というわけで、「ルーキー」という映画を見た。

 このシンプルな題名の映画は、実はクリント・イーストウッドと
チャーリー・シーン共演の派手なアクション映画であった。
クリント・イーストウッドと言えば、ダーティ・ハリーの印象が強いが、
最近は、ふけが目について、むやみな過激さがこっけいに見えたが、
そこはそこ、ブロンソンがあわれをもよおすものがあり、
バート・レイノルズがマイナーに落ちた今、後続がないので、
やはり当代一のアクションスターという事になる。
しかし、このドル箱のクリント・イーストウッドも、
メジャーなスターとの共演となると、
「シティヒート」のバート・レイノルズくらいになるが、
チャーリー・シーンと言えば、若手一の人気スターだ。
しかも、クリント・イーストウッド自身が監督し、
最近のノンストップアクションをバカにしたような、
マイペースのアクション映画を作った。これは見るしかない。

 チャーリー・シーンはまもなく配属が決まる新人警官だ。
だが、彼に影を投げかけていたのは、
子供の頃、彼が原因で弟を死なせてしまった事であった。

 クリント・イーストウッドは自動車泥棒団を張り込むベテラン警官だ。
今回はもっとベテランの警官とペアで、張り込みをしている。
キャリアカーに次々と高級車が積み込まれていく。
クリント・イーストウッドたちは逮捕に踏み切るが、
泥棒団のボスが反撃、相棒は死亡し、
キャリアカーは車を乗せる台の部分を降ろしたまま、火花を散らして逃げる。
追跡するクリント・イーストウッド。
敵は荷台の高級車を次々と落とす。クリント・イーストウッドはかわすが、
後続車が次々と巻き込まれる。
空きができたキャリアカーに突っ込むクリント・イーストウッド。
だが、敵は荷台ごとはずし、荷台は転倒。逃げられてしまう。

 クリント・イーストウッドは警部補に捜査の継続を要請するが、
捜査は殺人課に移って、手を出せない。
しかも、新人警官を相棒につけられる。それがチャーリー・シーンだ。
警部補はチャーリー・シーンをベタボメするが、クリント・イーストウッドは
「こんなバッチをさかさまにつけた奴」とばかにする。
(実際にはちゃんとつけているが、あわてて確認する)
また、同僚が背中に「けとばしてみろ」という落書きをはるなど、
チャーリー・シーンの一日目はさんざん。でも、このくだりはもう一度ある。
捜査を禁じられたはずなのに、特に何か邪魔されるとか他の仕事が入ったりせず、
クリント・イーストウッドは相変わらず、泥棒団の追跡を続ける。
泥棒団のボスのいるレストランへ、
警察バッチを使って入るクリント・イーストウッド。
だが、チャーリー・シーンが実は社長の息子で、顔なじみだった事もわかる。
彼は、父親と折り合いがあわず、家を出て恋人と同棲しているのだ。
クリント・イーストウッドはつづいて、自動車の塗装屋へ行く。
ここは、実は盗難車の塗装屋で、泥棒団もここに隠れている。
そして、飲み屋で情報収拾をする。だが、この間にチャーリー・シーンが
周囲の者になめられて、けんかになる。
そこへ、クリント・イーストウッドが現れ、ダーティ・ハリーのような口調で
「保険のない車に乗ってる奴はしょっぴくぞ」と言うと、みんな大笑い。
専門が自動車だから、仕方がないのだ。

 チャーリー・シーンはクリント・イーストウッドの違法なやり方に不満だ。
だが、クリント・イーストウッドは泥棒団の一人を抱き込み、
ボスの部屋に盗聴機をつけさせる。
この男は裏切りがばれて殺されるが、
クリント・イーストウッドは盗聴により、
泥棒団が資金難のために、カジノを襲った後、海外へ逃げる気だという事を知る。
そこで、金庫の中で待ち伏せをし、全員逮捕しかけるが、
チャーリー・シーンが、にじりよってきたボスの愛人に何もできず、形勢は逆転。
チャーリー・シーンは愛人に「アマチュア」と言われて撃たれ、
クリント・イーストウッドもあやうくなるが、
金庫からいただくはずの200万ドルを
クリント・イーストウッドを人質にしてもらうことにする。
包囲した警察の中を逃走する泥棒団。
だが、死んだと思っていたチャーリー・シーンも防弾チョッキのおかげで生きていた。

