サドン・デス」(95)を見た。

 これは、ジャン・クロード・バン・ダム主演のアクション映画で
彼はB級出身なので、今までは小粒な映画が大半だったが、
大物監督ピーター・ハイアムズと組んだ「タイム・コップ」で大作に登場。
本作も同じ組み合わせで、アイスホッケー試合が行われているドームで
ドームを制圧する一団が登場。観客を人質に取るが、気づいているのは一部のみ。
唯一自由に動けるのがバム・ダムだけで、一味にとって最大の誤算になると言う
「ダイ・ハード」を思わせる話で、
「ダイ・ハード」や「ブロークン・アロー」が好きな人なら必見とあったので
「ブロークン・アロー」はいまいちだった気がするが、
何か無茶苦茶面白い映画になりそうだと言う期待をさせられる。やはり必見だ。

 冒頭は火事のシーン。消防士のダレン(ジャン・クロード・バン・ダム)は
火災現場より少女を救出しようとするが、崩れてきた物の下敷きになり
自分は助かるが、少女を死なせてしまうと言う過去があった。
それが彼に影を投げかけていると言いたげだが、この後この話はほとんど出てこない。
そして2年後。NHLと言うアイスホッケーの決勝戦の日。
この試合がどれほど人気があるのか知らないが、町をあげての大騒ぎの様子だ。
野球で言えば、大リーグのワールドシリーズ決勝戦のような感じだ。
今日勝ったチームが優勝なのだ。
これは屋上が開くドームで開催され、副大統領までもが観戦に来ると言う。
ただでさえ観客の多い試合なのに、副大統領まで来て、護衛も大変な様子だ。
ダレンは離婚寸前だか、離婚してしまっただかの妻の所へ。
ここには愛する息子と娘がいて、彼らは父親を今でも溺愛している。
しかし妻にしてみれば、今日は恋人と4人で食事へ行くつもりだったのに、
ダレンが現れて困惑。しかも持ってきたのが決勝戦のチケット。
これは誰でも見たいものなので、妻は、汚いわとか言いながら、
結局連れていく事を承知する。
ダレンはいったんは消防士の仕事をやめたのだが、今回消防士の仕事だかで
ドームで仕事があるのでチケットが手に入ったと言う話だが、
正直言って、ダレンがドームで働いている姿は、映画の中で1度も出てこない。
ダレンは子供たちを連れてドームへ。一応は顔がきくらしく、顔パスで中へ。
娘エミリーはハンコをオモチャ代わりにしていて、切符係の手に押したりする始末。
このハンコが、後で役に立つのは途中で予想がつくが、今は言うまい。
ダレンは消防士の仕事やらはどこへやら、ドームの中をいろいろ案内して回る。
地元ペンギンズの控え室へも案内。有名選手とも顔がきくらしい。
ところが、娘がパパも昔選手だったのと言い出して、
ダレンをうっとうしく思っていた連中が、そりゃどう言う事だいと言う。
アマにいたんだと言うと、今度勝負しよう。レベルの違いを見せてやると脅される。
続いて、ペンギンズのマスコットである、ぬいぐるみを着る女性を紹介。
エミーは彼女を気に入るが、兄である息子タイラーの方は、
ダレンが電球の交換をしているのを見て、
本当は消防士じゃないんでは?と父に疑問を持つように。

 その頃、怪しい一団がドームへ向かっていた。
ポップコーンに紛れ込ませて、銃や爆薬等をドームへ持ち込む一団。
そして副大統領用のシェフの家にも、怪しい男が現れていた。
彼は家にいた奥さんを人質にし、シェフに言う事を聞くよう脅迫。
彼がいるおかげで信用した護衛は、まんまと武器を持った一団を通し、
副大統領や市長夫妻のいる特別席へ侵入する。
侵入した一団は、シークレットサービスとか護衛の連中を次々射殺。
お役ごめんとなったシェフと奥さんも射殺。
副大統領と一緒に観戦していた、何だかわからない一般の人も射殺。部屋を制圧。
政府が秘密に凍結している資産17億ドルだかを、彼らの口座に振り込まなければ
第1ピリオド終了時に1人を射殺。第2ピリオド終了時に2人を射殺。
そしてゲームセット時にドーム自体を爆破して、5万人を殺すと言うのだ。
冷酷なリーダーはフォス(パワーズ・ブース)
そんな事とはつゆ知らず、試合が開始。
ただちにドームを警察が包囲。時間を引き延ばそうとしたりするが、
そんな手に乗る連中ではない。
一般客に扮して、中に入ろうとした警官も捕まって惨殺され、
ヘリがドーム上空へ接近するが、どこかに隠れている一味がバズーカで撃墜。
(あまり、テロリストに完全封鎖されたと言う感じではないのだが、誰も入れない)
仕事で来ているはずのダレンは、なぜかヒマそうで、エミーやタイラーと試合観戦。
それでも途中で仕事があるからとか言って、席を立つが、
決して席を離れるなと釘を刺す。
残された兄妹は、父について口論に。エミーは父を尊敬しているが、
タイラーの方は、本当の仕事は電球の交換なんではとバカにする。
さらに持ってきた水鉄砲でエミーに水をかけ、
怒ったエミーはトイレへ行くと言って席を立ってしまった。

 第一ピリオドが終了し、金が振り込まれていないため、
一団は泣き叫ぶ市長夫人を射殺。
一方エミーは、トイレで先ほど仲良くなったペンギンのぬいぐるみの女性と出くわす。
知り合いだと思っていたが、どうも様子がおかしい。見るとトイレの個室に死体が。
当然、この死体がぬいぐるみに入っていた女性だと思ったが、
後でその女性らしい死体が別の場所で見つかるので、
このぬいぐるみの中のテロリストは、こんな所で何をむやみに殺していたのだろうか。
それはさておき、ぬいぐるみの中は女テロリストで、
見られてしまったと、エミーを連れて逃げる。
ダレンは何だか仕事が終わって、席に戻ってみると、エミーがいないので
タイラーを追及すると、どうやらケンカしたらしいと知る。
怒ったダレンは、例え建物が壊れても席を立つなと言い残して、エミーを探しに行く。
見ると、知り合いの女性らしきぬいぐるみが、エミーを連れてどこかへ行く。
人混みの中をあわてて追うダレン。
女テロリストは、特別室へ続くエレベーターの護衛を射殺し、特別室へ。
フォスは、エイミーを人質に加える事とし、
エイミーが英雄だと言い張る父親が何者かに関心を持ち、
彼が追ってくるはずだから片づけろと命令。
厨房の奥にあるエレベーターへ到着したダレンは、カギがないので中へは入れない。
そこへぬいぐるみの女性が現れ、知り合いのつもりで話していたが、どうもおかしい。
正体に気づき、格闘に。相手はぬいぐるみを着ている女性にも関わらず
強いと思っていたバン・ダムもなかなか苦戦。
厨房の中にあるカッターとか、煮立った鍋とかが武器になり、非常に危険。
あまり苦戦するので、今回のバン・ダムはそれほど強くないと言う印象を受ける。
内臓を絞り出すような装置に挟まって、ついに相手を倒すダレン。
あわてて警備員に緊急事態だと連絡するが、こいつも一味でまた格闘。これも倒す。

 ダレンは電話で警察を呼ぼうとするが、すべての電話線が何者かに切られていて
外への連絡ができない。
役員室みたいな部屋へ行き、そこの電話を探すが、これもまた通じない。
だが、幸い携帯電話を見つけ、これで外の警察へ連絡。
電話に出たのは、外で待機していたハルマーク捜査官だ。
ダレンは娘を救出するため、かなり危険な事を考えていると感じたハルマークは、
バカな事はよせと止めるが、ダレンはかつて軍にいたのか、警官だったのか知らないが
妙に自信があるようで、1人で何とかしてみせると言い出す。
そして、ドーム内の爆弾を仕掛けそうな場所を推理し、爆弾を1つずつ解除に回る。
携帯電話が使えなくなってしまったのか、(ちょっと忘れた)
ドームの外にある電光掲示板へ、電光掲示板にメッセージを表示できる部屋で
ダレンの作戦を表示させる。ハルマークは大あわて。
それに気づいた一味は、電光掲示板をバズーカで爆破。
駐車場で車が爆発したり、爆発はハデだが、どれほど効果的なのかは疑問だ。
武器のないダレンは、消火器を改造して釘を打ち出すような装置を作り、
妨害に来る一味を次々倒す。ハルマークは単身ドームの中への潜入に成功。
ダレンと会い、爆弾の場所を聞き、解除を協力すると言う。
ところがハルマークも一味で、フォスと会い、爆弾の仕掛けた場所の推理は
すべて合っていると言う。(いくら何でも全部合うと言うのは無理な気がするが)
今まで味方かと思っていたハルマークが実は敵と言う図式はありがちだが、
これまでの行動は、敵とはまったく思えないものだ。
彼はダレンの息子タイラーもいる事を知り、父親が呼んでいるから来いと
特別室へ連れていこうとするが、タイラーは動こうとせず断念。
しかも、ダレンの妨害に入ったハルマークは、簡単にガソリンをかけられ焼死する。

 第2ピリオドが終わり、さらに人質が射殺されるが、
金の振り込みが開始されたため、確か1人射殺するだけでよしにしてやる。
フォスはダレンなる元消防士が妨害している事をつかみ、
次々追っ手がダレンに襲いかかるが、次々返り討ち。しかし多勢に無勢だ。
フォスはどこまで解除できたかと、爆破ボタンを押そうとしたりする。
だが、間一髪ダレンが解除して無事だった場所も。
追っ手に追われ、逃げるダレンは、負傷して交代したゴールキーパーの
ユニフォームを奪い、ベンチに紛れ込む。
すると元気になったなら、出場しろとリンクに出されてしまう。
いくらマスクをしているからと言っても、顔は見えるし、声は違えばわかりそうだが。
かつてキーパーをしていたダレンだが、それはアマチュア。緊張はただならない。
敵チームの猛襲でシュートを受けるが、ダレンが何とかキャッチ。
今シーズン最高のキャッチとか言われ、会場はすごい盛り上がり。
ダレンは客席のタイラーの方を見て、エイミーがよくやる手話で、
「僕は君を愛してる」とやったため、気づいたタイラーは愕然。
こんな所にいる場合ではないと、相手選手を殴ってわざと退場になる。
再び追っ手に気づかれるが、適当に逃げてしまう。
フォスの方は、振り込み方が足らないと試合終了に向けて爆破ボタンを押す構え。
もはや爆弾除去は間に合わないと、祈るような想いのダレンや人質たち。
全然状況がわかってないはずの息子タイラー。
まもなく試合終了と言う時に、1点負けていたペンギンズがシュートに成功。
時間切れで同点となり、試合は延長戦(サドン・デス)に。
リンク中央の上にある電光掲示板に、「サドン・デス」と表示され、
その「突然の死」と言う言葉が、ここへ来て背筋をゾクゾクさせる効果をあげる。

 フォスは試合の結果が出るまで爆破は待ってやろうと、延長する事に。
しかし、サドンデスではどちらかが1点シュートすれば、それで試合終了。
いつ終わるかわからないのだ。
ハルマークが中へ入って以来、警察は何も手を出さずにただ見守るばかり。
意を決したダレンは、一度外へ出て、ドームのてっぺんへ昇り始めた。
ドームと言うから、固いビニールか何かでできているのかと思えば、そんな事はなく
やっぱり固い金属でできているのだ。それを昇るダレン。
てっぺんのへんには、一味の見張りがいる。格闘の末、倒すダレン。
ドーム開閉用の装置を電気をショートさせて開かせる。
もう1人敵がいて格闘に。少し開いたドームの上で格闘し、
下ではホッケーの試合をやっていると言うのは、かなり変わった構図。
ついに倒した敵は、リンク中央上空の電光掲示板に激突し、火花が飛び散る。
さすがにこの騒ぎに観客たちも気づき騒然となる。
続いて、ダレンがロープをたらし、ターザン状態に。この事態に観客は呆然。
彼は特別席の上に、手製の爆弾を投げ、天井に穴が開いた所で、そこへ飛び込む。
たちまち一味を射殺。特別席の中は煙がもうもう。娘エイミーを救出。
当然ながら、副大統領らも無事。フォスらは逃走する。
この騒ぎに観客たちは出口へ殺到。ようやく警察が中へ入り、観客を誘導。
皆逃げまどっているのに、無人になっても逃げなかったタイラーと再会。
それでも、残された爆弾のいくつかは爆発し、水道タンクが破裂し、
通路に水が流れたりする。皆無事とわかり、一安心するダレンと子供たち。
だが、娘エイミーが、人混みの中に何かを見つけた。
犯人の親玉フォスにエイミーが抵抗して押したハンコを、手につけた人物がいたのだ。
変装しているが、フォスに違いない。
しかし、ダレンが気づく前にフォスが気づいてしまい、彼はエイミーを連れて逃走。
先刻、火を吹いていた電光掲示板の上へ、裏の通用口から昇る。追うダレン。
電光掲示板の上で、ダレンとフォスは格闘に。
レバーを引いてしまい、娘エイミーは開いた床から落ちそうになるが、
さすがにダレンの娘だけあると言う事か、自力ではい上がる。
仲間がヘリで迎えに来たため、フォスは縄ばしごに捕まり、逃げ去ろうとする。
ダレンは倒したつもりだ。実は無事のダレンは、
エイミーにここで待ってろと言い、自分も縄ばしごに捕まる。
そしてそんな事は知らないフォスは席に着き、もう安心。ヘリは次第に上昇する。
ダレンは強引にも、操縦席へ向けて撃ち、操縦士は死亡。
ダレンは、落差は少ないとは言え、金属のドームの上へガツンと落ちて痛い。
あわててフォスは操縦桿を立て直そうとするが、もはや手遅れ。
スローモーションで少しだけ開いたドームのすきまへ、うまくヘリが墜落していく。
ゆっくり落ちながら叫んでいるフォスの目に、ダレンの姿が映る。
ちょっと趣味の悪い描写だ。ヘリはドームの中へ墜落し爆発。一味を倒す。

 と言うわけで、閉鎖された場所で、意外な人物が意外に活躍すると言う展開は
「ダイ・ハード」以来のお約束で、今回はバン・ダムが主役なわけで
ブルース・ウイリスとかに比べても、実際に強そうな彼なので
かなりの活躍が期待された。
しかし、主役のダレンは、結局元消防士と言うだけで、
今は何をやっているのかもよくわからず、何が特技かもいまいちわからない。
爆弾の設置場所を見抜くだけではちと寂しいし、それ自体はこじつけと言う気もする。
それほど頭がいいわけでもなく、割と強引で本当に運がいいだけと言う感じ。
敵一味もドームを完全制圧する割には、作戦らしいものが感じられず
警察のリーダーが一味と言うのも、取ってつけたようだし
警察も全然手を打たないので、完全な計画を阻止すると言うゾクゾク感に欠ける。
と、ケチばかりつけたように、脚本的にはかなりアラが目立つのだが
ドームの上の方で戦って、下で試合が続いているなど、構図的に面白いものもあり
「ブロークン・アロー」よりは楽しめた気がする。
試合が延長戦に入った事が、裏の駆け引きにも影響すると言うのも面白くて
思わずゾクゾクさせる展開だったが、結局試合の結果はどこかへ行ってしまったし
ダレンと一味の攻防もどっちが優勢なのかわかりにくい感じで、
めちゃめちゃ面白くなりそうな雰囲気は感じられるだけに、もう一押しほしかった。
 

