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日本でも意外な人気「スパイダーマン」(2002)を見た。
アメコミのリメイク映画は「スーパーマン」を初めとして
「バットマン」を経て、このスパイダーマンへ。
もちろん、途中にマイナーなのもあったが、この3作がやはりメジャー作。
いずれもどこか影のあるヒーローの姿を描いていたが、
実は、そういうヒーローの元となったのは、実はスパイダーマンが元祖らしい。
このスパイダーマンは、他の2シリーズと違い、
宇宙人でも大金持ちでもない、普通の青年で、
ひょんな事から力を得るが、最初はそれが使いこなせないあたりも共感が持てそう。
テロの影響で、貿易センタービルがポスターからはずされた等と言う事もあったが
予告編等で見る、高層ビルの間を糸から糸へ飛び移るシーンが
最新技術で描かれると、どういうカタルシスを感じさせるか、
見逃すわけには行くまい。
音楽はダニー・エルフマンで、バットマンのようなノリになりそうな気もするが
ここは一つ、TV版の主題歌のアレンジもほしいところ。
冒頭はマーベルと文字が出て、スパイダーマンのコミックの絵が出る中、
糸があちこち飛び交うタイトル。音楽はバットマン風にも思える。
物語はピーター・パーカー(トビー・マグワイア)の回想で始まる。
これが真実でないと言うなら間違いだ。
彼があこがれているのは、通学バスに乗るメリー・ジェーン(MJ)と言う女の子。
実は隣の家で幼なじみなのだが、彼女の恋人フラッシュではない。
その座席の前の男でさえない。
高校生のピーターは、毎日のように通学バスに乗り遅れる。
あわてて追って何とか飛び乗るが、誰も席を空けてくれない。
今日は、課外授業でクモの研究所の見学に行く事に。親の車でかけつける友人ハリー。
ハリーの父オズボーン氏(ウイレム・デフォー)は、軍需会社オズコープ社の経営者。
ハリーも跡取りにしようと考えているが、
どちらかと言うと、科学に関心のあるピーターの方を評価しているような様子。
同級生たちは、ハリーもピーターと同様にバカにしている。
この研究所では、遺伝子組み換えでスーパースパイダーと言うのを何匹か作るが
1匹が姿を消していた。それでも皆たいして気にせず。
学校新聞のカメラマンであるピーターは、写真を撮ろうとして邪魔されたりするが、
何とかMJに声をかけて、彼女の写真を撮る事に成功する。
その時、上から逃げていたクモが降りてきて、ピーターにかみつく。
痛いと感じるが、クモだとは思わず、特に気にしないピーター。
そのクモこそ、逃げていたスーパースパイダーだった。
この後、この逃げたスーパースパイダーがどうなったか、それは語られない。
ピーターは両親を失い、
ベン・パーカー(クリス・クリストファーソン)とメイの叔父夫婦に育てられていたが
叔父は最近約束を守らなくなったピーターに手を焼いている。
帰宅したピーターは妙にグッタリしていて、今日も会話もせずに、
疲れたと言って寝込んでしまう。
その頃、オズボーン氏は軍事用の人体改造研究をしていたが
同僚の博士が危険だと主張したため、軍は採用を見送り。
マウスで実験したところ、1匹だけが凶暴になったためだ。
危険性を解消するには、実験を続けねばならないが、
1週間だかで人体実験に成功しなければ、他社に切り替えると言われてあわてる。
あせったオズボーンは、自ら人体実験する事にして証明する事に。
危険を訴えた博士も結局協力。だが、何やら薬を注射され苦しむオズボーン。
あわてて装置を博士が止めるが、オズボーンは凶暴になって暴れ出す。
翌日。博士の死を報告され、呆然とするオズボーン。
別の人格が芽生えたオズボーンは、それが自らの仕業だとは気づいていなかった。
一方、翌朝ピーターは目覚めると、
普段はメガネがいるはずなのに、視力が良くなっている事に気づく。
おまけに筋肉も盛り上がっていて、階段を下りる際も妙に身軽だ。
それでも遅刻はしていて、バスに乗り損なうのだが、
バスにつけられた垂れ幕をつかむと、なぜかこれが破れてしまう。
手から何やらとげのような物がのびていて、それが引っかかったのだ。
昼食を取っていると、そこをMJが通りかかる。
彼の横には、何か液体がこぼれていて、MJはこれで滑って転びそうに。
その時、ピーターはそれに素早く反応し、MJを転ぶ前に助け、
さらに宙を舞った彼女の食器を素早く受け止める。ピーターの動きに驚かされるMJ。
ほめられてまんざらでもないピーターだが、何気なく手を振ると
手から糸状の物が飛び出す。これが、向かいの席の男の食器にひっつき
あわてて引っ張ると、すごい粘着力で、
食器は偶然にも後ろで座っていたフラッシュの頭に当たる。
フラッシュは怒るが、あわてて退散するピーター。
しかし、食器をつけた糸は手から離れず、食堂を出てもドアに引っかかり
人々はまたピーターがマヌケな事をやっていると思ったのか、笑い飛ばす。
だが、荒くれ者のフラッシュがそれですむはずもなく
ロッカーの所にいるピーターに因縁をつけてくる。
そして殴りかかるが、今度もピーターは素早く反応し、彼のパンチをかわし
身軽にクルクルッと飛び跳ねて、最後にはフラッシュをはじき飛ばしてしまう。
皆の賞賛の目にまんざらでもないピーター。
自分に何か能力が身に付いたと感じ、それを試す事に。
壁にしがみつくと、とげのような物が体を支え、ビルの壁も登る事ができるのだ。
次は糸の方だ。「糸よ出よ」とか「シャザム」とか叫ぶが出ない。ここも笑える。
能力の使い方がわからない様子で、
ウイリアム・カットのアメリカンヒーローを思わせる。
シャザムというのはアメコミの1つで、昔10分だけ放送していた。
シャザーンと言う魔法使いと間違えやすいが、シャザムは日本では知名度が低い。
手の角度によって、糸が出る事をつかむが、まだ練習が必要そうだ。
部屋で何度も糸を出す練習をし、花瓶とかを倒して壊れ物が続発。
フラッシュを倒した事は、おじさんも知っているが
どうもピーターが最近家の手伝いをしないと心配する。
隣の家では、MJが柄の悪い父親とケンカ。
彼女が家を飛び出したところで出くわし、彼女と話をする。
MJは卒業したら家を出てニューヨークへ行く気だ。
ピーターの方も、ニューヨークでカメラマンになりたいと言う。
そこへ新車を買ったと言うフラッシュが現れ、彼女はあわてて立ち去る。
それを見て、自分も新車がほしいと感じるピーター。
そこで車の雑誌を見るが、お金が足りそうもない。
飛び入り可能なプロレスの試合に参加し、その賞金で買えると知り参加する事に。
スケッチブックに、クモをベースにコスチュームをデザインする。
図書館に行くと称して出かけようとすると、おじさんが送ると言う。
フラッシュの件は聞いたが、大いなる力には大いなる責任が伴うといさめる。
会場には似たような志願者が多数。
小柄なピーターは出場を拒否されそうになるが、強硬に出たいと言って認められる。
リングでは大柄なレスラーが暴れ回り、対戦相手をすぐに倒し続ける。
ピーターはヒューマンスパイダーと称してリングに上がる事にするが、
リングアナウンサーは名前が格好悪いと言って、勝手にスパイダーマンと名づける。
観客が見守る中、スパイダーマンの初登場シーンになるかと思いきや、
そのコスチュームは、いかにも素人風のただのジャージ。顔も半分近く見えている。
今までの試合と異なり、オリで囲まれてしまい、脱出不可能。
話が違うと言うが、もはや手遅れ。
観客は大男が挑戦者を何秒で倒すか関心を持つが、ピーターは攻撃を素早くかわす。
調子に乗るピーターだが、イスで殴られピンチ。
しかし、糸とかを使い反撃。結局、強力な相手を倒してヒーローの気分に。
ところが、プロモーターは1ドルとかしか払わなかった。
と言うのも、大男相手に3分間立ち続けていたら賞金を出すと言う条件だったが
1分で倒してしまったためだ。
ピーターは車が買えなくて困ると怒るが、関係ないと言うオーナー。
仕方なく立ち去るが、男が乱入。
オーナーを脅して、売上金を奪いエレベータで去ろうとする。
オーナーは止めてくれと言うが、ピーターは黙って見逃す。
オーナーは怒るが、ピーターは涼しい顔で関係ないと言う。
ピーターが外へ行くと、誰かが倒れている。待っていたおじさんが撃たれたのだ。
何者かに車を奪われ、撃たれたらしい。
哀しみが怒りになると、ピーターは走り出し、
服を脱ぎ出し、下に着ていたスパイダーマンのコスチュームに。
ビルの上にどんどん登り、意を決して、糸を飛ばしてビルからジャンプ。
ここが一番面白いシーンだ。逃走する車に飛び乗り、殴って穴を開け止める。
逃げる男。ピーターはビルに追いつめるが、男が先ほど見逃した相手と気づく。
男はさっきの坊主と気づいて、バカにしたような笑いを浮かべ立ち去ろうとするが、
ピーターの怒りが爆発し、突き飛ばすと男は窓から落ちて死ぬ。
警察が集結し、落下した男を見つつ、ビルにいるもう一人を捜すが、
すでに男は去った後だった。
やがてピーターらは卒業式を迎え、ピーターは叔父に見せたかったと悲しむ。
オズボーンの好意もあり、ハリーとニューヨークの下宿に同居する事に。
MJはフラッシュと別れ、彼女も女優となるためニューヨークへ行く。
その頃、オズボーンのライバル社は宇宙で活動するためのスーツを実験。
軍はこちらと契約する気だったが、そこへ謎の飛行物体が接近。
爆発し、見ていた軍やライバル社の連中も巻き込まれる。
この事故で、オズボーンの会社オズコープ社が再びのさばるようになるが、
重役たちは、オズボーンを危険視し、重役会議で追い出そうとする。
ニューヨークで生活するようになったピーターは
「大いなる力には大いなる責任を伴う」と言う言葉を胸に、正義のために戦う事に。
今度こそ新たなコスチュームを作り、スパイダーマンとして、
各地で犯罪者を倒し、人々の間で次第に話題となる。
だが、タブロイド誌デイリー・ビューグルのジェイムソン編集長は
彼を得体の知れない人物として、犯罪者と決めつける。
そして、その正体を暴くため、スパイダーマンの写真を募集。
それを知ったピーターは、電柱にカメラをあらかじめセットしておき、
自らが犯罪者を捕まえる姿を撮影。
それを持って新聞社へ行き、写真を売り込む。
彼だけがそんな写真を持っていったら怪しい気がするのだが、
気に入らないとケチをつけながら、一応採用する編集長。
正式採用はしないが、スパイダーマン専属くらいのつもりで臨時採用する。
そんな中、ピーターは街でMJと偶然再会。
女優志望として来た彼女だが、実際には仕事はなくファーストフードでバイト。
そこも店長とうまく行っていない。
実は彼女は今ハリーと交際するようになっていたが、ピーターとも昼食の約束をする。
タイムズスクエアでオズコープ社が参加するパレードが催され、
MJはピーターと出席。MJらはビルのベランダ部分から見物。
ピーターは取材に来ていて、MJの事を秘密にしていたハリーと視線が合う。
その時、上空から何やら飛行物体が接近。
幹部らはそれが自社の軍事兵器だと気づく。空中を飛ぶサーフィンのような物だ。
人々はアトラクションと思って喜ぶが、急降下して人々を攻撃。
後に編集長にグリーンゴブリンと名づけられる怪人は、
奇怪なマスクをしていて、攻撃する男。
爆弾を投げつけると、たちまち骨になってしまう幹部たち。
俺をクビにしやがってと言うから、正体はオズボーンだとわかる。
さらに機関銃のような物を撃ちまくる。人々は逃げまどい、崩れるベランダ部分。
落ちそうなMJ。ハリーはたちまち気絶し、役に立たない。
ピーターはスパイダーマンに変身してかけつけるが、グリーンゴブリンが妨害。
激しい戦いに。今にも落ちそうなMJ。結局グリーンゴブリンは退散し、MJを救出。
そのまま糸で飛び去り、ビルの屋上に置いて立ち去る。
たちまちスパイダーマンに惹かれるようになるMJ。
一方、役に立たなかったハリーとの仲は、次第に悪化する。
鏡の中の自分と話すオズボーンは、自分の中にゴブリンがいる事に気づき、
さらにゴブリンがどんどん彼を支配していく。
ピーターはMJと会うが、ハリーとの関係を思って、手を出さない。
彼女と別れるや否や、MJを狙う一味。
それに気づくピーターは、スパイダーマンに変身する余裕もないままかけつけ、
雨の中、一味を倒す。糸でビルから逆さまにぶら下がるピーター。
MJが近づいてきて、あわててマスクをつける。
雨ですけた胸も印象的。逆さまになったスパイダーマンにお礼だと、
マスクの口の所だけをはずして彼にキスする。
ゴブリンは、デイリー・ビューグルだけがスパイダーマンの記事を載せていると
新聞社を襲撃。スパイダーマンを出せと言う。
ピーターはあわてて変身。だがゴブリンに薬で眠らされ転落寸前。
彼を助けたゴブリンは、某所へ連れて行き、世界征服に手を組もうと言う。
気絶している間に正体を見れば良さそうだが、なぜかマスクははずしていない。
だが拒否すると、正義の味方のつもりかとか言って去る。
