タイタニックの秘密(2003年米)

ビル・パクストン 俳優
ジェームズ・キャメロン 映画監督

 俳優ビル・パクストンは、キャメロン監督に誘われ、タイタニック調査に参加。
調査船に乗り、3人乗り小型艇で深海3800メートルへ。
さらにROVと言う小型ロボットで、船内の様子も見る。
沈没から90年が経過するが、華やかな装飾は残されている。
乗客乗員に思いを馳せる一方、
自分がそこにいたら、勇敢でいられたかと考えるパクストン。
そんな中、NYでテロが発生し、タイタニックの調査が些細な事だと思える様に。
しかし、調査は継続され、1500名が運命を共にした船尾に教訓を感じる。
調査が終わり、帰還しても、目をつぶるとタイタニックの記憶が甦るのだ。

 と言う訳で、ジェームズ・キャメロン監督による
タイタニック号調査を追うドキュメンタリー。
俳優ビル・パクストンは、キャメロンに誘われ、タイタニック調査に参加する事に。
3人乗りの小型潜水艇に乗ったり、小型ロボットで船内を調査する様子を描く訳。
パクストンは、かの作品で調査チームのリーダーを演じた人だし、
見る者は少なからず、作品の引用等を期待したはずだが、そういうのはまったくない。
乗員乗客の行動を俳優で再現する(数秒だけど)シーンはあるが新撮、
映画の話題は出ず、あの歌が流れたりもしない。
沈没自体を時系列で追うような見せ方をせず、
船尾を見つけた、汽笛を見つけたと言う光景を見せられるばかり。
調査チームの連中は、タイタニック号に妙に詳しく、
船室を見ると、ここは乗客だれそれの部屋だと分かるらしくて興奮気味。
その境地に達していない者には、だいぶ物足りない。
監督:ジェームズ・キャメロン

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タイタンの戦い(81)

 ゼウス(ローレンス・オリビエ)は、娘と孫を海に流したアルゴス王に天罰を。
国は滅び、孫ペルセウスは、セリポス島でたくましく育つ。
さらに、ゼウスは泉の生物を狩り尽くしたカリボスを怪物にしてしまう。
カリボスを作った女神ティティスは、怒ってペルセウスをフェニキアにやる。
これを知ったゼウスは、ペルセウスに神の武器を授ける。
怪物となったカリボスは、結婚するはずだったアンドロメダの結婚を妨害。
ペルセウスはペガサスを捕らえる事に成功。カリボスのいる沼地へ行く。
カリボスは毎夜、アンドロメダの魂を連れ出していたが、
ペルセウスに気づき、格闘の末、腕を切り落とされる。
ペルセウスはカリボスの謎を解き、アンドロメダと結婚する事になる。
だが、王女カシオペアが、娘アンドロメダをティティスより美しいと言ったため、
ティティスはアンドロメダを怪物クラーケンのいけにえにせよと命ずる。
ペルセウスは地獄の魔女に会い、メドゥーサの頭だけがクラーケンを倒せると聞く。
そのため、死の島へ。メドゥーサはポセイドンを愛したため、
アフロディテの嫉妬で怪物にされ、その顔を直接見た者は石になってしまうのだ。
ペルセウスは宮殿に到着。双頭の狼を倒し、気配に気づいてメドゥーサも倒す。
カリボスがメドゥーサの血から、大サソリを作るがこれも退治。カリボスも倒す。
アンドロメダはいけにえにされるが、ペガサスで到着。
クラーケンをメドゥーサの頭で石にしてしまう。

 というわけで、レイ・ハリーハウゼン特撮の1作。
ギリシャ神話を舞台にしているが、神の世界も意外に人間ぽくて変な感じ。
かえってわかりにくくなった感があるが。
女神アフロディテに、アーシュラ・アンドレス。
フェニキアの詩人アムモンに、バージェス・メレディス。

TV放送 92/09/29 04CH 02:05-04:25
 

大統領暗殺(2006年英)

ブッシュ大統領 暗殺される
フランク・モリーニ 容疑者
ジャマール・ジクリ 容疑者。イスラム系
ザーラ ジクリの妻
ケイシー 容疑者。イラク復員兵
アル ケイシーの父。湾岸戦争に従軍

 2007年10月。ブッシュ大統領はシカゴを訪問。ホテルで演説を行う。
多くの問題を抱える大統領に対し、ホテルの前には1万人を越えるデモ隊が集結。
大統領は握手のため外へ出るが、何者かに撃たれて死亡する。
付近のビルにいたモリーニを拘束。以前からマークされていた男だが容疑が晴れる。
狙撃はビルからと判明。300人から事情聴取するが、目撃者は見つからない。
やがてイスラム系の従業員ジクリを拘束。
新大統領チェイニーはシリアの関与を主張し、空爆も辞さない構えだ。
ジクリのアルカイダへの関与が判明し、陪審員の評決は有罪に。
暗殺実行の証拠は出ず、協力者の捜索が続く。
イラク復員兵のケイシーが拘束され、父アルが自殺。
アルの部屋から警備担当しか知り得ない、大統領のスケジュール情報が見つかる。
愛国者だったアルは、戦争で息子を奪われたと感じ、大統領に復讐したのだ。
しかし、テロに関与したジクリが釈放される事はなく死刑囚房へ。
成立した愛国者法により、捜査官の権限が強化されるのであった。

 と言うわけで、大統領暗殺ものは数あるが、
実際に暗殺された事件の真相を追うパターンと
架空の大統領の暗殺をめぐり、ややこしい陰謀が渦巻いていたと言うパターンが多い。
本作はそのどちらでもなく、実在の大統領の架空の暗殺を追うと言うもの。
まあ架空だから後者に近いわけだが、
やたら入り組んだ話という訳でもなく、かなり単純な図式。
華氏911で悪役にされたブッシュだが、
彼が死んだって、結局同じような方向に世の中は動くのだと言うあたりがポイントか。
全体は、暗殺自体を歴史的事実としてドキュメンタリ風に描く。
そのせいか暗殺まではそこそこ緊迫するが、真犯人を追う展開はやや退屈。

TV放送 2008/11/27 WOWOW 1220-1400
 

大統領の陰謀(76)

監督 アラン・J・パクラ

 1972年6月。民主党本部ウォーターゲートビルに夜盗が侵入。逮捕される。
ワシントンポストの新人記者ウッドワード(ロバート・レッドフォード)が取材。
犯人の1人マッコードが元CIAと証言。目的も選挙委員長の盗聴とわかる。
ウッドワードは犯人の住所録をもとに調査。
ニクソン顧問のコルソンや、元CIAのハントの名があがる。
新たにバーンステイン(ダスティン・ホフマン)も担当に。
ハントがケネディ上院議員の資料を集めた事を突き止めるが、
何者かの干渉で図書係が一転して否定。
ウッドワードは事情通ディープスロート(ハル・ホルブルック)から、
ハントの弁護士の金を洗えとヒントをもらう。
ニューヨークタイムズは、犯人がニクソン再選委の電話をしたと記事に。
そこで再選委ダーディス(ネッド・ビーティ)に資料提出を要求。
犯人のバーガーが、ダールバーグと言う男から小切手を受け取っている。
だが、ホワイトハウスは否定。上層部もこの記事は危険だと敬遠する。