ザ・ネゴシエーター 交渉人(2000年米)

 シアトル。レイプ殺人事件で、容疑者ドイルに地方検事補スタークは死刑を求刑。
ドイルの父ジェイコブ(チャールズ・S・ダットン)は無実を信じ、
銃を持ってドイルと陪審員を連れて部屋に閉じこもる。犠牲者の夫もだ。
ジェイコブは負傷し、周囲を警察が包囲。スタークが交渉役として中へ。
今さら審理を無効にする事は不可能だが、スタークは弁護すると称する。
だが信用されず、仕方なく再調査する事に。弁護士も見放している事件だ。
記者ジャニスが、匿名電話を受けたとして調査。無実だと自動車電話をかけたらしい。
その相手はエリスという男で、ドイルの泥棒仲間。当時は泥棒をしており
アリバイがあるのだが、泥棒の証言は有効にならない。
犠牲者レイチェルからはドイルの精液が見つかっていたが、レイプではないと言う。
ドイルはレイチェルの愛人で、自宅にも呼ばれた事があるのだ。
人質が暴れたため、ジェイコブは発砲。警察は突入使用とするが失敗。レビンが死ぬ。
犯行のビルで監視カメラを調査。夫キャスルモアが入った事が判明。
会社での浮気を目撃し、妻を殺害して警察に連絡。
だが、ビルの停電を知らずに時間を間違えたのだ。
警察の突入でジェイコブは射殺される。スタークはキャスルモアを追求する事となる。

 と言うわけで、絶体絶命の男を信ずる父が立てこもり、無実を主張。
「交渉人」と似たシチュエーションだが、主役はあくまで検事で
実際なら、こうまで好意的には動かない気がする。
まあ、観客が知るはずもない真相がいろいろわかるのは、この手の物語のお約束。
父が生き延びれればもう少し痛快なのだが。

TV放送 2001/08/04 BS05 1825-2000
 

サバイバー(2015年米英)

ケイト・アボット 米大使館員(ミラ・ジョボビッチ)
時計屋 殺し屋(ピアース・ブロスナン)
サム ケイトの上司(ディラ・マクダーモット)
米大使 (アンジェラ・バセット)
ビル ケイトの同僚
サリー ケイトの同僚

起:大使館員ケイトは爆破事件の犯人扱いされる。
承:殺し屋にも追われる。
転:殺し屋はNYでテロを計画。
結:かけつけたケイトは殺し屋を倒す。

 ロンドン米大使館に勤めるケイトは、入国者を審査する仕事に就いていた。
医師バラン氏を不審に思うが、同僚ビルは取り合わず、入国させてしまう。
 ビルの誕生会を開催する事になり、ケイトはプレゼントを買う為に退席。
その間に店が爆破され、同僚らは死亡。
上司サムはかばうが、英国側はケイトを容疑者と考える。
 ケイトは公園でビルを発見するが、余計な事をしたなともみ合いに。
ビルは誤って自分を撃って死ぬ。
さらにケイトは正体不明の殺し屋「時計屋」に追われる羽目に。
 時計屋はNYでのテロを計画。
障害となるのはケイトだけと考えたのだ。
ケイトはサムと接触。
息子を人質にとられたビルが、バランら数名を入国させたとわかるが、
襲撃されてサムは負傷する。
 危険人物として手配される中、ケイトはNYへ。
時計屋がタイムズスクエアで開催される大晦日のイベントを襲撃する考えだと気付く。
照明用のボールにガスを充満させ、それを離れた場所にいる時計屋が狙撃するのだ。
時計屋はボールを用意したバランを始末。
かけつけたケイトは格闘になり、屋上から時計屋を突き落とすのだった。

 と言う訳で、ミラ・ジョボビッチとピアース・ブロスナンによるアクション。
バイオハザード対007と言う趣です。
ロンドンの米大使館員ミラジョボは、不審な入国者に注目。
実は大使館員も関わるテロ計画が絡んでいて、
濡れ衣を着せられたミラジョボが追われる展開。
追う殺し屋がピアース・ブロスナンと言う訳。
信頼できる身内は少なく、1人で100万人を救う事になる大活躍はなかなか面白いが
格闘で殺し屋を倒しちゃうのは都合良すぎかも。

TV放送 2016/10/22 WOWOW 2230-0006
 

サバイビング・ゲーム(94)

 ホームレスのメイスン(アイス・T)は、高給の狩猟ガイドの仕事を得る。
だが実際は、バーンズ(ルトガー・ハウアー)らの人間狩りの標的にされたのだった。
格闘でホーキンス(ゲーリー・ビシー)を倒し、次々追っ手を倒す。
息子デレクを殺されたウォルフ(F・マーレー・エイブラハム)は復讐心を燃やすが、
彼も倒し、バーンズだけが逃走。数日後、逃走準備をするバーンズを発見。
銃を暴発させ、バーンズを倒す。

 と言うわけで、人間狩りの標的が反撃すると言う話なので、
ちょっとすごそうかに思えたが、なぜメイソンが強いのかの説明がなく、
それほどすごい見せ場があるわけでもなく、失望させられる。

VHS
 

ザ・ハッカー(1999年)

 仮釈放中のケビンは、アレックスと組んでハッカー行為をする。
FBIのロリンズ(トム・ベレンジャー)は彼らを追跡。
全米一のハッカー対策の専門家シモムラ氏も協力するが、ケビンらはシモムラを狙う。
彼をマシンへのアクセス不能にし、すべてのインフラに侵入可能なウイルスを盗む。
ロリンズはアレックスの捜索許可を得るが、ケビンは退散済み。
シモムラは対抗意識を持ち、ケビンの正体を特定。追いつめられるが、辛くも逃走。
ロリンズはシモムラの協力を断るが、シモムラは独自で捜査。
通話している信号波から地区を特定。証拠を消す余裕を与えてはならない。
部屋を特定し、ケビンは逮捕される。ケビンは司法取引に応じて釈放の予定。
シモムラは企業や政府のコンサルタントとなる。

 と言うわけで、トム・ベレンジャー狙いで見たが、
薄々感じていたとおり、彼は脇役で、もっぱら2人の男の攻防が中心。
天才ハッカーと、米国のハッカー対策要員の実在の下村努氏の攻防で、
ハッカーの技術の描写は、ウォーゲームがのんきな感じに思えるほどだが
実際の所、何をしているのかわからない部分も多々あり、
犯人の正体がだいたいわかっているのに、証拠がないと言う理由だけで手を出せず
ちょっともどかしいところも。
そして、ダイアルアップすると言う事自体が古くさく感じるのも時代の流れか。

TV放送 2002/05/10 BS05 2110-2250
 

サハラ(1983年米)

デール 社長令嬢(ブルック・シールズ)
ジャファール 部族のプリンス
ラソール将軍  ジャファールの伯父(ジョン・リス・デイヴィス)
フォン・グレッシング ライバル(ホルスト・ブッフホルツ)
ペッグ 敵対する将軍

 社長令嬢のデールは父と共にレース好きだったが、父は事故で死亡。
遺言で、サハラ国際ラリーに出る事を決意するが、それは女人禁制のラリーだった。
やむなく男装して参加。
レースでは奮闘するが、部族のラソール将軍に捕われてしまう。
甥であるプリンスのジャファールは、彼女に惹かれる。
敵対するペッグの部族の撃退に協力し、デールはジャファールと愛し合うように。
だが彼女はペッグに捕われてしまい、ジャファールは戦いを決意。デールを救出する。
ラソールは撃たれ、彼女を追って砂漠を出るなと言い残して死ぬ。
デールはレースに復帰。デットヒートの末、優勝する。
一同が喜ぶ中、これで会社は安泰だと言い残し、
デールはジャファールの所へ戻るのだった。

 と言う訳で、当時人気だったブルック・シールズ主演作。
父親が事故死したブルックは、女性禁制のレースに男装して参加する事に。
男装と言うあたりが物語のポイントになりそうだけど、そういう要素はほぼ皆無。
お前、女だったのか!みたいなシーンね。
ライバルチームも部族も最初から女だとわかってるし、
最後に女の姿でゴールしてもおとがめなし。
そもそもレースのシーンもほとんどなく、
部族のプリンスと惹かれ合うみたいな話が延々と続きます。

TV放送 2015/02/08 ザシネマ 1600-1745
 



サハラ 死の砂漠を脱出せよ」(2005年)

 この作品はダーク・ピットものの映画化で
ダーク・ピットと言うのは、クライブ・カッスラーという人のシリーズ小説もの。
最初の映画化みたいに宣伝されているが、
実は「レイズ・ザ・タイタニック」というのが映画化された事があり
どうも印象が薄いのだが、
以前、どの作品か覚えがないが小説を買って、読まずに古本屋に売った事があり
その時に、古本屋のおばはんにダーク・ピット物は人気があると言われた経験あり。
だからと言うわけでもないが、
例えばジャック・ライアンものはシリーズ化がなかなかうまく行かず、
007やインディ・ジョーンズに続く人気シリーズとなるかどうかが見物。
マシュー・マコノヒーとペネロペ・クルスがこの作品で親密になったと言う事もあり
ちょっとどうかなと言うマイナスイメージもあるが、
まあシリーズとしての期待もあり、見る事にした。

 冒頭は南北戦争時代。史上初と言う装甲艦が出航する。
そして現代。WHOのエヴァ博士(ペネロペ・クルス)は、
内戦のナイジェリアのマリへ、伝染病の調査のため乗り込んでいた。
そこで謎の一味に捕らわれるが、
ダーク・ピット(マシュー・マコノヒー)に助けられる。
彼はサンデッカー提督率いるNUMA(国立海洋海中機関)と言う組織の一員で、
サルベージで海の底から王の像を引き上げて喜ぶ。
それを発表するパーティが行われ、エヴァも出席する事に。
マリで仕事をすると言う実業家マサードに、入国の手伝いを求めるが無理だと言う。
一方で、ピットは、仲間がナイジェリアで南北戦争の金貨を見つけたと聞き出す。
その金貨は南北戦争時代に数枚しか作られなかった物で、
ナイジェリアで見つかるのは不思議なのだが
行方不明になった財宝を積んだ装甲艦が、アフリカへ向かったと言う説もあり
ピットの冒険魂が燃える。言い出したら聞かないので、提督も行かせる事に。
相棒のアルも一緒だ。
それを知ったエヴァは、上司と共にボートに便乗する事に。

 途中で別れて、井戸の調査をするエヴァらだが、
住人の病気が伝染病ではないと気づく。
だが現れた一味に上司が射殺され、エヴァも狙われる。
一方、ピットらのボートも襲撃を受け、何とかボートを自爆させて撃退。
襲われかけたエヴァを救出する。
同行していた別の同僚は、ここで帰還するが、
持ち帰った砂のサンプルから、汚染された水が大西洋を全滅させると分析。
謎を追うピットらは、砂漠のゲリラに捕らわれる。
彼らはカジム将軍に敵対する一味で、ピットらを受け入れる事に。
ここにも病気の住人が多数いた。
そこに描かれた壁画から、かつてここへ装甲艦が来たと確信。
ここはかつて川だった場所で、かつての川は地下水となったのだ。
つまりこの付近には地下水があり、病気が地下水を伝って広がっている可能性が。
地下水を追うと、その先にはマサードが作った施設があった。
潜入するピットらはそこの秘密に気づく。
それは、廃棄物をソーラーで処理するクリーンな施設なのだが、
処理が追いつかず、廃棄物が貯まり、地下水を経由して広まったのだ。
そしてマサードはどうやらカジム将軍と組んでいるらしい。

 だが、一同はマサードに捕らわれ、エヴァは連れ去られ
ピットとアルは、縛られてトラックで運ばれる事に。
ピットらは荷台をはずして脱出。
だが荷台について手錠ははずれず、2人でそれをかついだまま砂漠を歩く。
途中で墜落した飛行機を見つけ、その工具で手錠をはずし、
飛行機を帆掛け船のようにして、風で砂漠を乗り切り無事帰還。
ゲリラに助けを求めるが、首領は仲間を犠牲にはできないと言う。
そこで、ゲリラがカジム将軍から奪った車をもらう事に。
これで施設に乗り込み、将軍だと思わせてまんまと施設の中へ。
だが中には職員はおらず、おかしいと思ったら、
危険を感じたマサードが、施設を自爆させようとして、退去済みだったのだ。
ピットは連れ去られようとするエヴァを追って、屋上のへリポートへ。
そこで離陸するヘリからエヴァを救うが、現れた用心棒と格闘に。
互いに落とされそうになり、結局用心棒が転落する。
一方、アルは爆破を阻止しようと奮戦。間一髪阻止し、マサードはヘリで退散。
一安心かと思ったが、一同はカジム将軍のヘリに襲われる。
ピットらは車で逃げつつ、施設を爆破するはずだった爆弾を、丘に向けて投げ
それで何とか撃退しようとするが、あまり効果が出ず。
しかし、爆弾で崩れた丘の下から、砂に埋もれた装甲艦が出てくる。
驚く中、一同は装甲艦の中に避難。だが将軍の攻撃は続く。
装甲艦の中で財宝を発見。数枚しかないはずの金貨は、何と大量にあった。
ピットらは大砲で対決しようとするが、古いのでなかなか苦戦。
仲間の軍も集まってくるが、将軍だけ倒せば攻撃をやめるはずだ。
ようやく大砲を撃ち、ヘリに命中するが大砲は爆発せず。
さすがはオンボロと思わせて、結局爆発。
集まってきた兵たちは攻撃をやめ、まさか本当にやめるとはと驚いていると
背後には、大軍のゲリラが集結していた。
マサードは事件への関与を否定するが、証拠は出てくるはずだ。
大量の金貨はNUMAがいただいてしまい、
ピットとエヴァはビーチでバカンスを過ごすのであった。

 と言うわけで、ダーク・ピットはNUMAと言う組織の一員で
これは海洋何とか機関という組織で、海のジェームズ・ボンドと言う感じ。
長い間実在の組織と思っていたが、
劇中、「非公認の組織」と言われていたので、実在ではなさそう。
さらには、その目的が、主に海の宝探しらしく
そう言えば、「レイズ・ザ・タイタニック」もそうだったが
何か志が低い気がしてちょっと失望するが、逆にシリーズ化はしやすいかも。
ただ、007のように、最初に指令があるわけでなく
何となく宝探しをする内に、事件に巻き込まれるという展開で
ダーク・ピットのキャラもよくつかめないでいたので、前半はやや退屈。
中盤から事件が明確になってきて俄然面白くなる。
ダークとアルのコンビが、危険な事大好きと言う感じで楽しめるが
一方、ペネロペは博士には見えず、
しかも博士のくせに撃ち合いとか楽しんでる感じで、二重に違和感あり。
そこさえ目をつぶれば、まあ派手な見せ場が連続。
ラストの見せ場も、NUMAならではと言う感じで面白い。
シリーズ化しても良さそうな感じだが、
ただペネロペはいわばボンドガールみたいな物なので、続編には出られないはず。
 

ザ・ハリウッド〜セックスと野望(2013年米)

タラ 女優(リンジー・ローハン)
クリスチャン タラの恋人。プロデューサー
ライアン タラの元恋人。役者志望
シンシア クリスチャンの部下。ライアンの恋人

 女優タラはプロデューサーである恋人クリスチャンと、役者志望のライアンに会う。
実はライアンはタラの貧乏時代の彼氏で、これを機に関係が再燃する。
クリスチャンはタラがライアンと浮気していると疑い、ライアンを役から外す。
さらに、自身も関係するライアンの恋人シンシアを殺害。
タラはクリスチャンに愛想を尽かし、出ていくと言うが、
クリスチャンは代わりにアリバイを証言させる。
シンシア殺人犯は不明のままとなり、クリスチャンから逃れたタラは、
知り合った女性にライアンやクリスチャンの事を話す。
実は彼女は、ライアンに指示されてタラを監視していたのだ。