それからあれこれあって、再び事件が。
火災が発生し、スパイダーマンはかけつける。中には赤ん坊が取り残されている。
消防士も手を出せない猛火だが、母親が叫ぶ中、救出。喜ぶ母。
だが、警察がかけつけ逮捕すると言う。
スパイダーマンを正義の味方と信ずる人々の間に険悪な雰囲気が。
その時、火の中からさらに老婆の叫び声が。警官も結局行けと言う。
だがそこで待っていたのは、老婆の声のフリをしていたゴブリンだった。
再び対決。刃物状の武器で襲われるが、マトリックス風にかわす。
決着はつかず退散するが、ここで負傷する。
そんな事とは知らない叔母さんが訪問し、ハリーやMJ、
そしてオズボーンも呼んでパーティをする事に。
窓から家へ飛び込もうとするが、皆がいるのでビックリ。
オズボーンは物音がしたと部屋を見るが、天井の上に張り付く。
上から血がしたたるが気がつかない。
今帰ってきたようにフリをして、皆で食事。
食べる際の行儀の悪いオズボーンに怒る叔母。
オズボーンは狂気の色を見せかけるが抑える。
何事もなかったフリをして食事するが、ピーターの服に血がにじんでいるのに気づく。
ピーターの正体に気づくオズボーン。うろたえて帰ると言い出す。
止めるハリーに、MJは遺産狙いだから別れろ等と大声で叫び
聞こえていたMJとハリーは、さらに気まずくなる。
その後、ピーターの留守中におばさんが襲われて負傷。ゴブリンの仕業とにらむ。
敵がスパイダーマンの身近の者を狙ったとすると、正体がばれたに違いない。
次はMJが危ない。ゴブリンに呼び出され、あわてて急行。
橋の上に吊されてるMJ。そして橋に沿って動くケーブルカーがあるようだが、
これもケーブルを切られて、ゴブリンの手中に運命をゆだねるハメに。
ケーブルカーには満員の子供たちがいる。
スパイダーマンに対し、正義の味方のつもりのおまえを困らせてやると称して
2つのケーブルを同時に手放す。落下するケーブルカーとMJ。
スパイダーマンはあわてるが、結局素早くどちらにも糸で落下を阻止する。
だが、いつまでも支えきれない。特にMJは宙づりで危ない状態だ。
ゴブリンは、ヒーローはそうやってどちらも救おうとするとバカにする。
橋の上からは、人々がゴブリンに石を投げるが、気にしない。
スパイダーマンも耐えきれなくなるが、下の川へ来た船の上にケーブルカーをおろし
MJも無事着地する。これですべて安心。
スパイダーマンとゴブリンは、倉庫のような所で対決。
マスクが壊れて、その正体がオズボーンとわかる。
スパイダーマンの方も、マスクが破れてピーターの顔を見せる。
オズボーンは、自分の中のゴブリンの部分が制御できなくなったと泣きつく。
だがそれさえもゴブリンの演技で、スパイダーマンの背後に迫る空中のサーフィンが
刃物を出してスパイダーマンを襲うが、素早くかわす。
刃物はオズボーンを直撃。虫の息の彼は、ハリーには言うなと言って息絶える。
やがてオズボーンの葬式が催される。落ち込むハリー。
なぜか父の敵がスパイダーマンであると信じていて、必ず復讐すると言う。
続編での対決が容易に予想できるが、こういう因縁は面白い。
MJはピーターに、スパイダーマンにあこがれていたが、
あの時なぜか頭に浮かんだのはピーターだと告げる。いつも近くにいてくれたと。
そしてピーターにキスするが、
ピーターは、僕には使命があるから君とはつきあえないと言って立ち去る。
予想外の事態に呆然とするMJ。だいぶたってから唇の感触が、
あの雨の時のスパイダーマンと同じ事に気づく。
スパイダーマンは平和のために戦い続け、親愛なる隣人と呼ばれるようになる。
と言うわけで、さえない青年が強力な力を得る序盤から、共感が持てるが
どこか、スーパーマンの1作目とかとダブるところがある。
強力な力を得たのに、それを特に疑問にも思わず、
研究所に相談にも行かないのは強引だが
それでも、最初はコスチュームがみっともなかったり、
なかなか糸が出せなかったりするあたりも、等身大のヒーローとして面白い。
おじさんの死はちょっと犬死にっぽいのだが、
その怒りからヒーローへと走るあたりは、鳥肌が立ちそうな感じ。
走り出して、ヒラリヒラリとビルを飛び移るシーンは、
できるなら自分でもやってみたいような活躍と言える。
新聞社に出入りするあたりもスーパーマンとダブるが、
特筆すべきは、編集長がスパイダーマン否定派である点。
そして、警察もどう対処していいかわからないが、結局応援するのもいい。
親友ハリーは、父の死をスパイダーマンのせいと決めつけるエンディングも面白く
いかにも続編で対決しそう。
MJとの関係もなかなか良くて、最初からスパイダーマンにあこがれたりせず
いろんな連中を経て、それでスパイダーマンに行きつつ
ピーターにも惹かれる展開はなかなかいいし、
キスでスパイダーマンと感づくあたりは、TV「新スーパーマン」を思わせる。
いずれにせよ、成長過程にあるヒーローの人間模様として面白いのだが
ちょっと残念なのは、敵のウイレム・デフォー。
最初はそれほど悪い人物ではなかったのだが、人体改造で悪へと走る。
その設定もなかなかよく、空中を飛行できる機械も面白いが
中盤からのスパイダーマンとの対決が、いまいちスケールが大きくならないのが残念。
TVの主題曲は、映画では使われなかったが、
エアロスミスのアレンジでCDには入った模様。
それにしても、この企画、最初はシュワちゃん主演だったはずだが
ピーターがシュワちゃんだったら、あまり共感が持てなかったに違いない。
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「スパイダーマン2」(2004)を見た。
アメコミのリアル版実写映画化がはやっているが
そんな中でも最も成功していると思われるのが、このスパイダーマン。
前作もかなりヒットしたが、普通のスーパーヒーローと違い、
基本的には普通の青年で、恋もしたりすると言うところがポイント。
実はそれは映画版スーパーマンの頃からあった話なのだが、
前作ではそれをさらに押し進めた感じで、共感がもてた。
そして本作では、さらにさらにその話が進展。
恋人との関係はどうなるか。スパイダーマンを父の敵と信じる親友との関係は。
等という問題をまじえつつ、新たな敵と戦うわけでこれはポッターよりも見逃せない。
冒頭はまたマーベルと表示され、クモの網にまみれたタイトル。
そして劇画調で前作の名場面を軽く紹介。
とは言え、知識なしに見て、これで理解できるとは思えないが。
説明はないが、パンフによるとグリーン・ゴブリンとの戦いから2年。
ピーター・パーカー(トビー・マグワイア)は大学生となっていた。
ピザ屋の配達のバイトをしているが、遅刻して15分だかで届けろと言われる。
間に合わないとタダにしなくてはならないのだ。
遅そうなバイクで移動し、暴走する車にぶつけられそうになり、ヒラリと飛んで着地。
見ていた少年たちが驚いて、どうやったら出来るのと聞くと
ピーターは、「早起きして運動を」とか何とか言ってごまかす。
少年たちは、ママがそう言ってたけど本当なんだと驚く。
バイクが壊れて仕方なく走ったりして、
スパイダーマンに変身して、ヒラリヒラリとビルの間を移動。
最初からそうすればいいジャンという感じだが、
端から見ると、スパイダーマンがピザを盗んだように思われる始末。
トレーラーの運転席と荷台の間をすり抜けるような芸当をして移動するが、
何かで少年たちが危ないと気づいて、ビルの上にピザを置いて、少年たちを助ける。
その間にベランダにピザがあるのに気づいた住人が、それを取ろうとするが、
すばやく糸で奪い返して、注文されたビルへ倉庫から中へ。
だがすでに10分ほどの遅刻で、料金はもらえず。しかもピザ屋もクビになる。
落ち込むピーターは、壊れたバイクを引いておばさんの家へ。
ふと見ると町には幼なじみで恋してるMJ(キルスティン・ダンスト)のポスターが。
今や彼女は女優として人気で、CMにも出ているのだ。
おばさんメイが誕生パーティをしてくれて、
MJや親友ハリー(ジェームズ・フランコ)もかけつけてくれる。
ピーターはMJに恋してるのだが、スパイダーマンの仕事があるため踏み込めず、
そんな態度にMJも複雑な想いだ。他に恋人が出来たような事を言う始末。
MJの舞台を見に行くと言うが、結局遅刻してしまい怒らせる。
ハリーやメイでさえ何回も行っていると言うのに。
一方、父を失ったハリーは、オズコープ社で巨額の投資をして、
核融合の特別プロジェクトを仕切っていた。
そのプロジェクトの中心人物は、
オットー・オクタヴィウス博士(アルフレッド・モリーナ)だった。
実はピーターは科学にも詳しいのだが、教授は彼が遅刻ばかりするのであきれている。
ピーターはオクタヴィウス博士を研究しようとしていて、教授は彼の知人だと言うが。
ハリーはピーターがオクタヴィウス博士の研究をしていると知り、彼に紹介する。
最初は気難しそうだった博士だが、妻ロージー(ドナ・マーフィー)と共に
科学の知識を自分だけの物にするのは犯罪だとか何とか言って
人類のための研究を熱く語る。ピーターもあこがれるように。
博士の開発は、いきなり明かされるが、人類の新たなエネルギー源となる核融合技術。
地上に数キロしかないと言う物質を、ハリーが提供してくれたおかげで、
この研究が可能になったと言う。
何やら融合させ、第二の太陽とも言うべき光を発し、集まった人たちは感激。
これを制御するため、博士は不気味な金属の4本のアームを背骨にひっつけて操作。
アームは自動で判断して動いてくれるのだが、
人間自身がコントロールされないよう、制御用のチップも用意されていた。
しかし、実験で過剰な電流やらが流れ、あっという間に制御用のチップが壊れる。
第二の太陽はものすごい磁力を帯び、付近の金属が飛び回る。人々は逃げ回る。
金属が刺さってロージーは死に、ハリーも危険な状態に。
だが気がつくと、いつの間にかスパイダーマンが現れ、ハリーを助ける。
助けられながら、何しに来た等と不満げなハリー。相変わらず恨んでいるらしい。
スパイダーマンは、装置のコンセントを抜き、何とか停止させる。
博士は死んだと思われ、病院で医師たちが検死する事に。
カッターでアームを切ろうとするが、突然アームが動き出し、医師たちを投げ飛ばす。
アームに操られるようになった博士は、「ドック・オク」として病院を脱出。
通りかかった車をアームで投げ飛ばし立ち去る。
博士は港にある壊れた教会?に隠れ住み、そこで密かに研究を進める事に。
今回は犠牲を出してしまったが、人類のためには多少の犠牲はやむを得ない。
しかし、どうしてもハリーが用意した物質がないと、さらなる出力は期待できない。
ピーターは、叔母メイが借金で困っていると知るが、気丈に振る舞うメイ。
彼女と共に銀行へ行き、融資を頼むが、断られてしまう。
そこへ資金を集めようとするドック・オクが現れる。
ドック・オクはアームに物を言わせて、金を奪い取ろうとするが、
よくよく考えれば、そんな事をしなくても、欲しい物を直接奪えばいい気がするが。
何にせよ、ちょっと取り囲まれたりして、近くにいたメイを捕まえるドック・オク。
アームを利用して、ビルの壁を登り始める。
ピーターはスパイダーマンになり、壁で対決。
だが、メイが落とされそうになると、そちらもほっておけず、
結局、落とされたメイを助けている間に、ドック・オクには逃げられてしまう。
今までスパイダーマンに否定的だったメイだが、誉めるように。
スパイダーマンがピーターだとは気づいているのかいないのか。
ピーターは、できればスパイダーマン以外の写真で仕事にしたいのだが、
編集長ジェイムソンはそれを許さない。
仕方なく生活費のため、隠していたスパイダーマンの写真を出し、小銭をもらう。
しかし、家賃を払えずに大家から逃げ回る始末。
大家の娘は、ピーターに惹かれている様子だが。
ジェイムソンの息子ジョンは、実は宇宙飛行士で
婚約パーティをすると言うので取材へ。
ハリーも来ているが、ハリーは実験の失敗で損害を受けた事にショックを受ける。
そして、ピーターがMJを奪った上に、
父を殺したスパイダーマンに肩入れしてると八つ当たりする始末。
ピーターにとってさらに打撃なのは、ジョンの婚約者だった。それはMJだったのだ。
いつも逃げてばかりするピーターに愛想がついたのだ。
折しも、スパイダーマンとしての能力が衰え始めていた。
肝心な時に糸が出ない。壁も上れない。
幸い、高いところから落ちても、死にはしないようだが。
精神医に、夢の話だと断って、スパイダーマンなのに飛べないと相談。
医師は、それは君がスパイダーマンでいたくないと思っているからだと言う。
ついに意を決したピーターは、スパイダーマンを辞める事に。
スパイダーマンのスーツをゴミ箱へ捨ててしまう。
ジェイムソンは、最近スパイダーマンが現れないとやきもきするが、
浮浪者がゴミ箱からスーツを見つけて届ける。