 市当局は誘拐が多発するのを恐れて、身代金を出そうとしない。
チャーリー・シーンは一大決心して、以前やられた飲み屋へ行く。
そこでまた襲われるが、今度は反撃。飲み屋に火がつく。
そこで聞いた情報で、泥棒団の一味がクリーニング店にいると聞く。
チャーリー・シーンはクリーニング店へ急行するが、
男は殺されており、逆に殺し屋に狙われるが、反撃し、結局逃げられる。
彼は父親に頼んで200万ドルの身代金を用意させる。
一方、クリント・イーストウッドはボスの愛人にエッチの相手をさせられる。
愛人の首飾りをなめさせられて、その説明を聞かさせられる。
それは銀色の弾丸で、ボスもしており、片方が死んだら、もう一人もそれで死ぬのだ。
チャーリー・シーンは恋人に電話すると、警部補に保護されていると聞かさせられる。
だが、そこへ来た同僚が、彼を警部補の所へ連れていくと言った事から、
恋人の所に殺し屋がいると気づく。
バイクで急行するチャーリー・シーン。
格闘の末、殺し屋は恋人によって射殺される。
チャーリー・シーンは殺し屋の乗ってきた車を塗装屋で見かけた事から、
隠れ家が塗装屋だと気づく。

 一方、泥棒団は隠れ家に
200メートル先から爆破できるリモコン式爆弾を取り付ける。
クリント・イーストウッドをおいて現金の引き渡し場所へ向かうのだ。
だが、ボスの愛人をスキを見て倒し、一味と格闘になる。
ともに車用のエレベーターの屋根の上へ落ち、男は死亡。
様子を見に戻ってくるボス。だが、エレベーターの上から落ちてくる血に気づく。
クリント・イーストウッドは落ちていた銃を撃つ。逃げるボス。
気がついた愛人はエレベーターを途中で止める。
愛人の所へかけつけたボスは、録画されたクリント・イーストウッドと
愛人のエッチシーンが再生されているのを見て驚く。
しかし、そんなことはたいして気にせず、機関銃で撃とうとするが、
そこへチャーリー・シーンがかけつけ、撃ち合いになり、逃げられる。
クリント・イーストウッドは死んだと思ったチャーリー・シーンに助けられる。
チャーリー・シーンはエッチなビデオを気にしているが、
クリント・イーストウッドはそこにある車に乗れと言う。
そして、バックして大加速。ボスは爆弾のスイッチを入れる。
シートベルトをしろというクリント・イーストウッドの
意図がわからないチャーリー・シーン。
大爆発の中から飛び出す車。

 警察は偽の金で取引をしようとするが、
そこへチャーリー・シーンの父親と警部補がかけつけ、本物の200万ドルを渡す。
逃走する一味。追跡する警察のパトカーやヘリ。
だが、そこへクリント・イーストウッドたちの乗った車がかけつけ、
一味のバンに無理矢理乗り込む。驚く警部補たち。
しかも、駐車したバンの中から、
マンホールへ逃げて追跡の目をくらますという古典的な手をとる。
空港で待ち受けているボス。200万ドルを受け取るが、
隠れていたクリント・イーストウッドたちと撃ち合いになる。
滑走路を走って逃げるボスと愛人。追う2人。
結局、ボスは金を落としてしまい、ただ逃げる。
だが、そこへ自家用機が2人をひき殺そうと近づいてくる。
「ブリット」を思わせる迫力シーン。
しかし、クリント・イーストウッドたちに撃たれ、男が弱っているところへ
旅客機が着陸して、その主翼に激突、大爆発。
空港建物に逃げるボスと愛人。追う2人。
双手に分かれて逃げるボスと愛人。ボスをクリント・イーストウッドが追い、
愛人をチャーリー・シーンが追う。激しく機関銃を撃ちまくって逃げていた愛人を
追いつめたチャーリー・シーンは「アマチュア」と言って射殺する。
一方、手荷物引き渡しのコンベアから現れたクリント・イーストウッドも
ボスを追いつめ撃つが、拳銃は空だった。ニヤリとして引き返すボス。
だが、そこへチャーリー・シーンがかけつける。足を撃たれるが、ボスを撃つ。
倒れているボスにより、首飾りの銀の弾をとるクリント・イーストウッド。
「約束は守れ。おまえを撃ってはいかんという理由が思いつかん」と言って射殺。

