ミートボール(79)

 監督 アイバン・ライトマン

 トリッパー(ビル・マーレー)は、今年もサマーキャンプの指導員をする事になる。
彼は気ままに過ごし、恋人のロクサーヌと接近。
仲間はずれの少年ルディと朝のマラソンをする。
キャンプ対抗のオリンピックで、金持ちのキャンプに大負けになるが、
トリッパーの呼びかけで奮起し、盛り返す。
やがて、最後のマラソンで逆転のチャンスとなり、ルディが見事勝利。
少年たちは様々な思い出を持って、家に帰っていく。

 というわけで、アイバン・ライトマンとビル・マーレーのコンビだが、
あきれるほどつまらなかった。
と言うのも、ギャグらしきものは古かったり、ギャグかどうかも不明なものもあるし、
キャンプものなら、もっと無茶苦茶な展開がありそうだがない。
マーレーが意外にまじめで、ルディの事を心配するあたり、
違う映画を見てしまったようだ。

TV放送 92/02/04 12CH 14:00-15:30
 

ミイラ再生(32)

 21年。ウエンブル博士はミイラを発掘するが、
助手が箱を開けトトの巻物を出すとミイラが動き出し、助手は病気になって死ぬ。
32年。博士の息子フランクは、アーダス(ボリス・カーロフ)と言う男の案内で
古代王女の墓を発見。アーダスは実は甦ったミイラで
かつて恋した王女を甦らせるため、ミュラー博士の娘ヘレンを生け贄にしようとする。
ヘレンを殺そうとするが、ヘレンが祈ると神の像が動き出し
巻物が燃え、アーダスは朽ち果てた。

 と言うわけで、いろいろな怪人怪物がいるが、ミイラが甦るという話は
ミイラはそう言う風にはなってないぞと言う感じで、あまりにバカらしい感じ。
甦ったミイラの狙いもよくわからないし。

TV放送 98/11/18 BS05 03:40-05:00
 

ミーン・マシーン(2001年米英)

ダニー・ミーン 元サッカー選手(ヴィニー・ジョーンズ)
モンク 特別房の男(ジェイソン・ステイタム)
サイクス 囚人のボス
マッシブ マネージャ役
ビリー ダニーを慕う
ドック 老人。知恵袋
ニトロ 内通者

バートン 看守長
所長 (デビッド・ヘミングス)

 元英国代表のサッカー選手ダニーは、警察沙汰を起こして3年の刑で刑務所へ。
所長は看守チームのコーチをさせようとするが、これに看守長バートンが反発。
ダニーは看守チームと囚人チームで試合をする事で収めようとする。
囚人のボス、サイクスに話をつけ、彼の部下を選手にする。
さらに特別房のモンクをGKに起用。
内通者のニトロがダニーのロッカーに爆弾を仕掛け、
ダニーの代わりに開いたドックが死ぬ。
試合はドックが用意したユニフォームで臨む事に。
囚人チームは善戦し、リードしてハーフタイムに。
あわてた所長は、もし勝てば、ドック殺しの罪を着せるとダニーを脅す。
後半はダニーが消極的になり、ベンチに下がってしまう。
その間に同点に追い付かれるが、囚人チームの踏張りにダニーも改心。
再び試合に戻ったダニーのアシストでゴールして勝利する。
所長は怒るが、その車は爆破され、バートンはいい試合だったと称えるのだった。

 と言う訳で、ジェイソン・ステイサムが出てる映画。
今回の主役はヴィニー・ジョーンズと言う人で、
そう言えばジェイソンとかの出てる映画でチラチラ見かける気が。
彼は元サッカー選手らしく、サッカーを題材にした作品になっとります。
元サッカー選手のヴィニー・ジョーンズは警察沙汰を起こして刑務所へ。
看守チームを鍛えろと言う所長(デビッド・ヘミングス)の誘いを断り、
囚人チームを率いて対決すると言う訳。
事前にとある作品のリメイクだとの情報を得てしまい、
見てみると結構細部までそっくり(競技は違う)。
かの作品には、タイトルも同じリメイク作があり、同じ話を都合3回見た事に。
オリジナルも本家リメイクも、
何か脚本がうまくこなれてないと言う印象(荒さ?)があって、
本作が一番すっきりしてるかも。
アメフトよりサッカーの方が、なじみがあると言うのもあると思います。
ちなみに、ジェイソンの役柄は、
オリジナルならばリチャード・キールに相当する怪物役。苦労してたんですな。

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ミクロキッズ(89)

 ウエイン(ニック・モラニス)は物体をミクロ化する機械を研究。
隣家の息子ロンのボールが、研究室の機械に命中。
謝りに来たロンと兄ラス、ウエインの娘エミーと弟ニックは、光線を浴びてミクロ化。
帰宅したウエインは機械を壊し、4人ニックらごとゴミ捨て場へ捨てる。
4人らの前には、5kmに相当するジャングルのような庭が。
川を渡れないため、犬のクワークを呼ぶが失敗。
花に落ちたニックがハチにさらわれ、ラスが飛びついて助ける。
ウエインは4人がミクロ化した事を認識。庭をしらみつぶしに捜索。
スプリンクラーが作動し、泥の中へ落ちたエミーを、ラスが助け出す。
ウエインは妻ダイアンや、ロス夫婦に事情を説明。ロスたちには理解できない。
ダイアンは、仕事にかまけて家族を大切にしなかったと反省。
サソリが4人を襲うが、仲良くなったアリが助ける。追い払うが、アリが犠牲になる。
翌朝、ニックの友人トミーが、芝刈機を作動。4人は吸い込まれて飛ばされる。
彼らは近づいてきたクワークに乗って食卓へ。
ニックがウエインのスプーンにすくわれるが、クワークが間一髪止める。
ボールがミクロ化の効果を生んだとわかり、子供たちは元通りになる。
すれ違い気味だった親子は仲よくなり、隣同士も親しくなる。

 というわけで、ミクロの決死圏コメディ版という感じ。
事件を通して、隣同士や、親子等が仲良くなるという展開だが、
やっぱりウエインの危ない発明が一番いけないとしか思えない。
ミクロ化した少年たちと巨大な庭との格闘は面白いが、
親にしてみれば、どこになくしたかわからないコンタクトのようなもので、
考えただけでも気が狂いそうだ。

TV放送 92/03/01 BS05 19:05-21:00
 

ジャイアント・ベビー(92)

 発明家ウェイン(ニック・モラリス)は、物体拡大装置の実験を行う。
光線を受けた2歳のアダムは、体が大きくなって家の中はめちゃくちゃ。
ウェインは元に戻すため、物体縮小装置を研究所に取りに戻る。
その間もアダムは大きくになり、家の外へ。大騒ぎになる。
所長(ロイド・ブリッジス)は、研究の横取りを企む博士をクビに。
電磁波の影響でアダムは30mまで巨大化。兄ニックと恋人マンディを連れ去る。
ウェインは道路閉鎖し待機するが、失敗。アダムはラスベガスをめちゃくちゃに。
博士は軍を出動させ攻撃を計画。それを知った母ダイアンは巨大化し、それを阻止。
縮小装置でアダムらを元に戻すが、今度はニックらが小さくなってしまう。

 と言うわけで、「ミクロ・キッズ」の続編。こんな大騒ぎでおとがめなしとは。
ラスベガスで暴れるシーンは、ちょっと面白い。

TV放送 95/01/22 BS05 20:00-21:35
 

ミクロキッズ3(1997年米)

ウェイン・サリンスキー ミクロ光線を開発した科学者(リック・モラリス)
ダイアン ウェインの妻
ゴードン ウェインの弟
パティ ゴードンの妻
アダム ウェインの息子
ジェニー ゴードンの娘
ミッチ ゴードンの息子
リッキー ジェニーが憧れる

 妻ダイアンと義妹パティが旅行に行く事になった発明家ウェイン。
ダイアンに捨てろと言われた奇妙な像を捨てられず、ミクロ銃で縮める事に。
だが誤作動で、ウェインと弟ゴードンがミクロ化してしまう。
パティは息子ミッチに薬を渡すのを忘れた事に気付き、
一旦家に引き返すが、やはりミクロ銃でミクロ化してしまう。
合流した大人たちは、何とか子供に知らせようと奮戦。
大人が留守と信じた子供たちは、パーティをする事に。
憧れるリッキーが来てジェニーは舞い上がるが、強引にキスされ腹を立てる。
リッキーらは居座るが、ゴードンがスピーカーに細工し、驚かせると退散。
子供たちは大人がミクロ化したと気付き、彼らを元に戻す。
影で見守っていた大人は、子供たちへの理解が深まるのだった。

 と言うわけで、人間がミクロ化するシリーズの第3弾。
1作目で子供が小さくなり、2作目で子供が大きくなったから、
3作目で大人が小さくなるのは当然の流れかな。
小さくなった大人たちは、その状況を楽しんでるようにも思え、
羽目を外しそうな子供たちは割にいい子だったと言う感じで、
良くも悪くもディズニー流。ひねりがない分、出し殻みたい。

TV放送 2010/10/17 ディズニーXD 1800-1914
 

ミクロの決死圏(66)

 通信のプロ、グラント(スティーブン・ボイド)は、地下の施設へ呼び出される。
カーター将軍によれば、あらゆる物体をミクロ化する計画の
中心人物ベネッシュ博士が、敵の襲撃で脳に損傷を受けたのだ。
そこで、デュバル博士、助手コーラ(ラクエル・ウェルチ)、
マイケルズ博士(ドナルド・プレゼンス)らと共に、
ミクロ化した潜水艇で体内に侵入し、脳手術するしかない。
だが、現状では60分以上経過すると、元のサイズに戻ってしまうのだ。
患者を冬眠状態にし、縮小した艇は注射器で動脈から体内へ侵入。
だが、ケガのせいで頚静脈へ出てしまったため、心臓を通過するしかない。
電気ショックで心臓を停止させ、その間に心臓を通過。
続いて、毛細管から肺へ。肺で空気を補給するが、
グラントの命綱が切られ、スパイが潜んでいる疑惑が起こる。
レーザーが破壊されたため、無線機の部品を流用。手術団はレーダーで追跡。
艇は内耳に入るが、看護婦がハサミを落としたため大振動になる。
細胞繊維を除去していたコーラが、抗体に襲われるが救出。
目標の血餅へ到着、レーザーで除去を開始する。
実はスパイだったマイケルズが艇を奪うが、白血球に襲われる。
他の者は泳いで視神経へ。気づいた手術団は涙を採取。4人は元に戻る。

 というわけで、細胞単位にまでミクロ化した人々が、体内に入るという発想は、
実は手塚治虫のアトムからの拝借と言われているが、それはよしとして、
その発想の意外さだけで、ハサミを落とすと大振動になるとか、
心臓を通過するとかは、ある程度誰でも思いつきそうな展開。
むしろ、ミクロ化技術を利用して、要人を誘拐するとか、
最高機密を持ち出すという利用法もあったのでは。

TV放送 92/03/25 BS11 22:00-23:42
 

ミケランジェロ・プロジェクト(2014年米)

ストークス教授 (ジョージ・クルーニ)
ジェームズ・グレンジャー 教授の仲間(マット・デイモン)
キャンベル 教授の仲間(ビル・マーレー)
ガーフィールド 教授の仲間(ジョン・グッドマン)
クレール・シモーヌ 独軍側の協力者(ケイト・ブランシェット)

 1943年。ベルリン陥落が迫るが、
追い込まれたナチスは略奪した美術品を廃棄しかねない。
 1944年。ストークス教授らは美術品奪還の為のチームを組み、訓練を受ける。
ノルマンディへ乗り込むが、教会を破壊するなと言う依頼にも前線は非協力的だ。
 グレンジャーは、ナチ協力者として逮捕された仏人クレールに協力を求める。
彼女は略奪した美術品を管理していたのだ。
やがて、ヒトラーは自分が死んだらすべてを破壊しろと言うネロ指令を出す。
仲間のジャン・クロードは戦闘に巻き込まれて死亡。
グレンジャーは移動する事になり、クレールは美術品の情報を記した台帳を託す。
 1945年。グレンジャーは教授らと合流。
クレールの台帳にあった美術品を見つけていく。
終戦となり、独軍が美術品を大量に隠した岩塩坑が見つかる。
だが、ソ連軍が迫っていると撤収命令が出る。
長く追い続けていた聖母像を見つけ、ソ連軍の到着前に間一髪持ち出す事に成功。
 こうして奪還した美術品は持ち主に返された。
回収した美術品は500万点以上に及ぶが、いまだ行方不明の物もある。
聖母像の為に命を失った者がいると、将来になっても言えるかと言う問いに、
1977年になっても教授はもちろんと答えるのだった。

 と言う訳で、ジョージ・クルーニが監督した戦争アクション(?)
敗色濃厚な独軍は奪った美術品を焼却し始める。
そうはさせじとクルーニらが奪還に乗り込むと言う訳。
メンバーはマット・デイモン、ビル・マーレー、ジョン・グッドマン。
さらに独側の協力者としてケイト・ブランシェットと言う豪華な布陣。
面白そうな設定だが、実際にあった話との事で、
各地で美術品を回収する様子を次々描いて、1つ1つは盛り上がらない。
基本的には前線に行く事もない。
デイモンがケイトから情報をもらうあたりと、
終盤の聖母像を持ち出すあたりが、やや面白い程度。

TV放送 2016/08/19 WOWOW 2100-2258
 

ミザリー(90)

