバナ(沢口靖子)は、妖術を使って彼らに襲いかかる。
何者かに白鳥の鏡と言う鏡を盗まれたばかりなのだ。
やがて疑いは晴れるが、傷ついたオウスの手当てのため、彼に触れた途端、
オトは運命的なものを感じ、クマソへの旅に同行する事となる。
クマソでは、各村から女たちをクマソタケルの所へ献上させられていた。
オトがこの娘たちに紛れてクマソの城へ潜入。
灯用の油を顔に塗って、クマソタケル(バカ役者こと藤岡弘)の夜の相手だけは回避。
夜中に、城中を調べて回るが、もともと怪しいと思っていたと言うクマソに捕まる。
彼女は、クマソガミと言う怪物の生け贄にされる事となる。
一方、オウスやゲンブ、セイリュウらは、ひそかに城中に侵入。
城の柵を閉じてしまい、兵たちが助けに来れない状態で、
オウスはクマソタケルと対決。
なかなか強いな、おまえをヤマトタケルと呼んでやろう等と言われるが、
結局、クマソを剣で刺し殺す。続いて、生け贄にされているオトを助けるため急行。
現れたクマソガミは、手が弓矢に変形して攻撃してくるが、
オウスがマガタマに祈ると、獣のような顔になって、クマソガミを退治する。
彼は、物の怪のような力を自ら使ってしまった事を悩むが、
オトはオウスこそ選ばれた男と呼ぶ。
そして、クマソが奪っていた白鳥の鏡を取り返し、橘神社におさまり、
オウスらはヤマトへ戻っていった。
オウスは、クマソに名づけられた、ヤマトタケルと言う名を名乗るようになる。
だが、父ケイコウは、まだ彼を許してはいなかった。
そんな時、ヤマトヒメは危機を察知し、タケルに重要な任務を与える。
かつて、イザナキ・イザナミの後継者候補となった
天照大神と、ツクヨミという2人(人じゃないか)の神があった。
結局、ツクヨミは後継者に選ばれず、ヤマタノオロチに変身して大暴れ。
そこで天照大神は、スサノオにこれを退治させ、氷の中にツクヨミを封印した。
(ちょっと誤解してたら、かんべんな)
今、この氷の塊が、グリコのおまけのような、
ちゃちな宇宙船のようなものとなって接近している。
ヤマタノオロチの体内から抜き去ったアマノムラクモの剣は、
宮中に納められているが、これをツクツヨミに奪われれば、世界は破滅だ。
それを伊勢の社に納めれば、ツクヨミの力も及ばず、危機は回避できる。
そこでタケルは、このアマノムラクモの剣を運ぶ仕事を引き受ける。
しかし、ケイコウの部下たちは事情を知らず、追いかけられるし、
ケイコウが信頼をおいている、占い師ツキノワは、実はツクヨミの家来だった。
(と言うよりは、ヤマタノオロチの牙の化身らしい)
何だか、助けなきゃと言う使命感を感じたオトも急行し、共に伊勢に向かう。
しかし、ツキノワは呪術を使い、水中から海神ムーバと言う
携帯電話のような名前の怪獣を呼び出す。
こいつは、タコの足のように手がいっぱいあって、タケルが捕まってしまう。
そこでオトは海に飛び込み、助けに向かうが、
この水中シーンは、どう見ても、クレーンで役者を吊ったフィルムに、
水中ぽい効果を重ねただけで、沢口靖子が足も動かさずに泳ぐのが不自然。
オトが持ってきた白鳥の鏡は、光線を発する強力な破壊力で
タケルの救出に成功するが、今度はオトが捕まってしまう。
オトは光の粒子みたいになって姿を消してしまった。
(映画を見ている時はわからなかったが、パンフによれば、どうやら死んだらしい)
タケルはマガタマとかを使って、何とかムーバを退治。
浜に上がるが、今度はツキノワに襲われる。
ツキノワは、母や兄を呪い殺したのは私だと言い、対決に。
タケルは刺され、ここでやっぱり死んでしまったらしい。
ツキノワ自身も傷つき、剣を奪うが、それをツクヨミに渡すと死んで
元の姿である牙になったが、映画を見ている者には意味がわからなかった。
ツクヨミを封じた氷の塊は、月に激突。
剣を手に入れて力を回復したツクヨミ(阿部寛)は、地球に攻撃を加える。
地上では日食となり、人々は恐れ、月にはバベルの塔のような怪しい城ができていた。
確か、天照大神が天の岩戸に姿を隠すと言う話があって、
これは日食の事を意味するに違いないと言われたものだが、
