シューター(94)

 連邦保安官マイケル(ドルフ・ラングレン)はCIAの依頼でチェコへ。
キューバ大使を暗殺の容疑者として、引退したはずの女狙撃手シモーヌを追う事に。
犯人は首脳会議を狙うらしい。追跡の末、シモーヌを捕らえる。
だが、一味は彼女を抹殺しようとし、首脳狙撃を彼女のせいにする気と判明。
しかも恩人アレックス(ジョン・アシュトン)こそ狙撃手で、
キューバ人トレーラの指示と判明。シモーヌは射殺され、アレックスは爆殺。
首脳会議場でトレーラを射殺。CIAはシモーヌの仕業として処理した。

 と言うわけで、ラングレン主役のB級ぽいアクションもので、
彼が主役の別の映画でもそうだったが、意外にみんな敵でどんどん死んでいく話で
安易にも思えるが、救いがない。深い陰謀と言う展開だが、それほどには思えない。

TV放送 98/01/29  12CH  21:02-22:54
 

シューテム・アップ(2007年米)

スミス 凄腕の男(クライブ・オーウェン)
娼婦 スミスの知人(モニカ・ベルッチ)
オリバー 赤ん坊
ハーツ 追っ手のリーダー(ポール・ジアマッティ)
ハマーソン社長 軍需産業
ラトリッジ議員 銃規制を主張

 ベンチに座っていたスミスは、妊婦が男に追われるのを目撃。
黙っておれず、男を殴り殺す。
さらに襲撃する一味を倒し、出産を助けるが、流れ弾で妊婦は死ぬ。
赤ん坊のため、母乳プレイをする娼婦の所へ。
一味のリーダーハーツは50人集めて襲撃するが、スミスはものともせず返り討ちに。
赤ん坊がヘビメタが好きな事から、スミスは母親がヘビメタの店にいたと気付く。
そこには、骨髄移植のため、
ラトリッジ議員の赤ん坊を大量に作ろうとする妊娠工場があった。
軍需産業のハマーソン社は、銃規制を主張する議員を始末しようとしたのだ。
スミスは赤ん坊を娼婦に託し、議員の専用機へ。
議員がひそかにハマーソンと通じている事に気付き、議員を射殺。
銃規制の声が高まるだろうと言い、スカイダイビングで脱出。
追っ手を空中で全滅させる。
一味は議員の死を隠ぺいしようと、スミスを捕らえて指を折る拷問。
だがスミスは反撃し、ハマーソンとハーツを倒す。
スミスは街を去った娼婦を見つけ出すが、店に強盗が入り、またもスミスは大暴れ。

 と言うわけで、クライブ・オーウェンと言う人は、
ジェラルド・バトラーと同一人物と思うけど、その主演アクション。
主人公は事件に巻き込まれ、と言うよりは自ら事件に飛び込み、大暴れと言う訳。
その暴れっぷりは、トランスポーターとかを連想させ、
やたら撃ちまくると、こちらはほとんどやられず、敵がどんどん倒れる寸法。
シリアスとは言い難い。
一応、陰謀らしきものがあるが、それがわかるのは終盤。
それまでは、そしてその後も、ひたすら撃ちまくる訳で、
あまり頭のいい映画ではないね。

TV放送 2009/04/12 WOWOW 2300-0026
 

17歳のカルテ(1999年)

 自殺を図ったスザンナ(ウイノナ・ライダー)は、父に手を焼かれて
クレイムア病院に入れられる。そこは奇妙な連中ばかり。
同室のジョージーナ(クレア・デュバル)は比較的まともだが虚言癖あり。
脱走常習のリサ(アンジェリーナ・ジョリー)は何かと威張り散らす。
ポリーはアトピーが原因で犬を捨てると言われ、自分の顔に火をつけた。
デイジーは自宅のチキンしか食べられず、隠れて食べ続ける。
作家志望のスザンナは日記を書く事に。デイジーが退院する事に。
自分の秘密を語れれば退院できるが、それが出来ねば終身刑だと言われる。
スザンナは治療の事を何も聞かされず、リサに相談。
リサは秘密の通路から、ウィック博士(バネッサ・レッドグレーブ)の部屋へ。
そこで自分のカルテを盗み見る。
スザンナは出征する事になった恋人トビーと会うが、それに嫉妬したポリーが暴れる。
慰めるため楽器を持ち出したりして騒いで
看護婦バレリー(ウーピー・ゴールドバーグ)らを怒らせる。

 リサはスザンナに声をかけて脱走。デイジーの家へ飛び込む。
デイジーが自殺を続けていると知ったリサは、彼女の病気は治っておらず
医師が見放しただけだと言う。翌朝、デイジーは首を吊って死ぬ。
スザンナはショックを受けるが、リサは平然と金を奪って逃走する。
病院に戻ったスザンナは、外へ出るには自分が理解できねばダメだと言われる。
リサもやがて捕まる。スザンナは作家を目指し、ついに退院が決まる。
だが、リサらが集まり、スザンナの日記を勝手に読む。
悪口が書かれていると怒るリサは、ここでは皆背中を押されて死にたがってると言う。
だが自分だけは誰も押さないと言うと、スザンナは彼女がすでに死んでると指摘。
ここでなければ生きられなくなっていると。
ここも外もウソだらけだが、それでも生きるのを選ぶと言うスザンナ。
ショックを受けたリサは自殺しようとするが、止められる。
スザンナの退院の日。ベットに縛られているリサは、自分は死んでいないと言う。
スザンナは彼女たちには弱点はあっても友達だと感ずる。
70年代には大半が社会に戻り、戻らなかった者もいた。

 と言うわけで、アンジェリーナ・ジョリーがアカデミー賞を取ったと言うので
いずれは見ねばと思ったが、なかなか放送しないのでレンタルで見る。
ウイノナ・ライダーが主演とは知っていたが、
どんな話かと思えば、精神科の病院の話で、実話に基づいた話らしい。
これはちょっと重い話かとも思ったが、見ているとなかなか面白い。
主人公が比較的普通の少女と言うのがミソで、
極端な症状ではないので、
いろんな症状の連中のそれぞれに、微妙に接点を感じてとまどうところがポイント。
ただ、アンジェリーナ・ジョリーは暴れ回ったりして熱演と言うのはわかるが、
本当に他にもっといい作品はなかったのか、気になるところ。

VHS
 

12人の怒れる男 評決の行方(97)

監督 ウイリアム・フリードキン

 デービス(ジョージ・C・スコット)らは少年による父親殺しの陪審員に。
全員が有罪と言うが、1人の陪審員(ジャック・レモン)だけは
簡単に死刑にはできないと討議を求める。
目撃者は逃走を見たと言う老人と、電車の窓越しに見たと言う女性だけだ。
少年は暴力を振るい、ナイフを持っていたと言うが、それだけでは証拠にはならない。
彼の熱弁に、次第に無罪に転ずる陪審員が増える。
動機があったのは少年だけだが、老人は注目されるためにウソをついたのかも。
記憶も怪しい。女性も電車越しでは目撃できないはずだ。
心理テストは犯罪者タイプと言うが、それが殺人の証拠にはならない。
女性はメガネをしているため、当時ははずしていたため誤認もあり得る。
ついにデービス以外の全員が無罪に。
デービスだけは息子とだぶらせ有罪を主張し続けるが、ついに無罪を認める。

 と言うわけで、かつて映画化された物語のTV版リメイク。
役名のわからない登場人物と、犯人も被害者も出てこない事件の推理で
それはそれとして面白いのだが、見ている方としては全体像が捕らえづらい難も。
老人の陪審員にヒューム・クローニン。

TV放送 1999/12/05 BS05 1420-1630
 

ジュエルに気をつけろ!(2001年)

 バーテンをしていたランディ(マット・ディロン)は
バーマイスター(マイケル・ダグラス)という男に身の上を話す。
彼は襲われかけた女性ジュエル(リブ・タイラー)を助け、彼女に迫られる。
だがジュエル恋人ユタと組んで恐喝していたのだが、ランディに惹かれたと
ユタを射殺してしまう。仕方なく正当防衛にするが、
刑事のチャーリー(ジョン・グッドマン)はこの話を怪しむ。
騒ぎを起こしたためにランディはクビに。ジュエルは家に居座る。
その上、家具を揃えるためと称して、泥棒に協力させられる。
弁護士の家に盗みに入るが、予想外に早く帰宅し、またもジュエルが殺してしまう。
チャーリーは、ランディがジュエルに暴力をふるったとして、家から追い出す。
家を取り戻すため、殺し屋バーマイスターを雇った。だが気が変わって止めに急行。
チャーリーやランディのいとこカールもジュエルに惹かれ、一同が集まり
さらに、ユタの弟まで現れて撃ち合いに。チャーリーは撃たれ、
ランディも狙われるが、ジュエルが射殺する。
彼女はバーマイスターの家に関心を持ち、彼と立ち去る。

 と言うわけで、同じマット・ディロンが出ていた
「メリーに首ったけ」と同じパターンで、いろんな男が同じ女性に振り回される話。
Hぽさを落とした代わりに、犯罪に手を出す危ない展開に。
マット・ディロンがここでは気が小さそうな男の役で
3人の男が、それぞれ彼女の事を他人に相談しつつ
最後に一堂に会すると言う展開は、まあそこそこ面白いのだが
目新しさはいまいち。ラブコメとしての後味の良さはなく
ランディにとってハッピーエンドでなし。
製作に関わったと言うマイケル・ダグラスが、何やらいい気分のエンディングに。
エンディングをもう少し変えれば、ラブコメとして面白かったかも知れない。

TV放送 2002/05/18 BS05 2200-2335
 

シュガー・ラッシュ(2012年米)

ラルフ ゲームの悪役
バネロペ レースゲームのキャラ
フィックス ゲームの主役
軍曹 シューティングゲームの上官
キャンディ大王 レースゲームの主催者

 30年前に人気のあったフィックスと言うキャラが主役のゲームは、
今もゲームセンターの片隅にあった。
閉店後、ゲームセンターではいろんなゲームのキャラが集って交流。
フィックスのゲームの悪役ラルフは、自身もヒーローになりたいと言う思いを語る。
30周年のパーティが開かれるが、ラルフは招待されず失望。
ヒーローになりたければ、メダルを手に入れろと言われる。
そこでラルフはゲームを抜け出して、シューティングゲームへ。
メダルを手に入れるが、戦闘機が暴走して別のゲームへ飛ばされる。
店員がラルフの不在に気付き、このままではゲームが撤去されてしまう事態に。
フィックスはシューティングゲームの軍曹とラルフを探し回る。
ラルフはシュガーラッシュと言うお菓子の世界のレースゲームに迷い込む。
そこで出会った、元気の良い娘バネロペにメダルを奪われ、
彼女はそれでレースの参加を申し込む。
他の選手にいじめられるのを見かねたラルフは、彼女に協力する事に。
練習の末、バネロペはレースの腕を上げるが、
現れた主催者キャンディ大王は彼女を出場させられない理由を語る。
不具合のある彼女がレースに勝てば、
人間の目につき、ゲーム自体が止められてしまうのだ。
それを知ったラルフはバネロペの車を破壊。
しかし、シュガーラッシュの筺体を見たラルフは、バネロペこそ主役だと気付く。
ラルフは捕らわれたバネロペを救出。車を直してレースに参加させる。
バネロペは不具合ゆえの瞬間移動で上位へ躍り出る。
実はキャンディ大王の正体は、
他のレースゲームを破壊したとして知られるターボだった。
ラルフらの協力もあって大王を撃退。
シューティングゲームの虫が大量に侵入するが、ラルフが火山を噴火させて一網打尽。
バネロペは無事1位でゴールし、本来の主役であるお姫様の姿になる。
だが、柄ではないと、バネロペは元気の良い姿を選ぶ。
フィックスは軍曹と結婚。
ラルフは撤去を免れたゲームに戻り、バネロペを見守り続けるのだった。

 と言う訳で、ディズニーによるゲームの世界を描いた話。
悪役がビルを破壊し、主人公が直すと言う
30年前のゲーム(ドンキーコング風)の悪役ラルフが主役。
仲間は30周年で祝うが、ラルフは招いてもらえず失望。
メダルを手に入れればヒーローになれると信じ、
他のゲームに乱入したりした末、シュガーラッシュと言うレースゲームに迷い込む。
お菓子の世界でレースをするマリオカート風で、出場したがる娘バネロペと親しく。
実はバネロペには不具合があって、
彼女が表に出ると、ゲーム自体が止められてしまう可能性があると言う訳。
おもちゃの世界を描いたトイストーリーがあったので、
そのバリエーションだが、ゲーム好きの心をくすぐる面あり。
クッパやパックマン、ソニック、ストリートファイターなんかも出てます。

TV放送 2014/11/01 WOWOW 2015-2156
 

守護神(2006年米)

ベン・ランドール 救難士(ケビン・コスナー)
ジェイク・フィッシャー 訓練生(アシュトン・カッチャー)
エミリー ジェイクの彼女
スキナー 教官
ヘレン ベンの妻(逃亡者の妻)

 救難士ベンは、危険を顧みず、妻ヘレンは愛想を尽かす。
ある時、同僚を失う事故に遭ったベンは、
ショックから現場を離れて、訓練学校の教官となる。
 訓練生ジェイクは、潜水時間などの記録でベンを抜くが、
ベンには落下しそうな男の腕を、20分間つかんでいた記録があると言う。
 ジェイクは飲み屋で海軍とケンカ騒ぎを起こす。
ベンは、ジェイクが同僚を事故で失った過去を引きずっていると知り、
一緒になってケンカに参入。
 そんな事を経て、卒業したジェイクは現場に出る事に。
逆に、現場で動けなかったベンは辞職を決意する。
 ある時、遭難事故が発生。
ジェイクが出動するが、苦戦していると知り、ベンがかけつける。
閉じ込められているジェイクを救出し、ヘリで2人を吊り上げるが、
重みに耐えられないと知ったベンは、自らのワイヤーを切って落下していった。
 その後の捜索でもベンは見つからず、
アリューシャン列島まで泳いだと言う噂も流れた。
数週間後。救助された男は、海の中に男がいて励ましてくれたと語る。
そこに伝説の男がいた。人は彼を守護神と呼んだ。

 という訳で、ケビン・コスナーとアシュトン・カッチャー競演の救難士もの。
ケビンに陰りが見え、カッチャーがうさんくさかった頃の作品で、
見るのに10年かかったと言う次第です。
救難士ケビンは事故で同僚を失い、ショックで現場を離れて訓練学校の教官に。
有望な新人カッチャーを鍛えると言うよく聞く展開。
終盤に、さらにお約束な見せ場があって、あまりのベタな感じに失笑。
守護神と言うタイトルも、ちょっとダサい気がしたんだけど、
最後の最後に説明があって、ここはちょっと面白い。