監督 ロブ・ライナー

 作家ポール・シェルダン(ジェームズ・カーン)は、
ミザリーシリーズを終わらせるため、新作で主役ミザリーを殺してしまった。
ロッジからの帰途、雪道でポールは車のスリップ事故を起こす。
気がつくと、看護婦アニー(キャシー・ベイツ)が彼を看護していた。
彼は両足骨折、片腕を脱臼していたが、道路は閉鎖され病院へは行けない。
その頃、エージェントのマーシャ(ローレン・バコール)は、
保安官バスター(リチャード・フォーンズワース)に行方不明のポールの捜索を依頼。
アニーは、熱狂的なミザリーファンだと言い、新作を読ませてくれと頼む。
ミザリーが自分を救ったと言うアニーは、結末に激怒。
アニーは、神の啓示があったと、ポールに原稿を燃やさせる。
続いて、新作の執筆を始めさせる。
ポールはヘアピンでドアをこじ開けるが、電話は壊されていた。
州警察はポールの車を発見。死亡したと断定するが、バスターは捜査を継続する。

 ポールはアニーのワインに鎮痛剤を入れるが、彼女がこぼしてしまって失敗。
続いて留守中に台所へ行き、ナイフを入手。
スクラップブックで、彼女が周囲の人々を殺害して昇進してきた事を知る。
ポールはベットで待ちかまえるが、寝てしまい、アニーにベットに縛られる。
彼女はポールが部屋から抜け出した事に気づき、金槌で両足を折る。
バスターは、殺人の逮捕歴があるアニーが、ミザリーファンである事を知る。
そこで、アニーの所へ行くが、彼女はうまく言い逃れる。
ポールの声がして、バスターはポールを発見。だが、アニーに射殺される。
アニーは2人は死ぬべきと言い出したため、ポールは小説を書き上げたいと言う。
完成させたポールは、原稿に火をつけたため、あわてて拾うアニーを、
ポールはタイプライターで殴る。2人は格闘に。倒れて頭を打つアニー。
だが、彼女はまだ生きている。置物で殴り殺すポール。
18ヶ月後、ポールはアニーが小説家としての自分を救ったと考える。
そして、1番のファンですと言う女性が近づいてきた。

 というわけで、スティーブン・キング原作、ロブ・ライナー監督と言うのもあれだが
熱狂ファンが興奮して作家を襲うと言うのは、原作者の実体験風の面白い設定。
アニーが、女性特有のヒステリックな恐さを見せ、しかも身勝手で狂的なおたくぶり。
ポールがあれこれ脱出の計画を立てるシーンが長かったり、
アニーが意外とポールの甘い声に簡単に引っかかったりするあたりが、
どうもいまいち盛り上がらせない要素だったが、最後の格闘はそれなりに面白い。
演出によっては、抜群に恐い映画が作れると思うのだが。
ラストのオチは、誰だって思いつく平凡なもの。

TV放送 92/04/24 08CH 21:00-22:52
 

見ざる聞かざる目撃者(89)

監督 アーサー・ヒラー

 盲目のウォーリー(リチャード・プライヤー)は、
聾唖のデビッド(ジーン・ワイルダー)の売店で働く事に。
ある日、ウォーリーを尋ねた男が女性に撃たれ死ぬ。男はコインを隠す。
2人は事件に気づかず、警察は犯人として逮捕。
犯人の男女は、2人を保釈して話を聞こうとするが、2人は感づき逃走。
だが、捕まり、コインを奪われる。女性はボスに電話。
2人はスキを見て車で逃走。デビッドの妹アデルに合流。
デビッドは唇の動きから、女性の居場所を突き止めていた。
ホテルでアデルが車をぶつけた間に、デビッドが部屋へ侵入。コインを回収。
だが、感づかれ、アデルがさらわれる。呼び出されたのはサザランドの屋敷だ。
デビッドは温室のアデルを救出。彼女を逃がすが、彼は女性に捕まる。
一方、待機したウォーリーも捕まる。コインは実は超伝導体だった。
サザランドは男を射殺。だが、彼もまた盲目だった。現れた女性が彼を射殺。
逃走をはかるが、ウォーリーらは窓から脱出。警察も急行し、彼女らは捕まる。

 と言うわけで、このコンビの何度目かの共演。
設定は面白そうだが、逆に障害者をバカにしているようにも思える。
犯人の女性が魅力的だが、ホテルで裸になるシーンがあり、裸は汚い。

TV放送 92/12/01 BS05 10:10-11:50
 

ミシシッピー・バーニング(88)

監督 アラン・パーカー

 1964年。ミシシッピー。ジュサップ郡。
ワシントンから、FBI捜査官アンダーソン(ジーン・ハックマン)と
ウォーカー(ウイレム・デフォー)は、3人の公民権活動家の失踪を調査に来る。
保安官スタッキーや、代理のペルは単なる行方不明と言うが、そうは思えない。
宿へ銃が撃ち込まれ、KKKが十字架を焼いて逃げる。
沼地で3人の車が発見されるが、死体はなく、沼の大捜索になる。
KKKは次々と黒人の教会等を襲撃。戦争のような状態に。
ウォーカーらは黒人の集会へ行くが、彼らは何も話そうとしない。
保安官事務所から釈放された黒人が暴行されるのを目撃。
ペルが尋問を受け、マスコミが殺到。だが、人々はマスコミにも暴行する。
黒人少年の協力で、暴行事件を裁判に持ち込むが、裁判官は甘い判決を下してしまう。
少年の父が殺され、ペルの妻は人種差別は教わるものだと言う。
3人の死体はロバーツ農場の下にあると証言。死体は発見されるが、ペルは妻に暴行。
怒ったアンダーソンは、町長ティルマンを脅し、3人の殺害の事を聞き出す。
殺したのはペルらで、首謀者の実業家タウンリーらは現場にいなかった。
ウォーカーはアンダーソンのやりかたを非難するが、きれいごとではすまない。
一味のレスターを脅し、続いてペルを暴行。レスターがたれこんだと言う。
再びKKKに扮してレスターを暴行。保護を求めるため、レスターは証言。
ペルやタウンリーらが逮捕、刑の執行が行われるが、スタッキーは無罪放免。
無関係の町長も、責任を感じて自殺。
ペルの妻が退院。よそへ行く気はない。私の土地だと言う。

 というわけで、アメリカの恥部とも言うべき南部に根強い人種差別の話。
映画の中で、WASP以外はすべて差別の対象だと発言する者もいる。
指をベルトから3本出すのは、KKKの証拠。
KKKがいまだに、存在すると言うのは聞かされていたが、
こうして60年代にもなって、法が公然とねじ曲げられていたとは。
しかし、アンダーソンがみんなを罠にはめて逮捕していくあたりになると、
「フレンチコネクション」を見ているようで、ちょっと違う気がする。

TV放送 92/03/08 10CH 21:02-22:54
 

見知らぬ乗客(51)

監督 アルフレッド・ヒッチコック

 テニスプレーヤーのガイは、列車でブルーノと言う男と知り合う。
彼は、ガイの恋人がアンで、妻ミリアムと離婚したい事まで知っている。
逆に彼は父に殺意を持ち、殺人を交換すれば足がつかないと提案。ガイは拒否。
ブルーノはミリアムを尾行し、遊園地で絞殺。次は君の番と連絡してくる。
ガイは犯行当時列車にいたと話すが、証拠がなく、見張りがつく。
ブルーノはしつこく連絡し、見取り図やカギ等を送ってくる。
アンはガイが彼に殺人を依頼したと誤解。ガイは事情を説明する。
ガイに父を殺す気がないと知ったブルーノは、
遊園地に彼のライターを置いてくる事を計画。そうなれば、ガイの逮捕は必至だ。
ガイはテニスの試合を急いで片付け、遊園地へ急行。
ブルーノは溝にライターを落としてあわてる。
遊園地でガイはブルーノを発見。メリーゴーランドで格闘。
警官が発砲し、係員に当たり、メリーゴーランドは暴走。
急ブレーキで崩壊し、ブルーノは下敷きに。
遊園地の男がブルーノに見覚えがあり、持っていたライターから彼が犯人とわかる。

 と言うわけで、ガイは警察に話した方が絶対にいいと思うのだが。
どうして、約束守らないんだいと不思議そうに聞くブルーノも困りもの。
警官は遊園地の係員を撃っちゃうし、今度は急停止させるし、やれやれ。
アンの父の上院議員に、レオ・G・キャロル。

TV放送 92/12/23 10CH 02:30-04:18
 

ミズーリ大平原(1953年米)

バッファロー・ビル・コディ (チャールトン・ヘストン)
エブリン・ヘイスティングス カリフォルニアの独立を目論む
エブリンの弟
デニー 町の有力者の娘。コディを慕う
ワイルド・ビル コディの相棒

 バッファロービルと呼ばれるコディは、
エブリンらヘイスティングス姉弟と馬車に乗り合わせる。
姉弟はカリフォルニア州の独立を目論んでおり、弟は駅舎を破壊したり過激化。
原住民に襲われた所を助けられたエブリンは、改心してコディに協力的に。
コディは相棒のワイルドビルと組んで、
馬を乗り継いだ速達便の仕組みを確立しようとする。
カリフォルニア州が奴隷制に反対したと言うニュースをわずか10日で伝え、
独立をめざす連中に冷水をかける形に。
一味はコディを襲撃し、彼を慕っていたデニーがやられる。
コディは一味を倒すが、デニーの死の悲しみに暮れるのだった。

 と言う訳で、チャールトン・ヘストン主演の西部劇。
ヘストンらは馬を乗り継いだ通信手段を確立しようとする。
ニュースをわずか10日で伝えたと騒いでるから、今から考えるとかなりのんき。
それも、新聞で言えば、見出しを知らせただけ。
が、カリフォルニア州独立を目論む一味には妨げになると妨害してくる訳。
よくある西部劇とはだいぶ異質で、
ヘストンらが何をしたくて、どういう連中と対立したかわかるのは終盤。

TV放送 2014/12/07 ザシネマ 1000-1141
 



Mr.&Mrs.スミス」(2005年)を見た。

 ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーと言えば、
今熱愛が噂されるカップルで、しかも双方俳優との離婚組。
この二人が平凡な夫婦を装うが、実は殺し屋という設定で、
ジャンルは微妙な感じもするが、まあコメディだろう。
極言すれば、ブラピの嫌いな女の人はいないし、
ジョリーの嫌いな男の人もいないと言う最強のコンビで、
ブラピが別れたアニストンと噂されるビンス・ボーンが共演というのも見所か。
何にせよ、異様に混んでるポッターより先に見た。

 ジョン(ブラッド・ピット)とジェーン(アンジェリーナ・ジョリー)の夫婦。
彼らは熱愛を経て結婚したが、最近は仲が悪いわけではないが
何となくすれ違い気味だ。
カウンセリングを受けても、何となく倦怠期の症状が。
出会いはジョンは5年前と言い、ジェーンは6年前と言う。
物語は5〜6年前に始まる。
南米コロンビアで、警察がホテルに踏み込み、そこにいた客を調べ始める。
1人でいる人物は怪しまれそうな雰囲気だ。
そこにいたジョンとジェーンは、とっさに恋人のフリをしてその場を逃れる。
そしてそれが熱愛に発展。
謎めいた二人だったが、実は互いとの結婚は好都合だと知人に語る。
建築家のジョンと、コンピュータのトラブル対応をするジェーンは
いつも突然呼び出されて、長期不在になる事が多いからだ言う二人。
離婚経験のあるジョンの友人エディ(ビンス・ボーン)は、
結婚してもロクな事はないぞと言うが、聞く耳を持たなかった。
そして現在。すれ違い気味になった夫婦だが、実は互いに影の面を持っていた。
ジョンは物置に、ジェーンは台所に、スパイキッズ風の隠された装置を持っていて
それぞれ仲間と連絡したりして、次なるミッションに取りかかる事に。
そう、彼らは互いに気づいていなかったが、共に凄腕の殺し屋だったのだ。
ただし、殺し屋のタイプはまったく別。
ジョンは一匹狼で、出たとこ勝負。
悪党のアジトへ乗り込み、酔っぱらって迷い込んだ客に扮し、
見張りたちとカードをして楽しむ。
そしてさんざん盛り上がった所へ、肝心の標的が入って来たので
いきなり標的と見張りを射殺。相手のカードが何だったか確認して去る。
一方、ジェーンはアマゾネス軍団みたいな女ばかりの集団のリーダー。
計画を綿密にして動くタイプだ。
ホテルに泊まるテロリストの部屋へ、彼の趣味のSM扮装で乗り込み
女王様を演ずるフリをして始末し、そのままワイヤーで窓から飛び降りて退散。
共に夜はパーティがあり、何事もなかったかのようにパーティに出席。
もっともジェーンのドレスの下には、SM衣装が見え隠れしたりするのだが。