スパイダーマンが去ったのだと大騒ぎして新聞記事に。そのスーツを壁に飾る。
スーツが本物かどうかどう見分けるのか知らないが。
ピーターはドック・オクの事も忘れて、いろんな事に打ち込む。
大学の講義に出て、教授を感心させる。
MJの舞台にも行き、彼女を動揺させるが、
やり直したいと言うピーターに対しては、婚約しているのだからもう遅いと言われる。
おまけに、町で襲われている人を見かけても、助ける事は出来ない。
ピーターは、伯父ベンの死が自分の責任だと感じており、
今まで隠していたがメイに告白。
メイはショックを受けるが、良く告白してくれたと言う。
そして誰の心にもヒーローはいるとか何とか、
あんた実は正体知ってるでしょうと言う感じで説教され、
近所の少年が、将来スパイダーマンになりたいと言うので、次第に心を固めていく。
火事が発生。消防士も踏み込めないところへ飛び込み、子供を助けるピーター。
一方、ドック・オクはハリーを襲い、例の物質を渡せと言う。
今はないので用意するが、条件があると言うハリー。
スパイダーマンをここへ連れてこい。ピーターが居場所は知っていると告げる。
MJは結婚式にピーターは呼ばない気でいたが、
婚約者ジョンとキスして、何か複雑な物を感じる。
実はMJは前作でピーターとスパイダーマンの両者とキスしており、
その加減が似ていたから、
(と言うかスパイダーマンの時は逆さまだから、似てるはずないのだが)
ピーターの正体を疑っていた事を思い出す。気づいたらすぐ確かめろと言う感じだが。
そこで、MJはピーターを喫茶店へ呼び出し、私の事を愛してるかと聞かれる。
確かに、スランプ期には愛してると言ったのだが、
再びスパイダーマンで行こうと決めた今、やはりMJとは踏み込めない。
アレは勘違い、やはり愛していないんだと言うピーター。
それでもあきらめず、確かめたい事がある。キスしてと言うMJ。
MJはピーターに唇を近づけるが、その時、後ろの窓が割れ、
車が飛んでくるのに気づく。
あわててMJを抱えて助けるピーター。町にドック・オクが現れたのだ。
ドック・オクはピーターからMJを奪い、スパイダーマンを見つけろと言い残し
再び壁を登って去っていった。
事件はたちまちジェイムソンにも伝わっていて、
ジョンの婚約者がさらわれたのは、スパイダーマンがいなくなったからだと、
いままでスパイダーマンを嫌っていたくせに嘆く。
だが、次の瞬間、壁に貼られたスーツがサッとなくなり、飛び去るスパイダーマン。
いやいや、そのスーツ使わなくてもいいだろう。
途端に、泥棒だと怒鳴るジェイムソン。
時計台のビルで待ちかまえているドック・オク。現れるスパイダーマン。
ビルの壁で対決するが、ドック・オクが時計台を破壊すると、
巨大な針が下へ落ちるので、これを止めたりして苦戦。
何とか反撃すると、ドック・オクは高架の地下鉄に飛び移る。
スパイダーマンも飛び移り、屋根の上で対決。
道路へ落とされそうになったりするが、糸で何とか復活して地下鉄へ。
だがドック・オクは地下鉄を暴走させ退散。
このまま進めば行き止まりで、車輌は落っこちてしまう。
スパイダーマンは先頭に立ち、なぜか大変だからかマスクをはずし、
左右のビルへ糸を飛ばす。
それでブレーキをかけようとするが、壁が崩れるだけで止まらない。
再びチャレンジ。必死に止めようとし、足でもブレーキかけたりして、
間一髪、行き止まりをはみ出たあたりで列車は停止する。
グッタリしたスパイダーマンことピーターを、皆がみこしのようにかついで車内へ。
そして床に寝させてマジマジと見る。
こんな少年だったのか。うちの息子より若いと言う人々。
ピーターも気がつくが、マスクがない事に気づく。
子供がマスクを渡し、大丈夫、誰にも言わないよと言いうなずく人々。
でもそれはアテにならない。
しかし、そこへそろそろ終わったかなとドック・オクが現れる。
無謀にも、彼と戦う前に俺を倒せと、人々が立ちはだかるが、それは無理。
アームで両脇へ片づけられ、スパイダーマンは連れ去られる。
ハリーの所へ連れてこられるピーター。
ドック・オクはハリーに、例の物質をもらいどこかへ立ち去る。
ハリーは今こそ父の敵を討つ時だと、
鎖で縛られたスパイダーマンを短剣で刺そうとする。
まずマスクをはずして驚いた。ピーターじゃないか。腰を抜かすほど驚く。
気がついたピーターは、ドック・オクがMJをさらった。
何処にいるか教えてくれと言う。
おまえが父を殺したのかとハリーは気にするが、そんな事はどうでもいいと言われ、
動揺しているが、ドック・オクのいそうな場所を知らせる。
案の定、そこにドック・オクはいて、MJを縛り付けていて研究を再開していた。
かけつけたスパイダーマンがMJを救出。
だがドック・オクに見つかり、対決。何やら派手な戦い。
またピーターは自分でマスクをはずしてしまい、素顔を見て驚くMJ。
どうやったか忘れたが、ドック・オクにダメージを与える。
博士は我に返るが、装置を止める事は今や不可能。
再びアームに制御されかかるが、博士はアームと装置ごと海に沈む。
教会は崩壊。ピーターはMJを助け、
MJはずっと前からあなただと知ってた気がすると言う。
スパイダーマンでいるから君とはいられないと言い、
ジョンがヘリでかけつけ、MJを返して退散。
一方、呆然としていたハリーは、鏡に映る父ノーマン(ウイレム・デフォー)を見る。
これがたぶん新しく撮影した感じ。
ノーマンは父の敵をとれと言い、ピーターは親友だと迷うハリー。
短剣を鏡にぶつけると、鏡の奥の隠された部屋が現れ、
そこにはノーマンが残したグリーン・ゴブリンセットが。
MJとジョンの結婚式が行われる事になり、ハリーも出席。
だが準備するMJは思い悩み、結局立ち去ってしまう。
一方、アパートにいるピーターは、花嫁が現れたのを見て驚く。
あなたを待ち続けると言うと言うMJ。
ピーターは彼女とキスするが、どこかでパトカーのサイレンが。
やっつけてとMJが言い、飛び出すスパイダーマン。それはどこか楽しそうだった。
と言うわけで、冒頭からピーターはスパイダーマンである事で、
バイトはクビになり、単位の方も危ういなんて状況で、
MJは別の男と婚約してしまうし、ハリーにまで逆恨みされたりして、
スパイダーマンとしてスランプになってしまい、辞める事を決意する。
なんて展開は、実はスーパーマン2のなぞりのようなので、目新しくもないのだが
スーパーマンでは、敵との対決にポイントを置いていて、
恋関係はおまけのような所があって、あまり共感が持てなかった。
に対して、本作では恋関係がメインで、敵との対決がサブ。
それでいて敵との対決も派手だから、どちらを期待した人も期待を満たすわけ。
前作ではおじさんが殺された所で、ちょっとウルウル来そうな感じだったが、
本作では地下鉄のシーンがそれに当たり、
この監督は、ちょっとくさくても泣けるシーンを必ず1シーン入れるよう
意識しているように思える。
その結果、スパイダーマンはMJやハリーだけでなく、
多くの人に素顔を見られてしまい、この後誰に隠す必要があるのかと言う気がする。
おまけに、スーパーマンのように恋人の記憶を消す事も出来ないし。
だいたいシリーズ化を意識すると、
5作目くらいで恋人に正体をばらしてもいいかなと言う感じになるが、
わずか2作目で多くの人に正体がばれ、シリーズとして大丈夫かという気もするが
この展開スピードを維持できるならば、この後の作品も期待できる。
ウイレム・デフォーが思いがけず出演していて、
次回は息子ハリーとの対決かなと思わせるあたりも面白いが、
難を言うと、ハリーの心理変化の描き方が足らない感じ。
MJの婚約者も、後に敵になるらしい。
前作も高く評価したが、本作はさらに良い出来と言える。
▼
「スパイダーマン3」(2007)を見た。
シリーズも3作目ともなると、次第に興味も薄れるところ。
とは言え、1、2作ともかなりの面白さであった本シリーズはいかに。
前作までで、周囲にかなり正体がばれてしまったスパイダーマンが
正体を知っている恋人や、正体を知っている元親友らといかに接するか、
そして新たな敵とどう戦うかと言うところが、見所と思って見る。
ピーター・パーカー 新聞社でバイトする青年。実はスパイダーマン
メリー・ジェーン・ワトソン(MJ) ピーターの恋人。舞台女優
ハリー・オズボーン 富豪の息子だが元親友ピーターを恨む。ニューゴブリン
ノーマン・オズボーン 実はグリーン・ゴブリン。スパイダーマンに倒された
執事 ノーマンの死の秘密を知りながら話さない男
フリント・マルコ ピーターの叔父を殺した男。サンドマンに変身
マルコの娘 重病で苦しむ
ステーシー 警察署長
グウェン・ステーシー 署長の娘。ピーターの同級生でモデル志望
ジェイムソン編集長 スパイダーマンを悪役として報道したがる上司
エディ・ブロック 新しく雇われたカメラマン。グウェンの恋人。ヴェノムに変身
メイ・パーカー ピーターの叔母
家主と娘 ピーターの家賃滞納をせめつつ、意外に温かく見守ってる
ピーター・パーカー(トビー・マグワイア)は有頂天だった。
恋人MJ(キルステン・ダンスト)との仲は順調で、
メイおばさんには、彼女にプロポーズすると宣言。形見の指輪を譲られる。
一方、MJも舞台女優として主役の座を得る。
スパイダーマンも人々のヒーローとして定着。
だがMJの舞台を最前列で見るピーターを、
影で快く思わないハリー(ジェームズ・フランコ)がいた。
彼は、スパイダーマンが父ノーマン(ウイレム・デフォー)を殺したと信じ、
さらにピーターこそスパイダーマンだと知り、以来恨んでいたのだ。
ハリーはニューゴブリンとして空飛ぶ装置に乗って、ピーターを襲撃。
ピーターは指輪を落としそうになり、それを必死に回収しようとしつつ
ハリーの攻撃をかわし、それでも親友を攻撃はできず、
ノーマンを殺していないと弁解しつつ、狭い路地を猛スピードで飛び回る。
結局、高所から転落して気を失うハリー。
ピーターはひき逃げにあった事にして、彼を病院へ担ぎ込む。
回復するが、医師は最近の記憶を失っていると言う。
面会をためらうピーターだが、ハリーは父が死んだ事すら覚えておらず、
ピーターを親友だと言う。ピーターにとって好都合にも思えた。
MJの舞台は酷評されるが、ピーターは気にするなと言う。
しかし演出家は彼女をクビに。
いきなり仕事を失い、ウエイトレス兼歌手の仕事を何とか得るが、
相変わらず有頂天のピーターには、そんな事を伝える事ができない。
そんな中、新聞社にカメラマンのブロックが現れる。
彼は調子よく編集長に取り入り、
スパイダーマンの写真を撮れば、正社員にすると約束される。
長年バイトでしか仕事のもらえないピーターにしてみれば不満な話だ。
一方、脱走した囚人マルコは妻子のもとを訪れていた。
妻は突然の訪問に迷惑そうだが、病気の娘は再会を喜ぶ。
マルコは何とか治療費を作ると約束して去る。
警察に追われるマルコは、研究所へ逃げ込む。
そこには謎の装置があり、マルコがいるにもかかわらず、装置を作動させる。
放射線だかを照射されたマルコは、体が砂状に変化するサンドマンとなってしまう。
ピーターの同級生グエンは、CMモデルの仕事もしているのだが、
高層ビルの上の方で撮影をする。
ところが近くのビル建設現場の巨大クレーンが暴走。
グエンのいるビルをぶち抜き、崩れたビルからグエンだけが落ちそうに。
父である警察署長(ジェームズ・クロムウェル)や
自称恋人であるブロックも心配そう。
だが、スパイダーマンがかけつけ、無事救出する。
感激したグエンは、スパイダーマンをたたえる式典を開催。
ピーターも参加する気になる。
舞台をクビになった事を言い出せないでいるMJは、
ハリーにはそのことを告げ、心情を伝える。
一方で何も知らないピーターは、スパイダーマンとして人々に祝福され、
調子に乗ってグエンとキスして見せ大喜び。
だが、「あのキス」は自分だけの物と信じていたMJはショックを受ける。
その頃、その能力を使って強盗をするようになったサンドマン。
式典会場にも現れて大騒ぎに。スパイダーマンと対決。
ピーターはサンドマンを逃がすが、
また妙なやつが現れたくらいにしか思っていなかった。
ピーターはMJへプロポーズしようと、高いフランス料理店を予約。
演出まで考えるが、自分の気持ちをわかっていないとMJは怒って立ち去り、
よく飲み込めないピーターは困惑する。
一方で、警察からマルコの脱走について聞かされるピーターとメイおばさん。
おじ殺しの犯人を殺したつもりでいたピーターだが、
目撃者の証言から、ピーターが殺したのは相棒の方で、
おじさんを殺したのはマルコとわかる。
そして写真を見たピーターは、それがサンドマンだと気づく。
それを知ったMJは、ピーターが復讐のために動くのではと心配する。
そんな中、宇宙から来た生命体が、ひそかにピーターにとりついていた。
生命体は小さなゴムのオモチャみたいなのがいっぱい結合して動いており
寝ている間にピーターの体に張り付いて全身を覆う。