TV放送 2016/04/25 テレビ東京 1350-1555
 

ジュニア」(94)を見た。

 シュワルツェネッガーと言えば、現在最も人気のある俳優の1人と言える。
何かと比較されるスタローンが、「クリフハンガー」で復活したが、
「デモリションマン」でまたコケた等と言われるのに対し
シュワちゃんの方は、「ラスト・アクション・ヒーロー」が失敗しても、
アレは失敗作だと笑って言ってのけて、人気が衰える様子もない。
映画史上最高製作費を投じた「トゥルーライズ」も、
それなりにヒットはしたようだが、収支としては大赤字で、
監督のジェームズ・キャメロンは「エイリアン4」で回収するとの噂もあるのだが。
まあ何はともあれ、彼の人気はまだまだ衰えないが、
アクション映画だけでは長続きしないと言う意識はあるようで、
そこがスタローンよりも要領がいいゆえんかも知れない。
そんな中で、彼が挑戦し続けているのが、コメディ映画だ。
コメディと言うと、シリアスなものよりも芸が必要で、
それは共演のダニー・デビートなどを見ればわかるが、
いかんせん、シュワちゃんに演技力などはなく、
かと言って、普通の会社員を演じられる体格でもないわけで、
彼の肉体的特徴と、そこから発想できる不器用なイメージを
逆手にとった設定のコメディなら、彼にでもできると言う事になったようだ。
「ゴーストバスターズ」等の監督アイバン・ライトマンと組んで、
「ツインズ」「キンダガートン・コップ」に出演。
どちらも不器用さを売り物に、脚本と共演者で面白くした感じだ。
今回は、「ツインズ」で、似ても似つかぬ双子役を演じたデビートと再共演。
女ぽいと言う言葉に程遠いシュワちゃんが、何と妊娠してしまうと言う展開。
実際には、男が妊娠すると言う発想は、これが初めてではなく過去にも記憶がある。
まあ、その設定から予想されるギャグもあるのだが、
爆笑の連発とはいかないまでも、それなりに楽しめるには違いないのだから。

 アレックス・ヘス博士(アーノルド・シュワルツェネッガー)は
流産は、母体が子供に拒否反応を示しているためと考え、
その状態を改善するための新薬「ニンシンスール」を開発。
流産癖のあるチンパンジーで実験し、彼女を妊娠させる事に成功する。
共同開発者で、開業医もしているラリー・アーボガスト博士(ダニー・デビート)と
人間での実験の許可を求めるが、協会はこれを認めず、
大学と研究所長ヘインズ(フランク・ランジェラ)は、
アレックスらの研究中止を命ずる。
彼らは研究室を奪われ、そこへは冷凍卵子の権威である
ダイアナ・レディン博士(エマ・トンプソン)が。
彼女は、自分のために彼らが追い出されたと考え、研究に部屋を使ってもいいと提案。
ラリーはカナダの製薬会社に売り込み、世界的に評価されれば、
アメリカでも販売できると、研究の続行を計画。
ここでやめては、今までの投資がムダになってしまうのだ。
だが、研究一筋で冷徹な男と言われたアレックスは、
どうせ人体実験はできないのだから無理だと、ヨーロッパへ旅立つと言う。
隠れて実験をしてくれる女性などいるはずもない。
ところが、ラリーは、実験の目的は人体の反応にあって、妊娠自体ではないと言う。
受精卵を男性の体内に注入し、ニンスンスールで拒否反応を抑える事によって
人体の反応を調べる事ができる。
その実験対象に、ラリーはアレックスを考えていた。冗談じゃないと怒るアレックス。
ラリーは、冷徹なアレックスに好感はもっていないが、
仕事のパートナーである以上、彼なしに研究はできない。
必死に説得した結果、離陸寸前の飛行機からアレックスを連れ戻す事に成功する。

 時を同じくして、ラリーの別れた妻アンジェラが、妊娠したとラリーに相談に来る。
7年間結婚生活して、ついに妊娠しなかったアンジェラだが、
たった1日相手をしただけの行きずりの男が妊娠させたのだ。
(「エアロスミス」の付き人と言う設定。どうしてそんな具体的にしたのだろうか)
妊娠させたのが自分でないと知り、ショックを受けるラリー。
今でも家族同然の彼女の診察はできないと、担当を拒否するが、
代役のネッドは、彼女に色目を使うので避けたい。
あまり強硬に頼まれるので、しかたなく引き受ける事とする。
一方、問題のアレックスに注入する受精卵だが、アレックスが精子を出し、
卵子の方は、無名のものをラリーが調達する事になる。
と言っても、彼にアテがあるわけではなく、
レディンの研究室に忍び込み、冷凍卵子の中から、
「ジュニア」と書かれたものを選んで盗み出す。
アレックスの元気のいい精子は、たちまち卵子に到達。受精卵が完成。
これを注射器で腹部の空洞に注入。
女性ホルモンやニンシンスールで、受精卵の成長に必要な環境を作り、観察する事に。
この危険な実験のために、アレックスはラリーの家に住み込む事になる。
何となく、本当に妊娠しそうな設定だが、よく考えてみると、
男性の体には、受精卵ないし胎児に栄養を与える仕組みがないと思うのだが。

 実験は続き、彼らは普段は何食わぬ顔で、レディンの研究室で研究を続けていた。
だが、アレックスは、しばしば嘔吐するし、乳首が敏感になった等と言い出し、
周囲は何かの病気ではと心配する。
特にレディンが心配するので、
ラリーは、オーストリアの彼の出身の村にしかない奇病だと称してごまかす。
さらにアレックスは、妙に食欲が出たり、人恋しくなったりして、
ラリーがカナダの製薬会社に売り込むために参加したパーティに、ついてきてしまう。
冷徹と言われたアレックスが、食事を食べまくり、
妙に朗らかに周囲の人々と話すものだから、参加していたヘインズ所長は不審に思う。
しかも、ラリーは製薬会社の連中と、実験の結果がどうとか話している。
ここへレディンも来ていて、妙に輝いているアレックスに魅力を感じる。
彼女は、何かするたびに周囲の迷惑をかけるドジさだが、
物語的にはさほど重要ではない。
アレックスもレディンにひかれているのに気づいたラリーは、
このままではやばい事になりそうだと、アレックスを引っ張って外へ。
アレックスは、生きてるって素晴らしい等と、ネボけた事を言い出す始末で
これは実験の悪影響だと、ラリーは実験の中止を決意。
もはやデータは取ったから問題ない。
ニンシンスールの服用さえやめれば、受精卵は溶けてなくなるはずだ。
と言うわけで、自分の家に戻されるアレックスだが、
一度は素直にやめようとしたニンシンスールを、やっぱり飲んでしまった。

 数週間後。ラリーはアレックスの腹が異様にふくらんでいる事に気づいた。
他の者は、中年太りだと気にしないが、ラリーはすぐに気づいた。
ニンシンスールの服用を続けているのだと。
さすがのラリーも、出産まで男性に続けさせるつもりはなく、
そんな事をしたら、どんな悪影響が起きるか想像もつかない。
ただちにやめろと言うが、アレックスは生命の素晴らしさに気づいたと、
生む決意をしていた。
とにかく診察しようと、ラリーの病院で口論に。
「おれは生む!」と叫ぶアレックスに、妊婦たちはびっくり。
ラリーはあわてて、妊娠したと思いこむ精神錯乱等とごまかす。
彼が元妻アンジェラの診察をしている間に、
関心をもった妊婦たちが、アレックスの話を聞きたがる。
「初めて?」と言われ、「はい」と答えるアレックス。
セリフだけは普通の妊婦のようだ。
子供の名前は何にすると聞かれ、男ならジュニア。女でもジュニアと決める。
ラリーはアレックスの決意が固いと知り、そういう事なら、極秘に進めようと決断。
再び、アレックスはラリーの家へ移る。
レディンはアレックスが研究所に来なくなったため、
書類を届けに来た等と称して、訪問に来る。
腹が出ていても気にしない等と言うレディン。
2人は互いに意識している事に気づくが、恋には不慣れで、ペースはスロー。
そこへアンジェラが訪問してきたため、レディンはあわてて帰る。
アンジェラは悪い事したわね等と言いながら、2人でそこらにある物を食べ始める。
すると2人ともすごい食欲で、アンジェラも思わず、
あなたも妊娠してるみたい等と言い出す。

 その頃、ヘインズ所長は、ラリーらがあいかわらず
ニンシンスールの成分を要求している事から、実験が続いていると勘繰る。
ひそかにラリーの家に忍び込んだ彼は、ごみ箱からニンシンスールのアンプルを発見。
確信を深める。どこかに、実験に協力している女がいるに違いない。
一方、アレックスとレディンは食事へ。
彼女は、子供は欲しいが、いい相手がいなかったと言う。
そのため、卵子を採集して冷凍してあると言う。
これなら、結婚が遅れても大丈夫だと言うのだ。
その卵子は、他の卵子と一緒に保管されているが、
自分の名前を書くのは恥ずかしいので、「ジュニア」と書いてあると言う。
その話を聞いてびっくりするアレックス。
あわててラリーの所へ行き、真相を聞く。
するとラリーは、無名の卵子が手に入らず、レディンのを拝借したと白状。
あろう事か、アレックスの腹の子供の母親は、レディンだったのだ。
彼ら2人の怪しい関係に、アンジェラはホモではと勘繰るが、
ラリーは真相を告げ、彼女は気絶してしまう。
話の途中で逃げ帰られたレディンは、アレックスに腹を立てていた。
アレックスは謝るため、真相を告げると、
彼女はウソをつかれた事と、卵子を盗まれた事と、
妊娠と言う女性の仕事まで奪われた事などで、頭に来て怒り出す。
そこへ、彼こそが実験台と気づいたヘインズ所長が、
彼らの研究を自分の成果にしようと、アレックスを大学の所有にしようとする。
ぼくは誰の所有でもないと怒ったアレックスは逃走。
かけつけたラリーの車に飛び乗る。
ラリーは、レディンが怒った事を聞いて、女はわがままだと言う。
妊娠した時は、この苦しみを男にも味わせたいと言うクセに、
いざ生まれると、妊娠を奪うなと言うのだ。

 ラリーが用意した隠れ場所は、夫が仕事でいない妊婦用の保養施設へ。
アレックスは女装し、アレクサンドラと称して、ラリーの妻と言う事に。
バカでかい体格だが、東ドイツの陸上選手で、筋肉増強剤でこうなったとごまかす。
女としての生活を通じ、出産の準備をするアレックス。
その一方で、レディンに謝りたい、愛してる等と、留守電に言葉を残す。
ついに決意したレディンは彼の前に現れ、生まれてくる子供は私の子でもあると言う。
育児等の母親の仕事さえ奪わなければ、認めてもいいと言う事に。
そんなある日、ついにアレックスに陣痛が始まる。
保養施設の職員は、医師を呼ぶと言うが、アレックスは拒否し、部屋に閉じこもる。
専門の医師でなければダメと、ラリーに電話。
運悪くと言うか、運悪くと言うか、ラリーはカナダで商談していた。
製薬会社は関心を持ち、契約成立。喜ぶラリーに連絡が入り、あわてて帰国する。
そして、レディンも陣痛が始まったと聞いて、急行。2人がほぼ同時に到着。
苦しむアレックスをかかえて外へ。それまで女声で苦しんでいたが
思わず、「くそっ」等と言い出す始末。

 ラリーは同僚のネッドに電話し、帝王切開の用意をしろと言う。
そして、他の職員は追い払えと。
だが、この動きに気づいたヘインズ所長は、
マスコミを集めて大々的に発表しようとする。
マスコミが集まった事を知ったラリーは、一計を案ずる。
ヘインズはマスコミに対し、自分の指揮下の研究で、
男を妊娠させる事に成功したと発表。まもなく当人が来ると言う。
マスコミは大騒ぎになるが、車から降りた妊婦はアンジェラ。れっきとした女だ。
デマかとマスコミは失望。学長はヘインズにクビを宣告する。
実はアレックスらは、ちょっと手前で車を降りていて、
騒ぎにまぎれて院内に入り込んでいた。アンジェラと交代して、病室へ。
彼の帝王切開が始まるが、アンジェラまでもが産気づく。
ついにアレックスたちの子供ジュニアが生まれ、続いてアンジェラの子供も生まれる。
ラリーは思わず自分の子供だと叫ぶ。
アンジェラは、子供の父親が花束だけ贈って音沙汰ない事から、
結婚してと言って、本当に自分の子供に。
1年後。2人の赤ん坊が同じ日に1歳の誕生日を迎えた。
レディンは妊娠し、今度こそマトモに子供ができそう。
一方、アンジェラはあの苦しみはごめんと言うと、
アレックスらが、夫が生むと言う手もあると言う。だが、ラリーはごめんだと断る。

 と言うわけで、アンジェラも同じ日に出産するなど、
なかばお約束的な展開も目立つ。
男の出産を、科学的にリアルに描いたつもりだろうが、
実際には、もしやろうとしたら、性転換するくらいの体の改造が必要らしく
ほぼ不可能。それは単純に考えても予想できるから、バカらしい。
本来なら、妊娠した男が妊婦のように扱われ、戸惑うと言うシーンがありそうだが、
この映画では隠れているばかりで、そういうのはない。
生命の素晴らしさに気づいたと言う展開もつけたし程度で
ドタバタが笑いの中心となって、カルチャーショック的な描写が少ない。
まあ、当初から予想できた通りで、悪くもないがよくもない。
 

ジュニア・ボナー −華麗なる挑戦−(72)

監督 サム・ペキンパー

 ロデオの前チャンピオンジュニア・ボナー(スティーブ・マックイーン)は
故郷のため大会へ。兄カーリー(ジョー・ドン・ベイカー)は実業家になり、
家や牧場を売って、儲けようとしている。ジュニアは彼のやり方に不満を感じる。
父エースは、いつまでもロデオを続けるが、ようやくオーストラリアへ行く事を決意。
様々な競技をし、最後の荒牛乗りで、不敗のサンシャインに挑戦。
ついに乗りこなし優勝。次の地へ向かう。

 というわけで、物語としてはかなり単純だが、意外にもいい雰囲気を出している。
もっとも、何度も見れるかどうかは別だ。

TV放送 92/06/29  BS11  22:00-23:42
 

ジュノーと孔雀(30)(未公開)