 再選委の名簿を入手。1人ずつ訪問。大半は答えようとしないが、
書類裁断に元司法長官ミッチェルも立ち合ったと言う女性が現れる。
元経理主任スローンと言う男が、ミッチェルの身代わりに退職。
スローン宅を訪問し、ミッチェルの指揮で5名が資金を流用していたと突き止める。
再選委の資金が、民主党つぶしに流用されたのだろうか。
広報次長クローソンが、マスキーを陥れるための中傷の手紙を作成したと言う。
5名の中心は、最高補佐官ホールドマンと確信し、これを記事に。
だが、スローンは無関係と証言。ポスト紙は不確かな記事を公表したと非難される。
ディープスロートは、ホールドマンが中心と認める。
関係者はFBI、CIAなど、アメリカ中に。
スローンは大陪審で証言する意志だったが、誰も質問しなかったのだ。
やがて、ニクソンが再選。だが、関係者が次々逮捕され、74年ニクソンは辞任する。

 と言うわけで、ウォーターゲート事件をスクープした2人の記者の話を映画化。
とは言え、取材の過程を描かれたものだから、
まだるっこしい面や、訳わからない面等、把握しづらい事が多すぎる。
ディープスロートと言う密告者みたいな奴が、結局捜査を左右しているし。
新聞社の部長か何かに、マーチン・バルサム。
音楽は、デビッド・シャイヤ。

TV放送 93/02/01 BS05 09:50-12:10
 

大統領の執事の涙(2013年米)

セシル・ゲインズ ホワイトハウスの執事(フォレスト・ウィテッカー)
グロリア セシルの妻
ルイス セシルの長男
チャーリー セシルの次男
ハティ セシルの母(マライア・キャリー)
ミス・アナベル セシルを雇っていた(バネット・レッドグレイブ)
隣人 (テレンス・ハワード)
ファローズ 黒人の上司
カーター 同僚(キューバ・グッディングJr)

アイゼンハワー大統領 (ロビン・ウイリアムズ)
ニクソン大統領 (ジョン・キューザック)
ケネディ大統領 (Xメンの光線の人)
ジャクリーン・ケネディ
ジョンソン大統領 (リーブ・シュレイバー)
レーガン大統領 (アラン・リックマン)
ナンシー・レーガン (ジェーン・フォンダ)

 1926年。セシル少年は綿畑で働いていた。
母は地主の相手をさせられ、怒った父がはむかい、射殺されてしまう。
留まれば殺されると、農場を出たセシルは、泥棒に入った家で給仕の仕事をする事に。
57年。ホテルの給仕をしていたセシルは、抜擢され、
ホワイトハウスでアイゼンハワーの執事をする事に。
息子ルイスは、黒人の権利を求める過激な連中と行動する。
61年。ケネディ政権となり、
妻はホワイトハウスについて知りたがるが、セシルは語ろうとしない。
ルイスらの乗ったバスがKKKの襲撃を受けたと言うニュースに心配するが、
無事だと知る。
ケネディは黒人も平等なサービスを受けられる法案を約束するが、暗殺されてしまう。
65年。ベトナム戦争が激化。
68年。セシルは黒人スタッフの待遇改善を求めるが、却下される。
ルイスはキング牧師を支持するが、彼も暗殺される。
やがてブラックパンサー党を結成。何度も逮捕される騒ぎを起こす。
69年。ルイスは、集会が殺しの相談になっていると気づいて離脱。
次男チャーリーはベトナムで戦死する。
ジョンソンやカーターの時代を経て、ルイスは議員に。
86年。セシルは再び待遇改善を求め、レーガンの指示でそれを勝ち取る。
ナンシー夫人により、セシルは妻と共に晩餐会に招待される。
やがて彼は、ルイスが自由の為に戦ったのだと評価する様に。
仕事を辞めてデモに参加し、ルイスと共に逮捕される。
セシルは、仕事の為にお前を失っていたと詫びる。
2008年。黒人のオバマが大統領に当選。セシルは彼に面会する事となる。

 と言う訳で、フォレスト・ウィテッカー出演のドラマ。
彼は白人に酷使される農家の出身だったが、
ホテルの給仕を経て、ホワイトハウスの執事に採用される。
そこで、歴代大統領を見守ると言う訳。
黒人版フォレストガンプと言う趣を期待したが、実際に見ると、
ケネディ暗殺もウォーターゲート事件もセリフでちょっと語られる程度。
もっぱら各大統領の黒人政策が焦点に。
そこへ黒人解放活動に参加した長男を絡めると言う展開。
道徳の教科書を無理矢理読まされた様な違和感はある。
各大統領を演ずるのは、アイゼンハワーにロビン・ウィリアムズ、
ケネディにXメンのビームの人、ニクソンにジョン・キューザック、
レーガンにアラン・リックマン、その妻ナンシーにジェーン・フォンダと言う面々。
名だたる俳優陣だが、特にレーガン夫妻がよく似てる。
さらに、フォレスト・ウィテッカー、キューバ・グッディングJr、
テレンス・ハワードと言う、よく混同する3人が集まった点も面白い。

TV放送 2015/03/15 WOWOW 2100-2312
 

タイトロープ(84)

 女性全裸死体が発見され、ブロック警部(クリント・イーストウッド)が捜査。
科学班の分析では、彼女は手錠をかけられており、犯人は40代黒髪の白人だ。
レイプセンターのベリル(ジュヌビエーブ・ビジョルド)が協力を申し出る。
メラニーが警官好きだったと判明。またも殺人が起こり、同一犯と思われた。
被害者は風俗営業の女性ばかりだ。
捜査を続けるうち、ブロックは夜の女性たちと関係。だが、その中に被害者が出る。
精神医は、犯人がブロックに親近観を持っていると言う。
またもブロックの関係した女性が殺され、彼が忘れたネクタイが現場に。
遺留品からガラスの粉が発見され、被害者の持っていた紙幣が、
ビール工場の給料と判明。だが、犯人はブロックの家に侵入。娘に手錠がかけられる。
帰宅したブロックと犯人が格闘。だが、逃げられる。激怒するブロック。
工場の従業員に、かつてブロックが逮捕したレイプ犯の警察官ロルフがいた。
ロルフは出所したばかりだ。ブロックは張り込みをするが、ロルフは現れない。
ロルフはベリルの家に。ブロックが急行。格闘し、ロルフは列車に引かれて死ぬ。