仲のよい教授に分析させると、
それはとりついた相手の攻撃性を増す特性を持つと言う。
気がつくと、スパイダーマンの衣装の黒い版ができていて、ピーターをとまどわせる。
地下鉄の構内で盗んだ金を運んでいるサンドマンの前に、
黒いスーツのスパイダーマンが現れる。
ピーターの叔父を殺したと言うスパイダーマンに、関係ないと言うサンドマン。
関係あるんだと言い格闘になるが、パンチはサンドマンの体を突き抜け、
走る列車にぶつけても効果なし。
苦戦するが、下水道に流してしまう。
ピーターは、メイおばさんに、犯人が死んだらしいとうれしそうに伝えるが
おばさんはどんな相手でも、死ぬのがうれしいわけないと言い、ピーターは困惑。
ピーターは黒いスーツを封印する事にする。
一方、部屋でくつろいでいたハリーは、
亡き父の残した仕掛けで、「使命を忘れるな」とか言われ、記憶を取り戻す。
彼はMJを脅し、ピーターに別れると言わせる。
とまどうピーターに、ハリーは、実は俺こそ新しい恋人だと言って苦しめる。
悩んだピーターは、封印していたスーツを着ると、以前よりも攻撃的に。
黒いスーツのスパイダーマンは話題に。カメラマンのブロックが、
実は黒スパイダーマンが犯罪を犯していると言う写真を持ち込み、話題に。
ブロックは正社員として採用される。
だが身に覚えのないピーターは、それが偽造であると指摘。
ブロックはクビになり、ピーターは正社員としての待遇を得る。
ハリーはまたもピーターを襲撃。
手榴弾みたいな物で攻撃するが、返り討ちにあい、爆弾はハリーの近くで爆発。
ハリーは顔に大やけどを負う。
ピーターはグエンとつきあうようになり、MJのいる店を訪れ、
歌うMJを妨害する嫌がらせ。さすがにグエンもいたたまれず出て行く。
恋人も仕事も奪われたブロックは、ピーターの死を祈るようになる。
一方、自分の中のダークな面を抑えようと苦しむピーターは、
教会の鐘のところで苦しみながら、
何とか、服のように体にまとわりついた黒い物体を取り除く事に成功。
下で見ていたブロックは、ピーターがスパイダーマンだと知るが、
落ちてきた黒い物体にとりつかれる。
その結果、日本風に言えば、ニセスパイダーマンとも言える
ヴェノムになってしまう。
パワーを得て爽快なヴェノムは町を飛び回る。
一方、水に流されてもやはり復活していたサンドマン。
スパイダーマンへの復讐を誓い、飛び回るヴェノムを捕らえるが
ニセ物と知り、協力してスパイダーマンと戦う事にする。
ヴェノムはピーターの弱点がMJと知っており、彼女を誘拐する事に。
高層ビルにスパイダーマンさながらに巣を張り彼女の乗ったタクシーを宙づりに。
サンドマンも巨大になって待ち受け、町は騒然となる。
2人の敵の出現を知ったピーターは、
のこのことハリーの所を訪れ、一緒に戦ってくれと頼む。
だがハリーは取り合わず、仕方なくピーターは1人で立ち向かう事に。
一方、執事は今さら真相を告げる。
お父様を殺したのはピーターではなく、お父様が自滅したのだと。
スパイダーマンは現場へかけつけ、人々の大歓声で迎えられる。
MJが落ちそうな中、スパイダーマンは2人相手に苦戦。
だが、そこへハリーがニューゴブリンとしてかけつけ、分担して戦う事に。
激しく飛びかった後、ハリーはピーターを助けようとし、
乗り物のとがった部分が体に刺さって倒れる。
ピーターはハリーを心配しつつ、ヴェノムとの対決を続ける。
建設中のビルで、ヴェノムがパイプ材が鳴らす音に苦しむ事に気づく。
そういえば、教会でも鐘の音に生物は苦しんでいた。どうやら大きな音に弱いらしい。
そこで、ピーターはパイプ材をヴェノムの周囲に大量に突き刺し
音叉のように音を響かせると、生命体はブロックの体を離れる。
ピーターは爆弾で生命体を倒そうとするが、
パワーの魅力に引かれていたブロックは、それを止めようとし、もろともに爆発。
残されたサンドマンは、ピーターに真相を告げる。
あの時、おじさんを襲うと、彼は犯罪をやめまじめに生きろと説得したと言う。
マルコは戸惑うが、そこへ逃げてきた相棒がぶつかり、
はずみで銃を撃ってしまったのだ。
犯罪を犯したのは家族のためで、おじさんを死なせてしまった事は悔やんでいる。
それを聞いたピーターは彼を許すと言い、サンドマンは砂のようになって空に消える。
MJが見守る中、弱っていたハリーに、ピーターは許してくれと言う。
ハリーは友達だろと笑って死ぬ。
そしてハリーの葬式。ピーターとMJも参列するが、言葉もなくすれ違うのであった。
と言うわけで、
言ってみれば、このシリーズの面白さは、正体がばれてしまう事にある気がする。
通常、スーパーヒーローは正体がばれないもので、ばれるとしても最終回。
ところが本作では、1作目で恋人に感づかれ、2作目でハッキリし
父を殺したと思っている元親友にもばれ、
脱線しかけた地下鉄の乗客多数に素顔を見られ、
それでもヒーローを続けると言う、その危うさが面白さと言える。
ところが、3作目ではそうした「秘密がばれる」面白さがあまりない。
そこが3作目の弱いところ第1点。
2作目までを見ると、当然3作目は元親友との対決になるはずが、
同じゴブリンでは飽きると思ったか、あまり対決の場面はなく
何となくハリーの態度も中途半端で、ここが弱いところ第2点。
主人公のダークサイドを描くのかと思えば、これも中途半端なのが第3点。
恋人とのすれ違いはいいが、3作目で一応一区切りと言う事らしく
親友は死ぬのに、恋人とはすれ違ったままと言う
やはり中途半端な感じなのが第4点。
ハリー以外の敵が2人出てきて、対決は派手になっているが
叔父の敵サンドマンの話はなんか唐突だし、ヴェノムの方は描き方が浅い感じ。
と言うわけで、全体として派手ではあるし、展開もまあ面白いんだが、
2作目まで見た期待感から言うと、期待はずれと言うところか。
▼
新シリーズ「アメイジング・スパイダーマン」を見た(2012年)
近年のアメコミ映画化ブームの中で、一番成功したと言えるのがスパイダーマン。
ニコラス・ハモンド版は別として、大作映画化されて、3作が作られ、
まだ続きがある雰囲気を残しつつ一区切り。
役者が替わっただけでなく、物語も最初からやり直しする事になったのが本作。
前3作は面白かったし、今回は3Dにもなっている事なので見るしかない。
ピーター・パーカー 学生。実はスパイダーマン
グウェン ピーターの同級生。優等生でコナーズ博士の助手
コナーズ博士 オズコープ社で研究。ピーターの両親はかつての仲間
ベンおじさん ピーターの育ての親(マーチン・シーン)
メイおばさん ピーターの育ての親(サリー・フィールド)
ピーターの両親 ピーターが幼い頃事故死
警部 グウェンの父
ラタ博士 オズコープ社で働く。何か秘密があるらしい
フラッシュ ピーターの同級生
MJ ピーターの幼なじみ。本作には出てこない
ハリー ピーターの友人。本作には出てこない
オズボーン ハリーの父。本作には出てこない
今から少し前。ある男が研究していて、重大な事に気付く。
彼は、あわてて、妻と息子を連れて兄弟の所へ。
彼らに幼き息子ピーターを委ね、両親は何かの使命を持って出ていく。
それから月日は流れ、ピーターは高校生に。
カメラが好きなピーターは、片思いするグウェンをひそかに撮影する。
ピーターは前作のようにいじめられるキャラではなく、いじめられっ子は別に。
いじめるのは、前作と同じフラッシュ。
ほっとけないピーターは止めるが、結局自分が殴られ、カメラも壊される。
その場は、優等生のグウェンがいさめておさまる。
実はグウェンとピーターは同じクラスの近い席で、グウェンはピーターに名前を聞く。
同じクラスなのに知らないの?と聞くと、脳しんとうを起こしたのではと心配。
ピーターだと答え、グウェンだろと話し掛ける。
ピーターがあざを作って帰ったので、おばさんは心配する。
おじさんはピーターをかばい、地下室の片付けを手伝わせる。そこでカバンを発見。
それは父のカバンで、今まで知らなかった父の手がかりと必死に調べる。
両親は飛行機事故で死んだとされる新聞記事を発見。
カバンにあった研究ファイルには、00プロジェクトとか書かれている。
両親と写っていた男は、コナーズ博士だと叔父さんは言う。
何か一緒に研究していたらしいが、詳しくは知らない。
この博士は前シリーズにも出ていて、ピーターが受講する教授と言う位置付けだった。
ネットで調べると、博士はオズコープ社で働き、
インターンを募集していたが、受付は終了したと言う。
それでも気になるピーターは、オズコープ社に乗り込む事に。
受付でモジモジしていると、受付嬢は勝手に気をきかせて、
インターンでしょ、そこから自分の名前のバッチを選んでと言う。
そこで、ピーターは適当な名前を選んで、彼になりすます事に。
後に本人は不法侵入で締め出されるから、ずいぶんいい加減なセキュリティだ。
ピーターは、他のインターンに混ざって研究施設を見学。
案内係がグウェンと知り、驚かされる。
優等生のグウェンは、博士の助手をしていたのだ。気付かれまいと隠れるピーター。
現れた博士は、研究について説明する。
右腕のない博士は、動物の遺伝子を移植して、細胞を再生しようとしていた。
そのための技術が何たら技術ですねと、思わずピーターが口を出し、
博士とグウェンに存在を知られる。
君は誰だねと言う博士に、学校で2番目の天才ですと答えるグウェン。
もちろん、1番目は私と言いたげだが、2人ともそんなに賢そうには見えない。
ピーターは、見学中にある男とぶつかり、持っていた書類を見る。
実はこの男は、博士に出資するオズコープ社の幹部。
重病で余命わずかな社長を救うため、博士の研究に賭けていたのだ。
ピーターは、書類に00プロジェクトと書かれていた事から、男を尾行。
最重要機密と言う感じの部屋へ。
男が空中で手を動かすと、それが暗証番号の代わりになっているらしく、ドアが開く。
何だか最新技術ぽいが、影で見ていたピーターが、同じ手の動きを真似ると、
ドアが開いてしまうので、割にゆるいセキュリティらしい。
しかも、中に入ると無人で、ピーターの見たい放題。
いわく有りげな研究装置の中に、無数のクモを飼っているのを発見。
その中の1匹がピーターの服に入り込む。
その後、研究室を出たところで、ピーターが偽者とばれて追い出される。
もちろん、この侵入者が、何かを見たかとか、
何かを持ち出してないかと言うチェックはない。
その結果、ピーターは研究材料のクモを連れたまま外へ出て、外で噛まれる。
それからピーターの体に異変が始まる。
手が物に引っ付き、怪力を持ち、身軽になる。
おかげで、電車の中で女の子の服に触ったら引っ付いて破いてしまい、
怒った仲間の男たちの攻撃をヒラリとかわし、持った鉄棒を折って、
いつの間にか男たちを倒してしまう。
ピーターにも何が起こったかわからない状況だ。
ピーターは博士を訪ねる事に。
博士は研究所でピーターと会った事を覚えていたが、
家まで押し掛けるのは迷惑だと言う。
しかし、ピーターが友人の息子と知り、招き入れる事に。
博士は細胞再生の研究をしていたが、あと一歩で完成できないでいた。
そこで、ピーターは両親のノートで見た化学式を教えると、
博士はこれで完成するかもと言う。
よくわからないけど、両親はクモの研究をしていて、
人間に良い影響を与えようとしていたのだが、
博士はその肝心な部分を知らなかったらしい。博士はさらにある装置を紹介。
それはピーターの両親が開発した物で、先ほどの薬を投入すると、
市内のすべての人の体が改善されると言う代物だ。
だが、逆に悪人の手に渡れば、毒をばらまかれる危険性もあると封印されたのだ。
もちろん、これ後で悪用されるよね。
ピーターは、学校でフラッシュとケンカに。
圧倒的不利かに思えたが、身につけたパワーで倒してしまう。
この後、フラッシュはいい奴に変貌する。
学校で騒ぎを起こしたため、ベンおじさんが謝りに来る。
その際、グウェンがいる事に気付く。
ピーターが写真を撮っていた女の子だと指摘。
グウェンも、ピーターが自分に関心があると知る。
ベンは、いつの間にかピーターが強くなった事を知り、
偉大な能力には責任が伴うと諭す。
その後、どんな事件だったか忘れたが、ベンおじさんが巻き込まれて殺される。
前作と同様、ピーターはおじさんを救う事が出来たのに、しなかった事で後悔する。
ピーターは、スパイダーマンの扮装で犯人を捜し回る事に。
目撃者によれば、特徴的な入れ墨があったらしい。
悪人を次々捕まえるが、犯人は最後まで見つからず。
一方で、結果的に正義のヒーローとなった事に快感を覚える。
最初は前シリーズと同様目出し帽だったりするが、やがてスマートなコスチュームに。
オズコープ社から、強力なネットを発射する装置を拝借し、
それをクモの糸のように利用する事に。その他の武器も調達する。
一方、博士はオズコープ社から出資打ち切りの連絡を受ける。
失望した博士は、自らに薬を投与。(爬虫類の遺伝子?)