 と言う訳で、リンジー・ローハン主演のドラマ。
落ちぶれた感のある彼女が脱いだと言うのが売りの作品で、もともと志は高くない。
リンジーは女優役で、プロデューサーの恋人がいるが、
かつての恋人と再会し、寄りを戻す。
元彼は俳優志望だったが、嫉妬したプロデューサーの妨害を受けたりする訳。
女優もプロデューサーも、我々からしたら自称と言う印象で、
登場人物4人くらいの痴話ゲンカと言う感じ。
リンジーはかつては間違いなく可愛かったが、
本作ではけばい感じで、肌とかもきれいじゃない。
何ですかこれは?と言う印象です。

TV放送 2014/11/17 WOWOW 0000-0138
 

ザ・ハリケーン(1999年アメリカ)

 66年殺人事件が発生。ペスカ刑事は犠牲者の証言を無視し、
ボクサーのハリケーン・カーター(デンゼル・ワシントン)と運転手を犯人に仕立てる。
7年後、少年レズラは古本市でハリケーンの本を買い、夢中になって読みまくる。
少年時代盗みでペスカ刑事に捕らわれ、少年院に入ったカーターは脱走。
そのまま陸軍に入り、ボクシングを覚える。しかし、ペスカに見つかり再び刑務所に。
61年出所し、ボクサーとして台頭するが、殺人事件でペスカに犯人にされる。
仮釈放中の証人を脅して、無理矢理有罪に。反発したカーターは、囚人服を拒否。
独房に入れられるが、抵抗を続け、仕方なく病室の服で手を打つ事に。
7年後、裁判のやり直しを求めるデモが起こり、アリやボブ・ディランも参加。
しかし再審請求は却下され、絶望的な状況に。妻メイにも離婚するよう勧める。
レズラはカーターのために何かすべきと考え、家庭教師のリサらと行動を起こす。
まず彼と文通し、面会する事に成功。彼が殺人犯でないと確信する。
だが、またも再審請求は却下され、
カーターはさらに絶望に陥り、面会を拒否するように。

 1年後。レズラらは刑務所の町に引っ越し、資料をかき集める。
証人の証言は再審で変わっており、車のタイプも異なる。
証人コッカーシャは犯人がカーターでないと証言したにもかかわらず、
ペスカがそれをもみ消して死んだと言う。ペスカはレズラらにも圧力をかける。
事件を調査した探偵の日記を入手。それが裁判記録と異なる事に注目する。
事件が発生したのは、カーターらがバーを出たよりも前だ。
通信記録を調べると、ペスカの筆跡で改ざんされている事が判明。
しかし、州裁判所ではやはり不利で、連邦裁判所へ持ち込むしかない。
だがこれで負ければ、その証拠は再度使えなくなり、後戻りはできない。
85年連邦裁判所でサロキン判事(ロッド・スタイガー)により審理が行われる。
偽証を証明すると、州裁判所で再審すべきと指摘される。
だがあくまで連邦裁で続けると言うカーター。
カーター自身も証言。証拠は人種差別が関係していると主張。
判事はカーターを釈放とし、94年にカーターはチャンピオンベルトを得る。
現役以外のボクサーがチャンピオンベルトを得たのは、初めての事だった。

 と言うわけで、差別で虐げられてきた黒人ボクサーが、
一度は再審をあきらめていたが、古本市で彼の伝記を見た少年に励まされると言う
時間の流れを感じさせる展開がうまい。
普通なら、古本市に伝記がある人など、もう死んでそうな感じだが
まだ戦ってたんだと言う感じで、それからいろいろ彼の仲間が奔走するのだが
そこまでの彼の伝記的部分とは物語の色もはっきり変わって
ちょっと調子狂わされる。
まあ、実話とは言え、最後に勝利を勝ち取るのはお約束。
でも、明らかに犯罪を犯している警部におとがめがあったかどうかはわからず
運転手がどうなったかも。。。

TV放送 2002/12/20 35ch 2103-2340
 

ザ・バンク 堕ちた巨像(2009年米独英)

ルイ・サリンジャー インターポール(クライブ・オーウェン)
エレノア・ホイットマン NY警察(ナオミ・ワッツ)
スカルセン氏 IBBC頭取
ウェクスラー IBBCの幹部

 IBBC銀行がミサイル誘導装置を買うと言う情報を得た
インターポールのサリンジャーは情報提供者シューマンと接触するが、彼は急死する。
発作とされるが、サリンジャーは毒殺を疑う。
頭取スカルセン氏を追及する為銀行に乗り込むが、面会はかなわず、
彼に不利な調書もいつの間にか修正されていた。
共同捜査するNY警察のエレノアは、
シューマンの未亡人から政治家カルディーニ氏に聞けと言われる。
カルディーニによると、
銀行は紛争地域に武器を回すルートを確立し、利益を得ていると言うのだ。
だが、カルディーニは演説中に狙撃されて死亡。
狙撃犯は射殺されるが、サリンジャーは別の狙撃犯がいたと確信する。
残された足跡から、特殊な義足の男の仕業と判明。
男を突き止めて尾行すると、美術館で銀行幹部ウィクスラーと接触。
だが、謎の一味の襲撃を受け、義足の男が殺される。
何とかウィクスラーを拘束すると、彼は協力を約束。
だが、危険な戦いになると察したサリンジャーは、エレノアに手を引かせる。
ウィクスラーの手引きで会合に乗り込もうとするが、彼は何者かに殺されてしまう。
追い詰められたスカルセンは、自分を殺しても次が現れると言うが、
カルディーニの家族に雇われた殺し屋に殺される。
IBBCは新頭取が就任。だが、途上国への武器拡散が問題視され、
エレノアによる調査チームが組まれるのだった。

 と言う訳で、クライブ・オーウェン主演のサスペンスもの。
オーウェンはインターポールで、NY警察のナオミ・ワッツと共に、
銀行が絡んだ武器輸出に関する陰謀を追うと言う訳。
銀行の頭取が絡んでいるのは最初からわかっていて、映画はその証拠集めに終始。
意外な真相とかは出てこない。
秘密を知る者が次々始末される雰囲気は面白そうだけど、
所詮作り話だからか、いまいち盛り上がらない。

TV放送 2010/05/18 WOWOW 2100-2258
 

ザ・ビーチ(2000年アメリカ)

 リチャード(レオナルド・ディカプリオ)は危険を求めてバンコクへ。
ホテルの隣の男ダフィ・ダック(ロバート・カーライル)は、美しいビーチの話をして
その後自殺。ビーチの場所らしき地図を遺す。
知り合った仏人のフランソワーズとエチエンヌを誘い、その島へ向かう。
途中で、サミーらと知り合い、イタズラ心からこっそり地図を残す。
ついに島へ上陸。大麻の畑に銃を持った連中がいたが、そこを抜けると
今度は共同体を築いた連中がいて、美しいビーチも見る事ができる。
そこは自給自足の楽園で、島の事は外部には秘密に。農民はここには干渉しないのだ。
フランソワーズといい仲に。物資が不足したため、リーダーの女性サルと調達に。
だがそこでサミーらと再会。サルに島の秘密をばらしたと疑われる。
クリストが鮫に襲われるが、外部の医者は呼べず、森に置き去りにされる。
エチエンヌは見捨てられず、一人で世話をする。対岸にサミーらが現れ、
サルはリチャードに見張りをさせる。監視する内、かくれんぼを楽しむようになる。
向かってきたサミーらが見つかり、農民が彼らを射殺。
クリストを窒息死させ、エチエンヌらと脱出しようとするが、
人を呼んだ事に農民が怒って現れる。サルは楽園を守るためにリチャードを撃つが
弾は空で、サル以外の住人は皆逃げるように立ち去り、故郷へ戻っていった。

 と言うわけで、タイタニックで一躍人気者になったディカプリオが
次に出た作品として騒がれたが、どうせそういうのはつまらないと思っていたが
なかなか面白い。楽園を見つけるのだが、その楽園を維持するためには
犠牲者が出なければならないと言う矛盾に直面する話で、結局自ら壊滅していく。
理想的な社会の実現が限りなく難しい言う現実を見せられた気がする。

TV放送 2001/10/08 BS05 2100-2300
 

ザ・ヒットマン 危険な標的(91年米)

 刑事ギャレット(チャック・ノリス)と相棒デルは、港で取引を張り込むが
デルは一味を次々射殺し、さらにギャレットも撃つ。
ギャレットは奇跡的に生還し、3年後、グローガンと称して組織のボスに。
大ボスのマルコに気に入られる。実は警察の潜入捜査だった。
一方、デルはマルコと手を組んでいた。デルは敵対するラコームを抹殺し、
さらにマルコも始末して後釜に座ろうとする。
現れたギャレットと対決。ギャレットはデルを爆殺する。

 と言うわけで、スティーブル・セガール主演で似たような話があったが
おそらくは別の目的で巨大な組織に潜入しておきながら、
結局、自分の仇に通じているあたり、何だかスケールの小さいところで収まった感じ。

TV放送 2001/06/21 25CH 2102-2254
 

ザ・ファーム 法律事務所(93)

監督 シドニー・ポラック

 ハーバードを優秀な成績で卒業したミッチ(トム・クルーズ)は、
メンフィスの法律事務所に好条件で採用される。
だが同僚のコジンスキーらが事故死し、他にも10年に4名が死んだと知る。
刑務所の兄レイの紹介で、私立探偵エディ(ゲーリー・ビシー)に調査させる。
しかし彼は殺され、FBIのタランス(エド・ハリス)は、狙われていると警告する。
事務所はモロルトファミリーとつながって汚い仕事をし、抜ける者は処分されるのだ。
FBIは保護を提案するが、依頼人の情報を明かせば、弁護士の資格を失ってしまう。
ミッチは、FBIにレイの釈放と金を要求。レイはFBIの尾行をまき姿をくらます。
エディの秘書タミー(ホリー・ハンター)や妻アビーの協力で、
指導教官トラー(ジーン・ハックマン)から4人に関する書類をコピーする。
警備主任デバッシャー(ウイルフォード・プレムリー)らに追われるが、彼らを倒す。
ミッチはモロルト兄弟に直接会い、事務所の水増し請求を告発する事で
依頼人の秘密は守る事を約束。書類のコピーは業務内容を確認するための措置と話す。
資格を失わず、金はレイに。浮気を知って怒ったアビーも戻ってきた。

 と言うわけで、ジョン・グリシャム原作の1作。
守秘義務で窮地に陥ると言う話は、その道に詳しい原作者ならではと言う感じだが
話自体は意外にありきたりで、最後の方は何だかわからずだまされたよう。
事務所のボスのオリバーにハル・ホルブルック。音楽はデーブ・グルーシン。

TV放送 95/03/20 BS05 14:30-17:10
 

ザ・ファイター(2010年米)

ミッキー・ウォード ボクサー(マーク・ウォールバーグ)
ディッキー・エクランド ミッキーの兄(クリスチャン・ベイル)
ミッキーの母
ジョージ ミッキーの父
シャーリーン ミッキーの恋人(エイミー・アダムス)

 ボクサーであるミッキーは、元ボクサーの兄ディッキーを持つ。
彼は14年前に名選手シュガー・レイをダウンさせたとして、いまだに自慢しており、
マネージャを務める母の自慢だ。
セコンドのディッキーは、試合当日も麻薬をやって遅刻。
試合寸前に相手選手が交替になり、
ミッキーは反対するが、ファイトマネーの為に強行して敗れる。
ディッキーは警察沙汰を起こし、止めに入ったミッキーと共に逮捕される。
ミッキーは釈放されるが、ディッキーは刑務所へ。
ディッキーを描いた番組が放送されるが、麻薬に溺れた彼が没落する内容だった。
周囲の者は、シュガー・レイのダウンはスリップだったと語る。
ショックを受けたミッキーは、母のやり方に批判的な父の紹介で別のジムへ。
母と大勢いる姉がどなりこみに来るが、恋人シャーリーンが追い返す。
復帰以降、ミッキーは連戦連勝。
ディッキーに面会に行くと、彼は次のサンチェス戦の戦法について助言。
自分が注目されない事に不満なのかと、ミッキーは反発するが、
結局ディッキーの戦法で勝利する。
次は世界戦となるが、ディッキーが出所。
再びミッキーに口出しし、シャーリーンやトレーナーが反発。
だがディッキーが、ミッキーを想う気持ちは同じだと詫びて、和解する。
チャンピオンのニアリー戦は防戦一方。
だがディッキーに、俺はしくじったがお前は違うと言われると反撃。TKO勝ちする。
ミッキーは新たな町の英雄となって引退。シャーリーンと結婚した。

 と言う訳で、実話に基づくボクシングもの。
ボクサーであるマーク・ウォールバーグは、
元ボクサーの兄クリスチャン・ベイルをトレーナ、母をマネージャに活動。
兄は数十年前に名選手をダウンさせた(周囲はスリップと揶揄)事をいまだに自慢し、
母も麻薬に溺れる彼をかばい続ける。
ウォールバーグの試合なのに、
家族内ではベイルこそ主役みたいな扱いで調子は出ず、なかなか勝てない。
そうこうする内、ベイルが逮捕され、
ウォールバーグは兄と縁を切る約束で、別のトレーナと組んで連戦連勝。
ついにチャンピオン戦までこぎつけたタイミングで、ベイルが出所。
今こそ兄貴の出番やでーと、母まで現れると言う訳。
個人的には兄も母も嫌いなタイプで、ウォールバーグが反発するあたりの展開は痛快。
しかし結局、2人を立てるような締め方になっていて、
その2人がアカデミー賞をとったとあっては、複雑な感じ。
ああいうタイプの人をよくぞ演じたって事なんすかね。

TV放送 2012/04/29 WOWOW 2100-2255
 

ザ・ファン(96)

監督 トニー・スコット

 ナイフの営業ギル(ロバート・デニーロ)は大の野球ファン。
特にジャイアンツに移籍してきたボビー(ウエズリー・スナイプス)に夢中だ。
離婚した妻や取引先は、興奮すると乱暴になるギルを危険視。会社はクビに。
ボビーは負傷がもとで不振に。ライバルのプリモは逆に好調だ。
ギルはプリモに近づき彼を殺害。打順が上がったボビーは復調する。
ギルはおぼれかけたボビーの息子をショーンを助け、ボビーに接近。
だが、ファンを侮辱するボビーの発言に失望。ショーンを連れ去る。
彼の要求は、試合でギルのためにホームランを打てと言うものだ。
雨による中止や敬遠の危機の中、ボビーは長打を打ち、ランニングホーマーに。
だが審判はアウトを宣告。その審判こそギルと気づき格闘に。
ギルは警官隊に射殺され、監禁されたショーンは救出される。

 と言うわけで、切れかけた野球ファンが凶行に出る話で
当時話題のストーカーが主役とも言われたが、
見た感じは、ちょっと前の「フォーリング・ダウン」を連想させる。
もっと陰湿な感じだったら、ストーカーぽかったんだけど。
音楽はハンス・ツィマー。

TV放送 98/01/04 BS05 20:15-22:25
 

ザ・ファントム(1996年アメリカ)