 チャーリー・シーンは警部補のところへ行って驚いた。
警部補がクリント・イーストウッドに代わっていたのだ。
しかも、女性の新人警官を相棒につけるという。彼女は優秀な成績だ。
「こんなバッチをさかさまにつけた奴」と結局、一緒に出ていく。
「寝てみない?」という落書きを背中にはられた彼女と一緒に。

 というわけで、ダーティ・ハリーのようなキャラクターだと
年の割に過激さが目立って滑稽なものがあったが、
このベテランの役は無茶苦茶強いわけでもないので、なかなかリアル。
しかも、考えてみると、シンプルなストーリーで、
激しいアクションシーンも無駄がない。
クリント・イーストウッドが監督すると、
アクションばかりでストーリーが軽くなるきらいがあったが、
そこはそこシンプルなストーリーなので大丈夫。
ちょっと矛盾っぽいところもあったが、強引にもっていってなかなかよかったぞ。
 

LUCY/ルーシー(2014年仏)

ルーシー (スカーレット・ヨハンソン)
ノーマン教授 (モーガン・フリーマン)
デル・リオ警部
チャン 韓国人ボス

 ルーシーは、彼氏リチャードに頼まれてカバンを運ぶ事に。
韓国人ボスのチャンはリチャードを殺害。
ルーシーは、粉が入った袋を腹に埋め込まれ、密輸を指示される。
だが手下に蹴られ、粉が体内に漏れたルーシーの体に異変が起こる。
見張りをたちまち倒し、病院にかけ込んで袋の回収に成功。
チャンの所へ乗り込み、その頭に触れると、他の運び屋の居場所がわかる。
ヒトは脳の機能の10%しか使用できていないと言うノーマン教授に連絡。
28%を使用できるようになったルーシーは、自分の脳を完全に支配できるだけでなく
新陳代謝や他人の脳、電波も制御できると言う。
デルリオ刑事は、ルーシーの情報で運び屋たちを逮捕。
チャン一味は袋の回収に現れるが、さらに進化するルーシーが撃退。
撃ち合いの末、チャンは射殺される。
すべての粉を使ったルーシーの体は変化し、コンピュータと融合。
100%まで進化したルーシーは、いろんな時代のいろんな場所へ移動可能に。
宇宙誕生までを目撃する。
ルーシーの知識はメモリに保存され、ノーマン教授に託される。
どこにでもいると言うルーシーは、人類の進化はこれからだと告げるのだった。

 と言う訳で、スカーレット・ヨハンソン主演のSFアクション。
監督はリュック・ベッソン。
ヨハンソンは怪しげな恋人に巻き込まれて、新薬の密輸をする羽目に。
体内に埋め込まれるが、それが漏れて、影響を及ぼす。
人間はその能力を10%しか使えていないが、100%使えたら。。と言う話。
同じ発想のリミットレスと言う作品があって、いずれも序盤の設定は面白そうだった。
かの作品は、途中からただの麻薬密輸ものになってしまったが、本作は。。。
え?2001年宇宙の旅を見てたんだっけ?てな展開で、
リミットレスの方がだいぶまとも。

TV放送 2015/07/18 WOWOW 2100-2249
 

ルームメイト(92)

 コンピューターソフトを開発するアリー(ブリジット・フォンダ)は、
恋人サムとケンカして彼を追い出し、ルームメイトを探す事にする。
やがてヘドラ(ジェニファー・ジェーソン・リー)と言う娘が入居。仲良しになる。
しかし、サムと仲直りし、ヘドラは彼らの関係に嫉妬を見せる。
彼女はアリーと同じ服装をし、アリーに迫った男ミッチに仕返しをする。
気味悪く感じたアリーは、ヘドラの持ち物を調べ、
彼女の姉の死亡記事や、アリーの手紙を隠し持っている事を知る。
ゲイの友人グラハムに相談。しかし、グラハムはヘドラに襲われる。
ヘドラはホテルのサムに迫り、アリーと別れろと脅すが、拒否され殺害する。
ヘドラはアリーと共に逃げようと言うが、抵抗されたため、殺そうとする。
かけつけたミッチと格闘になるが射殺し、生きていたグラハムと格闘に。
逃げたアリーは首を絞められ気絶。意識が戻り、焼却しようとするヘドラを刺殺する。
ヘドラは双子の死に責任を感じ、精神に異常をきたしていたのだった。

