キー・ラーゴ(48)

監督 ジョン・ヒューストン

 フロリダ最南端のキーラーゴ。
フランク(ハンフリー・ボガード)は戦死した部下の父テンプル氏に会う。
彼は嫁のノーラ(ローレン・バコール)と幸せな生活をしていた。
季節はずれのハリケーンがくる。保安官ベンは、行方不明の助手ソーヤを探す。
客のブラウンは、国外追放になった暗黒街の帝王ロコで、
一味はフランクらに銃を突きつけ、仲間が来るのを待つ。
ソーヤはロコに撃たれ死に、決闘を拒否したフランクは意気地なしと言われる。
嵐がひどくなり、ロコの船はどこかへ避難。そこでフランクに船を運転しろと指示。
ベンはソーヤの死体を発見。ロコの話を信じ、インディアンが犯人だと思いこむ。
ジギーたちが現れ、ロコの偽札を買い取る。ロコはキューバへ逃走の準備。
酒に溺れた芸能人のゲイは、フランクに銃を渡す。
船は出発。沖でフランクは一味を射殺して帰還。ジギーらも逮捕される。

 というわけで、ボガードが意外に情けない役。そのくせ、最後は簡単に一味を倒す。
嵐で、ギャングと孤立するという設定は面白いが、いまいち生かされていない気が。
再び、禁酒法が実施されると期待しているギャングも悲しい。

TV放送 92/05/10 10CH 03:55-05:43
 

黄色いリボン(49)

監督 ジョン・フォード

 騎兵隊のブリトルズ大尉(ジョン・ウェイン)はあと6日で退役だ。
シャイアン族との戦いに失敗。野営と見せかけてコーフィルの隊を残し撤退する。
4時間を残し、大尉は襲撃で敵を撤退させて退役。
西へ旅立つが、再び中佐待遇で軍に呼び戻される。

 と言うわけで、まだインディアンを悪役としている時代の騎兵隊もの。
ジョン・ウェインの初老の大尉が主人公で
上官の黄色いリボンが似合う娘をめぐって、部下が対立する話はおまけぽい。

TV放送 96/02/29 12CH 21:02-22:54
 

危機一髪!西半球最後の日(1968年米)

 22世紀。中国アジア連合に潜入したアランは、重要な情報を選んだらしいが
事故で冷凍状態に。人工的に記憶を作る技術は開発されているが、
それを利用して記憶を甦らせる事はできないか。
20世紀の農場でアランが強盗をしたという設定に。彼は記憶が呼び戻せず混乱。
先に潜入したグレゴリーが、危険だと警告してくる。彼は死んだはずだ。
どうやらアランは男児出産調整計画を調査していたらしい。
センシュウという人物による西世界制圧の計画に気づき、一味はアラン抹殺を企む。
グレゴリーと脱出するが、何かの力でグレゴリーは殺される。
アランは脱出。センシュウの武器は病原菌らしい。病気が根絶された未来では
感染したアラン自身が破滅の使者となるのだ。
グレゴリーも実は一味で、わざとアランを逃がした事がわかる。
施設は封鎖され、アランは冷凍されているのですぐには感染せず
7日間でワクチンを作る事となる。

 と言うわけで、細部は間違ってるかも知れないが、だいたいこんな感じ。
「合衆国最後の日」が安っぽいSF的題名だが面白かったのでこれも見たが
こっちはまさに安っぽいSFだった。記憶を操作して情報を探ると言うのは
物語の展開としてもわかりづらそうな上、未来の設定もよくわからないのが難。

TV放送 2001/04/29 BS05 1300-1440
 

紀元前1万年紀元前1万年(2008年米)

監督 ローランド・エメリッヒ

デレー ヤバル族の青年
エバレット ヤバル族の娘。デレーの妻
カレン デレーのライバル

 ヤバル族の青年デレーは、マンモス狩りの競争でカレンに勝ち、エバレットを妻に。
だが狩りに勝ったのは偶然だと、名誉の槍を返上してしまう。
謎の一団の襲撃を受け、エバレットがさらわれる。
デレーはカレンらと一団を追う事に。
途中、溺れた虎を助けた事から、同様に襲撃を受けた部族連中の信頼を得て仲間に。
一団は捕らえた連中を奴隷とし、神の山と呼ばれるピラミッドを造らせていた。
デレーはマンモスを暴れさせて突入。興奮した奴隷たちも暴動を起こす。
一団のリーダー大神に全員の解放を求めるが、拒否されるとこれをヤリで倒す。
全面対決となり、デレーらが勝利を得るが、エバレットが殺される。
だが巫母が彼女を甦らせる。デレーは共に戦った仲間と別れ、
エバレットと部族を導くと言う約束された結末を迎える。

 と言うわけで、紀元前1万年という題名で、
イグアナ版ゴジラのローランド・エメリッヒ監督と来れば
恐竜百万年のリアル版みたいな話かと思ったがさにあらず。
マンモスが出てくるくらいで、後は大きめのダチョウと虎。
人々も割に文化的で、話もありがちな部族間の争い。
1万年前という時代を選んだ意図はよくわからない。

TV放送 2009/05/17 WOWOW 2000-2154
 

危険な遊び

 母を失った少年マークは、冬休みの間、父の友人宅で過ごす事になる。
そこのヘンリー(マコーレー・カルキン)と仲良しになるが、
彼は犬を射殺し、道路に人形を落として事故を落とすなど、いたずらがエスカレート。
妹コニーまでも、氷の池に落とされる羽目に。
マークは母スーザンに説明するが、信用されない。逆に、おかしい子供と思われる。
スーザンは、ヘンリーの死んだ弟リチャードの人形を、ヘンリーの隠れ家で発見。
追求すると、殺した事を認め、今度はスーザンを崖から突き落とす。
かけつけたマークと格闘に。もろともに崖から落ちそうになる。
はいあがったスーザンは、ヘンリーをあきらめ、マークを助ける。

 と言うわけで、人気のカルキン少年が出演した異色サスペンス。
悪魔の子とでも言いたげな少年の話だが、あまりにもひどすぎて現実離れ。
後味も悪い。音楽はエルマー・バーンスタイン。

VHS
 

危険な情事(87)

 監督 エイドリアン・ライン

 ダン(マイケル・ダグラス)とベス(アン・アーチャー)は、結婚9年目の夫婦。
ベスの旅行中に、ダンは仕事で知り合ったアレックス(グレン・クローズ)と情事に。
ダンはもう会うまいと言うが、アレックスは怒って自殺をはかる。
彼女は職場に現れ、いったんは、もう会わないと約束。
ところが、妊娠したと称して、職場や家にしつこく電話をかけてきた。
父親であると自覚するまでつきまとうと言う。
ダンは電話番号を変え、新居購入を急ぐ。
警察に相談するが、現行犯でなければ手は打てないと言う。
アレックスは尾行で新居を突き止め、娘のウサギをゆで殺す。
ダンはベスに事情を説明。浮気に怒ったベスだが、アレックスに近づくなと警告。
だが、アレックスは娘のエレンを連れ出す。
結局、エレンは返されるが、心配したベスが交通事故を起こす。
怒ったダンは、アレックスのアパートへ行き、首を絞めるが途中で断念。
警察は逮捕を決定するが、アレックスは行方不明。
浴室のベスの前にナイフを持ったアレックスが現れる。気づいたダンがかけつけ格闘。
浴槽に沈めるが、まだ生きていてベスが射殺する。

 というわけで、浮気の相手につきまとわれ、嫌がらせされると言う
ずいぶん不快感あふれる話だ。ウサギを殺したあたりから異常になってくるが、
それまでの嫌がらせがもっと続いた方が、たまらなかったと思う。
アレックス自身精神的にまいっていたのが弱く、むしろ楽しんでやってほしかった。
ダンがアパートでアレックスの首を絞めたのは、後で問題にならないのだろうか。
グレン・クローズが最後には怪物のようになって、
浴槽から起き上がってくるのは、何か違う映画を見ているようだ。

TV放送 92/02/01 08CH 21:02-22:54
 

危険な年(83年オーストラリア)

 65年6月。記者ガイ(メル・ギブソン)はインドネシア・ジャカルタへ。
政情不安のスカルノ政権の取材のためだ。だが欧米の記者は門前払い。
カメラマンの小男ビリー(リンダ・ハント)は、顔をきかせて共産党議長に会わせる。
スクープになり、他の連中は悔しがる。
ビリーにジル(シガニー・ウィーバー)を紹介されるが、まもなく帰国すると言う。
人々の間で共産党支持が高まり、米国との国交断絶を求める声も。
ビリーは何やら調べ回っており、スパイではと疑うが、それが趣味だと言う。
彼はガイとジルを近づけようとする。
英国大使館で秘書をするジルによれば、共産党に武器供給する船が来ると言う。
内戦は間近で、すぐにでも脱出するべきだ。
ガイは取材したがるが、情報源がばれればジルが殺される。
その行動に失望したビリーは飛び降り自殺。ジルは明日帰国する事に。
クーデターが発生。軍が大統領官邸を占拠し、外出が禁止される。
ガイは暴行を受け、片目を失う。
暴動はイスラム系に鎮圧され、やがて戒厳令がしかれるだろう。
大混乱の空港でカメラは没収されるが、ジルが待つ機へ乗り込む。

 と言うわけで、ひいきメル・ギブソンの、
またもとっつき悪そうなので未見だった作品だが、
これにメルが出ているのも知っていたし、
リンダ・ハントが、男役でアカデミー賞を取ったのも知っていたが、
それが同じ作品だというのがつながらなくて、
初期のメルの作品が、アカデミー賞がらみだったのかと
ちょっと驚かされた。
政情不安の国へ乗り込み、最初は誰にも取材できないが、
リンダ・ハントの不思議なコネで取材できるようになると言う
どこかで聞いたような展開だが、まあここらへんは面白いとして、
その後、シガニー・ウィーバーが出てきたり、
リンダ・ハントの素性が不思議だったりしつつ、
クーデターに巻き込まれていくのだが、
そこでメルが新たな取材行動を起こすわけでなく、
右往左往する内に傷を深めていくなんて、
何だか一般市民と変わらないようで困ってしまう。
当時は、リンダ・ハントも無名で、そう言う面白みはあったのだろうが、
今では他の作品の印象もあり、「女だ」と思って見てしまうので、
何か物語的に裏がありそうで、まったくなかったりすると、
ちょっとだまされたような感じ。
音楽はモーリス・ジャール。

TV放送 2002/04/03 BS11 2000-2200
 

危険な薔薇の吐息(93)(未公開)

 女優の卵アレックス(ヘレン・スレーター)は、ランキン家の留守番をする事に。
白アリ業者と称して現れたミッキー(マイケル・マドセン)は
アレックスをランキン夫人と誤解して監禁。別人とわかると夫婦の帰宅を待つ事に。
ミッキーはかつてランキンに強盗を依頼されたが保険金狙いで、逮捕されたのだ。
隣人ウイルは実は連続殺人犯で、アレックスを夫人と思って襲うがミッキーが倒す。
帰宅したランキンはミッキーを捕らえるが、
アレックスがランキンの愛人と称したため、夫人はランキンを疑うように。
実はウイルに依頼し夫人殺害を企んでいたランキンは、
一同を強盗として殺害し、夫人も始末しようとするが弾切れ。
アレックスらは退散し、ウイルは逮捕。殺人容疑をめぐり夫婦は対立。
アレックスは女優の仕事を得る。

 と言うわけで、ヘレン・スレーターがになるので見たがやや貧弱。
5人の思惑が入り交じり、話がだいぶややこしくなって整理ができてない感じ。
アレックスが簡単にミッキーに寝返るあたりもわかりづらい。

TV放送 99/01/03 11CH 02:38-04:25
 

危険な微笑 氷の情事がこわれるとき!?(93)(未公開)

 刑事兼弁護士ネッド(アーマンド・アサンテ)の妻ラーナは、
自動車修理工フランクと浮気。ネッドの保険金殺人を計画。
一方、ネッドの秘書ラウラ(シェリリン・フェン)は暴力的な夫に追われていた。
さらに裁判で負けネッドを恨むマックス(ジェームズ・レマー)が出所し彼を狙う。
謎の美女ローラ(ショーン・ヤング)までもが彼をつけ狙う。
ラーナは列車で彼を殺そうとするが、誤ってマックスを射殺。
彼を助けたと誤解したネッドの弁護で、ラーナは無罪。真相を知るフランクを処分。
実はローラはラーナの双子の妹で、かつて恋人を奪われた復讐に来たのだ。
真相を知ったラウラが現れるが、彼女の夫も現れて大混乱に。
すべてを倒して、ネッドはラウラと結婚する。

 と言うわけで、「愛が壊れるとき」「ケープ・フィアー」他の映画をすべて
パロディにしてしまったために、何が何だかわからない、かなりややこしい映画に。
まあ、そう言う効果を狙ったんだろうけど。

TV放送 96/03/19 BS05 13:00-14:40
 

危険なメソッド(2011年英独カナダ仏)

ユング 心理学者(マイケル・ファスベンダー)
ザビーナ・シュピールライン ユングの患者(キーラ・ナイトレー)
フロイト ユングの師匠(ビゴ・モーテンセン)
グロス博士 (ヴァンサン・カッセル)

 1904年。精神病院に入れられたザビーナをユング博士が担当する事に。
暴れて手を焼かせる患者だったが、助手をさせると被験者の分析が適格で驚かされる。
彼女は、父に折檻されると気持ちいいと感じたと告白。
ユングの師匠であるフロイト博士は、彼女のマゾヒズムを性的なものと解釈。
一方ユングは、もっと広い解釈をすべきだと言う。
入院してきたグロス博士は、患者と関係すべきだと言う。
ユングは困惑するが、ザビーナに誘惑されて関係してしまう。
後悔したユングは関係を断とうとするが、ザビーナはユングとの噂を流す。
 10年。ユングはザビーナと再会し、再び関係する様に。
 12年。フロイトは、神秘主義に走ったユングに失望したと語る。
だが、ザビーナは2人が共存できなければ進歩は遅れると言う。
フロイトはザビーナを助手とし、ユングと互いを批判する手紙のやり取りをする。
 13年。ユングは神経衰弱になり、妻はザビーナに分析を依頼。
結婚していたザビーナは、自分が病気になっちゃダメと説得。
ユングは、君への愛は大切だったと語るのだった。
 フロイトはナチスに追われ、39年癌で死亡。
ザビーナは精神分析家を育てたが、41年にナチスによって銃殺される。
ユングは長期の神経衰弱になるが、世界的な心理学者とされ、61年に平穏に没した。