 38年ベンガラのジャングル。クイル(ジェームズ・レマー)はジャングルへ。
ドクロの財宝を見つけるが、400年生きていると言う伝説の男ファントムに会う。
クイルはかつてファントムを殺したはずだった。
クイルが盗んだのはツガンダのドクロで、3つ集めると強力な爆破力を持つと言う。
黒幕ドラックス氏(トリート・ウイリアムズ)はこれを手に入れようとする。
新聞社を持つパーマー氏は彼を敵視。姪ダイアナは彼を調査する事に。
だが一味のサラ(キャサリン・ゼータ・ジョーンズ)に捕らわれる。
ファントムことキット(ビリー・ゼーン)は事件を知って急行。彼女を救出。
一味は世界史博物館で2つ目のドクロを盗み出す。
2つのドクロは3つ目の場所を示すが、それは悪魔のうず潮と言う場所だった。
一味は隠された島へ。キットもここへ潜入する。
そこに住むシン(ケーリー・ヒロユキ・タガワ)を倒し、
クイルもドクロの光線で死ぬ。サラは寝返りダイアナと脱出。
4つ目のドクロをめぐってドラックスと対決。ドラックスは光線で爆発する。
ファントムは先祖代々受け継がれ、そのため不死身と思われていた。
ダイアナはファントムがキットと気づき、彼も素顔を見せる。
素顔を見せてもいいのは結婚相手だけで、彼女も結婚を決意する。

 と言うわけで、アメコミ出身のヒーローものも数多くあるが
そろそろネタが尽きたらしくて、日本ではなじみのない物まで登場。
主役が、この後、タイタニックで観客の反発を一身に受けたビリー・ゼインで
そもそもそれだけで引っかかるのだが、
ジャングルで育った正義の味方とは言っても、ターザンのような姿ではなく
なぜかジャングルで紫色の全身タイツで白馬に乗り、言葉はペラペラ話し
それよりも何よりも、強くも何ともなく、普通に死ぬらしい。
ただ、子孫が同じ扮装で戦うので、相手は「奴は不死身らしい」とだまされるようだが
普通は別人ではと疑うべきところだ。
2つのドクロを合わせると、強大な力を持つ3つ目のドクロの場所を光線で示すのだが
なぜか、そこにたまたま地図があって、その地図の場所に隠されているなんて
作品を通した雰囲気はいたってマジメなのだが、
どうにもマジメに作っているとは思えない。
キットの父にパトリック・マクグーハン。

TV放送 2002/12/22 11ch 2100-2254
 

サブウェイ・パニック(74)

 監督 ジョセフ・サージェント

 ニューヨークの地下鉄ペラム123号に武装した4人組が乗り込み
先頭車輌だけを駅と駅の間に止めて、他の車輌の乗客を解放。
先頭車輌17人の乗客と車掌を人質に、1時間以内に100万ドルを要求。
遅れれば1分ごとに1人ずつ殺すという。
一味は軍隊にいたと思われるリーダーのブルー(ロバート・ショー)
元地下鉄職員でクビになった、今はカゼぎみのグリーン(マーチン・バルサム)
そしてマフィアから追い出されたと言う短気なグレイ、そしてブラウンだ。
無断で列車に近づいた地区主任は射殺され、
地下鉄の公安局の警部補ガーバー(ウォルター・マッソー)が
相手のリーダーであるブルーと無線で接触する事になる。
やがて人質の中に私服の警官がいる事がわかるが、性別はわからない。
さらに武装した警官たちが列車を取り囲むが、人質がいるため行動には移れない。
ガーバーたちの疑問は、包囲された列車からどうやって逃走するかと言う事だ。
市長はカゼで寝込んでいるが、助役が選挙の票につながるかも知れないと言ったため
身代金の支払を承諾。
だが、ブルーは紙幣をバラバラにしろなどと要求してきたため、
時間内に揃えるのは困難だ。
何とか金は揃うが、時間までに届けるのは不可能。
ガーバーは何とか時間内に駅まで届けることで承諾させる。
事故で輸送のパトカーは転覆するが、ガーバーは届いたとウソをつき切り抜ける。
ブルーは5分以内に2人の警官に金をもってこさせろと要求。
白バイが持ってきた金を持って、警官が列車に向かうが、
狙撃隊がはやまって発砲。ブラウンが負傷し、銃撃戦になる。
怒ったブルーは車掌を射殺。
金の受け渡しを再開し、ブルーは次の要求を連絡。
送電を再開し、警官を退去させ、途中の信号をすべて青にする事。
列車を走らせて、途中で飛び降りるのではと言う事も考えられたが、
アクセルから足を放すと自動的に止まるシステムがある。
だが、グリーンが運転士がいなくても走り続けられる装置を取り付ける。
4人は列車を降り、列車は走り始める。だが、私服警官がひそかに飛び降りる。
彼らは計画通り、新たな変装をし、金を分配するが、
グレイは機関銃を手放す事を拒否。怒ったブルーに射殺される。
その時、ブラウンが私服警官に射殺される。
グリーンは逃走し、ブルーは私服警官を撃ちとどめを刺そうとする。
彼らのたくらみに気づいたガーバーは引き返し、
非常口から線路に降り、ブルーを発見。
だが、ブルーは高圧電流の流れる線路に、足をつけて感電死する。
列車は暴走。乗客の中にいた元運転士は、
赤信号があれば緊急停止すると言うが信号はすべて青。
ようやく赤信号が現れ、列車は急停止し、乗客たちは無事だった。
ガーバーは4人のうちの残る1人が元運転士と判断。
クビになった運転士の中から、怪しい者をしらみつぶしに調べ、
グリーンの所にも調べに来る。
特に不審なところもなく、ガーバーたちは帰ろうとするが、
グリーンがくしゃみをしたのでばれる。

 というわけで、緻密な計画に対して、警察側の作戦は
ちょっとずつずれてしまうあたりは実にリアル。
逃げ場のないはずの地下鉄がどこへ逃げるのかと言うのが最大の関心だが、
アクセルにつっかえ棒をして逃げると言うのは、やや当たり前すぎるきらいもある。
でも、作品全体にあるリアル感を強調するための手段かも知れない。
警察もあんなに簡単にだまされるかなあという気もするが
時間を1時間という短時間に制限した事で、緊迫感が出たのかも知れない。
傭兵であるブルーが最後に感電死したのは、ちょっと意外な気もする。
でも、ラストのくしゃみはなかなか味があっていいぞ。

LD
 

サブウェイ・パニック 戦慄の地下鉄ジャック(1998年米)

 乗客に扮した4人組の男女が、地下鉄のベラム123号を乗っ取る。
リーダーはブルー、元運転士らしきグリーン、女性のブラウン、過激なグレイ。
彼らは列車を切り離し、1両の14人だけを人質にして残りは解放。
管制室に犯行を連絡。公安局のアンソニー刑事に、1時間で500万ドルを要求。
警察は交渉を拒否するが、かけつけた地下鉄主任を射殺されて軟化。
やむを得ず身代金を用意するが、輸送のパトカーが事故を起こす。
時間に間に合わないが、アンソニーは金が届いたと称して時間を稼ぐ事に成功。
だが、テレビ局が隠れていたために撃ち合いに。怒って女車掌を射殺する。
金を受け取り、すべての信号を青にするよう指示。飛行機で逃走すると連絡。
一味はひそかに列車を降り、自動で列車を走らせてその間に逃げる計画だ。
グレイは銃を捨てろと言うブルーの指示に逆らい、射殺される。
乗客の中にいた女性刑事に撃たれ、ブラウンがやられる。
銃声でアンソニーらもかけつけ、ブルーはグリーンを逃がし、
自ら線路に触れて感電死する。列車は暴走するが、赤信号で急停止し事なきを得る。
アンソニーは一味が元職員と考え、しらみつぶしに捜査。
グリーンの家にも行き、犯人との通信中に聞こえたくしゃみをした事からばれる。

 と言うわけで、往年の傑作と言える「サブウェイ・パニック」のリメイク。
あちらは、ロバート・ショー、ウォルター・マッソー、マーチン・バルサムと
豪華布陣だったのに対し、今回は知らない連中ばかり。
物語も細部に至るまでなぞっただけで、落ちまで同じ。
一味と、列車にいた刑事が女性だったと言うあたりに
工夫はしたぞと言う意図は感じるが、まったく生かされていない。

TV放送 2001/01/22 BS11 2100-2245
 



サブウェイ123 激突」(2009年)を見た。

 本作は70年代のサスペンスの傑作「サブウェイパニック」のリメイク。
オリジナルはとぼけた感じのウォルター・マッソー対
知的だが凶暴なロバート・ショー。
いろんな見せ場があって面白かったが、中でもラストのオチがポイントで
TVでリメイクされた際も描かれており、今回どうなるかと思ったが
アレンジされていてアレはないとの事。でも全体として面白そうだから見る。

運行司令室
 ガーバー 地下鉄職員(デンゼル・ワシントン)
 ジョンソン ガーバーの上司
 カモネッティ警部補
 ニューヨーク市長

犯人
 ライダー (ジョン・トラボルタ)
 レイムス 元運転士
 仲間2人

乗客
 恋人とテレビ電話する少年
 親子連れ

ガーバーの妻

 地下鉄の監視センターでは、ガーバーが各列車に指示を出していた。
彼はもともと管理職だったのだが、今は降格で現場に戻ったのだ。
そんな頃、とある駅でベラム123号に4人組が乗り込む。
彼らは銃で運転士を脅し、列車を駅と駅の間に停車させる。
さらに車掌を脅して、1両目だけを切り離し、2両目以降を駅の近くへ移動。
大半の乗客はそれでも気にしなかったが、乗客にいた刑事が不審に思い一味の所へ。
すると一味は彼を射殺。途端に乗客は騒然となる。
車掌に指示し、2両目以降の乗客を歩いて駅まで誘導させる。
ベラム123号の異変に気づいたガーバーは、連絡を取ろうとして銃声に気づく。
やがて一味のリーダーである、「ライダー」から連絡が入る。
一味は市長に身代金何万ドルだかを要求。猶予は1時間だ。
ガーバーは相手が会話の中で「克解」という言葉を使った事からカトリックと推理。
さらに人質を「商品」と呼んだ事から、証券マンではと考える。
そんな中、警察のカモネッティ警部補が到着。
ガーバーが自分の推理を披露すると、上司は責任者は俺とばかりに遮り
もともと彼を快く思っていない上司は、お役ご免だから帰れと言う。
しかし、交渉役が交替した事に激怒したライダーは、運転士を射殺。
1分でガーバーを出さねばもう1人殺すと言い、あわててガーバーが引き返す。
警部は失態を悔やみながら、一味がなぜガーバーと交渉したがるのか不審に思う。
上司に事情を聞くと、彼には収賄の疑惑があり、降格になったような人物だと言い
あたかも一味だと言わんばかりだ。おかげで家宅捜索を受ける事に。
司令室には市長もかけつける。既に周囲にはマスコミも殺到。
テロではと疑う一方で、市長の不倫を聞こうとする者も。
一味が要求した額は、市長の権限で用意出来る最高額なのだ。

 一方、地下鉄は地下なので、携帯電話は使えないと思っていたが、
実は一味がアンテナを設置。
ここでも通信出来るようになり、ライダーはパソコンで株価をチェックしていた。
ガーバーの素性をネットで調べ、収賄の事を知って喜ぶ。
ライダーは、証言もしていないのに有罪と決めつけるのは役所のやり方だと言う。
役所の犠牲になった仲間だとも言う。
ガーバーは最初は否定するが、人質を殺すと脅され、
地下鉄車輌購入をめぐり、金をもらった事を認める。金は子供の教育資金に使ったと。
そんな中、乗客の1人である少年は、パソコンで恋人とテレビ電話していた。
地下に入って遮断されたが、アンテナのおかげで再び接続。
恋人は、彼氏の指示でこの映像をテレビ局に流す。
これを見たガーバーらは、一味にレイムスがいる事に気づく。
彼は事件を起こした元運転士だ。列車の停止位置も彼のアイデアに違いない。
そこでガーバーは、一味にレイムズがいると知っていると話し、一味を動揺させる。
一方で警部は、一味がガーバーの素性を知っていたのは
レイムズがいるためと考え、ネットを見られるとは気がつかない。
まあ、この誤解がこの後の展開に特に影響しないのだけど。

 そんな中、現金を積んだパトカーが合流地点へ向けて爆走中。
途中で事故を起こし、あわてて白バイが運ぶ事に。
このままでは時間に間に合いそうもない。
ガーバーは警部補にアドバイスされ、人質の処刑が遅れるよう
話を続けて関心をそらそうとする。
ソリで旅行した話などをして喜ぶライダーだが、急に機嫌が悪くなりもう時間と言う。
一方、狙撃手のズボンにネズミが入り込み、驚いて発砲。レイムスを射殺してしまう。
これには一同騒然。
時間が来たのに金が届かない事もあり、1人ずつ処刑すると言うライダー。
監視センターも混乱。金が届いていると称し、時間稼ぎしようとする者、
一方で正直に言うべきだという者もいるが、
ガーバーは迷った末、金はもう届いていると伝える。
ところが、ライダーは現場に向かう白バイの中継を見ていて、状況を知っており
親子連れを処刑すると言い出す。これを軍にいた男がかばい、彼が処刑される。
ガーバーはあわててウソをついた事を認め、ようやく白バイが到着したと伝える。
一方、市長はライダーの顔を見て、彼が大物証券マンだと気づく。
かつて不正な利益を得たとして、市長にその地位を奪われた人物だ。

 落ち着きを取り戻したライダーは、現金をガーバーに運ばせる事を要求。
現場の人間でないと言うが、ライダーは聞き入れず、仕方なく向かう事に。
警部とヘリで移動。
途中、妻に自分が金を渡しに行くと告げると、なぜあなたなのと言う妻。
明日のスポーツ大会ではこう走れと、子供に伝えてくれと言うが
妻は自分で伝えろと言い、帰りに牛乳を買ってこいと頼む。
近くの駅にある、警察用の本部からトロッコで現金を運ぶ事に。
警官が1つの袋に拳銃を隠し、万一はこれを使えと言う。
ガーバーはためらうが、結局持っていく事に。
ライダーは、やあやあと歓待するが、彼の目的はレイムズの代役。
元運転士のガーバーに列車を運転させる事だった。
ライダーは、次の要求として終点まで信号をすべて青にしろと言う。
ガーバーに列車を動かさせ、駅と駅の間で停止。
ガーバーと共に降り、今では廃止になった駅へ向かう事に。
一方で、残された列車のアクセルにつっかえ棒をして、列車は無人で動き出す。
警部補は途中で止まった事を不審に思うが、ガーバーの上司は信号のせいと平気そう。
警部補は今度は暴走気味と知り動揺するが、上司は運転士が乗っているはずと言う。
なぜならば、アクセルから足をはずすと自動的に停止する仕掛けだからだ。
一方、車輌は高架に出て暴走中。人質たちも運転士がいない事を知り騒ぐ。
ちょっと知ってる乗客は信号で止まるはずだと言うが、
少年はすべて青信号だったら止まらないと叫ぶ。
地上に出たんだから、携帯で電話しろよと言う気もするが。