 次なる任務では、偶然にも、
ジョンとジェーンは互いにFBIだかに護送される同じ男を始末しろと言われる。
そんな事とは知らない二人は独自に作戦を遂行。
ジェーンは男が車で通行する付近に爆薬を仕掛け、高い場所にある小屋で待機。
男が来るのを待ち受ける。
ところが、それより少し前に現れた酔っぱらい。
ジェーンが仕掛けた装置を、そうとは知らずに壊したりして
挙げ句に立ちションしたりする。
飛んだハプニングだが、男が立ち去れば問題ないと思ったら、
何とその男もまた、それはジョンなのだが、
バズーカを用意して、護送される男を狙っている事に気づく。
これはいかんとジョンを攻撃するジェーン。あわててバズーカで反撃するジョン。
肝心の男が来る前に爆弾は爆発してしまい、互いのミッションは失敗。
退散する前に、ジョンはジェーンの残した装置を回収。仲間にそれを分析させる。
一方、ジェーンの一味も、彼女が撮影したビデオから、男の正体を分析。
互いに思いがけない結論に至る。
二人は帰宅し、素知らぬ顔をして様子をうかがう。
もちろん旅行していたなどと言う話は出ない。
ジェーンが出す食事にも警戒するジョン。
だが、ジョンが落としたワインの瓶を、
ジェーンが意外な反射神経で受け止めたため、互いに凍り付く。
素知らぬフリをして台所へ行くジェーンだが、ジョンが追うと姿を消していた。
あわてて追跡するジョン。車で退散するジェーンを走って追うが、
滑った拍子にジェーンを撃ってしまい、ジェーンもヒートアップ。
ジョンをはねとばしたりする。
二人は互いの仲間と合流。様子をうかがう事に。
まずジェーンが仲間と屋敷に戻り、家を探し回ってジョンの殺し屋活動の証拠を探る。
ジョンが戻るとジェーンは去った後で、隠された物置の小道具もなくなっていた。
いずれにせよ、共に正体を知った相手は、48時間で始末しなければならないのが
この業界の掟なのだ。
ジョンはジェーンのアジトをつきとめ、天井裏からうかがうが、
ジェーンもそれに気づいて反撃。
エレベータを墜落させたり、派手なせめぎ合いが展開する。
おかしいのは、そんな関係なのに、なぜか毎回家に戻ろうとする点で
家で出くわして激しい撃ち合いに。
そしてそれが終わるとナイフとか包丁とか持ち出して格闘に。
もはやどちらかが死ぬしかないと言う感じになるが、
突然ジョンが、ジェーンを撃つ事はできないと言い出す。
動揺するジェーンもまた銃を捨て、再び愛が再燃。
以前にも増して燃えるという感じで愛し合う。
そんな頃、エディの所には、ジョンを殺したらなんぼと言う知らせが。
悪くない話だが、いくらだか以下では動かないと言うエディ。
そこへジェーンを殺したらなんぼと言う知らせが。
2人足すと、引き受けると言う額を超えてしまうが?

 ジョンとジェーンは、互いの傷自慢とかしたり、
かつてニアミスしてたとかそんな話で盛り上がり朝を迎える。
しかし、それで組織が許すはずもなく、屋敷を襲撃する一味。
一味によって家は破壊され、ほぼ下着姿で退散した2人は、車で逃走。
追跡する一味。互いに俺が私がと、敵と戦いたがるが
結局は凄腕の殺し屋なので、敵を撃退。無事逃げ延びる。
結局、二人を追ったりはしなかったエディや、ジェーンもその仲間の協力を得て
どうすれば事態を打破できるか考える。
標的だった男を捕まえればいいと言う事になり、刑務所を襲撃する2人。
ここでも俺が私がと、ケンカしつつ何とか男を連れ出し、
モーテルへ連れて行く2人。しかし、思いがけない事が判明する。
実は互いの組織は、ジョンとジェーンが夫婦だと知り
普段は敵対していたのだが、手を組んで二人を始末する事にしたのだと言う。
もともと、男は囮だったのだ。
そうと知った二人を襲撃する一味。またも退散し、ホームセンターへ逃げ込む。
そこへも追っ手は現れ、撃ちまくる二人。撃ちまくる撃ちまくる。
多勢に無勢かに思えたが、凄腕なので傷ついてもやられる事はなく
ついには敵を全滅させてしまう。
そしてその後。再びカウンセリングを受ける二人。
前とは変わって親しそうな様子に、カウンセラーも驚く。
そうそう、家を建て直したんですなんて語るが、
壊された家を建て直したという意味だとして、
組織もボスまで死んだわけではないだろうから、同じ場所に住んでていいの?

 と言うわけで、物語は序盤は倦怠期に入った平凡な夫婦を描くが、
途中から実は彼らが互いに殺し屋だと判明。
とは言っても、リアルな感じではなく、
家にスパイキッズ風の仕掛けがあるくらいだから、やはりおふざけな感じ。
ジョリーはアマゾネス風女ばかりのチームのリーダーで、作戦重視のタイプ。
ブラピは一匹狼で、勘に頼った出たとこ勝負の反面、ヘマもあると言うタイプ。
タイプを変えているあたりは面白く、
さらに言えば、悪役かと思ったビンス・ボーンは、ブラピの同僚で親元同居。
結局最後まで殺し屋らしい面を見せないのも面白いところ。
2人とも激しいアクションも可の俳優なので、アクションは派手で
似たようなタイプの映画だった、「ローズ家の結婚」のようなダークさはない。
まあ、俳優の知名度から考えて、どちらか片方かあるいは両方が死ぬとは思えず、
ある意味予想通りの結末で、安心して見られる感じ。
難を言うと、最後に組織に反撃に出るあたりで、
ラストで復讐する話は好きなんだが、この映画ではいかにも蛇足な感じ。
車で逃げ切ったあたりをエンディングにすれば良かった気がする。
 

Mrインクレディブル(2004年米)

ボブ・パー Mrインクレディブル。強い(クレイグ・T・ネルソン)
ヘレン ボブの妻。イラスティガール。体が伸びる(ホリー・ハンター)
ヴァイオレット ボブの長女。消える
ダッシュ ボブの長男。早い

ルシウス ボブの友人。凍らせる(サミュエル・L・ジャクソン)
バディ シンドローム。ボブに恨みを抱く
ミラージュ バディの部下
エドナ デザイナー

 スーパーヒーローのMrインクレディブルことボブは、
イラスティガールことヘレンと恋に落ちて結婚。
だが、ヒーローたちによる都市破壊などが問題視され、ヒーロー活動が禁じられる。
 15年後。保険会社社員となっていたボブは、客に同情してばかりでクビに。
ミラージュと言う女性から、あなたのパワーが必要だと言われ、
妻には内緒で依頼を受ける。
とある島に招かれたボブは、暴走ロボを倒す任務を成し遂げ大満足。
デザイナーのエドナに頼んでスーツを新調する。
だが、強化されたロボに襲われ、
依頼人がかつてボブを慕っていた少年バディだと気付く。
ボブに裏切られたと感じたバディは、
世界中のヒーローを倒した上でロボに都市を破壊させ、
それを倒してヒーローとなる計画なのだ。
ヘレンはボブが何かを隠して出かけたと気付き、子供たちと共に島へ急行。
改心したミラージュがボブを逃がし、ヘレンらと合流。
バディは都市でロボを暴れさせた為、一家は急行。
ロボがリモコンで操縦されていると気付き、その腕で体を貫かせて倒す。
一家は真のヒーローだと喝采を受ける。
バディは一家の赤ん坊を捕らえるが、彼には両親も知らない能力があって撃退。
自信をつけた一家の前に、アンダーマイナーと言うドリルロボが現れ、
一家は立ち向かうのだった。

 と言う訳で、ディズニーピクサーによるアニメ。
主人公のMrインクレディブルはスーパーヒーローだが、
町を破壊したりした為に訴えられ、活動を禁じられる。
同じくスーパーヒーロー(ヒロイン?)の妻との間に子供たちも産まれ、
普通の会社員として暮らしていた。
ところが、彼を雇いたいと言う謎の人物が現れ、
人を助けたい欲求が頂点に達したインクレディブルは、この話に乗ってしまう。
実はインクレディブルを恨む男が、
ヒーローたちを次々倒して、自分がヒーローになろうと企んでいたと言う訳。
スーパーヒーロー一家が奮戦する話で、
同時期に公開されたファンタスティックフォーに似てるので、
あちらの脚本が変更されたと聞きました。奥さんと娘の技はダブるし。
順序はともあれ、類似品をいっぱい見たと言う印象は否めず、目新しさは弱いかも。
奥さんの表情はちょっと魅力的。

TV放送 2006/11/05 WOWOW 2000-2155
 

ジム・キャリーはMr.ダマー(94)

 運転手のロイド(ジム・キャリー)は乗せたメアリーに一目惚れ。
カバンを置き忘れたのを見て、友人のハリー(ジェフ・ダニエルズ)と追う事に。
実はそれは身代金で、一味が2人をつけ狙うが、恐るべき強運で逃れてしまう。
ついに目的地へ到着。ロイドはついにメアリーに会うが、彼女に真相を聞かされ
しかも誘拐されたのが夫と知ってショック。さらに一味に捕らわれるハメになるが、
警察が突入して犯人逮捕。2人は金もないまま、いずれ運が向くと旅に出る。

 と言うわけで、圧倒的パワーを誇るジム・キャリーの作品だが、
あまりにもレベルが低いので、やや嫌気がさしてきた。
もうちょっと彼の使い方を工夫すれば、まだいけると思うのだが。
メアリーの義姉にテリー・ガー。

VHS
 

Mrダマー2 1/2(97)

 ティファニーと結婚寸前の弁護士チャーリー(ジェフ・ダニエルズ)は
義父となる上司の命令で、詐欺罪のギブスの弁護をする事に。
だが、友人のリッキーが独身パーティをしようと押し掛け、飲み明かしてメロメロに。
公判延期にするため、リッキーがチャーリーに扮して裁判へ。
だが、裁判長が延期を認めず、引き続きリッキーが弁護するハメに。
助手に扮したチャーリーが助言し、心神喪失していたと言う作戦に出る。
ニセ医者を調達して証言させるが、女性検事の追求でボロが出る。
リッキーのやり方に怒ったチャーリーは、暴れ出して裁判所から退去させられる。
落ち込む彼は、飲み屋のウエイトレス、ビリー(シャーリーズ・セロン)に接近。
一方、ギブスが子供の頃の哀しい話をしたため、陪審員たちが感激。
不利に思った検事は、リッキーに司法取引を求める。
彼女が理想の女性バイカーだと気づいた彼は、ニセ弁護士だと告白する。
ティファニーがかけつけチャーリーは帰る事になり、ビリーは落ち込むが
結局チャーリーは婚約を破棄してビリーを追う。
リッキーはギブスの罪を認めて有罪に。女性検事と恋仲になる。

 と言うわけで、ジェフ・ダニエルズがダブるだけで、シリーズでも何でもない作品。
2人の人の立場が入れ替わり、意外に活躍すると言うのは
昔からよくある話で、そう言う面白さとしては弱い。
シャーリーズ・セロンも目当てだったが、パッとしない感じ。

TV放送 2000/12/02 BS05 0630-0810
 

Mr.ディーズ(2002年アメリカ)

 メディア王のブレイク氏はエベレストで投資。400億ドルの資産の行方に注目が。
セダー(ピーター・ギャラガー)らは、
田舎町のビザ屋店主ディーズ(アダム・サンドラー)が遠縁の親戚と突き止める。
セダーは幹部が株を買い取るため、彼をNYへ連れて行く事に。
彼の素性を突き止めるため、TV局のベイブ(ウイノナ・ライダー)は
強盗に襲われた女性パムを演じて、助けたディーズと親密になる。
ディーズはレストランでも気前よく金をばらまき、侮辱した相手と大立ち回り。
この件は面白おかしく報じられるが、続いて火事現場で猫を助けた件も
彼が暴力をふるったかのように報じられ、ベイブは困惑する。
ディーズはベイブに求婚する気でいたが、TV局が彼女の素性をばらす。
失意のディーズは、400億ドルを寄付して田舎町に帰る事にする。
謝罪しようとベイブは押しかけるが、ディーズは彼女の真意がわからず戸惑う。
セダーはブレイク社を売却する事に。5万人が解雇される事に。
1株だけ持っているディーズは総会に押しかけ、夢を奪うなと主張。
株主たちは心を打たれ売却を断念するが、セダーは過半数の株を保有。
しかし、ベイブはブレイク氏の日記から、彼がメイドとの間に息子を作っており
それが執事のエミリオだと突き止める。
正当な後継者となったエミリオはセダーをクビに。
エミリオはディーズに10億ドルを贈り、田舎町は町中の人が高級車に乗る事となる。

 と言うわけで、アダム・サンドラーのラブコメものを続けて見る。
今度はウイノナ・ライダーが相手役で、作品としてはこちらの方がいい感じ。
田舎出身の人のいいサンドラーが、彼をだまそうとするライダーと恋に落ちる展開。
サンドラーが最後まで人のいい状態を貫いてるのが好感が持てるが、
最後に会社を取り戻す展開がまだるこしい感じ。
ライダーも万引きの印象があって、どうも好感が持てない。
田舎町の囚人クレイジーアイズにスティーブ・ブシェミ。
ディーズがバカ騒ぎする仲間にマッケンロー。

TV放送 2004/06/12 BS05 1310-1450
 

MR.デスティニー(90)