失っていた片腕がはえてきて喜ぶが、次第に怪物化。だが、自覚がない。
研究所を奪われた博士は、いつのまにか研究器材を持ち出し、下水道で研究を続ける。
ピーターは事件を追って、隠れ家を発見。
(仲間と思ったか、とかげが大量に集まってたからわかったらしい)
リザードと言う名前の怪物が博士の変身だと気付く。
怪物は橋の上で暴れ、スパイダーマンがかけつける。怪物は車の人をほおり投げる。
スパイダーマンは彼らを1人ずつ助けていたため、怪物には逃げられてしまう。
スパイダーマンをならず者と決め付ける警部は、
一連の事件を彼の仕業と言うが、助けられた人々は彼をかばう。
ピーターは何だかグウェンと親密になり、
家に招かれるが、彼女の父親こそ警部だった。
夕食では、スパイダーマンを批判する警部に対し、ピーターは擁護するから険悪に。
ベランダに出たピーターに、事情がわからないながら詫びるグウェン。
するとピーターがクモの糸で引き寄せキス。
これで、グウェンはピーターがスパイダーマンだと知る。
一方、博士もスパイダーマンがピーターだと知り、学校を襲撃。
グウェンを捕らえ、彼女を連れて、オズコープ社のタワーを昇る。
ピーターの両親が作った装置で、薬をばらまき、市内の人々を皆怪物にする気だ。
既に、警部の部下たちが薬にやられて、怪物化。
急行するスパイダーマンは、タワーが遠くて苦戦。
すると、橋で家族を助けられた男が仲間に声をかけ、
タワーまでの道のりにクレーンを並べる。
これで、スパイダーマンは飛び移りやすくなる寸法だ。
スパイダーマンは現場にかけつけるが、警官に取り囲まれる。
戦いでマスクが取れるが、素早く警官を倒して見られずに済む。
そこへ警部がかけつけ、銃を向ける。
ピーターは正体を明かし、グウェンを助けるため、行かせてくれと言う。
仕方なく行かせる警部。
ピーターは上へあがり、怪物からグウェンを取り戻す。
怪物を倒すには、解毒剤を作るしかないとグウェンに説明。
グウェンが奮戦する間、ピーターが怪物と戦う。
タワーの上の、足場が不安定な場所で対決。警部もかけつけるが、やられてしまう。
ようやく、グウェンの解毒剤ができ、ピーターは装置の薬を入れ換える。
すると解毒剤が散布され、怪物化した警官たちは元の姿に。
博士も元の姿になり、自分を取り戻す。
彼は、落ちそうになったピーターを引き上げるのだった。
虫の息の警部は、娘には近づくなと言い残して死ぬ。
事件が片付き、警部の葬儀が行われる。
グウェンは、皆が来てくれたが、ピーターだけが来なかったと失望する。
彼女はピーターを訪ね、父の遺言で近づかないのだろうと指摘。
ピーターもそれを認めるが、
自分が近づく者は皆傷つくと、彼女から身を引く事を決意したのだ。
それでも構わないと言うが、ピーターの意志は堅く、失望しつつ去るグウェン。
何となく察したおばさんは、それも含めてあなたなのよとか言う。
翌日、授業に遅刻するピーター。
女教師は、遅刻しないと約束したはずと怒るが、
気にせずグウェンの後ろに座るピーター。
守れない約束もあるよねとつぶやくと、グウェンはニヤリとするのだった。
(もちろん、父との約束を意味しての話。意志は堅かったはずなんだが。。。)
エンドロールが始まり、しばらくすると、
刑務所の博士をオズコープ社のラタ博士が訪ねる。
ピーターにあの事は言うな、とか何とか、博士が思わせぶりのセリフを言って終わり。
未解決の部分は、続編に続く感じ。
と言うわけで、冒頭から、ピーターの出生の秘密を描き、
その後はピーターがスパイダーマンになるまでを描く訳だが、これが長い。
スパイダーマンになってからの活躍は期待どおり派手で面白く、
観客もそこを期待した訳だから、そこにウエイトを置いてほしかったところ。
スパイダーマンになった動機は、
叔父さんの敵討ちだったはずだが、それはまだ果たせず。
いつの間にか、正義のために戦うようになった転換点はよくわからず。
あと、前シリーズからあまり年数も経っていないのに、
設定が結構違うのが引っ掛かるところ。
厳密に言うと、本作の方が原作に近いらしいけど、
そんな事大半の人は知らない訳だから、もう少し配慮は必要な気がする。
おまけ:前シリーズとの比較
・MJとハリーが全く出てこない
・ハリーの父の会社(オズコープ社)は出てくるが、父は出てこない。
社長は重い病気らしいが、姿は現さず、それがハリーの父かはわからない。
・前シリーズに出なかった両親が登場。
スパイダーマン誕生に関わる研究に参加していたらしい
・前シリーズでチョイ役だったグウェンがヒロインに。
ピーターに匹敵する秀才と言う点は同じ
・グウェンの父は前シリーズで警察署長。本作は刑事?
・悪ガキは前シリーズも本作もフラッシュ。
前はMJと親しく、本作はグウェンと親しい。後半妙にいい人になるのは違和感あり
・叔父さんの死のエピソードはほぼ同じ
・叔母さんが、ピーターの正体に薄々感付いてる雰囲気も同じ
・ピーターがスパイダーマンになったきっかけ(特殊なクモにかまれた)は同じ
・スパイダーマンの衣装は手作りで、最初はあまり格好よくなかった点は同じ
・手から出る糸は、前シリーズは体から出ていたが、
本作はオズコープ社から拝借したそういう装置を使用(バットマンとかぶる)
・ヒロインを含む何人かに正体がばれる展開は同じ
・ピーターはカメラが得意で、
前シリーズではカメラマンになるが、本作はそこに至らず
・ピーターが尊敬する博士が怪物になる展開は同じ
・前シリーズでは、新聞社編集長がスパイダーマンを犯罪者と決め付けるが、
本作ではグウェンの父がその役に
▼
「アメイジング・スパイダーマン2」を見た(2014年米)
リブート版スパイダーマンの第2弾。
今回は、旧シリーズで宿敵だったハリーが登場。
ジェイミー・フォックスも悪役で登場。もう1人の敵も出て、合計3人の敵と戦う訳。
グエンとの関係も気になるところだし、何よりスパイダーマン好きだから見ますよ。
ピーター・パーカー スパイダーマン(アンドリュー・ガーフィールド)
グウェン・ステーシー ピーターの恋人(エマ・ストーン)
グウェンの父 警官。前作で死亡(デニス・リアリー)
メイおばさん ピーターのおば(サリー・フィールド)
リチャード ピーターの父
メアリー ピーターの母
ハリー・オズボーン ハリーの旧友(デイン・デハーン)
ノーマン・オズボーン ハリーの父(クリス・クーパー)
マックス オズコープ社の技術者(ジェイミー・フォックス)
アレクセイ ロシア人犯罪者(ポール・ジアマッティ)
冒頭は昔のシーン。前作で両親がピーターを置いて家を出た後の話らしい。
ピーターの両親は機上にいて、何やら重要な情報を送信しようとしていた。
そうはさせじと、機内にいた敵が妨害。
激しい格闘の末、覚悟を決めた両親は、機を墜落させるのだった。
後半で、両親が送信した情報を
ピーターが見たりするエピソードがあった気も知るけど、忘れました。
そして現在。ロシアの犯罪者アレクセイがプルトニウムを盗む事件が発生。
バンを暴走させるが、スパイダーマンがかけつける。
スパイダーマンは次々一味を倒し、
荷台から落ちそうなプルトニウムの瓶をアクロバチックに回収。
そんな戦いの最中に恋人グウェンから電話が。
彼女は卒業式の総代でスピーチするのだが、
卒業証書をもらうタイミングにピーターが間に合わないのではと心配する。
まさか、また事件に関わってるの?なんて聞かれると、はぐらかすピーター。
結局、アレクセイも捕えて、ピーターは卒業式の会場へ急行。
物影で卒業式の衣裳を着るが、スパイダーマンのコスチュームを脱ぎ忘れていて、
その姿を客の老人に見られる。老人役が、毎回必ず出てくる原作者スタン・リーだ。
彼をどこかで見た事あるぞなんて言うが、あっという間にピーターの姿で壇上へ。
卒業証書をもらったピーターは、壇上でグウェンにキス。
メイおばさんやグウェンの家族も公認の仲だが、
ピーターはグウェンの家族に近づくのはためらう。
前作で死んだグウェンの父は、彼女に危険が及ぶから近づくなと言った。
それでピーターは少しだけグウェンを避けたのだが、
結局、再び付き合う事になったのだ。
にも関わらず、やっぱりいけないよと、家族に会うのは躊躇する。
その件は何度も話し合った。私が構わないと言ってるのよ、と言うグウェンだが、
なおも気にしてる様子のピーター。
この煮え切らなさに、ついにグウェンは別れようと言うのだった。
一方、オズコープ社で働く技術者マックスは、大量の青写真を抱えて歩いていた。
それを落としてしまい、拾いに行ったために、車に引かれそうに。
(と言うシーンがあったのは、アレクセイとの戦いの最中だったかも)
するとスパイダーマンが助け、君は僕の目になってくれ等と話し掛ける。
深い意味はなかったのかも知れないが、立ち去るスパイダーマンに感激するマックス。
オズコープ社のエレベータで一緒になったグウェンと話し、
スパイダーマンの友達なんだと自慢する。
ピーターと別れたばかりのグウェンは複雑な気持ちだ。
マックスは今日は誕生パーティーだとはしゃぐが、実際には誰かが来る予定もない。
上司は何かの装置が壊れたので修理しろと指示。
高圧電線ぽいケーブルをつなぐが、誤って感電して階下へ落下。
なぜか下にあった電気ウナギの水槽に落ちてまた感電。
会社は、マックスが事故死したと判断し、事故自体を葬ろうとする。
だがマックスは生きていた。
彼は体に電気を帯びただけでなく、自身が電気のように電線で移動できる様に。
さらには彼の感情の起伏に合わせて、町中の電気が強くなったり弱くなったり。
制御できずに、街へ出て暴れるマックス。
人々は逃げ惑うが、マックスはその反応に困惑気味だ。
そこへスパイダーマンがかけつけたので、マックスは俺だ俺だと話しかける。
スパイダーマンことピーターも、マックスの事を思い出すが、
マックスが動くと周囲に電撃を放ってしまうので、説得をあきらめて取り押さえる。
この仕打ちに、マックスはスパイダーマンを恨むように。
エレクトロと名乗り、復讐を誓う。
オズコープ社のCEOノーマン・オズボーンは病に弱っており、
会社の実権を重役に握られていた。
留学していたノーマンの息子ハリーが帰国。幼なじみのピーターに再会する。
長年のブランクにも関わらず打ち解け、ピーターはグウェンの話とかをする。
ハリーは父ノーマンに会うが、彼は遺伝性の難病だと伝えて死ぬ。
(よく見るとノーマン役はクリス・クーパー)
この病気は、ハリーにも受け継がれているのだ。
ノーマンは病を治療すべく多額の研究費を投じたのだが、
前作で博士が怪物化する騒ぎとなった為に、資料は廃棄された。
そんな中ハリーは、スパイダーマン誕生の真相に気付く。
あれはオズコープ社の研究が関係しているに違いない。
彼の血を輸血すれば、病気は治ると確信する。
親友ピーターが、新聞社でカメラマンのバイトをし、
スパイダーマンの写真を撮っている事から、彼に相談。
ピーターはスパイダーマンとしてハリーの部屋に現れ、
君の体に何が起こるかわからないと、協力を断る。
実はこのピーターの心配は的中していて、
ピーターの父親が開発した薬品は、パーカー家の者にしか効果がないようにしていた。
だが、そんな事は知らないハリーは、こちらもスパイダーマンを逆恨みするように。
自分からグウェンを避けときながら、
やはり忘れられないピーターは、彼女につきまとうように。
グウェンもまんざらでもないようで、友達としてやり直すなんて言い出すが、
結局彼女はロンドンに留学を決めてしまう。
離れたくないピーターは、橋にI LOVE YOUと糸で書いて、
空港に向かうグウェンの所へかけつける。
やっぱり離れられない、ぼくもロンドンに行くと言い出す始末。
ロンドンにも事件はあるはずだ。
この考えにはグウェンも乗り気になるが、そんな矢先に大事件が起きるのだった。
スパイダーマンの血を得られないハリーは、
オズコープ社の極秘情報にアクセスしようとして、
それを口実に会社を追い出される羽目に。
だが、秘書の女性が、実は研究サンプルの一部が厳重に保管されていると伝える。
それを知ったハリーは、オズコープ社に拘束されていたエレクトロの所へ。
会社を追われたハリーだが、そこの施設へは入れるらしい。
彼を解放し、お互いスパイダーマン憎しと言う事で手を組む。
ハリーはエレクトロを暴れさせてオズコープ社を襲撃。
重役を襲って一度は心停止させるが、電気ショックで蘇生。
厳重に保管されていると言う研究サンプルの所へ案内させる。
それを注射するとハリーは苦しみ出し、重役は退散。
恩を返したエレクトロは、町を停電させる程の大暴れ。
町は大混乱で、管制塔の指示がない2つの旅客機がぶつかりそう。
スパイダーマンがかけつけエレクトロとビルの屋上にある発電所みたいな場所で対決。
グウェンも手伝い、スパイダーマンが電線をつないで、
エレクトロを爆発させる事に成功。
町の電気は戻り、旅客機はからくも衝突を逃れる。
2機がそれぞれヒラリと回避するが、片方が高度を変えるだけでいい気がする。。。
スパイダーマンらが一安心していると、新たに敵が現れた。
ハリーが怪物化したグリーンゴブリンだ。
彼はオズコープ社が開発した兵器の中から、1人用の空飛ぶボードでかけつけたのだ。
そこにグウェンがいる事から、ハリーはスパイダーマンの正体に気付く。
ピーターだったのか!
お前が協力さえすれば、こんな怪物にはならなかったと言って対決。
屋上の天窓が破れ、グウェンが落下するが、
スパイダーマンが助けて安全な場所に避難させる。
スパイダーマンとグリーンゴブリンは建物の中で戦う。
そこは時計台だったらしく、カリオストロを思わせる歯車の上での対決。
歯車が崩れ、再びグウェンが落下する。
スパイダーマンはグリーンゴブリンを倒し、グウェンを助けるべく糸を放って急行。
だが、なかなか届かない。
そう言えば、マンガのグウェンは死んだらしいんだよねと言う記憶がよぎる。
一番下ギリギリになってようやくグウェンに追いつくが、
その前にグウェンは床にぶつかっていて、既に死んでいた。
悲しいシーンみたいだけど、
個人的には、これで次回作のヒロインはMJだななんて、さめた目で見てしまった。
ショックのピーターは、グウェンの葬儀を終えても、落ち込んでいた。
もちろんスパイダーマンが犯罪現場にかけつける事もない。
スパイダーマンはどこへ?なんて記事も出るように。
ある時、メイおばさんがベンおじさんの荷物を整理しているのに気付くピーター。
捨てるの?と聞くと、捨てないと言うおばさん。
でも、時々迷いがあると、それをしまう場所を見つけるのよと言う。
それを聞いたピーターは何かを悟り、自らも荷物を整理する事に。
そして押し入れでスパイダーマンの衣裳を見つける。
荷物の一番上にあったけど、おばさんに見つからないの?
