リンカーン(2012年米)

リンカーン大統領 (ダニエル・デイ・ルイス)
メアリー 妻(サリー・フィールド)
ロバート 息子(ジョゼフ・ゴードン・レヴィット)
タッド 末弟

スティーブンス 共和党員(トミー・リー・ジョーンズ)
国務長官 (デヴィッド・ストラザーン)
ブレア 共和党の大物(ハル・ホルブルック)
ビルボ (ジェームズ・スペイダー)

 1865年。南北戦争4年目。
リンカーン大統領は奴隷制廃止の法案を通そうと躍起だ。
戦争終結のために法案に賛成するが、
戦争がなければ奴隷制を存続したいと言う者が多いためだ。
リンカーンと同じ共和党員にも、
奴隷制が廃止になれば黒人があふれると慎重意見が多い。
黒人を恋人に持つスティーブンスは、奴隷解放を強硬に進めるべきと言うが、
リンカーンは多方面に気を遣い、なかなか進められない。
議員たちは賛成反対を表明し、奴隷制廃止法案は賛成多数で可決する。
リンカーンは妻と劇を見に行くが、その後撃たれ死亡が確認される。

 と言うわけで、スピルバーグによるリンカーン大統領の映画。
スピルバーグならリンカーンをこの上ない人道主義者として、
その波乱に満ちたエピソードを描くだろうと思ったら、思いっきり裏切られた。
俗っぽい監督なら派手にやりそうなエピソードを、一切排除してきたのだ。
・南北戦争の攻防はほぼ描かれない
・大統領になったいきさつとかは描かれない。最初から大統領
・ゲティスバーグの演説は、セリフには出てくるが、劇的には描かれない
・リンカーンの妻は悪妻とされたが、出番が少なくて、そこらへんは良くわからない
・暗殺は描かれない。殺されたと報告があるだけ
・何より、黒人があまり出てこない。
劇中、リンカーンが何をやったかと言うと、
南北戦争終結より前に、奴隷制を廃止するため、議員たちを取り込もうとする事。
リンカーン率いる北部が奴隷解放を求めて戦争になったと言う印象が強いが、
北部、そしてリンカーンと同じ共和党にも、
奴隷解放には否定的な意見が多かったのだ。
実際は、南北の経済構造が全く異なるため、
どっちが主流になるかで衝突したのだと学生時代に学びました。
そこを予備知識のない観客に見せるには説明不足で、
もう少し見せ方を工夫した方がいい。
それ以前にもう少し見せ場のある映画にした方がいいと思います。

TV放送 2014/03/02 WOWOW 1915-2145
 

リンカーン暗殺の日(98)

 1865年。役者の息子ブースは南軍を支援。
大統領を倒し歴史を変えようと公言するが、北軍が勝利。尊厳を奪われたと言う。
南部指導者を処刑しようと言う声に、リンカーン(ランス・ヘンリクセン)は反対。
ブースは仲間とリンカーンら要人の襲撃を計画。
まず仲間が長官宅を衝撃。劇に来るはずのリンカーンが遅刻するが、
結局現れ、ブースは大統領を銃撃。自身も足を骨折するが逃走。
リンカーンは死に、一味は次々逮捕され絞首刑に。ブースも追いつめられ射殺される。
長官は一命を取り留め、後任のジョンソン大統領は南部に威圧的な政策をとった。

 と言うわけで、ケネディとならんで暗殺された米大統領リンカーンの暗殺話。
だが、登場人物になじみがない上、ケネディの時ほど緻密な作戦と言う印象がなく
ブースが危ないヤツだという印象しか受けない。

TV放送 2000/01/20 BS05 2000-2140
 

隣人は静かに笑う(98)

 元FBIの大学教授マイケル(ジェフ・ブリッジス)は
隣人オリバー(ティム・ロビンズ)と知り合う。
マイケルは建築技師と言うオリバーの話がウソだと気づいて、疑問を感じるように。
大学の卒業文集からオリバーは偽名で、本名はフェニモアであると知る。
元同僚のウイットに調査を依頼し、家に侵入して爆弾犯での逮捕歴を知る。
しかし、オリバーは過去の逮捕歴を息子に隠すためと言う。
マイケルの妻ブルックは、オリバーを不審に思い尾行するが、その後事故死する。
マイケルは息子グラントの危機に気づくが、オリバーに人質に取られる。
どうやら本物のオリバーも彼が殺害したらしい。
オリバーの目的がFBIビルの爆破と知り、警備員を突破して駐車場のバンを調査。
だがそこに爆弾はなく、オリバーはマイケルがかけつけると見越して
マイケルの車に爆弾を仕掛けていた。爆弾は爆発し、ウイット他184名が死亡。
マイケルの犯行と断定され、グラントは親戚に引き取られる。

 と言うわけで、ショーシャンク以来好感の持てるティム・ロビンズが出てくる話
なので見たが、今回は彼が悪役。確かにちょっと悪そうな顔もしていると思ったし
隣人が実は爆弾犯かもと言う展開もなかなか面白いのだが、
途中で妻が殺される後味の悪さも、最後の後味の悪さには及ばず。
この手の展開の場合は、最後に反撃したり
悪くても犯人が逮捕されるくらいはしてもらいたいものだが
他に類を見ない最悪のアンハッピーエンド。救いがまったくない。
ビデオ屋の案内にも、「コメディを一緒に借りよう」と書かれているほど。

TV放送 2000/04/02 BS05 1410-1610
 

リンダ 殺意のバカンス(93)

 リンダ(バージニア・マドセン)とポールの夫妻の隣家へ、
ジェフとステラ夫妻が引っ越してきて、4人は仲良しになる。
ある時、彼らは海へ旅行に行くが、リンダがジェフ夫妻を射殺。
警察を呼ぶが、死体はステラのみとなり、現れたジェフとリンダはポールを犯人扱い。
ポールのステラへの浮気が原因だと言われ、窮地に追い込まれる。
実はステラの遺産が狙いと気づいたポールは、脱走してリンダらの会話を盗聴。
録音に失敗するが、協力的な検事はニセのテープを作り、彼らの動揺を見ようとする。
リンダは平然とニセ物と言うが、ジェフが動揺して犯行を自供。彼らは死刑となった。

 と言うわけで、バージニア・マドセンの悪女役と言うので見たが、
別に裸が出てくるわけでもないし、
わざわざジェフが死んだフリまでする必要があったのかよくわからず、ちょっと。

TV放送 96/02/15 BS05 13:00-14:35