 35歳誕生日のラリー(ジム・ベルーシ)は、平凡なサラリーマン。
20年前、野球決勝で三振し、なぐさめた娘エレーン(リンダ・ハミルトン)と結婚。
幼なじみのクリップも同じ会社。エレーンは労働組合の役員だ。
社長のジャッキーは、会長ハンセンの娘シンディ(レネ・ルッソ)と結婚しただけ。
部長ナイルは、日本企業と裏取引を。かぎつけたラリーは書類を盗み見てクビに。
車がエンコして、バーへ。マイク(マイケル・ケイン)と言う男に身の上を話す。
彼のカクテルを飲んで帰宅。すると、自分の家に他人が住んでいる。
マイクは彼を送り、事情を話す。20年前の彼の打席が変わり、人生が変わったのだ。
信じないラリーだが、豪邸や妻となったシンディを見て事実と知る。
だが、両親は離婚しており、すべてが望み通りではない。
社長ラリーは、社員食堂でエレーンに会い、彼女が結婚したと知り、ショック。
自殺をはかるクリップを止め、副社長にすると約束。労使交渉でもすべて飲む。

 代表のエレーンと食事をし、事実を話す。
信じないエレーンだが、交通違反で捕まった時の曲まで知っていたので信じる。
彼は、エレーンとの生活のよさに気づかなかったと話す。
しかし、シンディは彼女の浮気に怒り、追い出し、ハンセンにクビにするよう頼む。
ナイルはオフィスでラリーを待ち、強盗に見せて殺害しようと計画。
しかし、解雇通知を持ったハンセンを殺してしまい、ラリーに罪を着せる。
逃げ出したラリーは、エレーンと逃げようとするが、夫のいる彼女はついてこない。
車で逃げ、マイクのバーへ飛び込む。カクテルを飲み、元の世界へ戻る。
ラリーはナイルの裏取引を思い出し、会社へ急行。ハンセンのサインを阻止する。
不在のはずのエレーンらは、誕生パーティのため待ちかまえていた。
彼はみなを大切にすると約束。ジャッキーらもかけつけ、副社長にすると約束。

 というわけで、人生の転機となった事件をやり直すという夢物語。
でも、結局もとの人生がよかったと言う教訓くさいが、割といい。
ラストまで予想できる展開だが。
割と簡単にエレーンがいいとわかるあたりはいまいち。
思い出の曲が、「ブルースブラザース」にも使われた曲だと言うのは、イキだ。
実は20年前、試合の後、ラリーはマイクに会っていたと言うラストもなかなかいい。

TV放送 92/11/08 BS05 18:00-20:00
 

Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼(2007年米)

アール・ブルックス 実業家(ケビン・コスナー)
マーシャル アールの別人格(ウイリアム・ハート)
エマ アールの妻(マージ・ヘルゲンバーガー)
ジェーン アールの娘 
バファート・スミス アールとコンビを組む
トレイシー・アトウッド 刑事(デミー・ムーア)
ジェシー・ヴィアーロ トレイシーの夫
ホーキンス トレイシーの相棒
ミークス 別名ハングマン。脱獄犯

 紙箱メーカーの大物として、今年の顔に選ばれた実業家アール。
アールには別人格マーシャルがいて、
彼がささやくと殺人を犯してしまう裏の顔があったのだ。
久々にカップルを殺害。
トレイシー刑事は2年ぶりに現れた連続殺人犯の仕業と考える。
彼女は離婚寸前の夫と慰謝料でもめている一方で、
脱走した殺人犯ハングマンにも狙われていた。
一方、アールの所にスミスと言う男から写真が届く。
カップルを覗いていたスミスは、アールによる殺人を目撃し、
彼が連続殺人犯だと気付いたのだ。
スミスは秘密にする代わりに、仲間にするよう求める。
一方トレイシーは、スミスが現場を見ていたのではと疑う。
娘ジェーンの学校で殺人があったと知ったアールは、それが娘の仕業だと考える。
自分の影響だと感じたアールは、家族の前から姿を消し、
スミスに自分を始末させようと考える。
アールはスミスと次なる標的の部屋へ侵入。
標的はトレイシーの夫と、その恋人である弁護士だった。
スミスは緊張して漏らし、代わりにアールが標的を始末。
スミスはアールに銃を向けるが、小便から正体がばれるぞと脅し、墓地へ連れていく。
脅された事にして、アールが姿を消せばスミスは無実になると言うが、
土壇場でアールの気が変わる。
娘の行く末が心配になったと言うアールは、スミスを殴り倒して穴に落とす。
連続殺人はスミスの仕業とされるが、トレイシーは真犯人は別にいると確信する。
アールは2度とやらないと言うが、マーシャルは辞められないさと言うのだった。

 と言う訳で、ケビン・コスナー主演のサスペンス(?)
ケビンの人気がちょっと落ちてた頃の作品です。
彼は今年の人として表彰されるような実業家だが、実は殺人鬼と言う裏の顔があった。
別人格(ウィリアム・ハート)がささやくと、犯行に及んでしまうのだ。
しばらく鳴りを潜めていたが、2年ぶりに犯行を犯す。
その様子を目撃した男は、彼が連続犯だと気付いて仲間にしろと言う。
そんな危なかしい生活も何となく調和を保ってきたが、
娘が同級生を殺害した事に気付いて動揺すると言う訳。
そのあたりまでは面白かったが、
その後はやめられないんすよ、てな雰囲気で引っ張られて尻すぼみ。

TV放送 2014/09/06 ザシネマ 2300-0059
 

不評なのか、短期で終わりそうな「ミスター・ベースボール」(92)という映画を見た。

 これは、「スリーメン&ベイビー」等で知られるトム・セレックが
大リーガーに扮し、日本へ来る事になって、トラブルが起こるという話。
日米のギャップをコミカルに描く映画は何本かあるので、
いまさらと言う感もあるが、今回の舞台は野球だ。
主人公は中日ドラゴンズに在籍。他のチームも実在のものが登場。
日本のプロ野球をテレビ等で見ると、いまいち迫力不足という感があって、
それに対して、映画などで大リーグの試合を見ると、迫力満点と言う事がある。
それは日米のパワーの差もあるかも知れないが、
ボールをアップにする等の演出によってそう見せているのであり、
日本の野球も迫力満点にできるかもと考えた。
監督に扮するのは、野球音痴の高倉健。当然モデルは星野仙一だろう。
と言うわけで、けっこう迫力のある日本の野球が見たくて見た。

 ニューヨークヤンキースの主砲ジャック(トム・セレック)は、
かつてMVPにも選ばれた男だが、今は不振にあえぎ、打率も2割台だ。
飲酒運転で捕まり、その後乱交騒ぎをした事から、CMの放送は中止に。
新人選手がめざましい活躍をし、ジャックは打線をはずされる事に。
これから別の球団を探さなくてはならない。
大リーグに彼を希望する球団はなく、カナダにもクリーブランドにもない。
あるのは1つだけ。日本のチューニチドラゴンズという球団だ。
しかたなく、ジャックは来日。
記者会見では悪態や皮肉を言うが、通訳の西村が当たり障りのないセリフにする。
マンションは日本にしては広いが、天井は低く、やはりジャックにはせまい。
さっそく球場へ行くが、土足で上がれない場所等があって困惑。
チームには、5年前からいるマックスと言う黒人選手も。
1〜2年で慣れると言う彼のセリフに、そんなにいる気はないと言うが、
マックスもまた復帰を希望しながら、居続けるのだ。
グラウンドでは、選手たちがバットを両手に持って中腰で進む練習。
マックスは従えと言うが、ジャックにはコサックダンスの練習にしか見えない。
彼は自分流の練習を主張。監督の内山(高倉健)はチームが一丸となる事を希望。
ジャックが従わないなら、ジャックにチームが従うと言う。
そこで、チームはジャックが冗談でやる変な体操を、マジメにマネする羽目に。
打撃練習では、ホームランを続発。だが、コーチや内山は注文をつける。
反論するジャックだが、日本投手が得意とするシュートにはかすりもしない。
大洋との試合で、(今は横浜だけど、ユニホームは大洋だった)
ジャックは長打を打つ。だが、1塁走者は本塁タッチを恐れ、3塁でストップ。
併殺打の際、1塁走者がスライディングで送球を邪魔しないのも、
ジャックには不満だった。コーチらは何事にも注文をつけ、ジャックはウンザリ。
和式トイレは使い方がわからないし、風呂では体を先に洗うと知らず、浴槽へ。
1人用よりは大きい浴槽に寝転がり、湯に沈んでしまう。
ジャックはマックスと共に、外人のたまり場の飲み屋へ。
ここには、ダグ・デシンセイ、レオン・リー、アニマル・レスリーと言う
かつての助っ人がいたようだが、顔を見てもあまりわからないので……。
新聞はジャックに「ミスター・ベースボール」とあだ名をつける。
彼は、内山を尊敬している等と記者会見で話している事にされており、
通訳の西村に抗議。これからは、おれの言うとおりに訳せと注文する。
続いて、広告会社の女性で、英語も話せるヒロコに呼ばれて食事へ。
女性から食事に誘われれば、Hな事の誘いと思っていたジャックは、
仕事の話と知り失望。しかも、球団が彼の意志に関係なく、CMの契約をしたのだ。

 各球団はジャックをシュート攻めにし、彼は不振に陥る。
広島との対決では、デットボールを食らい、乱闘を起こすが、
日本では謝った投手に殴ってはいけないのだ。(そんな事はないと思うが)
代走を出され、怒ったジャックはロッカールームを無茶苦茶に。
内山は罰金を取り立て、暴れる際のバットの握りさえ注意する。
不調のチームを盛り上げようと、主将の向井の靴に火をつけるが、
向井はジョークととらず、激怒する。
CMは、お茶畑でドリンク剤を持って、相撲や剣道の格好をする屈辱的なもの。
試合は同点でも、15回で終了。
首位を行く宿敵巨人との対戦では、チャンスにバントを指示されるが、
逆らって三振してしまう。
移動は名鉄電車だし、電車ではタバコは吸えない。ジャックには不満だらけだった。
不振のジャックはヒロコと共に、神社へのお参りを口実に、デートしようとする。
ヒロコは女性を遊び相手としか考えない、ジャックの態度に反発。
ジャックも反省し、結局、マンションに連れ込み、
洋式の浴槽で背中を流した上、ベットインする展開に。
彼女は、チームに不満を持つジャックの事を考え、彼を父に紹介する事に。
田舎の家へ連れていくが、ヒロコの祖父母は外人の恋人に困惑。
おまけに、彼女の父親と言うのが、内山監督だった。
実は彼も英語が話せたのだが、彼のやり方に従わせるため、隠していたのだ。
食事の際も、内山とジャックは口論になり、ヒロコは互いのよい所を認めろと怒り
飛び出していく。内山に言わせると、彼女はそうなったら戻らない性格だ。
内山はジャックと共に、墓参りをしながら話す。
ジャックを選んだのは、球団ではなく、内山自身だった。
彼がもし立ち直らなければ、内山もまたクビになる。
内山は選手時代、打撃に絶対の自信を持っていたが、ある時から打ち損ねたらと考え
途端に不振に陥る。だが、彼は過去を切り捨て、本塁打連続記録を樹立したのだ。

 次の日から、ジャックは内山と共に、日本流の猛特訓を開始する。
それは、階段を登り降りしたりの、ボールやバットに触れない練習だった。
やがてこの練習は、他の選手の知るところとなり、彼らも参加。
内山はゴルフの打ちっ放しで、ゴルフボールをバットで打たせる珍特訓。
野球のボールが打ちたいと言う気持ちが高まり、打席で爆発する。
チームの連中に、ヘタな日本語で仲良くやろうと謝り、
連中もジャックの靴に火をつけるお返し。ガム噛んだりのマネも。
ヒロコのオフィスを訪れ、仲直り。
だが、藤田朋子扮する彼女の部下は、いずれ外人はいなくなると言う。
彼の絶好調は米国にも伝わり、ドジャースがケガで負傷した選手の穴埋めに
ジャックを指名。来週にも帰国しろと言う。
彼はヒロコも連れていこうとするが、彼女は仕事を捨てる女にはなりたくない。
ジャックは内山の連続本塁打記録にあと1本と迫る。
ついに優勝を賭けた巨人との対決。
巨人側はジャックを連続敬遠。敬遠ボールを強引に打つが、足が出ていたためアウト。
ジャックは冷静だが、今度は内山が激怒している。
ジャックがデットボールを受けると、今度は全選手が乱闘に。
そして最後の打席。満塁で、ジャックの打席。ここで敬遠はできない。
内山はヒッティングを指示するが、ジャックはあえてバントに。
野手を押しのける守備妨害としか見えない走塁で、1塁へ。サヨナラ勝ちとなる。
チームは優勝。内山は監督を続ける事に。
ドジャースはマックスと契約。一足先に彼が帰国する事に。
ジャックはヒロコと仲直り。彼もまたドジャースへ。
スタンドには、携帯電話等で仕事しながら応援する、ヒロコの姿があった。

 と言うわけだが、野球の映画としては、ありがちな展開。
期待していた野球のボールやスイングの迫力は十分あり、
大騒ぎの応援団も描かれて、そう言う意味ではよかったのだが、
試合の盛り上がりがいまいちなく、相手球団の選手や監督の描写もないので
対決としての緊迫感と言う感じのものに欠けた。
ユニホームはよく変わるから、この映画って、後に見ると古くさく感じるはず。
そう言う意味では、実在の有名な日本選手とかを出した方がよかったのでは。
日米のギャップを描くのだから、アメリカ側のいい所もあると思うが、
結局、日本流の練習で成功したとなると、困ってしまう。
ヒロコの描き方は、やり手に見えて、結局ついてくるから困るし。
内山の性格も、最初はジャックに文句を言うが、最後には仲良しになるのだから
あまり意志の強さを感じられない。
日本人俳優も、藤田朋子以外にもいろいろ出ていたようだが、よくわからず。
名古屋ロケのおかげで、名古屋の長寿番組「天才クイズ」が見れたり、
CBCの「ゴーゴードラゴンズ」が出たり、大須ういろの店が出たり面白い。
 