 と言う訳で、デビッド・クローネンバーグ監督のドラマ。
主人公は心理学者ユング博士(マイケル・ファスペンダー)で、
彼はフロイト博士(ビゴ・モーテンセン)を師匠と慕っていた。
そんなユングの前に、患者キーラ・ナイトレーが現れ、
彼女の扱いをめぐって、2人が対立すると言う訳。
すべての行動を性的衝動で説明できると言うフロイトは、
ユングを誘惑するキーラの行動に理解を示す。
一方、理論に霊とか宗教みたいなものまで持ち出すユングは、
誘惑される自分に困惑すると言う訳。
クローネンバーグ映画として期待した、突き抜けた異常さは感じられず、
心理学の歴史を学んでるみたい。
監督:デビッド・クローネンバーグ

TV放送 2015/04/30 イマジカ 1430-1609
 

キス&キル(2010年米)

ジェン
ジェンの父 (トム・セレック)
ジェンの母 (ホームアローンの母)
スペンサー ジェンの夫(アシュトン・カッチャー)

 恋人に振られて傷心旅行に出たジェンは、旅先で知り合ったスペンサーと結婚。
3年が経過し、近所とも親しい幸せな生活を送っていた。
だが、実は殺し屋だったスペンサーの所に、新たな仕事の指示が来る。
結婚を機に足を洗ったとスペンサーは断るが、
組織はスペンサーに2000万ドルの懸賞金をかけており、命を狙われる。
近所のヘンリーや部下ビビアンに襲われるが撃退。
帰宅したジェンもようやく事情を知るが、配達人や近所の女性に襲われる始末。
実はジェンの父も同じ組織にいて、スペンサーの裏切りを疑い、始末を指示したのだ。
だがスペンサーが足を洗い、ジェンが妊娠したと知り和解。
今後はうそをつかないと約束するが、
実はスパイの装備を使って生まれた赤ん坊を守っていた。

 と言うわけで、アシュトン・カッチャー主演のアクションコメディ。
もちろん、トムクルーズのアレと間違えて見ました。
ジェンと言う女性は、旅先で知り合ったアシュトン・カッチャーと結婚。
ご近所とも仲の良い幸せな夫婦となったつもりだった。
実はカッチャーには裏の顔(平和を乱す輩を始末する殺し屋)があって、
結婚を機に引退を決意。
そうはさせじと、組織が彼に懸賞金をかけ、
一味だったご近所さんに命を狙われると言う訳。
発想的には、ブラピ・ジョリーのMrMrsスミスと同じだが、
本作では素人はヒロインだけでしたと言うあたりが落ちらしい。
そんな話が以前もあった気もするけど。。。
ジェンの父がトム・セレックで、存在感ありすぎ。

TV放送 2011/11/05 WOWOW 2000-2140
 

キス・オブ・ザ・ドラゴン(2001年米・仏合作)

 中国の刑事リュウ(ジェット・リー)はフランスを訪問。
リチャード警部と組み、中国人と娼婦を見張るが、リチャードは彼らを襲撃。
目撃者であるリュウも狙われるが、彼は監視カメラのビデオを奪って逃走する。
リチャードはリュウを殺人犯と称するが、
かけつけた中国のタンは捜査に協力しつつ、その話には疑問を感じている。
隠れていた娼婦ジェシカ(ブリジット・フォンダ)はリュウを見つけて助けを求める。
リュウは上司と接触するが、一味の襲撃を受け上司が殺され、テープも奪われる。
さらには頼っていた老人(バート・クオーク)も殺される。
ジェシカは娘が一味に捕らわれていたが、
リュウの指示でテープを取り戻すためリチャードの所へ乗り込む。
テープは奪うが彼女は撃たれて負傷。リュウは娘の救出を約束する。
リュウは単身警察署に乗り込み、大量の警官をことごとく倒す。
娘を人質に取ったリチャードと対決。ドラゴンのキスという禁断のツボをつき、
リチャードは動けなくなって死ぬ。

 と言うわけで、リュック・ベッソンが関係するフランス映画にジェット・リー登場。
おかげでどこか無国籍的な話で、フランスなんだかアメリカなんだかピンと来ない。
戦わせたら無敵のジェット・リーの格闘シーンは、
いわゆる香港流のそれよりも見ていて迫力があっていいが、
とどめは鍼で倒すなんて、北斗の拳のような感じ。
最初は事件に巻き込まれたはずの彼が、
後半はブリジット・フォンダを助ける話に様変わりし、
そもそもあの悪徳刑事は、なぜ容疑者を殺す必要があったのか、
それはよくわからない。

TV放送 2002/09/15 BS05 2000-2155
 

傷だらけの栄光(56)

監督 ロバート・ワイズ

 ニューヨーク。ボクサーの息子ロッキー(ポール・ニューマン)は
少年院を脱走し、こそ泥ケンカの連続。少年院でも暴れ、ついに大人の刑務所へ。
出所すると、今度は陸軍に入隊させられる。ここを逃亡し、ボクシングジムへ。
試合に出たら、連勝してしまう。だが、軍に見つかり、除籍処分に。
刑務所へ入るが、看守がプロボクサー用の特訓をさせる。
出所しても連勝。妹の友人ノーマと接近し、彼女と結婚。
やがて、ミドル級世界選手権で、ゼールに敗退。
刑務所仲間のフランキーが、軍除籍した事を公表すると脅し、八百長を強要。
次の試合はケガを口実に中止に。取調べに、犯人の名前を隠したためライセンス剥奪。
だが、シカゴならゼール戦も可能だ。ノーマは今こそ過去を背負う時だと言う。
試合では、ゼールの応援ばかり。苦戦するが、反撃で勝利をおさめる。

 と言うわけで、「ロッキー」のモデルで、ポール・ニューマンの出世作。
ボクシング自体よりは、私生活の話が多い。
少年時代の仲間にロモロに、サル・ミネオ。フィデルに、スティーブ・マックイーン。

TV放送 93/03/18 BS05 20:00-22:00
 

奇跡の人(62)

 全盲聾唖のヘレンは、家で暴れ回り家族も手を焼く。父アーサーは邪魔者扱いだ。
盲学校より、自分も弱視のサリバン(アン・バンクロフト)が教育に来る。
家族の反対の中、サリバンはわがまま放題のヘレンを殴って教育。
甘やかしては効果ないと厳しくするが、両親はサリバンを追い出そうとする。
2週間だけと言う約束で2人で生活。何とか言葉に意味のある事を教えようとするが
時間切れに。おとなしくなったため両親は教育を続ける事を認めるが、
家に戻ると再び暴れ出す。
サリバンはこのままでは水の泡と無理矢理水をくませるが、
その時、ヘレンはそれが水だと言った。ついに言葉を理解したのだった。

 と言うわけで、全盲聾唖と言うヘレン・ケラーに言葉を教えると言う
考えただけでも大変な作業をする物語。
最後は感動的だが、ヘレンが暴れる様は大変で、ちょっと見ていてつらいところも。

TV放送 2000/01/05 12CH 1300-1700
 

奇跡の旅2 エアポート大脱出(96)

 飼い主と仲の悪くなった犬たちは、飛行機旅行を殺されると誤解し逃走。
走って家まで帰る事に。心配した飼い主たちも家へ戻ることに。
都会の野良犬の信頼を得て道案内させ、野犬狩りを撃退。飼い主たちと再会する。

 と言うわけで、動物語での旅行を描いた話で
それもよく聞く話だが、この映画自体が前作の焼き直しらしい。
飼い主一家の父親にロバート・ヘイズ。

TV放送 98/02/21 BS05 20:00-21:30
 

北国の帝王(73)

 監督 ロバート・アルドリッチ

 1933年。恐慌の時代。列車のタダ乗り常習者ホーボーと言う連中が現れる。
19列車の車掌シャック(アーネスト・ボーグナイン)は、
ホーボーをハンマーで殴り殺すため、誰も19列車には乗らなかった。
bP(リー・マービン)と言う男は、19列車に乗り込み、
それを追って若いシガレット(キース・キャラダイン)も乗り込む。
気づいたシャックは、2人を貨車に閉じこめるが、bPは枯れ葉に火をつけて、脱出。
bPは、ホーボー仲間で「北国の帝王」と呼ばれる人物だったのだ。
彼は19列車に乗ると予告。シャックらは万全の整備をして待ち受ける。

 濃霧の中、シャックは全速で操車場を通過。
bPがポイントを切り換えたため、別の列車に激突。バックしている間に乗り込む。
シャックはチェーンを持って追うが、bPは連結機をはずして逃走。
対向列車が迫っており、あわてて発進。間一髪駅に逃げ込み、衝突は免れる。
bPとシガレットは列車に乗り込んでいたが、シガレットが帽子を落とし感づかれる。
2人は降りて待機。列車は点検を終え発進。bPらは床の下に乗り込む。
シャックが、鉄棒をつけたロープをたらし、石がはねる。
bPは屋根に登ろうとするが転落。シガレットもハンマーをぶつけられ転落。

 bPはグリースを線路に塗り、スリップした後続の客車に乗り込む。
途中駅で19列車に追いつき、再び、19列車に乗ると予告。
シャックはスピードを上げず、待ちかまえ、bPらは再び床下に乗り込む。
鉄棒の攻撃に対してシガレットが助けず、bPは床下の急ブレーキをかける。
列車は急停止。ブレーキ係はクビを折って死亡し、bPも負傷。
シャックは再び列車を走らせ、乗り込んだシガレットを追う。
bPがかけつけ、木材用の車両で斧を持って格闘。
シャックを叩き落とすが、まだまいらないと叫ぶシャック。
シガレットははしゃぐが、bPは、ホーボーの器ではないと、彼を川になげ落とす。

 というわけで、アルドリッチ監督で、確かに男くさい映画ではあったが、
だからどうしたと言う感も強い。
ただ乗りをする連中をホーボーと言うようだが、ホーボーの定義はそれだけなのか。
違うような気がするが。執念深くただ乗りするbPは、
「これは遊びじゃない」などと言っているが、楽しんでいるだけで
生活のためにやっているようには見えない。何かだまされたと言う感じ。

LD
 

来るべき世界(1936年英)

ジョン・キャバル 新秩序の指導者
議長 キャバルの孫
チーフ 領主
テオトコプロス 芸術長官

 1940年。エブリタウンと言う町では、世界大戦の危機に怯えていた。
やがて宣戦布告なしに攻撃を受け、戦争が始まる。
戦争は1966年まで続いて終結するが、敵がばらまいた夢遊病が蔓延。
患者は射殺される暗黒時代となる。
1970年。人類の半分が死に、夢遊病は駆逐。
付近はチーフと言う領主が牛耳っていた。
そんな中、未来的な飛行機が飛来。現れたのは、エブリタウン出身のキャバルだった。
キャバルは新秩序を確立したと言うが、チーフはわずかな兵器で攻め入ろうとする。
キャバルの仲間は、大量の飛行機で襲来。ガスで住人を眠らせて占領する。
彼らは新技術で資源を採掘し、2036年には未来的な都市が完成。
キャバルの孫が議長として治めるが、
芸術長官テオトコプロスは行きすぎた進化に反発する。
議長は完成した宇宙砲で、娘たちを月に送る事に。危険でも、価値ある行為だと主張。
暴徒が迫る中、宇宙砲の発射に成功する。議長は、やがて月も征服するだろうと言う。
人類の選択肢は、全宇宙を支配するか無のどちらかなのだ。

 と言う訳で、H・G・ウェルズの小説の映画化。
36年製作と言うと大戦前だが、次の大戦を予言。
さらに、それが宣戦布告なしの戦争だと言う所まで的中。
予言が的中するのはここまでで、映画の戦争は半世紀近く続き、世界中が荒廃。
夢遊病と言う病気が蔓延する。
このあたりは、世紀末ものやゾンビものの走りみたいな雰囲気。
どこ対どこの戦争かわからなくなる中、
まるで宇宙から来たみたいな新技術の軍隊が現れて戦争を終結。
新技術で世界を復興させるが、進化に反発する連中も現れると言う訳。
ダイヤの原石みたいなのがゴロゴロしてる感じで、
面白そうな雰囲気はあれど、物語的にはまとまりがないかも。

TV放送 2015/01/02 イマジカ 0430-0603
 

キック・アス(2010年英米)

デイブ キックアス
ミンディ・マクレディ ヒットガール
ビックダディ ミンディの父(ニコラス・ケイジ)
フランク・ダミーゴ 組織のボス
クリス・ダミーゴ フランクの息子。デイブの同級生
マーカス ダディの元相棒の警官

 スポーツも勉強もゲームも苦手なデイブは、
ヒーローに憧れ、コスチュームで街に出るように。
車泥棒に出くわすが、逆に刺されてしまう。
回復し、またも男たちに襲われるが何とか撃退。
キックアスと名乗り、その光景がネットで評判になる。
惹かれているケイティもキックアスに夢中に。
デイブをゲイと誤解し、キックアスの事で相談される。
ケイティがラズールに暴力をふるわれたと知り、
キックアスとして撃退しようとするが失敗。
ヒットガールと言う、マスクの凄腕の娘に助けられる。
組織のボス、フランクは、手下がキックアスに倒されたと誤解し、始末を指示。
 元警官のダディは麻薬の売人に仕立てられ刑務所へ。
妻は自殺するが、娘ミンディが産まれる。
出所したダディは復讐を決意し、
ミンデイ扮するヒットガールと世直しを開始したのだ。
 フランクはキックアスを見つけ射殺するが、本物ではなくコスプレだったと判明。
そこでフランクの息子クリスはレッドミストと言うヒーローに扮し、
キックアスと接触。某所におびき出すが、何者かに既に手下が始末されていた。
監視映像からビックダディと言うヒーローの仕業と知る。
デイブはキックアスを辞める事を決意。ケイティに真相を明かし親密に。
だが再びミストから連絡が入る。
ミストは、彼らに賞金がかけられたため、他のヒーローに助けを求めたいと言う。
キックアスの呼び掛けに、ビックダディが現れるが、一味の罠で捕われてしまう。
フランクは2人を見せしめにしようとするが、かけつけたヒットガールが救出。
ビックダディは火傷で死に、最後まで戦うと言うヒットガールに、
キックアスも付き合う事に。
キックアスらはフランクのアジトを襲撃。フランクをバズーカで倒す。
ミンデイは、ダディの元相棒マーカスが引き取り学校へ。
キックアスらに影響され、各地に新ヒーローが現れる。
一方クリスは、新たな悪役として登場する事を決意する。

 と言うわけで、平凡な学生である主人公が、ヒーローになろうとする話。
元祖ヒーローのスーパーマンは宇宙人だったが、
より身近な存在にするため、ただの大金持ちとか、
ただの特殊なクモに噛まれただけの人とか、そんな連中が現れた。
本作はさらに身近な存在がヒーローになると言う、
親近感は湧くが、強くはないと言う、微妙なあたりを狙った話。
その発想は面白いけど、微妙さ加減がまさに微妙で、
不用意に悪人に立ち向かってやられたりする、手際の悪さがもどかしい。
その対比で、妙に手慣れた親子もちょっと違和感あり。
凄く面白くなりそうだが、そこに至らない残念な感じ。