 ライダー一味とガーバーは、地下鉄の線路を歩いて移動する事に。
警察も他の列車は止めていないらしくて、
一台来たところでガーバーは走る車両を盾に逃げてしまう。
そして近くの制御板みたいな所から操作。赤信号を設定し、おかげで列車は急停止。
これに気づいた管制センターの一同は、
赤信号が設定された付近に一味がいると考え急行。
ライダー一味は金を山分けして、ライダーとその他2人組で分かれる。
ガーバーはマンホールから地上へ出ると、たまたまライダーがいたので急いで追跡。
ライダーがタクシーに乗ったので
ガーバーは近くの車を止めて奪って追跡すると言う、例のパターンに。
ここでようやくガーバーは、車にあった携帯から警部補に連絡。
2人組は簡単に警察に包囲され、抵抗するが射殺される。
ライダーはタクシーの車内でパソコンを操作。
この事件で金だかが高騰し、全財産を投資したライダーは、巨額の利益を得たのだ。
身代金など、実は微々たるものだった。
渋滞で車が止まり、ガーバーは走って追跡。
タクシーを見つけるが、客は既に降りたと言う。
あわてて戻るがふと見ると、橋の向こうにライダーを発見。
銃を向けるとライダーはニヤリと笑い、撃ってみろと言う。そしてにらみ合いに。
警官らが走ってくるがなかなか到着しない。
どうせ撃てまいと言って隠した銃を取り出そうとするライダー。
間一髪ガーバーが射殺。
一件落着で、市長はガーバーに収賄の件は良いように手を回すと約束。
意外に早く解放され、家へ帰るガーバー。
その手には妻に頼まれた牛乳があった。

 と言うわけで、今回は運行司令室のデンゼル対犯人トラボルタと言う図式。
オリジナルの面白い点は
 ・乗客に刑事がいるらしいが正体不明
 ・眠り続けている正体不明の人物
 ・逃げられない地下からどう逃げるか
 ・ラストの落ち(とその伏線)
 今回、一味のトリックはオリジナルとまったく同じで、そこは工夫がない。
一方で、トラボルタの相棒と乗客の刑事がそれぞれ早めに射殺され
オリジナルの面白い点を封じてくる始末。
トラボルタは市長と因縁があったりするようだが、どうもドラマ的には浅い。
デンゼルは警官ではなくて操車係で、
たまたま事件に関わって現場に行くハメにと言う展開は面白い。
しかし、過去に収賄疑惑があったりするのは、やや蛇足の感あり。
物語はTV「24」のノリで、全体として1時間で展開するわけだが
これでどうにも急ぎすぎ。
いくら何でも、市長も警察もTV局も、そんなに機敏には動けないだろうという気が。
でもオリジナルも1時間だったんだよね。
おかげで現金輸送車の描写とかはスリリングに。
しかし考えてみると、道路をあらかじめ封鎖しておくくらいの手は打てたはず。
他の地下鉄が走り続けてるのも違和感があるし
皆携帯を持っているはずなのに、なかなか使わないのも引っかかる。
原作の頃は携帯なんかなかったわけだが
現代風にアレンジするなら、ここらへんはちょっと意識してほしいところ。
ネットで車内の様子が公開されるのは、意識した点と言えるが
物語的にさほど重要になっていない。
デンゼルは現場の人間ではないが、
なりゆきで身代金を渡しに行く事になるのは、何か巻き込まれ型ぽくて面白い。
しかし、一味から逃げ出したのに犯人を追って車を飛ばしたり
銃を撃ったりすると、クライマックスに安易な見せ場作っちゃいましたねと言う感じ。
妻に牛乳を買うエピソードは、電話で話してる時はウルッときそうだったが
ラストで本当に牛乳を買って帰ると、何かダメ。
ところで、オリジナルでは全部青のはずの信号に、なぜか赤があって
列車が急停止するシーンが疑問だった。
今回、そこは説明があり。ここは良くなってるね。
 

THE 4TH KIND フォース・カインド(2009年米)

アビー・タイラー 心理学者(ミラ・ジョボビッチ)
オズンサンミ監督 インタビュアー
ウイル アビーの夫。何者かに殺された
アシュレー アビーの娘
ロニー アビーの息子
エイブル博士 心理学者
オデュサミ博士 言語学者

ノームの住人
 オーガスト保安官
 トミー
 スコット

 冒頭ミラ・ジョボビッチがこれは実話だと語り、監督が関係者にインタビューする。
心理学者アビーは夫ウイルが何者かに刺されて死亡。
犯人の顔はどうしても思い出せなかった。
その後、夫が調査していたアラスカのノームへ。
ここでは300人以上が不眠症だと言う。
アビーは住人に催眠療法を用いるが、トミーやスコットが暴れ出す。
オーガスト保安官は危険な実験だと言う。
診療中の録音には、アビー自身が意味不明の言葉を叫んでいるのが残されていたが、
アビーには記憶がない。
言語学者オデュサミ博士は、それが紀元前4000年のシュメール語だと言う。
彼らはロケットに似た絵を残し、異星人を神としていたと言う説もある。
アビーは、第四種遭遇、すなわち異星人による拉致が起こっていると言い出す。
保安官助手らが監視する中、アビーの家が光に包まれ、娘アシュレーが姿を消す。
監視ビデオには何も映っておらず、アビーは同僚エイブルの催眠療法を受ける事に。
記憶では、さらわれたアビーは装置を付けられ、何かをされた上返された。
だが詳細は思い出せない。
保安官はウイルについて自殺の証拠が出たと説明。
アビーは、ウイルの自殺は認めるが、拉致された事は事実だと主張。
アシュレーの生存を信じ続けるが、今でも彼女は行方不明のままだ。

 と言うわけで、アラスカの小さな村で、実際にあった事件と称するフィクション。
ブレアウィッチプロジェクトなんかと同じ設定だが、
本作が特殊なのは、本当に実話だと思わせようとしている点。
監督自身がインタビュアーとして登場。
ミラジョボ自身がこれは実話ですと語り、本人として別人の映像が登場。
そちらは記録映像ぽく固定カメラで画質は良くない。
村人がUFOに拉致されてるらしいと言う水曜スペシャル的話で、
普通、ニセ実話ものは、リアルに見せるために無名の俳優を使うのだが、
ミラジョボと言う有名俳優を出す事によって、
映画自体は作り物と認めるが、事件は本当にあったんですと思わせる凝った構成。
その工夫は買うが、実話と思わせる事にそれほどのメリットがあるようにも思えず、
そんな内容だから物語ももう一つ。実験的な作品やね。

TV放送 2010/10/22 WOWOW 2200-2338
 

サブダウン(97)

 クジラ研究のため、ローラ(ガブリエル・アンウォー)らは
米軍の潜水艦ポートランドに乗艦。
だが、潜水艇で調査中、ポートランドは未知の艦と接触。原子炉は停止。海底へ転落。
死者も出て、ガス漏れで避難した乗員は孤立する。
ローラらは艦に帰還し、換気に成功。だが通路はふさがれ乗員と合流はできない。
ライトを利用して乗員と連絡に成功。
原子炉は放射能漏れで作動せず、パワー不足。艦長は自らを犠牲に原子炉を修理。
再浮上を試みる。クジラの声を頼りに氷の薄い場所を見つけ浮上に成功する。

 と言うわけで、ガブリエル・アンウォーが原潜に乗り込むと言うから
軍人の役柄かと思えば、科学者役で拍子抜け。
素人が潜水艦の危機を助けると言う発想は面白いのだが、何か物足らない感じ。

TV放送 99/03/26 BS05 22:00-23:35
 

ザ・フライ(86)

 監督 デビッド・クローネンバーグ

 科学者セス(ジェフ・ゴールドブラム)はパーティで知り合った女性記者
ベロニカ(ジーナ・デイビス)に自分の研究を見せる。
それは物質を転送する装置だった。
彼は大企業の支援でこれを開発していたが、秘密を知っているのは1人だけだ。
ベロニカはこれを公表したがるが、
かつての恋人である編集長のスターシスは本気にしない。
そしてセスは、生物、最終的には自分の転送に成功するまでは
公表してほしくないと要求。ベロニカに独占取材を許可する。
セスは研究を続けるが、生物の転送はなかなか成功しない。
ベロニカはセスを愛するようになり、彼女の言葉にヒントを得る。
ついに生物での転送に成功。
だが、スターシスはセスとベロニカの関係に嫉妬したりして邪魔をする。
ベロニカが抗議に行くが、スターシスとベロニカの関係を怪しんだセスは
予定にあった転送したヒヒの観察を飛ばして、自分の体を転送する。
その時、転送機に1匹のハエがまぎれこんでいた。
転送後のセスは、なぜか強靭な体力を持つようになっていた。
セスは物質を分解して再構成する転送によって、
浄化作用が働いて潜在能力が引き出されたと推測する。
だが、ベロニカは転送によって、セスの体に何か予期せぬ異変があったと考える。
セスはベロニカにも転送を試すよう要求するが、彼女は拒否。
彼女を追い出し、転送を繰り返す。
ベロニカはセスの体に生えていた体毛を調べるが、それは昆虫の体毛に酷似していた。
セスもようやく自分の異変に気づく。顔は変わり、歯が取れ、爪がはがれる。
コンピュータでの調査で、自分とハエが遺伝子レベルで融合した事を突き止める。
4週間後にベロニカが呼び出された時には、セスはほとんど怪物になっていた。
ものを口から吐き出した消化酵素で溶かしてから食べる。
さらに耳が落ち、壁や天井に張り付くようになる。
やがて彼は、人間でもハエでもない存在になってしまうのだ。
ベロニカはスターシスに協力を要請。
だが、彼女はセスの子供を身ごもっていた。
ベロニカは子供をおろそうとするが、かけつけたセスにさらわれてしまう。
スターシスはセスの研究所へショットガンを持ってかけつける。
しかし、セスに手足を溶かされてしまう。
セスはベロニカと融合して、家族を一体化させようとする。
セスは最後の変態を始め、あごがはずれ、手足が変形。
もはや怪物としか言いようがない。
転送直前に、スターシスが転送装置を破壊。ベロニカを助け出す。
そして怪物をベロニカが射殺する。

 というわけで、だいたい生物の転送が成功したとしても
転送先が突然故障したらとかと言う事を考えれば、実用的ではない転送装置。
おぞましい変態を続けるあたりは、ここまで見せなくてもと思うが
科学による自然体系の破壊という意味では、教訓を残す。
何とも悲しいのはスターシスで、ふられた女性のために
手足を溶かされてまでベロニカを守るあたりは、ちょっとマネできない。
ジェフ・ゴールドブラムは独特の顔で、ハエ男にしか見えず
以後、ずいぶん損している気がする。

TV放送 91/07/31 06CH 21:00-22:54
 

ザ・フライ2 二世誕生(89)

 ある科学者(ジェフ・ゴールドブラム)が物質転送装置を発明し、
自らの体でそれを実験した。
だが、その時、装置の中にハエが入ってしまったため、彼はハエと融合してしまう。
彼は恋人によって殺されたが、彼女は妊娠していた。
彼女はウジのようなものを生んだ後、死亡。
子供は物質転送装置の研究を受け継いだ大企業に引き取られた。
彼はあっという間に成長し、驚異的な体力と頭脳をもった。
だが、愛していた犬が、転送装置の失敗で怪物になるのを目撃。
5才にして青年のように成長した彼(エリック・ストルツ)は
彼のめんどうを見る科学者に、研究を始めるようすすめられる。
彼は同じ研究所に勤める女性(ダフニ・ズーニガ)とともに転送装置の研究を進める。
だが、死んだと思っていた犬が、
怪物の姿で生き続けているのを見てショックを受ける。
そして、そのまま生きながらえるに忍びなく、薬で殺してしまう。
やがて、彼は転送装置を完成させる。
だが、彼の体に次第に変化が生じる。
科学者によれば、成長が完了した時、特殊染色体によって変化が始まるのだ。
女性との仲が引き裂かれ、彼は信頼していた社長が彼を監視していた事を知る。
そして、彼は自分がハエと結合した父の血を受け継いでおり、
社長は生物学の大改革の実験台に使おうとしている事を知る。
彼は女性ととも逃げるが、彼女は怪物になっていく恋人にショックを受け会社へ連絡。
社長は繭になった彼を回収。
彼が転送装置のプログラムをパスワードでガードしてしまったので、
社長はそれを使う事ができない。
検査の結果、汚染されていない事がわかった女性から、
パスワードを聞きだそうとする。
羽化した怪物が逃走。科学者たちを襲う。
通風孔から社長たちのいる実験室へ侵入。
生け捕りにしろと言う社長の命令を無視して、警備員たちは怪物殺害を試みる。
だが、彼らも全滅。しかし、女性だけは殺さなかった。
身の危険を感じた社長は、ついに怪物を殺そうとするが失敗。
怪物は社長をつかまえ、
彼の作った遺伝子交換システムのパスワードである「パパ」を入力。
ともに転送装置に入り、女性が起動。
社長は怪物となり、怪物は元の青年に戻る。
そして、怪物となった社長は、かつての犬のように見せ物にされてしまうのであった。

 というわけで、荒唐無稽な上に二番煎じの話かと思いきや
けっこうシリアスな内容で、物悲しいものがあった。
でも、他の連中を殺すほど、悪い事をされたわけではないと思うのだが
それに、社長と遺伝子を交換してしまうのもやばい。
(遺伝子を交換したら、社長みたいな人間になってしまうのでは?)
結局の所、前作で人体実験をした父がいちばん悪い気がしてならない。

TV放送 91/05/26 10CH 21:02-22:54
 

ザ・ブリード/NIGHTWORLD(99)

 北極基地では、石油採掘のため、1万7000メートル掘り進む。
これは未知の地層だったが、謎の物質に到達。地質学者キャットは関心を示す。
ジェル状の物質を浴びると、タナカの傷やスタークのインフルエンザが治る。
儲け話になると言う声が出るが、何やら怪物が上がってきたらしく、2人がやられる。
地底で10億年生きていた生物らしく、脱出しようにも逃げ場所がない。
次々と犠牲者が出るが、皆体を切られ、血は吸い取られている。
キャットも襲われるが、ビタミン満載の完全食品を与えられる。
先カンブリア紀に来た彼らは、実はエサを飼育するため人間を誕生させたのだ。
生物はオリを作って彼らを閉じこめ、家畜にしようとしている。
地下に閉じこめられてる間に、人間が予想以上に進化したのだ。
責任者ダレンは重大発見だと騒ぐがやられる。
生物は仲間に信号を送るが、アンテナを破壊。アダムが穴に落として爆破。
彼は死んだかに思えたが、生物が残したジェルで回復。救援のヘリで帰還する。

 と言うわけで、人類誕生の秘密までわかる
大風呂敷を広げた割には、全体の印象は、物体X+プレデター。
しかも、エイリアンは仮面ライダーの怪人のような着ぐるみが
ウロウロするだけだし、
やられた方の人間の描写も、極力特撮とかを避けようとした意図が見え見え。
どう見てもやられるためにだけいると言う感じの上司も、強引さを感じる。

TV放送 2002/11/05 11ch 0213-0359
 

ザ・ブリザード(2016年米)

バーニー 救助隊(クリス・パイン)
ミリアム バーニーの恋人彼女
シーバード 船員(ケイシー・アフレック)
救助隊局長 (エリック・バナ)