Mrマグー(97)

 マグー缶詰会社の社長マグー(レスリー・ニールセン)は目が極度に悪い。
泥棒のルアンとモーガンは、美術館から世界最大のルビーを盗み出すが
取り合いになり、マグーの船に落ちるが当人はまったく気づかず。
FBIはマグーが一味と誤解し、
黒幕クロケット(マルカム・マクドウェル)は始末を指示。
ルアンは記者に扮して接近。マグーの身辺を調べ回るがルビーは見つからず。
犬が持っていたルビーを見つけ、ペルー氏(ミゲル・ファラー)に売ろうとする。
ペルーは結婚式に花嫁へのプレゼントにしようとするが、
マグーが花嫁に扮して奪うが取り返される。ルアンは金を持ち逃げしようとする。
警察がかけつけ、ルビーは返還される。

 と言うわけで、裸の銃を持つ男以来、お得意となった
レスリー・ニールセンの白痴的キャラもの。それなりに豪華キャストだが
現実にはあり得ない展開で物語を追うのは大変。ギャグが面白いわけでもない。

TV放送 2000/03/18 BS05 2000-2130
 


ミスティック・リバー」(2003)を見る。

 昨今は監督としても実力を認められている
クリント・イーストウッドの監督作で、今回は出演なし。
その代わり、主演の3人が、ショーン・ペン、ケビン・ベーコン、ティム・ロビンス
なんてクセのある俳優勢揃いで、これはもう仮面ライダー勢揃い的展開で、
アカデミー賞とかの呼び声もあるし、これは見るしかないと思って見る。

 冒頭は今から数十年前。ボストンのダウンタウン。
ジミーとショーン、デイブの3人の11歳の少年たちは、道でホッケーをしていたが、
ボールが溝に落ちてしまい、続けられなくなる。
仕方なく、ジミーだかショーンだかが、道路工事をしたのか
まだ固まっていないセメントに自分の名前を書く。
こうすれば一生名前が残るぞと言い、もう1人も書き、さらにデイブも書こうとすると
途中まで書きかけたところで、刑事に止められる。
公共物破損だと言う2人組は、彼らがどこに住んでいるか聞く。
ジミーとショーンは、その前にある集合住宅に住んでいた。
そしてデイブは岬にある一戸建てだと言う。
それでは親に会って注意すると言い、おびえるデイブを車に乗せ、
ジミーらが見送る中、去っていった。
それを聞いたジミーらの親たちは、そんな事で警察が連れて行くのはおかしいと言い
大々的に捜索。どうやらデイブはニセ刑事にさらわれたらしい。
監禁されていたデイブは、何とか逃げ出し、森の中を走り抜ける。
4日ぶりにデイブは保護され、その家の付近には近所の人々が見物に集まる。
ジミーとショーンも見に来ていて、窓から見えたデイブに手を振るが、
親がカーテンを閉めてしまう。
誰も語ろうとはしなかったが、デイブは2人組にイタズラされたらしい。

 それから25年。3人はまだ同じ町に住んでいたが、
最近では会った時に挨拶する程度の中になっていた。
ジミー(ショーン・ペン)は小さな店の店長をしており、
最初の妻が死に、彼女との間に長女ケイティが生まれていたが、
アナベスと再婚。彼女との間にも娘とかが出来ていて、七五三じゃないけど
そんなようなあちらの儀式があって、用意するジミーら。
19歳の長女ケイティとの間の関係も悪くないが、
実はケイティはブレンダンという男とつきあっていた。
ブレンダンは、口のきけない弟をいつも連れていて、
近所では良くできた兄と言われていたが、なぜかジミーは毛嫌いし、
もちろんケイティとつきあう事など論外だった。
それを知ってか、ケイティはブレンダンと家出し、遠くへ行く計画でいた。
一方、デイブ(ティム・ロビンス)は、セレステと結婚
一人息子とキャッチボールとかをするが、どこかいつも疲れた感じで、
かつてセメントに書いた名前を見て、過去を思い出し苦悩したりするのであった。
彼はその夜、飲み屋で飲み、女友達とバカ騒ぎするケイティを見かける。
ジミーと疎遠になっているとは言っても、それが彼の娘と言う事は知ってるらしい。
その夜と言うか、翌日朝近くになって、妻セレステは遅いデイブの帰宅に怒る。
ところがデイブを見ると、彼は血だらけ。
強盗に襲われ、殴り殺したかも知れないと言う。
動揺していたデイブだが、翌朝になると何事もなかったかのように平然としていて
むしろセレステの方が心配に。新聞を見るがそんな記事は出ていない。
死んでなかったかもと軽く言うデイブ。
ジミーはケイティが姿を消し、心配するが、とりあえず娘の式典の方へ。
その頃、刑事になったショーン(ケビン・ベーコン)は、
相棒のホワイティー(ローレンス・フィッシュバーン)と共に捜査をしていた。
ショーンは、妻に家出され、彼女からは携帯にひっきりなしに電話してきて
何度も話しかけるのだが、彼女は無言で切ると言う事が続いていた。
何とか寄りを戻したいのだが。
若者から誰かが撃たれたと言う電話を警察が受ける。
名前を聞くと、「彼女のか?」と言って、「君のだ」と聞くと電話を切られる。
しばらくして、血痕のついた車が見つかり、それがケイティの物とわかる。
ショーンもジミーの娘だと言う事は知っている。
警察が捜査をする中、野次馬が集まってきてそれに気づいたジミーもかけつける。
そして車に気づいた彼は、見せろと言い出して警察と一悶着。
ジミーの親戚だと言う何とか兄弟と言う悪そうな2人も現れてもめる。
実はジミーは今は店をやっているが、もともと犯罪に手を染めており
長い間刑務所にいたのだ。
さらに公園でケイティの死体が見つかり、半狂乱の状態に。

 落ち込むジミーの家へ。デイブとセレステの夫婦も弔問に来る。
セレステとアナベスは従兄弟なので、仲が良いのだ。
ジミーは久しぶりに話すデイブに、家族を失った悲しみとかを語る。
出所した時、妻が死んでおり、一人にした事を恨むケイティの目が怖かったと言う。
昨日も、そんな目をしているように思えたが。
そんな中、セレステは、あの晩殺したのがケイティではと疑い始めていた。
ショーンはホワイティと共に事件を捜査する事に。
ケイティが友達と飲み屋で大騒ぎしていたと知り、
その後ブレンダンと家出する気だったと聞き出す。
そこでブレンダンを疑うが、ケイティを愛していた彼は極度に落ち込み、
犯人とは思えない。しかも当日彼はケイティを探していたのだ。
続いて、飲み屋にいた客を洗う事に。
その中には、旧友デイブがいる事もわかる。
飲み屋で彼女を見かけた事は認めるが、すぐに帰ったと言う。
だがセレステと話が食い違い、デイブに疑いをかけざるを得ない。
しかもトランクには、デイブとは血液型の違う血痕が。
旧友である事から、ショーンはデイブは無関係と考えたいのだが。
デイブは妻やショーンが自分を犯人と疑っている事を察して、その疑いに怒る。
だが不安が高まったセレステは息子と共に家を出てしまう。
一方、ジミーと何とか兄弟は、自らの顔を利用して独自に捜査していた。
むしろ警察を先行しているほどだった。
そして、彼らはショーンがデイブを疑っていると言う情報を得る。
そんな中、ショーンは犯行に使われた銃が、
かつて強盗に使われた物であると突き止める。
その犯人は、ブレンダンの、行方不明になった父親だった。
ブレンダンは拳銃の事は知らないと言う。
父親は、妻とブレンダンらを置いて突然姿を消したが、
いまだに送金があるので、どこかで生きている事は間違いないと言う。
ショーンらに拳銃の事を聞かれ、何かを察したブレンダンは、
実は天井裏に隠していた銃を取り出し、口のきけない弟とその友達を脅す。
彼らがケイティを殺したと気づいたからだ。
格闘になり、ショーンらがかけつけ、友達はブレンダンが襲ったと称するが、
ショーンは真相に気づいていた。
その頃、何とか兄弟はデイブを無理矢理飲みに連れて行き、酒を飲ませる。
そこへジミーも来て、とりとめもない話をするが
妙な威圧感があり、デイブもジミーが何を目的としているか察しているはず。
吐きに外にある桟橋へ出ると、ジミーらが追ってきた。
なぜケイティを殺したのかと問いつめる。
デイブは殺していないと言う。あの日は確かにケイティに会った。
その後、帰ろうとしたら、途中で少年を襲っている男を見かけ、
彼を車から引きずり出して、何度も殴って殺し、トランクに入れて始末したと言う。
だが、そんな死体が出たと言う話を聞いていないジミーらは、
デタラメだと信用しない。
銃を向け、殺したと言えば助けてやると言う。
仕方なく殺したと言うデイブ。理由は、あの時見捨てられた復讐だとか何とか言う。
よく言ったと言い、デイブを殺すジミー。

 翌日。家の前で呆然としているジミーの所へショーンが来る。
真犯人がわかった。ブレンダンの弟たちだと言う。
彼らは、イタズラしようと道路で倒れたフリをして、
驚いたケイティは車を路肩にぶつけるが、
誤って弟らは銃を本当に撃ってしまい、逃げ出したケイティを口止めするため、
その口をふさいだのだと言う。
それを聞いて愕然とするジミー。
ところで、デイブが行方不明だが知らないかと聞く。
実は、バーの裏で変質者の死体が見つかって、デイブの関与が疑われているのだ。
「デイブ?デイブを最後に見たのは、あの時だ」と言うジミー。
彼の答えの意味を察するショーン。
それじゃあ、ケイティにも一生送金するつもりか。
ジミーは、かつて仲間だったが、裏切ったブレンダンの父を始末し、
その後、彼の家族に送金していたのだった。
重荷を背負って去るジミー。妻アナベスも彼の犯行を察し、二人で背負う事にする。
そんな時、ショーンにまた妻から電話が。
ずっと話せないでいた妻が、ついにまたやり直したいと言う。
町のパレードを見る人々。そこには妻とやり直すショーンの姿。
ジミーを見かけ、何やら合図する。銃で撃つフリは何を意味するのか。
そして夫の姿を探し続けるセレステ。

 と言うわけで、主演3人は、いずれも他の作品で知ってる顔で、
当然、見ていてキャラが混ざったりする事もなく、
脚本的にもかぶるところがないので、3人の特徴が分かれていて良い。
よく、大勢俳優を出すと、こことここは1人にまとめてもいいんじゃないの?
と思う事があるが、ここではそれがない。
冒頭に彼ら3人の忌まわしい事件が描かれ、
それから数十年後。それぞれが家族を持ち、最近は挨拶する程度になっていたが、
ショーン・ペンの娘が殺される事件を通じて、旧交を深めるようになると言う展開。
これは面白い設定だ。
仲が良かったのが青春真っ盛りの高校とかでなく、小学校の頃だし、
離ればなれになったのでなく、同じ町に住んでるのにあまり話さなくなった
なんて関係は、現実によくありそう。
妙にドラマチックな再会でないので、変なリアル感がある。
そしてそれから3人が事件をめぐっていろいろ動くわけだが、
あきらかにティム・ロビンスの行動が不審で、ちょっと老けたのかと思ったが、
ゴールデングローブ授賞式とか見ていると、それほどでもないようなので、
これは演技らしい。3人の中で最も影のありそうな感じだ。
その不審さゆえ、犯人ではと疑われ、悲しい展開にと言うわけで、
まあこの手の話としては、真犯人は最も疑わしい人ではないと言う原則があるので
そう言う意味ではロビンスは犯人ではないはずだが、
そんな事をさしおいて、どんどん怪しまれていくのがお気の毒。
最悪とも言うべき結末に、何か幼い頃の忌まわしい思い出に再びフタをし
何事もなかったかのように生き続けていく、生き残った者の影を感じさせて
なかなか面白かった。
例えば、急にハッピーエンドに落ち着いたり、
殺人を犯した者が、良心に耐えかねて自殺したりしないあたりが、
よくある映画と違うところで、そこが物足りない気もするのだが、
いやいや、それこそがこの映画のポイントだと言う気もする。
 

ミステリートレイン

 メンフィスへ列車で旅行する日本人カップル(永瀬正敏と工藤夕貴)。
プレスリーの故郷へ来たが英語がわからず、適当に安ホテルに泊まる。
ローマから来たと言う女性は、金をせびる連中から逃れてホテルへ。
ディディと言う女性と相部屋になり、意気投合するが、プレスリーの幽霊を見る。
クビになり、恋人ディディにも逃げられたジョニーは、酒屋で発砲騒ぎを起こす。
ホテルへ逃げ込み、もみ合ってディディの兄チャーリーを誤って撃ってしまう。
ジョニーらは身を隠す事にし、日本人カップルとディディらは列車で去る。

 と言うわけで、安ホテルで展開する3組の話が微妙に絡み合う話で
オムニバス系は物語の展開が半端なので、面白さも中くらいかな。
まあ、工藤夕貴の裸狙いで見たので、
普通ならばこんな半日本映画みたいなのは見ない。

TV放送 2000/12/16 05CH 0235-0439
 

ミスト(2007年米)