監督 アルフレッド・ヒッチコック

 アイルランドでは、共和派と自由派の争いが続く。
自称元船長のボイルは、飲んだくれて仕事をせず、妻ジュノーとケンカばかり。
娘メアリが連れてきた弁護士ベンソンは、いとこのエリソンの遺産が入ると言う。
一家はいろんなものを買い込み、バカ騒ぎ。
隣家のタンクレッドは、密告者のせいで息子が射殺されていた。
ベンソンはニセの遺書でだましており、行方不明に。メアリは妊娠。
人々は借金を取り立て、家具を持ち出される。息子ジェリーは密告者として射殺。
ボイルは出ていき、ジュノーとメアリは姉の家で暮らそうと決意する。

 というわけで、ヒッチコック監督の映画だが、サスペンスなし。
まったく救いのない話で、どうしようもない。

TV放送 92/09/24  BS11  22:00-23:40
 



ジュマンジ」(95)を見た。

 ジュマンジと言うのは、ひょんな事から入手した不思議なゲームで、
そこで起きた事は、すべて現実になってしまうと言うもので、
CMでも出てくるように、サイは出てくるわ、ゾウは出てくるわの
大変な騒ぎになると言うものだ。
これらの動物が、すべてCGで描かれていると言うのも驚かされる点だが
そのゲームに閉じこめられてしまったロビン・ウイリアムズ扮する元少年が
次にゲームをする者を待って、26年も待っていたと言うから笑ってしまう。
話の内容はともかく、そんなゲームが出てくる話なら、
さぞ奇想天外な展開になるに違いない。これは見逃せないわけだ。

 1869年。2人の少年が、おびえながら何かの箱を土の中へ埋める。
途中、箱からタイコのような音が聞こえ、弟がおびえるが、
おびえている場合ではないと兄がいさめ、箱を埋めて去っていった。
そして100年後。靴工場の社長パリッシュ家の息子12歳のアランは、
近所の悪ガキたちにいじめられて、いつも工場へ逃げ帰る日々であった。
工場に勤める仲の良いカールは、新しい靴として、
今で言うスニーカーを発明したのだが、
アランがうっかりベルトコンベアの上に置いてしまい、発明はズタズタに。
この発明さえ成功していたら、こうはならなかったのにと言う
この後の展開が読めるようだ。
彼の父は、アランがあまりに情けないので、寄宿舎へ入れようと考える。
だが、アランにしてみれば、ますますいじめられそうだし、
仲の良い女の子のサラと別れる事になりそうだし、どうにも納得いかない。
そんな彼は、工場の増築の工事現場で不思議な箱を見つける。
それはゲームらしく、「ジュマンジ」と書かれている。
説明には、現実を忘れたい人のためにとか何とか書かれている。
ちょうど訪ねてきたサラと、このゲームをやろうと言うが、
サラは子供だましだとやりたがらない。
ところが、彼女の手からサイコロが落ちると、
勝手に駒が動き出したので、2人はビックリ。
ゲーム盤の中央に、何やら意味ありげな文句が浮かび、大きな蜂が飛び回った。
何事かわからないが、とにかく先へ進もうと、アランがサイコロを振ると、
駒が動き、中央に浮かんだ文字は、「5か8が出るまでジャングルで待て」。
何の事やらと思っていると、アランの体が次第に粒子のようになって、
ゲーム盤の中に吸い込まれ始めた。
この驚くべき事態に、サラは狂乱して家へ逃げ帰ってしまった。

 そして26年後。ジュディとピーターと言う姉弟がこの屋敷に引っ越してきた。
かつては豪邸だった屋敷も、何かがあったらしく、荒れ果てている。
彼らは両親を交通事故で失い、叔母ノーラに養われているのだ。
ピーターは事故のショックで口がきけなくなったフリをし、
(姉といる時は普通に話す)ジュディはホラ話で周囲を驚かせようとする。
彼らはなぜか格安だったこの屋敷に住む事になったわけだ。
面白がっていろんな部屋をのぞくと、屋根裏部屋から何やらタイコの音が聞こえる。
それで見に行くと、ハチに襲われ2人は大騒ぎ。
さっそく害虫駆除業者を呼ぶが、ハチは見つからない。
彼によれば、姉弟が見たのはアメリカにはいないはずの種で、
26年ほど前に報告されただけなので、たぶん誤解だろうと言う。
彼はついでに、それよりおれならこの屋敷には住まないぞと、噂話を語った。
彼によれば、かつてこの屋敷にいたパリッシュは、息子アランを殺し、
死体を壁に埋めたらしいと言うのだ。
だが、叔母ノーラはそんな話は相手にせず、屋敷購入の金のために働かねばならない。
ジュディが新しい学校でも、さっそくケンカになったと言うのも悩みの種だ。
ある日。ちゃんと学校へ行きなさいよと言ってノーラが外へ出て、
ジュディたちも家を出ようとすると、屋根裏からまたもタイコの音が聞こえだした。
あわてて彼らは学校へ行く事も忘れて、屋根裏部屋へ。
そこで長年しまわれていたゲーム、ジュマンジを発見したのだ。

 彼らは学校へ行く事も忘れて、このゲームを始める事に。
サイコロを振ると、コマが自動的に動き出したからビックリ。
そして、ゲームに従って、サルが飛び出して家の中を滅茶苦茶にし始めた。
さらに家の外へも飛び出し、何やら騒ぎを起こしている様子だ。
続いて5を出すと、トラが現れたから家の中は大変。
どうやらゲーム通りに物事が起こるらしい。
それが終わるのは、誰かがゴールした時なのだ。
トラにおびえる彼らの前に、草などを服にした男が現れ、部屋へ閉じこめた。
彼が死んだはずのアラン(ロビン・ウイリアムズ)と知って、
ジュディたちはまたまたビックリ。
彼は5が次に出るまで、26年間もジャングルに取り残され、
生き延びる方法を覚えたのだ。
アランはジュディたちの話を聞こうともせず、屋敷の中を見て回るが、
もちろん両親などいない。あわてて今度は工場へ。
そこは荒れ果て、そこに住んでいる者によれば、父はアランが行方不明になったため
全財産を使い果たして、アランを捜索したと言う。
それもかなわず、死んだと言うのだ。ショックを受けるアラン。
だが、ジュディたちにしてみれば、アランに同情している余裕はない。
何とか、ゲームを終わらせないと、この大混乱を終わらせる事はできないのだ。
たった2度サイコロを振っただけのクセに、
アランはおまえらはあのゲームの恐ろしさを知らないと、えらそうな事を言う。
結局説得され、アランがサイコロを振るが、コマは動かない。
アランはピンときた。彼の順番ではないからだ。次はサラの番なのだ。

 彼らはサラが住んでいた家へ向かう。
そこは霊媒師の家となっていたが、現れた女性こそがサラだった。
彼女は目の前の人物がアランだとは認めたがらなかった。
サラはアランの父による息子の殺害を目撃したとして、人々に後ろ指を指され
彼女は、あの事件はなかった事として、記憶から消し去っていたのだ。
だが、そんな事を言っている余裕はなく、無理矢理屋敷を連れていかれ
そこで見たのは、あの悪夢のようなゲーム、ジュマンジではないか。
何とか説得され、渋々サイコロを振ると、今度は巨大な食虫植物が現れる。
(食人と言うべきか)それはツタをすごいスピードで伸ばし、アランたちを襲う。
それらから逃れながら、ゲームを続けると、
今度はアランの宿敵であるハンター、バン・ベルトが現れ、
用もないのに銃を乱射して彼をつけ回す。
さらには、次に出した目によって、家の中にゾウやらキリンやらサイやら
猛獣たちが次々と現れ、家を壊して道路へ飛び出す始末。
町では、パトカーがサルに奪われ、植物に人が襲われ、
さらには町中を猛獣が走り抜ける始末で大パニック。
ハンターのバン・ベルトは弾が切れたために、銃砲店でさらに強力な銃を入手。
そして、ペリカンがジュマンジのゲームを持ち去ってしまったために、
一同はペリカンを追うハメに。
動物の相手には慣れているアランが、何とかゲーム盤を取り戻そうと苦戦。
ペリカンはゲーム盤を放して飛び立つが、ゲーム盤が川に流され、
ピーターが必死にそれをつかむ。
彼は、次に10が出ればゴールできる事に気づき、インチキで10を出すが、
ジュマンジにはインチキをしてはならないと言うルールがあったのだ。
彼は全身から毛が生え、サルのような姿に。
人間の心は残っているが、取り返しのつかない事をしてしまったと言うショック。
警官のカールは、これらの騒動が謎の男アランたちのしわざと考え、
彼らを追い回すが、動物らが激しく暴れ回り、パトカーはバラバラに。
アランは彼こそが、かつてアランがスニーカーの発明を台無しにしてしまった
仲の良かった人物と気づくが、そんな事は言い出せない。
人々はこの大混乱に、スーパーから品物を盗んだりしているが、
一同は銃を乱射するバン・ベルトに追われるハメに。
彼らはボートにガスボンベ等をつけて発射させ、勢いでバン・ベルトを倒す。

 叔母ノーラは外出していて、この事態にまったく気づいていなかった。
だが、食人植物のツタがのび、車を飲み込んでしまう。あわてて逃げるノーラ。
ちょうど現れた警官のカールに助けを求める。
彼は、どうも混乱の根元はあの屋敷にあると言うが、それが自分の家なのでビックリ。
一方、屋敷に戻った一同はゲームを再開。今度は嵐が起こり、家の中に濁流が流れる。
家にかけつけたノーラのカギが開かず、一度ドアをけ破りたかったと言うカールが
ドアを蹴ると、濁流が流れだし、2人は流されるハメに。
アランたちは何とか流されまいと、シャンデリアに捕まったりするが、
今度はワニが現れたりして大変。
屋根裏部屋へ逃げ、ゲームを続けると、今度は床が流砂のようになり、
アランだけが床に飲み込まれそうに。サラが必死に手をつかみ、ゲームを続ける。
今度は巨大な虫が現れ、ジュディたちは撃退に大苦戦。ゴールまであと一息。
ゲームを続けると、床が裂け、アランたちは階下へ転落。
手からサイコロが離れ、地下室へ落ちていってしまう。
そこへバン・ベルトが現れ、絶体絶命の危機。抱き合うアランとサラ。
だが、地下室でサイコロが出した目によって、ゲームはついに終了の時を迎える。
バン・ベルトの体は粒子のようになって、ゲーム盤の中へ吸い込まれていく。
恐怖に叫ぶアランたちが気がつくと、26年前の子供の時代に戻っていた。
もちろん、アランもサラも何が起きたかは覚えているが、
自分たちが子供に戻っているので驚く。
アランはまだ生きていたパリッシュが現れたので、思わず彼に抱きついてしまう。
ごめんなさいと謝るアランに、父も言い過ぎたと寄宿舎入りをやめさせる。
そしてアランは、父にカールの発明を聞いてやってくれと頼む。
彼はサラと別れる際、大人の記憶がなくなる前にと、彼女にキスをする。
それから26年。結局、彼らの記憶はなくならず、そのまま結婚。
父もまだ健在で、スニーカーの発明のおかげで会社は大会社に。
(スニーカーだけでそんなに儲かるとは思えないのだが)
今では、アランが社長の座についていた。
パーティをする彼らの前に、転勤してきた新しい社員が家族と現れる。
その子供たちを見てビックリ。ジュディとピーターだったからだ。
もちろん、彼らにはアランたちと会ったと言う記憶はない。
両親が旅行へ行くと聞き、そこで彼らが死亡すると知っているアランたちは、
それだけはよせと無理矢理止める。
そして、あのジュマンジはどこへ行ったのか。見てから1ヶ月立つので忘れた。

 と言うわけで、ゲームが原因で、次から次へと障害が現れると言う展開は、
逆にこれじゃ、何でもありじゃもねえかと言う感じで、ややしらけるが、
26年もジャングルで待っていたと言う笑える設定が、
実は、最後のシーンのためだとわかってやや納得。
途中、ジュディとピーターの2人が主役で、アランたちは脇役の感があるが、
最後の最後で、やっぱりアランを描いた映画だとわかる。
タイムトラベルもの的な展開で、その場合、人までは若返らないが、
こちらでは魔法みたいなものだから、26年間をやり戻せる点が魅力的。
この終わり方がよかったので、なかなか面白かったと感じた。
 

ジュラシック・シティ(2001年米)

 保安官ジム(エリック・ロバーツ)は、獣に襲われたらしき遺体を調査。
動物管理局のバーバラと協力するが、実は彼女は元恋人だ。
ユーニス研究所に雌鳥を輸送していた男が殺され、捜査した保安官も犠牲に。
ジムの娘ローラもまた、何者かに襲われショック状態に。
ジムは研究所を怪しみ調査。そこでは遺伝子研究をしており恐竜のクローン化に失敗。
軍は手を引いたはずだが、パキスタンから資金を得たと言うハイド博士は
ひそかに研究を続けていたのだ。
軍は関係を隠すため、海兵隊を投入するが、抵抗するハイドらと撃ち合いに。
恐竜が現れ、双方次々やられ、ハイドも犠牲に。
ジムはブルザードーで大物を倒し、施設は爆破される。
政府は研究を隠蔽するが、閉鎖された研究所にはハイドらのクローンが生きていた。

 と言うわけで、B級とは思いつつ、恐竜が町で暴れ回る話と思って見る。
実際の所、舞台はずっと田舎町とか研究所の中ばかりで、「シティ」とは言い難い。
設定はどこかで聞いた感じで目新しくもない。
音楽ジェームズ・ホーナーと言うのは意外な気もしたが
実はロジャー・コーマン一門の作品らしくて
「宇宙の七人」とかの音楽の使い回しらしい。
恐竜はぬいぐるみと、出来の悪い張り子みたいなの。
エンディングは当然、実は生きていたパターンかと思ったら、ちょっとひねりアリ。

TV放送 2006/01/09 11CH 0220-0406
 

ジュラシック・シャーク(2012年米)

ジル 不法採掘を調査
ティア ジルの仲間
クリスティン ジルの仲間
マイク ジルの仲間

バーブ 絵画泥棒のリーダー
リッチ 絵画泥棒
ダグ 絵画泥棒
グラント博士 石油を採掘

起:不法採掘を追うジルらは巨大なサメに襲われる。
承:泥棒バーブ一味は、ジルらに絵画を回収させようとする。
転:バーブ一味はやられる。
結:ジルらは巨大サメを爆破する。

 とある湖でグラント博士らは石油の採掘をしていたが、異変が生じる。
 絵画泥棒バーブ一味のボートが巨大なサメに襲われ、ジャックが犠牲に。
不法採掘を調べるジルらも巨大サメに襲われてマイクが犠牲となる。
彼らは合流して行動する事に。
 一同は施設に到着。
そこに倒れていたグラント博士は、古代の肉食獣を目覚めさせてしまったと言う。
バーブは一同を脅し、絵画を回収しようとするが、
うまく行かずに博士とクリスティンが犠牲となる。
 バーブはジルらをエサにサメをおびき寄せ、ダイナマイトで倒そうと考える。
だが、爆発でリッチが死に、バーブもサメに食われる。
 一味から解放されたジルらだが、
このまま巨大サメを放置すれば人類が危険だと退治する事を決意。
ジルがおびき寄せ、口にダイナマイトを投げ込んで倒す。
一件落着かに思えたが、別の場所にいる男たちが巨大サメに食われるのだった。。