TV放送 2011/09/23 WOWOW 2200-2257
 

キック・アス/ジャスティス・フォーエバー(2013年英米)

ディブ キックアス(ゴジラの主役)
ミンディ ヒットガール(クロエ・グレース・モレッツ)
マーカス ミンディの保護者。刑事(Vのライアン)
大佐 ヒーロー仲間(ジム・キャリー)
ドクター ヒーロー仲間
ナイトビッチ ヒーロー仲間
マーティ バトルガイ。エディの友人
トッド アスキッカー。エディの友人
クリス マザーファッカー。キックアスの宿敵
ハビエル クリスの右腕(ジョン・レザイクモ)
ブルック 学園の女王

 ミンディは、保護者である刑事マーカスに止められ、
ヒットガールの活動をやめる事を決意。
相棒を探すキックアスことデイブは、同じようなヒーローの集まりに参加。
リーダーの大佐と街へ繰り出し、売春組織の壊滅に成功する。
ミンディは、学園の女王ブルックと親しくなるが、
からかい目的だと気付いて逆に懲らしめる。
マザーファッカーと名を変え、キックアスへの復讐を誓うクリスは、
ネットで集めた仲間を従え、大佐を殺害。
キックアスの彼女だと言うナイトビッチに暴行。かけつけた警官10人が殺害される。
一網打尽にしようとする警察は一味のリストを作成し、
そこにはキックアスも含まれていた。
デイブの父は、息子をかばって逮捕され、一味に襲撃されて殺される。
ショックを受けたデイブは、ヒーローをやめたミンディが正しかったと言うが、
一味に襲撃され、ミンディに助けられる。
一味が町を爆弾で吹っ飛ばす気だと知り、デイブはネットで仲間を集める。
クリスのアジトに押し掛け、大乱闘に。彼をサメの水槽に落として倒す。
デイブは、ヒーロー仲間にこれで終わりだと宣言。
ミンディは、この町にはあなたがいると言って去る。
現実には、ヒーローではなく真のタフガイが必要なのだ。
一方、手足を喰われたクリスだったが、まだ病室で生きていた。

 と言う訳で、キックアスの続編。
前作で父を失ったヒットガールことミンディ(クロエ・グレース・モレッツ)は、
普通の女学生になる事を決意。
キックアスことデイブは新たな仲間を作る為、ヒーローを志す連中を集める。
一方、キックアスらに復讐心を抱くクリスは、
マザーファッカーと名を変え、悪の軍団を組織すると言う訳。
あの話の続きがあったらどうなる?と言う程度の発想で、目新しさはほぼない。
ジム・キャリーがキックアスの仲間として怪演を見せるかと期待したが、
これがほぼ見せ場なく退場して期待外れ。
クロエちゃんが学園の女王をギャフンと言わせるのは面白いんだが、
どうにもおへちゃ顔で、そもそも女王と同じ空間にいるのが違和感あり。

TV放送 2015/03/01 WOWOW 0100-0243
 

キック・オーバー(2012年英)

男 囚人(メル・ギブソン)
少年 男と親しくなる
少年の母
ジャック メルに付きまとう男
ハビ ボス
フランク ハビに敵対するボス(プリズンブレイクのアブルッチ)
バスケス 警官
カウフマン 造船業の大物(24のケニン)

 メキシコの国境付近。
銀行強盗した男は捕まり、刑務所に入れられる。
そこは刑務所と言うより盛り場で、所長以外の何者かが支配しているらしい。
金さえ払えば、特別待遇も受けられると言う。
 親しくなった少年によると所内の支配者はハビだと言う。
肝臓移植が必要なハビは、少年の父親を殺し、
少年を特別待遇にして、いずれ移植する考えだ。
少年は男に心を開き、少年の母親も彼を信頼するようなる。
 警官バスケスは、強盗で得た200万ドルのありかを聞き出そうと男を痛めつける。
バスケスが200万ドルを横取りしたと情報を流した為、
ハビ一味がバスケスを倒してしまう。
 男はハビに会い、敵対するフランクを倒す事で出所出来るよう話をつける。
バーンズと称して造船業の大物カウフマンを気絶させ、さらに現れたフランクを倒す。
 刑務所の閉鎖が近いと知ったハビは、肝臓を移植して退散する気だ。
警官隊が乱入し、混乱する中、男は警官に扮して逃げようとするが、
思い直して手術室へ。ハビを倒し、医師を脅して肝臓を戻させる。
 男は医師に扮して、いただいた金を持って退散。
本物のバーンズは、カウフマン一味の襲撃を受けるのだった。

 と言うわけで、結構老けたメル・ギブソン主演映画。
彼はギャングの金を盗み、メキシコへの逃亡を図るが、メキシコ側で捕まってしまう。
入れられた刑務所は、プリズンブレイクの3シーズンを連想させる無法な場所。
脱獄は出来ないが、外部から一般人が入る事はでき、
銃などの持ち込みも黙認されているのだ。
外国人であるメルは、この地に多少困惑するが、すぐに慣れてしまいうまく立ち回る。
ギャングの金をめぐり、奪われた連中と、敵対する組織の連中に狙われ、
さらに悪徳警官とかも現れるが、メルにはさほど障害でない様子。
むしろ、所内で知り合った少年とその母を、
どうやって助けだすかがメインの問題みたい。
人物関係がわかりづらく(メルに役名がないのもわかりづらい要因)、
中盤くらいまで苦戦。
後半、2つの組織のボスを次々倒し、少年親子を助け出すのはあざやかな感じだが、
そんなに手際良いなら、最初から捕まんなよと言う気も。

TV放送 2013/09/01 WOWOW 2315-0100
 

キックボクサー(1989年アメリカ)

カート 兄のセコンド(ジャン・クロード・バン・ダム)
エリック キックボクサー
ジアン ムエタイの達人
マイリー ジアンの姪。カートと恋仲に
テイラー 運転手。カートに協力
トン・ポー タイのムエタイチャンピオン
フレディ・リー 一味のボス

 キックボクサーのエリックは、最強の敵と戦うべくタイへ行き、トン・ポーと対戦。
怪力の上、反則もいとわない相手に、下半身不随にされる。
セコンドの弟カートは、トン・ポーへの復讐心を燃やし、
ムエタイを習おうとするが、誰も相手にしない。
運転手テイラーに教えられたジアンの弟子となり、彼の教えを受ける事に。
厳しい訓練に耐えたカートは、試合でも勝ち、トン・ポーからの果たし状を受ける。
対戦は墓地で行われる昔ながらの殺し合い方式だ。
エリックが人質に捕られ、カートは防戦一方。
ジアンがアジトに忍び込みエリックを救出。
ジアンの姪マイリーが、トン・ポーにレイプされたと知り、
怒りが頂点に達したカートは、トン・ポーを滅多打ちにして倒す。

 と言うわけで、バンダムは結構押さえたが、
出世作だと言う本作は未見で、ようやく見た。
冒頭キックボクサーとして出てくるのは別の人で、バンダムはその弟役。
まだ若いのか、いかにも坊っちゃん風。
兄貴がルール無用のムエタイ選手に不随にされ、復讐のためムエタイを覚える訳。
相手はルール無用なんだから、相手に合わせてムエタイで戦おうと言うのは、
どうかと思うが。
バンダムは仙人みたいな師匠につき、彼は弟子をとらないはずがあっさり弟子入り。
根性で技を習得していくが、敵一味は兄を人質にとり、
恋人をレイプしたりと極悪非道の限りを尽くす。
おかげで試合ではやられっぱなしだったが、
師匠が兄を救出したと知ると、急に強くなって大反撃。
言ってみれば、少年ジャンプ的な根性ものだが、
恋人をレイプされた点をあまり気にしていなかったり
(達観的な師匠がそんな目に合う事を阻止できないし)、
大ボスに仕返ししなかったあたりに、
あくまで物語は、キックボクシングを見せるための添え物と言う印象を受ける。

TV放送 2010/12/21 ムービープラス 1900-2037
 

キッド(21)

監督 チャールズ・チャップリン

 ある娘が赤ん坊を捨て、浮浪者(チャールズ・チャップリン)が拾う。
彼は捨てるに捨てられず、引き取る羽目に。娘は後悔するが、後の祭だった。
5年後。成長したジョンが窓ガラスを割り、浮浪者が修理して生計を立てる。
娘はスターになり、慈善事業の中で、病気になったジョンと出会う。
医師はジョンが捨て子と気づき、孤児院に入れられそうになるが、抵抗して逃走。
娘はジョンが自分の子供と知り、賞金をかける。
ジョンは捕まり、浮浪者は失望するが、警察に連れられて娘の家でジョンと再会する。

 と言うわけで、チャップリン映画と言っても、風刺色は強くなく、
古い感じの人情もの。音楽もチャールズ・チャップリン。

TV放送 94/06/05 BS05 15:45-16:56
 

キッド(2000年米)

 イメージコンサルタントのラス(ブルース・ウイリス)は、皆に頼りにされる。
だが、人付き合いは嫌いで、引っ越しを手伝えと言う父にも会おうともしない。
公約違反の議員を、子供を利用してイメージ回復させようとするが、
これには助手エイミーも反発。子供のような面も見え隠れすると皮肉る。
ラスの屋敷に子供の影と飛行機のオモチャ。そして本物の飛行機にも追い回される。
ついに現れた子供は8歳のラスだと言う。どうやらラス本人らしい。
彼は犬も飼わずに、パイロットにもなっていないのは負け犬だと皮肉る。
エイミーはそっくりの彼を隠し子と疑うが、正直に言うと話を信ずる。
子供のラスはエイミーに求婚し、エイミーはラスを見る目が変わる。
今の自分を見直す意味があったと感じ、子供の頃の話を聞く。
かつてはいじめられっ子だったラス。気がつくとラスは当時にいた。
子供のラスは、大人のラスが教えたボクシングでいじめっ子ヴィンスを倒し、
これで何もかもが変わるはず。だが大人のラスの記憶では学生時代は灰色。
憂鬱になるが、彼らの前に犬を飼うパイロットのラスが現れる。
30年後の姿で、妻はエイミーだと言う。答えはゆっくり探せ。
僕らは大丈夫。負け犬じゃないと感じると子供のラスは姿を消し、
ラスはエイミーをデートに誘う事にする。

 と言うわけで、タイムスリップぽい設定で、自分の人生を見直す話。
まあ時間がバックするわけでなく、過去も変わらないようなので、
何となくこぢんまりと収まった感じ。
ほのぼの風で悪くはないと思うが。

TV放送 2002/03/31 BS05 2000-2157
 

きっと忘れない(94)

 ハーバード大のモンティは、卒論をボイラー室に住む男サイモン(ジョー・ペシ)に
奪われ、少しずつ返す約束でたかられるハメに。サイモンは世捨て人で、
政府論で教授をやりこめたり、魅力的な面もある。論文を返し姿をくらますサイモン。
彼は船員時代アスベストで肺をやられ、回復の見込みがないのだ。
彼に感化され卒論を書き直すモンティ。嫌っていた同居人ジェフも心配するように。
彼らに見守られサイモンは息を引き取り、モンティは卒論を完成させる。

 と言うわけで、しゃべりが得意のジョー・ペシが
ホームレスだが大学教授よりも頭よかったりする展開だが、それほど痛快感はない。

VHS
 

ギフト(2000年)

監督 サム・ライミ

 占い師のアニーは多くの人に頼りにされる。
夫ドニー(キアヌ・リーブス)の暴力を受けると言うヴァレリーには、
彼に殺す度胸はないと助言。だがドニーはそんなアニーに怒鳴り込む。
息子の教師コリンズはジェシカと婚約しているが、ジェシカは不倫しているらしい。
バディは精神が不安定だが心優しく、アニーの息子を脅すドニーを殴る。
ジェシカが失踪し、捜査が行き詰まり、父キング氏はアニーに助けを求める。
彼女は池に沈むジェシカをイメージし、本当に彼女の遺体が見つかる。
そこはドニーの土地で、爪からは彼の皮膚が見つかる。
弁護士ダンカンに会うが、彼こそジェシカの浮気相手だった。
裁判では霊能力を疑問視する声が出る。裁判所の前で暴れたバディは逮捕される。
ドニーはジェシカとの関係を認めるが、殺害は否定。だが有罪となる。
ヴァレリーはジェシカの死を知りほっとしたと言う。さらにイメージを見たアニーは
真犯人がドニーでないと気づき、ダンカンに相談するが、
それでは証拠にならず、もし本当なら真犯人に狙われると言う。
真犯人を知りたいアニーは、コリンズと池へ行くが、彼に触れると
彼こそ真犯人と気づく。ジェシカの性悪さに怒りが爆発したのだ。
コリンズはアニーを殺そうとするが、バディがかけつけてコリンズを殴り倒す。
コリンズは逮捕されるが、保安官はバディが助けたはずはないと言う。
バディはその夜、首を吊って自殺したのだった。

 と言うわけで、キアヌ・リーブスが出てる映画というイメージで見たが
実際にはかなり脇役で、しかも悪いヤツ。
ただ、「意外な真犯人」が出てきそうな展開から、
早い段階で彼が犯人でない事はわかってしまい、彼自身も物語から退場。
後は、いろんな怪しい連中が右往左往して、
まあ誰が犯人でもいいじゃんという感じ。
TVフレンズで、ちょっと違う世界にいる男を演じた人が、
本作でも似たような役柄で登場。
彼が何かしでかすとは思ったが、まあラストはちょっと面白いかも。
ジェシカ役はドーソンズ・クリークのケイティ・ホームズ

TV放送
 

騎兵隊(59)

監督 ジョン・フォード

 南北戦争。マーロー大佐(ジョン・ウエイン)は様々な作戦で兵を酷使。
軍医ケンドール少佐(ウイリアム・ホールデン)は批判的で
黒人の出産の手伝いもしたりして、マーローの目の敵にされる。
南部のハンナと言う女性の屋敷に野営するが、彼女はひそかに作戦を盗み聞く。
それがばれて、一行はハンナを連れて行く事に。
南軍補給基地であるニュートン駅は簡単に降伏。だが補給列車が来て戦闘に。
犠牲者が多数出る。まもなく南軍に包囲されるのは必至だ。
一方、南軍は幼い士官学生を集めて襲撃を計画。
ケンドールはマーローの作戦に反発。南軍の攻撃を受け、戦闘に。
マーローは負傷者を南軍に任せようと言うが、
ケンドールは捕虜になってでもとどまると言う。