 というわけで、異常犯が犯人だが、ブロックがけっこう共通点を感じるという話。
ジョヌビエーブ・ビジョルドが、ふけてるクセに童顔なのでたまらない。

TV放送 92/09/18 06CH 01:50-03:40
 



 全編CGのディズニー製恐竜映画「ダイナソー」(2000)を見た。

 ディズニーは昔からの有名な作品をアニメ化する事が多かったが
今回はどうやらオリジナル。
それも、「トイ・ストーリー」に継いで全編CGの作品で
恐竜が大量登場と言うわけで、恐竜好きとしては見逃せない。
話は、何やらターザンのなぞりのような気もするが。気にせず見ろ。

 時代は恐竜時代。いろんな恐竜が共存している世界。
イグアノドンの卵が母親に暖められているが、恐竜の暴走ではぐれ、
それを別の恐竜が狙い、河を流れ、翼竜が持ち去ったりして遠くの島へ。
そこは恐竜があまりいない島らしく、そこのキツネザル一家に拾われる。
父親ザルは恐竜を忌み嫌うが、母プリオは自分の子供と同じように育てる事を決意。
やがてアラダー(DBスウィニー)と名付けられ、立派な恐竜に成長する。
長老ヤー、友人のジーニー、妹スーリらに囲まれ、アラダーはキツネザルとして成長。
だが、仲間がどんどん結婚していくのに対し、
アラダーとジーニーには彼女が出来ず、寂しい思いをする。

 その時、突然大量の隕石が落下。動物たちは逃げまどい、
アラダーに乗って一部の連中だけが、隣の島へ流れ着く。
この隕石は、恐竜が滅亡した原因を思わせるが、最後まで見ても滅亡はしない。
この、生物を絶滅させかねない激しい隕石の中、
何が死んで何がどうして生き延びたか、
キツネザルたちは狂言回し的なのでよくわからない。
隣の島も隕石の被害を受けていた。大地が荒れ果て、水も枯れている。
ここでは、アラダーの仲間とも言うべき恐竜が大勢いて
初めて同族を見てビックリと言う感じ。
草食の恐竜たちは、伝説の恐竜の楽園を求めて、移動する事となる。
なぜか、草食同士が仲良くて、肉食は敵という図式ができているらしい。
クローンと言う恐竜がリーダーに。彼の妹ニーラには惹かれるものがある。
一方、ブラキオサウルスのベイリーンや、ステコサウルスのイーマと言った連中は
年老いていたりして移動も遅れがち。
クローンは彼らを見捨てようとするが、
心優しいアラダーは、皆を連れて行こうとして奮戦。クローンと対立する。

 一行は、途中で湖を発見するが、水が枯れていて一同落胆。
イーマらが倒れそうになり、クローンはいよいよ見捨てて出発しようとする。
だが、アラダーはここでも彼らを見捨てず、
必死に枯れた地面をつついている内、ついに水が噴き出して
人々、いや恐竜たちは大喜び。
だがクローンはリーダーの地位を揺るがされたようでおもしろくない。
しかし、ここへ肉食のカルノタウルスが現れ、一行は再び出発する事に。
こいつは、ジュラシックパークで言えば、ティラノサウルスのような存在。
一方、ハイエナのようなラプトルも、彼らを狙っている。
アラダーは、すぐには出発できないイーマたちのために留まり、
ニーラも彼を気にするのだが、やはり兄がリーダーなのでそちらについていく。
クローンの子分格の1匹は、最初の内こそアラダーの行動に否定的だったが
結局同調して彼らに同行。
そこへカルノタウルスが現れ、アラダーらをかばって殺されると言う
「実はいいやつだった」という展開は、ちょっとお約束って感じ。
アラダーらは協力し、敵を岩の下敷きにして倒す。
しかし、洞窟に逃げ込んでしまったため、このままでは行き止まり。
楽園に着くには、敵の待っている洞窟の外へ戻らなくてはならない。
そんな事をしていたら、一行は全滅してしまう。
アラダーは必死に洞窟に体当たりしたりしていると、ついに光が差し込み
向こうへの出口で現れる。そしてその先こそ、楽園だったのだ。
一同は楽園にさほど労せずして到着して大喜び。
しかし振り返ると、そこには断崖絶壁が。
クローンら一行はそこから来るはずで、そんなコースでモタモタしていれば
カルノタウルスとかに追いつかれ、全滅してしまう。
イーマらを残して、アラダーだけが洞窟を戻って、クローンらに警告に行く。
しかし、そんな事で言う事を聞くクローンではない。
他の一同が尻込みする中、自分だけでも断崖を登っていこうとする。
そこへ、カルノタウルスが現れ、尻込みする一同には目もくれず
危険な断崖を登っているクローンへまっしぐら。そのまま対決になる。
アラダーも断崖を登り、協力してカルノタウルスを断崖から落として倒す事に成功。
しかし傷ついたクローンも死ぬ。
一同はアラダーの案内で楽園に到着。そこでの生活を享受する事に。
もちろん、アラダーはニーラと結婚して子供が生まれる。

 と言うわけで、すさまじいCGに最初は圧倒されたものの
それに慣れてしまうと、後は何かどこかで聞いたような物語。
恐竜が主役だと言う点が目新しいだけ。
世界観も異様に狭い範囲だと言うのは、この手の話ではお約束。
育てられた猿と別れるハメになれば、もう少し面白くなった気もするが。
恐竜等をリアルに描いている反面、いろんな恐竜と動物の関係等、
ちょっと科学的設定を無視しているあたりも気になるところ。
恐竜の絶滅が近づいているような、世紀末的状況で
本当にハッピーエンドと言えるのか?
 

ダイナソーinL.A.(2013年米)

ゲイブ 消防士(トリート・ウイリアムズ)
ジェイド ゲイブの娘
フワリスコ会長 (ロニー・コックス)
ドーソン 警察隊長

 消防士ゲイブは、娘ジェイドを連れて企業の発表会に参加。
新技術による再生医療で、会長も不自由だった足が回復。
その副産物として恐竜が甦った事も発表される。
だが、恐竜が強化ガラスを破った為にパニックに。
16頭が逃げ出し、建物の外へ。次々、人々を襲撃。
ロス市街は封鎖され、ゲイブとジェイドは逃げ回る。
さらに電源が落ちた為に、研究所から恐竜の大群が逃げ出す。
責任をとると言う会長はやられ、ビルが崩壊寸前の所をゲイブらはヘリに救われる。
だが、ジェイドが翼竜にさらわれ、ハリウッドサインの方向へ。
ゲイブはヘリで追跡。
パイロットがやられるが、ヘリごと翼竜を落下させて倒す。