 と言う訳で、淡水にメガロドンが現れたと言う話。
地下深くに眠るメガロドンが復活すると言う話は時々聞くし、
淡水にサメが現れる話も時々聞くが、今回はその合わせ技と言う訳。
ただし、言うほどでかくはない。
湖の掘削を調べる連中と、絵画を盗んだ連中が巨大サメに襲われる展開だが、
特殊効果がてんでダメ。
サメが現れた次のシーンでは登場人物が減っていて、やられたと知らされる。
さらには、ボートがひっくり返るシーンすら見せず、
揺れた次には一同が水の中にいると言う次第。
予算のない映研でも、もう少し知恵を絞って、それっぽく見せると思います。

TV放送 2017/07/27 WOWOW 2300-0030
 

ジュラシック・パーク」(93)を見た。

 私事だが、私が最初に劇場で見た洋画は、「ウエストワールド」と言う映画である。
これは、コンピューター制御のロボットが、
希望通りに相手をしてくれると言う遊園地で、ロボットが暴走するというもの。
暴走するロボットに、「荒野の七人」の扮装でユル・ブリンナーが出ていた。
この監督をしたのが、マイケル・クライトンなる人物。
ロボットを利用した犯罪を描き、ジーン・シモンズが強烈な「未来警察」等も監督。
本業は小説家で、「アンドロメダ……」と言った映画化作品の原作者だ。
日本を舞台にした「ライジング・サン」も、ショーン・コネリー主演で映画化され
まもなく公開の予定だ。
この人が原作で、脚本も担当するのが、「ジェラシック・パーク」。
原作発売当時から、スピルバーグ映画化予定と言われたが、
そう言う作品は山ほどあり、監督ではなく製作のみの事もあるのだが、
今回は正真正銘の監督作品。
一時はハリウッドのヒット作は、スピルバーグとルーカスの2人が関わっている
と言っても、過言でない時期があったが、今や時代は変わりつつある。
しかし、この「ジュラシック・パーク」は、全米公開前から、
史上最大ヒットの「E.T」を越すなどと言われ、事実そう言うペースの大ヒットだ。
日米で恐竜ブームが起こり、「REX」「スーパーマリオ」等の恐竜映画が登場。
誕生日に恐竜のぬいぐるみをもらう者まで現れる始末だ。
物語は、現代に恐竜が復活し、それを見せ物にした遊園地で制御が狂い……と言う
「ウエストワールド」を恐竜に変えただけではと思える安易なもの。
しかし、原作者がその方面の知識に詳しいらしく、
DNAとかを利用して、実現可能な方法で恐竜を復活させると言うリアルな展開。
特撮はお手のものだし、実物大の恐竜も作ったらしい。
人間ドラマが希薄との意見もあるが、それはゴジラとかでも同様だし、
海外版ゴジラの前哨戦みたいなつもりでも興味がある。
出演者は、「オーメン最後の闘争」のダミアン役や、
TV「ケインとアベル」のケイン役等をやったサム・ニール。
いまいちクセがなくて、印象に残りにくい感が。
さらには、「ザ・フライ」で蝿男を演じたジェフ・ゴールドブラム。
「大脱走」等に出演し、「遠すぎた橋」「ガンジー」「コーラスライン」
「チャーリー」等の監督もした、リチャード・アッテンボロー。
音楽は、スピルバーグ作品の常連、映画音楽の第一人者ジョン・ウイリアムス。
何にせよ、最初に対した相手が、強くなって再対戦すると言う
最終回的なノリもあって、見ないわけにはいかない。
(別に、今後洋画を見ないと言うわけではないが)

 コスタリカ沖のとある島に、ジュラシック・パークが建設。
「何か」を檻から移そうとする作業の際に、係員が「何か」に襲われて死ぬ。
ジュラシック・パーク計画は、この事故により、スポンサーが資金提供を渋る。
保険屋も、専門家の後押しが必要と主張。
古生物学者グラント(サム・ニール)は、コンピューターが嫌い、
子供はもっと嫌いと言う男。
相棒で恋人の、エリー博士と、恐竜の化石の発掘作業をしている。
発掘現場で、骨格が鳥に似ていると言う恐竜(たぶんヴェロキラプトルと言う奴)
の説明を一般客にする。
すると、生意気なガキが、たかが鳥じゃねえかとバカにする。
むっとしたグラントは、こいつらは2匹で行動し、
鋭いくちばしで、君に食いつき、致命傷を与えずに食い続けるだろう。
恐竜をなめるなよ等と、不必要に子供をビビらせるほどの子供嫌いだ。
彼らの所へ、老人が現れる。男の名はハモンド(リチャード・アッテンボロー)。
彼らの発掘の資金を出してくれている人物で、
ジュラシック・パーク計画の安全性を保証して欲しいと言う。
意味がわからないグラントらは、発掘現場を離れたがらないが、
3年間の資金を出すとまで言われては、行かざるを得ない。

 彼らはヘリで、コスタリカ沖の島へ。
同行するのは、保険会社だかの弁護士ジャナーロ。
何のために呼んだんだかわからない、数学者マルコム(ジェフ・ゴールドブラム)。
島へ着くと、今度はジープで移動。エリーは、絶滅したはずの古代植物に気づく。
だが、それどころではなかった。
ブラキオサウルスと言う白亜紀(6500万〜1億4400万年前)の
恐竜がいたのだ。気がつくと、島のあちらこちらに恐竜がいるようだ。
何かの恐竜は、思った通り群れで動いているので、グラントは大喜び。
恐竜温血動物説も証明される。したがって、彼らは動きが敏捷だ。
ティラノサウルス(通称Tレックス、白亜紀)は時速50qで移動。
中には時速100qと言うたまらないものも。
恐竜の権威であるはずのグラントも、
生きている奴を飼育しているここの人にはかなわない。
一通り驚くと、今度はどうやってと言う疑問が。
一行は、建物へ行き、ディズニーランドのような施設で、パークの説明映画を見る。
つまり、かつて恐竜の血を吸った蚊が、血を蓄えた状態で、
木の樹液(琥珀と呼ばれる)に閉じ込められ、化石となったのだ。
これが、琥珀鉱から掘り出される。
そして、この蚊から、数十億の遺伝情報を持つと言われるDNAを
蚊のDNAはほっといて、恐竜のもののみ抽出。
欠損部分は、蛙のDNAで補う事によって、クローン恐竜を作る事に成功したのだ。
(こんな事が成功したら、公園を作る前にまず発表すべきだが)
遺伝子の操作でメスしか作らず、そのため頭数は完全に管理されている。
卵は研究所のみでふ化。外にはメスしかいないので、外で生まれる事はない。
さらに、恐竜はアミノ酸の補給が自分ではできないようにされているため、
万一島を脱出した場合には、外では生きられないのだ。(飛ぶ恐竜はここにはいない)
そして、恐竜の住む区域の周囲には、1万ボルトの高圧電流が。
だが、混沌(カオス)論者のマルコムは、完全な管理はありえないと否定。
必ず、人間の予想もしない事態が起こると言うのだ。
どんな方法でかは不明だが、自然は種を保存しようとする方向へ働く。
環境破壊で絶滅しようとするコンドルならともかく、
自然淘汰で絶滅した恐竜を甦らせる事は、自然の法則に反する。
一度は喜んでいたグラントやエリーも、予測ができないと懐疑的な態度をとる。
ジェナーロだけは、金になると乗り気だ。

 彼らの態度に失望したハモンドは、ツアーを体験すれば気が変わるはずと言う。
コンピューター制御の電気自動車で、恐竜の区域の周囲を一周するのだ。
そして、これにはハモンドの孫、姉のレックスと弟のティムも参加。
子供の意見が最も正直だと言う自信が、そこにはうかがえる。
ティムは恐竜通で、グラントの著書も読んでおり、まとわりつくので
グラントは逃げ回り、何とか別の車で行く事に。2台で出発する。
その様子は、管理センターで管理。
何とネドリーと言う1人の天才プログラマーが、すべてをプログラミング。
困った事に、この大規模な施設に、彼と2〜3人しかいない。
(ネドリーに扮するのは、「氷の微笑」でマイケル・ダグラスの相棒を演じた人)
ディズニーランドのように、動かしてみると色々な箇所に問題点が見つかる。
第一の地区では、何だかが出てくるはずだが、結局森から現れない。
次の箇所は、ティラノサウルスが出るはず。
エサに白ヤギまでだすが、まったく現れない。
マルコムは、これは恐竜を見るツアーだろと皮肉る。
しびれを切らしたグラントは、ドアを開けて外へ。
ドアにはロックがかかっていないのだ。これまた不測の事態とマルコムは言う。
彼らは勝手に歩いて、歩き回る。トリケラトプス(白亜紀)が倒れているのを発見。
草食のトリケラトプスが、何か毒物を食べたらしい。
エリーは獣医と共に調べるために残り、他の一行は車に戻る。
暴風雨がコースを変えて接近しているため、ツアーは中止する事に。
ネドリーは、問題のあるプログラムを修正し、コンパイルだかの作業をする。
その間、問題があるかも知れないが、いずれ修復すると言って
ジュースを買うと称して退室。
実は、借金に困っているネドリーは、
別の会社に恐竜の胚(幼体の意だが、遺伝子とかの事だろう)を売る約束をしていた。
プログラム操作で数分間停電になるが、
ネドリーが予告していたので、みなはあまり気にしない。
胚を保存している部屋に侵入し、いろんな恐竜の胚を回収。
ジープで受け渡しする桟橋へ向かう。

 その頃、グラントらは停電で車が止まって立ち往生。外はすでに嵐に。
電話もきかない。結局先に帰っていたエリーも心配だ。
止まった場所が、なぜ2周もするのかと思うが、ティラノサウルスの前。
一行は、何か巨大なものが近づく音を感じる。ふと気づくと、白ヤギがいない。
大丈夫さと構えているが、上から白ヤギの骨が落ちてくる。
ティラノサウルス(体長12m)は、高圧電流の流れていないフェンスを楽々破壊。
こりゃたまらんと、びびったジャナーロは、あわててトイレのある小屋へ逃げる。
こういう行動をする者の末路は、どんな映画でも共通だ。
残された2人の子供は恐怖。後ろの車にいるグラントらは、事態に気づかない。
何とかしようと、レックスは、車内にあったライトを照らす。
ようやくグラントも気づく。だが、ティラノサウルスがそれに反応。
車を体で押し、揺れる車内で子供たちはパニック。
助けたいグラントだが、動けばこっちが襲われる。
ティラノサウルスはサンルーフの部分を壊し、今にも食われそうな状態だ。
この攻撃はしゃれにならない。続いて、車体をひっくり返し、タイヤを食いちぎる。
再び車を上から抑え、今にもプレスされそう。
ようやく対策を思いついたグラントは、発煙筒を持って外へ。
それでティラノサウルスの関心を反らす。続いて、マルコムも。
だが、ティラノサウルスが動き出し、マルコムは弾き飛ばされる。
そのまま勢いづき、小屋を破壊。中でじっとしていたジェナーロをガブリ。
昔から恐竜映画では、これがなくては始まらない。ガブガブ。肉片となる。
下敷きになった子供たちを救出に行くグラント。
レックスは何とか引きずり出すが、ティムを出す前に再びティラノサウルスが。
動けばやられると、鼻先まで近づいているのに、ピクリとも動けない。
呼吸や体温は感じられないのか。
ティラノサウルスは車を鼻先でつっつき、グラントらは逃げ回る。
逃げ場を失った彼らは、曲がったフェンスに捕まり、本来恐竜の住む側の森へ。
ティラノサウルスは、さらにティムを乗せたままの車をつっつき、
フェンスにぶら下がるグラントらの頭の上から、車は森の下の方へ落下。
高いところは苦手と言うレックスを、無理矢理木から降ろし、
今度は木の上の方に引っかかっててる車から、ティムを救出する番だ。
吐いちゃったと言うティムをなだめ、何とか車から外へ。
その姿は、とても子供嫌いには見えない。
下へ降り始めるが、木が折れて、上から車がみるみる迫る。
下へ降りると、頭の上から車が倒れ込み、再び車の下に。
だが、今度は木を降りる必要はない。

 一方、盗んだ胚を持ったネドリーは、約束の時間に間に合わないと言って
無茶なスピードで、同じ場所に思える道を走り回り、結局、変な所にはまってしまう。
ウインチで脱出しようとして外へ。
そこにはディロフォサウルス(ジュラ紀、1億4400万〜2億1300万年前)
と言う、エリマキトカゲのような小さな恐竜が。
愛敬のある奴とか言ってバカにしていたが、毒の唾を吐きかけられ、やられる。
管理センターでは、制御プログラムの回復を試みる。
試みるのは、「パトリオット・ゲーム」でハリソン・フォードの同僚を演じた人が
演ずるアーノルド。だが、パスワードで守られ、修正ができない。
一行を心配するエリーは、獣医のマルドゥーンと共に、捜索に。
嵐はやんでいるが、破壊された車を発見。そして、食いちぎられたジェナーロ。
負傷して気を失っていたマルコム。
グラント等を探すが、森に車が落ちているだけで、彼らはいそうもない。
そうしているうちに、再び震動が。まだいたティラノサウルス。
エリーらはジープに飛び乗り、逃げる逃げる。
だが、ティラノサウルスの足の速さは時速50q。森の悪路ではものすごいスピードだ。
何とか振り切る事に成功する。