 と言うわけで、ジョン・ウェインの騎兵隊ものだが
撃ち合いはスカッとするような物ではなく、
人道的なホールデンがポイントを稼ぐのに対し、ウエインの方はちょっと堅物。
全編この二人がもめるシーンばかりで、ちょっと拍子抜け。

TV放送 2000/10/18 BS11 2100-2300
 



見逃していた「キャスト・アウェイ」(2000)を見た。

 トム・ハンクスは「フィラデルフィア」「フォレスト・ガンプ」で
2年連続でアカデミー賞を受賞し、その後の「アポロ13」での受賞は逃したものの
今作でも受賞が期待され、結果として逃した作品。
フォレスト・ガンプのロバート・ゼメキス監督と組み
主な出演者は、恋人役のヘレン・ハントのみで
後は延々とトム・ハンクスが無人島で過ごすと言う話で
そう言う話は今までに多くあったと言う意見も聞かれたのだが、
やはり好かれる題材なのか、面白そうなので見てしまえ。

 冒頭はフェデックス社の宅配便があちこちを送られる映像。
ミサイル目線とか、異色では精子目線なんて映像もあったが
今回は宅配便の荷物目線。でも、それほどの効果があるわけではなく、
ちょっとカメラが不安定で見ていて気持ち悪い。
荷物は妻から単身赴任中の夫に届くが、その夫は浮気中だったと言うシーン。
一方、別の宅配便がモスクワに届き、さらに子供がフェデックスの営業所へ届ける。
そこへは、チャック(トム・ハンクス)が視察に来ていた。
宅配便は、彼自身が送った物で、その中には時計が。
これだけの時間がかかったと言い、少しでも時間を短縮しなければならないと
従業員に発破をかける。
各地を視察しているチャックは、飛行機で地元へ帰還。
同僚スタンの妻が病気で危ないと知り、いい医師がいるから今度紹介すると約束。
続いて、恋人ケリー(ヘレン・ハント)の所へ。
彼女は学位論文に取り組む教授で、二人とも仕事に追われて忙しくなかなか会えない。
周囲はいつ結婚するのかと騒ぎ立て、彼らも様子はうかがっている。
チャックは仕事で南米に行く事になり、
見送るケリーにクリスマスプレゼントをもらう。
それは祖父からもらったと言うペンダントで、中にはケリーの写真が。
すぐ戻るよと言い残して、チャックは旅立っていった。
飛行機はチャックの他は乗務員だけと言う数人の輸送機。
だが嵐で機は大揺れ。救命用のスーツを着ろと言われるが、
モタモタしていると、知人の乗務員が助けに来ようとして、
振動で倒れて頭を負傷。血が流れて生死は不明だ。
驚いているまもなく、ついに機は墜落。
チャックは海に投げ出され、いつの間にか救命ボートが開くが
他の乗員がどうなったか確認するまもなく、流されてしまう。
そのまま失神し、気がつくとどこかの島に流れ着いていた。

 しばし呆然とするチャックだが、誰かが助けに来る気配もない。
仕方なく、砂浜にHELPと字を書くが、波で流されてしまうので
木を並べて書き直す。
何かの音に怯えるが、椰子の実が落ちる音と知り、これを割ろうとして苦戦。
石をナイフ代わりに使うが、石の方が割れてしまい
ようやく割れても、中の汁が流れてしまう始末。
苦労して山を登り、頂上から見回すが、ここが小さな島で
誰も住んでいない事がわかる。
そして、パイロットの遺体が流れ着いたのを発見し、これを埋める。
彼の持ち物を回収。懐中電灯を得るが、無駄遣いで電池をなくす。
沖に船の明かりらしき物が見え、叫ぶが聞こえそうもなく
破れかけの救命ボートで沖へ出るが、激しい荒波で先へは進めず
ボートは破れて使い物にならなくなり、珊瑚礁で足を負傷する。
服はボロボロで、テントを張って雨露をしのぐ。
靴は使えなくなったので、布を巻いて靴の代わりに。
やけになったチャックは、今まで手をつけなかった、流れ着いた宅配便を開き始める。
アイススケートの靴は、ナイフ代わりに使用。ドレスは魚取りの網にする。
ウイルソン社製のバレーボールはたいして役に立ちそうもない。
そして大量のビデオテープも。力を落とすチャック。
なぜか1つの箱だけは開けないので、何か説明があるのかと思ったが
その箱に天使の羽根が描かれていたのがポイントらしい。
しかし、パンフレットを見るとそう言う事なのだが、
映画を見ていてもいまいちわからなかった。
椰子の実に朝露をためて飲む。魚やカニを捕らえるが、生では食べられない。
必死に火をつけようと、木をこするがなかなかうまく行かず手を負傷したりする。
またもやけになって、血のついた手でバレーボールを叩くと
それが顔のように見え、何か見守られているような気になり冷静に。
ウイルソンと名づけ、ついに火をつける事に成功する。

 そして4年後。すっかり生活に慣れ、原人のようになったチャック。
ある日、何処かから簡易トイレの壁の部分である板が流れ着き、
絶望しかけていた彼が、これを帆に使って脱出できると意欲を持つようになる。
イカダを作る事を決意し、木を切ってそれを束ねる縄を集める。
挫折しかけると、ウイルソンと口論し、何とか持ち直す。
縄が不足しており、どう考えてもすぐに切れそうな、ビデオテープも使用。
3年目の頃に自殺しかけた事があり、崖の上から一気に飛び降りて首をつろうと計画。
その性格から、人形で実験するが、崖に体が当たるとわかり、
これでは苦しむ事になるので断念していたのだ。
この話は、帰還後に告白された物で、
最初の内は、自殺をした事がボンヤリとしかわからない。
その際の、縄も結局回収し、イカダ組み立てに利用。
大忙しだ等と言いつつ、ついにイカダを完成させ、無人島を脱出する。
何度もすごい波を乗り越え、帆を立てて風で移動。
だが嵐で帆は飛ばされ、疲れ果てて寝ている間に、ウイルソンが流されてしまう。
気がついて、助けようと泳ぐが、命綱が届かず泣く泣く断念。
生物ではない、ボールを失うシーンで感動させようとするあたりは
ちょっと異色の展開と言える。
再び疲れ果て、横たわっていると、その横にタンカーが通りかかる。
一方、ケリーはその頃結婚し、子供もいる幸せな生活をしていた。
電話でチャックが生きていたとの連絡を受け、あまりのショックに倒れてしまう。
チャックは帰還し、フェデックス社は社をあげて大パーティを開く。
だが、その中で、スタンが妻を失ったと知り、
医師を紹介するはずの約束が果たせなかった事を悔やむ。
その上、ケリーと再会するはずが、彼女の夫が現れ、
ショックで来られないと告げられる。チャックは死んだと聞かされていたのだ。
立ち去る彼を窓から見ると、実はここまで来ていて、何とかチャックに会おうとするが
夫に止められているケリーの姿があった。
思い悩んだ末、チャックは夜にケリーを訪問。
夫は寝ており、ケリーは来るのを感じていて、彼を迎え入れる。
再び愛が再燃し、思い悩んだ末、ケリーはチャックに着いていこうとするが
チャックがそれを止めた。
チャックは、届けられなかった宅配便を、各家庭に届ける事にする。
すべての宛先を覚えていたのか気になるところだ。
唯一開けなかった箱を届けに行くが、それは冒頭で出ていた
夫が浮気した夫婦の家だった。
冒頭ではミスター・アンド・ミセス何とかと書かれていた表札が
片方だけにされていて、離婚を感じさせる。
そして、その家も無人で、チャックは、「この荷物がぼくを助けました」と
メモと荷物を残して立ち去る。
アメリカらしい田舎の何もない道の十字路で、どこへ行こうか呆然とするチャック。
通りかかった女性が、道がわからないのかと聞くが、そんな事はないと答える。
女性は立ち去り、その車には天使の羽根の絵が。
それを見てチャックは、ちょっと微笑んだ。

 と言うわけで、やはり無人島での描写はなかなか面白く
流れ着いた宅急便の道具が、どのように使われるか等と言う関心もあったのだが
最後の1つが、なぜ開けず、中が何かを隠したのか、そこら辺の意図はつかめない。
帰還後に、恋人が結婚していたために、バタバタするのは
単純なハッピーエンドにしないと言う意味で面白いのだが
ここの部分がちょっと長すぎて、しかも明確な答えが出ておらず
「キャスト・アウェイ」とは「漂流」と言う意味らしいのだが
島へ漂流し、人生も漂流していると言う事なんだろうなと思わせつつも
だからどうしたいのかと言うあたりは、伝わってこない。
 

キャスパー(95)

 幽霊の住む屋敷を受け継いだキャリガンは、屋敷にある宝を手に入れようと画策。
幽霊の精神医と言うハーベイ(ビル・プルマン)を招くが、彼も本物にはビックリ。
キャスパーと言う幽霊は、娘キャット(クリスチーナ・リッチ)と意気投合。
彼はソリで遊んで死に、父親は蘇生機を完成させていた。
キャリガンは事故死で幽霊になり、宝を手に入れたら元に戻ろうとする。
だが、万事うまくいき、思い残す事がなくなると、キャリガンは消えてしまう。
ハーベイは酔って事故死し、キャスパーは蘇生の権利を譲る。
死んだキャットの母が現れ、キャスパーのために一晩だけ少年の姿を与える。

 と言うわけで、マンガでおなじみのキャスパーの実写版映画化。
キャスパーとキャットの仲はほほえましいが、簡単に人が死ぬ展開にはちと抵抗が。
ダン・エイクロイドが、ゴーストバスターズの扮装でちらりと出演。
音楽はジェームズ・ホーナー。

TV放送 97/02/09 BS05 20:00-21:57
 



キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」を見た。

 スピルバーグとトム・ハンクス、レオナルド・デカプリオなんて組み合わせの新作は
実在したという少年詐欺師の話。
スピルバーグは多作で、ちょっと首をかしげたくなるような作品も多い上、
どうにもまとまりのない長尺の作品が多いのも、近年の弱点と言える。
しかし、今回は題材的に面白そうな感じ。
追う側のトム・ハンクスも、以前ほど俳優としての魅力が感じられなくなったが
あくまでも主役は逃げる側のレオ。
タイタニック以降、魅力的なキャラとしてその作品は見逃せないと言う感じ。
詐欺という人を傷つけない犯罪である点が、犯罪者なのに共感を持てちゃう
思わずニヤニヤさせられるようなシーンが多いのではと思って見た。
音楽は当然のようにジョン・ウイリアムス。

 冒頭はソール・バスあたりの雰囲気を出した、60年代風タイトルバック。
追う男と追われる男をマンガチックに描く。
そしてテレビ番組。本物は誰だ式の番組で、3人の人が出てきて
皆フランク・アバグネイルと名乗る。真ん中が本物であるレオナルド・デュカプリオ。
10代にして高額の詐欺をした人物と言われ
2番目の方、アナタを逮捕したのは誰ですかと聞かれる。
本物のフランクは、「カール・ハンラティ捜査官です」と答える。
それから時代は少しさかのぼり、FBIのカール・ハンラティ(トム・ハンクス)は
フランスの刑務所へ。
そこにフランクは収容されていたが、アメリカへ護送する事となったのだ。
カールとフランクは面識があるらしく、劣悪な環境で弱っているフランクを信じない。
だがあまりにひどそうなので、その気になって医務室へ連れて行き
この待遇に抗議するとかカールが怒っているスキに、フランクは逃走。
あわてて追跡。弱っているのは本当なので、すぐに捕まるが、
囚人たちには人気があるらしく、大盛り上がりになる。
カールは飛行機でフランクを護送する事に。
そして物語はさらにさかのぼる。
63年。ニューヨーク州の名士である父(クリストファー・ウォーケン)を
誇りに思う15歳の学生フランク。
パーティで語る父は、いつも話す例え話をする。
ミルクにのカップに溺れた2匹のネズミがいて、1匹はおぼれ死んだ。
だが、もう1匹はミルクを飲みきって生き延びた。それが私だ。
この話を聞くと、立ち上がって拍手喝采するフランク。
父は軍の任務でフランスにいた頃、隊の皆があこがれたと言う
フランスの娘ポーラを見つけ、彼女と結婚。
その話を事あるたびに話し、フランクはこの話が大好き。
いまだに仲の良い両親を、フランクは自慢に思っていた。
ところが、文具屋を営む父は金策に困っており、パーティで金集めを期待したが
たいした金は入らず、脱税の疑いとかもかけられて窮地に。
父はフランクに背広を借りさせ、運転手のように見せ、
銀行へ連れて行き、女性行員に「君の落とし物だろ」とネックレスをプレゼントし
何とか資金集めをしようとする。
そんな父の行動をも誇らしく思っていたフランクだったが、
結局豪邸を離れて、狭いアパートへ移り住む事に。母は不満を漏らす。
今まで進学校に行っていたフランクは、その制服のままガラの悪そうな学校へ通学。
制服姿はいかにも浮いてしまい、たちまち嫌がらせを受ける。
そして、フランス語の教室へ行くと、そこは生徒たちが騒いでいるばかり。
制服のフランクを見て、新任の教師かとからかわれ、
とっさに彼は黒板に名前を書き、新任の教師のフリをして授業を始める。
からかった生徒に罰則を与え、代理教師としてきた本物の女教師を追い払って
授業は1週間続いた。ようやく発覚して、校長に怒られるハメに。
両親も呼び出されるが、むしろ父はでかしたぞと言うような態度を取る。
待たされているフランクは、女生徒が休みの届けを持ってくるのを見て
ニセ物だとピンと来て、紙を折れとアドバイスする。
親に手紙を渡されたなら、ポケットに入れてくるので折れているはず。
きれいな紙のままなのは怪しいと言われ、女生徒はそれに従う。
16歳の誕生日に父は小切手帳をフランクに贈る。
もちろんそんな金がある事は、母には内緒だ。
これでおまえも立派な銀行の顧客だと言われ、喜ぶフランク。
しかし、母はその頃から父の友人と浮気するようになり、フランクはショック。
結局、夫婦は離婚する事となり、どちらにも会えるが、親権をどちらにするか
君が選んでサインしろと言われる。混乱したフランクは家を飛び出す。
そして、遠くへ行くために列車に乗る事に。
だが小銭も持っていなかった彼は、初めて小切手を使った。