デビッド・ドレイトン 画家(パニッシャーの主役)
ビリー デビッドの息子
ノートン 隣人。NYから来た弁護士
カーモディ スーパーの客(マーシャ・ゲイ・ハーデン)
ジム スーパーの客(ウイリアム・サドラー)
オリー スーパーの店員
アマンダ スーパーの客

 嵐の翌日、画家のデビッドは、湖に霧が立ち込めているのを目撃。
息子ビリーや、隣人ノートン氏と町へ向かう事に。
停電のため、買い出しに来た客でスーパーは混雑している。
町は濃い霧に包まれ、店の外には、何かに襲われたと言う血だらけの男が。
外は危険だと、客たちは店に留まる事にする。
発電機から異音がしたため、デビッドらが調べる事に。
シャッターの下から、触手のような物が現れ、若者の体が引き裂かれる。
デビッドは客たちに状況を説明するが、ノートンは本気にしない。
デビッドらがバリケードを作る一方、
信心深いカーモディは神へのいけにえを出すべきと言うが、客たちは相手にしない。
そんな中、ノートンらは外へ出る事を決意。
だが、一行は何物かに襲われ、デビッドらが結んだロープをたぐりよせると、
下半身だけが戻り、客たちはショックを受ける。

 夜になり、外には大きな虫のような生物が大量に集まる。
生物は店内に侵入して大騒ぎに。何とか撃退するが犠牲者も出る。
デビッドは近くの薬局へ向かい、負傷者のために薬を入手。
カーモディは神の教えを説き、客たちは彼女にすがるように。
兵士が何かを知っていると考えたデビッドは追及。
彼によると、科学者が異次元との窓を開ける実験を行ったが失敗し、
未知の生物が侵入したのだと言う。
それを知った客たちは、兵士をいけにえとして店外へ出して殺してしまう。
デビッドは車で町の外へ出る事を計画。
止めるカーモディは、彼らをいけにえにすると言い出すが、店員オリーが彼女を射殺。
店外へ出るが、現れた巨大な生物にオリーがやられ、
デビッドとビリー、そして客のアマンダ、老夫婦が車にたどり着く。
車で移動するが、町は荒れ果てており、やがてガソリンがなくなる。
車に巨大な生物が近づくが、出来る事はすべてやったと観念する一同。
5人いるが、デビッドの銃には4発しか弾が残っていなかった。
デビッドは息子を含む4人を射殺し、自らは生物に襲われる事を覚悟する。
その時霧が晴れ、軍の戦車隊が現れた。
彼らは生物の巣を焼き払い、多くの住人が救助されていたのだ。
それを知ったデビッドは、絶望のあまり叫ぶ続けるのだった。

 と言うわけで、スティーブン・キング原作で、ダラボン監督による映画化3作目。
(ショーシャンクとグリーンマイルね)
どれにもスチュアート大佐ことビル・サドラーが出てる。
そして前2作と違い、本作品はキングの本職であるホラー。
田舎町が濃い霧に包まれ、主人公らは小さなスーパーから出られなくなる。
なぜなら霧の中に、見た事もない怪物がいるからだ。
主人公の隣人は本気にせず、仲間と出ていき、やられてしまう。
(知識を重んじて、常識外の出来事に対応できないタイプ)
続いて、町の変り者とされるおばさんが登場。彼女は狂信的なキリスト教信者で、
この騒ぎは神の怒りで、生け贄を出せば収まると言う。
人々は最初バカにしていたが、チラチラ現れる怪物(小さめな奴)に襲われ、
彼女に答えを求める様に。
実は軍の危険な実験の仕業と判明するが、
宗教の怖い所は、どんな真実が出ても「つまり、神を信じなさいって事よ」と言う
魔法の言葉で片付いてしまう点だ。
結局、たまたま店にいた兵士が、軍の代表のように、生け贄として殺されてしまう。
主人公らわずかな者は、常識にとらわれず、
それでいて冷静で宗教にも答えを求めず、脱出を試みようとする。
この映画は、従来の価値観が通用しなくなった状況で、
人々の行動の3つのパターンを描いた訳。
観客はおおむね主人公に同調してるはずだが、ラストに彼らは最大の試練を迎える。
このシーンは、キングの原作にはなく、ダラボンが追加したものらしい。
主人公はその状況では最善と思われる選択をするが、
数分後にそれが最悪の選択だったと知る。
本作には色んなタイプの人が登場するが、
実際の所、悪人と断言できる人は登場しない。
そんな中でも、最も冷静なタイプに思えた主人公が、最悪の選択をしてしまう。
この手のラストは、ショートホラーによくありそうな落ちなのだが、
2時間主人公に同調してきた観客にはかなりの衝撃。
後味が悪いで片付けるのは簡単だが、
どういう事なんだろうと何日も考えさせられる結末だ。

TV放送 2009/04/26 WOWOW 2300-0106
 

ミス・ポター(2006年米)

ビクトリアス・ポター ピーターラビットの作者(レニー・ゼルウィガー)
ノーマン・ウォーン 編集者(ユアン・マクレガー)
ミリー ノーマンの姉
ルパート ビクトリアスの父
ヘレン ビクトリアスの母
ウイリアム・ヒーリス 田舎町の弁護士

 1902年ロンドン。
ビクトリアスはウサギのピーターの童話を作り、出版社に売り込む。
なかなか相手にされないが、ウォーン兄弟の会社に評価され、出版する事に。
担当になった末弟ノーマンは、ビクトリアスの絵を絶賛。
幼い頃から話を聞かされるよりも、自分で話を作る方が好きだったビクトリアスは、
両親が都合した見合い相手を袖にし、童話を書き続けたのだ。
画家を目指していた父は、彼女の作品を評価するが、
上流階級を自負する母は、ノーマンを商売人と卑下する。
ノーマンにプロポーズされ、ビクトリアスは結婚を決意。
否定的だった両親は、夏が過ぎても気持ちが変わらなかったら、結婚を許可する事に。
ビクトリアスは夏を田舎町で過ごすが、
訪ねてきたノーマンの姉ミリーから、彼が急死したと知らされる。
ショックを受けたビクトリアスは、家を飛び出して農場で暮らす事に。
8年後、弁護士のウィリアムと結婚し、この時も母は反対した。
彼女は4000エーカーの土地を国に寄付。
ピーターラビットは、児童文学で空前のベストセラーとなった。

 と言う訳で、ピーターラビット誕生の話を描く。
作者ミスポターがレニー・ゼルウィガーで、
出版社の男がユアン・マクレガーと言う恋は邪魔者コンビ。
上流階級の出であるポターは、縁談も断って、ピーターラビットの話を作り続ける。
出版社のユアン・マクレガーは彼女の作品を評価し、出版する事に。
ユアンはポターにプロポーズし、彼女もその気になるが、
身分違いだと両親が反対すると言う訳。
割にあっさりした話で、ピーターラビット誕生よりも、
ユアン他とポターの人間関係に重きを置いた感じ。
身分違い云々の話は良くあるテーマだが、してやったりの痛快感はない。

TV放送 2015/01/09 イマジカ 0415-0547
 

ミセス・ダウト(93)

監督 クリス・コロンバス

 アニメ声優ダニエル(ロビン・ウイリアムズ)は、子供好きで遊んでばかり。
仕事をクビになり、デザイナの妻ミランダ(サリー・フィールド)は離婚を決意。
ダニエルには養育権がないと、土曜のみ面会できる事に。
ミランダが家政婦を雇うと知り、女装してダウトファイア夫人として雇われる事に。
普段はテレビ局の仕事をし、夜は子供たちに慕われる存在に。
ランディ社長は彼を気に入り、食事に招待。
一方、ミランダは恋人スチュアート(ピアース・ブロスナン)と食事。
偶然にも同じ時間に同じ店で。ダニエルは2役を入れ替わり立ち替わり演ずる。
スチュアートが発作を起こし、あわてたダニエルの正体がばれてしまう。
再審理でも養育権は認められないが、ダニエルはダウトファイア役で番組を持つ。
理想的な存在と気づいたミランダは、ダニエルに子供たちに会う事を認める。

 と言うわけで、昔からよくある女装もの。
奮戦して、別の存在の方も評価されると言うのは、「トッツィー」とも同じだが
ミランダとよりを戻すまではいかないのが残念だ。

VHS
 

魅せられて(1996年/英=米=仏=伊)

 19歳のルーシー(リブ・タイラー)は、かつて1週間いた家へ休暇で行く。
ここの連中は、彼女の母ハーモンのファンばかり。
作家アレックス(ジェレミー・アイアンズ)は、病気で余命わずかのはずが
なかなか死なず、セックスはいいと彼女にも勧める。
大人たちは、処女だと言うルーシーを、何とか若い男性とくっつけようとする。
ミランダ(レイチェル・ワイズ)は男なら誰とでもつきあう。
だが恋人リチャードはルーシーにも関心を持ち、ミランダは嫉妬する。
ルーシーは画家のために裸のモデルをするが、そこに羞恥心はない。
母の日記で、ここで妊娠したと知り、父親がいるはずと探す。
アレックスは病気が悪化し病院へ運ばれるが、ルーシーをみれただけで幸せと言う。
画家はハーモンが妊娠した年、妻がいなかったので関係した事を認める。
オズヴェルドはルーシーに迫れないでいたが、ルーシーが彼にキス。
関係を結び、ルーシーは喜びを覚える。

 と言うわけで、リブ・タイラーとかがどうも脱いでるらしいとの話で見ると、
確かに脱いでるし、まだ脇役だったレイチェル・ワイズも脱いでるからお得かも。
ただし、話の方はどうにもとりとめもない感じで、
ベルトルッチと言う人への思い入れもないので、ちょっとつらいところも。
何となくどこかで見た事のある映画の寄せ集めという気もするし。
若い男連の区別が付かないのも難。

ビデオ
 

(54)

監督 フェデリコ・フェリーニ

 貧しい家に育ったやや頭の弱いジェルソミーナは、
家へ送金するために旅芸人ザンパノ(アンソニー・クイン)と同行する事に。
ザンパノは女癖が悪く、相手にされないため、怒って飛び出すが連れ戻される。
サーカスに入るが、綱渡りとケンカになって追い出される。
彼女は結局ザンパノと同行する事を選ぶ。
だが、再び綱渡りと出会い、ケンカの末相手を死なせてしまう。
ショックで仕事にならないジェルソミーナを置いて、ザンパノは去る。
数年後、彼女がのたれ死んだ事を知ったザンパノは、深く悲しんだ。

 と言うわけで、名作と数えられる作品なので見た。
愛敬のあるジェルソミーナと、愛想の悪いザンパノの組み合わせが面白いが、
そんなに大騒ぎするほどのものではない気がする。
製作はディノ・デ・ラウレンティス。音楽はニーノ・ロータ。

TV放送 93/11/22 BS11 22:00-23:48
 

未知との遭遇 特別編(1980年アメリカ)

スティーブン・スピルバーグ監督

 メキシコ。ソノラ砂漠で45年に消息を絶った昔の戦闘機が現れる。
モンゴルのゴビ砂漠では、突然船が出現。
ラコーム博士(フランソワ・トリュフォー)は一連の事件を調査。
インドの群衆が歌う5音階の歌と、コダーイの手話に関心を持つ。
この5音階を宇宙へ向けて送信し続け、ついに応答が。
それはワイオミングの座標を意味していた。
インディアナ州では、深夜にオモチャが動き出し、バリー少年が目を覚ます。
電気修理工のロイ(リチャード・ドレイファス)は、停電騒ぎで仕事に出るが、
途中でUFOに出くわし、後を追跡。
一緒に追っていたバリーとその母ジュリアン(メリンダ・デュロン)と知り合う。
ロイの妻ロニー(テリー・ガー)は、UFOに夢中になった夫に不安を感じる。
ロイとジュリアンは、何かの形が頭から離れず、絵を描いたり模型を作ったりする。
やがてUFOが現れ、バリーが連れ去られるが、空軍はこれを否定する。
奇行が続くロイに、ロニーは子供を連れて出て行くが、
ついにロイは、気になっていた形が、ニュースで放送された実在の山だと知る。
デビルズタワーと言う山では、ガス漏れで住人が避難していると言うのだ。
人々が避難する中、ガス漏れを疑う人々が集まり、ジュリアンとも再会。
彼らは退去させられる事になるが、あくまで疑うロイとジュリアンらは抜け出し山へ。
山には秘密の基地があり、そこでUFOを迎え入れようとしていた。
やがて超巨大な円盤が現れ、5音階の音楽での交信に成功。
バリーら行方不明だった人々が返され、代わりにロイらが乗り込む事に。
宇宙人はロイだけを選び、去っていった。

 と言うわけで、個人的にスピルバーグを評価しているのはこの作品までで、
その後は、面白くても、どこか計算づくな感じで、どうもしっくり来なかった。
この作品は、最近はやりのディレクターズ・カットの走りで、
自身で作り直したりしたあたりも、マニアックな感じで良かったのだが、
どうやら今回見たのは、近年さらに再編集したという作品らしい。
少年が消えた後の公聴会のシーンなどは、特別編でカットしたはずのシーンらしい。
逆に、特別編で追加された円盤の中の映像はカットされたりしてるし、
エンディングのピノキオの音楽は、試写会で不評だったのでカット。
その後、特別編で復活したものだが、またカットしたりして、
こうなると、スピルバーグも何を目指しているのやらと言う感じ。
物語自体は、先がわかっていても面白い。ウイリアムスの音楽も良い。