 と言う訳で、ロスで恐竜が暴れる話。
怪作を乱発するアサイラムと言う会社の作品。
再生医療の新技術が開発され、なぜかついでに古代の恐竜も復活する。
その理屈はよくわからないけど、
成果として恐竜も公開してみたら暴れ出すと言うコングな話。
主役の消防士は、老けたトリート・ウィリアムズ。
企業のトップが老けたロニー・コックスと言う、老けた布陣。
トリートと娘がはぐれたり合流したりを繰り返し、
騒動の責任者たるコックスは逃げるでもなく、
先頭に立って立ち向かうでもないと言うダラダラした感じ。
チープな出来なのは諦めるとしても、もう少し物語の工夫がほしいっす。

TV放送 2014/09/01 テレビ東京 1325-1525
 

ダイナソー・プロジェクト(2012年英)

ジョナサン 調査隊隊長
ルーク ジョナサンの息子
アマラ 案内役
チャーリー メンバー

 行方不明となった英調査隊が撮影した映像が紹介される。
 アフリカの未確認生物モケーレムベンベを調査するため、
ジョナサンを対象とした調査隊が組織され、息子ルークもついてきてしまう。
ヘリは翼竜のような鳥にぶつかって墜落。テントの周囲にも恐竜のような生物が。
そこには恐竜が生きていて、6500万年経過してさらに進化したらしい。
一行は救助を求めて移動するが、恐竜に襲われ犠牲者が出る。
ジョナサンは崖から落ちて死に、
チャーリーは発見を自分の手柄にしようとするが、恐竜に襲われて死ぬ。
生き延びたルークは衛星電話を修理するためビデオを分解して部品を利用。
その後、ビデオが見つかり、調査隊救助のために録画映像が分析された。

 と言うわけで、時々現れるドキュメンタリーと称するフィクション作品。
アフリカにネッシー同様の未知の生物がいるらしく、調査隊が向かう事に。
彼らの撮影した映像が残っていたと言うアレです。
そこには恐竜が生きていたが、6500万年経って微妙に進化していた。
(つまり恐竜ではない空想の生物がいた)
ここまで語れば、もはや語り残した事なし。

TV放送 2014/03/24 WOWOW 0935-1110
 



ダイ・ハード(88)

 監督 ジョン・マクティアナン

 クリスマス。ニューヨークの警官ジョン・マクレーン(ブルース・ウイルス)は、
妻ホリーに会うため、ロスのナカトミビルを訪れる。
2人は互いに仕事を優先し、夫婦生活はすれ違い気味だ。
ジョンは宿がない場合を考え、運転手のアーガイルに地下駐車場で待機させる。
ホリーはスピーチのために、30階のパーティ会場へ。
高所恐怖症のジョンは、飛行機で教えられた裸足になる方法を実践。
その頃、テロリストがビル内に侵入。
守衛を殺害、エレベーターを停止、シャッターを降ろしてビルを閉鎖。電話線を切断。
さらにパーティ会場を制圧。気づいたジョンは、ひそかに階上へ逃げる。
一味のリーダー、ハンス(アラン・リックマン)は
タカギ社長(ジェームズ繁田)から、
大金の入った金庫のコードを聞き出そうとするが、社長が拒否したため射殺。
しかし、コンピュータのプロ、テオには金庫を開く自信がある。
32階のジョンは、火災報知器を鳴らして消防車を呼ぶ。
だが、気づいたハンスは誤報と連絡。
急行したトニーは、隠れていたジョンと格闘になり、階段から落ちて死亡。
機関銃等を奪ったジョンは、死体をイスに座らせ、エレベーターで30階に送る。
エレベーターの上に隠れていたジョンは、ハンスらの会話から一味の状況を把握。
トニーの兄カール(アレキサンダー・ゴドノフ)は復讐を誓う。

 ジョンは屋上から、トランシーバーで警察へ連絡。
しかし、カールらが急行し、屋上で銃撃戦が展開。
ジョンは機械室へ逃げこみ、通気孔から数階下へ飛び降りる。
警察のパウエル巡査部長が様子を見に来たため、カールらは追跡を中止。
立ち去ろうとするパウエルに、34階のジョンは窓ガラスを割って知らせようとする。
気づいた2人のテロリストが急行。ジョンは彼らを倒し、窓から死体を落下。
事態に気づいたパウエルは、応援を呼ぶ。多くのパトカーがビルを包囲。
TV局のソーンバーグ(ウイリアム・アサートン)も、現場へ急行。
ジョンは大量の起爆剤を入手。さらに、トランシーバーでハンスらを挑発。
SWATが入り口から侵入を試みるが、テロリストたちに撃たれ、負傷。
続いて装甲車が突入を試みるが、3階のテロリストがロケット砲で攻撃。
怒ったジョンは、起爆剤をイスにくくりつけ、エレベーターシャフトから落下。
大爆発が起き、3階にいたテロリストたちは死亡。

 一方、ホリーの同僚エリスは、ハンスと取引し、ジョンを引き渡そうとする。
ハンスは起爆剤を要求。だが、ジョンは渡す事ができず、エリスは射殺される。
ハンスは警察に政治犯の保釈を要求。ヘリ2機を呼び、人質と脱出すると称する。
FBIが急行。ビッグ・ジョンソン(ロバート・ダビー)らが、主導権を握る。
33階でハンスは、ジョンと対面。
ハンスは社員のフリをするが、ジョンはだまされなかった。
そこへカールらが急行。ジョンが機関銃を撃ち、2人を倒す。
カールはガラスを打ち砕き、裸足のジョンは負傷。
ジョンは起爆剤を捨てて逃走。ハンスが取り戻す。
テオは金庫のガードを5つまで解除。あとの1つは、停電がない限り不可能だ。
しかし、FBIは電気を切断し、自家発電で回復するが、その間に金庫が開く。
FBIはヘリで屋上へ向かう。全員射殺する計画だ。

 ジョンはハンスの狙いが気になり、33階へ行く。そこで大量の爆薬を発見。
しかし、カールに捕まり格闘となる。
一方、ソーンバーグの報道により、ホリーがジョンの妻である事に気づくハンス。
彼はホリーを人質にとり、残りの人質を屋上にやる。
地下駐車場では、テオが脱出の準備をするが、アーガイルが倒す。
激しい格闘の末、ジョンはカールの首にチェーンを巻き、倒す。
屋上ヘ出たジョンは、人質たちを避難させようと、機関銃を乱射。
ヘリはジョンをテロリストと誤解して攻撃。
人質たちが降りてきた事に気づいたハンスは、爆弾のスイッチを入れる。
ジョンは消火用のホースを体に巻き、屋上からダイビング。
次の瞬間、屋上は大爆発。ヘリは爆発に巻き込まれる。
ジョンは窓ガラスを撃ち抜き、階下の部屋に入り込む。
彼はホリーのいる30階に向かうが、残る弾は2発しかない。
残るはハンスとテロリスト1人。だが、ホリーを人質にとっている。
ジョンを撃とうとするハンスのスキをつき、ジョンが隠した銃でハンスを撃つ。
続いて、もう1人のテロリストを射殺。
だが、ハンスはホリーの手をつかんだまま、窓から落ちそうになる。
腕をふりほどき、ハンスは落下。
事件は片づき、ジョンはパウエルと対面。しかし、カールがまだ生きていた。
彼はジョンを狙うが、パウエルが事故以来撃てないはずの銃を撃って射殺。
ジョンはホリーへの愛を確認して、現場を去る。

