ラーメンガール(2008年米日)

アビー (ブリタニー・マーフィ)
ラーメン店主 (西田敏行)
店主の師匠 (山崎努)
イワモト アビーの新しい恋人
イーサン アビーの前の恋人

 アビーは恋人イーサンとの遠距離恋愛に耐えられず、
日本まで押しかけるが、ふられてしまう。会社勤務に就くが、仕事は与えられない。
寂しさのあまり、家の近くにあるラーメン店に行き、その味に感激。
言葉が通じないまま押しかけ、勝手に弟子入りする。
だが掃除をさせられるばかり。ハイヒールで仕事をしては怒鳴られ、携帯も壊される。
店主はライバル店とケンカになり、どちらの弟子が師匠に選ばれるかを競う事に。
知り合ったイワモトと親密になるが、彼は仕事で上海へ行ってしまう。
アビーはスープを作り始めるが、なかなか認められない。
常連客が試食したりして対決に臨むが、師匠は試食でライバル店を選ぶ。
店主の息子はラーメン店を継がずにパリへ行ったが、店主はアビーを跡継ぎと認める。
帰国したアビーはラーメンガールと言う店を開き、
仕事を辞めたと言うイワモトと再会する。

 と言うわけで、急死したブリタニーの主演作。
日本を舞台にした場合、サムライなどいろんな物を題材にするが、
本作はラーメンと言う点が異色。
東京まで追ってきた恋人にふられたブリタニーは、
西田敏行が店主のラーメン屋の味に感激。弟子入りする事に。
頑固おやじに罵倒されながら修行に耐え、
やがて店主も後継者として認めるように。。なんて話は、
バラエティでもよく見るお約束の展開だが、
本作では言葉がほぼ通じない中、金髪のお嬢さんが奮戦するあたりがツボ。
優しいおかみさんや、常連客の存在もいい。(これもお約束だが)
ただし、弟子入りしていた期間は半年くらいと言う印象で、
さっさと帰国して後継者と称するなんて。。と言うあたりは違和感あり。
さらに言えば、日本人(風)の恋人のエピソードは、完全に蛇足。
あれで物語を締めるのはいただけない。

TV放送 2010/02/02 WOWOW 1900-2042
 

ライアーライアー(97)

 弁護士フレッチャー(ジム・キャリー)は妻オードリーと離婚。
息子マックスはたまに会う約束を、愛する父が仕事のために破るのに憤慨。
誕生日の願い事に、父が1日ウソをつかないようにと祈る。
するとフレッチャーはウソがつけなくなり、勝てるはずの離婚裁判に苦戦。
だが依頼人の女性が未成年の結婚だった事に気づき、契約は無効と財産分与に成功。
続いて、女性は金のため子供の養育権も主張するが、親としては父の方が上と気づく。
オードリーは恋人とマックスを連れて外国へ行く事に。
空港へかけつけたフレッチャーは、1日たってウソはつけるが息子を愛すると言う。
オードリーは息子のため留まる事を決意し、夫婦は寄りを戻す。

 と言うわけで、ジム・キャリーのオーバーな演技はそろそろ飽きが来たが
今回は、仕事に必要なウソもつけなくなり苦労する男の話で
脚本的にちょっと面白いかった。でもやはりオーバーすぎる演技は考え物だ。

TV放送 99/01/09 BS05 18:25-19:55
 

ライアンを探せ!(2006年米)

サムソン ライオン
ライアン サムソンの息子
ベニー リス。サムソンの仲間
ナイジェル コアラ。サムソンの仲間
ブリドット キリン。サムソンの仲間
ラリー 蛇。サムソンの仲間
カザール ヌーのリーダー

 動物園のライオンであるサムソンは、息子ライアンに野生生活の素晴らしさを語る。
いたずらをしかられたライアンは、コンテナに隠れて落ち込むが、
コンテナが運び出されてしまう。
コンテナは貨物船でアフリカへ向かうが、サムソンらは必死に追跡。
アフリカに到着し、ライアンと再会する。
実はサムソンは幼い頃に動物園に連れてこられ、
本当の野生は初めてだと語り、周囲を失望させる。
ヌーのリーダーであるカザールは、ライオンを倒して肉食になると宣言。
ライアンらを捕らえて火山に落とそうとするが、サムソンがかけつけ対決。
火山が噴火し、カザールは巻き込まれるが、一同は脱出。
再び船に乗り、新たな地を求めて旅立つのだった。

 と言うわけで、マダガスカルの姉妹篇みたいな作品。(会社は違うけど)
都会の動物園の動物が意図せずにアフリカへ来ちゃう所まで一緒な上、
親が子を追って大冒険するあたりはニモ風。
2作のアイデアいただいて、1本作りましたと言うパクリ感は否めず、
本作ならではの魅力も、これと言ってない。
初見でも、これ見た事あったと言っちゃいそう。

TV放送 2008/11/01 WOWOW 2000-2122
 

ライオン・キング(94)

 ライオンのムハサ王に、息子シンバが生まれる。
ムハサの弟スカーは、王の座を狙い、シンバをヌーの暴走に巻き込み、
助けようとしたムハサが死ぬ。スカーはハイエナと手を組み、王国を思い通りに。
一方はぐれたシンバは、豚のフンバらと気ままに生活する事に。
月日が流れ、幼なじみナラと再会したシンバは、彼女に説得され国に戻る。
シンバはスカーを倒し、追放。シンバは王になり、ナラとの間に子供ができる。

 と言うわけで、ジャングル大帝の盗作と言われたディズニーの作品。
意外に簡単に国の外で生活してしまうシンバは困りもの。
音楽はハンス・ツィマー。主題歌はエルトン・ジョン。

TV放送 96/11/04 BS05 19:00-20:29
 

ライオン・キング2 シンバズ・プライド

 シンバとナラの間にキアラと言う娘が生まれる。
シンバはアウトランドへは近づくなと言うが、彼女は勝手に行ってしまう。
そこでコブというライオンと知り合い、親しくなる。
アウトランドには、シンバに倒されたスカーの妻ジラがいて、コブはジラの息子だ。
シンバはコブと会う事を禁ずるが、ジラはキアラとコブの仲を利用しようと考える。
成長したコブは、キアラと再会。彼女を愛してしまう。
だがジラはコブを利用。シンバを傷つける。キアラはショックを受ける。
裏切り者としてコブはジラに追放されるが、シンバも受け入れない。
シンバはキアラと群れを作ろうと言うが、キアラの心はプライドランドにあった。
ジラ一味がシンバを襲撃。だが、キアラとコブがかけつけ戦争を止める。
同じライオンだという言葉に、子供たちは改心するが、
ジラだけはあくまで戦おうとし、崖下に落ちてしまう。
改心したシンバは、コブラを受け入れる事にする。

 と言うわけで、ライオン・キングの続編はありがちな次の世代の話で
最初からコブが悪いライオンでなかったりして、かなり無難な感じの展開。
ジラだけが最後まで改心せず。

TV放送
 

ライオンハート(90)

 フランス軍外人部隊のリヨン(ジャン・クロード・バン・ダム)は
弟が死んだと知り、脱走してロスへかけつける。
だが、未亡人ヘレンは彼の協力を拒否する。
無一文の彼は、金を稼ぐためにストリートファイトに出る。
胴元シンシアは彼の強さに目をつけ、次々と試合に出して稼ぐ。
軍が彼を追い回すため、シンシアはアッテラ戦で負けさせ引き渡す事を計画。
だが、苦戦の末リヨンが勝ち、シンシアは損害を受ける。
軍はリヨンを捕らえるが、ヘレンらが彼を慕う事を知り、彼を見逃す。

 と言うわけで、バン・ダムがストリートファイトで活躍する話。
その試合自体は、金持ち相手の見せ物で、しかも絶対負けないので、
いまいち盛り上がらない。弟が死んだ話は本筋にほとんど関係ない。

TV放送 97/03/07 08CH 02:30-04:30
 

雷神 RAIJIN(2008年米)

ジェイコブ・キング 刑事(スティーブン・セガール)
アンダーソン刑事 ジェイコブの相棒
セリーヌ巡査 ジェイコブの恋人
ミラー捜査官 FBI
ビリー・ジョー 爆弾犯
ラザラス・ジョーンズ 殺人鬼

 幼い頃、友人を目の前で殺されたジェイコブは、
刑事となった今もトラウマを抱えていた。
殺人鬼ビリー・ジョーによって、女性を爆弾に縛り付けられる事件が発生。
ジェイコブはビリー・ジョーを発見。たたきのめして女性を救出する。
だが犯人の扱いに問題があったとしてビリー・ジョーは釈放され、殺人を繰り返す。
一方、ジェイコブは別の殺人鬼グリフターを捜査。
犯人は占星術に詳しいらしく、死体に印を残すのだ。
暗号を解読したジェイコブは、それがラザラスと言う男の歌詞と知り、彼を追跡。
DNAから、ラザラスこそグリフターと断定される。
ジェイコブは金づちでラザラスを叩きのめす。
だがFBIミラーは、被害者の爪からジェイコブのDNAが検出された事から、
彼こそ真犯人ではと考える。
ビリー・ジョーはジェイコブを呼び出し対決。恋人セリーヌも殺害されていた。
格闘の末ビリー・ジョーを倒し、ジェイコブは姿を消す。
ラザラスは逮捕され、ミラーはDNAの件はラザラスのトリックと断定する。

 と言うわけで、まだまだ続くセガールアクション。
今回は再び荒い脚本に逆戻り。
少年時代に友人が惨殺された過去を持ち、それがトラウマとなっている刑事役。
当然、そのトラウマが物語に影響するはずだ。
彼が扱うのは片や爆弾魔、片や連続殺人犯。
一人では物足りないと思ったか、犯人を二人にしてみたが、結果的に散漫な感じに。
セガールは相変わらずむやみに撃ち、むやみに格闘。
どんなに戦っても無傷だが、その割に犯人を逃がしたりするから、
意外にたいした事ないのかも。おかげで戦いの方も締まりがない。
最後の方になって、実はセガールこそ真犯人かもと言う話が出てくる。
考えてみれば、少年時代のトラウマなんてその伏線だし、当たり前の展開だが、
セガールはたぶん悪役をやった事がなく、そういう意味で結構意表を突かれた。
でもラストで、今まで疑っていたFBIは唐突にその考えを否定。
セガールはやっぱり悪役じゃありませんでしたと、安易なところに落ち着いたか。
あるいは、セガールが真犯人と気づかずに見逃してしまう皮肉なラストを狙ったか。
作者の意図ははかりかねるが、どちらにせよ安易な締め方と思う。

TV放送 2010/04/02 WOWOW 2200-2340
 

ライジング・サン」(93)を見た。

 冷戦が終結した現在、軍事力が世界を支配するという状況が崩れ
経済力こそが、鍵となりつつある。
その点で、エコノミックアニマルと呼ばれる日本が、
衰えつつある大国アメリカにとって、非常な脅威である事は言うまでもない。
第2次大戦以前は、日本は世界の列強の1つであった。
敗戦後、その勢いは衰え、映画で日本や日本人が描かれる事はあったが、
それは異文化ながら、ある程度重要な国と言う、興味本意的な描写であった。
海外の教科書にさえ、フジヤマ、ゲイシャ、サクラ、スシ、スモウ的な
事が書かれており、ずいぶん話題になった後で、
政府等も、遅ればせながら、修正するよう依頼したほどだ。
そこには、中国や韓国との混同や、
歌舞伎や相撲等の伝統的文化が、日常の文化だとする誤解、
忍者、空手、仏教等の神秘的な雰囲気に対する、過剰な意識等がある。
「007は二度死ぬ」「ティファニーで朝食を」等のメジャーな映画でさえ
日本あるいは日本人に対する誤った描写があって、国辱映画と呼ばれた。
「0011ナポレオン・ソロ」等のテレビシリーズでは、
日本を舞台にした作品だけが放映されないと言う事態も。
その誤った描写が、ずいぶん日本国民を怒らせたものだが、
最近にきて、状況が変わってきた。
まず、日本が経済大国となり、無視できない存在となった事。
多くの日本企業が進出し、アメリカを描写する上でも、
日本人が登場する事が少なくなくなった。
当然のように、日本の映画登場は、以前のような興味本意ではなく、
必然的なものになったはずである。
そうした映画が、「ブラック・レイン」「ミスター・ベースボール」等だ。
だが、やっぱり、そこでも日本の描写は誤っており、
(以前よりはマシになったものの)
どこか興味本意的と言う印象は否めなかった。
しかし、いつのころからか、日本人はこうした誤解を楽しむように変化してきた。
この「ライジング・サン」も、そうした誤った描写に対する期待ばかりが膨らむ。
もちろん、それだけが目的の、ふざけた映画ではない。
原作は、「ジュラシック・パーク」等のマイケル・クライトン。
監督は、「ライトスタッフ」等のフィリップ・カイフマン。
主演の日本通刑事に、ショーン・コネリー。
相棒の黒人刑事に、ウエズレー・スナイプス。「パッセンジャー57」の主役で、
スタローンの新作「デモリション・マン」では悪役を演ずると言う。
以下、「アサシン」でも悪役をやったハーベイ・カイテル。
れっきとした日本人俳優として、怪しい映画に出演してきたマコ。
「ロボコップ3」に続いて、怪しい日本企業社長役だ。
「ツインピークス」で、被害者ローラの父リーランドを演じたレイ・ワイズ。
しかし、出演陣の中で、最も注目を浴びているのが、
日本人悪役を演じている(映画を見てみると、悪役ではない気もするが)
ケーリー・ヒロユキ・タガワだ。
彼は、「007/消されたライセンス」では香港の英国情報員を演じ
怪作「リトルトウキョー殺人課」では、怪しいヤクザのボス役だ。
この作品で手込めにされた女性役のティア・カレルも、
アサクマなるステーキ屋みたいな名前で登場。
日本企業を舞台にした殺人事件を描いたもので、
あちらではベストセラーになったらしい。
だが、映画公開当時から、差別的だとして、上映中止の抗議行動が起こった。
ところが、ここには日本人はほとんど参加しておらず、
アメリカでも、最近の日本人はそう言うのを気にしない事がわかった。
等というわけで、映画本来の関心よりは、
日本がどう誤解されて描かれるかが関心の中心となった感じ。
日本公開時もある程度話題にはなったが、あきれるほどの不入りで、
いそいで見ないと、見られなくなるような状況だ。