TV放送 2002/10/25 BS11 2005-2225
 

未知への飛行(64)

 監督 シドニー・ルメット

 米軍オマハ基地に議員が視察に来た日。
不明機が出現。コースをそれた民間機と確認される。
ソ連周囲を飛行する爆撃機は、全機フェイルセーフと呼ばれる地点で待機。
大統領による攻撃司令を待ったが、帰還命令が出て哨戒体制に戻る。
ところが、機械故障で、1機だけがモスクワへの核攻撃指令を受信してしまう。
しかも、妨害電波のため、連絡はつかない。
大統領(ヘンリー・フォンダ)は爆撃機の撃墜を命令ずるが、距離が遠くて失敗。
グロトシェル博士(ウォルター・マッソー)は、
報復装置を恐れてソ連は報復しないので、攻撃の好機だと主張。
大統領はソ連首相に事態を説明。ソ連コンピュータが故障や電波妨害を招いたのだ。
無線連絡が可能になるが、音声命令は無効で、大統領命令は無視される。
首相はモスクワから避難。米ソの司令室を電話でつなぎ、撃墜のための資料提供。
基地のカシオ大佐は、ソ連の陰謀と決めつけ反乱。逮捕される。
1機が低空に切り換え、撃墜は不可能。モスクワが核攻撃される。
罠でない事を証明するため、大統領は米軍に、ニューヨーク核攻撃を命ずる。

 というわけで、「博士の異常な愛情」で見たような話を、マジメに映画化。
ミサイルではなく、爆撃機の時代だった事や、先制攻撃を主張する奴がいる点も同じ。
ウォルター・マッソーは損な役。当時なら実際に起こったかも知れない話だが、
代償としてニューヨークを攻撃するという展開は、破天荒すぎて説得力に欠ける。

TV放送 92/01/03 BS11 02:15-04:07
 

FAILSAFE未知への飛行(2000年米)

 アンカレッジから離陸したクレディ中佐(ジョージ・クルーニ)らは
核兵器搭載の爆撃機でソ連を警戒。二重安全手順で人為ミスは回避できる。
月に数回は、未知の敵に対し出動する事態に。
ワシントンの会議では、ブラッキー(ハーベイ・カイテル)は現在の状況に懐疑的だ。
警戒解除されたはずが、機械からは作戦指示が出て、6機が作戦を進行中。
軍は撃墜もやむなしとし、大統領(リチャード・ドレイファス)も了承。
ソ連の陰謀説も出る中、撃墜には失敗。攻撃の好機とする声も。
ソ連書記長に連絡するが、国境を通過しソ連領域へ。目標まで1時間強だ。
ソ連側の通信妨害が解かれ、大統領が作戦中止を指示するが、
音声指示は無視せよとの命令で、作戦は続行される。
撃墜のため米ソ全面協力する事になり、残りはあと2機。
大統領は米国大使に留まるよう指示。さらにモスクワが爆撃されれば、
自軍にニューヨーク爆撃を指示する。500万人が死ぬが、他に道はないのだ。
1機を撃墜。クレディの息子に説得させるが、クレディは取り合わず。
すでに放射能を浴びて余命は数日だと言うクレディは、帰還する気がない。
ついにモスクワが被爆。予定通り核投下が指示され
大統領夫人のいるニューヨークへ、ブラッキーによって核が投下される。
ブラッキー自身の妻子もそこにいて、投下と同時に毒薬で自殺する。

 と言うわけで、「博士の異常な愛情」と同時期に
同じテーマをまじめに取り組んでしまった「未知への飛行」のTVリメイク。
なかなかの豪華キャストだが、出番はそれぞれ少なく
後半はリチャード・ドレイファスが一人で奮戦。
ジョージ・クルーニも出てくるが、やはり出番は少ない。
物語は白黒ドラマで、セットなので閉鎖的な感じ。
前作はちょっとずれた感じもあったが、今回は現代風にややアレンジ。
ただし舞台は50年代か。
ブラッキーの最期も悲しいがいまいち緊迫感に欠ける。
生放送のドラマだったらしく、何か妙な感じ。
基地のシステムを作ったナップ氏にジェームズ・クロムウェル。
ボーガン大将にブライアン・デネヒー。

TV放送 2001/10/14 BS05 1700-1830
 

密殺集団(83)

監督 ピーター・ハイアムズ

 判事スティーブ(マイケル・ダグラス)は、殺人犯の裁判で
捜査が違法だったと容疑者を釈放し、その判決に自ら苦悩を感じる。
恩師の判事(ハル・ホルブルック)の勧めで、闇の法廷に参加。
それは判事の集まりで、法の網を逃れた犯罪者をひそかに始末する組織だった。
スティーブは自らが釈放した、少年殺害容疑者モンクらに死刑判決を与える。
その後真犯人が捕まり、スティーブは死刑の撤回を要求。
だが他の連中は組織の存続を考え拒否。スティーブは自らモンクらの倉庫へ。
怪しむモンクらはスティーブを狙うが、現れた殺し屋が彼らを殺害。
続いてスティーブも狙うが、かけつけたローズ警部(ヤフェット・コットー)が救出。

 と言うわけで、「ダーティハリー2」を焼き直したような作品。
悪玉も同じ俳優だし。誤って死刑判決を出した奴も、やっぱり悪い奴で
どうせなら、全然悪くない人にした方がわかりやすかったのでは。

TV放送 98/10/24 25CH 01:15-03:05
 



ミッション:インポッシブル」(96)を見た。

 「スタートレック」等のTVシリーズの映画化がそこそこに成功し、
ネタ不足がささやかれるハリウッドで、映画化が期待されていたTVシリーズの中でも
「ナポレオン・ソロ」とならぶのが「スパイ大作戦」だ。
個人的にも、「スパイ大作戦」はかなり気に入っていたシリーズで、
ほぼ全話を見ている。
シリーズの主な内容は、IMFと言う謎の組織のメンバーである
フェルプス(ピーター・グレーブス)君が、何者かから指令を受け、
その実現不可能に思える司令を、かなり奇想天外な作戦で実現してしまうと言うもの。
この指令の受け方が話題になったのだが、合い言葉らしき会話をすると、
IMFのメンバーらしき人物が、フェルプスにテープを渡すと言う寸法。
そして、「おはようフェルプス君」と言う有名なフレーズで指示を受ける。
(声ははくしょん大魔王でもある大平透)
「君、もしくは君のメンバーが、捕らえられ、または殺されても、
当局はいっさい関知しないからそのつもりで。成功を祈る」と言う
決まり文句も評判に。さらには、自動的に消滅するテープ。
(近くに池や焼却炉があると、自動的に消滅しない場合もある)
この指示をもとに、フェルプスがメンバーの人選をするのだが、
なぜか毎週ほぼ同じメンバーに。
そのメンバーは、変装の名人ローラン(マーチン・ランドー)、
お色気作戦が得意なシナモン(バーバラ・ベイン)、
メカニックのプロ、バーニー、ただの力持ちウイリーだ。
途中、マーチン・ランドーとバーバラ・ベイン夫妻が降板し、
代わりにスポックをやめたばかりの、レナード・ニモイがパリス役に。
これも降板し、あとはかなり入れ替わったが、
(実は、当初はリーダーもピーター・グレーブスではなかった)
正直言って、マーチン・ランドーもレナード・ニモイもいない状態では、
やや魅力に欠けたと言うのが実状だ。
ここが、「スタートレック」等と比べて、熱狂的なファンが欠ける原因に思える。
キャラクターの魅力が不足しているのだ。(俳優同士が仲よいようにも思えないし)
さて、そんな彼らが、奇想天外な作戦で指令を成し遂げるわけだが、
よく使われる手は、期日までに聞き出さなければならない情報をつかんだ人物を誘拐し
セットを組んで、変装したローランらが演技で、奇想天外な設定を信用させる。
例えば、200年間昏睡してしまい、金さえ出せば不老不死になると聞かされ
犯人が盗み出した金を持ってくると言うものもあるほど。
内容はこんな奇想天外なものもあるが、彼らは実質、スパイではなく
警察的な任務もやったりするので、かなり事件が幅広くなっている。
派手なアクションにも、ハードなスパイものにも、推理ものにもなると言うわけ。
これがかなり長期間続いた理由ではないだろうか。
そして、忘れてならないのは、大ヒットしたラロ・シフリン作曲のテーマ曲だ。
そんなシリーズが、リメイクブームに乗って、まず新シリーズとして再開。
これはフェルプスだけが再登場。後は若いメンバーに代わってしまった。
まるで、大学教授と生徒たちが、一緒に研究でもしているような組み合わせだ。
現代的に、あまりバカバカしい設定は避け、ハイテクも登場したが、
奇想天外さが失われた恨みがあった。
とは言え、こんなシリーズをこのままにしておくわけはなく、
今回の映画化となったわけだ。
TVシリーズの映画化の場合、TVと同じ役者が再登場する「スタートレック」式や
おなじみの役を別の役者が演ずる方式があるわけだが、
今回の映画では、どちらの方式にもならなかった。
あえて言えば、フェルプスだけが再登場。これが脇役で、
しかも、どうも悪役らしいと言う噂が流れていて、
TV版のファンからかなり不満が出ているよう。
おまけに、完全に無視されたピーター・グレーブスも激怒しているらしい。
怒りはおさめて、主役は新キャラ、イーサン役のトム・クルーズ。
フェルプスがジョン・ボイドで、他のメンバーにエミリオ・エステベス、
エマニュエル・ベアール、ジャン・レノと言う豪華メンバー。
監督は「アンタッチャブル」でTVの映画化に成功したブライアン・デパルマ。
音楽は当然のように、ラロ・シフリンの曲を再使用するが、
作曲は彼ではなく、「バットマン」のダニー・エルフマンと言うのがやや不安。
予告編を見ると、トム・クルーズが爆風で飛ばされていたりして、
そんなバカなと思わせる展開で、かなりの不死身ぶりらしい。
まあ、かつてのTVシリーズの映画化としては、かなり不満が出そうだが
そこはそこ、ヒットしているようだし、殺到した観客はオリジナルも知らないはずだし
割り切って見れば、それなりに面白いのではと思って見た。

 冒頭はとある一室。どう見てもエマニュエル・ベアールのクレアが、
(クレアと言う役名は、後でわかるのだが)
ベットの上で死んでいて、呆然とする男。
別の男が追及すると、知らないうちにこうなっていたと言う。
仕方がない、こうなったら仲間の名前を言うんだとか、わけのわからない事を言われ
素直に白状する男。すると、薬でこの男は眠らされ、
一味は実はセットだった部屋を片づけ始める。
まさに、TV版でよくあったパターンだ。
ついでに言えば、この映画で、TVに近い作戦はここだけと言えるかも知れない。
エマニュエル・ベアールは素顔なのに、
イーサン(トム・クルーズ)は変装していて、マスクをはずす。
これが007的な、タイトル前の1シークエンス。
でも、見せ場としてはかなり弱い。
これが終わると、導火線に火がつく有名なオープニング。
しかし、TV版は横へ導火線が動いたが、今回は手前から見ている構図で
導火線だか何だか、よくわからない感じ。
そしてラロ・シフリンのテーマが高らかに流れ、
音楽的には一番盛り上がるシーンなのだが、
トム・クルーズの名前が出ると、すぐ終わってしまい、何とももったいない限りだ。
続いて飛行機のシーン。ファーストクラスの席にいるフェルプス(ジョン・ボイド)。
スチュワーデスが彼にビデオを見ろと、無理に勧める。
仕方なく見ると、それは指令のテープだった。
それによると、米国大使館員ゴリツィンと言う男が、CIAのスパイリスト「NOC」
を盗むはずなので、買い手が何者か突き止め捕らえ、リストを回収しろと言うものだ。
そこで、フェルプスはメンバーを集め、作戦を立てる。
メンバーは、優秀なエージェントであるイーサンの他、フェルプスの妻クレア、
機械が得意なジャック(エミリオ・エステベス)、サラ、ハンナと言う連中だ。
ゴリツィンは大使館でのパーティに現れ、その際にリストを盗むはずだ。
そこで彼らも客に扮して大使館に潜入すると言う計画。
もし異常事態が発生したら直ちに中止し、アジトへ戻ってくると言う計画だ。
ジャック特製のメガネは、それを通して見た物が、映像としてカメラへ伝わる。
また、特製のガムは、噛むと爆弾になるのだ。
(と言うように、別に意表を突いた秘密兵器ではない)
イーサンらはスパイとも思えない仲の良さで、
彼はフェルプスが前の作戦に参加しなかった事を不思議がる。
すると、フェルプスは仕事で何とかホテルにいたのだと告げた。