その時は、人々が大いに騒いで、気になって覗いた天照大神を引きずり出したはず。
この映画でのエピソードとは関係ないかも知れない。
タケルが気がついたのは、少年の頃、迷い込んだ洞窟だった。
実は、やっぱり映画を見ている時はわからなかったが、ここは黄泉の国だった。
突如、長年の眠りから覚めたスサノオ(目黒祐樹)は、
力を試してやると、タケルに襲いかかる。
タケルはあわてて岩に突き刺さった剣を抜いて、スサノオに対峙。
(これは古事記と言うよりは、西洋の円卓の騎士だかの話の拝借に思える)
あっぱれと言うスサノオは、その抜いた剣こそ、オロチノカラサイの剣で、
ヤマタノオロチを倒せる唯一の武器だと言う。
そして、これこそが第3の光。マガタマと、オトが持っていた白鳥の鏡と合わせた時
ヤマタノオロチに立ち向かえるのだ。
そう言うと、棺の中から(誰が納めたのか)オトが復活。
2人でそろって月の世界へ向かう事になるが、そう言う説明はないので、
ツクヨミが地球にきていて、地球で戦っているのかと思った。
2人は月にあるバベルの塔、いや、ツクヨミの城へ。
人間が神に勝てるはずがないと言うツクヨミと、持てる力を振り絞る対決。
とは言っても、マガタマと白鳥の鏡を使った攻撃だけだが。
ついに、効果あってか、ツクヨミを倒す事に成功。
しかし、それは、ドラクエ等にありがちな、
最後のボスキャラを倒したら、そいつが真の姿を現したと言う段階に過ぎなかった。
ツクヨミは突如、ヤマタノオロチに変身したのだ。(する事は知ってたけど)
全長10m(着ぐるみがね)もある、東宝怪獣史上最大、
(と言うよりは、他にこういう事をしている会社がないので、世界映画史上最大)
の巨大な怪獣が出現。しかも、蛇のクセに足まであるのだ。これこそ蛇足。
どこからか現れた天の白鳥に乗った2人は、
(空気がない月で、火が吐ける、空が飛べる、
それ以前に呼吸できると言う点にはふれまい)
このバカでかい上に、火まで吐く怪獣に特攻隊のように立ち向かい
タケルが剣で、すれ違いざまに切りつけるが、大した効果はない。
やがて、オロチの火にやられた2人と鳥は、なぜか宇宙へ。
オトの体が粒子状になり、タケルの体に吸い込まれていく。
ま、まさか、「ゴジラVSメカゴジラ」の時に、
死の直前のラドンが、ゴジラに生命を与えたと言うあの手口を
またも使用する気なのかと思えた。
だが、タケルと白鳥が発光に包まれ、巨大な姿となって現れた。
(そうじゃなかったかも知れないが、とにかく変身したのだ)
現れたのは、ウツノイクサガミ(宇宙戦神)と言う名前はともかく、
大魔神か、カクレンジャーの最後に出てくるような巨大ロボットだったのだ。
いろいろ難はあるものの、ここまでマジメにきていた話が、ここで台無しに。
こんな奴が現れたら、さしものヤマタノオロチの攻撃も何の効果もない。
オロチの火の攻撃を、仏教文字みたいな字の書かれたバリアではじき
接近して、剣でオロチの首を1本ずつ切り落とし、ついにオロチを退治した。
おかげで、地球では日食が終わり、人々は一安心。
再び、白鳥の上に乗った姿に戻った2人は、月へ着陸。
スサノオは、倒れているツクヨミをマガタマに封じ込め、宇宙へ投げ捨てろと言う。
これほどの悪い神ならば、完全に退治してはと言うオトの問いに、
スサノオは、次現れる時は、よい神になっているかも知れない。
神とはそう言うものだと、よくわからない言葉を残す。
こうして、2人は宇宙だと言う事も忘れ、白鳥に乗って帰っていった。
と言うわけで、古事記にとらわれずと言っていたはずが
大半は古事記に沿った構成になっていて、
最後の最後であきれたロボットを登場させる展開となった。
あのロボットさえなければ、それなりに評価できたんだけどねえ。
どっちかと言えば、古事記を完全になぞった方が良かったのでは。
あと、テレビでやっているアニメは、未来のロボットものになっているが、
その線を期待した子供には失望させる内容なのでは。
何にせよ、東宝の製作意図がいまいちわからず、
にもかかわらず、3部作構想があって、
再来年に「ヤマトタケル2」等と言う恐ろしい噂も。
しかし、あの不入りでは、それはないような気がする。