 20世紀FOXのマークにあわせて、「いょぉーーっ」と言う能とかの時の声。
「昇日」と言う文字がアップになり、あわせてタイトルが登場。
ロサンゼルス。冒頭はなぜか、西部劇のシーン。女が悪党にさらわれる展開。
唐突に、切れた腕をくわえた犬が登場。
映画雑誌では、黒沢の「用心棒」が出てくるような事が書かれていたので、
そう思っていたが、「用心棒」でも「荒野の用心棒」でもない。
とは言え、このシーンは明らかに、「用心棒」のマネだ。
実は、これがなぜかカラオケの映像で、
それにあわせて歌うエディ・サカムラ(ケーリー・ヒロユキ・タガワ)。
愛人のシェリルは退屈だと出ていくので、あわてて捕まえる。
「これだからガイジンは始末におけん」等と、日本語で言う。
さすがに、彼の日本語は流暢だ。
一方、日本企業ナカモトのビル。ビルには大きなタイコのマークが。
ここでは、軍事用マイクロチップを開発したマイクロコン社が、
ナカモトに吸収されるべく会談が行われていた。
上院では、日本企業による乗っ取りに反対の声が出ており、
その筆頭が、モートン上院議員(レイ・ワイズ)だ。
マイクロコン社は上院での決定を待とうと言うが、
その内輪の話は、警備担当の田中(クライド・クサツ)に盗聴されているため、
交渉役のリッチモンドは圧力をかけ、結局吸収される事に。
ナカモトビルでは、この記念すべき日を祝う、和洋折衷の怪しいパーティが開かれる。
ビルの別の階では、シェリルが何者かとHする。
相手の男は、シェリルの首を絞める。
殺す気かと思いきや、後でわかるのだが、窒息マニアと言う者がいるようだ。
これは、窒息間近にまで近づき、性的興奮を高めると言うのが目的らしい。

 ロス警察のスミス(ウエズレー・スナイプス)の所へ事件の連絡が。
ナカモトビルで殺人があったらしい。彼は車でビルへ向かう。
話が前後するのでわかりにくいが、
これから4日後、スミスは警察上層部の審問を受ける。
以後の話は、回想の形となるわけだ。
カセットで「パスポートを見せろ」等の日本語をあわてて勉強するスミス。
途中いろんな上司から連絡があり、
結局、コナー(ショーン・コネリー)を連れていく事になる。
彼は、日本人びいきで、同僚からつまはじきにされている男だ。
リトル東京のコナーの家へ。部屋へ入ると、靴を脱げのお約束展開。
部屋の中は、仏像やらが並ぶ純和風。唯一異様なのが、ゴルフバックだ。
コナーは正座して、筆で怪しげな文字を書いている。
障子の向こうに女性の手が見える。
2人は現場へ向かう。コナーは日本人に対する接し方を説明。
まず、スミスが接触し、うまくいかないようなら、
コナーが合図して、以後はコナーが対応すると言う。
これは、日本人が重んじる、先輩後輩を重視したやり方だと言うのだ。
(以後、スミスはコナーに、「コーハイ」と呼ばれ続ける)
ビルに到着すると、同僚のグラハム(ハーベイ・カイテル)が待っている。
彼は日本に対して嫌悪感を持っており、
「間もなく45階です」等と言うエレベーターにも怒る。
パーティの階には、日本企業の乗っ取りに反対しているはずの
モートン上院議員までいるので、あきれてしまう。

 現場に行くと、テーブルの上にシェリルの死体が。
通訳の石原に、スミスは名刺交換までして話す。
だが、石原はただの麻薬中毒死だと言い、令状なしに警察が捜査するのを拒否。
田中が現場をなぜか写真に撮りまくっているが、彼は社員なのでおとがめなしだ。
しかたないので、コナーが登場。
彼は日本通として知られているので、石原も一目置く。
だが、やはり捜査は拒否。コナーはたどたどしい日本語で激怒。
「イイカゲンニシロ。ハヤクデテイケ」等と言うので、石原はあわてて退散。
しかし、コナーに言わせると、社内で弱い立場の石原にとって
コナーが短気なガイジンを演じた事は好都合だと言うのだ。
彼は石原に対して、貸しができたとまで言う。
検死の結果、シェリルの首には絞殺を隠すためのメイクが見つかる。
そしてアジア人独特の血液分子を持つ、精子も検出。どうやら犯人は日本人らしい。
だが、コナーはセックスの相手が犯人とは限らないと言う。
彼は、部屋に多くの監視カメラがある事に気づく。
警備室に行くと、無数のカメラが社内の至る所を監視している事がわかる。
それは、この警備室も例外ではない。
ビデオ映像は、12時間単位でディスクに録画され、保管される。
コナーらは、問題の部屋のディスクを探す。
だが、この部屋だけは、ディスクを交換した形跡があった。
続いて彼らは、シェリルの家へ。
ここはセックスの相手をする場所で、いわば、「ベッタク」(別宅)だ。
部屋には、愛人だったエディの写真が。彼はナカモト社の重役だ。
そしてそのうちの1枚が、鏡からはがされた形跡があった。
隣室の女性は、シェリルがエディを殺してやると言っていたと証言。
もはやエディが犯人としか思えなかった。

 だが、コナーはエディをかばっていた。
彼の父には義理がある。そして何よりも、コナーの第六感が無罪だと言っていた。
(英語で、”マイ第六感”と言っている)
エディに会うと、あの夜セックスした事は認めるが、
事件の時には別の場所にいたと言う。「シーイズ変態女」等と説明。
ナカモトの社長吉田(マコ)の命令で
ようやく入手したディスクにより、犯人が誰かは明らかになるはずだった。
(内輪に犯人がいれば、正直に渡すわけがないと思うが)
ディスクには、シェリルの首を絞める男が映されているが、顔は見えない。
その後、男は部屋から立ち去るが、その時、壁に顔が映る。その顔は、エディだった。
これは決定的だった。スミスとグラハムは、エディ逮捕に向かう。
エディは、おなじみ女体盛りの寿司を、なぜか自らもふんどし姿で食べている。
そこへ踏み込むスミスら。あわてて逃げるエディ。
フェラーリで逃走。スミスらは追跡。だが、運転を誤り、フェラーリは爆発。
確認もできないほど、死体は黒こげになっていた。

 こうして、事件は一応の解決をしたかに見えた。
だが、スミスの所へ、エディから留守電が入っていたのでびっくり。
あわててスミスの所へ。彼は吉田らと接待ゴルフをしている。
プライドを傷つけないように、負けるのがコツだ等と言う。
何者かの尾行がついたため、まくために、仲間のいる黒人街へ逃げるのだが、
そこでスミスは、コナーに黒人たちとうまくやる秘訣を説明。
コナーの日本人に対する接し方をマネしているのだが、
まずコナーが接し、うまくいかないようなら、もう殺されてる等と言う。
その後、尾行の車は、黒人たちに襲われて、バラバラにされる。
彼らは某大学の研究所へ。
ここにいる日本人と黒人の混血の女性アサクマは、ディスクを分析してみせる。
まず、壁に映ったエディの顔は、合成と判明した。
さらに、よく見ると幽霊のような者が部屋に入ってくるのが見える。
何者かの映像が消されているが、消し方が不十分だったのだ。
そして窓に映った顔を解析すると、それこそがエディとわかる。
彼は何かを知っていたが、隠していたのだ。
さらに数分間は時計が動いていない。
この間に何かが起こったのだが、別の時間の映像を重ねたのだ。
怪しいのは、部屋の写真を撮りまくっていた田中。
シェリルの部屋から盗まれた写真が合成に使われたに違いない。
コナーらがディスクを入手するには5時間ほどがかかっており、
その間に修正する事は可能だ。
これほどの技術をもつ研究所は、ハマグリ社(!)以外に考えられない。
だが、彼らは頑として否定する。

 そんな頃から、不穏な動きが起こり始めた。
マイクロコン社の吸収に反対だったモートン上院議員が、一転して賛成に。
以前、富士通とフランスの会社が公営事業だかで競合した際、
フランス企業はいいが、日本企業はダメとした事が、差別だと問題になったと言うのが
原因だと言うが、真の理由は定かでない。
さらに、スミスの昔の贈賄疑惑が掘り出され、
離婚した妻が娘の受け渡しを要求し始める。明らかに何者かの圧力がかかっている。
実は、家庭内暴力を隠そうとした夫が、スミスとグラハムを買収したのだ。
金に困っていたスミスは、それを受け取ってしまったが、濡れ衣として片がついた。
しかし、グラハムはその後も買収を受け続けていた。
彼は事件への深入りをよせと警告する。
娘の危険を感じたスミスは、コナーと帰宅。
娘は無事だったが、死んだはずのエディがいたのでびっくり。
死体は田中のものだった。彼は別の系列への寝返りを企み、二股をかけ失敗したのだ。
この事件にコナーを担当させたのは、他ならぬエディだった。
(なぜそんな必要があったかは、よくわからんが)
彼はオリジナルのディスクを入手していた。これを受け取るコナー。
外には、エディを抹殺しようとするライバル系列の連中が集結。
(系列を連発しているが、これはどうもヤクザ組織的なものと誤解しているらしい)
一同を逃がして、エディは単身連中の中へ向かう。
だが、返り討ちにあい、エディはやられる。
気づいたスミスがかけつけるが、彼も撃たれて気絶。防弾チョッキで助かるが。

 ここで、冒頭から時々出ていた審問会の場面に。
スミスは一件落着として、手を引くよう指示される。
だが、やっぱり再び捜査に。オリジナルディスクを再生すると、意外な展開が。
シェリルの相手をしていたのは、モートン上院議員だった。
エディは、会社の利益のため、恋人を貸し出していたのだ。
モートンは、この殺人を隠すため、何者かに脅迫されていたのだ。
さらに、隠された時間の映像を見ると、シェリルが実は死んでいない事がわかった。
そこへ別の人物が現れ、シェリルを絞殺したのだ。だが、その男の顔は見えない。
「ベリーベリー怒った」と叫ぶコナーは、圧力に対して手を打つ事を考える。
まず、FAXでモートンの所へ問題の写真を送る。
驚いたモートンは、石原に電話。話が違うと言うが、写真は後援者や妻にも見られる。
追いつめられたモートンは銃で自殺。
一方、石原を含めて、ナカモトでは重役会議が。
そこへコナーやスミスらが現れる。
アサクマがディスクをセットすると、石原が止めようとして
2人は共にたどたどしい日本語で口論。(なぜ英語を使わないのか)
ディスクを見てびっくりする一同。石原は、会社のためにやったと自供。
だが、それはディスクの差し替えの事で、殺人ではない。
突然逃げ出す、リッチモンド。追うコナーら。
だが、彼らの前に、エディの部下が現れ、格闘で足止めされている間に、
リッチモンドは工事中のコンクリートに沈められて死ぬ。
エディの復讐は終わったのだ。
結局、闇に葬られる形になり、コナーは再び吉田と接待ゴルフへ。
スミスはアサクマを家に送る。だが、彼女の家が、コナーと同じ事に気づく。
あの時、障子の向こうにいたのは彼女だったのだ。
アサクマは、「がんばれコーハイ」等と言って去る。

 と言うわけで、日本のしきたり等をかなり誤解している映画だ。
日本の大企業がヤクザで構成されていると言う誤解等と
どういう設定になっているかから理解せねばならず、話がわかりにくい上、
正直言って、展開上かなり退屈だった。
結局の所、どういう企業間競争に巻き込まれたのか、ちんぷんかんぷんだ。
日本の文化の誤解は覚悟の上だったが、
日本企業は過剰なハイテクを使用していると言う誤解まであるのには、驚かされる。
 

ライトスタッフ(83)

 1947年。音速の壁に挑戦するパイロットたちが、カリフォルニアに集結。
だが、死者が続出。ついにチャック・イエガー(サム・シェパード)が達成する。
53年。エドワーズ空軍基地を、ゴードン・クーパー(デニス・クエイド)、
ガス・グリッソム(フレッド・ウォード)らが訪れる。
スコットがマッハ2を記録するが、イエガーが2.5を突破。これが限界と思われた。
57年。ソ連がスプートニクを打ち上げ、対抗する米国も宇宙計画を開始する。
チンパンジーやスタントマンを打ち上げる案もあったが、結局パイロットに落ちつく。
イエガーは大卒でなく、スコットは民間パイロットのため、資格にはずれていた。
50名以上から選ぶのは7名。意味不明の検査や訓練が続く。
やがて、マーキュリー計画として、クーパー、ガス、
海軍のジョン・グレン(エド・ハリス)、アラン・シェパード(スコット・グレン)
スレイトン、シラー(ランス・ヘンリクセン)ら7人が選ばれる。
60年。ケープカナベラルではテストロケットの失敗が連続。
猿と同等の扱いしか受けないパイロットたちは、結束してそれに対抗する。

 1961年。チンパンジーのハムの打ち上げが成功。
だが、ソ連はガガーリンを打ち上げ、先を越された。
3週間後、危険だとの非難の中、シェパードは15分の飛行に成功。
続いてガスが。だが、着水でハッチを失い、ミスとして非難される。
ソ連はチトフを丸1日飛行させる事に成功。
安全装置に問題があったが、対抗上グレンを打ち上げる事に。だが、直前で延期に。
ジョンソン副大統領は、妻アニーに面会を求めるが、言葉が不自由な彼女は拒否。
グレンに圧力がかかるが、チームの結束は固かった。
62年。グレンは7周の予定で打ち上げ。だが、熱遮蔽板に異常が発生。
3周で再突入に。帰還に成功し、大歓迎を受ける。
世間の関心は宇宙に注がる中、イエガーは上昇記録に挑戦。
きりもみ状態になるが、脱出に成功する。
マーキュリー計画はヒューストンに移動。彼らは最高の待遇を受ける。
63年。ゴードンが地球を22周し、単独飛行の計画は終了。
4年後、ガスはアポロの火災で死亡した。

 と言うわけで、音速に挑戦する話と、宇宙へ行く話と言う、
関係の弱い2つのエピソードをくっつけた映画。
超人的とも言うべき連中を集めた、当時の宇宙計画を再現した意味で評価できる。
ロケット等もけっこう再現しているし。グレンは後に大統領候補に。
彼の妻が言葉が不自由な事の説明はないので、ちとわかりづらい。
イエガーの妻グレニスに、バーバラ・ハシー。
ガスの妻ベティに、ベロニカ・カートライト。
NASAのスカウト等をする係員に、ジェフ・ゴールドブラム。
音楽は、ビル・コンティ。最後はやたら盛り上げる。