一方、刑務所に入れられたハリーは、そこで悪党のボスとなるべく地盤を築いていた。
オズコープ社が開発した装置を利用して、刑務所の悪党たちを暴れさせるのだ。
数多くある装置の中には、旧シリーズに出たドクター・オクの装置も。
自ら志願したと言うアレクセイは、サイ型のスーツを着たライノとして街で暴れる。
ガンダムみたいなスーツだから、怪人とは違う気がするけど。
スーツについた銃器を撃ちまくり、人々が怯える中、
かつてスパイダーマンに優しくされた少年が、
スパイダーマンのコスチュームで立ちはだかる。ほう、いい度胸だと言うアレクセイ 。
だが、そこへ本物のスパイダーマンが現れたのだ。
彼はついに戻ったのだ!
留守の間、すまなかったと少年を退かせ、ライノと対決する所で本作は終わり。
エンドロールの途中でXメンのミスティークとかが出るシーンが挿入される。
次回作でスパイダーマンと戦うのかしらと思ったが、
どうやら会社の枠を越えて、互いに宣伝し合ったと言う事らしい。
スパイダーマン自体の、次回作を連想させるおまけはない。
と言うわけで、ピーターはスパイダーマンとして活躍の日々。
一度別れかけたグウェンとも復縁。
だがグウェンの背後に彼女の死んだ父が見え隠れし、近づいてはいけない気がする。
それで別れる事にするが、やっぱり離れられないと言う何とも煮え切らない様子。
一方、ピーターの旧友ハリーが帰国し、オズコープ社の後継ぎに就任。
だが彼は不治の病に冒され、治療にはスパイダーマンの血が必要だと考える。
そこでピーター経由で頼むが断られ、スパイダーマンに復讐心を抱く。
さらにオズコープ社の技術者マックスは、
事故で肉体が電気化した怪物エレクトロに変身。
もともとスパイダーマンの熱狂的ファンだった彼だが、
味方してくれないと知り、逆ギレする。
ピーターのプライベートな問題が煮え切らない中、
2人の強敵が現れ、派手な戦いを展開。
ここの交通整理がうまくないのか、中盤すぎまで、何だか盛り上がらない状態が続く。
終盤に意外な展開があるが、
割にすんなり、シリーズを考えると仕方ないよなと言う気にも。
ショックを受けたスパイダーマンがスランプから復活する所まで見せ、
ちょっとだけ熱いものを感じさせられる。
面白くない訳じゃないけど、何か見せ方がうまくないよな。。。
3人目の敵はちょっと出るだけ。
▼
「スパイ・ハード」(96)を見た。
もともと性格脇役俳優として定評のあったレスリー・ニールセンは
「フライングハイ」でパロディづき、
続いて「裸の銃を持つ男」シリーズで、完全にパロディ俳優として定着してしまった。
これらの作品は、ZAZと言う連中が作った一連のパロディだったが、
これらのヒットのおかげで、ハチャメチャなパロディが乱発され、
調子に乗ったニールセンは、自分で製作までしたスパイもののパロディに出演。
もちろんベースは007のパロディと言う事になるのだが、
CMを見た限りでも「クリフハンガー」「スピード」「パルプ・フィクション」
「トゥルーライズ」のパロディが登場するばかりか、
なぜか「天使にラブソングを」のパロディまで登場。
この手の映画は、総じてレベルが低いので、大当たりは期待できないものの
それなりに楽しめるに違いないと思って見た。
世界一のスパイ、ディック・スティール(レスリー・ニールセン)。
ディックとは拳銃の事らしいし、スティールとは鋼鉄のようなと言う意味らしい。
どうやら「ペニスがビンビン」くらいの意味らしい。
それはともかく、彼が出動する事に。対するのは宿敵ランカー将軍だ。
ヘリに乗り、敵の島へ向かうディック。極秘書類を見るが、風で飛ばされてしまう。
ヘリを操縦するのはミスターT。「特攻野郎Aチーム」のようだが、
AチームのミスターTは、飛行機が苦手なので、パロディと言うわけでもなさそうだ。
ディックは「スパイ大作戦」のようにテープで指令を受ける。
ではと言う事で、ディックはパラシュートで出動するが、テープの指令は続いていて、
テープは自動的に発火。残された書類に引火して大変な事に。
パラシュートで落下中のディックは、ボンドばりにタキシードで身を固め
こんな状態でもワインを飲んだりして余裕の構え。
瓶を下へ投げると、下でランニング中の男に当たり、
葉巻を投げると自分のパラシュートに引火。
だが何とか着陸すると、先に潜入していた恋人のビクトリアがいた。
(いるなら、わざわざかけつける必要ない気がするが)
そして、これから非常に危険な任務に就くとか言いながら、
やっている事は、柵を越えて着陸されているヘリに爆弾を取りつけるだけ。
これを見事成功させ、ランカー将軍の乗ったヘリは大爆発。
反動でビクトリアは崖から落ちそうに。あわてて腕をつかむディック。
もちろん「クリフハンガー」のパロディだ。
筋肉が盛り上がり、服が破れると、そこにはものすごい太い腕。
しかも、ゴムのように伸び始める。だが、がんばりもここまで。
ビクトリアの手は離れ彼女は崖下へ転落。これで死ぬ事になるわけだが、
途中、余裕で体操選手のように宙返りしたりするから、困ってしまう。
ここでタイトルソング。80分と言う短い映画で、
007ばりに最初と最後にタイトルソングが入っているとは、ムダな気もするが。
歌うのは、「イート・イット」等で知られるアル・ヤンコビック。
字幕を見ないと、まともな歌のようだが、刺されても撃たれても平気とか続いて、
最後には、途中から見た人のために言うが、この映画の題名はスパイハード。
もう一度言うスパイハード……とかと言うと、まるでまともな歌のようだ。
その間、バックではこれまた007のタイトルバックのように、
美女が泳ぐシーンが出るが、中にはデブのおばさんや、
ヤンコビック自身が混ざっている。
15年後。実は生きていたランカー将軍は、両腕を義手にして、
秘密基地にてミサイルで世界征服を企んでいた。
基地にエージェントのバーバラが潜入するが、逆に捕らわれ、
ミサイルに縛りつけられてしまう。そしてその映像を送りつけられる。
(観賞後、1ヶ月以上もたった上、内容もパロディばかりでかなり忘れている)
組織はこの脅迫に対し、今では引退したディック・スティールの出動を考える。
組織の長官(チャールズ・ダーニング)は、壁や床に隠れるのが趣味と言う妙な男だ。
ディックの復帰案に対し、反対意見を言う者もいた。
回想シーンでは、なぜかスパイのディックが、「シークレット・サービス」のように
大統領の警備をしていたのだが、物音を誤解して大統領を逃がそうとするが
あまりにも強引で、大統領があちこちに頭をぶつけるハメになると言うシーンが出る。
だが、長官の決心は変わらず、彼が呼ばれる事に。
何しろバーバラは、今は亡き恋人ビクトリアの娘だったから、断るわけにはいかない。
ビデオでバーバラの様子を見るシーンがあり、捕らわれている彼女の映像が、
予告編みたいな調子で納められている。
復帰したディックは、かつての仲間と再会。
ミス・マネペニーを思わせるミス・シーバスや
Qを思わせるノギノ(クライド・クサツ)も登場。
バカらしい新兵器を渡したような気もするが、何せ1ヶ月以上前の事なので。
ディックが登場したと知り、ランカー将軍は次々と刺客を送るが
彼自身はよくわからずに刺客を倒してしまうと言うのは、この手の映画にありがち。
彼にベロニカという女性が接近してきた。彼女はウクリンスキー教授の娘で
教授はランカー将軍に誘拐され、ミサイルに必要な部品を作らされていると言うのだ。
2人はダンスを踊るが、途端にディックのヘアースタイルが変わり、
「パルプフィクション」のジョン・トラボルタのように。
ミスター・ミヤギことパット・モリタ扮するウェイターが現れると、
007ばりにカクテルにこだわりの注文をするのだが、
その中には氷を2つとか、ストローは渦巻き型のものをとかと細かい指示が。
だが、またもランカー将軍の刺客が。
逃げる2人はバスに飛び乗るが、運転手はレイ・チャールズなので目が見えない。
しかもバスは「スピード」のパロディをすべく暴走。
バスはジャンプし、「ET」のように月の前を飛ぶ。
ディックは床を開いて、足を地面につけ、ブレーキのようにして止める。
さらに敵を追って、近くにいた馬に飛び乗り、
ホテルの中へ乱入するのは、「トゥルーライズ」のよう。
馬に乗ったままエレベーターに乗ると、中から普通の客が馬に乗って降りてくる。
屋上に逃げた敵は、ビルの向こうから戦闘機に乗って上昇してくるディックを発見。
もうあかんと観念するが、実はその戦闘機はディスプレイ用の模型で
クレーンでつり上げているだけだった。
そんな苦労のかいもなく、ベロニカは誘拐され、逆に捕らわれてる教授を救助する。
そこにはそれなりの物語があったはずだが、何しろ1ヶ月以上前なので。
ディックは教授を仲間の所へ預ける事に。
その仲間とは、少年エージェントのマクラッキーだ。
この少年、普通の家に住んでいるだけで、結局敵にまんまと教授をさらわれてしまう。
その際、敵は「ホームアローン」や「マイガール」をバカにする事からも
この少年はマコーレー・カルキン君のパロディのつもりだと言いたげだが
それほど似ていないので、困りものだ。
一方ディックは、敵のアジトらしい修道院へ。
敵に怪しまれたため、修道女に扮して、聖歌隊に紛れる。
新しい指揮者だと言うのは、「天使にラブソングを」のパロディ。
指揮者が変わった途端、今までまじめに歌ってた連中の様子が変わる。
とか何とかして、ベロニカを救出するディックだが、今度は教授がさらわれていた。
そこで彼らは、将軍の本拠地であるキキリー島へ向かう事に。
ここには恐竜も住んでいて「ジュラシック・パーク」のようだが、軽く流される。
だが、結局捕らわれてしまう。そこには教授やバーバラも捕らわれていた。
そして、ミス・マネペニーならぬミス・シーバスが裏切り者とわかる。
今にもミサイル発射と言うのが、定石通りの展開だが、
本当にそんな展開だったかどうかは、何しろ1ヶ月以上前なので。
ディックも捕らわれ、危機一髪と言うところへ、
ハルク・ホーガンと美女軍団が乱入し、彼らを助けに来る。
だが、ホーガンは今回はかなり弱く、美女たちが活躍するばかり。
そうこうして、ディックと将軍が戦う事になり、
たぶん、将軍は義手に取りつけるいろいろな武器がアダとなって死ぬはずだが
何しろ1ヶ月以上前の事なので。
ラストは始まりと同じアル・ヤンコビックの歌。歌詞を変えてみる等の工夫はない。
と言うわけで、レスリー・ニールセンが調子に乗って作ったこの映画は
本当に調子に乗りすぎと言うか、やや勘違いが入っていると言う感じで
やたらパロディを入れればいいと言うものまではないと言う証明になっている。
物語自体はまともなスパイ物をなぞったようなので、
ラストがどうなったか覚えていないほどだし、
途中の追いつ追われつのシーンは、
パロディを見せるための強引な展開と言う印象を否めない。
総じてパロディ映画と言うのはレベルが低いものだが
今回はその中でもかなり悪い方と言えよう。
▼
「スパイメーカー」(90)と言う映画を見た。
007シリーズと言えば、映画史上最も成功したシリーズと言われている。
他にも成功したシリーズはあるが、当初からシリーズ化を企画して、
製作費やスタッフ、キャスト等も一流をそろえた、最初のシリーズと言える。
そして、当然のようにいちばん長い。
残念ながら、ティモシー・ダルトンの4代目ボンドが失敗となり、
5代目にメル・ギブソンが噂されながら、どうやらシリーズは終わった感がある。
とはいえ、60年代から70年代にかけ、一大スパイブームを作り、
大量の亜流作品を生んだだけでなく、SFやその他のジャンルにまで
スパイ色の影響を及ぼしたと言う点で、他のヒット作とは比較にならないものがある。
この原作は、イアン・フレミングと言う人物で、007以外の作品はほとんどなく、
唯一童話として書いた「チキチキバンバン」が、007のスタッフで映画化された。
007最大のライバルと言われたナポレオン・ソロの原案が
実はイアン・フレミングだったと言うのもある。
小説としては、あまり出来がいいとは言えないが、描写のでっち上げが天才的で
フレミングものとまで言われるジャンルを確立した。
この、フレミング自身が、第2次大戦中に、英海軍でスパイ活動をしていたのは
ファンなら周知の事実。
有名な話としては、ドイツ軍の将校とカジノで対戦し、金を巻き上げようとしたが、
失敗して逆にすっからかんになったと言う話。(これは映画で出てくる)
これは、処女作である「カジノ・ロワイヤル」で小説に引用され、
ボンドがソ連のスパイの金を逆に巻き上げる。
また、ある時はドイツ軍の捕虜の尋問において、酒を飲ませて
拷問なしに自白させようとしたが、逆にこっちが先につぶれて
あやうく殺されそうだったと言う話もある。
と聞くと、愉快な人物に思えるが、フレミングはつき合いづらい男だったようだ。
彼自身が、ボンドのモデルになっている事は間違いないが、
性格的には、Mに近かったと言われている。
海軍では、秘密書類に「00」のbェふられており、これを借用したと言われるなど
やや空想癖のあるフレミングが、自身の経験をもとにオーバーに描写したのだろう。
彼は当初から映画化を意識していたが、「ゴールドフィンガー」映画化の頃に死亡。
本当の大ヒットは体験せずじまいだった。
と言うわけで、フレミング自身の伝記的な映像として、
以前イギリスだかのテレビ番組がビデオ化されたが、今回はアメリカの映画。
(ひょっとすると、テレビかも)