 フランクはホテルで生活するようになるが、小切手の残高はすぐになくなり
ホテルらも追い出される。
仕方なく名前を偽り、小切手を偽造する事に。
銀行で現金化しようとするが、正体不明の相手に銀行もなかなか金を払わない。
父のネックレス作戦を使ってみるが、行員が男性に変わっていたので役に立たず。
そんな時、パイロットが歩いており、人々があこがれのまなざしで見るのを見て
ある事を思いつく。
まず、高校の学校新聞の記者だと称して、航空会社関係者に会い、
その身分証等について聞き出す。期限が切れた身分証も入手する。
さらには、フライト寸前に制服を紛失したと称して、制服も手に入れる事に。
料金は給料天引きだと言うから、その時点ではお金がいらないと言うのもいい。
そして、小切手帳にパンナムのマークを貼って、それっぽい小切手を作る。
パンナムのマークは、おもちゃの飛行機のシール(デカール)を水につけてはがす。
プラモデルなら、はがす必要はない気がするのだが。
パイロットに扮したフランクは、これを持って銀行へ行くと
女性行員は思わずフランクに見とれ、いろいろ銀行の小切手の仕組みとかを話す。
うまく金が入ったので、調子に乗っておもちゃを大量に買い、
大量に小切手を作成。大金を得る。
そんな内、飛行機に乗ろうとすると、「デッドヘッドですね」と言われ、
何の事かわからなかったが、「もちろんだ」と言うと、機内へ案内される。
するとスチュワーデスが案内したのは、操縦席の後ろの補助席のような場所。
離陸すると下界が丸見えで、動揺するが、機長らの話に適当に対応してごまかす。
何にしろ、これに味を占めたフランクは、パイロットとして成功していると称して
父とは時々会い、プレゼントしたりするが、
父もプライドがあるのかなかなか受け取らず、フランクも複雑な思いだ。

 各地を転々としたフランクはハリウッドへ。
偽装小切手が出回るのを知ったFBIのカールは、正体不明の犯人を追い回すが
なかなか正体がつかめない。ところが、ある店で使われた事を突き止めるが
まだ使った人物がホテルにいると知り、あわててホテルへ。
きまじめなカールは裏口を固めろと言い、たかが偽装小切手にと言いつつ同僚は従う。
カールが部屋へ乱入すると、それっぽいタイプライターやら材料があり
トイレから出てくるフランク。
だが、銃を向けるカールに対し、フランクは動じずに、「ヤツはもう逃げた」と言う。
追っているのは、FBIだけじゃない。シークレットサービスも追っている。
僕はバリー・アレンだと言う。
大統領を護衛するシークレットサービスは、ニセ札の捜査もしているのは事実だ。
疑いを持つカールだが、身分証だと称して財布を渡され安心。
窓から外を見ると、カールの同僚が盲目の男性を車に乗せており、
それを指して、「下でお仲間が捕まえたようだぞ」と言う。
証拠物件を回収したいと言い、タイプ他を持って出ていくフランク。
見張っててくれと言われ、そのまま残っているカールだが、
ふと気になって財布の中を見ると、シークレットサービスの身分証などない。
だまされたと気づいて外を見ると、退散しているフランク。
ニューヨークについたフランクは、再び新たなネタを探して航空会社に取材に行くが
航空会社関係者としては、
「空のジェームズ・ボンド」と言われる詐欺師の話題で忙しいと言う。
気をよくしたフランクは、劇場で「007/ゴールドフィンガー」を見る。
シーンはゴールドフィンガーを見張り、女性に自己紹介するシーンと
小型機でプッシー・ガロアに銃を向けられ、「プッシー」と声をかけるシーン。
さっそく、映画と同じスーツを仕立てさせ、「フレミング」と名乗る。
007の原作者イアン・フレミングを意識したのかはわからないが、
店員に「あの車も手に入れたのですか?」と言われ、
アストンマーチンを入手して乗り回す。
飲み屋とかでも人目を惹く彼に、シェリルと言う女性が言い寄る。
たちまち、「007/カジノ・ロワイヤル」の「恋の面影」が流れてラブシーンに。
本家シリーズのタイトル曲でないあたりが、通好みの選曲だ。
だがシェリルは、私に値段をつけるならいくらがいいと言い出し、娼婦だと気づく。
1000ドルまで吊り上げられ、1400ドルの小切手を現金にしてくると言うが
裏書きしてくれればいいと400ドルのお釣りをもらって相手する事に。
もちろん偽装小切手だ。

 カールは正体不明の詐欺師を調べるため、その指紋等から探るがわからない。
偽名とは思いつつ、バリー・アレンという名前も探るが
コーヒーショップの店員が、それはマンガの主人公の名前だと言われピンと来る。
ヤツは年も偽っており、実は子供に違いない。行方不明の子供を捜せと指示。
やがて、フランクの母ポーラの家へ。
息子の写真を見せられ、こいつだと確信。手配しろと騒ぎ出すと、
母もそんな事もあるかもと思い、弁償しますと言い出すが、
額は何百万ドルにもなってといると知り愕然とする。
一方、父の方へも行くが、父はフランクの居場所は知らないと言い
もし知っていても、父親は常に息子の味方だと付け加える。
フランクはカールの居場所を聞き出し、彼に電話する。
クリスマスに仲間がいなくて寂しいんだろうと言われ、
図星だったフランクは怒って電話を切る。
フランクはアトランタに移り住み、そこで友人を作りパーティをしたりするが、
悪ふざけをした友人が骨折して病院へ。
そこで彼を捜して病院へ行くが、そこで医師に怒られ泣いている
新任の看護婦ブレンダを見る。
再び思いついたフランクは、医師コナーズと称して病院で仕事を得る事に。
高学歴をでっち上げるが、仕事は夜勤しかないと言われ、それを承諾。
ただし、助手の医師や看護婦は選ぶ事ができ、ブレンダを選ぶ。
オフィスを構えたフランクは、いざ手術になるとその悲惨な状況に耐えられず
隠れて吐いたりするが、表では助手たちの意見を聞いて、よしそれでやってみろと言い
自分では結局手を下さない。
父には今度は医師になりましたと手紙を送るが、どう考えても不自然な話だ。
ブレンダとは親密な仲になり、結婚する事に。
だが、彼女は幼い頃に父の兄弟だかにレイプされたか何かで、
父は彼女をいまだに許していないと言う。
そこでフランクはブレンダとニューオリンズへ飛び、
ブレンダの父ロジャー(マーチン・シーン)に会う。
ロジャーは検事だと聞くと、実は僕もその方面で、そこへ戻りたいと言い出す。
彼は立派そうなフランクを気に入り、出身校も適当に言ったら同じだったと言われ
そう言えばあの教師の犬は何という名前だったかなと聞かれるが、
あの犬は死にましたとごまかす。
それでも気に入られ、司法試験を受けて合格。見事、ロジャーの事務所に入る事に。
時代はちょっと元へ戻り、護送中のカールは、
どうやって司法試験に受かったか気にする。だが今さら関係ないと語らないフランク。
フランクは婚約の知らせを持って父に会い、母と来てくれと頼むが、
父によれば母はもう再婚しており、寄りは戻らないと言われる。
そして父も郵便局員になっており、その姿にショックを受ける。
再びカールに電話して話をするフランク。クリスマスになると縁があると言われるが
当時は逆探知の装置とかはないらしい。
カールはニセ医師コナーズの存在をつかむが、すでに退散した後。
だが、結婚するとすれば、コナーズの名前のままパーティをするはずだ。
そして、まさにその結婚パーティの日。フランクらが祝っていると、
カールらが来たのに気づき、フランクはあわてて退散する事に。
札束の詰まったスーツケースを見せ、2日後にマイアミ空港で待つと言うフランク。
ブレンダは戸惑うが、本名を聞き、彼を見送る。
扉の隙間から札束が出てきて宙を舞うのを見て、部屋へ飛び込むカール。
だがフランクは退散した後だった。
カールらはマイアミ空港を見張り、フランクもそこへ到着していた。
ブレンダの姿を見つけるが、見張りが多いのにも気づき、接触は断念。
この後、ブレンダは二度と出てこない。
出直そうと考えたフランクは、最後の派手な作戦を考える。
学校へ行き、女生徒たちを前に、パンナムのスチュワーデスの体験をさせると称して
面接までやって、女生徒たちに制服を着せ、ズラリと侍らせて空港へ。
その姿は明らかに目を引き、後ろにいるフランクの姿にはあまり気がつかない。
こうしてまんまとフランクは移動に成功。
見張っていたカールは、車にパンナムの制服を着た不審な男を見つけたと聞き
あわててかけつけるが、そこで見つけた男は、この制服で客待ちを頼まれたと言い
その待てと言われた男の名前こそカールだった。

 67年。各国でフランクの偽装小切手が出回っている事をカールはつかむ。
以前より発見が遅れたのは、ある意味それが偽装ではなく本物だからだ。
つまり、彼は印刷機自体を手に入れたらしい。
その印刷の特徴から、それがやや古い機械で、売ったのは数カ国だと突き止める。
その中にはフランスも。それは、フランクの母の故郷だった。
印刷所へ行くカール。そこではフランクが印刷機で小切手を大量に印刷していた。
またもクリスマスの日に会ったなと言うフランク。
そのまま退散しようとするが、外にはフランスの警官隊がいて、
一人で逃げれば射殺されると言う。
疑うが、結局断念して逮捕されるフランク。
外へ出ると誰もいないので、だまされたと感じるが、
やがてフランス警察がかけつける。
そしてフランスから米国への護送。
到着が近づき、刑務所に入る前に、約束通り父に会わせろと言うが、
カールは、実は父上はなくなったと言う。ショックを受けるフランク。
そして気持ち悪いと言いだしトイレへ。やがて着陸になり、出てこないので怪しむが
フランクは便器をはずして機外へ。スピードが落ちると機から飛び降りて逃げる。
彼が行ったのは、母ポーラの家だった。
だが窓から見ると、夫と初めて見る幼い妹の姿。
ショックを受けるフランクは、かけつけたカールらに捕まり連行される。
刑務所に入れられたフランクはそこで過ごしていたが、
ある日訪問してきたカールに、偽装小切手の鑑定を頼まれる。
その手口を解説するフランクに感心したカールは、
刑務所を出る代わりに仕事を与えると言う。
その話を飲むフランクだが、FBIには彼を快く思わない者もいる上、
大量の鑑定用の小切手が。その作業はいつ終わるでもなく、
週末の相手まではできないとカールに言われる。
途方に暮れたフランクは、再び身分証を偽造し、パイロットに扮して出かける。
だが、空港でカールに見つかる。カールは君は戻ってくるさと言って見逃すが
週末が開けてもフランクは戻らなかった。
仕方なく後輩に鑑定方法の講義をするカール。
しかし、そこへ何事もなかったかのように戻ってきて、サポートするフランク。
カールは何度目かの質問をする。司法試験はどうやって受かった。
あれは、2週間勉強したら受かったと答えるフランク。
その後、彼らの友情は今も続いていると言う。

 と言うわけで、ハリウッドきっての名監督スピルバーグは
ジャンルを問わず取り組んでいるので、どうにも彼らしい色というのが見えない。
(好きそうなテーマと言うのはあるものの)
彼らしさと言えば、近年の作品で言えるのは、どうにも長いと言う点だ。
それも満を持しての作品ならば、気合いの見せようもあるだろうが、
大監督にしては、作品の本数がやたら多い。
つい最近も「マイノリティリポート」があったばかりだ。
あれもその前の「A.I.」もそうだが、テーマは面白そうだが
やはりやたら長い作品になっているせいか、どうも評価はよくない。
本作では、少年なのに世界を股にかけた詐欺師という実話を元にしており
その手口が物語の重要な部分を占めるはずで、これも面白い話になりそうだ。
だがまたまた長さは2時間半。イヤな予感もぬぐいきれない。
しかし、いざ見ると、転校した高校で生徒たちをだましたのを皮切りに
パイロット、医師、弁護士に扮して次々人々をだましていき
FBIに後一歩まで追いつめられても、とっさのでまかせで逃げてしまう。
犯罪者なのに応援したくなるのは、描き方によるところが強い。
おとな顔負けの手口にもかかわらず、どこか子供ぽい所も見え隠れしそれも楽しめる。
007やベン・ケーシーとか、当時のファッションなど60年代テイストも見せて
そう言う意味でも楽しめ、そう言えば冒頭のソールバス風タイトルもいい。
流れる曲が、本家007でなく「カジノ・ロワイヤル」と言うのも面白い。
2時間半も、面白い展開で見せるが、
後半の捕まってからのシーンが、若干長い気がする。
ここをもう少し縮めて2時間程度にすれば良かった気もするが。
司法試験に合格した手口をオチにしたくなるのはわかるが、
司法試験に受かったのは、彼の詐欺歴ではかなり後半なので、
ずっと隠しておいた面白さがあまり出ない。
どうせ物語を前後させて描くなら、そこをうまく描けなかったものか。
 

キャッツ&ドッグス(2001年米)

 ブロディ家の犬バディはネコを追いかけるが、何者かに捕らわれる。
人間と犬の未来にかかる一大事だと、犬の本部は最高の諜報員を集める事に。
ブロディ家は犬を買いにくるが、そこには諜報員であるドーベルマンばかり。
ところが、農場を抜け出したルーが混ざって、彼が飼われる事になる。
ブロディ博士(ジェフ・ゴールドブラム)は、犬アレルギーの研究をしていたが、
猫族のティンクルズらは、これを妨害しようとしていた。
実は古代エジプトでは、人間は猫に支配されてたが、犬族が決起し猫を追放したのだ。
人間は忘れているが、猫は今でも世界征服を企んでいるのだ。
近所の犬ブッチらは、ルーに期待するが、すぐにど素人とわかる。
しかし、新たな犬を呼んでいる時間はない。
猫族はブロディ家に盗聴器を仕掛けようとし、大格闘の末何とか撃退。
ロシア猫が家へ侵入。研究室に爆弾を仕掛けようとするが、またも大乱戦で阻止。
偶然から薬が完成し、商品化も目前だ。
ティンクルズは社長に扮して、博士ら一家を呼び出し、彼らを捕らえてしまう。
だが国際代表犬会議は、彼らを見捨てる事に。ルーは単身向かうが、ブッチもついてくる。
ティンクルズは全人類を犬アレルギーにしようとしていた。
ネズミを利用して、薬を全世界へばらまこうと言うのだ。
かけつけたルーらがそれを阻止。施設が爆発し、ルーが倒れる。
息子スコットは悲しむが、生きていたルーは、一番の友達さと言う。
最高の諜報員になる道を捨て、ルーは家族の犬になる事を選ぶ。
一方ティングルズは、メイド一家に着せかえ人形のようにされるのであった。