LD
 

LIFE!(2013年米)

ウォルター・ミティ 雑誌の写真係(ベン・スティラー)
シェリル・メルホフ ウォルターの同僚
テッド・ヘンドリックス リストラに来た男
ショーン・オコンネル カメラマン(ショーン・ペン)
ウォルターの母 (シャーリー・マクレーン)
リッチ シェリルの息子
トッド サイトの担当者

 雑誌社で写真係をするウォルターは、
同僚シェリルにあこがれ、彼女が会員のサイトで出会うのを期待する。
サイトの担当者トッドはウォルターに体験談がない事を心配し、何かと連絡してくる。
雑誌社が買収され、ライフ誌の休刊が決まる。
カメラマンのショーンは、最終号の表紙に25番のネガを指定。
だが、ネガは見当たらず、それをきっかけに話す様になったシェリルと心配する。
ウォルターはやむなくショーンを追うが、
サメのいる危険な海や、噴火寸前の火山などをめぐった末に、彼には追いつけない。
ネガを手に入れられなかったと、ウォルターはクビになり、シェリルも同様だと知る。
それでもショーンを追うウォルターは、ようやくアフガニスタンで彼と出会う。
ショーンは、ネガはウォルターの財布に入れておいたと言うが、
財布は捨ててしまっており、失望する。
だが、帰国したウォルターは、母が財布を拾っていたと知る。
彼は雑誌社に乗り込み、上司テッドにネガを渡す。
君がクビを切ったのは、命がけで雑誌を守った人々だと言い放つ。
解雇手当をもらいに行ったウォルターは、シェリルと再会。
彼女が元夫と寄りを戻したと思っていたが、それが誤解だったと知る。
店に並ぶ最終号の写真は、ネガを管理するウォルターの姿だった。

 と言う訳で、ベン・スティラー主演のコメディ(?)
彼は雑誌の写真管理係だが、雑誌は休刊が決まる。
最終刊の表紙として、カメラマンのショーン・ペンが指定した写真を探すが、
ネガが見つからない。
やむなくペンを追うが、彼は危険な地ばかり撮影する男だった。
もともと空想癖のあるスティラーが、本当に冒険する羽目になると言う訳。
やりたい事はわかる気がするけど、全体的に散漫な印象。

TV放送 2015/01/10 WOWOW 2100-2254
 

ライフ・イズ・コメディ!ピーター・セラーズの愛し方(2004年米英)

ピーター・セラーズ 俳優
ペグ ピーターの母
ビル ピーターの父
アン ピーターの最初の妻
マイケル ピーターの息子
ソフィア・ローレン 女優
ブレイク・エドワーズ 監督(ジョン・リスゴー)
スタンリー・キューブリック 監督
ブリット・エクランド ピーターの2番目の妻。女優(シャーリーズ・セロン)

 ラジオのコメディ番組に出ているピーターは、物まねが得意。
映画への出演を希望するが、ハンサムでないとの理由でオーディションは全滅。
母ペグに、チャンスはもぎ取るものと言われ、
老人の扮装でオーディションに臨み、役を得る。
出演作が増え、英アカデミー賞を受賞するように。
共演したソフィア・ローレンに夢中になり、妻アンに離婚したいと言い出す。
ローレンに避けられ、アンと寄りを戻そうとするが、
お守りは嫌だと出ていってしまう。
エドワーズ監督の「ピンクの豹」映画に出演。
アドリブ演技で、主役デビッド・ニーブンを食ったと評判に。
さらにキューブリック監督の「博士の異常な愛情」も好評。
もともと個性のないピーターは、演技に際して個性を排除する必要がないと評される。
ピーターがピンクの豹の続編を躊躇した為、
占い師はエドワーズを意味するBEが吉と伝える。
これを誤解したピーターは、ブリット・エクランドと結婚。
発作で倒れ、奇跡的に回復したピーターは、これからは真の自身を演ずると誓う。
だが「カジノロワイヤル」でもアドリブを求められ、現場を抜け出す騒ぎに。
母ペグが死に、ピーターは妻ブリットに八つ当たりした末離婚。
「チャンス」の脚本に惹かれるが、周囲はピンクパンサーシリーズに出る事を求める。
ようやく念願の「チャンス」を演じ、アカデミー賞候補になるが受賞は逃がす。
彼は80年に逝去し、遺産の大半は4番目の妻が相続した。

 と言うわけで、ピーター・セラーズの生涯を描いた作品。
ラジオでコメディをやっていたセラーズは、映画界へ進出しようとするが、
ハンサムでないと言う理由で仕事がなかなかもらえない。
そこで、誰にでもなれる特技を生かして、
ピンクの豹や博士の異常な愛情で評価されるが、演技に自分自身がないと思い悩む。
発作で倒れたのを機に、自分自身を表現しようとチャンスの脚本に目をつけるが、
世間はピンクパンサーの新作を期待すると言う訳。
カジノロワイヤル等の知られた作品、キューブリックやブレイク・エドワーズ
(演ずるのは何かさっぱりしたジョン・リスゴー)と言った監督たち、
2番目の妻ブリット・エクランド
(黄金銃を持つ男。演ずるはシャーリーズ・セロン)。
演技が実生活を侵食したり、別れた前の妻や母にアドバイスを求めると言う描写。
面白そうなアイテムは満載なんだけど、
実際に出演した作品の順番に足を引っ張られた感あり。
映画の評価って、出てる人の人生の浮き沈みと必ずしも連動してないからね。

TV放送 2006/08/11 ムービープラス 1044-1252
 

Lifeエディ・マーフィの逃亡人生(1999年米)

 詐欺師レイ(エディ・マーフィ)はクロード(マーチン・ローレンス)を
だまそうと接近。レイのついでにクロードまでギャングに追われるハメになる。
逃げた町で、詐欺師にギャンブルで時計を奪われ、彼が何者かに殺されたため、
二人は容疑者として逮捕される。
刑務所は殺人犯だらけで、身を守るため周囲には凶悪犯と思わせる。
上訴が却下され、二人は脱走を決意。だが入手した地図がデタラメで捕まる。
太平洋戦争に突入。二人は新入りに野球を教え、
その天才的な才能で、黒人リーグからスカウトが。
二人もコーチとして出所できると期待するが、それはかなわず、
クロードはレイに八つ当たりし絶交状態に。
終戦。ケネディやニクソンの時代を経て、周囲の人も変わる。
72年。クロードは罰を受ける事になるが、監視を拒否したレイと仲直り。
老いた二人は所長の家の仕事をする事になり、所長のお気に入りとなる。
だが、新所長となる保安官パイクが、レイの時計を持っていたため、真犯人と気づく。
もめるが前所長がパイクを射殺。彼はレイらを釈放すると約束するが、急死する。
さらに刑務所暮らしが続き、病棟へ。今では出所は死を意味する。
だがクロードは脱走を計画。その夜火事が発生し、二人とも死んだ。
クロードの計画は、安置所から死体を持ち出し、火事のスキに逃げると言う物。
墓を掘る囚人たちは、棺の中身がレイらではないと考えるように。
案の定、二人は見事に脱走し、ヤンキースタジアムで野球を観戦していた。

 と言うわけで、エディ・マーフィの近年の作品は感心しない物が多いが
この作品はなかなか出来がいい。
物語はショーシャンクを彷彿させるような展開だが
なにぶん主役の二人が黒人キャラだけに、やたら口論が多い。
真犯人が登場する展開は、ある程度予想がついてその通りに。
にもかかわらず出所できないと言うあたりまで予想できてしまう。
最後に脱走すると思わせて、死体が見つかったので失敗だったかと思わせるが
やはりと言う展開も読めちゃうんだけど、安易すぎるというわけでもなく
なかなかほのぼのした感じ。
そんな中で友情が芽生えると言うあたりが、いまいち弱い気もするが。

TV放送 2002/01/26 BS05 2000-2150
 

ライブラリアン 伝説の秘宝(2004年米)

フリン・カーセン 図書館司書
シャーリーン 同僚の女性
ジャドソン 同僚の男性
ニコール 助けた女性
エドワード 蛇の組織のボス(カイル・マクラクラン)

 30代になっても親元で暮らし、大学に通っているフリン。
母親や教授に言われて仕事を探し、メトロポリタン図書館の司書に採用される。
彼には相手を観察し、その過去を指摘する能力があるのだ。
図書館では世界各地の貴重な品を保管していたが、運命の槍が盗まれてしまう。
過去にカール大帝やナポレオンが所有した品で、
危険なため3分割した1つが盗まれたのだ。フリンは残り2つを守る事に。
アマゾンへ向かい、途中蛇の組織に襲われるが、ニコールと言う女性に助けられる。
マヤ族の神殿で2つ目の部品を見つけるが、
ニコールの師匠だったと言う一味のボス、エドワードに奪われる。
エドワードはニコールを人質に、3つ目の部品を探させる。
ヒマラヤにあるシャングリアへ行き、仏像に隠された部品を入手する。
3つの部品を1つにするには、強力な電磁場が必要だ。
エドワードは大学に作ったピラミッドを利用。
強力なパワーを得ようとするが、フリンがかけつけピラミッドは崩壊。
エドワードは下敷きになって死ぬ。
フリンは司書として認められ、新たな仕事を受けるのだった。

 と言うわけで、インディ風古代の遺跡をめぐる探検家の話。
主人公は無職だったが、秘密の図書館の司書に採用される。
彼にはずば抜けた観察力があり、わずかな特徴から相手の過去を言い当てられるのだ。
もっともこの能力は、物語上あまり役に立たない。
秘密の図書館には、世界の運命を左右する品が納められており、
同様の品を狙う輩から守るのが任務。
今回、世界を手に入れる力を持つ槍を狙う一味が現れる。
これはかつてナポレオンらが使った物なのだが、
危険な代物なので、3つに分けて保管されたと言う。
でも、ナポレオンって19世紀の人だから、
それから保管されたとなると、古代の謎とは違う気が。。
なんて事を突っ込む暇もなく、何だかとんとんと展開して解決するお手軽さ。
底はだいぶ浅い感じです。

TV放送 2007/01/27 WOWOW 0939-1113
 

ライブラリアン キング・ソロモンの呪文(2006年米)

フリン・カーセン 司書
シャーリーン 同僚の女性
ジャドソン 同僚の男性
マージ 母
ジェリー 父の旧友
エミリー 発掘に協力(ガブリエル・アンウォー)

 フリンの父の友人であるジェリーは、何者かに襲われたと言う。
一味は時空さえ操るソロモン王の秘宝を狙っているらしい。
フリンは発掘現場でエミリーと言う女性の協力を得る。
入手した発掘品を組み合わせると楽器になり、演奏すると地図が浮かび上がる。
地図に示された洞窟へ行くと、そこには大量の財宝があった。
フリンは父がかつてここに来ていたと知る。
だが、ジェリーこそ一味のボスで、父を殺したのも彼だと知る。
貴重な本を奪われ、部屋に閉じ込められるが、仲間に助けられる。
フリンはジェリーの儀式に乱入。
本の呪文を唱えると、時空を操れるようになるのだ。
だが本を溶岩に捨てるとジェリーは巻き込まれ、神殿は爆発。
脱出したフリンは、助けられた男にソロモンの秘宝を託すのだった。

 と言うわけで、秘密の図書館の司書を主人公にしたシリーズ第2弾。
前作のヒロインは出ず、代わりにガブリエル・アンウォーが登場。
ソロモン王の秘宝をめぐる、どこかで聞いたような話。
主人公の父親の友人と言う、いかにも黒幕ぽい人が現れ、
前作の焼き直しの様な展開に。
前作もそうだけど、アイデアは悪くないのに、
初稿で作っちゃいましたと言う感じで、厚みがない。
監督:ジョナサン・フレイクス

TV放送 2008/10/19 WOWOW 1240-1412
 

ライブラリアン ユダの聖杯伝説(2008年米)

フリン・カーソン 図書館司書
シャーリーン 同僚
ジャドソン 同僚
セルゲイ・クビチェク ロシアの元保安長官
ラズロ 歴史教授
シモーヌ ナイトクラブの女性

 仕事で忙しいフリンは、ようやく休暇をもらいニューオリンズへ行く事に。
シモーヌと言う歌手が、聖杯を守れるのはフリンしかいないとメダルを渡す。
シモーヌは実は403歳の吸血鬼で、悪用されないようにメダルを守っていたと言う。
フリンは海賊の船にユダの聖杯を発見。
だがロシアの元保安長官クビチェクに奪われる。
クビチェクはロシア復興のために、吸血鬼ドラクルを復活させようとしたのだ。
実は協力を求めたラズロ教授こそ吸血鬼で、シモーヌを殺した相手だった。
吸血鬼は聖杯を飲んで力を取り戻すが、フリンがポプラの木で刺すと吸血鬼は灰に。
安心したシモーヌは、これで眠りにつけると、朝日を見て灰になる。
図書館に戻ったフリンは、ジャドセンが2000歳を超えるのではと疑うように。
ジャドセンは、学者は知識に頼りすぎると取り合わないのだった。

 と言うわけで、秘密の図書館の司書が活躍するシリーズ第3弾。
今回、主人公フリンは休暇先でユダの聖杯に遭遇。
ロシアを再興させようとする一味は、
聖杯の力で吸血鬼ドラクルを蘇らせ、無敵の軍隊を作ろうとしていた。
相変わらず軽い調子の展開だけど、聖杯、ロシアの再興、
吸血鬼と盛り込んだので、前2作よりだいぶマシ。
神出鬼没な上司の秘密も明らかになるが、どうやらシリーズは打止めらしい。
監督:ジョナサン・フレイクス

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ライブ・ワイヤー(92)

 議員が連続で爆殺される事件が発生。爆弾処理のダニー(ピアース・ブロスナン)は
議員らが武器輸出禁止し、裏金で儲けていた事に気づく。
一味の爆弾は液体で、酸に反応。飲み物として体内へ入り、爆発する仕組みだ。
次の標的が、妻テリー(リサ・アイルバッハー)と浮気の噂がある
トラベレス議員(ロン・シルバー)と知るが、爆殺は阻止。
だが一味はトラベレス宅を襲撃。かけつけたダニーが返り討ちに。
ボスは自爆し、巻き込まれてトラビレスは死ぬ。

 と言うわけで、爆弾のプロと言うから、マニアックなシーンが出るのかと思えば
飲み物にした爆弾と言うよくわからないものが出てくるくらい。
トラビレス宅の闘いは、ダニーがいろいろ仕掛けるが、暗くてわからないし。
一味の陰謀もわかりづらく、妻との浮気の話もあまり後味がよくない気がする。

TV放送 96/01/03 04CH 05:00-07:00
 

ライムライト(52)

監督 チャールズ・チャップリン

 1914年。ロンドン。落ち目の喜劇役者カルベロ(チャールズ・チャップリン)は
自殺をはかったダンサーのテリーを助ける。
彼女は、精神的な弱さから、足が動かない。カルベロは彼女を励ます。
カルベロは前座に出るが、受けず、逆にテリーに励まされる。
6ヶ月後、テリーは優秀なダンサーとして、プリマに選ばれる。
ひそかに恋した作曲家ネビルと再会。だが、彼女の心はカルベロにひかれていた。
周囲の同情から、カルベロも道化役をもらうが、評判が悪いと知り、身を引く。
テリーは各国で公演。流しをしているカルベロを見つける。
彼女の勧めで、1度だけ舞台に出る事に。仲間(バスター・キートン)も呼び寄せる。
大受けで、他の出演者の時間まで出演。だが、途中で心臓マヒを起こし倒れる。
テリーのダンスを見守りながら、息を引き取る。

 というわけで、チャップリンの自伝的映画。
ややくさいところもあるが、やはりいいものだ。
でも、最後の舞台が大受けになったのは、お久しぶりと言う企画だからでは?