 というわけで、ダイハード(絶対死なない奴)という題名からして、おかしい。
絶対死なない奴が主人公の映画は山ほどあったが、それは暗黙の了解であった。
この映画では、それを前面に押し出している。
事実、この主人公は絶対に死なない。
実現不可能な話には違いないのだが、それほど無茶には見えないからえらい。
主人公はどちらかと言うと、運の悪い方。自分から危機を呼んでしまう場合も多い。
しかし、閉ざされた高層ビルという環境内で、
武器は自分のピストルと、敵から奪ったもののみ。
正義とか、妻を守るとか言う以前に、自分の身自体が危険。
いわばやけくその主人公が、敵も予想外と思うほどの効果を上げてしまうから痛快。
敵はテロリストにしては、ただ金を盗むだけと言うのは拍子抜けだが、
残忍さではテロリストの原則を守っている。
誰もがやった事のあるようなビル内での戦争ごっこを
高層ビルで、しかも大迫力で実際にやるのだからたまらない。
ビルが2度にわたって大爆発するのもたまらん。カメラワークも完璧。
2度目のちょっと引いて「ボン!」と音を立てるあたりなどは最高。
ヘリのシーンも「ブルーサンダー」以上。
ベトナム戦争を思い出すFBIのキャラもいいし、
戦闘の芸術家という感のある、アレキサンダー・ゴドノフもいいぞ。
ウイリアム・アサートンは余計な気もするが、
大規模な事件になれば、ニュースシーンがあるのは必然。
というわけで、ほぼ完璧に近いこの映画だが、冒頭はやや退屈。
ラストのカールが生きていて銃を奪うシーンは、「リーサル・ウェポン」と同じ展開。
しかも、そこでバカに盛り上げて流れる曲は、(作曲はマイケル・ケイメンだが)
ジェームズ・ホーナーの「エイリアン2」の曲を拝借。
しかも、撃てないはずの銃を撃つというくだりは、ややつきなみ。
詰めが甘いという感を残すが、
大爆発の後にさらに2度も見せ場があるのだから、割引いてもいいか。
でも、この主人公って、30〜35階をウロウロしていただけなんだよね。

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ついにダイハード2(90)を見た。

 前作は高所恐怖症の刑事ジョン・マックレーン(ブルース・ウィルス)が
妻ホリーの会社で偶然ビルを占拠するテロリストに遭遇。
したがって舞台はビルの中だけという限られた場所。
おまけに武器は敵から奪ったものだけ。そんな状況下に偶然陥ったマックレーンは
妻と自分の命を守ることと、事件がどういう状況にあるかを知ることという
2つの目的のために(あとちょっとの正義感のために)
警官という戦闘員としてはセミプロの彼が、予想以上の活躍をしてしまう。
ビルが吹っ飛んでも「なぜか死なない」彼は、しかし我々一般の人間程度の正義感と、
我々一般の人間よりやや上回るだけの体力知力にも関わらず
必要以上に事件に関わってしまい、それを「あれならできるかもしれない」という
方法でなぜか生き延びていってしまう「ダイハード」マンなのだ。
というわけで、そんな彼がプロのはずのテロリストたちを困らせただけでなく
やがてはものすごい方法で倒してしまう。これは痛快だ。
しかし、アクション映画としてはこれ以上はないほどのこの映画だが
アクション映画が好きな私は、なぜか自己のベスト10に前作を入れていない。
アクション映画としては「ダイハード」よりも落ちる「48時間」が
ベスト10に入っているのにだ。これはいったいどういうことだろうか?

 前作から1年後のクリスマス。場所は猛吹雪のワシントンのダラス空港。
猛吹雪の空港は「大空港」を思わせる。
マックレーンはロスから来る妻を迎えにきていたが、
駐車違反で車が持っていかれてしまう。
おれも警官だからと話しかけるがとりあってもらえない。
妻ホリーからポケットベルで呼び出されたマックレーンは機内の電話でホリーと会話。
到着は30分ほど遅れるらしい。
そのホリーの乗った機内には前作に出たTVディレクター(ウイリアム・アサートン)
が偶然乗り合わせていた。
前作で不用意に家族を危険にさらされたことでホリーはこの男に頭にきている。
しかし、席が近くになってしまい、2人とも不機嫌だ。
一方、逮捕された中南米の麻薬王エスペランザ将軍(フランク・ネロ)が
この日、護送されてこの空港でアメリカの警察に引き渡されることになっている。
その引き渡しを報道しようとTV局もかけつけているが
たぶん前作にも出ていた気がする女性キャスターは
スチュアート大佐という軍人やナカトミビルのヒーロー、マックレーンなどが
ウロウロしていることに気づく。
その実、スチュアート大佐以下の面々がエスペランザ奪還のために動いていた。
マックレーンは不審な動きの2人組に気づき、警官に警告するが
駐車違反を取り締まっていた警官なので話にならない。
2人を尾行するマックレーンは手荷物をコンベアで移送する部屋に入る。
そこで彼らに話しかけた途端、撃ち返され、銃撃戦になる。
1人はコンベアにはさまれて死亡するが、もう1人は逃げてしまう。
空港警察のロレンゾは2人を手荷物泥棒と決めつけ、
過剰な対応をしたマックレーンをやっかいに思う。

 一方、空港から離れたところにある古い教会が
スチュアートの一味によって奪われた。
彼らは配線を切ったりしてここにもう1つの管制塔を作っているのだ。
マックレーンはうまく死体の指紋をとり、
FAXで前作の相棒であるパウエルにこれを送る。
その結果、手荷物室で戦った相手は警察のコンピュータでは死んだことになっていた。
つまり、プロの傭兵だったのだ。
マックレーンは管制塔に忍び込んで、管制塔のチーフに事態を説明する。
空港警察のロレンゾはマックレーンの話を否定するが
その時、空港の管制能力は止められてしまった。
教会に作られたもう1つの管制塔が管制能力を奪ったのだ。
スチュアート大佐は空港の掌握を通告。ヘタなことをすれば報復するという。
空港に向かっている旅客機はできるだけ他の空港に回し
着陸体制のものだけを待機させた。ホリーの機も待機させられた。
しかし、燃料の余裕などは2時間ほどしかない。
空港のロビーでは定刻通りに到着するはずの各機が一斉に到着が遅れていると
表示されたので空港の中は騒然。
そしてこれ以降、旅客機との連絡はできなくなってしまった。
黒人の管制官は建設中の管制塔ならば連絡が可能だと言って
SWATチームとともにそちらへ向かう。
再び管制塔を追い出されたマックレーンは空港に住んでいる変な男と知り合い
近道を聞く。SWATチームの行く手にはスチュアート大佐の一味が待ち受けていて
チームは全滅。管制官も危機一髪だったが、
かけつけたマックレーンが敵を全滅させる。
しかし、ここのアンテナは爆破されてしまい、
事実上、スチュアートら以外に旅客機との連絡は不可能となった。
SWATチームを待ち伏せた連中が全滅したと知ったスチュアートは
報復として待機中の一機にニセの情報を流す。
高度を1000フィート低く報告したのだ。
意図を知ったマックレーンは猛吹雪の滑走路へ駆け出し、
火をつけた棒で知らせようとするが間に合わず、機は滑走路に激突。
乗員乗客は全員死亡だ。