 と言うわけで、ちょっと流行ったサイコスリラーものの一作。
コンピューター業界に出入りして、メールで救援を呼んだり、
時限爆弾ソフトでミッチが助けに来るなどと言う展開があるが、横道にそれた感じ。
話としては、アリーの身勝手さも気になり、
途中まではヘドラの怪行動も、それほど目立たないのでわかりづらいが最後は激しい。

TV放送 94/08/27 BS05 22:00-00:00
 

ルーニー・チューンズ バック・イン・アクション」を見た。(2003年)

 アニメキャラが俳優のごとく演技しているという設定で、
人間とアニメが共演する作品と言えば、「ロジャー・ラビット」とか
「SPACE JAM」なんて作品があり、またかと言う感じだが、
今回は監督がジョー・ダンテで、主演はブレンダン・フレイザー。
その父役としてティモシー・ダルトンが、007を思わせるスパイ俳優の役。
さらにアニメ以外にも過去のSF作品のキャラが大勢出るとあれば、
これは見ざるを得ない。
ただし、日本での公開のされ方はかなりマイナー扱いで、
日本語吹き替え版しかない上、上映館もかなり限られている様子。

 ワーナーブラザーズの人気アニメ、バックス・バニーに出演する
いつもひどい目に遭わされてばかりのダフィー・ダックは、
自分を主役にしたアニメを作れと、重役会でアピール。
グレムリン2やターミネーター2に出た双子の俳優が演ずる双子の社長は、
ダフィーの話には聞く耳持たない。
赤ちゃんでも見られるリーサル・ウェポン・ベイビーと言う企画とかに関心があり
バックスが現れると、その一挙手一投足に大受け。
ダフィーの方は失敗ばかりで、副社長ケイトは彼の契約を切る事に。
今さら元の仕事でもいいとか言っても手遅れた。
スタジオでガードマンをするDJ(ブレンダン・フレイザー)は、
実はスパイ映画で人気の、ダミアン・ドレイク(ティモシー・ダルトン)の息子で
DJも俳優を夢見ているが、父の七光りで出演する気はなく
今は、ブレンダン・フレイザーのスタントとかをして、何とか食いつないでいる。
スタジオには、「ライセンス・トゥ・スパイ」とか、それっぽいポスターが。
ところが、暴れたダフィーは、撮影中のバットマンのバットモービルを奪い、
これを暴走させ、給水塔に激突。給水塔が倒れ、スタジオは大騒ぎに。
激怒したケイトは、DJの仕業だと決めつけ、彼もクビにしてしまう。
ちなみに、バットマンの監督をしているのは、ロジャー・コーマンらしい。
水浸しになったケイトの車に乗っていたバックスは、
いきなり釣りを始めて、赤い魚を釣ってニモだと言ったりするが、
こんなセリフ、会社が違うのに、原語でも本当に言っているのか?

 クビになったDJは、家へ帰りふて腐れる。
今や仕事のなくなったダフィーも、勝手に押しかけるが、
部屋に貼られた数々のポスター類から、彼がダミアン・ドレイクの息子と知る。
ダフィーはスパイ映画好きなのか、大はしゃぎで、
秘密兵器がいっぱいあるはずとか言う。
DJはリモコンでテレビを見ようとするが、モニタに映されたのは意外な映像だった。
それは、ダミアン・ドレイクが、俳優をしているのは人の目を欺くためで、
実は本当のスパイだと言う。
そして、謎の秘宝「ブルー・モンキー・ダイヤモンド」のありかを知るダミアンは、
アクメ社のスター・チェアマン(スティーブ・マーチン)に捕らわれたと言う。
アクメ社はちょっと切れ気味のチェアマンの独裁企業で、
重役には、スタートレックボイジャーのドクター役の人とか、
ロン・パールマンなんかが平気でいるが、いずれもチェアマンには逆らいもしない。
なぜかこの企業のビルのドアの音は、宇宙大作戦のドアと同じ音?
DJは、ダミアンの指示で、ラスベガスでショーガールをしていると言う
ダスティ・テイルズ(ヘザー・ロックレア)の所へ行く事に。
ダフィーも勝手に着いてきて、スパイカーだと喜ぶが、
車庫にあったのは、ポンコツカー。なぜかここでグレムリンのテーマが流れる。
しかし、彼らが出発すると、代わりにいかにもなスパイカーが
車庫に現れるのであった。