一方、海外版ゴジラは、「未来世紀ブラジル」のテリー・ギリアム監督案が流れ
現在、全米ヒット中のアクション映画「スピード」の監督に決まったらしい。
企画はやや遅れているようで、「スペースゴジラ」公開が早まったのは
そこらへんによるものらしい。
ま、そう言う事なので、アレは悪い夢だと思って忘れる事に。
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酔いどれ天使(1948年)
監督 黒澤明
医師眞田(志村喬)は、ドアに手を挟んだと言う男松永(三船敏郎)を治療。
手から弾が出て、彼がヤクザだとわかる。付近では有名らしい。
眞田は松永の肺に穴があると考え、大病院でレントゲンを撮るように勧める。
飲んだくれ医師と言われる眞田は、松永に自分と共通する物を感じるが、
松永はなかなか言う事を聞かない。
結核の疑いがあるが、病気が怖いのだろうと指摘すると松永は怒る。
大手病院の高浜は松永のレントゲンを撮っており、眞田に渡すよう言ったと言う。
自分を信用しろと諭して松永を診る事を納得させるが、
出所した親分岡田と再会した松永は、飲み明かしてしまい、眞田を怒らせる。
岡田の子分は、岡田の妻が眞田の所にいると気づき、岡田が押しかける。
眞田は追い返そうとし、眞田に恩を感じる松永がたてついてしまう。
眞田は岡田と話をつける気でいたが、松永は単身岡田の所へ。
ナイフで襲いかかるが、喀血してしまいそのスキに格闘に。刺されて死ぬ。
眞田は松永の足を洗わせられると感じていたので、この結末を悔やむが、
同じく結核の女生徒が完治したと知り、希望を感じる。
と言うわけで、黒沢作品としてはかなり初期の作品で、
戦後直後の怪しげな雰囲気が出ていて面白い。
出演者も意外に有名な人をそろえているようだが、
個人的には主演2人以外はよくわからず。
セリフも聞きづらいし、もう少し派手な展開があっても良かったという気はするが。
TV放送 2002/09/03 BS11 2000-2145
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妖怪百物語(68年)
但馬屋は長屋の立ち退きを決め、大家も借金があり逆らえない。
但馬屋は奉行を接待。余興として怪談話を聞かせる。
禁断の池で釣りをした武士が、ろくろ首になった嫁に殺される話だ。
怪談を聞いた後は、憑き物落としのまじないをする習わしだが、奉行はバカにする。
長屋の安太郎は、一味から金を盗み大家に渡すが、
大家は但馬屋に殺されてしまい、娘おきくは但馬屋に奉公に出される事に。
長屋の取り壊しが始まるが、男たちが気がつくと周囲が皆のっぺらぼうに。
但馬屋らも逃げ回り、大家を刺した場所で誤って番頭を殺害。自分も腹を刺して死ぬ。
おびえる奉行は誤って家臣を切ってしまう。
実は安太郎は大目付で奉行を監視しており、それを知った奉行は自害する。
と言うわけで、大戦争の前にあったらしい妖怪もの。
いっぱい出てくる事は出てくるが、大戦争ほど表立って出てくるわけではない。
悪代官たちが取り憑かれるが、取り憑かれるのは悪事とはまったく関係ないし。
TV放送 2002/10/24 BS05 0550-0715
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妖怪大戦争(68年)
人々が足を踏み入れなかったバビロニアの遺跡が盗掘され、
蘇った妖怪ダイモンは、日本へ飛来する。
嵐の様子を見ていた殿様がダイモンに襲われ、屋敷でも奇行をするように。
人間にはわからないが、池に済む河童はそれが妖怪だと気づく。
河童はダイモンに立ち向かうが歯が立たず。仲間に助けを求めるか信じてもらえず。
ダイモン扮する代官は、さらに家臣を手下に子供をさらうよう指示する。
事態を知った妖怪たちは、子供にすり関わりダイモンと対決するが歯が立たず、
壺に入れられ封印されてしまう。
元代官の娘千絵がお札をはずして妖怪たちを解放。
ダイモンの弱点が目だと気がつく。妖怪たちは一斉にダイモンを攻撃。
ダイモンは巨大化するが、唐傘お化けが空を飛んで目を攻撃。