 乗客達を助けられなかったマックレーンはショックを受ける。
一方、管制塔のチーフは軍隊の導入を要請。
スチュアートの元上官というグラントの隊がかけつける。
黒人の管制官はビーコンという通常会話には使わない電波で
機との連絡ができることに気づく。
しかし、ホリーの機ではなかなか着陸できないでいる機が大量にいることに気づいた
TVディレクターが持ち込んだ受信機で事態を把握する。
着陸体制に入ったエスペランザ将軍の機では
機を奪った将軍が自分で操縦して着陸体制に入っていた。
しかし、機を奪った際に機体に穴が開いてしまったため、
スチュアート達が待機する滑走路までは行けそうもない。
マックレーンは空港に住み込んでいる例の男から、
将軍が着陸するだろう滑走路への近道を聞き出す。
着陸して一息つく将軍をつかまえて、彼を人質にホリーの機を着陸させようとするが
かけつけたスチュアートたちの攻撃を受け
将軍には逃げられ、操縦室に逃げ込んだ。
スチュアートたちは機銃で攻撃し、一斉に手榴弾を投げ込んだ。
あわてたマックレーンは操縦席について、脱出レバーを引いた。
爆発する機。飛び出すマックレーン。
そこへグラントたちがかけつけたため、将軍とスチュアートたちは教会へ逃げる。

 マックレーンと黒人の管制官は独自に敵の基地をさぐる。
何年か前に滑走路が延長した際に、配線や何かを埋めたので
少し離れたところのどこかの建物なら管制能力を奪うことが可能だ。
こうして敵の教会を見つけたマックレーンは
かけつけたグラントに機関銃を借りて攻撃するが、逃げられてしまう。
スチュアートたちは教会に爆弾をしかけたので依然として管制能力は取り戻せない。
スノーモビルで逃げる将軍たちを奪ったスノーモビルで追うマックレーン。
しかし、スチュアートの待ち伏せを受けスノーモビルは大破。
しかも、当たっていたはずの弾がまったく効果ないのだ。
それもそのはず、グラントは実はスチュアートの一味で
実際にはスチュアートの方が上官だったのだ。
マックレーンは空砲の機関銃を渡されたのだ。
将軍たちは用意された輸送機に乗り込み、グラントたちと合流する。

 一方、ホリーの機では電話で局と連絡したディレクターがトイレに閉じ込もって
事態を実況報告。これは空港はもちろん、ホリーの機でも放送されたため
空港も機内も大パニック。
空港警官のロレンゾの所へかけつけたマックレーンは事態を説明。
輸送機を追うが、パトカーはパニックのため立ち往生。
女性キャスターを見つけたマックレーンは局のヘリで輸送機を追う。
輸送機に追いついたヘリを機の前に出して邪魔しようと提案するマックレーンだが
大きさが違うから、そんなことではほとんど効果がない。
やむを得ず、主翼に飛び降りるマックレーン。
補助翼にコートをはさんだために、輸送機は飛び立てない。
そこでドアをあけてグラントとスチュアートが現れる。
マックレーンはグラントを倒してプロペラでミンチにしてしまうが
スチュアートに主翼から振り落とされる。
しかし、その際、マックレーンは燃料タンクのフタをはずしていた。
コートをはずして機内に戻るスチュアート。離陸する輸送機。
ここでマックレーンは前作の名文句、何たらマザーファッカーをつぶやいて
ライターで雪の上にできたガソリンのみぞに火をつける。
炎の帯が輸送機を追跡。揮発油の名のもとにすでに離陸している
輸送機を空中まで追跡して大爆発。
これで照明ができた各機は次々と着陸。
マックレーンはホリーと再会。ロレンゾは駐車違反を許してくれるのだった。

 というわけで、派手さでは前作に負けないこの作品。
前作よりも絶対面白いという評判で評論家の評価も高かったのだが
私の感想としては、前作ほどは面白くなかったというのが実態だ。
何しろ前作ではビルの中という限られた状況だったが
今度は空港という出入りしようとすればいくらでもできる環境で
しかも、武器も味方も豊富にある。
ホリーが上空の機にいるというだけで、わざわざあんなにしてまで
事件に関わることはあるまいと思ってしまうわけだ。
そもそも、最初からして「不審な奴に気づく」というプロを感じさせるもの。
マックレーンはセミプロだったから面白かったはず。
プロになってもらっては困るのだ。
それに激しい爆発シーンもあって、機内に火が届く描写もあってショッキングだが
それは上空で待機していた旅客機で、機内にはそれまで見たこともない人ばかり。
外部の人もほとんどそれに気づかないわけで
南米で旅客機が落ちて大勢死んだとニュースで聞いた程度の
インパクトしか与えていない。
マックレーンもダイハードマンというには大したことをやっていない気がするし
そもそも、スチュアートたち自体が空港を占拠したところまではあざやかだったが
それ以降は大した作戦も持っていない。
SWATやグラントたちもえらそうなことを言って何か攻撃をしかけたことはない。
というわけで、エアポートシリーズになぜか変な調子で
マックレーンという男が主人公として目立ってしまったという感じなのだ。
マックレーンがいなくて、管制塔のチーフがジョージ・ケネディで
エアポートシリーズだったら面白かったかも知れないが
ダイハードシリーズではあんなことでは承知してもらえない。
どうしてみんなに受けたのか私にはいまいちわからない。

 というわけで、リーサルウェポン2もダイハード2も満足できなかった私が
再び熱狂ハードアクションに出会えるのだろうか?
 