 一方、ダフィーがいなくなったため、バックスは痛い目に遭う役までするハメに。
これでは続けられないと不満を漏らし、
ワーナーのブラザーズも、ダフィーをクビにしたケイトに責任を押しつける。
仕方なく、ダフィーを探すケイトは、DJの家へ行って手がかりを探そうとするが、
彼がダミアン・ドレイクの息子と知ってビックリ。
ついてきたバックスは、シャワーで「サイコ」のごとく殺されたフリとかして
悪ふざけするが、結局ケイトと同行する事に。
DJらを追って、車庫にあったスパイカーで出発。
この車、ちょっとボタンを押すと、ステアでなくシェイクしたマティーニが出てきたり
いろんな仕掛けがあるらしい。
ラスベガスに到着したDJは、ダスティ・テイルズの楽屋へ。
実は彼女もCIAのスパイで、ショーガールは世を忍んだ姿だと言う。
彼女はDJに、秘密の鍵となるトランプのカードを渡すが、
ここにもチェアマン一味の、ヨセミテ・サムとか言うアニメキャラらが現れ
DJと大立ち回り。
車で逃げようとするが、ポンコツカーは壊れてしまい、
そこへかけつけたケイトらと合流。そのスパイカーで逃走し、激しいカーチェイスに。
一味の車にダイナマイトを投げると、
悪役でもアニメキャラは一般の人々を巻き添えにはできないらしく、
モタモタしている間に自滅。
勝手に猛スピードで走るスパイカーは、壁に激突しそうになり、
思わず一同は「お母さん!」と叫ぶと、スパイカーは空を飛ぶ。
「目的地マザー」とか言って、どこかへ向かうが、
上空で急降下し、あわや地面スレスレと言うところで、ガス欠でストップ。
しかし、そんなところで止まるはずもないと気づいて、
そこから再び落下したため、たいした衝撃もなく助かる。

 いずれにせよ、スパイカーを失った一行は、砂漠を歩くハメに。
スパイカーが向かおうとしていた方向に何かがあるに違いない。
不満たらたらのケイトも、結局着いてくる事に。
のどが渇いて弱るが、わざとらしくもウォルマートがあったので、
そこで飲み物を買って、さらに進む事に。
気がつくと、透明のバリアのような物で隠された場所を発見。
そこを入ると、中には何かの施設があった。
出迎えたマザー(ジョーン・キューザック)と言う女所長によれば、
ここは、地球外生命体を研究するエリア52で、
噂されているエリア51は、ここを隠すための偽情報らしい。
ここには、「禁断の惑星」のロビーや、「宇宙水爆戦」の宇宙人、
「人類SOS」のトリフィドなんて面々が、研究されている。
元祖「ボディ・スナッチャー」のケビン・マッカーシーと言う人は、
ジョー・ダンテ作の常連らしいが、本作にも出演していて、
宇宙人のサヤを抱いて、「奴らが来た!」とか叫ぶ。しかも白黒で。
マザーはドレイクの仲間らしく、隠されたドレイクへの指令のテープを見せられる。
そこにはスパイ大作戦のピーター・グレイブスが写っていて、
いつも指令を受けているグレイブスが、今回はドレイクへ指令を出す側に。
チェイマンが狙う「ブルー・モンキー・ダイヤモンド」は、
人間を猿にするダイヤだとか何とか話を受ける。
そしてダスティからもらったカードには、小さなモナリザの絵が隠されており
モナリザのあるパリ、ルーブル美術館へ行く事に。
パリなんてどうやっていくんだとか言うと、
バックスらは、画面の左下をページをめくるようにして、移動できると言う。
ここにもアニメの敵キャラが現れ、大騒動になるが、
バックスやダフィらは動じず、何やら出展のよくわからない宇宙人の
マスクの中でホップコーンを作ったりして倒す。