 そしてパーティの日。イーサンは得意のメイクで大使館へ。
サラと共に客に扮し、目指すゴリツィンに目印をつける。
これは、特殊なカメラで見ると、彼だけがカラーに見えるのだ。
そして、ゴリツィンの先を越して、関係者だけの部屋へ。
エレベーターの上に隠れたジャックが、コンピューターに侵入し、
イーサンらの身分証の照会をパスさせる。
先に部屋に侵入し、そこへメガネを置く。これで部屋の中は確認できるのだ。
何の必要があってだかわからないが、ジャックがエレベーターの上で監視し
フェルプスが別の部屋から同じ映像を監視。
イーサンらが退散すると、ゴリツィンが現れ、問題の光ディスクを入手。
しかし、突然異常事態が発生。ジャックを乗せたままエレベーターが止まらなくなり
彼は天井から突き出た金具が頭に刺さり死亡。
異常事態にも関わらず、結局計画はそのまま続行。
サラがゴリツィンを追うが、何者かにサラとゴリツィンが刺殺される。
ようやくフェルプスは作戦中止を指示。だが、彼もまた何者かに撃たれる。
時計内蔵のカメラから、血にまみれて苦しむ彼の映像が。彼は川に落ちて死ぬ。
さらに待機したクレアの乗った車が爆発する。
退散したイーサンは計画がばれていたと、CIAのキトリッジに連絡。
TVシリーズでは独立した謎の組織だったIMFだが、
今回はCIAの一機関と言う設定で、彼らの上司に当たるわけだ。
イーサンに会ったキトリッジは事件直後にも関わらず、なぜか事件の事を知っていた。
イーサンは、大使館に他のIMFのメンバーらしき人物がいた事に気づいていた。
彼は何か裏がある事に気づく。
それに対するキトリッジの説明は、意外なものだった。
(本当はそれほど意外ではないが、映画の中では驚いていた)
実はIMF内に最近裏切り者がいて、武器商人マックスに情報が漏れていると言う。
そこでその裏切り者を突き止めるために、「ジョブ計画」とか言う囮作戦を行った。
もちろん、ゴリツィンが盗んだのはニセのリストだ。
だが、それも失敗し、彼らのチームがほぼ全滅。
イーサンだけが生き残り、なぜか彼の両親の口座に大金が振り込まれたと言う。
キトリッジはイーサンに疑いをかけているのだ。
それに気づいたイーサンは、ジャック製のガム爆弾で水槽を爆破。
1つの爆弾とは思えない激しい爆発の仕方で、水槽から水が勢いよく流れ
キトリッジらがこけてる間に、イーサンは必死に走ってその場を退散する。

 味方のはずの上司にも疑われると言う事態にも関わらず、
イーサンは意外に安易にアジトへ戻ってきた。
そこへは、死んだと思っていたクレアも現れた。
彼女によれば、車で死んだのはサラだと言う。
イーサンはクレアが味方か敵かわからず、彼女に疑いをかける。
それでも一応彼女を信じて、一緒に行動する事に。
イーサンは、「ジョブ計画」とは聖書の「ヨブ伝」にちなんだと気づき、
裏切り者がヨブと呼ばれている事を知る。
彼はヨブを名乗り、マックスへ電子メールを出す。
その内容は、リストはニセ物だと言うものだ。意外にも、マックスより反応があった。
彼の取り巻きに目隠しされ、某所へつれて行かれると、
そこで現れたのは意外にも女性(バネッサ・レッドグレープ)だった。
イーサンは自分はヨブではない。本物のヨブと会わせてほしいと交渉。
彼女はイーサンの提案に笑うが、本物のリストを用意すると言うので交渉成立。
すべては本物のスパイリスト入手にかかってきた。
イーサンはクレアと協力し、IMFを解雇された過去のメンバーを集めた。
それは天才ハッカーのルーサーと、力持ちクリーガー(ジャン・レノ)だ。
(力持ちじゃないかも知れないけど、他の特技がわからないので)
彼らはそのリストが、どこにあるか聞いてびっくり。
ラングレー、すなわちCIA本部のコンピューターの中なのだ。
それを取り出せるのは1人の係員のみ。
部屋へ入るためには、暗証番号と身分証のチェックが必要。
もしこれ以外の方法で侵入できたとしても、
床が重みで変化したら、それが水滴でも警報が鳴る。
室内の温度が体温で1度上昇したら警報が鳴る。
温度調整はエアコンでやっていて、天井の通気孔より空気を取り込む。
そこには、レーザーで作られた柵が侵入を妨げているのだ。

 イーサンらは煙をたいて、ボヤに見せ、消防署員に扮してCIA内へ。
そんな状態ならば、警戒も厳重になりそうだが、そうはならず。まんまと侵入する。
クレアは係員のコーヒーに、ペン先からピュッと出る薬を入れる。
それを飲んだ係員は、激しい吐き気に襲われ、コンピューター室を退散。
ルーサーが別室で監視し、イーサンとクリーガーが通気孔から部屋へ接近する。
あれほど厳重な部屋も、通気孔の所はかなりガードが甘いようだ。
なにやら特殊な装置を取り付けると、レーザーの柵が片方へ寄せる事ができる仕組み。
どういう仕組みかはわからないが、何にせよ人間大の穴があいている事は問題だ。
ここへクリーガーが踏ん張ってロープを吊り、イーサンが部屋へ宙づりで侵入。
もちろん、この手はルパン三世等でよく使われる手だ。
レーザーの網をすり抜けたりする分、あちらの方が上手という気がする。
宙づりならば、床も変形せず、警報は鳴らないと言う作戦だ。
イーサンは宙づりの状態で、CIAのスパイリストを光ディスクへコピーする。
コンピューターが動けば、温度が上がる気もするが、
温度チェックの方の対策は説明がない。
驚いた事に、イーサンをつり下げているのは、何かの装置を使っているわけではなく
クリーガーが力任せに踏ん張っているだけなのだ。
おかげで、ネズミが現れて驚いてしまい、クリーガーが手をゆるめ、
イーサンはあやうく床に落ちそうな所でストップ。
床が放射線状の模様なため、上から見ると、蜘蛛のようだ。
思わず汗がメガネを伝って床に落ちそうだが、間一髪手ですくう。
クリーガーが何とか引き上げ、体勢が回復。コピーの終わった光ディスクを回収。
回復した係員が部屋へ迫っている。
クリーガーがイーサンを引き上げ、危機を脱したかに見えたが、
ホッとしたクリーガーがナイフを落としてしまう。
万事休すかに思えたが、そこへうまく係員が入ってきたため、警報は鳴らなかった。
だが、係員は机の上に立っているナイフに気づき、侵入者がいた事に気づく。
イーサンらは再び煙をたいて退散。
これでは、警報覚悟で強引に侵入した方が楽だったのでは。

 見事光ディスクを入手したイーサンらだが、
引き上げた際に、クリーガーにディスクを渡してしまい、
彼はそれで儲けるような事を言い出す。
だが、イーサンはもともと彼を信用しておらず、渡したのはニセ物だと言う。
怒ったクリーガーはディスクをゴミ箱に捨てるが、実はそれこそ本物。
ここらの駆け引きにどれほどの意味があるのか。
いずれにせよ、クリーガーは信用できないと思うように。
対してルーサーの方は信用していて、彼にディスクを任せる事にする。
イーサンはアジトにある聖書を見て、ある事に気づく。
その聖書はフェルプスが泊まったと言う、何とかホテルの物だった。
これを見て、なにやらピンとくるイーサン。
キトリッジはイーサンをいぶし出すため、彼の両親を麻薬不法所持の濡れ衣で逮捕。
スパイもので主人公の両親が出てくると言うのは、なかなか意表をついた展開だ。
イーサンはキトリッジへ電話。逆探知可能なギリギリの時間話す。
表目にはキトリッジの作戦にはまったかに見せ、実はイーサンにも計画があった。
まだ捕まる気はないが、ロンドンにいる事だけは知らせたいのだ。
そんなイーサンの前に、死んだはずのフェルプスが現れた。何とか生き延びたのだ。
彼はキトリッジこそ裏切り者だと言う。
それをうなづいて聞きながら、イーサンの頭の中にはある光景が浮かんでいた。
クリーガーがゴリツィンとサラを刺殺する光景。
フェルプスが自分で血をつけて撃たれたフリをする光景。
クレアがハンナの乗った車を爆破する光景だ。
もちろん、フェルプスらが裏切ったと疑っているわけだが、
わざわざ傷ついたフリまでしてるフェルプスを、休ませる事に。
彼はクレアには事件が解決するまで、生きている事を隠せと言った。
イーサンはマックスと取引の交渉。その場所は、ロンドン発パリ行きの超特急TGV。
キトリッジにも、TGVのキップと時計を送る。

 こうしてTGVに一同が集結する。
マックスは、取り引きしたイーサンが現れないので怒るが、そこへ彼から電話が。
座席の下に光ディスクがあると言うので、取り出して調査すると本物らしい。
そこで、このデータをどこかへ転送しようとするが、
ルーサーが妨害電波を出して転送ができない。
ところが、そこへキトリッジらが現れたため、彼は妨害電波の装置を残して退散。
しかし、車掌は携帯電話だと思って、渡してしまい失敗。
マックスらは転送に成功してしまう。逃げるルーサーはトイレに閉じこもる。
一方、マックスはイーサンに電話で、ヨブは貨車にいると告げる。
クレアは貨車へ行き、そこで待っていたヨブことフェルプスに、
イーサンを殺すのはやめ、金を手に入れるだけにしようと言う。
だが、フェルプスかに思えたのは、イーサンの変装だった。
彼はクレアの口から聞いて、推理が正しかったと確認。
そこへ、本物のフェルプスが銃を持って現れる。
どうしてわかったと言う彼に、ホテルの聖書でわかったと言うが、
どうしてわかったのかは、よくわからない。
フェルプスに言わせると、イーサンはクレアに惚れるはずで、
それも作戦のうちと言うが、どういう作戦だかはやはりよくわからない。
イーサンは、君たちは重大なミスを犯したと言い、メガネをはめる。
すると、フェルプスの顔が、キトリッジに渡した時計型のモニターに写る。
これで、フェルプスが生きている事が、キトリッジにもばれたと言う。
起死回生の逆転打と言う感じだが、それほど痛快な手口ではない。
くそっと言いながら、フェルプスはなぜかイーサンを撃たず、
奥さんのクレアを射殺して逃げてしまう。
怒りに燃えるイーサンは、フェルプスが逃げたドアから屋根の上へ。
追うイーサンに、追われるフェルプス。
列車に乗れば、屋根の上で戦うのは当然だが、
TGVはあちらの新幹線なので、スピードもかなり早く、ほとんど動けない。
上着も風で簡単に脱げてしまう状態。
向きを変えるのに、車輌の端に手を引っかけ、ハッと風を利用して前進。
(と言うか、列車の後方へ進んでいる)
フェルプスは磁石を持って、張りつきながら進むので、早く最後部へ。
そこへやはり一味だったクリーガーの乗ったヘリが来る。
ヘリからワイヤーを降ろし、フェルプスを引き上げようとする。
意を決したイーサンは、手を離して風を利用し、フェルプスに体当たり。
ひるんだスキに、イーサンはワイヤーを列車の車輌にひっかける。
おかげで、ヘリはそのまま引っ張られ、トンネルの中までついてくるハメに。
しかし、これも実はルパン三世であった展開だ。
フェルプスとイーサンは、車輌の上で格闘に。
落ちそうになると、対向車輌が来て危険なハメに。
車掌は、後ろからヘリが着いてくるので、スピードを上げさせる。
フェルプスはワイヤーを車輌からはずし、ヘリの脚部に飛び移る。
ここで着陸すればよさそうだが、クリーガーはイーサンを恨んでいて
ヘリの脚部で突っついて列車から落とそうとする。
そこで、意を決したイーサンは、フェルプスとは反対の脚部へ飛び移る。
展開的には面白いが、派手に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」みたいな曲が流れ
「スパイ大作戦」のテーマ曲に変わると、ちょっと勘違いしてると言う気がする。
イーサンは、ジャック製のガム式爆弾をヘリに取り付けるが、
イーサン以外はガム爆弾が何かわからないらしい。
彼は、再び列車に飛び移ると言う忙しさ。
そこで、爆弾が爆発し、イーサンは爆風で飛ばされ、列車にたたきつけられる。
爆発したヘリは、なおも近づいてくる。
今度は、車掌があわてて列車を止めてしまったのだ。
プロペラがクルクル回り、イーサンの喉を狙うというしつこさ。
だが、何とか間一髪助かる。キトリッジは光ディスクを回収し、マックスを逮捕。
ルーサーは今回の事で名誉回復し、IMFに復帰する事に。
しかし、イーサンは嫌気がさして引退する事に。
ところが、彼が乗った飛行機のスチュワーデスは、
彼にビデオを見るよう無理に勧めるのだった。

 と言うわけで、この映画版スパイ大作戦は、昔のように知能を駆使したり
奇想天外な作戦を使ったりと言うわけではなく
ただひたすら、トム・クルーズが不死身のスーパーマンぶりを発揮する展開。
派手な映画に思えたが、見せ場としては、
CIAに忍び込むシーンと、列車の戦いの2度のみ。
その2度とも、ルパン三世で見たようなシーンで、
あちらはアニメだから、比較してはいかんと言われるかも知れないが、
アイデア的に大した事ないわけで、かなりマイナスと言える。
その他の兵器とかも、いずれもどこかで見た事あるような物ばかりで拍子抜け。
CIAに忍び込むシーンで言えば、身分証や網膜を偽造して侵入するのが
スパイ大作戦的な展開ではないだろうか。
(網膜の偽造は「ネバーセイ・ネバーアゲイン」でもあったし)
トム・クルーズ以外の有名俳優が、全部死ぬのもいただけないし、
TVシリーズの唯一の出演者フェルプス氏が、
裏切り者と言うのは、やはりオリジナルのファンをバカにしている。
トム・クルーズはオリジナルのファンだったと、宣伝上はなっているが、
とても事実とは思えない。
ヒット作を作るために利用しただけと言う感じで、
使われた方はいい迷惑と言う感じ。見せ場は派手なんだが。