 怒濤の「ダイ・ハード3」(95)を見た。

 「ダイ・ハード」と言えば、近年の派手なアクション映画の中でも傑出した作品で
高層ビルと言う、危険な個所がいっぱいある上、閉ざされた空間で戦う事自体が
非常に面白い設定だったのだが、
主役のブルース・ウイリス扮するジョン・マクレーン刑事は
刑事ではあるものの、殺しのプロとか言うわけではなく、
それが、殺しのプロたるテロリスト集団に対し、
たまたま現場に居合わせてしまったため、使命感と言うよりは、
仕方なく戦うと言う展開で、
それに再三登場する、ギョッ!とする大爆発シーンも相まって、
非常なカタルシスを味あわせる作品となったわけだ。
その後も、○○版ダイ・ハードとか言う作品が山ほど現れたが、
ちょっと派手な見せ場があるだけとか、たまたま主役が居合わせたとか
「ダイ・ハード」の魅力の一部だけ共通したに過ぎなかった。
対抗しうるのは、「リーサル・ウェポン」シリーズだが、
命知らずの刑事と言う魅力が、作品を重ねるにつれ薄れていく。
そして、「ダイ・ハード」自体の続編も現れたが
場所が空港と言う、比較的開かれた場所で、
妻が危険だからと言う理由はあるものの、使命感から犯罪者に立ち向かうわけで
最大の危機に陥る飛行機には、乗っていないと言う中途半端さだった。
そうは言っても、見せ場の派手さだけは前作以上で、
他の類似作品よりはマシと言う意味で評価できた。
主役のブルース・ウイリスは、ダイ・ハードで大スターとなったものの
それ以外の作品ではいまいちパッとせず、3作目が待望されたわけで、
高層ビル・空の次は、誰でもわかる海だと噂され、
実際それで脚本が書かれたのだが、大ヒットの「沈黙の戦艦」に類似したため
あわてて舞台をニューヨーク市全体に変えたと言われる。
監督のジョン・マクティアナンも、ダイ・ハードで天才監督みたいに言われ
その後も「レッド・オクトーバーを追え!」等でなかなかの才能を見せたが
シュワちゃんと組んだ「ラスト・アクション・ヒーロー」が失敗で
2人とも、この3作目に再起をかけたと言えるかもしれない。
前2作と異なり、この作品には妻ホリー役のボニー・ベデリアや
黒人警官の友人レジナルド・ベルジョンソンとか言う奴とか
嫌みなレポーター役のウイリアム・アサートンと言う連中は出てこない。
これをもって、シリーズと言い難いのではと言う話もありそうだが
シリーズものでは、そういったレギュラー陣の近況を説明するのに
時間をとられ、中身が薄くなる事が少なくないので、
逆にばっさり切ってしまったこの決断には、感心させられるものがある。
(出演交渉がうまくいかなかっただけだったりして)
代わりに、新たな相棒として、「ジュラシック・パーク」「パルプ・フィクション」の
サミュエル・L・ジャクソン。相棒が黒人と言うのは、半ばお約束だ。
「パルプ・フィクション」にはブルース・ウイリスも出ていたが、
2人の接触はなかった。
そして悪役には、アカデミー賞俳優のジェレミー・アイアンズ。
実はこの彼が演ずるのは、
1作目のアラン・リックマンのハンス・グルーバーの兄と言う設定で、
マクレーン刑事に対する復讐の意味でもあるのだ。
ジョン・マクティアナン監督としては、自分が関与しなかった2作目を
無視した形になっているのかも知れない。
撮影から「スピード」の監督に出世したヤン・デボンはいないが、
音楽のマイケル・ケイメンは健在だし
これこそダイ・ハードと、評判もいいようだから、見ないわけにはいくまい。
それにしても初日の朝1番8:30なのに、有楽町は超満員だ。

 冒頭はニューヨーク市街。静かな朝に、突然デパートが爆破される。
このシーンが、CM等で我々をギョッ!とさせる超派手なシーンで
爆破されるや否や、カメラがロング映像となり、セットや何かでないと主張。
周囲の車が吹っ飛び、人々が逃げまどう襲撃映像だが、
何もこんな派手な映像を、物語の展開もつかめない冒頭で使う事はないのでは。
ニューヨーク警察はこの事件を緊急捜査。
課長コップ、刑事ランバート(「ダンス・ウイズ・ウルブス」のグラハム・グリーン)
リッキー、女刑事のコニー(コリーン・キャンプ)らが担当。
デパートに恨みを抱くのは誰か。バーゲンに行けない女性客などと言っていると、
犯人から電話が。サイモン(ジェレミー・アイアンズ)と名乗る犯人は、
警察とゲームがしたいと言う。逆らえば、また公共の場所を爆破すると言う。
サイモンの要求は、ジョン・マクレーン刑事(ブルース・ウイリス)に
ある事をさせる事だと言う。
コップ課長らはあわててマクレーンを探す。
マクレーンは夫人ホリーとケンカ別居中で、酒びたりの生活。停職処分に。
この日も二日酔いで、本来ならば仕事をできる状態ではない。
アスピリンを飲まされ、あちらでも人気らしいナンバーズみたいなクジの話題に。
何番だったと聞くと、一同そろって答えるあたりは、なかなか笑える。
リッキーはいつも「6991」を買っていると言う。彼の警察バッチの番号なのだ。
マクレーンを恨む者など、掃いて捨てるほどいて見当がつかない。
他にも、トラック数十台が盗まれる事件などが発生して、警察はてんてこ舞いだ。
スラム街の電気屋のゼウス(サミュエル・L・ジャクソン)は
甥たちがどこかからラジカセを持ち込み買ってくれと言うので怒る。
悪友にだまされ、盗品をさばかせられているに違いないからだ。
ゼウスは学校へ行けと言う。甥たちはいつも言わされているらしく、
学校へ行くのはえらくなるため。えらいのは俺たち。悪いのは白人等と言う。
だが彼らが外へ出ると、その白人がいた。
マクレーンがパンツ1つになって、「私は黒人が嫌いだ」と言う看板を下げ
スラム街に立たされていた。しかも、パトカーは近づけない指令なのだ。
ゼウスは、甥たちに「警察に殺されそうな人がいると連絡しろ」と言って彼へ接近。
近くには柄の悪そうな連中がいて、今にも存在が見つかりそうだ。
ゼウスはあなたは、非常に危険な事をしていると指摘。
マクレーンもそんな事は百も承知だ。
早く帰れと勧めるが、マクレーンもそれはできない。警官だと説明するだけ。
ゴタゴタしていると、柄の悪い連中が彼に気づき、近づいてきた。
マクレーンは気のふれたフリをするが、効果はなく、ゼウスの制止も聞かず
連中はマクレーンを殴ったりし始める。
看板をはずすと、背中に拳銃がテープで貼ってあったため、
ゼウスはそれを取って、連中を制止。通りかかったタクシーに飛び乗る。
誤解した運転手は金を出すが、彼らの要求は警察署へ行く事だった。