 一行はパリ・ルーブル美術館のモナリザの絵の所へ。
DJが気がつくと、カードは薄いフィルムが貼られていて、
それをはがして絵の前にかざすと、アフリカの某所の地図が。
これこそが「ブルー・モンキー・ダイヤモンド」の在処らしい。
ここにもアニメキャラの敵一味が現れるが、
アニメキャラは絵の中に入る事もでき、
ムンクの絵の中では、世界がおかしくなって、走ってもゆっくりに。
点描画の絵では、敵キャラは点の集まりになってしまい、扇風機で飛ばされてしまう。
一味に捕らわれたケイトは、エッフェル塔から落とされそうに。
DJは、エリア52でもらった新兵器、空飛ぶズボンで飛ぼうとするが、
激しいジェットと共に、ズボンだけが飛んでいき、パンツ姿に。
仕方なくアニメの敵キャラのズボンを奪い、何やらフックみたいな兵器だったと思うが
これを使って無事ケイトを救出。
アフリカへ移動しブルー・モンキー・ダイヤモンドの隠し場所へ。
インディジョーンズばりの罠があるが、アニメキャラにはどうと言う事なし。
ついにダイヤを発見。それを見つけたDJは、猿になってしまい、
あわてて元に戻すが、このダイヤの恐ろしさを知る。
そこへ、グラニーというのんきなおばあさんが現れるが、
彼女が変身すると、マイケル・ジョーダンになったりもするが、
最終的にはチェイマンの姿になり、一同は捕らわれてしまう。

 チェアマンは人工衛星にダイヤを設置し、人類を猿ばかりにしようと計画。
この使命を、マービンというアニメキャラにゆだねる。
一方、DJとケイトは縛られ、何とか脱出するが、
その行く手には巨大なロボットみたいなヤツが妨害。
そして、捕らわれたダミアンは、なぜか施設の中にある線路に縛られていて、
まもなく来る列車に、今にもひかれそうな状態だ。
どうやったか忘れたが、脱出したバックスとダフィは宇宙船でマービンを追跡。
何とかミサイルで攻撃するぞ、とかいちいち説明してから攻撃すると、
すべてマービンに妨害されてしまうので、黙って攻撃するとマービンを撃退。
攻撃の矛先は変更され、それはアクメ社社長室に。
何とかロボットを出し抜いて、危機一髪ダミアンを救出するDJら。
ケイトはダミアンに、「ファンです」と言い、「息子さんの」と付け加える。
チェアマンは重役のばあさんが気に入って、彼女と結婚する気になるが、
そこを衛星からの攻撃で、チェアマンだけが猿になってしまう。
バックスらもDJらも無事帰還し、一件落着。
スタジオでブレンダン・フレイザーと会ったDJは、
彼の高慢な態度に腹を立て、殴り倒す。
一方、ダフィは再びアニメに復活するのであった、
とか言うエンディングだった気がするが細かいところは忘れました。

 と言うわけで、日本での公開がマイナー扱いなのは、
バックス・バニー以下のキャラになじみがないからで、
これがミッキーやドナルドだったら、日本でもわかるのだろうが、
どうにもキャラがピンと来ない。見た事あるようなないようなと言う感じ。
吹き替え版しか上映しないのは、子供向けとして扱おうとした言う意味だろうが、
その割に公開が地味なのは、何とも配給会社の中途半端な態度の表れ。
おかげで劇場はガラガラで、掘り出し物を自分だけが見たと言う気分は味わえる。
まあ、アニメキャラが出てくるくらいだから、結末は悪くなりようもなく
後はいかにその共演を面白く見せるかにあるわけ。
グレムリン2で悪ノリしたジョー・ダンテだけあって、
今回もそのグレムリンの音楽が出てきたり、
ボディ・スナッチャーの人が白黒で出たり、
ピーター・グレイブスやボイジャーのドクターやロン・パールマンがチョイ役で出たり
ロビーや宇宙水爆戦の宇宙人やトリフィドとかが出たり、
ドアが開く音がスタートレック風だったり、放射能Xのアリの話が出てきたり
ブレンダンのスタントを主人公がやったなんて話もあって、
映画マニアをくすぐる物あり。
しかし、何と言ってもメインはアニメで、どうにもそこがわからないのがつらい。
ティモシー・ダルトンが、自身のパロディと言うべきスパイ俳優を演ずるが、
基本的には最初から最後まで捕らわれっぱなしで
何か頭が寂しい事になっていて、ちょっとお気の毒な感じ。
映画マニアをくすぐる部分がもっとウエイトが高ければ、もっと面白かったのだが。