しかも、主役のフレミングに扮するのが、ジェイソン・コネリー。
1代目ボンド役だったショーン・コネリーと、
コネリーが007に出演する前に結婚した、女優ダイアン・シレントの息子だ。
ダイアン・シレントはアカデミー賞候補にもなった女優だが、
コネリーがボンド役で人気急上昇したのに対し、自分は落ち目になり離婚したのだ。
もちろん、こんな奴は他の映画で見た事もない。
他の出演者で目立ったところは、
ナチ将校に、「リーサル・ウェポン2」や「レッドオクトーバーを追え!」の
ジョス・アックランド。いかにも悪役然とした輩だ。
そして、英国の提督にデビッド・ワーナー。
「タイム・アフター・タイム」の切り裂きジャックや
「スタートレック5」「6」の出演が印象に残る。
とは言うものの、キャストとしては無茶苦茶弱く、スタッフも無名。
発想自体がB級どころか、C級あるいはテレビ的企画で、
最初から天井が見えている感じだが、そこはそこ、ステータスとして見る。
イアン・フレミング(ジェイソン・コネリー)は、良家の息子として生まれた。
父は幼くして死に、きびしい母の命令で、彼は勉強のため、寮へ入れられる。
だが、生まれもっての女好きで、教授の娘に手を出し、退学に。
(まるで、ボンドそのままの話だが、ここらへんが事実かどうかは不明だ)
怒った母は、彼を陸軍学校へ。そこでも将軍の妻に手を出し退学。
しかたなく、今度はロイター通信社へ。
そこで、Mの秘書マネーペニーのモデルと言うべき女性に出会う。
マネーペニーの部屋で、ボンドが帽子を飛ばすのが、映画に何度も出るが、
ここではこの秘書が帽子を飛ばす。
彼の上司は、イートン校を退学になったと言う、フレミングに嫌悪を感じるが、
何しろフレミング家は金持ちなので、採用する事に。
彼は、死亡するかも知れない人の、死亡記事を先にタイプすると言う仕事をもらう。
そのうち、彼を気に入った秘書が、フレミングの履歴書を上司に見せたため、
上司はフレミングの才能に気づく。
女癖が悪いという事もあるが、彼は数カ国語が話せるのだ。
ソ連では、テロ事件の犯人として、英国人が裁判にかけられていると言う。
そこで、フレミングはこの取材の協力へ行く事に。
列車で、自称元ロシア王女と言う女性と知り合う。
彼女は、困ったら自分の所へ来いと言って去る。
裁判では、5名ほどの英国人が、罪状認否をされ、1人だけが有罪と主張。
不審に思ったフレミングは、泣いていたロシア人女性の家へ。
実は恋人である彼女を殺すと脅され、男は有罪と言わさせられたのだ。
これが発覚すれば、大スキャンダルだ。フレミングはすぐに打電するが見つかる。
相棒に問題のメモを手渡し逃走。例の元王女の家へ行くが、彼女は実はソ連スパイ。
屋根をつたって逃げ、駅へ。そこも軍隊が見張っていたため、列車の下に捕まり逃走。
しかし、力つきて途中で見つかる。兵隊は、問題の男だと、彼を撃つ。
その場に放置され、白ロシア人が彼を救出。
幼い頃から大事にしていた、騎士の人形が、弾丸を止めたのだ。
(これに類した話が、「ロシアより愛をこめて」にある)
彼の記事のおかげで、英国人たちは執行猶予がつき、国外へ出る事ができた。
でも、相棒は手配されなかったのだろうか?おかしな話だ。
大使館を通じて帰国する事ができたフレミングは、上司らの歓迎を受ける。
彼に関心を持ったのが、ゴドフリー提督(デビッド・ワーナー)と、
秘書と言うよりは副官的な、女性リーダ。
ゴドフリーは、マティーニをシェイクで注文。
酒通でないのであれだが、マティーニはシェイクでなくステアするのが常識。
それをシェイクするのは、手間がかかるが、味がよくなると言われている。
ボンドはかならずこれを注文するが、ここでヒントを得たと言わんばかりだ。
彼のソ連での活動を聞き、機密何とか書類と言うのにサインさせる。
(「ユア・アイズ・オンリー」とか、ちと不自然に言われる)
これは、戦争時には、軍隊で活動しろと言うようなものだ。
フレミングを推薦したのはリーダだが、フレミングの誘いには乗らない。
一方、彼の母は、今度は銀行家になれと言い、退屈な日々を送る。
さらに、いとこのダフネと言う女性を、結婚相手と言わんばかりに会わせる。
そんな時、旧友で発明狂(Qを思わせる)の男と再会。
スピード狂の女性と、フレミングの車で競争したいと言うのだ。
彼の加速装置を使うと言う。見事圧勝。相手の女性をモノにする。
(ここでも、「死ぬのは奴らだ」等と叫んでいる。
ちなみに、「死ぬのは奴らだ」とは、「LIVE AND LET DIE」。
英語の諺に、「LIVE AND LET LIVE」(持ちつ持たれつ)
と言うのがあり、それに引っかけているのだ)
3人はカジノで、圧勝しているヘルスタイン将軍(ジョス・アックランド)に会う。
彼はヒットラーの腹心だ。フレミングはムッとして彼と対戦。
カードで2〜3枚めくって、合計が9に近ければ勝ちとか言うゲームだ。
大金を賭けるが、フレミング家がついている。しかし、負け。
その夜、フレミングは女性の悲鳴に気づく。
サディスト癖のあるヘルスタインに、女性が痛めつけられていたのだ。
やがて、戦争に突入。フレミングは、軍隊に召集される。
ゴドフリー提督とリーダは、彼に少なからず期待。
まず、フレミングは鬼軍曹のもと特訓を積み、少佐となる。
さらに、奇抜なアイデアで情報部の改革を進める。
ロシア方面出身の売春婦を、スパイとして教育し、敵地へ送り込もうと言うのだ。
この計画は採用されるが、売春婦は都合よくもヘルスタインに捕まり、殺される。
続いて、発明狂の友人を起用。Qのような珍発明をさせる。
ポルトガルで、ヘルスタインの愛人が、書類をもらすと聞いて、フレミングは急行。
カジノに潜入するが、そこにはリーダも来ていた。
彼女はすでに一部の書類をもらっており、さらに、もっともらえるようだ。
フレミングは、ヘルスタインと再会。再びカードで対戦する事となる。
今度は、フレミングが何度も圧勝。そのスキに、リーダはヘルスタインの部屋へ。
彼の部屋で書類を探すうち、自分の写真がある事に気づく。
カードで勝ったフレミングは、ヘルスタインの愛人の部屋へ。
だが、彼女とキスをして、唇が冷たいのに気づく。
唇が冷たい女性は悪者だと言う、根拠も何もない理由で、
フレミングは彼女がスパイと気づき、殴って逃走。ついでに、リーダと接近する。
やがて彼は中佐に昇進。難攻不落と言われる要塞攻略を計画する。
それは、孤島の上の断崖にそびえる古城で、ナチの基地になっている。
ここには、当然のようにヘルスタインが。
一方、ヘルスタインは、フレミングが情報部を改革したとまで言い、
要注意人物としてマークする。
フレミングは特殊チームを編成。自ら指揮をとる事を希望。
そして、リーダとの愛を認識し、彼女を母に紹介。母は雑貨屋出身の彼女を軽蔑。
リーダも不快に思うが、フレミングの意志は変わらない
作戦から戻ったらと、結婚を約束。プレゼントに、なぜか本を贈る。
「西インド諸島の鳥類」無粋な本だ。この著者の名は、ジェームズ・ボンドだった。
発明狂のアイデアで、潜水も可能な、2人乗り水上バイクで古城に接近。
(こんなもの、今でも無理な気がするが)
断崖を登り、古城に潜入。見張りを1人ずつ倒し、会議室へ。
そこでは、敵軍重要人物の暗殺を計画していた。
フレミングらは、飛行機で帰還。書類で自分もマークされていた事を知る。
そして、その日付が今日と知り、リーダの身を心配する。
リーダはフレミングの家へ行き、帰宅を待つ。フレミングはジープで急行。
家へたどりつき、顔を見た途端、爆発が。リーダは死んでしまった。
傷心のフレミングは、戦争を終え、母と再会。小説家になると話す。
というわけで、最初からたいして期待はしていなかったが、そんなものだった。
ときどき、楽屋落ち的に、ここでヒントを得た言わんばかりの小道具。
どうも、わざとらしくていけない。
フレミングが情報部の作戦を立てていたのはいいとしても、
作戦に参加したり、敵にマークされたのはオーバーに思える。
しかも、敵と言うのが、終始ヘルスタイン将軍だ。
むしろ、戦争中はそこそこにして、執筆活動でも描写したらよかったのでは。
ジェイソン・コネリーには、ほとんど魅力がない。インチキくさい奴だ。
▼
スパイ・ライク・アス(85)
監督 ジョン・ランディス
米軍は特殊作戦実施のため、囮に2名の落ちこぼれを選出。
選ばれたのは、外交官エメット(チェビー・チェイス)と
暗号解読の達人オースティン(ダン・エイクロイド)だ。
訓練を終え、パキスタンへ。部族に捕らえられたため、国連の医師と称する。
部族長の弟の盲腸炎手術に失敗して死なせ、2人は逃走するはめに。
女医カレンも高性能発信機を持っていた事から、彼女もスパイと気づく。
ソ連国境警備隊にエメットが捕らわれ、カレンも撃ち合いで相棒を失う。
オースティンはカレンと合流。自分がカレンらの囮だったと知る。
詰め所を襲撃、エメットを救出。カレンの任務はICBM基地奪取だ。
指示通り装置を操作すると、ミサイルが発射される。軍の目的は迎撃装置のテストだ。
だが、テストは失敗。軍はソ連の攻撃として戦争に突入する考えだ。
オースティンはミサイルを誘導し、宇宙で爆破する事に成功。
一味は逮捕され、エメットとICBM基地の隊員が米ソ軍縮会議の代表に選ばれる。
と言うわけで、エイクロイドの出演している作品は、どれもバタくさい感じ。
落ちこぼれを選出したなら、それを逆手にとった活躍してほしいが、それはない。
戦闘訓練の教官ロンマス大佐にバーニー・ケーシー。
海外特派員試験の教官にフランク・オズ。部族の医師団の中に、ボブ・ホープ。
音楽はエルマー・バーンスタイン。
TV放送 94/12/02 10CH 02:10-04:02
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スパイ・レジェンド(2014年米)
ピーター・デヴェロー 元CIA(ピアース・ブロスナン)
メイソン ピーターの元部下
ナタリア ピーターの恋人
アリス・フルニエ 難民を保護(オルガ・キュリレンコ)
フェデロフ ロシアの将軍
ハンリー 仕事を依頼
ワインスティン メイソンの上司
2008年。CIAのピーターはテロを予見するが、
撃ち合いで少年を死なせてしまい、それを機に引退する。
5年後。引退していたピーターは、
かつての仲間ハンリーに、元部下で恋人だったナタリア救出を依頼される。
ピーターはナタリアに接触するが、襲撃を受ける。
彼女は、ミアと言う名前を言って死んでしまう。
襲撃したのはCIAで、かつての部下メイソンの仕業だった。
メイソンは、上司からピーター追跡を命じられる。
アリスと言う女性がミアを難民として保護しているとわかり、
ピーターはアリスに接触。だが、メイソンの追跡を受ける。
どうやら、保護している者の中に、ロシアのフェデロフ将軍の関係者がいるらしい。
フェデロフとCIAは共謀してチェチェンで戦争を起こしており、
ミアは生き証人なのだ。
メイソンは、本物のアリスが死亡しており、ミアが彼女に扮していると知る。
ミアは、家族をフェデロフに殺された恨みがあるのだ。
娼婦に扮したミアはフェデロフを襲撃するが、かけつけたピーターが阻止。
ピーターに脅されたフェデロフは、ハンリーが関与していると白状。
ピーターやメイソンも利用されていたのだ。
ハンリーはメイソンの娘ルーシーを人質にとり、ミアを要求。
フェデロフが大統領となれば、ロシアを米国が掌握できると企んだのだ。
だが、ピーターとメイソンが一味を倒してルーシーを救出。
ミアの証言で失墜したフェデロフは、何者かによって始末されるのだった。
と言う訳で、ピアース・ブロスナンが引退したスパイを演じるアクション。
相手役はオルガ・キュリレンコで、007つながりと言うところ。
引退したスパイのブロスナンは、旧友に依頼されて元恋人を救出する事に。
CIAとロシアが通じているらしく、恋人は犠牲に。
やったのは元部下で、ブロスナンは復讐心を燃やすと言う訳。
時代は変わったと言う元部下を出し抜く前半は、ボーンシリーズを彷彿させる。
オルガは巻き込まれた女性役だが、終盤になって彼女にも秘密があると判明。
まあ、早い段階で察しはついてたが、2つの物語を無理矢理ブレンドした印象。
追っ手の元部下は、ちょっと魅力的。
TV放送 2015/12/05 WOWOW 2300-0048
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素晴らしき男(66)
監督 アービン・カーシュナー
詩人サムソン(ショーン・コネリー)は前妻の生活費不払いで逮捕の危機に。
詩の朗読の仕事でも婦人を侮辱し騒動に。
妻ローダは精神医ウエストに見させるが、サムソンはウエストの妻リディアと親しく。
ショックのウエストは、サムソンに脳外科手術を受けさせるが効果ない。
だがローダが妊娠したと知り、少しはマジメにやる気になる。
と言うわけで、コネリーが007のイメージを脱却しようと出た当時の作品。
破天荒な性格の男を描いているが、あまりに無軌道でこっちが困るほど。
コネリーが気に入っていると言うのがわからない。
吹き替えも違う人で、だいぶ違う感じだ。
TV放送 97/03/11 12CH 13:00-15:00
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素晴らしきヒコーキ野郎(65)
1910年。イギリスのローンズリー卿は、ロンドン→パリの飛行機レースを開催。