 と言うわけで、犬と猫が、実は妙に高度な文化を持っており、
人間に飼われてやっているが、実は共存してたり、滅ぼそうとしてたり
暗躍するという展開で、スパイものをベースにしているが
まあ、発想としては「スパイキッズ」とかと変わらず、目新しくもない。
結局の所、犬と猫をいかにかわいく見せられるかがポイントで、
そう言う意味では前半は善戦しているが、
後半になると、この設定自体の面白さが薄れ惰性で引っ張られる感じ。
ラストに「何かいいことないか、子猫ちゃん」が流れるあたりのセンスは抜群だが。
007の悪玉ブロフェルドはいつも猫を抱いているが、
今回、こいつが猫の親玉になってような雰囲気。

TV放送 2003/04/20 BS05 2000-2130
 

キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争(2010年米)

[人間]
シェーン 刑事(クリス・オドネル)
魔術師チャック キティガロアを飼う

[犬]
ディッグス シェーンの相棒の警察犬
ブッチ捜査官 ディッグスの上司
ルー 組織の長官

[猫]
キティ・ガロア 悪事を企む
キャサリン ニヤオの一員
タブ・レイゼンビー ニヤオの長官
ミスター・ティンクルズ 凶悪犯。アルカトラズ地下の刑務所に

[鳩]
シェイマス 重要情報を持つ

 ドイツの人工衛星基地にキティガロアが潜入。人工衛星コードを盗みとる。
 サンフランシスコ。中古車店オーナーが暴れる事件が発生。
刑事シェーンの相棒、警察犬ディックスは、爆弾を奪うが店を吹き飛ばす失態を犯す。
ディッグスは任務から外されるが、
ブッチと言う犬に犬の組織に招かれ、地下にあるドッグ秘密基地へ。
キティが野生の呼び声と言う音で犬を暴れさせ、
猫が取って代わる計画を企てているらしい。
重要情報を持つ鳩のシェイマスをめぐり、猫のキャサリンと争奪戦に。
キャサリンはニヤオと言う猫の組織の一員で、
キティも仲間だったが、悪に走ったと言う。
そこで、キティの計画を阻止するため、両組織が手を組む事に。
キティは双子の暗殺者マクドゥーガル兄弟を呼び、シェイマスを襲撃。
撃退するが、ディッグスの失敗で逃がしてしまう。
怒ったブッチはディッグスをクビに。
失意のディッグスだが、キャサリンと協力し、
キティが魔術師チャックの所にいると知る。遊園地へ急行しブッチらと合流。
キティは遊園地の乗り物に仕掛けたアンテナを起動。
ディッグスはサイボーグ猫と格闘。
サイボーグにアンテナを破壊させ、キティを吹き飛ばす。
ディッグスはシェーンの所へ戻るが、ひそかに組織の指令も受ける事に。
凶悪犯ディッグスが脱走したと連絡が入るのだった。

 と言うわけで、犬と猫が、人類の知らない所で、
地球の存亡を巡り争っていたと言う映画の続編。(前作あまり覚えてないんすけどね)
本作は007を意識したスパイもののノリで、
タイトルバックは007風、主題歌はシャーリー・バッシー。
悪役の猫の名前がキティ・ガロアで、犬の組織の長官の声がロジャー・ムーア、
そしてその長官の名がレイゼンビーと来たもんだ。
話自体はスパイキッズ風で、久々にオドネルくんを見たが、大半は犬猫だけで展開。
犬猫好きの人の印象はどうかわからないけど、スパイ好きの人には楽しめる感じ。
(少なくともスパイキッズよりは)

TV放送 2011/06/18 WOWOW 1330-1452
 

キャットウーマン(2004年米)

ペイシェンス・フィリップス デザイナー。キャットウーマン(ハル・ベリー)
ジョージ・ヘデア社長 ペイシェンスが勤める企業のトップ
ローレル 社長の妻(シャロン・ストーン)
トム・ローン刑事 (ベンジャミン・ブラット)
サリー ペイシェンスの同僚
パワーズ 猫の魔力に詳しい

 化粧品会社の広告デザイナー、ペイシェンスは、
新商品に習慣性のある薬物が使用されている事に気付く。
一味はペイシェンスを襲撃し、彼女は廃液と共に流される。
息を吹き返した彼女は、従来の大人しい性格と、攻撃的な性格の二面性を持つように。
パワーズと言う女性によると、
ペイシェンスは猫の力で生まれ変わり、キャットウーマンになったのだ。
感覚が鋭くなった彼女は、その能力を使って自分を殺した連中を突き止めようとする。
宝石泥棒から宝石を奪い、知り合ったローン刑事に渡すが、
ローンは泥棒の正体がペイシェンスではと疑うように。
キャットウーマンはヘデア社長の妻ローレルに会い、商品に毒が混ざっていると知る。
ローレルは真相究明に協力を求めると称してヘデアを殺し、
キャットウーマンにその罪を着せようとする。
ローンはペイシェンスを逮捕する一方、新社長となったローレルにも疑いをかける。
牢を抜け出したペイシェンスは、命を狙われたローンを助け、ローレルと格闘に。
ローレルは高層ビルから落ちて死ぬ。
ローンはペイシェンスを見逃し、彼女は自由を得たと感じるのだった。

 と言うわけで、かつてティム・バートン版バットマンで、
ミシェル・ファイファーがキャットウーマンを演じた事があった。
これが好評だったので、ファイファー主演のスピンオフが企画されたが流れ、
10年経って、ハル・ベリー主演で映画化。
キャラは拝借したが、設定は異なり(キャットウーマンの役名も)、
バットマンと同じ世界観と言う訳でもない。
内気な女性と行動的なキャットウーマンと言う二面性を持つ
ハル・ベリーの演技は悪くないんだが、
肌の露出が多いレザーの衣装を着て、鞭を振り回す姿は、どう見てもSM嬢。
そこがラズベリー賞の主要な要因か。
キャットウーマンは、善か悪か不明の泥棒猫と言う雰囲気のはずが、
本作では悪の面がないのが弱い。
アン・ハサウェイと違って、ハル・ベリーは魔法がかった怪人と言う訳だが、
だとすると、それと対等に格闘できるシャロン・ストーンは何者か。

TV放送 2006/07/23 WOWOW 1810-1954
 

キャット・ピープル(81)

監督 ポール・シュレーダー

 アイリーナ(ナスターシャ・キンスキー)は、幼い頃別れた
兄ポール(マルカム・マクドウェル)と再会。
売春宿で黒ヒョウが見つかり、動物園園長オリバーらが捕獲。
ポールは帰宅しなくなり、アイリーナは動物園の売店で働く事に。
黒ヒョウは係員を食い殺し逃走。ポールは帰宅し、おまえを愛せるのは俺だけと言う。
危険を感じ、警察が急行。地下室で人間の肉片が見つかる。ヒョウの飼い主らしい。
アイリーナはオリバーと旅に。だが、彼と愛し合う事はできない。
オリバーは部屋に黒ヒョウを発見し、射殺。
アイリーナの先祖はヒョウにいけにえを捧げ、魂はヒョウに宿ったのだ。
そのため同族しか愛せず、破ればヒョウになる。戻るには人を殺すしかない。
アイリーナはオリバーと愛し合い、ヒョウに変身。
だが、彼を愛するため殺さず、別の男を殺害。最後に1度だけ抱かれ動物園の檻へ。

 と言うわけで、変身もののだが、同族としか寝られないと言う近親相姦ぽい話。
でもそういう展開はない。
動物園の女性アリスに、アネット・オトゥール。あり。

TV放送 92/11/22 10CH 21:02-22:54
 

キャデラック・マン(1990年アメリカ)

 車のセールスマンのジョーイ(ロビン・ウイリアムズ)はやり手を自認。
時には人間のくずと言われるやり方もするが。
上司リトルJから明日までに12台売らねばクビと言われ、同僚は皆大あわて。
ジョーイも別居してる妻ティナ(パメラ・リード)の機嫌を取ったり
愛人のライラを利用してセールスしようとしたり。
突然、ジョーイの客が殺到し、大わらわになった時、
同僚ドナの夫ラリー(ティム・ロビンズ)が、妻の浮気を疑い、銃を持って店へ乱入。
店員と客を人質に。店にいた愛人ジョイとの関係がばれて、夫ハリーが怒る。
ジョーイはドナと出来ているのは自分だけと称して、何とか説得しようとする。
ジョイは本気にしてショック。ライラまで現れて修羅場となる。
その間にも周囲は警察が包囲。
要求を聞かれるが、何も考えていないのでジョーイがアドバイス。
娘が家出して心配なティナは、現場へ電話してきて、ついでにラリーに説教。
追いつめられたラリーは自殺しようとするが止め、名案が浮かんだと言う。
まず人質を釈放させ、ジョーイだけにし、一緒に投降しようと持ちかける。
承知したラリーだったが、外へ出た途端に狙撃されてしまい、救急車で運ばれる。
上司らには感謝され、ティナとも仲直り。娘リサも見つかり、やり直す事に。

 と言うわけで、ロビン・ウイリアムズと
まだカラーが定まっていない頃のティム・ロビンスが共演。
調子のいいセールスマンが立てこもり事件に巻き込まれて、
調子のいい事を言って、犯人を丸め込んで投降させるが、
それを利用して自分がも受けちゃうようなコメディかと思いきや、
そう言う展開がまったくなく、あれ、何が言いたいわけ?
と聞きたくなるようなエンディング。

TV放送 2003/10/31 25ch 1325-1520
 

キャノンズ(90)

 売春課のマック(ジーン・ハックマン)と、
分裂症で修道院にいたエリス(ダン・エイクロイド)は殺人課に復帰。
船置き場での7名の殺しをエリスは適格に分析。ボートの所有者ガターマンに注目。
SMクラブの主人ガターマン(ドム・デルイーズ)は保護を求める。
彼によれば、ナチスのフィルムを狙われ、皆殺されたと言う。
彼らの車も襲われ、エリスが運転するが、カーク船長になった気で暴走。
エリスは拷問の末、人マネをするようになったのだ。
ガターマンによれば、ドイツ首相候補メッツの元秘書シュテックラーも追われている。
尾行する女性は、モサッドのレベッカと判明。
メッツの政敵はシュテックラーにフィルムを探させたが、彼が裏切ったのだ。
マックらはガターマンの浴場でシュテックラーに会うが、襲撃で彼は死亡。
隠し場所を聞いたエリスは、一味に捕まりセントラル駅へ。マックらも追跡。
エリスがロッカーのフィルムを回収。レベッカに渡し、殺し屋を射殺。
メッツはナチの重要メンバーだったのだ。

 と言うわけで、エリスが分裂症になるあたりが唯一の見所。
それも、ポパイになると強く……とか言う展開ではなく、ただ混乱しているだけ。
元ナチメンバーだったと言うのも、今となっては時代錯誤的。
FBI捜査官にロニー・コックス。あまり活躍しない。

TV放送 92/12/03 BS05 08:00-09:36
 

キャノンボール(81)

監督 ハル・ニーダム

 4800qを32時間で走破。ルール無用のキャノンボールに選手が集まる。
JJ(バート・レイノルズ)とビクター(ドム・デルイーズ)は救急車でごまかす。
フェンダーボーム(サミー・デービスJr)とジャミー(ディーン・マーチン)は
ニセ神父に。シーモア(ロジャー・ムーア)はスパイ気取り。
コンピューター満載の車にジャッキー(ジャッキー・チェン)ら。
自然愛好会のフォイト氏は敵意を燃やすが、JJは患者役に
パメラ(ファラ・フォーセット)を連れ去る。
暴走族(ヘンリー・フォンダ)とのケンカもあって、一同ゴールへデットヒート。
ビクターはゴール直前、犬を助けて優勝を逃す。

 と言うわけで、スター満載だが、物語や見せ場は幼稚で何度も見るものではない。
救急車に乗せたヘルシック医師に、ジャック・イーラム)。

VHS
 

キャノンボール2(83)

 監督 ハル・ニーダム

 アラブの王様(リカルド・モンタルバン)はスピード狂だが
息子が昨年のキャノンボールで優勝しなかった事で腹を立て
キャノンボールを買い取ってしまい、今年も開催。
息子に何としても優勝せよと命じる。
参加者はパトカーをからかうのが趣味の女性2人
(スーザン・アントンとキャサリン・バック)。
スタントで稼いでいるJJ(バート・レイノルズ)と
相棒ビクター(ドム・デルイーズ)は将軍と部下に扮装して参加。
尼僧のマネをさせられているベロニカ(シャーリー・マクレーン)とベティは
頭にきてJJらの車に便乗して、ブロードウェイへ行こうとする。
ビクターは時々、ミスター・ケイオスという正義の味方に成りきってしまう。
ジャッキー(ジャッキー・チェン)とアーノルド(リチャード・キール)の
日本チームはハイテクカーで参加。
胃潰瘍で悩む王子は医師(ジャック・イーラム)に同行を要請。
周囲を撹乱するため、サルが運転しているように見せかけているチームもある。
ラスベガスで気ままな生活をしている
フェンダーバウム(サミー・デイビスJr)と
ブレイク(ディーン・マーチン)も警官の扮装で参加。
彼らは借金のため、マフィアの連中(1人はヘンリー・シルバ)に脅される。
そこで彼らはキャノンボールでもうけると話す。
ボスの息子は敵対するボスのハイミー(テリー・サラバス)からの
借金をただちに返さなくてはならなくなり、
そのためマフィアはアラブの王子を誘拐する事を計画する。
それぞれが分担して行動を起こす。
ヘリで磁石をひっつけて釣り上げようとするが、
持ち上がらず、ヘリはトンネル内で粉砕。
JJらは警察に捕まるが、
特殊訓練だと称して、そこへ来た警官の息子である兵隊に運転をさせる。
さらにブレイクらをテロリストだとして、手配させる。
サルを乗せていたチームでは、サルが暴れだして運転席を奪ってしまう。
女性チームは車がエンコして、色気で別の車を手に入れるがそれも故障。
修理工の車に乗ってレースを続行。
ジャッキーは持ち前の正義感で、途中で暴れていた暴走族たちを倒す。
彼らはパトカーに追われて、逃走するが勢いあまって池に落ちる。
潜水機能で航行するが、釣り糸に引っかかり、逆に釣り人を引き込んでしまう。
サルの運転手を止めた警官たちは、TV番組だと思って愛想をふりまく。
マフィアは最後の手段として、路上に半裸の女性を立たせる。
急停止した王子と金を持って逃げる。
王子がさらわれたと知ったキャノンボーラーたちは、
王子を助けるために計画を立てる。
そこでブレイクたちは、知人のフランク・シナトラ(当人)に助けを求める。
JJらは女装して、ダンサーとしてボスの息子に雇われる。
ハイミーが現れ、息子から金を取り立てていくが
JJらがハイミーらを襲って金を奪い、さらに王子も救出する。
だが、逃げる途中でハイミー一味に捕まってしまう。
そこへキャノンボーラーが大集結。
一味を倒し、王子がマフィアの息子の借金も肩代わりする。
レースは再開。王子はさらに賞金が倍のレースを企画。
今度こそ優勝したいアラブの王は、今回の優勝者を買い取る。それはあのサルだった。