 施設ではハモンドが孫たちの事を心配する。
だが、そのうちに考えはパークの事に。
昔インチキのノミのサーカスを見せられたが、私は本物を見せたい。
どこでも最初は問題があるものだ。
ここの問題は、ネドリーにプログラムをまかせた事だったと言う。
だが、エリーはそう言う問題ではないと否定する。
高い木の上で夜を明かしたグラントらに、口を開けた恐竜が近づく。
だが、それはブラキオサウルス(体長23m、白亜紀)と言う草食のものであった。
彼らは歩いて移動。森で恐竜の卵を発見。マルコムの説があっていた事がわかる。
蛙のDNAを利用したと言うが、ある地方の蛙は、メスだけ隔離すると
メスの中からオスに転じるものが現れるのだ。
草原では、ダチョウのような恐竜たちが走り回る。ガリミムス(白亜紀)だ。
こいつは走る速度が時速90q。何かに追われているらしい。
追っているのは、たぶんヴェラキラプトル(通称ラプター、白亜紀)だったはず。
捕まえてガブガブ食ってしまう。弱肉強食の世界だ。
その頃ハモンドは、コンピューターの電源を切れば、パスワードは消えるかも等と
バカな事を言い出す。
取り返しのつかない事になるかもと心配しながら、電源を落とす。
再び立ち上げると、どうした事か、本当にパスワードが解除されたのだ。
後は、今の行為でヒューズが飛んだ電源を回復しなくてはならない。
そこで、その電源がある小屋まで、アーノルドが向かう事に。だが、連絡を絶つ。
となれば、エリーとマルドゥーンが行くしかない。ハモンドが地図を見て無線で指示。
だが、森の中で、マルドゥーンは恐竜の気配を感じ、エリーだけを行かせる。
エリーは小屋へ到達。配電盤を見つけ出す。

 その頃、グラントらは高圧電流のフェンスに行く手をふさがれていた。
この後十分ほどの展開は、誰でも予想がつくものだ。
フェンスには電流が流れていない。フェンスを越さなければ、施設には行けない。
となれば、登って越すしかない。
その間に、エリーは電源を入れ、いろんなスイッチをオンにしていく。
一番下にはフェンスのスイッチが。
警報が鳴り、電源が回復すると気づくグラントら。
あわてて降りるが、高い所が苦手のティムには降りられない。
飛び降りろと言うが、それもできず、ようやく決心。
だが、その瞬間高圧電流が流れ、ショックでティムは弾き飛ばされる。
彼の心臓は停止。グラントは必死に人工呼吸。ティムは息を吹き返す。
スピルバーグの映画で、2人しか出てこない子供の1人が死ぬはずはないのだ。
電源が入りホッとするエリー。だが、壁を突き破り、ヴェラキラプトルが襲う。
こいつは2mなので、部屋の中にも入ってくるのだ。あわてて逃げるエリー。
アーノルドに肩を叩かれ、ホッとするが、それは食いちぎれた手だった。
一方、銃を持って外で様子をうかがうマルドゥーン。
1匹の気配を感じるが、ヴェラキラプトルは群れで行動するのだ。
影に隠れていた別の奴に襲われる。

 グラントらは施設にたどりつき、グラントは医者を探しにいく。
そこでエリーと再会。
ティムらは、食堂にある食べ物を食べまくる。
ふと気づくと、部屋の中にヴェラキラプトルがいるのだ。あわてて厨房に逃げる。
ドアを閉めるのだが、どこで知恵をつけたのか、取っ手を押して中へ侵入。
2匹で厨房を歩き回り、物音を立てたティムを狙う。
そこでレックスが音を立て、おびきよせる。戸棚みたいな所に隠れ何とか回避。
いろいろやって逃げ、グラントらと合流。
管理センターへ行き、制御システムを作動させようとする。
だが、ドアの所へヴェラキラプトルが。グラントが必死で食い止める。
それでは無理と、エリーも手助け。おかげでコンピューターを操作する者がいない。
UNIXなら大丈夫よと、レックスが操作。
UNIXと言いながら、画面には3Dの映像が動き、
矢印がゆっくり、彼らのいる建物へ近づく。言語は関係ないのでは。
グラントが銃に手を伸ばすが届かず。ティムはレックスの後ろでハラハラ見てて
銃を取るのを手助けしようとはいない。
ようやくプログラムを起動。ドアはロックされ、一安心。
通じた電話でハモンドに連絡し、ヘリを呼ぶよう指示。
だが、ヴェラキラプトルはドアに体当たりし、今にも破られそうだ。
一行は、天井裏へ。ドアを破ったヴェラキラプトルは、ジャンプして天井を攻撃。
突き破って頭を出すが、グラントが蹴りを入れたため、ひっくり返る。
だが、開いた穴からエリーが落ちそうになる。
これを助け出し、通路へ出て、天井から吊られている恐竜の化石に飛び移る。
ヴェラキラプトルも飛んできて、化石がちぎれてバラバラに。
吊っている天井のとめ金がはずれ、一同は床に落ちる。
気づくと、周囲には2〜3匹のヴェラキラプトルが、様子をうかがっている。
もはや絶体絶命だ。そこへ、音もなく現れるティラノサウルス。
たちまち、1匹は食いちぎられ、飛びつく別の1匹も弾き飛ばす。
その間に脱出するグラントら。
このパークを承認する事はお断りしますと言うと、今度はハモンドも同意。
ヘリで脱出。子供たちはすっかりグラントになついていた。

 と言うわけで、恐竜が襲うシーンがすさまじいこの映画は、
飽きさせない展開で、けっこう面白かった。
中でもティラノサウルスが襲うシーンが強烈で、
スピルバーグ得意のおどかしもあちこちに。
ただ、人間の出てくるシーンになると、途端につまらなくなると言う印象が強い。
ディズニーランドのような遊園地のアイデア自体が、
いかに本物の恐竜を出しているとは言え、子供だましと言う印象が拭えない。
DNAで復活云々と言う説明のくだりも、それがないと話が通じないのはわかるが、
アニメとかで見せられ、どうもテンポが悪い気がする。
まして、グラントとエリーの恋愛感情とか、子供たちに対する感情のシーン等は
大いなる自然の驚異の前では、つけたしにしか感じられない。
自然に手を加えると仕返しを食うと言うテーマがあるようにも思えるが、
そう言う強調はあまり感じられず、やっぱりただただ恐竜の映画。
人間不在と言うのは正しいと言える。恐竜が激しすぎるために、よりそれを感じる。
ゴジラとかの方が、まだマシだ。
もちろん、人間が出てこなければ、恐竜のすさまじさを強調できなかったとは思うが。
だいたい、あんな島に、数人しかいないという事自体が間違っている。
個人的には、スピルバーグの(と言うより、映画の)最高作は
「ジョーズ」だと思っている。
あの映画には、人間とジョーズの駆け引きと言うか、だましだまされの戦いがあった。
だが、この映画では、恐竜と戦うには程遠く、
登場人物が、どう言う恐竜が何匹いるか認識しているかどうかも不明だ。
いろんな所で、いろんな恐竜が現れ、登場人物はそれを怖がるだけ。
最後に全滅させるとかと言う展開もなく、ちょっと物語がひどすぎる。
まあ、ヒットしているらしいし、
ネドリーが盗み出して、結局泥の中に落としてしまった胚がどうなるかとか、
あの島自体がどうなるかとか、ティムは帯電体質になって巨大化しないかとか
いろいろな疑問を残しているので、続編はできる気がする。
 


ようやく「ロスト・ワールド ジュラシック・パーク」(97)を見た。

 今から数年前、現代に恐竜が甦ったと言う、SFとしては古典的テーマを
DNAの再生等、もっともらしい理屈でこじつけて
後は派手なSFXと、スピルバーグ監督お得意の脅かしの技術で
かなりのヒットを見せた「ジュラシック・パーク」と言う映画があったが
本作はその続編。まだ恐竜が生きていたと言う、よくあるパターンだ。
前作で主演のサム・ニールらは今回は登場せず、
悪口ばかり言っていたジェフ・ゴールドブラムが今回の主役。
なぜか恐竜が市内に現れると言う展開もあるらしく、
それはまさに「ゴジラ」や「キングコング」を思わせるものだ。
あれらでは、都市のSFXがいまいちだった事もあり、
最新の技術で見せてくれれば、それは面白いに違いない。
来年夏公開と言う海外版「ゴジラ」の予習と言う意味もある。
でも、超満員ではと言う不安で躊躇していたが、
そろそろいいだろうと思ったら、すごい行列。
実は「もののけ姫」の方で、本作はちょっとはずしたらしいが、とりあえず見ろ。

 冒頭は前作の島ではなく、別の何とか島。(ソルナ島)
金持ちの一家が、この島に観光に来ていた。
娘はいろいろ見て回り、母親はヘビでも出たら危ないと言うが、
父親は砂浜にヘビは出ないとか言う。
もっとも、娘は草むらに行くので、ここならヘビは出そうな気も。
気がつくと、トカゲみたいな小さな生物が。
面白がってエサをやっていると、無数の生物に取り囲まれていた。
それは体長75センチの恐竜コンピー。肉食でピラニアのよう。
娘も襲われ、悲鳴が出て場面が変わるので、
いきなり冒頭から子供が食われたのかと思ったが、後の話でケガだけとわかる。
場面変わり、前作で出た皮肉屋の自然学者イアン(ジェフ・ゴールドブラム)。
彼は、前作の後、パークでの事件で3人が死んだ事をマスコミに発表したが
財団は事態をひた隠しにし、おかげでイアンはほら吹き科学者のレッテルを貼られる。
彼は財団の屋敷に呼ばれる。ハモンド氏(リチャード・アッテンボロー)は
引責で財団の責任者からはずれ、甥のルドローが実権を握っていた。
前作で恐竜に襲われたハモンドの孫もチラッと出るが、それっきり。
ハモンドはイアンに意外な事実を伝える。
前作の島の恐竜がどうされたかは全然説明がないが、別の島にも恐竜がいたのだ。
それはソルナ島。前作の島は観光用で、ソルナ島は飼育用だった。
前作の事故後、ハリケーンで施設が壊れたため、恐竜を自然に返し、
島を出入り禁止にした。
アミノ酸が供給できないよう改造された恐竜たちだったが、
草食恐竜は草から得て、肉食恐竜はそれを食べて得る事により生き延びたのだ。
ここへ来て、冒頭の一家が襲われる事件が発生し、
財団の中でも、多額の借金返済のため、恐竜を悪用しようと言う動きがあるのだ。
それは新たな誤りの始まりと非難するイアン。
ハモンドは財団内部の動きに先んじて、調査隊を急遽送り込む事にしたのだ。
4人のメンバーで、イアンにも行ってほしいと言う。
(なぜ、そこに前作の恐竜学者が入っていないか不思議だが)
イアンは冗談じゃないと言うが、メンバーを聞いて愕然。
メカに強いエディ。カメラマンのニック。
そして動物学者のサラ(ジュリアン・ムーア)だ。
サラはイアンの恋人だったのだ。しかも、先行して3日前に彼女だけ行ったと言う。
イアンは、調査隊ではなく、救助隊として行く事を決意する。

 イアンにはどうやら離婚歴があるらしく、しかもなぜか黒人の娘ケリーが。
そこらへんの事情は細かく説明はされない。
イアンは旅行のため、ケリーを親戚に預けようとするが、
家族をなかなか大切にしない父親に、ケリーは不満げだ。
イアンは、何かの勢いで、父親の言う事だけは聞くなとか言ってしまい
これがきっかけとなり、彼女がこっそりついてしまう事は、予想できる展開だ。
一行は船に乗って問題のソルナ島へ。
イアンたちは、沖で待機していてくれと依頼するが、
船長はこの島は危険だと言い、連絡があれば急行するが、待機はイヤと拒絶。
この島に近づいた者で、生きて戻った者はいないと言うのだ。
一行は島へ上陸。ステゴザウルスの親子を発見してビックリ。
それを撮影するサラを発見するが、彼女は接近しすぎ
ステゴザウルスの親は、彼女が敵だと思い、襲ってくる始末。
草食でも安心はできない。
サラは、ティラノサウルスには母性愛がないと言う学説を否定したいと言って
連れ帰ろうとするイアンをよそ目に、調査を続けたい様子だ。
そうこうしていると、ケリーがついてきてしまった事が判明し、また愕然。
イアンは船を無線で呼ぼうとするが、社のヘリが現れたので、あれで帰ろうと言う。
しかし、サラたちは、社が自分たちを信用せず、別の班を呼んだと不満げだ。
ところが、一行は調査班ではなかった。
ハモンドの甥ルドローは、恐竜で一稼ぎするため、捕獲に来たのだ。
普通に考えたら、到着してから恐竜狩りが始まるには、
半日は準備が必要に感じられるが、
今回、スピルバーグはテンポよい演出を心かげてるようで、
後でも似たような場面があるのだが、到着するやたちまち恐竜狩りが始まる。
ライオンとかと違って、やや苦戦するが、それでもいろんな恐竜を次々捕獲。
かなり前から準備していたとかで、組織化されている。
その中で、ハンターのローランドは、
なぜかT−REX(ティラノサウルス)を倒す事に、意欲を燃やしているのだ。
様々な種類の恐竜が捕らわれ、ローランドはT−REXの巣みたいな場所を発見。
親をいきなり襲うのは無謀と考え、子供を捕らえて待ちかまえる事にする。
ルドローは衛星中継で、本国のスポンサーとかに新パークの宣伝をする。
彼の案によると、恐竜を孤島で管理するのではなく、
ハモンドがサンディエゴに作りかけた小型パークを再建し、
そこを公開した方が、客も来やすいし、費用もかなり安いと自信ありげだ。
もちろん、このいかにも誤った発想が、最後の見せ場の伏線である事はみえみえだ。

 恐竜を連れ帰ることは許さんと、サラとカメラマンのニックは、
檻に入れられた恐竜を逃がし始める。おかげでルドローらのキャンプは大騒ぎに。
調子に乗って、ニックは捕らわれたT−REXの息子も救出。
だが足が折れており、このままでは他の恐竜に食われると心配。
弱肉強食こそ自然だとか言ってたくせに、この心配はやや矛盾する。
危険を冒して、トレーラーへ連れ込んで添え木をつけたりする。
一方、イアン親子やエディは、木の上なら安全だろうと、
人間の方が入る檻を作って避難。
しかし、サラたちの連絡がないので、心配になってイアンが見に行く事に。
思いがけない光景に、そんな事して親が来たらどうするとか言っていると
本当に2匹の親T−REXが現れ、トレーラーをつつき始めた。
こりゃやばいと感じて、サラは無謀にもドアを開けて子供を返す。
これで一安心と、おとぎ話的展開を期待したようだが、
もちろん恐竜にそんな人情話が通用するはずもない。
しつこく怒って、トレーラーを突っつき、
実は崖のすぐそばに駐車されていたため、崖から落とされそうに。
これが2台を連結部でつないだ形のトレーラーで、ちょうどその間の部分が
引っかかる形に。
これでT−REXは去るが、3人は宙ぶらりの状態。
特にサラは手がはずれて、先頭部まで落っこち、そこはガラスなので
断崖の上にガラス1枚でいる状態に。体重でパリパリ割れ始める。
ここらへんのイヤな演出は、スピルバーグの得意とするところだが、
このトレーラーが転落しそうになるシーンは、
恐竜抜きでかなり長い間展開し、こういう映画だったっけ?と首をひねらせるほど。
イアンたちが何とかサラを引き上げ、間一髪ガラスが割れて墜落は免れるが
まだ上へはい上がる事はできず、ブレーキもきかないので次第にズルズル落ちる。
そこへ心配したエディがかけつけ、四駆からロープを垂らして、3人を助け
ウインチで引っ張ろうと大奮闘。
でもロープがはずれたり、四駆自体が引っ張られたり大変。
気がつくと、再び戻ってきた2匹のT−REXがエディの四駆を襲う。
エディは、一撃で恐竜をも倒す神経銃を取り出そうとするが、
引っかかってなかなか撃てない。
そうしていると、あわれエディは苦労した割に報われず、2匹に食いちぎられる。
四駆はブレーキを失い、崖下へ転落。トレーラーも落ちるが、
3人がぶら下がるロープは、木に縛ってあるため、
3人の周囲をトレーラーがすり抜ける形で墜落して爆発。そんなバカなと言う感じだ。
何とかはい上がる3人だが、誰かに手を捕まれて上げてもらう。
食いちぎられたエディが生きていたのかと思ったが、さにあらず
ルドローの一行が、恐竜たちを逃がした事を、たいして怒ってはおらず合流したのだ。
木の上に隠れていたケリーも簡単に見つかって、一同集合だ。