TV放送 92/07/01 BS11 22:00-00:20
 

ライラの冒険 黄金の羅針盤(2007年米)

ライラ・ベラクア 孤児の娘
アスリエル卿 ライラの叔父(ダニエル・クレイグ)
パンタライモン 通称パン。ライラの守護神
コールスター夫人 大学を支援(ニコール・キッドマン)
ファー統領 ジプシャン
セラフィナ・ペカーラ 魔女(エヴァ・グリーン)
リー・スコースビー ライラに協力する男(サム・エリオット)
イオニク・バーニソン 鎧熊(イアン・マッケラン)

 ライラは孤児で大学の寮で生活。
叔父アスリエル卿は、北極でダストを観測したと報告。
調査を願い出るが、異世界から来ると言うダストが証明されれば伝統が崩れてしまう。
その頃貧しい子供たちが姿を消す事件が発生。
コールスター夫人は北極へ行くと言い、ライラに同行を求める。
学寮長は、ひそかに黄金の羅針盤を渡す。
それは真実を明らかにすると言われ、使えるのはライラだけなのだ。
ライラは、夫人の狙いが羅針盤と気づき、
逃げ出してジプシャンと言う海賊のような連中に助けられる。
彼らによると、ゴブラーと言う夫人の手下が子供たちをさらい、
北の地へ連れていくと言う。
途中、魔女セラフィナ、スコースビーと言う男、鎧熊のイオニクと知り合う。
さらに弱った少年ビリーを発見。
彼はダイモンと言う守護神の動物から離されたと言う。まさにゴブラーの仕業だ。
ラグナー王と言う熊は、ライラをダイモンにすると言い出し、イオニクと対決に。
イオニクが勝ち、彼が王となる。
さらに進むがイオニクとはぐれ、ライラだけが研究所に到着。
そこには親友ロジャーら子供たちが捕われていた。
彼らは手術を受けて返されると言う。
ライラも捕らわれ、ダイモンのパンと離される手術を受ける事に。
だが、夫人がかけつけて止める。
ダストによって不純な事を覚えるのを阻止すれば、子供は純粋なままとなる。
だが、実は夫人とアスリエル卿の娘であるライラは特別だと言うのだ。
ライラは羅針盤を渡すフリをして逃げ出し、子供たちを逃がす。
ゴブラーが立ちはだかるが、イオニクらがかけつけ、一味を倒す。
ライラは父アスリエル卿を助けに向かうと言い、
セラフィナらも支配者を倒すため、彼女に同行する事に。
ライラは異世界でダストの正体を突き止めると誓うのであった。

 と言うわけで、ファンタジー映画は乱発され、本作もそんな一作。
ハリーポッターは現実社会に魔法使いがいる話だが、
ロードオブザリングは別世界の話で、
物語を理解するにはどんな設定か把握する必要があった。
本作もそんな感じで、この世界の子供はダイモンと言う動物と一心同体な訳だが、
そこは冒頭にナレーターが軽く説明しただけ。ちょっとわかりづらい。
ニコール・キッドマンは悪役で、子供をダイモンと引き離そうとしたりするが、
それがどれほど深刻な事態かもピンと来ない。
ニコールの他に、ダニエル・クレイグも出ていて、動物の声はかなり豪華な布陣。
クリストファー・リーが、スターウォーズやロードオブザリングに似た役柄で登場。
いかにも次回作に続くと言う感じの半端なおわり方で、
ニコールやクレイグの運命もわからないまま。
しかも次回作の製作は中止になったらしくて、ちょっと困った感じかも。
主役の女の子はなかなかいい感じだったけど、成長してしまったからね。

TV放送 2009/01/11 WOWOW 2000-2153
 

ラヴレース(2013年米)

リンダ・ラブレース (アマンダ・セイフライド)
チャック・トレイナー リンダの夫
リンダの母 (シャロン・ストーン)
リンダの父 (ロバート・パトリック)
パッツィ 友人
ロマーノ 製作者
業界の大物 (ジェームズ・フランコ)

 1970年。リンダは厳しい母親に育てられたが、夜遊びが続き家を追い出される。
チャックと結婚するが、彼は金に困ってリンダをポルノ映画に出演させる。
こうして出来た「ディープスロート」は大ヒットし、リンダも評判に。
チャックの暴力に耐えかねるが、実家には戻れない。
チャックは続編やグッズで儲けようと企む。
映画を見た父がショックを受けたと知り、リンダはもうポルノには出ないと決断する。
6年後。別の男性と結婚したリンダは回顧録を出版。
同じ様な境遇の人に、自分を取り戻す力になればと語る。
リンダは業界で17日間働いただけだったが、生涯の烙印を押されたのだ。
映画は6億ドル稼ぎ出したが、リンダの収入は1250ドルだった。

 と言う訳で、ウォーターゲート事件で暗号に使われたポルノ映画、
ディープスロートの主演女優リンダ・ラブレースの話。
リンダに扮するのが、アマンダ・セイフライド。
リンダは暴力的な夫の借金返済の為、ポルノ映画に出演。
これが大評判となり、次回作が期待されるが、
リンダは夫の暴力に耐えかねて家を出ると言う訳。
実際のシーンと、回顧録の執筆シーンで2回同じ事を描いている印象で、
半分の時間で済ませられそうです。
アマンダは体当たり演技をしている様だが、肝心なあたりは隠されてて、
クロエの時ほどHにならず。
リンダの両親にはシャロン・ストーンとロバート・パトリックを配置。
シャロンはあまりの化粧けのなさで、言われないとわからないっす。

TV放送 2015/03/25 WOWOW 2315-0048
 

ラウンダーズ(1998年米)

マイク 法学生(マット・デイモン)
ワーム マイクの親友(エドワード・ノートン)
テディKGB 賭場の経営者(ジョン・マルコビッチ)
教授 (マーチン・ランドー)
ペトラ 賭場の経営者(ファムケ・ヤンセン)
ジョー マイクの恋人

起:マイクはポーカーで敗れてギャンブルから足を洗う。
承:親友ワームが借金したと知り、再びポーカーで稼ぐ様に。
転:ワームが調子に乗って泥沼に。
結:大勝負で勝って、借金を返す。

 ポーカーに絶対の自信を持つマイクは、
テディに敗れて蓄えを失い、ギャンブルを辞める事を誓う。
バイトしながら法学校に通い、恋人ジョーは堅実になってほしいと言う。
 そんな中、出所した親友ワームが1万ドルの借金を抱えていると知り、
マイクはやむなく賭場へ復帰。ワームと組んで荒稼ぎする。
法学校はおろそかになるが、
両親の期待するラビではなく法学に進んだ教授は理解を示す。
自分は自分。宿命からは逃れられないのだと。
一方で、愛想を尽かしたジョーは出て行ってしまう。
 マイクは警官たち相手に目標額を稼ぐが、ワームが欲を出してイカサマがばれ、
コテンパンにされた上に有り金を取られる。
教授に相談し、苦境を逃れる為と1万ドルを借りる。
テディとの勝負に勝って借金返済するが、挑発されて大勝負をする事に。
マイクはテディの裏をかいて勝利し、6万ドルを得る。
教授に金を返した彼はベガスへ向かい、世界選手権に挑戦する事を決意するのだった。

 と言う訳で、マット・デイモン主演のギャンブラーもの。
勝負に敗れたデイモンは、ギャンブルから足を洗う事を決意。
だが、親友エドワード・ノートンの借金返済の為に再びポーカーをする様になる訳。
どこかで聞いたようなギャンブル中毒の話で、
そそのかすノートンも他の映画で似たような役をしていた気がする。

TV放送 2016/12/03 イマジカ 1430-1700
 

ラオ博士の7つの顔(64)(未公開)

監督 ジョージ・パル

 寂れた町アバローンでは、スターク氏の乗っ取りに対し新聞社のエドが抵抗。
嫌がらせを受けるが、7300歳の中国人ラオに助けられる。
ラオは魔術師や雪男などを引き連れてサーカスを開く。
人々はインチキだとバカにするが、メドゥーサを見ると町長夫人は石に。
金のため魂を売り渡し壊滅した町の話をすると、人々は改心。
気がつくと議会で、スタークも町を乗っ取るのを断念。
怒ったスタークの部下がラオのテントを壊すと、小さなナマズが巨大な怪魚に。
雨が降ると元に戻り、ラオは町を去った。

 と言うわけで、インチキくさい中国人が町の人々の運命を左右する話で
インチキなんだかマジメなんだかよくわからない。
最後のナマズがまあまあとしても、もう少し痛快感があればよかったのだが。

TV放送 98/08/25 BS05 10:00-12:00
 

ラ・ジュテ(1962年フランス)

 パリが崩壊した第三次大戦。戦争で多数の死者が出て、生存者は地下へ。
放射能で地上には住めなくなり、勝利者が地下を制圧する。
捕虜で人体実験し、人類の滅亡を防ぐ事に。
時間に穴を開け、意識は現在のまま過去へ戻る計画。
想像力の強い者ならば衝撃に耐えられるはずだ。
男は戦争前に戻り、女性に会う。だが、戦争中の認識票に気づいて失敗。
再び戻って彼女に会ったりし、自由に行き来できるようになる。
彼の目的は、全産業を復活させるエネルギーを持ち帰る事だ。
その役目は遂げられるが、男は女性のいる過去に留まる事を決意する。
空港の送迎台で彼女を見つけるが、未来からの追跡者に襲われる。
そして、それを見ていた少年は、若い頃の彼自身だった。
少年期からの強迫観念は自分自身の死だったのだ。

 と言うわけで、「12モンキーズ」の元ネタと言う作品なので見るが、
これがかなり実験的な作品で、ナレーションと静止画だけで展開。
時間も30分と言う短さ。凱旋門の壊れた絵とかは出てくるものの
その他は、特に特撮もないのに、物語をSFにしてしまうあたりは凄いと思う。
ただ、どういう話なのかはかなりわかりづらく、ラストになって
そう言えば、12モンキーズにもこんなようなシーンがあったなと思った。

TV放送 2002/10/15 BS11 0100-0130
 

ラスト・アクション・ヒーロー」(93)を見た。

 当代随一のアクションスターと言えば、シュワルツェネッガーと言う事になる。
しかし、このシュワちゃん。どこか滑稽に見えてならない。
もともとコナンシリーズでメジャーになった彼は、
ボディビルで鍛えた体ゆえ、怪力の男役にはぴったりだったかも知れない。
だが、そこには、格闘技を身につけた者のような知性はあまり感じられず、
早い話が、頭は弱そうな奴と言う印象を受けた。
「ターミネーター」でトップ級になったが、
彼は命令のままにただ殺しまくる、どこか効率の悪そうな殺人マシンの役だった。
以後、似たような役柄が続き、どこか頭は悪そうで、
ただ怪力ゆえに生き延びているだけと言う滑稽な所があった。
スタローンと比較される事が多いが、彼が目先を変えようと苦悩し、
失敗したりしているのに対し、
シュワちゃんは、ただただ安易に似たような役柄を繰り返すだけだった。
それでもコメディに挑戦と考え、「ツインズ」「キンダガートン・コップ」と言う
作品に出て、そこそこの成功をおさめたが、
それは脚本や共演者のおかげであり、彼は相変わらず頭の弱そうな役柄だった。
にも関わらず、映画がヒットすると、自信をつけてしまい、
監督に進出したり、もうアクションはやめだ等と言い出したりしたのだ。
確かに、不死身に見える役柄もそろそろ限界にきていて、
新しい方向を見つけなくてはならないのは事実だ。
そんな意図があってか、この「ラスト・アクション・ヒーロー」は
ちょっと異色のアクション映画となっているらしい。
映画好きの少年が、シュワちゃん主役の映画の中に入ってしまい、
一緒に活躍するという展開で、必然的に楽屋落ち的なネタが少なくないらしい。
楽屋落ちは独りよがりになる傾向があって、
(傾向どころか、必ずそうなると言うべきか)
シュワちゃんマニアならともかく、アクション映画を期待する人には期待はずれかも。
と言う不安が的中し、アメリカでは「ジュラシック・パーク」に
大きく水をあけられた状態で大失敗。
NASAのロケットに広告を乗せると言う話題作りも、効果なかった。
日本でも、同じ道を歩んでいるらしく、いつ公開が終わっても不思議でない状況。
まあ、そうは言ってもだ。
監督は「ダイ・ハード」「レッドオクトーバーを追え!」のジョン・マクティアナン。
シュワとは「プレデター」以来の顔合わせ。
シュワ以外の出演は、
「アマデウス」でサリエリを演じたF・マーリー・エイブラハム。
「ナバロンの要塞」「アラビアのロレンス」等のアンソニー・クイン。
「グレムリン2」でドラキュラ役者に扮したロバート・プロスキー。
「ロボコップ2」で2号の元となる殺人鬼を演じた、トム・ヌーナン。
「48時間」の署長や、「007/消されたライセンス」のフランク・マクレー等、
面白味のある役者がそろっている他、
シャロン・ストーンや、T2のT1000役ロバート・パトリック他
特別出演的に出ているらしい。
音楽は、「ダイ・ハード」「リーサルウェポン」のマイケル・ケイメン。
まあ、見るだけは見なきゃ。