ダイモンは退散。日本の妖怪の勝利となる。
と言うわけで、大戦争と言うから、
日本の妖怪と西洋の妖怪が対決する話かと思いきや、西洋の方は1匹だけで拍子抜け。
日本側はいろいろ出てくるが、もう少し数を多くして、
こいつもこいつも出たかと思わせてくれれば良かったが。
TV放送 2002/10/23 BS05 0550-0715
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妖怪大戦争(2005年)
タダシ 田舎で祖父と暮らす少年
タダシの祖父
加藤 魔人。元は人間
アギ 魔人に寝返った妖怪
佐多 妖怪雑誌の編集者
猩猩 妖怪のリーダー的存在
小豆洗い 妖怪
両親が離婚したタダシは田舎で祖父と暮らすが、
今年の麒麟送子と言う役目に選ばれてしまう。
大天狗の穴へ伝説の剣を取りに行かねばならないが、泣き虫のタダシには大仕事だ。
たくさんの妖怪がいる天狗山に祖父が捕らわれたと知り、タダシはかけつけるが、
実はそれは妖怪による幻影で、一同に合格と言われる。大天狗に剣を渡される。
元人間の魔神加藤(豊川悦司)と妖怪を裏切ったアギ(栗山千明)は
妖怪を捕らえ機怪に改造して、人間襲撃を計画していた。
タダシは一人でも戦う事を決意するが、妖怪たちは尻込みする。
大量の機怪が東京を襲撃。騒ぎを聞きつけ、全国から妖怪たちが集結する。
アギを倒し加藤と対決。
小豆洗い(岡村隆史)の小豆が溶鉱炉に入り、大爆発を起こす。
と言うわけで、大映のガメラとかが復活する中、妖怪大戦争も復活。
妖怪をも支配しようとする一味と、人間の少年と普通の妖怪が組んで対決。
現代風に描きつつ、コミカルな描写も入れ込んでなかなか面白いが
宮迫・岡村と言うお笑いコンビの、ちょっと間抜けな行動が敵に打撃を与えるあたり
最後に来て路線がずれてしまったような感じで、
テレビで見たからかも知れないけど、大爆発で終わりかと言われても。
佐田役に宮迫博之。タダシの祖父に菅原文太。
猩猩に近藤正臣。ぬらりひょんに忌野清志郎。油すましに竹中直人。
TV放送 2006/08/11 04ch 2100-2300
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妖星ゴラス(62)
監督 本多猪四郎
1979年。土星探検中の宇宙船隼号は、地球の六千倍の質量の星ゴラスを観測。
データを地球に送るが、引力のため星に激突する。
河野博士(上原謙)らの計算では、ゴラスは82年に地球に衝突する。
田沢博士(池辺良)は地球軌道の移動を提案。40万qの移動が必要だ。
南極に巨大なロケット基地を建設する。
ゴラス観測のため、鳳号が出発に。ゴラスは次第に質量を増大している。
爆破は不可能。さらに基地を拡張する必要があるが、それほどの予算はない。
地球の移動が開始。軌道変更によって南極に怪獣マグマが出現。移動に遅延が生ずる。
両極に海水が移動し、海抜100m以下の地は水没する事に。街に高潮が迫る。
衝突は回避され、今度は軌道を戻すため北極に基地を建設する事に。
と言うわけで、地球に星が衝突する話はよくあるが、地球を移動するのは異色。
あまりにも強引な設定。引力を考えると、あの程度のロケットでは無理に思えるが。
隼号艇長園田に田崎潤。その父の博士に志村喬。娘に白川由美。
その友人で、鳳号乗組員金井に惚れられる女性に水野久美。
宇宙省長官に西村晃。鳳号乗員に佐原健二、二瓶正也。
VHS
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用心棒(61)
監督 黒澤明
ある村は、清兵衛と牛虎と言う2人の親分が支配。互いに対立していた。
桑畑三十郎(三船敏郎)と称する男は、飯代に双方を倒すと約束。
まず清兵衛の用心棒になり、殴り込みの直前に離脱。
衝突寸前になるが、役人が現れ、治められる。双方は三十郎を用心棒に迎えたがる。
牛虎は隣町の町役人を殺害。そのため、役人は村を出る事になる。
三十郎は町役人を切った牛虎の手下を捕らえ、恐喝のネタとして清兵衛に引き渡す。