 結局、恐竜たちが暴れた事で、ルドロー一行のジープとかも壊されてしまい
一同は歩いて移動する事に。島の中央部には肉食の恐竜がいるので
そこを避けていれば安全のはずだ。
ところが、途中、トイレに行って来ると山の中へ行き、足を踏み外した男が
その島の中央部へ行ってしまい、
冒頭にも出たコンピーと言う小さな恐竜に襲われ、食いちぎられる。
一番恐竜に詳しいはずのサラは、傷ついたT−REXの子供を抱いたため
血が服につき、湿気のために乾かないでいた。
T−REXは並外れた嗅覚を持っているとか言っていたから、
この血のついた服が危険だと言う事はわかりそうなものだが、
サラも気づかず、他の誰も注意しないから大変な事になる。
夜テントで寝ていると、血のにおいをかぎつけて、T−REXが現れたのだ。
サラやケリーは脅えて静かにしているが、他の連中が騒いだため大騒ぎに。
ジャングルのせまい道を走って逃げると、それをT−REXがすごい勢いで追う。
時々、転んだ連中とかが食われるハメに。もちろん主要メンバー以外だ。
この展開は、元祖「キングコング」にも似たようなシーンがあった。
一行は、草むらへ逃げ込むが、前作でもしつこく追われた肉食のラプターが登場。
上空からの構図で、草がどんどん倒れた影が一行に近づき、次々やられる。
これを見たイアン一行が考えた対策は、とにかく速く走れと草むらを走り抜け、
足を踏み外して谷底まで落ちるハメに。
以前、パーク開設計画のあった頃に作成された施設へ行けば、無線で救援を呼べる。
イアンが足をくじいたため、ニックが先に行く事に。
そのニックは、なぜかローランドに敵意を持っているようで、
彼の銃の弾を抜いてしまい、そのためローランドが危機に陥るが
結局麻酔銃でT−REXを倒してしまう。
イアン一行は荒廃した施設に到着するが、そこでも息つくヒマもなく
ラプターたちが現れる。
壊れた施設に逃げ込むが、あっちでもこっちでも襲われ、
テリーは補欠にされたと腐っていた鉄棒の技術で、大車輪でラプターをけ飛ばす。
そうこうして、施設から逃げ出すと、ちょうどニックが呼んだヘリが到着。
テンポがいいのはいいのだが、たまには妙に襲われない時があってもいいはずで
あまりピンチが続きすぎると、リアル感が薄れるのも事実だ。
そこまでやられるなら、ヘリでも何かあるかと思えばそれはなし。
下を見ると、逃げ切ったローランドらが、まだ懲りずにT−REXらを捕らえる。
ルドローは、すべてを失ったが、T−REX親子で会社を再建できると言う。
しかし、エイハブ船長もどきのローランドは、仲間を失いすぎたとか言って
これ以上は手伝わないと去っていった。

 場面変わって、本国サンディエゴでは、ルドローが新パーク開園を準備。
内容は秘密にして、記者たちを呼ぶ。今日、何かが船で届くと言うのだ。
それを聞いて、イアンやサラもかけつける。
だが、船に異常があると判明。通信に応答がないのだ。
貨物船はそのまま岸壁に突入。まるで「スピード2」を先に見たようだ。
何かが船内で起こった様子で、「キングコング」等では、
まず怪獣を公開して、その後で暴れる展開だったが、ムダを排除したと言う感じだ。
船へ乗り込むと、船員は皆食いちぎられていた。
動揺するルドローは、貨物室のドアを開けると、中からT−REXが飛び出す……。
おいおい。貨物室から出れなかったT−REXが、どうやって船員を襲ったんだ。
皆が愕然とする中、T−REXは「動物持ち込み禁止」と書かれた税関を突破。
そのまま郊外の住宅地へ。寝ていた少年は、外に恐竜がいるのでビックリ。
両親は互いの育て方が悪い等と、子供がウソをついていると決めつけるが
本物を見てまたビックリ。犬を食べてしまい、口から犬小屋がぶら下がる状態。
続いて中心街へ。恐竜が現れたため、人々はパニック状態に。
逃げる車があちこちで衝突。中にはT−REXに食われる者も。
さらにはバスに体当たり。ゴジラ等と比べると、バスよりも小さくてやや情けない。
イアンたちは、T−REXを追い出すには、子供を利用して誘導するしかないと判断。
小型版のパークへ車でかけつけ、T−REXの子供を連れ去る。
車で港へ急行するが、においをかぎつけ、親T−REXが追っかけてくる。
イアンらは子供を利用して、貨物室に再び閉じこめる計画だ。
その子供は当社のものだと言うルドローは食われ、
まんまと親T−REXは貨物室に再び閉じこめられる。
最後はCNNのニュース。軍の監視のもと、T−REX親子は島に返される事に。
確かに、ルドローが悪かったと言う気はするが、
町中で食われた人もいると言うのに、T−REX親子はおとがめなしとは
人々の不満が高まりそうだ。
甥が死んでも平気な様子のハモンドは、恐竜たちは自分たちで生きていくので
手を出さないでほしいと頼む。
そして、ゴジラに出てきた怪獣島のような、いろんな恐竜たちが住む光景。
中には、今まで登場しなかった翼竜もいるが、どうしてこいつは島から出ないのか?
怪獣島のように、島から出ようとすると、ガスでも出てくる仕掛けなのか?

 と言うわけで、恐竜が暴れるこのシリーズ第2弾は、
前作のように、恐竜が出てきたり出てこなかったりで脅かすと言うよりは
最初から最後まで出っぱなしで、むしろ逃げてばかりのアクション中心に。
息もつかせぬアクションはお手の物のスピルバーグだが
おかげで、恐竜のアップは少なく、妙にたくさん出てきたり
訳もわからず、次から次へと出てきて、人間が逃げるのが物語のメイン。
貨物室の中から外の船員が襲われたり、
なぜか恐竜の襲撃が、不自然なまでに連発したり、
本土にも現れるが、意外に簡単に退散したりと、御都合主義的な展開が目立つ。
とは言え、期待はずれと聞いていた割には、
息もつかせぬ展開のおかげか、思ったより楽しめた。
まぁ、怖いと言うよりは、アクションで楽しませると言う感じ。
別に恐竜でなくてもよかったのではと言うあたりが、方向性の弱さを感じさせる。
 




海外版「ゴジラ」に続く久々の怪獣ものジュラシックパーク3(2001)を見た。

 ジュラシックパークと言えば、スピルバーグが監督し
古代の恐竜がDNA再生で甦ったという設定で
前作では都市でも暴れてくれて
あのイグアナこと海外版ゴジラよりはマシという印象も受けた。
日本では、2作目はいまいち当たらなかった印象があるが
また少し間をおいて第3弾が登場。今回はスピルバーグは製作に回り
「ジュマンジ」とかを作った監督が監督。
再び1作目のサム・ニールが主演に回り
どういうドラマが展開するのかは知らないが
いくら特撮がすごくても、物語がマンネリでは飽きるはず。
そんな不安を持ちながらも、やはり海外の特撮は国内とは違うわけだから
ここは一応見てみよう。

 コスタリカ。少年エリックとベンがパラセーリングをしていた。
その目的は上空から、恐竜のいると言う島を見る事だった。
だが濃霧に包まれ、気がつくと、引っ張ってるボートが何かにやられ乗員がいない。
ボートは岩場に乗り上げ、あわててベンはロープを切り離し、二人は島へ不時着。
それから8週間。古生物学者グラント(サム・ニール)は
ジュラシック・パークでの恐竜騒動の経験者だ。
元同僚エリー(ローラ・ダーン)と再会。
彼女は結婚していたが、困ったら連絡してと約束する。
グラントは、凶悪なラプトルに交信能力があり、人間以上の知能になり得たと講義。
参加した人々から、研究資金の援助を求めようとするが、
人々はそう言う理論には関心がなく、もっぱらパークでの出来事を聞こうとする。
だがグラントにしてみると、パークにいるのは、DNAによって人間に作られた怪物で
恐竜ではないと力説。おかげで資金援助など得られない。
発掘現場にいる助手のビリーは、ラプトルの骨格から笛を作り、
こんな音で交信していたのではと推測するが、資金がないので中止だと言うグラント。
だがそんな時、実業家と言うポールとアマンダの夫妻が現れる。
決して飛行許可が得られないはずの、恐竜のいるイスラ・ソルナ島上空を
飛ぶ許可を得たので案内してほしいと言う。
ビリーは乗り気で、資金援助もすると言うので、仕方なくグラントはこの話を承諾。
さっそく飛行機で上空へ行き、グラントは案内を始めるが、
一同の関心は明らかに恐竜以外にありそうだ。
おまけに着陸すると言い出し、抵抗するグラントを気絶させて無理矢理着陸。
一行はすごい装備で何やら捜索を始め、妻アマンダは大声で何か叫ぶる
これでは恐竜を呼ぶハメになると、グラントは止めるが
案の定、すごい地鳴りがして恐竜が接近。あわてて一同は逃げるが一人が逃げ遅れ。
彼は、今回の強敵スピノサウルスに食われ、
離陸寸前の機はスピノサウルスに接触して大破し、そのまま森に墜落する。
さらに機は襲われて、ゴロゴロと転がされ、逃げまどう。
次々脇役は食われ、夫妻とグラントとビリーだけに。展開が早い感じだ。
グラントらは夫妻に真相を追及。実は夫妻は離婚していて
妻の恋人ベンが、息子エリックとパラセーリングをしてこの島へ墜落。
8週間の間に大使館に頼んだりしたが、何の役にも立たず、こういう手に出たのだ。
実業家と言うのもウソで、実はタイル屋と判明。金などないのだ。
逆にグラントにしてみれば、彼らが体験したのは別の島で、
恐竜には詳しいが、この島の道など知らないのだ。
そんな事をもめている間に、肉食恐竜スピノサウルスとティラノサウルスが大格闘。
一行はさらに逃げまどい、見つけたパラグライダーを再利用するためたたもうとするが
死体となったベンを発見。さらに付近で大量のラプトルの卵を見つけ
ビリーは資金になるとひそかに卵を持ち出す。

 一行は研究所へ逃げ込む。そこは人工孵化器等があるが、荒廃している。
ラプトルに襲われ、何とか鉄柵に閉じこめるが、どうやら仲間を呼んでいるらしい。
一行は逃げ出し、暴走するいろんな恐竜に紛れて森へ。
だがグラントだけがはぐれて、ラプトルの大群に囲まれてしまう。
そこへ何者かが催涙弾を投げ込み、ラプトルは退散。
一緒に研究所へ逃げ込む。その正体は生き延びていたエリックだった。
だがもう催涙弾の残りはない。
ビリーらと海へ出るよう話していたので、グラントらも海へ向かう事に。
移動していると、エリックは衛星携帯電話の音に気づく。
それはポールの店のテーマ曲で、近くにいると気づき、柵越しで夫妻と再会する。
だがポールは携帯は、食われた仲間に渡したと言い、
気がつくと携帯音を鳴らしながら、スピノサウルスが現れる。
何とか柵をくぐり抜けて逃げ切る事に成功。
だが、グラントはビリーが卵を持ち出した事に気づく。
ラプトルはこれを追ってくるに違いない。
これではパークを作った連中と同類だと非難する。
何しろ海へ出るためには、橋を渡るしかないと、危険そうなオンボロ橋を渡る。
だが、気がつくとそこは翼竜プテラノドンを飼育するかごの中だった。
エリックはプテラノドンにさらわれ、がけの上にある巣に落とされる。
そこには子プテラノドンがいっぱいいて突っつかれる。
あわてて退散。崖の端まで逃げる。
意を決したビリーは、パラグライダーで飛び降り、エリックが彼にしがみつく。
グラントらも襲われ、たまらず川に飛び込む。
エリックも耐えきれずに飛び込むが、ビリーは岩に引っかかり飛び込めず。
そのまま犠牲になったものとして、一行には見捨てられる。
一行はボートを見つけて移動。いつまでも鳴り続ける携帯電話の音を聞き
フンの中から携帯電話を発見。だが、電池がないのでかけられるのは1回だ。
しかも、大使館はアテにならないとポールが言う。
そこでグラントは考えて、元同僚のエリーに電話。
その間にもスピノサウルスに襲われて大変だが、何とか島にいる事を連絡。
逃げ切った一同は海岸へ走るが、ラプトルに取り囲まれる。
卵がねらいとわかり、卵を出して観念。それでも安心できないので
グラントが骨格の笛を吹くとラプトルたちは少し混乱。
そこへエリーが呼んだ軍が到着し、ラプトルたちは卵を持って退散する。
救出されて飛行機で帰還する事に。当然のように、ビリーも無事だった。
ポールら夫妻はよりを戻し、一件落着かに見えたが、
プテラノドンが島の外へ飛ぶのが目撃される。
あれが次回作では都会に現れるに違いない。

 と言うわけで、恐竜の島に置き去りにされた少年を助けるため乗り込む話で
当然のように、またも恐竜に襲われるわけ。
目新しい恐竜も出ているようだが、マニアではないのでそれほど区別はつかず。
あれほどの島をいまだに放置しているのも納得いかない気がする。
前作で都市に恐竜が出たのに、今回は島の中だけの話とあってはスケールダウン。
まあ、その場その場の見せ場はそこそこ面白いのだが、
やはりマンネリという印象は否めない。
脇役が早々に片づき、後は死にそうもないキャラばかりが残ったので
そこらへんのサスペンス性も劣る。ビリーが生き延びてるのは予想できたし。
翼竜が外へ出ないのが不思議だったが、檻の中にいたと判明。
だが、今回のラストで外へ出てしまい、
次回作では、こいつがラドンのごとく都市で暴れ回るのを期待したい。
 