 とある小学校に、切り裂き魔(トム・ヌーナン)が立てこもっていた。
生徒たちが人質だ。
警部補(フランク・マクレー)は説得を試みるが、機関銃を乱射。
そこへ現れる男。ジャック・スレイター(アーノルド・シュワルツェネッガー)だ。
警部補が止めるのもかまわず、ジャックは屋上へ。
そこでは切り裂き魔が、ジャックの息子に刃物をつきつけていた。
彼は、ジャックによって刑務所に送られ、復讐を誓っていたのだ。
武器を捨てろと言う切り裂き魔の要求にこたえ、
ジャックは全身あちこちに隠した銃やらナイフやらを捨てる。
最後に、これも武器だったと、手榴弾のピンを抜き、投げ捨てる。
だが、息子を巻き添えにするはずがないと、切り裂き魔はあわてない。
息子に拾わせると、これがナイフが飛び出す仕掛。
息子は切り裂き魔に突き刺し、そのスキにジャックは捨てた銃に飛びつく。
切り裂き魔はオノを投げるが、ヒラリとかわし、銃を撃つ。
しかし、その時、画面がぼやけた。
これは映画の中の話。シュワルツェネッガー主演の「ジャック・スレイターV」だ。
がらがらの映画館で見ていた少年ダニーは、
あわてて映写技師ニック(ロバート・プロスキー)の所へ。
寝ていたニックはあわててフィルムを戻すが、映画は終わってしまった。
ダニーはもう10回も見ているので、かまわないと言う。
まもなく、「ジャック・スレイターW」が公開され、
ニックは今晩1人で試写する。よければ、見に来いと言うのだ。
だが、それには条件があった。学校へ行け。今なら4時間の遅刻ですむ。

 学校へ行くと、古典の先生がハムレットの説明をしている。
ハムレットは固い話という印象があるが、
実は元祖(ファースト)アクション・ヒーローだと言う。
説明用に見せる映画は、主演がローレンス・オリビエ。
ポラロイドのCMでご存知のはず。「タイタンの戦い」にも出演したと言う。
映画を上映するが、ダニーには退屈だ。悩んでばかりいず、さっさと殺せ!
彼の空想の中では、ジャックがハムレットに。
怪力で敵を倒し、機関銃を撃ちまくる。
彼のセリフは、「生きるべきか、死ぬべきか。殺すべきだ」
ダニーの母は、息子が学校をさぼったと知り、病気だ等とごまかすが、
実は映画を見ていた事を知っていた。
彼女は、友人を作らず、映画ばかり見ている息子を心配する。
彼を残して、夜の仕事へ出る。
ダニーはこっそり出かけようとすると、周囲は危ない街なので、
たちまちナイフを持った男が侵入し、金を出せ等と要求。
しかし、この家にはたいして金になりそうな物はなかった。
ダニーは事件を警察に報告。
警官が母親に連絡するが、母は家に戻って寝ろ等とあまり心配してなさそう。
ダニーは雨の中、走って映画館へ。
普段は飲んだくれるニックが、制服を着て待っていた。
彼の父は芸人で、ニックはマネージャーの仕事をしていた。
やがて店は映画館に代わり、彼は映写技師に。
その頃彼は、チベットの大魔術士と言う男に、魔法のチケットをもらった。
それにどんな効果があるかはわからないが、何しろチケットは気まぐれだと言う。
彼を尊敬していたニックは、このチケットを使う事を恐れ、今まで持っていた。
話を聞いたダニーは、自分が使ってみると言う。
チケットの半券が契られ、ダニーは席へ。わくわくしながら、映画は始まった。

 「ジャック・スレイターW」主役はもちろんシュワルツェネッガーだ。
映画は某所の屋敷で始まる。
組織のボス、ビバルディ(アンソニー・クイン)は、
ジャックのまたいとこフランクを捕らえ、痛めつけていた。
傍らには、世界一の腕前という殺し屋ベネディクト。
彼の片目は義眼で、銃弾の絵が描かれている。
ビバルディは、自分と別のボストレーリーが手を組んだ事を、
ジャックが知ったか気にしていた。
実はこれは罠で、ジャックにニセの情報を流すのが目的なのだ。
警察は、フランクが麻薬取引をしているとの情報を得て、警官を彼の家へ送る。
そこへ、ジャックが会いに来る。フランクがそんな事をするわけがない。
踏み込むジャックは、虫の息のフランクを発見。
彼は、ビバルディとトレーリーが手を組んだと言い残して死ぬ。
ジャックは、数枚のメモを発見。そこには、「5」「4」「3」……。
爆発するぞ!あわてて逃げるジャック。警官も逃げるが、建物が爆発。
しかし、見ているダニーは平然。警官は死ぬが、ジャックは無事だと言う。
案の定、その通りに。あと3日で退職だったと言い残す警官。
そこへ機関銃を乱射しながら車が近づいてくる。
ジャックは自分の車に。わざわざソニー製のMDをセット。
敵は機関銃を撃ちまくり、ダイナマイトを投げてくる。
投げられたダイナマイトを撃ち、方向が変わったダイナマイトは、
何と画面を突き抜けて、ダニーの隣へポトリ。
状況が認識できないでいるが、やばいと思ったダニーは、とにかく逃げる。
そこで爆発。周囲の音が切れ、景色も変わる。

 気がつくと、彼は車の上。しかも、ジャックが運転し、彼は撃ち合っているのだ。
映画の中に来ちまった。
何者だと聞かれ、ダニーだと答えるが、どこから来たのかは信用されまい。
派手な運転で追跡から逃げる。ダイナマイトを投げられ、車の後部座席に。
ダニーはびびって取れないため、ジャックは片輪走行で傾けて拾い、間一髪捨てる。
水のない配水路へ入り、再び、配水路の斜面を登り、フェンスを突き破り、
下を走るコーラのトレーラーの屋根の上を走って、地面へ。
(もっと無茶なシーンがあったような気もする)
追っ手はダイナマイトにやられたりして、残るは1台。
ジャックの車は、不自然にある袋小路へ。
ダニーはそこで気づく。そうか。ここは映画の中だから、こんな場所があるんだ。
そう思うと、追ってきた車とチキンレース状態になっても、不安はない。
案の定、敵が横転する結果となった。

 ダニーは、ジャックに連れられ警察へ。
ホテルみたいな配車係がいたり、派手なコスチュームの美女がいたりで、現実離れ。
玄関前には、シャロン・ストーンが「氷の微笑」の服装でタバコを吸っている。
かと思えば、T1000ことロバート・パトリックが、
「T2」の時みたいな警官の扮装で、ウロウロ。ダニーは驚くばかりだ。
中に行くと、「アマデウス」で見たサリエリ役のF・マーリー・エイブラハムが。
モーツァルトを殺した人だ、と騒ぐが、
こっちの世界では、ジャックの同僚のプラクティスだった。
もっとも、ジャックの回りにはロック音楽しか存在せず、
モーツァルトと言われても、彼にはチンプンカンプンだ。
今日の相棒を決める場所があって、
ウォーター(水)にはオイル(油)、ジュー(ユダヤ人)にはナチ等と
妙な名前の連中ばかり。
中には、アニメのネコまでいるので驚くが、ジャックは平然として、彼は腕利きだ。
(実は、このネコの声を、ダニー・デビートがやっている)
続いて、警部補の所へ。彼は怒鳴ってばかりで、部屋のガラスが割れるほど。
しかし、彼を見てダニーはハッとする。
そう、この警部補は、前々作だかで何かの事件で助けられ、
ジャックの事を友人だと叫んだ事があるのだ。
ダニーはそれを指摘。すると、2人は仰天。あれは、秘密のはずだったぞ。
しかし、ジャックは誰にも話した記憶がない。
続いて事件の捜査の話に。ビバルディとトレーリーが手を組んだらしい。
すると、またまたダニーが指摘。あれは罠だと言うので、またまた仰天。
ビバルディの所には、ベネディクトと言う殺し屋が。彼の義眼には銃弾の絵。
警察より詳しいので、どこでその情報をと聞くと、映画で見たと言う。
警部補は、何だか知らないが、こいつとコンビを組めと命令。
ジャックは妙な事になってくさってしまう。

 ジャックが、ここが映画だと証明してみろと言うので、2人はビデオ屋へ。
ダニーは、シュワルツェネッガーのコーナーを見ればわかるはずと言う。
しかし、店員もピンとこない。
「T2」宣伝用の広告には、シルベスター・スタローンの顔が。
そんなバカなと思うが、ジャックは彼の代表作だと言う。
この世界には、シュワちゃんは存在しないのだ。
彼らの近くには、「ダイ・ハード」「レッド・オクトーバーを追え!」
「ザ・スタンド」とジョン・マクティアナンの作品が並んでいるが、
やっぱり「プレデター」はない。
今度は店員に電話番号を聞く。この店の電話番号もだ。すべて市内局番は555。
アメリカ映画ではイタズラ電話防止のため、市内局番を555に統一しているのだ。
ロスに何人住んでいると思う。その人々を市内局番555だけでカバーできるか。
しかし、ジャックは、そのために市外局番があると反論。
じゃあと言うので、今度は女性に注目。女性が美人すぎる。
これは映画だからだ。どこを見ても、おばはんは1人もいない。
しかし、そんな事ではジャックへの説明にはならない。

 ジャックの車で移動すると、ふとダニーはある屋敷に気づく。
実はそこはビバルディの隠れ家。もちろん、映画で見たので知っているのだ。
しかし、そんな情報は得ていないジャックは激怒。
おれたちは何年も訓練を積み、いろんな事を勉強し、張り込みしたりして捜査する。
それが、おまえは突然屋敷を指さし、ここが犯人の家だと言うのか。
ジャックはズカズカと入ると、ベネディクトが出てくる。
殺人犯に会いたいと言うので、ベネディクトは何の事かねとしらばくれる。
ダニーは、銃弾の絵の義眼のはずとか、手ごわい奴だ等と言うので、彼はギクリ。
しかし、義眼の絵はニコちゃんマーク等と言われるあのマーク。
ジャックはダニーの話を信用せず、ここを立ち去る事に。
「I’LL BE BACK」と決めゼリフを言って喜ぶジャックだが、
ダニーにしてみれば、毎度のセリフだ。
しかし、ベネディクトは冷や汗。実は、義眼はつけ替え用がたくさんあるのだ。
報告するたびに、ビバルディはとんちんかんな事を言って、ベネディクトを怒らせる。

 ジャックらは彼の家へ。別れた妻が来てるかもと言うが、ダニーは否定。
なぜなら、出演者の中に名前がなかったからだ。
代わりに待っていたのは、新人の何とか演ずるジャックの娘ホイットニー。
彼女はダニーにいきなりキス。何とかの祭で、友人が来てキスするはずだったのだ。
あいかわらず、ダニーはここは映画だ等と言うので、ジャックはまたまた怒る。
引き出しを開け、何かを見つけ、急に元気をなくして出ていく。
見るダニー。それはジャックの息子の写真だった。
息子は、前作の最後で、ジャックに撃たれた犯人ごと屋上から転落して死んだのだ。
妙に詳しいので、ホイットニーも驚く。
そこへ、誰かが現れる。友人が来たのだと思い、ドアを開けるとベネディクトら。
たちまち2人は捕まり、妙に内情に詳しいダニーの持ち物を調べる。
映画で見たのさと言うダニーから、ベネディクトは財布を取り上げる。
別の子分が、ジャックが押収したニセ札を発見するが、ベネディクトが暖炉へ。
このニセ札は、なぜか燃やすとピンクの炎が出るようになっていて、
戻ってきたジャックは、煙突から出る煙に気づく。
ベネディクトらは、物音でジャックが戻ってきたと気づく。
しかし、玄関に現れたのは、ホイットニーのキスを待つマヌケな友人。
すかさず、天窓からジャックが侵入。たちまち怪力で敵をばったばったと倒す。
撃ち合い、爆弾も爆発。逃げ出すベネディクト。車で追うジャック。
ダニーは、この映画最大かも知れない見せ場を見逃すまいと、自転車で追跡。
いつの間にか、敵の車と向かい合い、チキンレース状態に。
しかし、ダニーには自信があった。正義の味方は死なないのだ。
だが、ふと気づく。ぼくは主役じゃない。死ぬかも知れない。
あわててハンドルを切り、自転車は坂道を転げ、下の家の屋根の上を走り、
背景のやけにでかい月の前を「E.T」のアレのように走り、最後には転落。

 警察が現場を調査。ダニーはふとある事に気づく。
メモにあるセリフを書き、ジャックに読ませようとするが、彼は読みたがらない。
映画で「シット!」等のセリフを使うと、年齢制限が発生する場合があるのだ。
彼の無茶なやり方に、警部補は正体不明の言語で激怒。
最後にはバッチを取り上げてしまう。落ち込むジャック。
仲間には別れた妻から電話があるようなフリをしていたが、それもポーズだった。
しかし、ダニーは彼から離れようとしない。警官でなくなったのになぜ?
なぜなら、必ず最後には警官に戻るからだ。
一方、ベネディクトはダニーから奪った財布を調べていた。
魔法のチケットに触れると、彼の手が壁を突き抜ける。
タイミングよく、テレビでは「トワイライトゾーン」のテーマが。

 2人は、トレーリーが死んだと知り、彼の葬儀へ。
ビバルディが何か企んでいるに違いない。敵一味を一気に抹殺する計画か。
葬儀は高層ビルの屋上。下で同僚プラクティスが待っている。
ビバルディの計画を話すと、彼は案内。だが、そこは倉庫。
モーツァルトを殺した奴だから怪しいと思ったが、やっぱり敵の一味だったのだ。
ダニーは手錠をかけられ、パイプに縛られる。
しかし、こっそりこじ開け、ジャックに銃を突きつけるプラクティスに銃を向ける。
こんな簡単な手にかかるとは、何てバカな奴等と、散々けなすが、
今度はベネディクトに銃をつきつけられ、形勢は逆転。
2人は手錠で縛られ、プラクティスが見張る。
だが、アニメのネコがかけつけ、彼が撃たれて倒れる。
ジャックは屋上に向かい、10分後にクレーンを屋上へやれと指示。
無茶な注文に困るが、とりあえず銃を持って工事現場へ。
しかし、作業員はたちまち逃げてしまう。仕方なく彼が捜査。
屋上についたジャックは、周囲を調べる。そして気づく。
トレーリーの死体の中に、毒ガスが詰め込まれているのだ。
ジャックは生きていた!等と称して、騒ぎを起こし、死体を運び出す。
ダニーは操作がわからず、クレーンは屋上を右往左往。
何とかクレーンに死体を引っかけ、展望エレベーターで逃げる。
しかし、敵のヘリが現れ、あわてて戻ろうとするが、エレベーターの前には追っ手が。
あわてて伏せると、ヘリからの攻撃で追っ手は次々倒れる。
続いて、ジャックは撃ちまくり、ヘリは墜落。
ホッとするが、ヘリからの攻撃でエレベーターがはずれて転落。
うまくクレーンが現れ、ジャックは死体に飛び移る。時限装置はすでにあと数秒。
ダニーがあわてて操作し、ジャックと死体は、下にあるタールの池へ。
タールのせいか、毒ガスは周囲に漏れずにすむ。
ジャックは真っ黒になるが、ちょっと拭くとたちまち元通り。
ホイットニーがでかい4WDで迎えに来るので、
さすがにダニーもできすぎと思うが、これは映画だ。