 というわけで、映画史上最も豪華なキャストの映画と言われるこの映画だが
どちらかと言うと、消化しきれていない感じ。
展開としては、前作の主要キャラがそのまま出て、同じ事を繰り返している。
出場選手全員が、何かにとりつかれたようにレースをするあたりは、
バカバカしくさえある。

TV放送 91/08/07 06CH 21:00-22:54
 

キャノンボール/新しき挑戦者たち(89)

 ワシントンからロサンゼルスまで最短時間で行った者が勝ち、
ルールはまったくないというキャノンボールレースが開催され、
全国からレーサーが集まってくる。
だが、警察署長(ピーター・ボイル)がレーサーたちの泊まったモーテルに現れ、
レーサーたちを一掃してしまった。
しかし、車は残り、オーナーらは賭などもしているので、
レースを中止するわけにはいかない。
そこで、ひとくせもふたくせもある連中が出場する事になる。
気が弱いが、運転だけは乱暴でうまい男(ジョン・キャンディ)は
悪友の愛人でアーパーな女性と同行。
レーダー機器などを販売している女性セールスマン(メロディ・アンダーソン)らは
機器の宣伝もかねて参加。
TV局の連中も中継と称して参加。
大金持ちの参加者は、飛行機を利用してインチキしようとする。
元レーサーで今は借金取りと借金している方の2人は協力して参加。
参加した車のナンバーを警察に盗難車などとして連絡したり、
途中通る渡り船の男を気絶させたりする。
知人に運転を教えてもらっていた女の子(アリッサ・ミラノ)は
キャノンボーラーに遭遇し、知人が外車嫌いだった事から競争する羽目になる。
警察署長はレースが開始された事を知り、
道路封鎖してキャノンボーラーたちを1つの道路に集結させる。
ジョン・キャンディは隣の女性に気を取られて、トラックと衝突しかけ、
怒ったトラックに追いかけ回される。
元レーサーたちは、警官が乗ったランボルギーニに苦戦し、
途中で休憩しているランボルギーニを壊してしまったつもりが、
実はマイケル・スピンクス(当人)の車。
インチキしようとした連中の乗った飛行機には
ブルック・シールズ(当人)がなぜかバイトで、
実に柄の悪いスチュワーデスをしているが、ハイジャックされてしまう。
機長が犯人を捕まえようとして、道路へ飛び出し、主翼は折れる。
だが、怪しい機長は飛行機を道路に走らせ、ロスへ向かう。
警察は道路封鎖するが、元レーサーたちは突破しようとして逮捕される。
そこへ、飛行機が現れバリケードを突破。
そのすきをついて、キャノンボーラーたちが次々と突破。
逮捕された元レーサーもパトカーを奪って逃走。
ジョン・キャンディらは、パトカーとカーチェースをしながら、
映画クイズを出し合う。
カール・ルイス(当人)はジョン・キャンディにパンチカードを渡すため、
10kmも走って追ってくる。
警察署長は元レーサーの車で追うが、深追いしすぎて、1位でゴールしてしまう。
ジョン・キャンディは悪友を殴り倒し、女性とうまくいく。

 というわけで、
前作は(キャノンボール2)映画史上最も豪華なスターを集めた映画と言われたが、
本作は第1作と比較しても、かなり貧弱な出演者。
しいて言えば、ブルック・シールズが大物かと言う感じだが出演時間は短い。
出演者が貧弱な上に、
シリーズに共通して言える事は散漫なギャグでいまいち盛り上がらず、
カーチェースなどもどこかで見た事ある程度のもの。
シリーズに共通した出演者もスタッフもいないようで、
原題も「キャノンボール」じゃないようだが、本当にシリーズなのだろうか?

TV放送 91/05/29 06CH 21:00-22:54
 

キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー(2011年米)

スティーブ・ロジャース  キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)
バッキー・バーンズ スティーブの友人
ペギー・カーター エージェント。スティーブと恋仲に
フィリップ大佐 スティーブの上官(トミー・リー・ジョーンズ)
アスキン博士 キャプテンアメリカを開発
スターク ペギーの同僚
ヨハン・シュミット 独軍将校
ゾラ博士 シュミットの手下
フューリー シールドの長官(サミュエル・L・ジャクソン)

 1942年。スティーブは兵役を志願するが、ひ弱なためなかなか採用されない。
何回目かの応募で、アスキン博士に見込まれ、入隊を許される。
スーパーソルジャー1号の候補を選ぶ為の隊で、
フィリップ大佐は否定的だが、博士はロジャースを推す。
独軍シュミット大佐が、超人計画の血清を入手し、自らに注射。
善人はより善人に、悪人はより悪人になる効果があり、
アスキン博士は弱者であるスティーブこそ、力の価値を知っていると考えたのだ。
こうして血清を注射されたスティーブは強力な力を得るが、一味の襲撃で博士が死ぬ。
シュミットはナチスを離れ、ヒドラと言う組織を作り、神の力を得ると言う。
米軍はヒドラへの攻撃を決定するが、フィリップ大佐はスティーブを評価せず、
キャプテンアメリカとして軍の宣伝用に利用。スティーブはこの扱いに失望。
ヒドラの攻撃で親友バーンズが人質にされたと知り、命令違反を犯して急行。
ヒドラの基地を襲撃し、バーンズら捕虜を救出する。
キャプテンは、バーンズらと共にヒドラの基地を次々破壊。
ゾラ博士を捕らえ、一味による攻撃計画を知るが、その作戦でバーンズが犠牲に。
キャプテンはヒドラの本拠地を襲撃。
シュミットは大型機で全米を攻撃しようとする。
キャプテンが乗り込み、不思議な力を持つキューブによる装置を破壊すると、
シュミットは骨になり、キューブは海に落下。
大型機はNYに向かうが、キャプテンが自ら犠牲になり、海に沈める。
そして現代。救出され目覚めたキャプテンは、70年が経過したと知る。
シールドの長官フューリーは彼に協力を求めるのだった。

 と言うわけで、アベンジャーズと言うヒーローが大集合する映画があるが、
そのヒーローの1人がこのキャプテンアメリカ。
かの作品を作るため、顔見せ的に本作を作ったと言うのが実態みたい。
戦争中に、人体を強化する実験で生まれたキャプテンアメリカが、
ナチスの同様の能力を持つ敵と戦う話。
最後に氷漬けになって現代に蘇ったり、
アイアンマンとかに出てきたキャラが脇役に出ていたり。
ミッシングリンク的な位置付けである事が強く感じられ、単体としてはいまいちかな。

TV放送 2012/09/09 WOWOW 1945-2149
 

キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014年米)

スティーブ キャプテン・アメリカ(クリス・エバンス)
ナターシャ・ロマノフ ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)
ピアース理事 シールド幹部(ロバート・レッドフォード)
バッキー・バーンズ軍曹 スティーブの親友。前作で死亡
サム ファルコン。スティーブの友人
ニック・フューリー シールドの長官(サミュエル・L・ジャクソン)
ペギー スティーブの元恋人
ケイト 隣人に扮したエージェント
ラムロウ シールドの攻撃部隊

 キャプテンアメリカことスティーブは、
海賊に乗っ取られたシールドの船から人質の救出に成功。
ブラックウィドウことナターシャも現場に現れたが、別任務だったと言う。
フューリーによると、シールドはテロ対策を強化するインサイト計画を進めており、
空飛ぶ空母ヘリキャリアを開発。
計画は時期尚早との意見もあるが、ピアース長官が強行に進めているのだ。
そんな中、フューリーが何者かに襲撃されて死亡。
メモリを託されたスティーブも追われる身となり、ナターシャと合流。
フューリーは海賊の仕業に見せかけて、シールドの不法行為を探していたのだ。
スティーブらはメモリに記された軍の古い施設へ。
そこにあったコンピュータにメモリを接続すると、独軍の科学者ゾラの映像が現れる。
シールドの一部が、世界を混沌から救うには新たなヒドラが必要と考えたのだ。
ヘリキャリアは、人々の過去を分析し、
危険人物となりそうな者を数百万人単位で始末すると言う。
計画の障害として襲撃を受けたスティーブは、
追っ手に死んだはずの親友バッキーがいる事に気づく。
ゾラの実験台とされたにバッキーは死を免れたが、スティーブらの記憶も失っていた。
一方で、フューリーも死を偽装しており、無事だったと知る。
スティーブは、シールドもヒドラも壊滅させると言って基地に乗り込む。
シールド幹部にも反発する者が現れるが、ピアースが始末。
ナターシャらの妨害で、ヘリキャリアは墜落。
ピアースは退散しようとするが、フューリーに射殺される。
スティーブはバッキーと対峙するが、君とは戦わないと告げる。
ヘリキャリアが崩壊し、
海に落ちて気を失ったスティーブを、困惑するバッキーが救出する。
ナターシャは、自ら漏らした情報で敵スパイと疑われ、審問を受ける事に。
だが、世界を危機から守れるのは私たちだけだと言って退散してしまう。
資料を入手したスティーブは、友人サムと共に何かに取りかかろうと決意。
ストラッカー博士は、巨大になったヒドラに対する為、
新たな能力を持つ連中に目を向ける。
一方バーンズは、キャプテンアメリカ記念館で自身の展示に複雑に思うのだった。

 と言う訳で、キャプテンアメリカの第2話。
すっかりシールドの一員となったキャプテンだが、
シールド内部に、独軍の流れを組むヒドラに従う連中
(中心はロバート・レッドフォード)が幅をきかすように。
サミュエル・L・ジャクソン長官が殺され、
キャプテンアメリカ(クリス・エバンス)や
ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)も追われる身となる訳。
派手は派手だけど、アベンジャーズがらみで世界観を広げすぎた感があり、
例えば今回、なぜアイアンマンはかけつけなかった?なんてあたりも引っ掛かる。
関連作を意識したらしきキャラが大勢出てくるのも、
単発で楽しみたい向きにはつらいところ。
かつての親友がライバルとなって次回作へ続くなんてのは悪くないので、
何事も程々にって事ですかね。

TV放送 2015/06/06 WOWOW 2100-2316
 



キャプテン・ウルフ」(2005年)を見た。

 アクション俳優と言うのは、ある程度で限界を感じるはずで、
その後は路線変更を余儀なくされる。
さもなくば路線変更せずに消えていくか、
ブロンソンみたいにじいさんになってもアクションを続けるか。
バンダムやセガールはブロンソンパターンになっている気もするが、
要領のいい人は、路線変更のきっかけとして、コメディに挑戦するわけ。
その例として、シュワルツェネッガーがいて、
基本的にコメディは演技力がいるはずなのだが、
アクション俳優というのを逆手に取り、無骨なところで笑いを取るという手が。
シュワはそれでそこそこ成果を上げたが、
後を追ったスタローンはいまいちうまく行かず。
ここでまた、ヴィン・ディーゼルが同じ道を歩む事になるわけだが、
聞けば特殊部隊隊員が子供の世話をする話。
まるで「キンダガートンコップ」の二番煎じだ。
しかし、ヴィン・ディーゼルは気になる存在だし、
まあお約束的とは言え、それなりに楽しめればいいと思って見た。

 キャプテン・ウルフ(ビン・ディーゼル)率いる特殊部隊は、
一味の船に捕らわれたプラマー博士を救助する。
無事連れ帰り、ヘリに乗せようとするが、まだいた一味の襲撃を受け
博士は殺され、ウルフも負傷してしまう。
それから2か月。回復したウルフだが、任務失敗には責任を感じていた。
だが上官は彼の才能を認めていて、新たな任務に就ける事に。
実は博士は「ゴースト」と言う重要なプログラムを開発しており、
一味が狙ったのもそのプログラムなのだが、依然これが行方不明。
どうやらスイス銀行の貸金庫にあるはずだと言う事で、
上官とプラマー夫人が向かう事に。
その留守中、プラマー家を護衛すると言うのがウルフの任務だ。
しかし、貸金庫を開けるには、パスワードが必要と判明。
夫人にも思い当たらず、いろいろ言ってみるがすべてはずれ。
おかげで夫人の不在は長期化するのであった。

 ウルフを待ち受けていたのは、5人の子供たち。
男と遊んでパーティばかりしている長女ゾーイ。閉じこもりがちの長男セス。
おとなしくて唯一ウルフになつく次女ルル。まだ幼い次男ピーター。
そして三男のタイラーはまだ赤ん坊だ。
彼らの周囲には、言葉が通じない家政婦ヘルガ、隣家にはアジア系の夫婦。
そして海軍にいたと言う女性校長フレッチャーや、
レスリング自慢の嫌みな教頭マーニーなどがいるが
いずれも調査の結果不審なところはない。
軍隊一筋のウルフは、子供たちに対しても、あくまで軍隊式で接する。
レッドワン、レッドツー、レッドベイビーなどと呼び
逆らえば腕立て伏せをさせたり、行方のわかるように発信器を付けたり。
これには普段仲の悪いゾーイとセスも協力し、
階段を滑るようにしてウルフを撃退しようとするが、ひっかかったのはヘルガ。
怒ったヘルガは出て行ってしまい、仕方なくウルフは1人で世話をするハメに。
さしものウルフも、赤ちゃんのおむつ替えだけは大苦戦だ。

 抵抗を続けるゾーイは、家でパーティをするが、
怒ったウルフはパーティ参加者に部屋の大掃除をさせる。
そこで、「ゴースト」と書かれたディスクが見つかる。
それを見ていた一味は、その晩、屋敷を襲撃する。
忍者2人組だから、正体はわかりそうな物だが。
おびえる子供たちだったが、ウルフが撃退。
とりあえずディスクの中身を見てみるが、それは映画の「ゴースト」と判明。
ゾーイたちも、家が狙われているという話が本当だと知り、一気にうち解けるように。
ゾーイは父がいなくなった不安を打ち明け、車の練習を手伝ってもらう。
いじめられてるルルには格闘を教え、いじめっ子を撃退。
ピーターを寝かしつけるには、亡き父が作ったと言う
奇妙なピーター・パンダ・ダンスという歌と踊りが有効で、必死に覚える。
一方、セスのロッカーからナチの衣装が見つかり問題に。
セスは何でもないと語ろうとしないが、ウルフはひそかに彼を尾行。
実は彼はサウンド・オブ・ミュージックの舞台に出ようと稽古していたのだ。
だが、素人の集まりの劇団で、セスの相手はデブのおばさんだったりして
ひどい有様。演出家はお手上げになって出て行ってしまう。
そこでウルフが演出を買って出る。と言ってもやはり軍隊式で
ほふく前進とかで特訓させるのだが、それなりにサマになっていく。
しかし、演劇に夢中でレスリングの練習に来ないセスを、マーニー教頭がしかる。
それではとウルフがレスリングで対決する事に。
強がるマーニーだったが、ウルフには歯が立たなかった。