起:タンカーが遭難する。
承:救助隊は別の事故に出払っていて、小さな救助船で向かう事に。
転:救助船自体が遭難しそうに。
結:無事生還する。

 1952年。タンカーのペンドルトン号は嵐で浸水。船長が犠牲となる。
船は真っ二つになり、数時間しか持ちそうもない。
救命艇を出そうという意見も出るが、
嵐で持たないと考える船員シーバードは、救命艇を捨てて救助を待つ。
 汽笛で遭難が伝わるが、救助隊は別のタンカーの事故で出払っていた。
残されたバーニーに任され、小さな救助船で救助に向かう事に。
彼には、ランドリー号の救助で犠牲者を出した過去があった。
 激しい嵐で救助船も転覆しそうになるが、何とか乗り切る。
一方、タンカーはわざと座礁させて救助を待つ事に。
 救助船はタンカーに到着。
32名を救助して陸へ向かうが、羅針盤を失って方向が分からない。
恋人ミリアムらがライトで照らし、救助船はそれを目印に港に到着。
彼らの救助劇は、海難事故史上最大の救出活動とされた。

 と言う訳で、クリス・パイン主演の海難救助を描いた実録もの。
嵐でタンカーが遭難するが、救助隊は別の救助に出払っていて、
パインは小舟で30名ものを救助すると言う訳。
大変そうと言う雰囲気はそれなりに伝わるものの、
他の海難事故よりも条件が悪いと言う説明があまりないので、見ていてピンと来ない。

TV放送 2017/01/14 WOWOW 2000-2157
 

ザ・プレイヤー」(92)を見た。

 この映画は、ロバート・アルトマン監督。ティム・ロビンス主演の映画だ。
ロバート・アルトマンと言えば、朝鮮戦争をブラックコメディにした
「M★A★S★H」がよかった監督。
主役のティム・ロビンスは、今まではそれほど目立たなかったが、
この「ザ・プレイヤー」と「ボブ・ロバーツ」と言う映画で一躍クローズアップ。
「ボブ・ロバーツ」では監督も勤め、WOWOW放送後、劇場公開の予定。
こうした鬼才と言う感じの2人が手を組んで、ハリウッドの裏側を描いた映画。
助演として、そこそこの役者が集まっているが、
それとは別に、映画界の話だけに、60名もの役者たちが、実名でゲスト出演。
むしろ、こちらの方が話題になっている感がある。
出演は、前述のティム・ロビンスの他に、
「推定無罪」で殺された女性検事を演じたグレタ・スカッキ。
「ライトスタッフ」で悲劇の宇宙飛行士を演じ、
「レモ/第一の挑戦」でも主役を演じたフレッド・ウォード。
「ゴースト」でインチキ霊媒師を演じたウーピー・ゴールドバーグ。
「48時間」の刑事役や「ブレードランナー」のブライオン・ジェームス。
監督として有名で、出演までしてしまうシドニー・ポラック等。
他に、ゲストで出る人物としては、
ジョン・ヒューストン監督の娘で、「キャプテンEO」にも出てる
アンジェリカ・ヒューストン。
「お熱いのがお好き」「チャイナ・シンドローム」等のジャック・レモン。
「愛は静けさの中に」で聾唖でアカデミー賞をとったマーリー・マトリン。
「ザ・フライ」以来、その風貌のためか、印象が抜けないジェフ・ゴールドブラム。
最近、とんと見なくなったバート・レイノルズ。
「羊たちの沈黙」「レッド・オクトーバーを追え!」等のスコット・グレン。
「時計じかけのオレンジ」「ブルーサンダー」のマルカム・マクドウェル。
「ハドソン・フォーク」等のアンディ・マクドウェル。
「48時間」以来、出演作は見逃せないニック・ノルティ。
ジェームズ・コバーンはセリフもないチョイ役。
「カッコーの巣の上で」「ブレインストーム」のオスカー女優ルイズ・フレッチャー。
刑事コロンボのピーター・フォーク。「テルマ&ルイーズ」のスーザン・サランドン。
そして「プリティ・ウーマン」のジュリア・ロバーツ。
「ダイ・ハード」のブルース・ウィリスと超豪華なゲスト陣。
その他、ちっとも気がつかなかった者まで挙げると、
(もっとも、チャップリンと言うのもリストにあるので、考えてしまうが)
TV「600万ドルの男」ゴールドマン局長こと、リチャード・アンダーソン。
「エアポート75」のスチュワーデス、カレン・ブラック。
「リーサル・ウェポン」「ビッグ・ウェンズデー」のゲーリー・ビシー。
「月の輝く夜に」のシェール。
「ミッドナイト・エクスプレス」の主役で、エイズで死んだはずブラッド・デイビス。
「未知との遭遇」のテリー・ガー。「M★A★S★H」のエリオット・グールド。
「レモ/第一の挑戦」で朝鮮人チュン先生を演じたジョエル・グレイ。
「天国から来たチャンピオン」等に出演し、脚本も書くバック・ヘンリー。
「M★A★S★H」のやな女性士官サリー・ケラーマン。
確か、トム・クルーズの前の奥さんだったミミ・ロジャース。
「007/ダイヤモンドは永遠に」のボンドガールで、
キッシンジャー国務長官の愛人だったジル・セント・ジョン。
「夜の大捜査線」のロッド・スタイガー。
「9時から5時まで」の3人のうちの1人、リリー・トムリン。
「探偵ハート&ハート」の主役で、ナタリー・ウッドの夫だったが、
彼女の事故死後、前述のジル・セント・ジョンに乗り換えたロバート・ワグナー。
と言うわけで、これだけのゲストを集める事は、質的にも量的にも、
他に類を見ないものであると言える。(ハリウッド黄金期にはあったかも知れないが)
ま、一応サスペンス的な感じのようだし、これだけ豪華なら、
ただのニュース映画でも見るべきと考えて、見た。

 グリフィン・ミル(ティム・ロビンズ)は、若手だが、某映画会社の重役。
プロデューサーで、1日にのべ50本だかの脚本が持ち込まれ、
年間1万本の中から、12本だけを選ばなくてはならない。
今日も、「卒業2」の企画(マジであるらしい)等が持ち込まれる。
見ていると、「ゴースト」と何とかを組み合わせたような話で……とか
適当に環境問題を取り込んで……とか、割と陳腐な企画が多そう。
主演も、誰も彼も、ブルース・ウィルスとかジュリア・ロバーツとか
(実際に出演してるからかも知れないが)似たりよったり。
意外に、ハリウッドと言えども、底辺の方は大した発想は持っていないようだ。
スタジオみたいな所には、たぶん大物に違いない連中がウロウロしているが、
全部わかるわけではない。脚本を渡すため、無理矢理入ってくる者も。
警備主任とか言うウォルター(フレッド・ウォード)は、
なぜか映画に詳しくて、最近の映画はカットが多すぎるなどとブツブツ言っている。
グリフィンの所へ、謎の絵はがきが。裏には「脚本家の敵。殺してやる」
等と書かれている。実は、ここ数週間何枚も来ており、ちと気になってる。
今の所、この事を話したのは、秘書の女性だけ。
20世紀FOXの重役ラリーが、こちらへ移ってくる事に。
社長(ブライオン・ジェームス)は、上司になるわけではないと言うが、
グリフィンとしては気になって仕方がない。
彼には、女性重役の恋人ボニーがいる。彼女に、持ち込まれた脚本だと称して、
脚本を没にされた男が、プロデューサーを恨んでいると言う話をする。
もし、そんな事があったら、いったい何ヵ月くらい連絡がないと恨むようになるか。
彼女は、5カ月くらいじゃない?と。
グリフィンのオフィスには、面会記録とか、電話記録とかが膨大に蓄えられていて
5カ月前に脚本を持ってきたが、見もせずに没にした者をピックアップ。
ケヘインと言う男は、まさにその通りで、他社で採用された様子もない。
グリフィンはケヘインの家へ行き、家の前から携帯電話で電話。
家には恋人のジューン(グレタ・スカッキ)はいるが、ケヘインはいないと言う。
彼は、毎週名画座に映画を見に行くのだ。
そこでグリフィンは「自転車泥棒」を上映する名画座へ。
ケヘインらしき男を探し、見つける。偶然を装い接近。だが、ケヘインは信用しない。
この後、日本料理店へ。カラオケまでやっている。
グリフィンは脚本を1本依頼するような事を言うが、
ケヘインはやはり彼を恨んでいた。ラリーが来る事であわててるな等と言い出す。
結論からと言うと、ケヘインは人違いで、絵はがきの事など知らない。
だが、グリフィンは彼が犯人と思いこみ、しつこくもうやめろと言い出すから
ケヘインも怒り出し、グリフィンもカッとなって、裏の駐車場で、
水たまりに顔を押しつけて殺してしまう。
我にかえって、グリフィンは財布などを抜いて逃走する。

 翌日、グリフィンは何事もなかったかのように振る舞うが、
当然のようにかなり動揺していて遅刻までしてしまう。
会社にはラリーが出てきていて、重役連中の中でも、すでに主導権を握りつつある。
彼は脚本に大金をかけるのはムダだと、重役たちが企画を立てればいいと言い出す。
新聞にもアイデアはいくらでもある。グリフィンは新聞で昨日の記事を見つける。
自分の部屋へ戻ると、ウォルターが現れ、昨日はやばかったな等と言う。
彼はグリフィンがケヘインに会い、その後飲んだ事までつかんでいた。
(何で知ってるのかは不明だが)
グリフィンは隠そうとするが、ウォルターは彼が犯人だと確信しているようだ。
だからと言って脅迫でもするのかと思えば、そういう事はないらしい。
続いて、警察からエイブリー刑事(ウーピー・ゴールドバーグ)も来る。
彼女も有名な役者なので、ゲストかと思ったが、そうではない。
警察もおおかたの行動はつかんでいるが、その後別れたと言う話を信じている。
そして、犯人からまたもFAXが。「おれはまだ生きてるぞ」
グリフィンはケヘインの葬式へ。そこでジューンと会い、あの時の男だと話す。
ジューンはケヘインと同居はしていたが、ケヘインは冷たい男だった等と、
あまり悲しんでもいない様子だ。
グリフィンの彼の脚本に対する感想が、コロコロ変わっても(何せ読んでない)
彼女も関心がなかったので、気がつかない。
ボニーはグリフィンの愛情が薄れた事に気づくが、
グリフィンはそんな事はないと言って、トム・ウルフ原作の映画化権をとるため派遣。
彼の所へ、またも絵はがきが送られ、彼はレストランみたいな所に呼び出される。
ここにも、有名スターがいっぱい。
グリフィンは男の現れるのを待つが、いっこうに出てこない。
別に2人の男たちが現れ、強引に脚本の話をする。
気のないグリフィンだが、しかたなく聞く。
妻が夫殺しの罪で処刑されるが、実はそれは偽装で、夫がかけつけるが、
間に合わず、処刑されてしまうと言う話。
彼らは、ハッピーエンドにせず、有名スターの出ない映画にしたいと言うのだ。
やがて、犯人から手紙が。どうやら2人に邪魔されて、今日は来ない様子だ。
グリフィンは車で帰るが、車載FAXでコートの下を見ろと。
助手席のコートの下には、でかい蛇が。
泡食ったグリフィンは、ジューンの所へ。危機に思い出したのは、彼女の事だった。
彼女はいきなり親密になる事を避けるが、結局どんどん接近。
ゲストスターがゾロゾロのパーティにも連れていく。
グリフィンは、あまり乗り気でないラリーに、死刑囚の話の映画化を押しつける。
ラリーはアンハッピーエンドはいいが、有名スターが出ない事には不満だ。
だが、社長は低予算映画で大物になったなどとそそのかす。
グリフィンはこんな映画は当たりっこないと、考えていたのだ。
ちょっと前から身の回りに現れていた、ちと怪しげな男がグリフィンの前に。
こいつは犯人と思わせて、実は違うなとにらんだ通り、彼は刑事だった。
捜査の過程で写真を見てもらうため、エイブリー刑事らのいる署へ。
華やかな映画界のオフィスとは大違いの狭い部屋で、刑事らはぶしつけな態度。
ばれてはまずいと言う思いもあり、むきになって怒る。
彼はボニーを捨て、ジューンと共にメキシコへ旅行を計画。
だが、警察の尾行は続き、突如切り換えて山奥の保養所みたいな所へ。
2人は激しく愛し合い、ついにグリフィンは彼女に、
ケヘイン殺しに関係していた事を話すが、ジューンはもうどうでもよさそうだ。
弁護士(シドニー・ポラック)から電話があり、社長が何でかわからんけどクビに。
次期社長には、ラリーではなく、グリフィンが候補に挙がっていると言う。
だが、警察が出頭を求めており、その結果次第ではスキャンダルになる。
グリフィンは警察へ。実は目撃者がいたのだ。駐車場前に住む婦人。
だが、時間がたっている事と、暗かった事から、もし指名されても否定できる。
5人の男を並べ、婦人に指名させる面通しをするが、警察の思惑とは別に、
婦人は前述のちょっと変な刑事を指し、「母の墓に賭けて間違いない」と言う。
当然、釈放になるが、ウォルター等はまだ信じていない。

 それから1年後。グリフィンは社長として活躍。
ラリーによって、例の映画の試写会が行われる。
処刑寸前の女性を演ずるのはジュリア・ロバーツ。ガス室でついにガスが入れられる。
沈痛な雰囲気の所へ、突如、夫役のブルース・ウィルスが飛び込む。
派手なアクションで、妻を救出するというエンディング。
ボニーは最初の企画と全然違うと激怒。ラリーなどはこれでヒットすると冷たく言う。
それでも彼女はおさまらないので、ラリーは彼女をクビにする。
悲痛な思いでボニーは、グリフィンの所へ。だが、彼も相手にしてくれない。
車で自宅へ。ラリーから電話がかかり、新しい企画の話だと言う。
男は今まで絵はがき専門だったが、最近は脚本を書いていたと言う。
没になり恨まれた脚本家を殺してしまったプロデューサーの話。
彼は脚本家の恋人と結婚すると言うハッピーエンド。題名は「ザ・プレイヤー」。
グリフィンはその結末なら乗ると言う。そして家には妊娠した妻ジュリーが。

 と言うわけで、ハリウッドを舞台にしたサスペンスと思ったのだが、
殺し屋はなかなか現れず、結局こんなラスト。
コメディとも言いきれず、愛憎劇でもないので、ちと戸惑ってしまう。
いかにもヒッチコックの好みそうな設定だが、
彼だったら、あと20分ぐらい続きがあって、犯人との対決があるはず。
結局の所、大勢のゲストを出す事に寄ってしまって、
物語自体は中途半端になった感がある。
パンフレットを見ると、犯人は前半に登場し、セリフまであると書かれているが
そういうのってもう飽き飽きしている。
しかし、主役のティム・ロビンズは、劇中そのままで、
当人も若手だがやり手という感じ。今後の注目が必要かも。
ゲスト陣の登場シーンは、
アンジェリカ・ヒューストンは、ラウンジみたいな所に。
ジャック・レモンも、ラウンジでピアノを弾いていた。
マーリー・マトリンも、ラウンジで手話で登場。
ジェフ・ゴールドブラムは、またもラウンジでラリーだかの企画を聞いている。
バート・レイノルズは、屋外の食堂で愚痴をこぼしている。
スコット・グレンは、試写会中の映画の中に。
マルカム・マクドウェルは、レストランでグリフィンにからむ。
アンディ・マクドウェルもレストランに。親戚じゃないよと言う。
ニック・ノルティは、パーティのシーンで、グリフィンのテーブルに。
「48時間」で共演したブライオン・ジェームズと握手していたように見えた。
ジェームズ・コバーンは、パーティか何かにちらっと。
ルイズ・フレッチャーは、最後に完成した映画の看守役。
ピーター・フォークと、スーザン・サランドンは、取材する記者役。
ま、何しろ大変な映画である事は間違いない。
 