 ビバルディは、屋敷でベネディクトの報告を待っていた。
だが、結果は失敗。ビバルディのバカさに呆れたベネディクトは彼を射殺。
魔法のチケットさえあれば、世界は思うがままと考えたのだ。
そこへジャックらが4WDで侵入。ベネディクトとジャックは格闘。
彼を壁へ投げ飛ばすと、チケットが働き、彼は消えてしまった。
あぜんとするジャック。ダニーの話は本当だったのか。
今ならまだ壁は2つの次元を結んでいる。
追うしかないと言うダニー。しかし、戻れるのか不安がるジャック。
意を決して2人は壁に飛び込む。そこは試写していた映画館だった。
ベネディクトは逃げる。ダニーはニックの所へ。彼はまたも寝ていた。
あのチケットの効果がわかった。映画の中に入れるんだ。
それを聞いて喜ぶニック。これで「バス停留所」のモンローに会える。
しかし、チケットは奪われた。
そして彼の前に現れたのは、何とジャック・スレイターだ。
だが、ジャックは落ち込んでいた。
彼は必死に戦っていたが、それはみな脚本家に踊らされていただけだった。
ラストに息子を殺せば面白かろうと、息子の命が奪われたのだ。

 ジャックとダニーは、ダニーの家へ。
母はダニーが戻らないので心配。だが、友達を紹介すると言うので驚き。
それがシュワルツェネッガーだったので2度驚き。
ジャックは、名前が覚えられず、「アーノルド・ブラウンシャイガー」等と言う。
結局、そっくりの刑事と称して、泊まる事に。
普通のおばはんであるダニーの母に、妙な魅力を感じるジャック。
そして、ダニーが言っていたモーツァルトなる人物が作曲した
聞いた事もない音楽。
2人はベネディクトを追うため、街を捜しまわる。
一方、ベネディクトは街を見て驚かされる。どう見ても年寄りの売春婦。
靴を奪うためだけに通行人を射殺する連中。
そこで、彼も市民を射殺してみて、「殺意を持って射殺した」と叫ぶ。
しかし、住民はうるさいと言うだけで、さして驚きもしない。
ほくそえむベネディクト。
捜しまわるジャックらは、ベネディクトを発見。
ベネディクトはタクシーを奪い、ジャックは駐車された車を。
彼は窓ガラスを腕で叩き割るが、映画と違って、現実は痛い。
追跡し、またまたチキンレース状態に。しかし、これは現実だ。失敗すれば死ぬ。
止めるダニーを降ろし、ジャックは車を走らせる。
車は正面衝突。しかし、ジャックは無事だった。エアバックがあったのだ。
それに対し、タクシーにエアバックはない。間違いなく死んだ。
だが、ダニーは現実的に確認してみようと言う。
「ダイ・ハード」の殺し屋も首を吊られたのに甦った。
と言うと、さすが「ダイ・ハード」の音楽マイケル・ケイメン。
しっかり「ダイ・ハード」の音楽が。やはり、ベネディクトは消えていた。

 捜しまわるジャックは、ベネディクトの目的に気づく。
アーノルド・シュワルツェネッガーこそ、こちらの世界のジャックだ。
彼を殺せばジャックも死ぬ。
この日は、「ジャック・スレイターW」のプレミア試写会の日。試写会が危ない。
試写会の会場には、有名人が続々。
ジム・ベルーシは、僕は関心ないが、妻が彼を見ると濡れるんだと言う。
ジャン・クロード・バン・ダムは、アクションスターとして尊敬する等と言う。
他にもティナ・タナー、チェビー・チェイスらが出演。
シュワちゃんもケネディの親戚と言う奥さんと到着。
スタローンやブルース・ウィルスと作ったレストランの宣伝は、
みっともないからよせと言われるが、結局やってしまう。
今回は48名しか死んでない。前作の128名に比べればずいぶん減っているとも。
そこへ前作の悪役切り裂き魔が、扮装のままで登場。
どう言うつもりだと怒るマネージャー。
しかし、その頃、切り裂き魔に扮したトム・ヌーナンが素顔で到着していた。
ジャックらは会場へ。ダニーとベネディクトの送った殺し屋を探す。
ハマーが、次回はサントラをやらせろと言うが、ジャックには何の事やら。
ダニーが切り裂き魔を発見。シュワちゃんを狙おうとするので、
ジャックは銃を持ち出す。
すると、気づいたシュワちゃんが、オーバーアクションで飛びかかる。
だが、自分のそっくりだったので、スタントマンか等と寝ぼけた事を。
契約しないか等と言うのに対し、ジャックはおまえは嫌いだと言い切る。
お前のせいで、おれは振り回されている。

 ジャックは切り裂き魔を追って表へ。すると取り囲むファンが大騒ぎ。
切り裂き魔はどこにもいない。ふと気づく。屋上だ。
屋上に上がると、切り裂き魔はダニーに刃物をつきつけていた。
まさしく、前作のラストと同じ状態だ。銃を捨て、ダニーを放せと要求。
なつかしいシーンだなと言う切り裂き魔。これからどうなるんだったけ。
途中は省略だと、ダニーを屋上から投げ落とす。
周囲は雨。切り裂き魔は斧を投げ、ジャックはそれをよける。
斧は後ろの壁に刺さり、高圧電流の流れる電線を切る。
ジャックは塀の上へ逃れ、電線を雨のたまる床へ。
たちまち切り裂き魔は感電して倒れる。
気がつくと、ダニーの呼ぶ声が。彼は隣のビルの壁の飾りにつかまっていた。
ジャックは樋を伝って、ダニーを助けに向かう。しかし手が届かない。
映画なら無事ですむが、これは現実。飛びつくのは怖い。
おれを信用しろと言われ、ダニーは飛びつき、屋上へ引き上げられる。
しかし、安心するのもつかのま、今度はベネディクトが登場。
チケットを持つ彼は、ジャックをも恐れない。
彼はこの世界を気に入っていた。なぜなら、ここでは悪が世界を支配するからだ。
チケットを使い、ドラキュラ、ローズマリーの赤ちゃん、キングコング、
「羊たちの沈黙」の博士等と呼ぶ計画だ。
そうはさせじと、ジャックは格闘。ナイフで切りつけられ、彼は傷だらけだ。
ジャックは銃を突きつけるが、ベネディクトは平然とチケットを振りかざす。
しかし、チケットは効果を見せず、彼は射殺される。

 ジャックは救急車で病院に向かう。危ない状況だが、映画ならカスリ傷だ。
そこに気づいたダニーは、車を戻そうと、銃を取り出すとみな逃げてしまう。
しかたなく、ダニーが運転。ニックの映画館へ。
急いでフィルムを用意してと言う。
その頃、ベネディクトが落としたチケットは、
イングマール・ベルイマン監督の「第七の封印」の劇場前へ。
途端に、映画に出ていた死神が現実に。恐怖する人々。死神は歩き始める。
弱っているジャック。彼の前に死神が。
連れてかないでと言うダニー。だが、ジャックの名前はリストにない。
ダニーはあるが、それもずいぶん先の話だ。
ダニーはジャックを助けてと言う。しかし、彼にはそんな力はない。
私なら、半券を探すと言われ、ダニーは半券を探す。
ようやく発見。ニックはフィルムがみつからないで困っているが、
突然勝手に画面に「ジャック・スレイター」が。
ダニーはジャックを連れて映画の中へ。早く助けてと言われ、医師がかけつける。
ジャックは早く戻れと言う。現実の世界にこそ、君は生きるべきだ。
また会えるかと聞かれ、ジャックは会えると約束。
ダニーが外へ出ると、医師が到着。しかし、ジャックには傷1つない。
再び、警部補にどなられるジャック。だが、今度はジャックもどなり返す。
今まで気がつかなかったが、お前がどなっているのは脚本にあるからだ。
おまえは実は三枚目役だ。おれが主役なんだ。
そして、彼は映画を見ているダニーに合図を送ると、車で去っていった。

 と言うわけで、この映画は、ちょっと長すぎと言う印象があるが、
全体として、映画の決まり事を逆手に取っていて面白かった。
もっとも、この手の劇中劇ものは戦前からあって珍しくなく、
必ずと言っていいほど、「ここでは死なない事になっている」的なギャグが登場。
最近の似た所では、「ロジャー・ラビット」が
アニメの世界に入った男の話だったが、こちらはアクションの世界という所か。
シュワちゃんが自分のパロディを演じ、自分を皮肉り、アクションの決め事を皮肉り、
年齢制限等を逆手に取ったギャグを見せ、豪華なゲストを呼び、
映画に対するオマージュまでも盛り込むと言う、ちと欲張りすぎな企画で、
それが不評を呼んだに違いない。
シュワちゃんには、いつものようなアクションを期待している所があるが、
「死なないはず」的な展開では、いまいち盛り上がらない。迫力にも欠ける。
と言っても、そうした評判を事前に入手していたため、
だいたいそんな物と予想していたら、遊んでる部分が予想以上だったのでよかった。
でも、それはシュワちゃんだから許される話で、
アクションの天才かと思ったマクティアナン監督の作品としては……。
他の監督でもよかったのでは。
 

ラストエンペラー(87)

監督 ベルナルド・ベルドリッチ

 08年北京。西太后の命で、3歳の溥儀は紫禁城へ。新しい皇帝となる。
だが12年。中華民国の出現で有名無実に。数年で中華民国は荒廃し、軍閥の時代に。
溥儀(ジョン・ローン)のもとへ、教育係ジョンストン(ピーター・オトゥール)が。
自由は許されず、孤独を感ずる。やがて婉容(ジョアン・チェン)と文繍と結婚。
24年。政府崩壊に伴い紫禁城を追われ天津へ。中国は蒋介石に支配される。
31年。日本は満州を制圧。34年。甘粕(坂本龍一)の依頼で傀儡政権の皇帝に。
日本の支配で彼の意志は通らない。婉容はアヘンにおぼれ、運転手の子供を妊娠。
37年南京虐殺。41年太平洋戦争勃発。45年終戦。甘粕は自殺。
50年戦犯として捕らわれ、59年特赦で釈放。67年北京で庭師となり、死ぬ。

 と言うわけで、中国最後の皇帝溥儀にまつわる物語。
満州の皇帝となりながら、日本に利用され、自分1人では何もできない人の話。
家臣にケーリー・ヒロユキ・タガワ。日本軍に高松英郎。

TV放送 95/12/05 BS11 21:00-00:41
 

ラスト・キャッスル(2001年アメリカ)

 軍の英雄アーウィン中将(ロバート・レッドフォード)は、
有罪になり軍刑務所に収容される事に。
ウインター所長は彼を尊敬していたが、実戦経験がないと見下されたと感じる。
この刑務所では、命令違反を犯した者をゴム弾で撃たせ、死者も出ていると言う。
アーウィンを尊敬するアギラーは、彼に敬礼を教わり喜ぶが
所内では敬礼は禁止されており、懲罰を受ける事に。
反発したアーウィンもまた、炎天下で石運びの懲罰を受けるが
何とか耐え抜き、逆に囚人たちに英雄扱いを受ける事に。
囚人たちは無意味な壁作りを強制されていたが、
アーウィンが指揮して次第に組織を編成。壁作りに意義を感じるように。
所長は結束を恐れ、壁を破壊。止めようとしたアギラーが撃たれて死ぬ。
逆に結束は高まり、所長は敬礼を黙認すると言うが、アーウィンは所長の辞任を要求。
アーウィンの戦友ホイーラー准将もまた、所の管理に問題があるのではと指摘する。
アーウィンらはひそかに何かを計画。所長はイエイツに情報を流すよう指示。
彼らが反乱を起こし、国旗を逆に揚げる気だと知る。
そこで所長は旗を捜し回るが、見つからず、イエイツもアーウィン側に寝返る。
実は旗の捜索は口実で、外へ出された囚人たちは手薄な監視塔を攻撃。
放水車も奪い、ヘリも墜落させる騒動に。
ついに所長は実弾使用を許可。アーウィンは降伏を指示し、単身旗を揚げようとする。
所長はアーウィンを撃つが、看守らも所長に反発し、所長が逮捕される。
アーウィンは旗を逆さになど揚げておらず、イエイツらは国旗に敬礼する。
囚人たちは壁作りを再開し、壁に使われる石にはアーウィンの名も刻まれていた。

 と言うわけで、ロバート・レッドフォード主演で
彼が囚人で刑務所と対決する話と聞くと
何か「ブルベイカー」の焼き直しかという風にも思えるが、今回は軍刑務所の話。
現場の英雄である主人公が、現場経験のない上官と対立する話は
いわば軍隊ものの王道とも言う感じ。
かなり早い段階から、所長には反発していたので
我慢に我慢して爆発したという感じではないが、
クライマックスで所長一味を懲らしめる大暴れは痛快。
だが、最後まで貫く事ができず、ちょっと物足りない。
まあ、囚人が暴れたまま丸く収まるわけはないけどね。

TV放送 2004/05/27 BS05 0940-1155
 

ラストゲーム(1998年米)

ジェイク・シャトルズワース 囚人(デンゼル・ワシントン)
ジーザス ジェイクの息子
メアリー ジェイクの娘
ララ・ボニーラ ジーザスの恋人
所長 (ネッド・ビーティ)
ダコタ 売春婦(ミラ・ジョボビッチ)
ブガー ジェイクの甥