牛虎は逆に清兵衛の息子を捕らえ、交換を要求される。
牛虎の拳銃撃ち工藤(仲代達矢)は息子を渡さず、手下を射殺。
だが、清兵衛は九衛門(志村喬)の女を人質にとっていた。
しかたなく、再び交換。女はばくちのために亭主から奪われたのだ。
三十郎は牛虎の用心棒になり、女を亭主たちと逃がす。
だが、気づいた工藤らが彼を拷問。飯屋の主人(東野英治郎)が助け出す。
怒った牛虎は、清兵衛のしわざとして彼らを襲撃。全滅させる。
三十郎は山で回復するが、親父が牛虎一味に捕らわれた。
かけつけた三十郎は工藤らをたちまち倒し、去っていった。
と言うわけで、やっぱり「荒野の用心棒」とほぼ同じ展開だった。
三十郎の型破りな侍が魅力だが、何やら緻密な作戦を立てているようで調子が狂う。
清兵衛の前の用心棒に藤田進。殴り込みの時にさっさと逃げてしまう。
TV放送 93/06/20 BS05 16:02-18:00
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椿三十郎(62)
監督 黒澤明
井坂(加山雄三)ら9人衆は、藩の汚職を叔父の上代家老に報告。
だが、上代は取り合わず、お目付けの菊名に報告する。
話を聞いていた男(三船敏郎)の予想通り、菊名こそ黒幕で、彼らは窮地に。
かけつけた敵を男は倒し、室戸半兵衛(仲代達矢)に気に入られる。
菊名一味は上代をどこかに監禁。上代に罪を押しつける計画だ。
椿三十郎と名乗る男らは、奥方と娘の救出に成功。
井坂らは囮のカゴを襲撃に向かうが、寸前に椿が止める。
椿は室戸に会い、うまく仲間になるが、尾行してきた井坂らが捕らえられる。
しかたなく、椿は襲われたと称して逃がし、室戸を失望させる。
井坂らは隣の国藤(志村喬)宅に、上代がいる事に気づく。敵は相当数だ。
そこで、椿がニセの情報でおびき出し、その間に上代の救出に成功。
城勤めのできない椿は、室戸を決闘の末倒し、去っていった。
と言うわけで、用心棒の主人公が再登場した作品。
あれよりは作戦ぽいので、こっちの方が面白い気がする。
加山と、仲間川原に扮する田中邦衛の若大将コンビらが、
バカやって椿の調子を狂わせるのがおかしい。他の仲間寺田に、平田昭彦。
TV放送 93/06/20 BS05 18:02-20:00
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羅生門(1950年大映京都)
黒沢明監督
羅生門に集まった男たちは、不思議な事件があったと語り出す。
薪切りの男が死体を見つけ、役所へ届ける。
盗賊の多嚢丸(三船敏郎)は確かに男を殺したと言う。
彼はいい刀があると男女に声をかけ、男を殺害。襲いかかるが女は姿を消した。
だが、役所に来た女の話は違っていた。多嚢丸に手込めにされた女は
男にさげすまれた目で見られ、気がつくと殺していたと言うのだ。
そこで巫女を使って、死んだ男の話を聞く。多嚢丸は女を気に入るが、
女は夫を殺してと言い出す。多嚢丸は腹を立てるが、
気がつくと何者かが男の胸を刺していたのだ。
しかし、事件を見ていたと言う男(志村喬)の話はさらに違った。
多嚢丸は女を妻にしようとするが、男は命を賭けたくないといい、結局対決に。
多嚢丸は男を殺し、女が逃げた言うのだ。
どの話も信じられないという一同だが、男は人を信じられるかもと言う。
と言うわけで、芥川龍之介原作の「藪の中」と言う話の映画化で
一つの事件を、人によって違う説明をする話し、真相は藪の中と言うわけ。
真相が説明されないんだから確かに藪の中なんだが、
関わりがない連中が「まったくわからん」とうなって考え込むのも妙な感じ。
正直、これを通じて何が言いたいのかまったくわからん。
TV放送 2001/04/05 BS11 0100-0228
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惑星大戦争(1977年)
三好 国連宇宙局員。米国より戻る(森田健作)
滝川ジュン 技師。三好の元恋人(浅野ゆう子)
滝川博士 轟天を開発。ジュンの父(池部良)
室井 三好の友人。ジュンの婚約者(沖雅也)