 2週間が経過し、ついにプラマー夫人はパスワードを思いつく。マイベイビーだ。
これが見事正解で、貸金庫を開けると、そこには鍵が。
一方、ウルフもまた、倉庫の地下に隠し部屋がある事に気づく。
上官の連絡で、そこを開けるのに貸金庫の鍵が必要と判明。
プラマー夫人と上官が帰宅。さぞ散らかってると思った我が家が綺麗になっていて
ウルフと共に迎え入れられて感激する夫人。
さっそくウルフは上官と夫人を隠し部屋へ案内するが、
そこへ忍者の正体隣家のアジア系夫妻が現れる。
さらにありがちな事に上官も一味で、ウルフは気絶させられる。
子供たちも夫妻に捕らわれるが、何とか撃退。
車を走らせ、夫妻に追われるが、わざと派手に走ってパトカーにも追跡させる。
上官は隠し部屋へ行くが、そこにもインディ風仕掛けがいっぱいで
まともに奥の金庫へはたどりつけそうもない。夫人にも行き方はわからない。
気がついたウルフがかけつけ、
ここを通過するにはピーター・パンダの踊りの通りに動けばいいと気づく。
見事仕掛けをすり抜け、奥の金庫に到着。
よくやったと言う上官は、銃を突きつけ、最後は何と言うんだと聞く。
「お休みピーター・パンダ」と言うと、金庫が開いて、頭に当たり気絶する上官。
無事、博士の発明を回収する。
子供たちは夫妻に追われていたが、校長もかけつけ撃退。追ってきた警察が到着。
ウルフは唐突だが校長と恋仲に。
まだやり残した事があると、劇を上演。オカマ風の役を演ずる事になった教頭。
彼も天職を見つけたと言うウルフ。
お別れの時が来たが、ウルフはしばらく任務を離れ、彼らを近くで見守る事にする。

 と言うわけで、物語はシュワのキンダーガートンコップをなぞったような感じだが、
ちょっと違うのは、子供の年代が下から上までいる一家だと言う点と、
心ならずも任務に就いたシュワと違い、ディーゼルは一応は納得している点。
どう考えても強引に、軍人式の行動を押しつけたりするあたりや、
一度襲撃されただけで、子供たちが主人公を理解するあたり、ちょっとわざとらしいが
逆にそう言う映画だと割り切ってしまえば、
同じような歳の子供ばかり相手にしていたシュワ作よりも、
手を変え品を変えてハプニングを起こすこの一家の方が面白い。
最後に、普通のサスペンス物みたいな裏切りがあったり
インディ式の仕掛けが出てきたりして、調子狂うが、
まあ面白くしようと言う姿勢として、よしとするか。
 



キャプテン・フィリップス」(2013年米)を見た。

ボーンシリーズの他、ユナイテッド93を監督したポール・グリーングラス監督作品。
ボーンはもちろん、ユナイテッドでは実際にあった911のテロを、
これまた緊迫感あふれた演出で見せた。
前作グリーンゾーンは、フィクションにしては派手さが足らずいまいちだったが、
今回は実際にあったソマリアの海賊による事件を描いており、
ユナイテッドの出来を期待させられる。
主役の船長はトム・ハンクスで、
またアカデミー賞なんて話もあるくらいだから、見るしかない。

フィリップス 貨物船船長(トム・ハンクス)
ムセ 一味のリーダー
ビラル 一味の少年
ナジェとエルミ 一味

 フィリップス船長は妻と車で移動。彼は貨物船船長で、今回も長い不在となるのだ。
一方、ソマリアの海岸では、
今日の仕事があるぞと男が言うと、参加したい連中が集まってくる。
まるで日雇い労働者を集めているようだが、実は海賊のメンバーを集めているのだ。
どうやら、ここでは日常的な光景と言う事らしい。
その様子を撮影するのは、グリーングラスお得意の揺れるカメラ。
最後までこれだったらキツいな(眼が疲れる)と思ったが、
気になったのはこのシーンだけ。
船長は貨物船に到着。今回は、アフリカの角と言われるソマリアを回るルート。
海賊が多い地区とあって、船長は警戒。海賊よけの柵に鍵がかかってないと指摘。
出航すると、ただちに海賊に襲われた想定の演習をしたりする。
そんな中、船長は貨物船に近づく2隻のボートがいる事に気付く。
スピードを上げたり、コースを変えても着いてくるので、海賊である事は間違いない。
海上保安庁みたいな所へ連絡。
受け付けられるが、たぶん漁船ですよと言う始末で、頼りにならない。
やむなく、海賊が傍受している事を承知で、海軍と通信するフリをする。
海賊が近づいており、武器はあるので撃退可能だが、念のため来てほしいと依頼。
それを軍が受けたと言う設定だ。これが効果あって1隻が退散。
もう1隻はあきらめないが、
貨物船がリミッターを外して全速を出したため、逃げられる。
一安心した船員たちに、よくやったとほめる船長。
だが組合関係の船員は、連中はまた来る、海賊と戦う給料はもらっていないと、
安全なルートで行く事を主張。
船長は、貨物の到着を遅らせる事はしたくない、
いやなら降りろと言ったため、結局船員たちは従う事に。

 翌日、海賊のボートが再び現れる。
今度はエンジンを2つつけているので、昨日より速いと言う事らしい。
接近したボートに対し、放水したり蛇行したりするが、
一ヶ所ホースが違う方向を向いていたため、そこから接近。
発煙筒を撃ち込んだりするが効果なく、はしごをかけて4人の海賊が乗り込んでくる。
この事態に、船長は船内に放送。
海賊が乗り込んできたが、連中は船内の構造を知らないという強みがある。
照明を消して、隠れていろと指示。
事態が解決した場合は「食事の時間だ」と言う。それ以外の呼び掛けには答えるなと。
海賊は柵の鍵を銃で壊して簡単に侵入。ブリッジに乗り込んでくる。
船長がアイルランド系である事から、アイリッシュと呼び、
銃を突き付けたりして、身代金を要求すると言う。
船長は金庫にある3万ドルを渡すと言うが、海賊は300万ドルを要求。
以前、ギリシャの船を乗っ取り、100万ドル近く手に入れたと言うのだ。
彼らが漁師だと知った船長は、国で漁をしろと言うが、
大国が魚をさらってしまい、俺たちの魚は残っていないと言う海賊。
他にも船員がいるはずと、船内を探すと言い出す。
船長は時間稼ぎをしようと別の場所に誘導するが、
海賊はずばりエンジンルームを見たいと言う。
やむなく、エンジンルームは暑いから、水を取ってから行こうと、何とか時間を稼ぐ。
その会話を無線で聞いたエンジンルームの連中は、このままでは見つかると、
あわてて配電盤みたいな所へ行ってエンジンルームの電源を切り、真っ暗にする。
その際、船員は船長らにニアミス。
船長に着いてきた海賊の1人(少年)が裸足である事に気付く。
急いで戻った船員は仲間に知らせ、入り口付近に割れたガラスをばらまく事に。
作戦は成功し、少年はガラスをふんずけて負傷。
船長は真っ暗の室内には誰もいないと言うが、
もう1人の海賊(リーダー)は納得せず、探そうとする。
だが、少年は深手だったようで、騒いだものだから、
船長がブリッジへ連れていって治療する事に。
1人はエンジンルームに残るが、潜んでいた船員たちも、
1人なら何とかなると考えて取り押さえる。
無線でブリッジの海賊に連絡し、
人質となっている船長と、海賊のリーダーを交換する事に。
船員らの抵抗に動揺する海賊に対し、船長は3万ドルを渡すから、国へ帰れと言う。
乗ってきたボートは壊れただろうから、救命艇を譲ると言う。
海賊たちはこの話に乗る事にするが、
簡単に立ち去る訳ではなく、船長に案内しろと言う。
救命艇(カプセルみたいな船)に乗り込んだ船長は、操縦方法を教え、
貨物船に戻ろうとするが、海賊は救命艇を離脱させてしまった。

 救命艇は航行するが、船長とはぐれまいと貨物船は追跡。やがて米海軍が到着する。
シールズとかが救命艇を捕捉したため、貨物船には立ち去らせる。
米軍は交渉を求めるが、海賊は再び高額な身代金を要求。
ソマリア人の通訳はすぐには無理だと言い、様子を見る事に。
救命艇の中は換気が悪く、暑い状態。
海賊たちは内輪もめしたり、船長に八つ当りしたり。
船長は少年の足を心配し、治療するが、思わしくない。
思い立った船長は、小便がしたいと言って外へ出ると、
海に飛び込み泳いで逃げようとする。
だが、軍もすぐには気づかず、結局海賊に捕まってしまう。
軍は、ソマリアの長老を呼んだので、
身代金の交渉のため、リーダーに戦艦まで来るよう要求。
海賊内部で罠だともめるが、リーダーは大金をせしめてくると乗り込む事に。
救命艇は曳航され、軍は救命艇に水などを差し入れ。
船長に服が濡れたろうと、赤いTシャツに着替えるよう指示。
普通のTシャツだと、海賊は船長に渡すが、これは明らかに軍が目印にするためだ。
救命艇にはマイクがつけられ、中の会話は筒抜に。
軍は船長に、家族に言いたい事はないか聞くと、
解決したらいつもの15番の座席に乗って帰る等と言う。
実は船長が座ってる席が15番なのだ。
これで船長の位置も把握し、軍は海賊を射殺する用意。
3人のスナイパーがそれぞれ海賊を狙う。
確実に捕捉すると、モニターが緑になるが、捕捉できないと赤に。
全員緑になるまで行動を起こすなと言う上官。
戦艦に到着したリーダーは、長老に会いたいと言うが、
なぜか足止めさせられ、状況がわからない。
軍が海賊を射殺する気だと考えた船長は、
少年に両手を挙げれば撃たれない等と話すが、少年には何の事か理解できない様子。
残る海賊はまたも内輪もめ。長老なんか来てない、だまされたんだと言い出す。
高まる緊張感の中、船長は近くにあった紙に遺言を書き始める。
危険だからよせと言う少年。
気づいた残る海賊が船長を立たせて、何してやがるとどなる。
一同激しく動いたため、3人とも赤の状態に。
緊張感が極まり、もう耐えられないと叫ぶ船長。その声は戦艦も捕らえていた。
救命艇内がやや落ち着き、3人が緑の状態に。
指令が出て、たちまち3人は射殺され、船長は彼らの血を浴びて血だらけに。
戦艦にいるリーダーは逮捕されるが、まだ事情がわかってない様子。
船長は戦艦に収容され、検診を受ける事に。だが、まだ放心状態だ。
看護士は体のあちこちを触るが、たいしたケガはしていない様だ。
体についた血を見て、これはあなたの血ですか?と聞くと、
違うと思うと答えつつ、緊張感がとけた船長は泣き叫ぶのであった。
その後、フィリップスは1年ほどで船長職に復帰し、
逮捕されたリーダーは30年の刑で収監された。

 と言うわけで、この物語は、大きく3つのフェイズに分かれていた。
1は貨物船を乗っ取らせまいとする船長の奮戦。
2は貨物船を乗っ取った一味と船員の攻防。
3は救命艇に乗った一味と海軍の攻防。および人質にされた船長の奮戦。
見る前に予想していたのは1と2。3がウェイトを占めるはちょっと想定外だった。
ソマリア沖を航行するのは、海賊との戦いだと考えていた船長は、
海賊防止用の柵を確認したり、訓練したり警戒に余念がない。
ありがちな、ちょっと油断していた、と言う話ではないようだ。
一味はソマリアの漁師で、今日の漁に出る者を集める感覚で、海賊を募る。
グリーングラスお得意の揺れるカメラで、この後大変な事になりそうと予感させる。
最初2隻のボートで迫るが、船長が軍が近くにいるような演技をしたため1隻は退散。
だが、残り1隻の連中は諦めず、最終的に追いついてしまう。
一味(4人)はまずブリッジを制圧。
船長は3万ドル渡して退散させようとするが、
それでは足らないと引き下がらない一味と船員の攻防があり、一味の少年が負傷。
混乱する中、3万ドルを受け取り、救命艇で帰国すると言う、
船長のアイデアに乗ったかに思えた。
ところが、一味はここで船長を人質に取り、救命艇で貨物船を離れてしまう。
海賊にとってこれは最悪の決断で、ただちに米海軍が救命艇を包囲。
もはや誰の目にも、一味が射殺されるのは明らか。
そこにある選択肢は、船長も死ぬか否かだ。
一味もそれはわかっていて(認めたがらないが)、
自棄になれば船長を道連れにする可能性もある。
そんな中でも船長は、一味に同情的になっていて、
負傷した少年だけでも救えないか考える。
そんな船長の気持ちも知らず、一味は船長を脅し続けて、緊張感は最高に。
最終的に、一味は射殺され、船長は無事救出。
米海軍にとって最良の結果となるが、
船長にとっては必ずしも最良とは言えないものだった。
なるほど、この第3フェイズこそ、
本作の描きたかった部分であると言うのは理解できる。
ただし、ボーンシリーズみたいな攻防は2フェイズまでなので、
そういうのを期待していた向きには、ちょっと物足りない結末かも。
 

キャプテン・ブーリーの大冒険(1983年アメリカ・ニュージーランド合作)

 海賊のブリー船長(トミー・リー・ジョーンズ)は
敵に武器を売ったとして、スペイン軍に捕らわれ処刑されそうに。
彼はかつて宣教師ナサニエルとミス・ソフィを乗せて南の島へ。
ナサニエルらはそこで結婚式をするが、奴隷商人に襲われ、ソフィがさらわれる。
ナサニエルは奴隷商人と噂されるブリーの仕業と決めつけて追跡。だが誤解と知る。
ドイツの伯爵と働く、かつての仲間ピーズ船長の仕業らしい。
彼らはピーズの奴隷市に潜入。一味を次々倒すが、軍艦で逃走される。
ピーズらはソフィを救出。退散するが、今度はピーズが軍艦で追跡。撃ち合いに。
剣で対決し、伯爵を倒し、軍艦も爆破した。
あれから1年半。生きていたピーズ一味に捕らわれ、処刑寸前のブリー。
だがナサニエルらがかけつけ救出。船に逃げ込む。

 と言うわけで、まだ若い頃のトミー・リー主演だが、
どうにもアクションが多いはずの海賊ものは柄じゃないと思ったら、
さほどアクションは見せず、勧善懲悪的な面白さも何だかテンポが悪い。

TV放送 2002/12/05 BS05 1900-2045