 囚人のジェイクは、刑務所長に呼び出される。
彼の息子ジーザスは、大学やプロチームが欲しがるバスケ選手で、
バスケファンの知事が懇意にする大学に入れれば、
15年の刑期を軽減できると言うのだ。
1週間だけ労働釈放と言う形で、刑務所の外へ。
ジーザスはジェイクを避けるが、練習を嫌がるジーザスとジェイクが揉み合い、
止めに入った母が倒れて死んでしまった事を思い出し、会う事に。
ジェイクは、恋人ララに気をつけろと警告する。
ララもまた、ジーザスをチームに入れる事で、得られる見返りを期待していたと知り、
ジーザスは失望する。
ジェイクは、ジーザスと1対1の勝負をして、勝てば大学へ進むと言う賭けをする。
結局ジーザスが勝ち、ジェイクは俺の事は忘れろと言い残して刑務所に戻る。
ジーザスは、ジェイクの勧めた大学へ進むが、
契約書にサインさせた訳ではないので、刑の軽減は叶わなかった。

 と言う訳で、デンゼル・ワシントン主演のドラマ。
デンゼルは妻を殺した罪で刑務所に入れられる。
長男は有望なバスケ選手で、プロや大学がスカウトに。
直接に金品を贈るのは違法とされる為、叔父や恋人を通じて攻勢をかけてくる。
そんな中、知事がデンゼルに接触し、
息子をとある大学に進めれば、刑期を短くすると言う。
労働釈放と言う名目で外に出たデンゼルだが、息子は彼を避けていたと言う訳。
長男役は有名なバスケ選手が演じてるらしいけど、そこは知らないので加点なし。
バスケの試合とかは描かれず、もっぱら人として見苦しいスカウト攻勢の描写が続く。
恋人にも裏切られた息子だが、父デンゼルの行動も大差なく、ややマシと言う程度で、
物語としてモヤモヤ感を残す。

TV放送 2014/12/05 WOWOW 0415-0631
 

ラスト・コップ 血塗られた狼(1995年カナダ米)

ファイン警部 (チャールズ・ブロンソン)
ジャッキー ファインの末娘
ベン ファインの息子。警官
エディ ファインの息子。警官
アダム・ノヴァチェック 富豪
アンナ アダムの妻
ローラ アダムの元妻
ランポーラ 組織のボス(ジョン・バーノン)

 ファイン警部は息子たちも警官と言う警察一家の長だ。
彼の誕生パーティの為、問題児である末娘ジャッキーも戻る。
ジャッキーは遊び回り、富豪アダムと一夜を過ごすが、
翌朝目覚めるとアダムは殺されており、彼女は容疑者として拘置されてしまう。
ファインは情報屋の情報で殺し屋のアジトを襲撃するが、息子ベンが撃たれて重体に。
情報屋は、アダムの妻が殺し屋を雇ったと言うが、何者かに殺される。
アダムの妻アンナが拘束されるが、アダムには元妻ローラもいると判明。
統合失調症のローラは、指輪を失っており、それで殺し屋を雇ったとも考えられるが、
ファインは誰かが罪を着せようとしたとにらむ。
組織のボス、ランポーラから殺し屋マーティンの居場所を聞き出し、隠れ家を襲撃。
射殺してしまうが、アンナの法人が送金した記録が見つかる。
アンナは夫に捨てられたと感じ犯行に及んだと告白。
ローラには同情しており、彼女が疑われる事は想定外だったと言って自殺する。
回復したベンやジャッキーが戻り、再び一家の姿を取り戻するのだった。

 と言う訳で、チャールズ・ブロンソン主演のドラマ。
ブロンソンは孫までいる一家の長だが、
警部である彼を筆頭に、子供たちも警官や弁護士と言う警官一家。
そんな中、一家の問題児である末娘ジャッキーが殺人容疑で逮捕される事態に。
ブロンソンらは家族優先で事件を捜査すると言う訳。
ジョン・バーノンとかも出てるので、小粒な刑事アクションを期待したが、
どちらかと言うと家族ドラマ。
シリーズ化されたらしく、重体の息子が死なないあたりは、それ故の甘さか。

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ラストサムライ(2003年米)

ネイサン・オールグレン大尉 (トム・クルーズ)
勝元 侍の生き残り(渡辺謙)
氏尾 勝元の部下(真田広之)
世話する娘 (小雪)
明治天皇
ウィンチェスター銃の社員(ウイリアム・アサートン)

 1876年。南北戦争で活躍した大尉のネイサンは、
銃の宣伝の仕事をしていたがクビになる。
大村氏に招かれ、海を渡って日本へ行く事に。
農民を鍛えて兵士にする仕事を受けるが、
勝元と言う侍の生き残りの襲撃を受けて全滅。ネイサンは捕らわれてしまう。
勝元はなぜかネイサンを生かしておき、村人と生活させる。
ネイサンは村人と心を交わし、刀の腕は勝元の部下氏尾とも対等に戦える程に上達。
大村は勝元に力がつくのを阻止しようと、刀の廃棄を求めるが、
勝元は拒否した為幽閉させられる。
屋敷に乗り込んだネイサンは、勝元を連れ出すのに成功。
武士道は必要でなくなったと悟った勝元は、戦いぬく事を決意。
大軍が迫る中、ネイサンも鎧を着て、勝元に助太刀する。
激しい戦闘にも奮戦するが、ガトリング砲を投入されて全滅。
勝元は、すべてが見事だと言って絶命する。
唯一生き延びたネイサンは、明治天皇への謁見が許される。
日米の協定が結ばれるが、適切とは思えないと言う天皇は、
日本人の心を忘れるなと言って、勝元の刀を受け取る。
その後、ネイサンは勝元の村へ戻っていった。

 と言う訳で、トム・クルーズが日本で侍と一緒に戦う話。ようやく見ました。
南北戦争の英雄であるトムは、帰還後ぱっとせず、
明治維新後の日本で兵士を訓練すると言う仕事を受ける。
だが、付近には渡辺謙率いる侍の残党がいて、
近代化と称して、刀の放棄を求める明治政府の決定に反発していた。
トムは一味に捕らわれ、一緒に暮らすうちに彼らに共感を覚えると言う訳。
何かこんな様な話どこかで聞きましたよね。
トムがどういうつもりで出たかはわからないけど、明らかに彼は狂言回し。
渡辺謙の方が存在感があるのは否めない。
ただし、彼が明治天皇には敬意を示していて
天皇の方も、近代化ばかり進めようとする連中よりも、渡辺謙に理解を示すあたりの、
価値観はいまいちわかりにくい所。

TV放送 2010/12/23 WOWOW 1200-1434
 

ラスト・シューティスト(76)

監督 ドン・シーゲル

 保安官J・B・ブックス(ジョン・ウェイン)は、全米に知られる凄腕のガンマン。
1901年。ホステトラー医師(ジェームズ・スチュワート)は彼をガンと診断。
ブックスは未亡人ロジャース(ローレン・バコール)の所へ泊まるが、
息子ギロム(ロン・ハワード)が正体に気づき、ロジャースは追い出そうとする。
だが、ガンだと告白。滞在を認めさせる。
噂を聞いてかけつけた、新聞記者ドブキンスは伝記を連載したいと言うが、追い返す。
病気の噂が広まり、名を上げようと襲撃する者が出るが、ブックスの敵ではない。
かつての恋人セレプタが、伝記で稼ぐため、結婚を求めるが、これも拒否。
葬儀屋ベッカム(ジョン・キャラダイン)も、宣伝に利用しようとする。
ブックスは、早撃ちのプルフォード、弟を射殺したスィーニー、
そして牢にいるコッブを、酒場へ呼び出す。
ブックスはロジャースに別れを言って出かけ、酒場で撃ち合い、3人を倒す。
酒場の主人に撃たれるが、主人をギロムが射殺。ブックスは息絶える。

 というわけで、ジョン・ウェインの集大成と言うべき映画。ゲストも豪華。
時代にはずれてしまった男と、ガンに戦う男と言う、自分自身を投影した主人公。
ガンが当時の技術でわかったかどうかは疑問。
最後に決闘する3人は、特に悪い事してるとは思えないが、いいのだろうか。

TV放送 92/06/07 01CH 16:05-17:45
 



シュワ復活「ラストスタンド」を見た。(2013年米)

 人気絶頂だったかは微妙だが、
またまだ人気のあったシュワルツェネッガーが知事になり、
俳優業を半引退して約10年。
途中、エクスペンダブルズ等にゲスト的に出たが、本格的復帰は本作。
シュワ復帰を売りにしただけの安易な企画にも思えたが、
少数の味方と共に、巨悪に立ち向かうストーリーに、男のロマン的な物を感じて見た。

[ソマートンの人々]
 レイ・オーウェンズ 保安官(アーノルド・シュワルツェネッガー)
 サラ 保安官助手
 ジェリー 保安官助手。都会に憧れる
 フランク 留置場に入れられた男
 フィギー 保安官助手。ベテラン
 ルイス 武器博物館を作る

[FBI]
 バニスター FBI(フォレスト・ウィテッカー)
 リチャーズ バニスターの部下。一味に通じる

[一味]
 コルテス 麻薬王
 ブレル コルテスの手下(プリズンブレイクのアブルッチ役)

 舞台は田舎町ソマートン。
フットボールの試合があるらしくて、町の人々は総出で応援に。
町長もはしゃいで、保安官レイに行こうと言うが、レイは町を守るために残ると言う。
そんな事より、町長の車コルベットが消火栓の前にあって、駐車違反だと指摘。
町長は堅物めと笑いながら、火事が起きたら、動かしてくれと鍵を渡す。
ここは、事件などない平和な町なのだ。
保安官助手たちは、武器マニアで博物館を作ったルイスの所で、
強力な銃を試射して楽しんでいたが、レイがたしなめ解散に。
保安官助手ジェリーは事件のない町に退屈し、
かつて都会にいたレイにコネがないか聞く。
レイは平和が何よりとか言いながら、希望は考慮しようと言う。
留置場には酔っ払ってぶちこまれたフランクが。
ジェリーは彼と親友で、大目に見てやれ等と言うが、
元恋人の保安官助手サラは許しそうもない。
レイは行きつけの食堂へ。
見慣れないトラッカーに声をかけると、彼らは逃げるように退散。不審に思うレイ。
町のはずれにある農場に、到着する農夫。
ここに先ほどの男たちが集まり、テレビ撮影させてくれと称するが、
気難しい農夫は聞く耳持たない。
銃で追い払おうとするが、逆に一味に射殺される。
この一味のリーダーが、プリズンブレイクのアブルッチだ。
次の日の早朝、レイが寝ていると、食堂の娘から電話が。
農夫が毎日届ける牛乳がまだ来ないと言う。
夜中に電話してくる話かねと言うが、
食堂の娘は、あれほど時間に正確な男が来ないのはおかしいと言う。
そこでレイは、ジェリーとサラに見に行かせる事に。
農夫は家で殺されており、一見すると強盗の仕業だ。
だが、不審に思ったレイは、助手たちに付近のタイヤ痕を追わせる。
自身も家へ行くが、痕跡から、家の中で撃たれたのではないと判断。
トラクターに血がついており、外で殺され偽装するために家の中に運ばれたと考える。

 一方、FBIのバニスターは、極秘任務を指揮する事に。
任務は逮捕された麻薬王コルテスの移送で、ルートはもちろん極秘だ。
だが、車列が信号待ちしていると、
コルテスが乗った護送車が、クレーンで吊り上げられビルの屋上に。
あわてて、バニスターらは追跡するが、
囚人服に似た服を着た連中が、大勢走り回って撹乱。
それでもFBIの男女がコルテスを追うが、男が射殺され、
リチャーズが人質にとられてしまう。
コルテスはコルベットで逃走。(アメリカに速い車はコルベットしかないのか?)
それは数日前に盗まれた物で、馬力アップした怪物マシンだ。
FBIはヘリで追跡するが、コルテスがライトを消したため見失う。
さらにバリケードで待機するが、
一味はモンスタートラックであらかじめ蹴散らしてしまい、コルテスは楽々通過。
実は人質にされたリチャーズは、金目当てで寝返っていた。
バニスターは、コルテスがメキシコに逃げる気と考える。
国境の町には軍隊がいて、さすがに突破は難しいはず。
すると、近くにあるソマートンはどうかと部下が言う。
ソマートンとメキシコの間は国境の渓谷をはさむが、
狭いため、橋を渡せない事はないと言う。
バクスターは、あり得ないと言いながら、一応町に連絡する事に。
電話に出たのは保安官のレイ。
今から車が通過するかも知れないが、SWATを送るから手を出すなと伝える。
だが、レイは取り込み中だと電話を切る。
保安官助手たちは、渓谷で何か作業をする男たちを発見。撃ち合いに。
一味は暗視スコープを持っていてジェリーを狙い撃ち。
サラも狙われるが、レイがかけつけ一味を蹴散らして退散。
事務所に戻るが、負傷したジェリーが死亡。
ソマートンへ向かうSWATチームは、一味の襲撃で全滅。
バニスターはさらなる応援を呼ぶが、かけつける間に、
コルテスはメキシコに逃げてしまう。もはや打つ手なしだ。