ザ・プロテクター(2008年米)

ジャック・ロビドー 国境警備隊。元市警(ジャン・クロード・バン・ダム)
ラモーナ・ガルシア 分隊長
ビリー・ポーネル ジャックの相棒
ベン・マイヤーズ 麻薬密輸を取り仕切る。特殊部隊にいた

 小さな町の国境警備隊に市警からジャックが赴任する。
大量の麻薬が密輸されており、仕切るのは元米兵マイヤーズ。
公式には戦死したとされる人物で、警備隊に見つかった部下は爆死させられるのだ。
一味に気づいたジャックは、追跡してメキシコへ。
だが相棒ビリーも一味で、捕われてしまう。
娘が麻薬で死んだジャックは、麻薬を扱う連中を倒すために来たと言う。
隊長ラモーナがかけつけ大暴れ。
マイヤーズら一味を壊滅させ、ジャックは故郷へ戻るのだった。

 と言うわけで、今回のバンダムの役柄は、国境警備隊。
と言っても、密入国を見張ると言うより、麻薬の密輸監視が主な目的。
バンダムは素性に秘密がありそうだが、かつて特殊部隊にいたとか言う事もなく、
娘が麻薬で死んだから復讐したかっただけとは、ずいぶん拍子抜け。
格闘では得意の回し蹴りも見られず、
敵が見せたりするものだから、そっちの方が強そう。
気のいい相棒にこれと言った理由もなく裏切られるが、
バンダムの方もあまり気にしてなさそう。

TV放送 2010/01/29 WOWOW 0050-0224
 

ザ・プロフェッショナル(2001年アメリカ)

 ジョー(ジーン・ハックマン)と妻フラン、
そして相棒ボビー(デルロイ・リンド)はチームで強盗を成功させるが、
ジョーの素顔がビデオに撮影されてしまい、引退を決意する。
だがブローカーのミッキー(ダニー・デビート)は次の仕事をせねば
報酬は払わないと言い、甥シルク(サム・ロックウェル)を見張りにつけられる。
だが準備に使用したワゴンが警察に見つかり、怒ったボビーとシルクは離脱。
実はシルクを追い出すための作戦だったのだが、感づかれ結局作戦は実行される事に。
空港に侵入し、小屋を爆破。爆発物を検査すると称して乗り込み、貨物の金塊を回収。
シルクは、ジョーは顔が割れていると称して、分かれて行動する事に。
しかし、シルクが運んでいたのは鉄くずだとわかる。
仲間のピンキーらが捕らわれ、金塊の在処を聞き出される。
ジョーはフランと合流するが、現れたミッキーが横取りしようとする。
だが、ボビーがかけつけ撃ち合いに。ミッキーを射殺する。
しかしフランはシルクを愛するようになっていて、金塊を奪って退散。
ジョーはそれも見越して、金塊を溶かした棒を積んだトラックで退散する。

 と言うわけで、ジーン・ハックマン主演の怪盗もので、
スパイ大作戦かルパン三世かという感じ。
どうせ作戦はうまく行くので、そこらへんの面白さは中くらい。
サム・ロックウェルが裏切るのは容易に予想出来て
「スコア」のエドワード・ノートンを連想させる。
最後に妻に裏切られたはずのハックマンが、すべて予定通りと言いたげだが
説得力はあまりない。
仲間のピンキー役はトゥモロー・ネバー・ダイのテロリストの人。

TV放送 2004/04/30 BS05 2200-2355
 

サベイランス−監視−(2001年米)

 コンピュータの天才であるマイロとテディは、
業界の大物ゲーリー(ティム・ロビンス)から引き抜きを受ける。
テディは市場を独占するゲーリーを毛嫌いするが、マイロは就職する事に。
社は通信システムシナプスの完成を急いでおり、
リサ(レーチェル・リー・クック)らと作業に取り組む。
行き詰まると、ゲーリーが参考になるプログラムを用意。
そんな中、テディが何者かに殺され、ゲーリーがプログラムを盗んだと疑うように。
恋人アリスが止める中、マイロはゲーリーを監視する事に。
施設に侵入し、一味が社員を監視していると気づく。さらにアリスが一味である事も。
シナプスの完成期日を死守するため、殺人をもいとわないのだ。
司法省にもゲーリーの手の者がおり、マイロはリサに協力を求める。
一味のアンテナを利用する事を計画。友人ブライアンに連絡し、
衛星のアドレスを奪おうとするが、気がついたゲーリーが妨害。
実はリサも一味で殺し屋一味に捕われる。
だがその間にブライアンがシナプスを奪い、一味の殺人を世界中へ送信する。
改心したアリスもFBIを呼んでいて、ゲーリー一味が逮捕される。

 と言うわけで、ハッカーと言うか天才的プログラマーが事件に巻き込まれる話。
ビル・ゲイツを思わせるティム・ロビンスが黒幕。
システムを作るために他社の発明を盗むのはありそうな話で
殺人があってもおかしくはないが、
盗聴や盗みがビジネスとして確立しているのはおかしな話。
後半のテンポはよいが、コンピュータを駆使して出し抜きあう面白さはいまいち。
恋人まで敵だったくせに、先輩社員レイチェル・リー・クックを信用してしまうのは
単にかわいいだけだからではと言う気がする。
一応有名な人なんだから、最後にしてやられたと悔しがるシーンでもあればいいのだが
何となくフェードアウトしてしまうし。
むしろ敵だった恋人が寝返る方が面白い。

TV放送 2002/12/08 BS05 1300-1500
 

ザ・ペーパー(94)

監督 ロン・ハワード

 サン紙記者ヘンリー(マイケル・キートン)は、センチネル紙への移籍を検討。
編集局局長アリシア(グレン・クローズ)とトップ記事について口論。
警察は黒人少年を犯人として逮捕するが、
センチネル紙の面接でヘンリーは、白人殺害事件の被害者が銀行重役と知る。
ネタにしたために移籍の話はご破算。組織が損した復讐に重役を殺害したのだ。
警察の証言を得るが印刷は始まり、アリシアは差し替えに反対。
だが真実でない事は報道できないと説得され、差し替えを決意。
サン紙のスクープは翌日のトップ記事となる。

 と言うわけで、新聞記者の1日を描いた作品で
たった1人でこれほど大変ならば、一生やるのはさぞ大変だろうと考えさせられる。
ヘンリーらの上司バーニーにロバート・デュバル。

VHS
 

夢を生きた男 ザ・ベーブ(92)

監督 アーサー・ヒラー

 02年。7歳のルースは手のつけられない悪ガキで更正施設に入れられる。
野球だけは得意でホームランを連発する彼は、14年にレッドソックスへ入団。
子供のように騒ぐが、打つとホームランの彼は、ベーブと呼ばれ人気者になる。
酔ったり、乱闘したりと騒ぎを起こした彼も、カフェで働くヘレンと結婚。
結婚の自覚はなく、遊び回る。オーナーの借金のため、ルースはヤンキースへ。
養女ドロシーをもらい、プロ初のランニングホームランも達成。
病気の少年ジョニーのため、2本の予告ホームランも成し遂げる。
女優クレア(ケリー・マクギリス)とねんごろになり、22年ヘレンと離婚。
鉄人ゲーリックが台頭する中、不調のルースは右打席で打ったり、抗議に暴れたり。
家族に愛されなかったと言う彼は、励ますクレアと再婚。
ゲーリックに対抗意識を持ち、27年に60ホーマーを達成。
32年にはワールドシリーズでも予告ホームランで優勝。念願の監督の座が近づく。
だが、自己管理のできない彼に監督は無理と言われ、最下位のブレーブスへ。
客よせと知ったルースは、不評の中3連続の予告ホームランを達成。引退を決意する。
成長したジョニーは、彼を最高の選手とたたえた。48年ガンで死去。
714ホーマーの記録は74年アーロンが抜いたが、彼は2500打席多い。

 と言うわけで、大打者ルースの伝記映画。子供みたいと言われたのはその通りで
見ていてちょっとイヤになるほど。音楽はエルマー・バーンスタイン。

TV放送 94/05/28 BS05 20:00-21:57
 

サボタージュ(36)

監督 アルフレッド・ヒッチコック

 ロンドンでは、破壊工作による停電が発生。
映画館に住み込むシルビアの夫バーロックは、寝ていたと称するが、
隣の八百屋に潜り込んだ刑事のテッドは外出を確認。彼を監視していた。
バーロックは、市長就任の日に爆弾を仕掛ける指令を受ける。
テッドはシルビアと食事し、彼女はシロと確信。
彼の正体がばれ、バーロックにも協力を依頼。
身動きが取れないバーロックは、義弟のスティービーに爆弾を届けさせる。
それを知らないスティービーは、寄り道で遅くなり、バスの中で爆弾が爆発。
事情を知ったシルビアはショックでバーロックを刺殺。
シルビアを愛したテッドは、逃亡を促す。
一味の男を尾行した警察は、男が映画館に逃げ込むのを見る。男は爆弾で自殺。
バーロックの死体も発見され、事件は終結した。

 というわけで、何のための破壊工作かは不明で、
弟が事故で死ぬシーンばかりが印象に残る。ああいう盛り上げ方はないのでは。

TV放送 92/09/26 BS11 22:00-23:20
 

サボタージュ(2014年米)

ジョン・ウォートン 麻薬捜査局の隊長(アーノルド・シュワルツェネッガー)
モンスター メンバー(サム・ワーシントン)
シュガー メンバー(テレンス・ハワード)
リジー モンスターの妻
キャロライン 殺人課刑事

 麻薬捜査局ジョンらのチームは、組織のアジトを襲撃。
一網打尽にしたついでに1000万ドルをいただくが、
下水道に隠した金が消えてしまう。
上司はチームが金を盗んだと疑い、半年間任務から外される。
証拠の出ないまま調査は終了し、チームは復活。
だが、部下パイロが列車に衝突して死亡。
ネックが釘付けになって殺される事件が発生。
ジョンは捜査官キャロラインと事件を追う事に。
辞めたトライポッドも殺され、犯罪組織ガルザが雇った暗殺集団カイビルが疑われる。
2年前、チームはガルザのボスを捕らえたが、
カイビルがボスと共にジョンの妻子も殺害したのだ。
だが、一連の事件をカイビルの仕業と思わせたのはジョンの罠だった。
グラインダーは、チームで金を盗んだ事をキャロラインに告白するが、
狙撃されて殺される。
狙撃したのはリジーだった。リジーは止めようとする夫モンスターを殺害。
浮気相手のシュガーと車で逃げ回るが、ジョンに追跡され、
事故を起こしてシュガーは死ぬ。
瀕死のリジーは、誰かが金を盗んだから、仲間たちを殺したのだと告白。
するとジョンは、盗んだのは俺だと言ってリジーを射殺して姿を消す。
中米に現れたジョンは大金で警察を買収。
組織を襲撃して、妻子の復讐を果たすのだった。

 と言う訳で、アーノルド・シュワルツェネッガー主演のサスペンス(?)
シュワは麻薬捜査局の特殊チームのリーダー。
摘発した組織の金をいただいたり、潜入捜査で中毒になったりで、
チームは犯罪者と紙一重みたいな状態。
ある時、いただいた札束が消え、さらにメンバーが次々何者かに殺される事態に。
どうやら内部に裏切り者がいるらしいと疑心暗鬼になる訳。
荒っぽい話なのに、クリスティの「そして誰もいなくなった」を基にした物語らしくて
おかげでラストが珍妙な感じに。
サム・ワーシントン、テレンス・ハワードと言う
主役級の人がシュワの部下役で出ているが、あまり目立たない。

TV放送 2015/11/14 WOWOW 2300-0049
 

ザ・ボディガード(2002年米)

フランキー・デラーノ アンジェロの部下(シルベスタースタローン)
アンジェロ・アリギエーリ 組織のボス(アンソニー・クイン)
ジェニファー・バレット アンジェロの娘(マデリーン・ストー)
マルチェロ 人気作家

 フランキーは、慕っていたボス、アンジェロを殺されてしまう。
自らも負傷したフランキーは、アンジェロの娘ジェニファーの所へ。
ジェニファーは、アンジェロが危険な世界を避ける為、
自分を養子に出したのだと知る。
実はフランキーは、幼い頃からジェニファーをひそかに見守ってきたのだ。
だが、マラテスタ一味に狙われていると、フランキーが警護を申し出る。
しかし、ジェニファーは自らカタをつけると、マラテスタの所へ乗り込む。
そうとは知らないマラテスタはジェニファーを気に入るが、
裸を見ると発作を起こして死んでしまう。こうしてフランキーの警護は終了。
ジェニファーは、憧れていた作家マロチェロとデートする事に。
実は、マロチェロの父親はアンジェロに殺されており、
復讐の機会をうかがっていたのだ。
かけつけたフランキーがマロチェロを倒し、
フランキーはジェニファーと結ばれるのだった。

 と言う訳で、シルベスター・スタローン主演のドラマ。
脇役じゃなくて主役なのに、こんな映画があったなんて知らなかった。
スタローンは組織のボスであるアンソニー・クインのお気に入り。
だが、クインが襲撃で殺され、敵の魔手は娘マデリーン・ストーに及ぶ。
ずっと彼女を影で守っていたスタローンは黙って見ておれず、
護衛を買って出ると言う訳。
どこかで聞いたような話で、安心して見られる展開だが、
スタローンが演じてるあたりに場違い感はある。
久しぶりに見たマデリーンも、誰でも良いような感じ。
ちなみに、本作はアンソニー・クインの遺作みたい。

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サボテン・ブラザース(86)

監督 ジョン・ランディス

 1910年メキシコの寒村サントポコ。
無法者エルワポに苦しむ村人は、用心棒を探すが相手にされない。
映画で見たアミーゴ3人組を本物と誤解し、助けを求める。
会社と対立してクビになった彼ら、ラッキー(スティーブ・マーチン)、
ネッド(マーチン・ショート)ダスティ(チェビー・チェース)は
ショーの依頼と誤解して赴く事に。
彼らの登場に困惑したエルワポの子分は退散し、村人は大喜び。
だが、50名の軍勢が現れ、芝居じゃないと知ってアミーゴは退散。
村は焼き討ちされ、カルメンと言う娘がさらわれる。
戦いを決意した3人は、誕生祝いが行われるエルワポの砦へ。
ネッドが早撃ちでドイツ人を倒し、どさくさにカルメンを救出して逃走。
村一丸で戦う事を決意し、得意の裁縫で全員がアミーゴの扮装に。
混乱した一味は逃げまどい、エルワポもやられる。
アミーゴらは報酬を受け取らず、去っていった。

 と言うわけで、「荒野の七人」ネタのパロディと言うところで
一部笑えないジョークシーンがあったが、全体としてはほのぼのとしたコメディ。
結局報酬を受け取らないラストも感動的だ。
音楽は、「荒野の七人」と同じエルマー・バーンスタイン。パロディはなし。

TV放送 94/01/15 06CH 00:55-02:56
 

サマー・シュプール(90)

監督 ウイリー・ボグナー

 富豪ジョージ卿(ロジャー・ムーア)は、会社の不振の責任をとると称して
飛行機から飛び降り自殺。その遺言で、メガソンと言うスポーツイベントで
優勝した者に1億3000万ドルの遺産を与えると言う。
子供のダドリー、ルーシー、アレクサンダーを初めとして、他の連中も集まってくる。
岩場でのスキー、ダムを登り、カヌー、マラソン、
スキーでボブスレーコース走り、カーレースをする過激なレース。
混戦の中、ダドリーらが優勝。実は生きていたジョージが出迎えるが
横取りを企むビクター一味に狙われるが、撃退し、家族の絆を深める。