シリーズ復活「ジュラシック・ワールド(2015年米)を見た。

 遺伝子操作によって恐竜が現代に甦るシリーズ第4弾。
恐竜が現代に登場する話は映画初期からあったが、
科学的に実現可能かもと思わせる設定を描くと言う訳。
マイケル・クライトン原作をスピルバーグが2本映画化した後、
もう1本作られた所で立ち消え。
久々の新作で、今までより派手になってるみたいだし、もちろん見ます。

オーウェン ワールドの職員(クリス・プラット)
クレア ワールドの管理者(ブライス・ダラス・ハワード)
ザック 兄。クレアの甥
グレイ 弟。クレアの甥
マスラニ ワールドの経営者
ホスキンス ワールドの幹部。軍事利用を企む
ウー博士 新種を生み出す

 事故から20年。
ジュラシックパークの権利は売却され、ジュラシックワールドとしてオープン。
満員の客でごった返す。
ザックとグレイの兄弟は、おばさんがワールドの関係者で、招待される事に。
恐竜好きの弟グレイは大喜びだが、兄ザックは恐竜なんて。。とバカにする態度。
一方で、グレイは両親が離婚しそうだと気づいていて、
兄ザックは気づいていなかった。
グレイは僕たちどうなるんだろうと、心細い胸の内を明かす。
後半になって兄が、どうなろうと兄弟の絆は変わらないと慰める訳。
そのおばさんクレアは、ワールドのナンバー2的存在で、実質の管理を任されていた。
兄弟を歓迎するが、仕事が忙しいので、案内は部下にさせる。
お守りがついていて面白くない兄弟は、部下の監視をまいて、勝手に見学して回る。
モササウルスと言う海に住む巨大な恐竜が、
餌のサメ(本来なら人間の強敵になるはず)をパクっと食べてしまう光景に、
観客は大興奮。このモササウルスは実在したらしい。
クレアは、訪れた経営者マスラニ氏にワールドの様子を説明。
パークの事故は黒歴史とされていて、あの事は話すなと言う調子。
でも、同じ島で、ジュラシックまで同じ名前だったら、誰でも連想するよね。
かつてはティラノサウルスで大騒ぎしたが、今では誰も喜ばないと、
遺伝子を掛け合わせた新種インドミナスを作っていると言うクレア。
だが、何を掛け合わせたかは、担当のウー博士任せで、クレアにもよくわかってない。
インドミナスは2頭作られたが、共食いで1頭が死亡。
残る1頭は凶暴で、管理センターの強化ガラスを割ろうとしたと言う。
事故はごめんだと言う経営者マスラニは、塀とかが問題ないか、再度確認しろと言う。

 仕方なく、クレアは同僚オーウェンに相談する事に。
オーウェンとは付き合った事があって避けていたのだ。
オーウェンは、3頭のラプトルを訓練していた。
だが、ラプトルの檻に係員が落ちる事故が発生。
自らも飛び込んだオーウェンは、今にも襲いそうなラプトルを制止し、
何とか係員を救助して脱出。
まだまだ完璧に手なずけたと言うには程遠い感じだ。
ところが、上出来だと言うホスキンス。
彼は企業の関係者らしく、実はラプトルの軍事利用を企んでいるのだ。
クレアに呼ばれて、オーウェンはインドミナスの塀を確認する事に。
だが、インドミナスは姿を消しており、よく見ると壁によじ登った様な痕跡が。
どうやら逃げたらしいと、オーウェンらは中に入って調べる事に。
ところが、それが罠だと気づく。
潜んでいたインドミナスは、一緒に入った係員を襲い、外へ出てしまう。
相手は頭のいいやつだと、オーウェンはワールドを閉鎖するように求める。
クレアやマスラニ氏は騒ぎは起こしたくないと、閉鎖を先送りにし、
攻撃チームを送り込む。だが、攻撃チームはあっという間に全滅。
これはあかんと、ようやく観客を避難させるように指示する。

 グレイとザックの兄弟は、
2人乗りのボール状の乗り物で、コースを回ろうとしていた。
彼らが乗ったところで、新たな乗船が停止される。
グレイらも引き返せと連絡を受けるが、事情が分かってないので、
楽しんじゃえと勝手に進む。
レール上の決められたコースを進む乗り物ではなく、
勝手に進めるらしくて、フェンスの隙間から危なそうなエリアへ。
そこでインドミナスに襲われる事態に。
乗り物がつぶされそうになって、兄弟は乗り物から退散。
逃げ回って、滝に飛び込んで逃れる。
 兄弟が行方不明と知ったクレアは、オーウェンと共に探す事に。
オーウェンは俺に任せろと言うが、責任を感じたクレアついてくる。
ただし、ハイヒールのままで、後にハイヒールで走り回る羽目に。
オーウェンは、多くの恐竜が殺されており、喰われていない点に注目。
インドミナスは殺す事を楽しんでおり、危険な存在だと感じる。
壊された乗り物を発見するが、足跡が滝に続いており、
どうやら兄弟は逃げたらしいと判断。
兄弟は、森の中の小屋で、パーク時代の残されたジープを発見。
何とかエンジンがかかり、人のいるエリアへ戻る事に成功する。
この兄弟は1作目の兄弟を連想させるが、
今回はかなり簡単に大人の所へ戻ってしまって拍子抜け。
 一方、マスラニ氏は自ら解決するとばかりにヘリで乗り出すが、檻に突っ込み死亡。
おかげで翼竜が抜け出して暴れ出す。
大勢いる観客は、船になかなか乗れないので、島の中を右往左往。
現れた翼竜が、逃げ惑う人々を次々襲う始末に。
クレアの部下はようやく兄弟を見つけるが、翼竜に襲われた挙句に池に落とされて、
モササウルスに食われてしまう。
兄弟はオーウェンやクレアと合流。
もはや手がつけられない事態だと、ホスキンス率いる軍が乗り出す事に。
ホスキンスにしてみれば、楽しくてたまらないシチュエーションだ。
オーウェンがラプトルを駆り出して先導させ、インドミナスを追い詰める事に。
だが、信頼関係にあるかに思えたラプトルたちの様子がおかしい。
そこでオーウェンは気づいた。
インドミナスにブレンドされた遺伝子の中に、ラプトルの遺伝子も含まれていたのだ。
遺伝子でわかるのか、ラプトルはインドミナス側についてしまう。
軍はたちまちやられて、ホスキンスもやられる。
これはいかんと、オーウェンらは逃げ惑う羽目に。
結局、改心したのかラプトルはオーウェン側につき、
インドミナスと戦うが歯が立たない。
そんな中グレイは、研究所で見た資料とインドミナスとでは歯の数が違う事に気づく。
別の新種がいるのだ。クレアは例によって存在すら知らなかったのだ。
そこで、クレアは檻を開け、別の新種をぶつける事に。
新種はインドミナスと激突。
その戦いは互角かに思えたが、池から半身を陸上に上げたモササウルスが現れ、
インドミナスを食ってしまう。ようやくワールドの脅威は去ったのだ。
今まで、どこにいたの?と言う数の客たちが避難所に収容され、
兄弟は心配してきた両親と再会。
だが、離婚がどうなるかはわからない。
オーウェンとクレアはよりを戻すような雰囲気に。
無人となったワールドに残った新種の恐竜は、
ゴジラのように締めの一吠えをするのだった。翼竜や他の恐竜は?

 と言う訳で、失敗に終わったジュラシックパークは、
経営者が変わってジュラシックワールドとしてオープン。
思えばシリーズ3作も作ったのに、パークが開園するシーンは描かれた事がなかった。
パーク時代のトラブルからは目をそらし、
柵を強化したとか言ってるが、根本的な解決になってるかは怪しい状態だ。
観客はさらに派手な物を求めていると、実際には存在しなかった恐竜まで産み出す。
もはや何でもありだが、
旧作でサム・ニールも似てる別物だと語っていたので、そこが露骨になった訳。
見ていると、良さそうな機能はじゃんじゃん付けちゃえと言う発想だ。
一方で、ラプトルを飼い慣らして、軍事利用しようと考える連中も現れる。
そんな中、新種やラプトルが暴れ出して、
いろいろ企んでいた連中の当てが外れると言う訳。
こんな危なかしい経営者たちってあり得るかしらとも思うが、
現実の日本の原発関係者とかも、似たような思考回路な気がしてくる。
全体として、展開自体はお約束的だが、申し分ない派手さで見せる。
 

ジュラシック・ブリーダー(2013年米露)

アビー 先住民の娘。店員
ケイン博士
シェルドン スキーに来た
ルーカス シェルドンの仲間

 田舎町。母親が死んだアビーは、その借金の為にビリーの店で働く事に。
スキーに向かう連中とツアーに向かう連中が、共にガス欠でビリーの店にたどり着く。
ケイン博士がガソリンを持っているはずと、アビーが案内。
だが博士は発作で死んでしまい、彼が育てていた恐竜が逃げ出す騒ぎに。
一同は逃げ回るが、次々やられてアビーだけに。
恐竜も互いに殺し合い、アビーがガソリンを爆発させて最後の1匹を倒す。
捜査官はアビーを保護。マスコミが殺到するが、恐竜騒ぎは否定される。
1年後、アビーは自分の店を持ち繁盛するが、それを覗いている恐竜がいた。

 と言う訳で、恐竜が登場するチープなアクション。
寂れた田舎町で恐竜を飼育していた怪しげな博士が急死。
町に住む先住民の娘と、たまたま町に立ち往生した連中が追い回されると言う訳。
同じチープな出来でも、人気のない都会に恐竜が現れるより潔いが、
ただ逃げ回るだけで、面白い訳ではない。
先住民の娘であるヒロインは、ハリウッド受けする顔立ちではないが巨乳。

TV放送 2016/04/17 WOWOW 1230-1358
 

シュレック(2001年アメリカ)

 ファークアード卿(ジョン・リスゴー)は、おとぎ話の登場人物に賞金をかける。
ロバのドンキー(エディ・マーフィ)は逃げ出し、
怪物と恐れられるシュレック(マイク・マイヤーズ)の小屋へ。
だがここへ七人の小人やハメルーンの笛吹き男などが集まり大騒ぎに。
卿の命令によると知り、話をつけるためドンキーと城へ向かう事に。
王になろうとする卿は、フィオナ姫(キャメロン・ディアス)と結婚すればいいと知り
ドラゴンの城に捕らわれた姫を助けるため、競技場で兵士を戦わせる。
そうとは知らないシュレックは、兵士たちを倒してしまい、彼が旅に出る事に。
ドラゴンと戦わず、姫を助けて無事退散。しかも怪物とあり、筋書きと違うと複雑。
最初は仲の悪かった2人も次第に接近。
だが、ドンキーは姫が夜になると怪物のような顔になると気づく。
子供の頃呪いをかけられ、運命の人とキスすれば戻るはずだが。
醜さと恋は相容れないと話すのを聞いたシュレックは、自分の事と誤解し怒る。
その態度に姫は卿との結婚を決意。だがドンキーに真相を聞いて式典へ急行。
夜が来て醜い顔を見せた姫に驚いた卿は、一同を始末するよう指示。
ドンキーを恋するようになったドラゴンもかけつけて大暴れ。
卿は食べられ、シュレックは姫とキス。姫は醜いままだったが、幸せに暮らした。

 と言うわけで、正攻法ではディズニーに勝てないと思ったか、
逆手にとったようなアニメが登場。
一癖あるキャラクターに、知名度の高い俳優が声を担当し
有名なキャラを脇役にすると言う発想はまあ面白いのだが、
さほどシュレックの行動が破天荒とも思えず、
こぢんまりとまとまっちゃったって感じ。

TV放送 2003/06/29 BS05 2000-2135
 

シュレック2(2004年)

シュレック 怪物(マイク・マイヤーズ)
フィオナ姫 シュレックの妻(キャメロン・ディアス)
ドンキー ロバ エディ・マーフィ
ハロルド 国王。フィオナの父(ジョン・クリース)
リリアン 王妃。フィオナの母(ジュリー・アンドリュース)
長靴をはいたネコ 王に雇われた(アントニオ・バンデラス)
チャーミング王子 フィオナと結婚するはずだった
ゴッドマザー 妖精。実はチャーミングの母

 フィオナ姫の両親である国王夫妻は、娘の結婚を祝う式典を開く事に。
だが国王はシュレックが怪物である事に失望。
もともとフィオナと結婚するはずだったチャーミング王子に、退治させようとする。
シュレックは妖精ゴッドマザーに、怪物は幸せとは無縁と言われ
薬を飲んでハンサムになろうとする。
効果を永遠にするには、真夜中までにフィオナとのキスが必要だ。
実はゴッドマザーはチャーミングの母で、息子にシュレックのフリをさせ
フィオナとキスをさせようとする。
罠に気づいてシュレックがかけつけるが、間に合わず、
フィオナはチャーミングとキスしてしまう。
だが改心した国王がカップをすり替えていたため、国王がカエルに変身。
シュレックは怪物に戻るが、幸せに暮らしたいと望む。

 と言うわけで、ドリームワークスのアニメで、
ディズニーなんかよりシニカルで、大人向けという印象があったが
いざ見てみると、割に物語も単純で短め。
声優陣は豪華だけど、それはアニメを見ていてもわからないし。

TV放送 2006/07/26 WOWOW 1250-1424
 

将軍(80)

 16世紀末戦国時代の日本。一攫千金を夢見るオランダ船が日本へ漂着。
英国人の水先案内人ブラックソーン(リチャード・チェンバレン)は、
矢部(フランキー堺)、近江(目黒祐樹)らに服従を従わされる。
ロドリゲス(ジョン・ルイス・デイビス)の船で、大坂城へ。
虎長(三船敏郎)に会ったブラックソーンは、イエズス会宣教師を信用せず、
まりこ(島田陽子)が通訳に。イエズス会の目的がアジアの権益と知る。
宿敵石堂(金子信雄)の目をかすめ、虎長は本拠江戸へ戻る事に成功。
地震から救った事もあり、虎長は按針(ブラックソーン)を武士にする。
まりこと接近するが、彼女は文太郎(高松英夫)の妻で、
彼女の父明智は、主君五郎田を殺した人物だった。
虎長の異母兄弟だが、石堂に加担する坐滝(夏木陽介)が、
大坂へ行かねば切腹せよとの書状を渡す。だが、虎長に江戸を出る気はない。
按針はオランダ船でイエズス会を駆逐し、キリシタン大名を味方にする事を画策。
彼とまりこは大坂へ行き、人質桐の方の釈放を要求。
拒否されるが、まりこが自害を賭け、石堂の承諾を得る。
だが、矢部の寝返りで襲撃を受け、まりこは死に、オランダ船も焼かれる。
これは虎長の指示で、イエズス会とキリシタン大名双方を味方にするためだった。
虎長と石堂は関ヶ原で激突。虎長が勝ち将軍に。