ローンズリー卿の娘パトリシア(サラ・マイルズ)の
婚約者リチャード(ジェームズ・フォックス)も参加。
パトリシアは飛行機に乗りたがるが、卿は認めないので不満だ。
ドイツ人大佐(ゲルト・フレーベ)は隊を率いて訪れる。
アメリカ人オービルは、パトリシアを飛行機に乗せたため出場停止になるが
パトリシアの努力で何とか参加にこぎつける。
日本の山本(石原裕次郎)も到着。彼は優勝候補だ。
ファーシー卿は、ドイツチームのパイロットに下剤を飲ませ、飛行機に細工。
おかげで山本は早々にリタイヤ。ドイツチームは大佐がかわりに出場。
海峡を前にして、他の選手は1泊するが、ファーシー卿は船でこっそり横断。
そのため、ダントツトップとなるが、汽車と接触してリタイヤ。
ドイツ大佐はマニュアルを拾おうとして海に転落。
イタリアチームが火を吹き、オービルが助けている間にリチャードがゴール。
だが、リチャードは引き分けと認める。
というわけで、雰囲気は何ともいいが、裕次郎はいったい何だったのか。
夜のうちに海峡を渡ってもいいとは、ルールもいい加減だ。
当初はリチャードが主役みたいだったが、途中からオービルに奪われる。
パトリシアは何とも身勝手な女。
いろいろなエピソードが出てくるが、キャラの使い分けがいまいち不明。
ゴードン・ジャクソンがウロウロしていたが……。
TV放送 91/11/23 01CH 08:30-10:40
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スパルタカス(60)
監督 スタンリー・キューブリック
キリスト教成立1世紀前。世界の中心ローマでは、奴隷制が行われていた。
奴隷スパルタカス(カーク・ダグラス)は、鉱山の労働に反抗。
バタイアタス(ピーター・ユスチノフ)の剣闘士養成所で訓練される事になる。
同じく奴隷の、バレニア(ジーン・シモンズ)と、互いに惹かれあう。
貴族クラサス(ローレンス・オリビエ)の注文で、スパルタカスとドラバが決闘。
ドラバが勝つが、彼はとどめを刺さず、逆に処刑される。
バレリアがクラサスに売られたと知り、スパルタカスを中心に反乱が発生。
暴動は次第に大きくなり、クラサスの政敵グラッカスは、
クラサスの腹心グラブラスを討伐にやらせ、シーザーを守備隊長代理に任ずる。
奴隷たちは、スパルタカスの指揮で、奴隷解放を目的とするようになる。
次第に仲間が増え、逃げだしたバレニアとも合流。ベズビオ山で軍を編成する。
クラサスの奴隷だったアントナイナス(トニー・カーティス)も仲間に。
故郷へ戻るため、スパルタカスは海賊から船を借りる交渉をする。
彼らは守備隊を撃退し、グラブラスは追放。クラサスも引退する事になる。
大移動が始まり、バレニアが妊娠。
グラッカスは、スパルタカスを抑えるため、クラサスの独裁を認め、海賊と交渉。
一行は港に到着するが、買収された海賊は船を退却させる。
周囲には、ポンペイウス軍と、ローマ船団ルカラスが来ている。
はさまれたスパルタカスは、ローマへ向かい、クラサスの軍と衝突。
無数の死者を出し、ローマが勝利。スパルタカスは捕虜となり、
クラサスは彼をかばう者たち6000人を、磔刑にする。
彼は、バレニアと子供を引き取るが、心理効果を狙い、グラッカスが連れ出させる。
クラサスは、スパルタカスとアントナイナスを決闘させる。
勝ったスパルタカスを磔刑に。
バタイアタスは、バレニアを連れ出し、グラッカスの指示で彼女を自由にする。
グラッカスは自殺。
バレリアは磔のスパルタカスを見つけ、息子にあなたの事は話すと言い、立ち去る。
というわけで、キューブリック監督の史劇。
有名なシーザーがあまり活躍せず、聞きなれない連中が多い。
しかし、スパルタカス側もローマ側も、途方もない人数のエキストラで、絶句。
TV放送 92/06/15 BS11 22:00-01:10
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スピーシーズ 種の起源(95)
フィッチ所長(ベン・キングズレー)は地球外生命より得た情報でDNA実験するが
生まれた娘は肉食獣で急成長し、人類の驚異になると抹殺を指示。だが逃げられる。
フィッチは殺し屋プレストンらを集め追跡。娘は大人に成長。妊娠するため男を物色。
だが、プレストンらの追跡で邪魔され、女性を身代わりに死んだと見せかける。
娘は安心したアーデンに接近。妊娠し、彼を殺害して逃走。
怪物は出産するが、火炎放射で母子とも倒す。だがネズミに異変が始まっていた。
と言うわけで、エイリアンが地球に来たと言う感じの話。
DNA情報だけで侵略すると言う展開は面白いが、
妊娠しても子供が1匹だけだったり、なかなか妊娠しなかったり、
エイリアンに比べると、やや勢いがない感じ。
追跡する霊感男ダンにフォレスト・ウィテッカー。デザインはH・R・ギーガー。
TV放送 97/04/27 BS05 20:00-21:57
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スピーシーズ2(98)
パトリックらは、人類初の火星着陸に成功。一時通信が途絶えるが帰還する。
だが帰還後、彼とセックスした女性が次々変死。
彼の血液の異変に気づいた科学者も何者かに殺される。
その痕跡から、新たな異星人が現れたに違いない。
前回の異星人のクローンイブを研究するベイガー博士と、
異星人を倒したプレス(マイケル・マドセン)が呼び出される。
専門家クロムウェル博士によれば、10億年前に火星に飛来した異星人は
探検者のDNAを侵したらしい。乗組員を捜すが、アンは夫婦で怪物化したため始末。
続くギャンブルは感染しておらず、最後のパトリックを探す。
パトリックは自らが怪物化した事に気づき自殺するが、体は自動的に蘇生する。
彼は街へ繰り出し、次々と変死体が。
ベイガーはイブの遺伝子を目覚めさせ、テレパシーでパトリックの居場所を探させる。
だが逮捕には失敗し、おまけにイブの性衝動が高まる。
ベイガーは、ギャンブルが保有するウイルスを異星人が嫌うと気づく。
逃走したイブを追跡。大量に生まれたさなぎを薬で倒す。
イブはパトリックに殺されるが、ギャンブルの血で怪物化したパトリックを倒す。
だが、イブの死体に異変が始まっていた。
と言うわけで、人間に乗り移れる異星人が新たに来たと言う話で
物語としては、エイリアンや遊星からの物体Xの二番煎じで目新しくないが
セックスばかりすると言うのがポイントだったのに、
今回は肝心のイブはラスト近くまで研究所を出ず拍子抜け。
TV放送 2000/05/06 BS05 1945-2120
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スピーシーズ3 禁断の種(2004年アメリカ)
イブ 前作に登場したエイリアン(ナターシャ・ヘンストリッジ)
サラ エイリアンの少女。純血種
アポット教授 生物学教授
ディーン 原子炉の研究をする大学生
ターナー 学部長
ヘイスティングス ディーンと同室の男
アメリア 混合種のエイリアン
軍は女性エイリアンのイブと子供を移送。イブは出産するが、子供が彼女を絞殺。
運転手のアポットは赤ん坊を連れて姿を消す。
実は生物学教授であるアポットの所へ、男が現れ助けを求める。
彼は車にいた少年で、エイリアンの混合種であり抵抗力がなく死んでしまう。
核融合炉の研究をしていたが、資金援助を止められた学生ディーンに話を持ちかけ
研究を協力させる。
人間のDNAを取り除き、完璧なエイリアンを作り出そうと言うのだ。
連れ帰った赤ん坊は大人の女性サラに成長。訪ねてきた学部長ターナーを殺害。
サラは交尾の相手を求めて町へ。
だが町にいるエイリアンは混合種ばかりで、純血種サラの相手にならない。
彼女を狙って混合種が現れガスで倒すが、アポットが殺される。
ディーンはサラに子孫を残させまいとする。
同室のヘイスティングスは、ネットで知り合ったアメリアにディーンの研究を知らせ
実は混合種だったアメリアは彼に迫る。
かつて研究に関係していた男はディーンに会い、新種を止めるため協力を求める。
ガスでアメリアを弱らせ、ヘイスティングスを救出。発電所へ逃げ込み、装置を作動。
卵子と共に現れたアメリアを装置に落とすがサラも引きずり込まれて爆発。
すべてターナーの仕業として処理される。
実はディーンはサラを助けていた。人間のDNAを取り除いたエイリアンを作り出し
サラの相手として共に旅立たせる。
ヘイスティングスは交尾を心配するが、ディーンは男を生殖不能にしたと言う。
と言うわけで、エイリアンのパクリみたいな企画で、
出演者もややランクの落ちる人たちだったスピーシーズ。
続編は1作目をなぞったような展開で、
女性の裸で客を呼ぼうとしたり、もともと志が低いのだが、第3弾が登場。
今回はエイリアンが、どこかおばさん顔のナターシャ・ヘンストリッジから
若い娘に代わって、それでも裸は満載とそこは心得た感じ。
どちらかと言うと、エイリアンは人間の博士の狙いを承知の上で
自分を狙う混合種と戦うため、手を組んだりするのは面白い展開だが
もう一つ中途半端な印象も受ける。
何より人間側の主役2人の設定が強引で、
1人はエイリアンを研究しようとする生物学教授だが、
エイリアンを手に入れるため、極秘のはずの軍の移送の運転手をしてしまう。
もう1人は、学生のくせに金のかかりそうな最新の発電所を開発。
そのくせ、上記の生物学の教授の授業を受け
結果的にその研究を手伝うようになるとは、もう何でもありと言う感じ。
TV放送 2006/07/17 WOWOW 2200-2357
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スピーシーズ4 新種覚醒(2007年米)
ミランダ 女教師。実はエイリアンと人間の混合種
トム・ホランダー ミランダの叔父。エイリアンの遺伝子を研究(ベン・クロス)
フォーブス・マグワイア トムのかつての仲間
アズーラ フォーブスの相手役として生み出された
女教師ミランダは、オックスフォードでの仕事を打診される。
一緒に暮らす叔父トムは、これを祝福。彼も同行すると言う。
だがミランダは突如意識を失い、病院で暴れて医師たちを殺害。
トムが連れ出し、メキシコへ行くと言う。
実はミランダは、エイリアンと人間の遺伝子を掛け合わせた存在で
寝ている間にホルモンを注射し、凶悪な部分を抑えていたが効果が薄れたらしい。
かつての仲間フォーブスを見つけ出し、協力を求める。
フォーブスはエイリアンの遺伝子を利用し、死んだ家族を甦らせる商売をしていた。
彼はミランダが寿命で、助けるには代わりに犠牲になる人間が必要だと言う。
迷った末、トムは娼婦を捕まえ、ミランダを回復させる。
しかしミランダは性格が変わり、街で男を物色し、次々殺害。フォーブスも殺される。
フォーブスが遺伝子操作で生み出したアズーラと対決。
トムはアズーラを射殺。弱ったミランダは、命をくれたトムに感謝して死ぬ。
と言うわけで、エイリアンの亜流シリーズで、
ポイントはエイリアンが必ず美女で、必ず裸が出てくる点。
従来は美女エイリアンを追う地球人側の視点だったが、
今回は自分がエイリアンとは思ってもいない女性が主人公。
いつになく清楚な感じだが、やっぱり豹変したりしてHな描写もあり。
生命を生み出そうとするが、結局うまく行かないと言う、
ちょっとフランケンシュタインに通じる雰囲気もある。
一応、ニセシリーズではないけど、シリーズとしての連続性はあまりない。
TV放送 2009/05/17 WOWOW 0050-0230
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スピーシーズXX 美しき寄生獣!危険な誘惑(2007年カナダ)
ルーク 教師
サム 生徒
ステファニー サムの恋人
ガイズナー 精神医(デイナ・メイヤー)
コンスタンス 女医
田舎町の教師ルークは、エイリアンが人間を襲う光景を見るが、
精神医ガイズナーは幻覚だと言う。
学生サムは、友人アーノルドが美女に言い寄られるが、その後姿を消したと知る。
他にも行方不明や凍死者が多発。
ルークは一連の事件がエイリアンの仕業で、
ガイズナーもエイリアンではと疑うが拘束されてしまう。
唯一ルークの話を信ずるサムは彼を救出。
友人ニックが美女に言い寄られる光景を見た彼らは、
美女がエイリアンの正体を現し、ニックに襲いかかるのを目撃。
ニックを救出し、エイリアンが熱に弱いと知って、次々撃退する。
実は女医コンスタンスこそエイリアンの親玉で、
サムらが捕われるが、ルークに焼き殺される。
一件落着したかに思えたが、地下室に行方不明だった男たちを発見。
その腹からエイリアンが飛び出した。
と言うわけで、美女エイリアンが、男を襲って子供を作ると言う
スピーシーズをパクったような作品。
物語はほぼ同じだが小さな田舎町の若者中心に展開して、
人類にとっての脅威と言う意味では今一つ。
序盤からエイリアンは結構出るが、
かなり後半まで、大半の出演者が事態を認識していないのがもどかしい。
若者たちも、実はエイリアンの女性陣も、なかなか区別がつかないのも困りもの。
TV放送 2011/11/21 テレビ東京 1325-1455
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