 と言うわけで、007のスキースタントを担当したウイリー・ボグナーが監督。
それでロジャー・ムーアが出ているが、ゲスト的で出番は少ない。
後は延々とわかりづらいレースが続き、どこが優勢なのかもわからず。
ダドリー役はロジャー・ムーアの実の息子。

TV放送 2000/06/14 01CH 0145-0346
 

ザ・マーダー(2011年米)

ジャック・バートン 刑事(レイ・リオッタ)
アナ ジャックの妻
ジェニー ジャックの同僚。かつて不倫関係に
ブコビッチ FBI捜査官(クリスチャン・スレーター)
アニー ジャックの上司(MIシリーズの黒人)
グローバー ブコビッチの部下
ジョン 犯人

 刑事ジャックは、昔付き合っていたサラが殺され陰部から指輪が見つかったと知る。
ジャックが付き合ったエリーらも殺され、FBIは連続殺人として捜査。
ブコビッチ捜査官は、ジャックが付き合った女性全員が危険だと言うが、
その人数は100人に上り、リスト作成も苦戦。
犯人は、被害者からジャックの交友関係を聞き出したらしい。
妻アナや、かつて不倫した同僚ジェニーも危険だ。
母の死も殺人と判明。暴行はされていないが、陰部から指輪が見つかる。
それはジャックが若い頃に恋人レベッカに贈ったものだった。
レベッカは妊娠したが、ジャックが堕胎させたのだ。
さらに弁護士のトーマスが殺される。
彼とは面識がなかったが、その妻リサとは付き合っていた。
そして、ジャックの妻アナは、
ジャックとジェニーの仲を知り、トーマスと浮気した事があるのだ。
夫婦仲は悪化するが、アナの妊娠がわかり修復。
一方、ジョンと言う男がジェニーに接近。
ジャックは犯人ではないと判断するが、やはりジョンこそ犯人で、ジェニーを絞殺。
ジャックは、犯人がレベッカの子供ジョナサンと知る。
実はレベッカは堕胎しておらず、ジョナサンはジャックの息子なのだ。
神学校に入ったジョナサンは狂信的になり、ジャックに復讐心を抱いた。
ジョナサンはアナを捕らえ、ジャックを呼び出す。
彼はジャックの子供である胎児を集めていた。
神の仕事をしたと言うが、ジャックに射殺される。
事件が解決し、アナは出産。だが、赤ん坊を見てジャックは不安を感じるのだった。

 と言うわけで、レイ・リオッタ主演の刑事もの。
最近とんと見かけないクリスチャンも出るが、こちらはよくある嫌な捜査官役。
リオッタがかつて関係した女性たちが次々殺され、彼にも容疑がかかる。
とは言え、そこはあまり疑われてないようで、
関心はもっぱら犯人がどうやってリオッタの女性関係を調べたかに。
捜査上やむなく白状するが、リオッタと関係した女性は何と100人に上るのだ。
中には、今の妻に隠れて不倫した女性刑事も。
やがて母も殺され、男の犠牲者も出たりして、犯人の狙いが不明に。
女性刑事に接近した男を怪しむが(観客は彼が犯人と知ってる)。。。と言う展開。
この手の話は、二重人格で主人公が犯人だったとか、
いろんな「意外な真相」が出てくるものだが、本作の意外さはワンランク上。
突き詰めると、リオッタの女ぐせが悪いのがいけないんじゃんと言う話で、
後味が悪いと言うほどでもないが、スッキリはしない。

TV放送 2012/12/25 WOWOW 0350-0522
 

ザ・メキシカン(2001年)

 組織で働くジェリー(ブラッド・ピット)は、撃てば暴発すると言う
メキシコで伝説の銃メキシカンを持ち帰ると言う仕事を与えられる。
恋人サマンサ(ジュリア・ロバーツ)は足を洗うはずと愛想を尽かす。
酒場でベックに会ったジェリーは、銃を入手するが、
独立記念日の祝いで撃ちまくった連中の弾が当たり、ベックは死んでしまう。
ベックは大物の孫でジェリーが危険だ。仲間のテッドに連絡すると手を打つと言う。
電話している間に車が盗まれるが、車をぶつけて取り戻す。
一方、サマンサはリロイという男に捕まり、連れて行かれる事に。
サマンサはリロイと意気投合し、愚痴をこぼすように。リロイはゲイだと話す。
テッドがかけつけるが、ジェリーは自分が始末されるのではと考え、逃走。
リロイはジェリーに連絡し、銃とサマンサを交換すると言う。
ジェリーはサマンサと合流するが険悪な雰囲気。銃を見つけたリロイは、
ジェリーを始末しようとするが、ジェリーが彼を射殺する。
サマンサは怒るが、実はそれはリロイではなかった。男がリロイを殺したのだ。
銃を買うと言うマルゴリース(ジーン・ハックマン)が出獄。
ジェリーとは旧知の仲だ。ボスのネイマンを出し抜いて直接彼に銃を渡す事に。
ネイマンはサマンサを捕らえ、トランクに閉じこめジェリーの前に現れる。
銃を渡せと言われるが、銃を持っているのはサマンサ。彼女はネイマンに向けるが
その銃はまともに弾が飛んだ事がない。
だが奇跡的に弾はまっすぐ飛び、ネイマンを倒す。
銃は贈られ、ジェリーとサマンサは旅を続ける事にする。

 と言うわけで、ブラッド・ピットとジュリア・ロバーツなんて組み合わせで
二人が、映画が始まる前から恋人関係なんて設定はちょっとどうかと思ったが、
前半は二人がどんどんトラブルに巻き込まれる感じで、
しかも、それが別に進行するというあたりが面白かった。
しかし、それも半分くらいまでで、後半になるといつまでやってるんだと言う感じで
あと30分短くすれば良かった感じ。
二人が再会してからも長いし、
名前を偽っていた殺し屋が、本当に悪い人かもわからないまま。
どうせ暴発する銃なら、
その点を利用して敵が自滅したら面白かったと思うのは短絡的だろうか。
音楽はアラン・シルベストリ。

TV放送 2002/06/23 BS05 1230-1435
 

PLANET OF THE SHARKS 鮫の惑星(2016年米)

バリック 船長
ニコルス博士 ベストロン研究所の責任者
ショー博士 ニコルスの部下
ビー ジャンクシティの少女
ネイサン パイロット
ダマート サルベイションのリーダー

起:地球温暖化で水没した都市をサメの大群が襲撃。
承:サメにいろいろやられる。
転:電波を利用して子サメに母サメを襲わせるが失敗。
結:母サメを乗せた船が研究所に突っ込んで爆発する。

 地球温暖化で陸地が沈んだ世界。
海に浮かぶ都市ジャンクシティは、サメの大群に襲われて破壊される。
エサがなくなったサメが人間を狙う様になったのかも知れない。
驚いた事に、群れは複数種類のサメで構成されるのだ。
 サルベイションと言う町には、400人以上の人がいてエサが豊富だ。
サルベイションのリーダーであるダマートは、
サメを倒すと意気込むが、やられてしまう。
母サメが電磁パルスで個体を操り、サメの軍隊と化している様だ。
 地球温暖化対策を研究しているベストロンの科学者は、
火山を噴火させてサメを一気に倒す事を計画。
ロケットを打ち上げる必要があったが、電力が足らない。
ショー博士がサメに鉄棒を刺し、その電力を使って発電に成功するが、
彼女は犠牲になる。
発射されたロケットから信号を受けた子サメは母サメを襲撃。
母サメは子サメを撃退するが、バリックの船に乗り上げる。
母サメは船ごとベストロンに突っ込んで爆発。
 6か月後。地球温暖化対策の効果で海面が下がり、
水没していた自由の女神が見えるようになるのだった。

 と言う訳で、猿の代わりにサメが地球を支配すると言う話。
いろんなサメ映画が出来るけど、まだまだこの手があったかと思わされます。
地球温暖化で陸地で水没し、水上に作られた都市をサメの大群が襲う展開。
どちらかと言うと、ウォーターワールドがサメに襲われた感じ。
サメに人類を支配する意図はなく、たまたまエサとして食われただけ。
サメ軍団を崩壊させようとか、水面を下げようと言う研究が進行するが
その理屈はよくわからない。
本家猿の惑星や、シャークネード等の珍作品ほど、設定の面白さはない。

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鮫の惑星:海戦記(パシフィック・ウォー)(2017年米)

フィエン 暴君(ジョン・サベージ)
スクリム フィエンの手下
ウィロー 鮫を操る娘
ティモール ウィローの仲間
シオン ティモールの仲間の女

起:フィエンはサメを操るシステムで、水上都市を支配する。
承:娘ウィローが捕らわれる。
転:ウィローにはサメを操る超能力があった。
結:フィエンとウィローが対決し、ウィローが勝つ。

 水上都市を支配するフィエンは貢物を要求し、逆らう連中をサメに食わせていた。
フィエンはサメを操るシステムを持っているのだ。
捕らわれた娘ウィローは、フィエンの島で働かされる。
 ウィローの仲間ティモールは、フィエンの積み荷を奪って人質の解放を要求。
だがフィエンは逆に、積み荷を渡さねば人質を殺すと脅す。
ティモールは尻込みするが、仲間は戦うべきと言う。
フィエンは、ウィローがサメを操れると知り、その脳波を分析させる。
 ティモールらは再び襲撃するが、捕らわれて処刑されそうに。
だが、ウィローが超能力で妨害。
逆にサメを操り、フィエンの手下スクリムを倒す。
フィエンが大量のサメを操るが、これもウィローが妨害し、逆にフィエンを倒す。
ウィローは村を救った英雄とされ、父を継いだサメ使いと呼ばれるのだった。

 と言う訳で、鮫の惑星第2弾。
前作と同じく水没した世界が舞台だが、
なぜそうなったかは語られず、似た設定の別の話かも。
今回もウォーターワールド風の話で、
デニス・ホッパーみたいな暴君がジョン・サベージ。
彼は鮫を操るシステムで、人々を従わせている訳。
一方、鮫を超能力で操る少女もいて、これが対決する展開。
前作は、まだ鮫が人類の脅威となった感があったが、
本作の鮫は人間の小道具に過ぎず、鮫の惑星には程遠い。

TV放送 2017/12/18 ムービープラス 2305-0050
 

寒い国から帰ったスパイ(1965年米)

 西ベルリン。リーマス(リチャード・バートン)は、リーメックの亡命を待つが
彼は亡命寸前に射殺され、宿敵ムントへの怒りを募らせる。
彼は図書館で働き、コミュニストの同僚ナンと恋仲に。
アッシュ氏を通じて、仕事の経験を出版しろと称して東ベルリンへ連れて行かれる。
一味はリーマスの情報を聞き出そうとする。国家評議会は彼を査問会に。
ムントの副官フィードラーは、ムントが二重スパイだと言うがリーマスは否定。
リーメックを要職につけたのもムントだ。
ムントの弁護側は、リーマスがムントを陥れようと、フィードラーを利用したと主張。
ナンが呼ばれ証言させられる事に。彼女はスマイリーと言う人物から金を受けており
彼はムントを陥れるロンドンの手の者だとわかる。
フィードラーは拘束され、ムントは復職。リーマスとナンは逮捕される。
だが、実はやはり西側だったムントは、リーマスとナンを逃がす事に。
フィードラーがムントを疑ったため、リーマスらが利用されたのだ。
リーマスらは鉄の壁を越える事になるが、ナンが撃たれ、
戸惑って引き返したリーマスも撃たれて死ぬ。

 と言うわけで、ジョン・ルカレ原作のスパイもの。
たしか、原作も読んだ記憶があるが、結末くらいしか印象にない。
題名は何かすごみを感じさせる感じだが、結局の所使い捨てのスパイの悲哀の話で
スカッとするような話でないのは予想通りだが、
スパイってこんな物かと愕然とさせられるほど、目新しい話でもない。
Mことバーナード・リーが、主人公が通う雑貨屋の主人役。

TV放送 2003/10/20 BS11 1700-1850
 

ザ・ヤクザ(1974年米)

ハリー・キルマー 日本に詳しい(ロバート・ミッチャム)
田中健 元ヤクザ(高倉健)
オリバー ハリーの旧友
ダスティ ハリーの相棒
英子 健の妹(岸恵子)
健の兄 (ジェームズ繁田)
東野 ヤクザの親分
タナー ハリーの友人(ブライアン・キース)

 ハリーの旧友タナーの娘が、ヤクザにさらわれる。
タナーは積み荷を失い、ヤクザに狙われていたのだ。
タナーはヤクザに詳しい健と協力し、娘を救出してほしいと言う。
ハリーは英子と言う女性と親密だったが、兄である健が戦争から帰還した為、
ハリーが身を引いた過去があった。
ハリーは健と再会。ヤクザから足を洗ったと言う健だったが、ハリーの為に協力。
東野組を襲撃し、娘の救出に成功する。
だが、東野組の報復を受け、ハリーの相棒ダスティと、英子の娘花子が殺される。
東野とタナーは通じていて、ハリーらを陥れたのだ。
実は健は英子の兄ではなく、夫だった。
実の娘を殺された彼は、怒りに燃える。
ハリーと健は、タナーと東野を襲撃して倒す。
警察はタナーと東野が殺し合ったと言う事で決着する。
健の兄は一件落着したと言うが、健はけじめをつける為、指を切り落とす。
健の人生を壊したと感じたハリーもまた、自らの指を切り落とす。
ハリーは、これ以上の友情はないと言って帰国するのだった。

 と言う訳で、高倉健が出るヤクザ映画をアメリカ映画目線で描いた話。
主演はロバート・ミッチャムで、彼は戦後直後に日本にいた過去があり、
日本の文化(ヤクザ回りを含む)に詳しかった。
知人の娘がヤクザに誘拐され、助ける為にミッチャムが来日。
旧友高倉健と共に娘を救出するが、
その為にメンツをつぶされたヤクザ組織は2人を付け狙うと言う展開。
真相はどこかで聞いた感じで、ヤクザを絡めたあたりが特色。
日本スタッフが参加したので、
日本を描いた映画によくある珍妙な描写がないと聞いていたが、
それなりに違和感はある。

TV放送 2015/09/14 ザシネマ 1445-1637
 

さよならゲーム(88)

 マイナーリーグのブルズに新人投手エビーが入団。
ボールは速いが、コントロールは無茶苦茶。
アニー(スーザン・サランドン)は野球狂で、毎年特定の選手を教育してしまう。
今年の相手にエビーを選び、公私共に相手をし始める。
エビー教育のため、ベテランキャッチャーのクラッシュ(ケビン・コスナー)も入団。
エビーは好きかってに試合を続けるが、チームは連敗。
クラッシュの教育もあって、何とかエビーは調子を出し、チームは連勝。
ジンクスを気にして、エビーは寝ようとしないので、アニーは調子がおかしい。
ようやく連勝が途絶えた日、エビーの大リーグ行きが決まる。
役目を終えたクラッシュは、別のチームへトレードされ、
マイナーリーグのホームラン記録を樹立。アニーの所へ戻ってくる。

 というわけで、野球の映画にしては、試合がそれほどなく
「さよならゲーム」になるような展開もない。
アニーは、でしゃばり女という感じ。
クラッシュがいろいろと教育するのはいいが、ラストが地味でいまいち。

TV放送 91/11/17 10CH 21:02-22:54