 バニスターから、向かっているのが麻薬王だと聞かされ、
歯が立たないと言う助手たち。責任はないから、やり過ごそうと言う。
だがレイは、俺の町を通過するなんて許せないと、1人でも戦う覚悟だ。
それを聞いた留置場のフランクは、助けがいるだろう、親友の仇を討ちたいと言う。
するとレイは、留置場から出し、臨時の保安官助手に任命。サラも戦う覚悟だ。
後はベテランのフィギー。彼は家族もいるとためらう。
レイは強制ではないと言うが、断れない雰囲気に、やむなく参加する事に。
しかし、敵の圧倒的な武器に対抗するには、こちらの武器は不足気味。
いい考えがあると、レイはルイスの博物館へ。
ここには様々な銃や、ガトリング砲などがあるのだ。
これらを使わせる代わりに、ルイスも臨時の保安官助手に。
バニスターはレイの素性を調査。
ロスだかどこかで、麻薬課にいたが、都会に疲れ、ソマートンに異動したとわかる。
実は凄腕だったと言う事か。
さらに、内通者がいると考え、関係者全員の口座を調べる事に。
レイは、コルテスが通るだろう道に、車を並べて迎え撃つ事に。
食堂に行くと、平気な顔をして店員と客がいるので、レイは家に帰れと言う。
だが、のんきそうな連中は、コーヒーを頼んだばかり等と言うので、
仕方なく窓に寄るなと言うと、それなら出来ると言う一同。
現れたコルテスの手下ブレル(アブルッチ)は、様子がおかしいと警戒。
お使いから戻った娘が狙われ、あわてて助けに出たフィギーが撃たれる。
それから撃ち合い開始。
サラは、屋上でライフルを持って、一味を1人ずつ狙撃。
気付いた一味が階下から狙うが、それに気付いたフランクがかけつけて助ける。
思わずキスするサラ。
ルイスはバスに立てこもり、いろんな武器で敵を倒す。
レイは建物に飛び込んで敵と戦ったりしつつ、歳かななんてつぶやく。
見てるだけに思えた老婆が、
ライフルで敵を倒すあたりは、真昼の決闘を思わせるけど、要は銃社会って事ね。
最後にブレルを倒し、一味は全滅。
こちらは負傷したりはしたが、全員無事だ。
ソマートンに近づくコルテスは、
お前は人質に扮してもらわねば等と言って、途中でリチャーズを車から放り出す。
そのままソマートンに突入するが、
道路がふさがれているので、あわててコース変更して逃走。
レイは、駐車されていた町長のコルベットで追跡。
畑(コーン畑だそうです)で隠れながら追跡したり、撃ち合ったり、ぶつけたり。
車を降りたコルテスは、完成した橋の前にたまたまたどり着き、歩いて渡ろうとする。
だが、レイがかけつけ格闘に。
何とか買収しようとするが、聞く耳持たないレイ。苦戦するが、何とか叩きのめす。
バニスターが到着し、コルテスはどこに?なんて言ってると、レイが帰還。
町長のコルベットにコルテスを縛り付け、
昔の犯罪者のように、引っ張って歩かせてきたのだ。
たいした奴だと感心するバニスター。
リチャーズがかけつけ、ごまかそうとするが、
最近はスイス銀行の口座も調べられるんだと言って、拘束させる。
フランクはバッチを返そうとするが、そのまま持っとけと言うレイ。
これにはサラと抱き合って喜ぶフランク。
そこへ町長らが帰還。何があったんだ、俺の車を誰がボロボロにと言うと、
レイは鍵を渡し、駐車違反だと言うのだった。

 と言うわけで、シュワは田舎町の保安官。相変わらずガタイはでかいが、
以前のように、どんな敵にも負けそうもないと言う雰囲気ではない。
彼は、国境沿いの町にいて、逃走した麻薬王を通すまいと立ち向かう事に。
フットボールの応援のため、町に若者はほとんどいない。
普段は犯罪もなく、保安官助手たちは撃ち合いにも不慣れ。
FBIは別の町を警戒し、この町は盲点だった。
と言うわけで、孤立無援の設定は整った。
同様の話は、真昼の決闘の時代からあるが、ご都合主義の不自然な設定が多かった。
その点、本作はなかなか説得力あり。
FBIに任せときゃいいのに、血が騒いで。。。と言う訳でもない。
麻薬王は車で移動すると言う設定は、迎え撃つ時間が出来る一方で、
見せ場的には間が空きそうなデメリットも。
その点は、町にいる麻薬王の手下(アブルッチ)との戦いや、
麻薬王とFBIの攻防でうまく持たせてる。
強制じゃないと言いながら、結局メンバー全員で立ち向かうあたりは、
お約束とは言え、胸が熱くなる感じ。
安易な企画と思ったが、意外に上出来。エクスペンダブルズより面白いかも。
 

ラスト3デイズ〜すべて彼女のために〜(2008年仏)

ジュリアン 夫
リザ ジュリアンの妻(ダイアン・クルーガー)
オスカル ジュリアンの息子
パスケ 作家

 3年前。ジュリアンの妻リザは、上司を殺害した容疑で逮捕される。
服に血がついており、上司と口論する所も目撃されたのだ。
証拠提示するも判決は覆らず、有罪が確定。
リザが自殺未遂騒ぎを起こすに至り、ジュリアンはある決断をする。
7回脱獄して著作も出しているパスケ氏に会い、アドバイスを受ける。
家を売って金を作り、銃やニセの身分証を入手。
そうこうする内、リザが3日後に移送されると知る。
麻薬の売人を襲撃して金を手に入れるが、警察はジュリアンの犯行と断定して手配。
ジュリアンは搬送されるリザを連れ出し、さらに息子と合流する。
警察は3人連れを手配するが、車に相乗りした為、検問を逃れる。
空港にも手配書が届くが、間一髪出国に成功。
某国へ到着したジュリアンは、
脱獄はした後が大変だと言うパスケの言葉を思いだすのだった。

 と言う訳で、ラッセル・クロウ主演スリーデイズのオリジナル作品。
フランス映画だけど、ダイアン・クルーガーが出てるおかげで、
若干フランスぽさが薄まってる。物語はほぼほぼラッセル版と同じ。
ラッセル版よりもう少し、出たとこ勝負感が強い。
ラッセル版では、観客には妻が無実とわかる様になってたが、
本作にはそれがない点が、一番の違い。

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ラスト・ダンス」(96)を見た。

 これはシャロン・ストーン主演の映画で、彼女が死刑執行された女囚に扮し
死刑制度を批判した映画となっているわけだが、
タイトルから、安っぽいメロドラマか何かを想像していたため、
わざわざ見るほどの事はないと思っていたのだが、
同時上映の「スパイ・ハード」が気になってついでに見てみたら、
これが意外な掘り出し物だったりするから困りものだ。

 リチャード(「クイズ・ショウ」のロブ・モロー)は、
今までプー太郎のような生活をしてきたが、
州の事務局長である兄ジョン(ピーター・ギャガー)のコネで、仕事を得る。
先任であるサム(ランディ・クエイド)によれば、そこは恩赦課と言う部門だ。
強力なコネのあるリチャードなので、もし仕事をする気がないのなら、
プレイボーイを買ってきて、1日中テレビを見ていても給料はもらえると言う。
だが、もし仕事をする気があるのなら。と大量のファイルを見せられる。
それは死刑が確定した囚人のリストだった。
死刑囚の死刑執行は、最終的には知事が判断するのだが、
もし恩赦を与える余地があると判断されたなら、それを上申するのが任務だ。
もっとも、知事が死刑囚に恩赦を与えた前例はなかった。
リチャードが担当したのはシンディ(シャロン・ストーン)と言う女囚だった。
リチャードは、さっそくシンディに会って話を聞こうとするが、
彼女は何も語ろうとしない。しかも控訴を拒否していると言うのだ。
不思議がるリチャードは、彼女の経歴を調べる。
19歳のシンディは、ダグと言う相棒を引き連れて友人宅に侵入し、
いないはずの友人とボーイフレンドに出くわし、2人を殺害したと言うのだ。
ダグと弟ビリーがシンディに不利な証言をしたため、死刑が確定。
以後3度にわたり、控訴のため死刑が延期されたのだ。
だが、今度はその控訴を拒否したと言う。
彼女は刑務所で自由を奪われ、死くらいは自分で決めたいと言うのだ。
そんな彼女は、刑務所での長い時間を利用して、絵の通信教育をしていた。
シンディはリチャードにタージマハールの写真を求める。それを描きたいと言うのだ。
そして、字の読めない囚人仲間のために、手紙を読んでやったりして
姉御的な存在となっている。
まさかリチャードが本気で彼女を心配しているとは思ってなかったので、
タージマハールの写真が送られてきた時、シンディは少々驚いた。
そして次第に彼が再び来る事を期待するようになった。

 リチャードの調査が続き、シンディの過去がわかり始めた。
両親が死に、義母弟のビリーは少年院に入ったり出たり。
次第にシンディも麻薬と酒に溺れ、強盗などで荒稼ぎをするようになる。
そして、被害者であるボーイフレンドは、実力者マクガイアの息子だった。
死刑判決には、彼の圧力もあったのだ。
シンディの死刑を見届けるまでは死ねないと言うマクガイアは、
リチャードの活動に批判的だ。
弟ビリーと共犯者ダグは、彼女のためになるとだまされ、
不利な証言をしたことを悔やんでいた。
そして犯行当時、シンディが麻薬で心神喪失していた事が判明。
弁護士はその事を提示せず、死刑確定となったわけで、弁護ミスの可能性がある。
となれば、再審を行うべきではないか。しかし、弁護士の作戦と言う考え方もある。
リチャードがシンディ救済のため、東奔西走するようになり、
先輩のサムや兄ジョンはあわてだした。
リチャードが、新人がかかりがちな「救済病」にかかり、
もう死刑と決まった女囚を助けようと騒ぎまくれば、周囲にも迷惑がかかるからだ。
だが、リチャードにはシンディが凶悪な女囚にはとても思えなかった。
サムは、リチャードをシンディ担当からはずし、もう1人の死刑囚に当てる。
彼は黒人死刑囚だが、刑務所生活に基づいてベストセラーを書き、今や著名人物だ。
彼はリチャードにシンディの事を聞く。
私とシンディのどちらかを死刑にする時、知事はシンディを選ぶだろう。
と言うのも、ベストセラー作家を死刑にするわけにはいかないからだ。
私の心配はいらない。それよりもシンディを助けてくれと言う。
彼の言葉に、リチャードは再び独断でシンディの調査を行うようになる。
そんな彼に打たれ、サムもシンディ担当に戻す事を許可する。

 やがて、知事は前例のない事だが、死刑を終身刑に減刑すると決定。
対象となったのは、やはり黒人ベストセラー作家だった。
パーティで知事に会ったリチャードは、黒人作家の件の担当として
よくやったとほめられるが、彼の関心はもっぱらシンディの件だ。
だが、知事にシンディの死刑を撤回する意志はない。
彼女の死刑は裁判所が決めたものであり、
それを執行するのが知事としての役目だと言うのだ。
ここで大騒ぎしたために、リチャードの立場は悪くなる。
そのため彼は辞職。1人の弁護士として、シンディを助けるために走り回る事に。
兄ジョンは弟の行動を理解できない。なぜシンディにこだわるのか。
するとリチャードは答えた。だれもが彼女を見捨てたからだ。
そして死刑執行の日が次第に近づく。
リチャードは、シンディが麻薬を打っていた事を問題視し、再審を求める。
さらに影ながら協力するサムに、
少年院にいる弟ビリーに、シンディと会わせるよう手を回してもらう。
シンディは、ビリーが、自分が恨んでいると誤解しているのではと心配していたのだ。

 リチャードの努力にも関わらず、シンディの死刑執行日が来てしまった。
彼女の死刑執行が近づき、刑務所の回りでは、死刑に賛成する者反対する者で大騒ぎ。
女子用の刑務所を出され、男子用の刑務所へ移動。
囚人仲間はもちろん、警護官ですら彼女の死刑には悲痛な面もちだ。
付添人のリチャードは、特に許されて、彼女と同じ牢へ入る。
無言のまま、恋人同士のように寄り添い、静かに時が過ぎるのを待つ。
そしてシンディは期待もしていなかった事だが、弟ビリーが現れたのだ。
シンディは恨んでいない事を告げ、唯一の家族なのだから、きっと生きてくれと頼む。
心残りがなくなったシンディは、リチャードに、別の場所で会いたかったと言い、
最期を看取ってほしいと言う。リチャードは、もしもの事があれば見届けると約束。
そしてついに、その時間が来た。彼女はベットに横たわらされ、
拘束用のベルトで縛られる。その上の装置には、致死量の注射器が。
リチャードらはガラスを隔てた部屋で、その光景を見守る事となる。
今しも死刑執行を意味するボタンを押そうとする執行官。
シンディはガラスごしにリチャードを見つめ、リチャードもそれを見つめ返した。
だが寸前になり、どこかから電話が。それは再審するか否かの審議を行う事が決まり
死刑執行を延期するようにと言う指示だった。
死を覚悟していたシンディにとって、これは蛇の生殺しのような決定だった。
息苦しそうにした後、今度は今すぐ殺せとわめき散らす。
再び牢に戻されたシンディは、リチャードと再会し、目が合うのを感じたと言う。
だが、審議の結果、再審には当たらないと決定し、今度こそ死刑執行が確定する。
再びシンディはベットに縛られ、今度は静かに死刑が執行された。
リチャードは遺品の中に、シンディが描いたタージマハールの絵を見つけ、
彼女への思いを胸に、タージマハールへ旅立っていった。

 と言うわけで、これはシャロン・ストーンが柄にもなく死刑反対を主張した映画で
役柄としてはそれっぽく、かなり悪い女を演じているわけ。
だが、どんなに悪いやつでも、改心したらいい人になるわけだが、
家族を殺された者にしてみれば、いつまでたっても凶悪な犯人に違いない。
そして死刑を認める社会の機構としては、
判決する者も、執行する者も社会の仕組みに伴って、行っているに過ぎず
そして誰1人自分1人の判断により、死刑執行されたと言う意識はない。
と言う、よく考えると、言い古された話の繰り返しになるわけだが
死刑を覚悟した女性が、死刑制度をめぐる両陣営の思惑で振り回される姿として
悲惨なものを感じさせられた。
 

ラストデイズ(2000年)

 護衛官マイクは、性格に問題のあるジャック(ロイ・シャイダー)を警備。
彼は大統領選に当選。中国との関係が悪化し、中国要人ファンと極秘で会談する事に。
会談を取り仕切るソーントン(マイケル・ビーン)らが実は糸を引き
彼の乗った船が制圧され、大統領は捕らわれる。
核兵器の装置を奪い、北京を核攻撃して中国の支配権を握る気だ。
薬で大統領を操り、装置の作動に成功。台湾の容認を求める。
ミサイルは発射され、中国は報復を決定。一味かに思えたアイリスは
中国のスパイで協力する事に。一味は船を爆破して逃走。
北京が被弾し、中国はすべてのミサイルをワシントンへ向ける。
中国のウェイ将軍も一味だ。マイクはスキを見てソーントンとウェイを射殺。
装置を奪って中止命令を出すが、大統領も撃たれて死ぬ。
中国にはミサイルを自爆させる意志がなく、各地から中国へミサイルを発射。
中国はミサイルを自爆させ、米国もこれに応じる。

 と言うわけで、「エア・フォース・ワン」と「未知への飛行」あたりをひっつけた
何とも大味な展開の話で、やや疲れの来た俳優たちで固めているのも特色。
北京が壊滅したり、アイリス他登場人物がやたら死ぬのもすさんだ感じ。
副大統領はマリア・コンチータ・アロンゾだが、
「エア・フォース・ワン」のグレン・クローズのような「らしさ」が感じられない。

TV放送 2001/07/20 BS05 1600-1750