 と言うわけで、日本を舞台にした外国人の活躍と言うわけだが、
日本人の目からすれば、モデルはあるにせよ、架空の人物ばかりで、ピンとこない。
興味本位という印象も否めない。

TV放送 93/06/18  10CH  02:30-04:42
 

将軍の娘 エリザベス・キャンベル(99)

 軍内部の事件を捜査するポール曹長(ジョン・トラボルタ)は
知り合った女性エリザベス大尉が、全裸で死亡していた事件を調査する事に。
レイプの痕跡はなく、元恋人のカウンセラー、サラ(マデリン・ストー)と取り組む。
大尉は、大統領候補となったキャンベル将軍(ジェームズ・クロムウェル)の娘だ。
上官のムーア大佐(ジェームズ・ウッズ)に疑いがかかり逮捕。
しかし証拠は不自然だ。内部の恥部を掘り返すなと、捜査に妨害の手が及ぶ。
ポールの親友ビル(ティモシー・ハットン)がムーアを釈放。
その後、ムーアは自殺と思われる死を遂げるが、これも不自然だ。
精神医を追求すると、エリザベスの過去が判明。彼女は演習中にレイプされたのだ。
優秀な成績の彼女は憎まれており、犯人は同僚の連中だった。
しかし、将軍らは士官学校の名誉のため、この事実を葬るよう指示した。
エリザベスは裸になって父にアピールしようとしたが、
彼女を愛するビルはカッとなって絞殺。ポールらに追いつめられ、地雷で自爆。
将軍は犯罪隠蔽の容疑で有罪となり、公の場から姿を消した。

 と言うわけで、トラボルタ主演だが、彼ならではの味が出るわけでもなく
ドロドロとした軍の恥部の話。その話は衝撃的と言うほどでもないが
あまり後味がいいものでもない。

TV放送
 

小公女(39)

 1899年。英軍はアフリカへ向かい、
クルー大尉の娘セーラ(シャーリー・テンプル)はミンチン女学校へ入学する事に。
金持ちのセーラは優遇され、厳格なミンチン校長の目を盗み、
ローズ先生と恋人ジェフリーの密会を手助けする。
やがて、クルーが戦死し、財産が敵に没収されたとの知らせが入る。
世間体を考えたミンチンは、セーラを追い出さず、台所仕事をさせる。
抗議したローズはクビに。父の生存を確信するセーラは、病院を回る。
同情した隣人のウィッチャム卿は、セーラに豪華な贈り物をする。
だが、盗品と誤解され、セーラは追われる羽目に。逃げ出した彼女は病院へ。
クルーは意識不明の上、書類が紛失。今にも移動されようとしていた。
逃げるセーラは彼の部屋に隠れ、父と再会。父も記憶を取り戻す。

 と言うわけで、小公女をテンプルちゃんが演じた作品。
彼女は芸達者だが、お手伝いの娘ベッキーとの会話あたりは、
あまりにも演技ぽくていただけない。最後にビクトリア女王に敬礼するのはかわいい。
ウィッチャムがジェフリーの父というあたりは、説明不足。

TV放送 93/12/03  04CH  01:50-03:45
 

正午から3時まで(1976年米)

グラハム・ドーシー 強盗団(チャールズ・ブロンソン)
アマンダ・スターバックス 屋敷の主人(ジル・アイアランド)
バック 強盗団のリーダー
フォスター 小説家

 バックら一味は銀行強盗を計画。だが、失敗する夢を見たグラハムは怖気づく。
馬が足を折ったと称し、途中のアマンダの屋敷で待機する事に。
アマンダは警戒するが、未亡人である彼女は次第にグラハムに惹かれ、
一味が戻るまでの時間を惜しみながら過ごす。
だが、強盗一味が捕まり、まもなく処刑されると知ったアマンダは、
嫌がるグラハムを助けに行かせる。
助ける気などないグラハムは、通りかかった歯科医から服を奪って退散。
歯科医は一味として射殺される。
一方、グラハムはインチキ歯科医として捕まり有罪に。
アマンダは強盗と親しくしたと非難されるが、彼を愛した事は恥じていないと訴える。
これに人々は考えを改め、フォスター氏が2人の物語を本にする。
本は世界中で売れ、その評判は刑務所にいるグラハムにも届く。
出所した彼がアマンダの町を訪れると、そこは観光地となっていた。
グラハムはアマンダを訪ねるが、彼はもっと長身で美男だったと言われる。
本人と理解してもなお、アマンダは家を出る事は出来ないと言う。
偶像になってしまった彼女は、伝説を守ると自らを撃って死んでしまう。
失意のグラハムは、どこへ行っても本人だと信じてもらえず、やがて精神病棟へ。
そこの者だけは、グラハムを本人として受け入れてくれるのだった。

 と言う訳で、ブロンソンもの。
強盗一味であるチャールズ・ブロンソンは、
おじ気付いて途中のジル・アイアランド邸で待機し、彼女と恋に落ちる。
仲間が捕まったと知りジルは助けに行かせるが、そんな気はさらさらないブロンソン。
別人になりすますが、その男の罪で捕まってしまう。
ブロンソンが死んだと信じたジルは、2人の話を物語にし、
やがて世界中に知られる存在となると言う訳。
本作のブロンソンは頼りないタイプだが、
過去にこんなキャラも見た気がして、さほど違和感はない。
異色なのは後半で、伝説の人になった彼は、本名を名乗っても信じてもらえない。
ひねったサスペンスみたいな展開で、ショートストーリーみたいな落ちもあり。

DVDレンタル
 

小説家を見つけたら(2000年米)

ジャマール・ウォレス 黒人少年
ウイリアム・フォレスター 作家(ショーン・コネリー)
クレア ジャマールの同級生(アンナ・パキン)
クロフォード先生 (F・マーリー・エイブラハム)
ジョン・コールリッジ 同級生。金持ちの息子
弁護士 (マット・デイモン)

 黒人少年ジャマールは仲間にそそのかされて、変り者とされる老人の家に忍び込む。
だが、老人に居合わせて退散。
リュックを忘れるが、窓から投げられ、中にあった文章には添削がされていた。
実は、ジャマールは文才とバスケの才能が評価されており、
私立学校に招かれ、転校する事になった程なのだ。
彼は文章を見せる為に老人を訪ねる様に。
やがて、彼が著名な作家フォレスターだと知る。
1作だけ書いて、表舞台から消えた人物だ。
ジャマールの文章がクロフォード先生に批判されたと知り、
見返してやれとフォレスターは指導する。
だが、ジャマールの文章は優秀だが、タイトルがフォレスターの随筆だと指摘される。
ジャマールはフォレスターとの関係を語らず、
謝罪を断った為、バスケに専念させられる。
そのバスケの試合では、わざとフリースローをはずして敗れる。
自分からは辞めないと、ジャマールは作文シンポジウムに参加。
そこへ現れたフォレスターは、クロフォードに文章を読む事を求める。
文章は称賛されるが、フォレスターはそれはジャマールの文章だと語る。
教育長は、ジャマールの評議会召喚を取り消すと決定。
フォレスターは、これからは君が決めろと言い残して旅に出るのだった。
最終学年になり、ジャマールはフォレスターの弁護士から、
彼が癌で死んだと知らされる。
ジャマールは彼の部屋と大量の本を譲られる。
そこには、君のおかげで私までも夢が実現できたと言葉が遺されていた。

 と言う訳で、ショーン・コネリー主演のドラマ。
主人公はブロンクスに住む黒人少年で、
仲間にそそのかされて盗みに入るが、住人に気が付かれて退散。
その住人がショーン・コネリーで、少年に文才がある事に気づく。
実はコネリーは人前に出ない有名作家で、少年の才能を引き出すが、
教師は、少年にそんな才能はなく、盗作だと決めつけると言う訳。
グッド・ウィル・ハンティングのガス・ヴァン・サント監督作で
かの作品のマット・デイモンが黒人少年に相当すると思えば、全体の雰囲気は似てる。
個人的には、こっちの方が面白かった。
マット・デイモンも友情出演。

TV放送 2014/09/03 WOWOW 0700-0916
 

ショウタイム(2002年アメリカ)

 ベテラン刑事ミッチ(ロバート・デニーロ)は麻薬のおとり捜査をするが、
俳優志望の警官トレイ(エディ・マーフィ)が怪しんで騒動に。
マスコミもかけつけ、ミッチはカメラを破壊。トレイはヘマを放映される。
低視聴率に悩むTVプロデューサーのチェイス(レネ・ルッソ)は、
ミッチを主役に刑事ドキュメントを企画。上司も評判を上げるようミッチに命令する。
出演したいトレイは、チェイスの前で犯人逮捕の芝居を打ち、彼女に気にいられる。
2人はコンビを組む事になるが、ミッチは演技をする気がない。
例の事件の犯人が死体で見つかる。特注の大型銃で始末されたらしい。
チェイスは2人が親しくなるよう求め、ミッチの部屋を勝手に改装。
「ショータイム」と言う番組になり、トレイの人気が出る。
黙秘する一味を、トレイは口八丁で尋問。黒幕がバーガスと聞き出す。
一味は現金輸送車を襲撃。ミッチらは激しい追跡の末で町を破壊した末逃げられる。
怒った上司はトレイを警官に戻し、ミッチも停職に。
警察のチャーリーが一味と気づき、彼が銃を製造。銃器展で取引する気と知る。
2人とチェイスらで会場へ乗り込むが、追いつめられたバーガスはチェイスを人質に。
要求を聞くと称して、カメラを持ってホテルの部屋へ。
隠した銃でバーガスを射殺するが、撃たれたバーガスは大型銃で天井を撃ち抜き、
屋上のプールの水で2人も流されそうになるが、危機一髪難を逃れる。
チェイスは新たに女性コンビを組ませる事にし、
トレイは警部に昇進し、ミッチと番組を離れてコンビを組む事となる。

 と言うわけで、デニーロは同じ時期に15ミニッツと本作に出ていて、
どちらもテレビに振り回される刑事の話なので混同していたが、
こちらはエディ・マーフィも出ている事で、コメディ風。
ただし、マーフィも貫禄が出て、インチキ警官ぽさはあまり出ず。
15ミニッツはマスコミの怖さのような物を描いていたが、
本作はたまたまテレビで中継しているだけと言う感じで、
あまりその設定が生かされていない感じ。
2人が協力して捜査に向かうようになる心理描写もいまいち。
監督役ウイリアム・シャトナーは、TJフッカーに出た元俳優役と言うから本人役か。

TV放送 2004/06/25 BS05 1440-1620
 

情婦(1957年米)

ビリー・ワイルダー監督

 弁護士ウイルフリッド卿が退院。しばらくは刑事事件は無理と言われるが、
旧友メイヒューが、ヴォールにかけられた殺人容疑について相談する。
発明家でもあるヴォールは、偶然知り合った未亡人エミリーと接近。
彼女が殺害され8万ポンドの遺産が彼に。金は発明に必要で、それは殺人の動機に。
愛妻がアリバイを証明出来ると言うが、円満な夫婦の証言は信用されない。
やがてヴォールは逮捕。妻クリスティーヌ(マレーネ・ディートリッヒ)は
東ドイツから逃れるためにヴォールを利用。妻である事自体否定する。
裁判でメイドは、ヴォールが遺言状を書かせたと証言。
しかしドア越しに声を聞いただけで、補聴器を修理中の彼女の証言はあてにならない。
検察側はクリスティーヌを証人に。結婚が正式でないと証言。
しかも事件当日の帰宅が遅かったとも言い出し、卿らをあわせさせる。
検察はヴォールが旅行会社で目撃された事を理由に、遺産の事を知っていたと言う。
状況的に不利だが、謎の女性が卿を駅へ呼び出す。
そしてクリスティーヌに関する手紙を売る。彼女に彼氏を奪われ復讐したいと言う。
裁判でその手紙を証拠に。クリスティーヌはマックスと言う恋人がおり
自分の証言次第でヴォールを陥れられ、彼と離れられると言う内容だ。
追求され、クリスティーヌはそれが本物だと認める。そのため評決は無罪に。
だがクリスティーヌは真相を卿に告白。駅の女は彼女自身で、マックスの話はウソ。
ヴォールは本当に殺人を犯したが、彼を愛する妻の証言は信用されまいと考え
演技をしたのだ。しかも一度無罪になれば、判決は覆らない。
ところが、ヴォールは旅行会社でいたと言う愛人と去ろうとし、
ショックを受けたクリスティーヌは彼を刺殺。卿は彼女を弁護する事を決意する。

 と言うわけで、クリスティ原作「検察側の証人」の映画化で、
邦題はネタ晴らしになるなどと言われたが、
この邦題であの結末を連想するのはちょっと強引な気もする。
とぼけた味の弁護士に、謎の多い被告の妻の面白さに対して
どこかのんきな被告がどうもしっくり来なかったが、
最後に唐突にも思えるどんでん返しがあり、何か急に展開してしまって、
それが面白いのかも知れないが、やはり唐突すぎるという印象は否めない。
今まで慎重に罠を仕掛けたのに、急にばらしてどうすると言う感じ。

TV放送 2003/06/30 BS11 1655-1855
 

ショウほど素敵な商売はない(54)

 19年。舞台でボードビルを演ずるテリーとモリー(エセル・マーマン)。
スティーブ、ティムと言う息子と、娘ケイティを含めてドナヒュー5人組を名乗る。
子供たちは学校へ行き、大恐慌で職を失った夫婦はいろんな仕事をする。
37年。再び舞台に戻り、看板スターに。だが、スティーブは神父になる。
ティム(ドナルド・オコナー)は歌手ビッキー(マリリン・モンロー)と知り合い、
ケイテイと共に3人で仕事をする事に。
だが、ティムはケイテイにあしらわれ、交通事故の末、行方をくらます。
仕方なく、モリーが代役で舞台に。テリーはティムを探す旅に出る。
やがて、彼らが育ったヒポドームの最終興業で、モリーが歌う。
そこへティムやテリーも現れ、舞台へ。いろいろありましたが、5人そろいました。

 と言うわけで、ミュージカル的には、知っている曲が最後の奴だけなのでいまいち。
しかし、ショウビジネスに生きる一家のドラマとして、けっこう見応えが。
最後に5人そろいましたと言う展開が感動的だ。
ただ、マリリン・モンローが付け足しのような存在で邪魔。

TV放送 93/07/17  BS05  20:00-22:00