ジミー NASA隊員
シュミット博士
三笠 宇宙ステーションテラの隊員
松沢博士 (大滝秀治)
大石司令 (平田昭彦)
幕僚 (中山昭二)
ヘル 銀河帝国司令官
88年。アメリカにいた三好は、UFO騒ぎで国連宇宙局に舞い戻る。
滝川博士は轟天の開発を進めていたが、宇宙防衛は不要として計画は中止になった。
だが今再び侵略の危機にあるのだ。
死んだはずのシュミット博士も滝川を訪ね、轟天の完成を求める。
しかし滝川は、シュミットの利き腕が違う事からニセ者と見破る。
ニセ者は宇宙人だったのだ。
金星に敵基地が見つかり、旧メンバーを集めて轟天が急造される。
出撃した轟天は、破壊されたステーションで遺体を回収。
だがそれは宇宙人で、滝川の娘ジュンがさらわれる。
銀河帝国司令官ヘルは、老いた母星を離れ、地球征服を計画していたのだ。
三好らは敵船に侵入。ジュンを救出するが、轟天は攻撃を受ける。
滝川は自身が開発した銀河系を破壊する爆弾を持って、
ドリル部を離脱させ、敵船に突入。三好は轟天を修復して帰還する。
と言うわけで、スターウォーズ公開時に、
我が東宝には轟天号ありと、急造したらしい作品。
東宝特撮が連発された時期よりは遅めで、いかにもと言う東宝俳優は平田昭彦くらい。
と言うか、主演の森田健作知事は松竹から貸し出された形に。
物語は、急造しただけあって簡単な感じ。
地球の脅威となる銀河帝国司令官とか言う人が現れるが、
その人以外に敵の気配は感じられず本当に脅威なんかいと言う感じ。
例によって突っ込みどころは満載。
捕われた浅野ゆう子は、なぜかボンテージに着替えさせられる。
牢の中からパネルを適当に操作したら外へ出られちゃう。
池部良博士は、知人の博士の利き腕が変わった事からニセ者と見抜く。
沖雅也が涅槃で待ってると言ってやられる。(これはウソです)
轟天の戦闘シーンはもう一つで、
何と言ってもドリルを使わなくてどうすると思っていたら、
ラストでドリルのとこだけ離脱して、本来とは違う使われ方をする始末。
お手軽に作っただけの事はあるねと言う出来。
TV放送 2010/05/12 日本映画 0100-0230
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悪い奴ほどよく眠る(1960年)
監督 黒澤明
西(三船敏郎)は公団副総裁岩淵の娘と結婚する事に。
大竜建設と公団の関係が噂され、公団の課長補佐和田が逮捕される。
不正入札事件が4年前にあり、関係者の自殺でうやむやになった過去があった。
公団部長守山(志村喬)らは、何者かが事件を蒸し返したと知り動揺する。
大竜建設の三浦が自殺するが、事故の疑いも。
さらに和田も火山へ身投げしようとするが、西が止める。
和田は死んだとして葬儀も行われるが、西と組んで復讐をする事に。
公団課長白井(西村晃)は和田の姿を見かけておびえるように。
白井は殺し屋(田中邦衛)に狙われるが、これも西に助けられる。
実は西は、4年前に自殺した古谷の私生児だったのだ。白井は気が変になる。
守山は古谷の私生児が西だと気づく。
西は守山を捕らえ、手に入れた金の隠し場所を脅して聞き出す。
岩淵の息子辰夫(三橋達也)は、父が悪事に関与していたと知りショックを受ける。
辰夫は急行するが、西は事故で殺されてしまう。
和田も守山もまた始末され、事件の秘密は封印されてしまう。
岩淵は不運な事故と言うが、辰夫も西の妻である娘も彼のもとを去る。
と言うわけで、黒澤明の作品は白黒時代が面白いが、
セリフが聞きにくいと言う問題あり。
ここでも三船敏郎が主役で、公団と会社の癒着が絡むのだが、
その事件自体は描かれず、その後の証拠隠滅に動くあたりのみ描かれるのが面白い。
とは言え、2時間半はちょっと長い感じで、
物語はたいして急展開せず、それでいて詰めの前に三船が死んでしまったり
もう1人の主役たる三橋達也がたいして役に立たなかったりで、拍子抜け。
TV放送 2002/09/05 BS11 2000-2235
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