 マクレーンとゼウスは警察署へ。
犯人は自己顕示欲の強い奴なので、サイモンと言うのは本名に違いないと推理。
マクレーンに関係するサイモンは、2名ほどいるが、
逮捕されてたり、ザコだったりで、あんな爆弾魔には思えない。
公園で爆弾の入ったケースが発見。
爆弾に詳しい男によれば、これは2つの液体でできていて、
時限装置やリモコン等で液体を混合させると、強力な爆弾になるのだ。
デモ用に数滴を混合するが、それでもイスを吹き飛ばすほどの威力だ。
それが1000sも盗難されている。非常に危険な状態だ。
そうこうしていると、サイモンから再び電話がかかる。
マクレーンと、彼を助けた気にくわない黒人野郎を2人で組ませて、
地下鉄の公衆電話まで走って来いと言う。
ゼウスは協力を拒否。マクレーンを助けたじゃないかと言うが、
スラム街で白人が死ねば、大量の警官が血眼になってくる。
それがいやだっただけと言う。
しかしマクレーンが、犯人は無差別に殺す奴だ、黒人も危ないと言うので、
渋々協力する事に。15分かけて、公衆電話まで走る事に。
もちろん、ちょっと離れて警官仲間が見張っている。
ここらあたりは、「ダーティハリー」1作目を思わせる。
太った婦人が電話に出ているので、強引にどかす。
すかさず電話がかかり、「太った女のせいで遅れたか?」等と言うので
近くで見張っているらしいと感づく。
サイモンはナゾナゾを出す。1人の男が公園へ行った。
途中で7匹の犬と7匹の何とかと7匹の何とかと7匹の何とかに出会った。
公園へ行ったのは何人か。それに555を足して、1分以内に電話しろと言う。
あまりの早口に、2人は大慌て。暗算に強いゼウスは
7×7×7×7=2401で、555−2401だと言う。
よくわからないまま、マクレーンがかけようとするが、あわててゼウスが止める。
それはひっかけで、公園に行ったのは1人。555−0001にかけろと言う。
いちかばちかかけてみると、これが正解。
マクレーンはもっと難しい問題を出せと強がりを言う。
今度の課題は、どこやらの地下鉄の駅の公衆電話へ、30分で来いと言う。
さもなければ、何分発やらの地下鉄車輌を爆破する。
乗客を降ろそうとしたら爆破する。間違っても、警察の車など使うなと命令。
2人はあわてて走り出す。
土地勘がないのでわかりにくいが、渋滞やら何やらで、行くのは不可能に近い。
タクシーを強引に奪い、強引な運転。反対車線を走ったり、歩道を走ったりした上、
あげくの果てには、セントラルパークの公園内を走り抜ける。
ジョギング等をする連中が、突然の乱入者に大あわてするが、
ちょっと長い見せ場に、ちとだれる感も。公園を抜けると、今度は大渋滞に。
救急車を誤情報で呼び出し、それに先導させて時間稼ぎ。
だがそれにも限度があり、マクレーンは間に合いそうもないと断念。
途中で降りて、タクシーをゼウスに任せる。分業でゼウスに電話に出させる考えだ。
マクレーンは地下鉄に乗ろうとするが、間に合わず発車。
しかたなく、通風孔をあけて、マクレーンは走る地下鉄車輌の屋根の上へ飛び降りる。
窓をけ破り車内へ。マクレーンは何も説明せず、車内の不審物を探し回る。
一方ゼウスは地下鉄駅へ。切符も買わずに改札を通り抜け、警官が追ってくる。
公衆電話には男がいるので、ゼウスは脅して強引に電話を奪う。
かけつけた警官が銃を向ける。ゼウスは事情を説明できない。しかも電話が鳴る。
警官は若造らしく震えているので、撃てないと考え、ゼウスは電話を取る。
しかし、サイモンはゼウス1人しかいない事を怒り、爆破すると言う。
マクレーンは壁に取りつけられた妙な箱が爆弾と気づき、
客を避難させ、爆弾を最後車輌の窓から捨てるが、その直後に爆弾が爆発。
列車はホームに入ろうとした矢先に爆発が起こり、車輌はレールから離れて横滑り。
地上へも爆風が吹き上げ、ものすごい勢いで車輌がゼウスらの方へ向かう。
ゼウスはあわてて、呆然としている警官を連れて逃げる。車輌は横転ドンとすごい音。
しかし、CMで使われる2つの見せ場が、前半で使い切られたのがちょっと気になる。

 幸い、マクレーンらの働きで多少の負傷者が出ただけですんだ。
彼はサイモンがあれほど離れた2カ所を監視していた事を、不審に思う。
ひょっとすると、最初から爆破するつもりだったのではないか。
CIAとFBIは、マクレーンらに驚くべき事実を告げる。
サイモンの正体はサイモン・ピーター・クリーク。
東欧の元工作員で、かつてマクレーンに殺された、ハンス・グルーバーの兄だった。
再度サイモンから連絡が。CIAやFBIの担当者を言い当てた事からも
彼の情報力がわかる。
市内の1446ある小学校の中のどれかに、1000sの爆弾を仕掛けたと言う。
だが学校に知らせる事は許さず、避難させてもいけないと言う。
まずマクレーンらをどこやらの公園へ行かせる。
一方、警察は無数にある小学校をしらみつぶしに探す事に。
警察無線の使用は禁止されたため、消防用の無線を借用し、無線は大混乱。
マスコミは、地下鉄事件の調査もせずに、警察が撤退するので不審に思う。
実は、サイモンはこの付近に残っていた。
しかも全然わからなかったが、ウォール街だったのだ。
彼らは盗んだトラックを利用して、さっそく修復工事の見積もりをすると言う。
現場に残った刑事リッキーは、あまりに早い手配に驚くが、市の依頼と言われ納得。
だがリッキーは射殺され、穴だらけの道路から、地下へトラックが進入。
地下鉄事故で鳴っていた警報は切られており、警官も不在。
まんまと一味は連邦準備銀行へ。警備員を次々殺害。
大型ドリルで壁に穴をあけ、大量の金塊を貯蔵した金庫に侵入。
米国の金塊と言えば、「007/ゴールドフィンガー」でも登場した
フォート・ノックス砦が思い出されるが、ここの方が量が多いと言う。
だとすれば、あの映画の計算通り、数時間で持ち出すのは不可能なのだが。
ここらへんから映画の雰囲気が様変わり。
「博士の異常な愛情」等で使われた、「ジョニーの凱旋」と言う軍歌が流れる。
一方、こんな一大事にも関わらず、マクレーンらはそんな事は知らず公園へ。
噴水にケースがあるので開けてみると、時限装置が作動。
近くに5ガロンと3ガロンのポリ容器があるので、
ぴったり4ガロンの水を入れて、ケースのはかりの上に載せろと言う。
もちろん時間以内にだ。マクレーンらはあわてて口論。
 @3ガロンを5ガロンの容器へ入れる。
 Aさらに3ガロンを5ガロンの容器へ入れると、
  3ガロンの容器に1ガロン残る。
 B5ガロンを開け、1ガロンを3ガロンの容器に移す。
 C3ガロンを5ガロンの容器に入れると、合計4ガロン。
と言うパズルを、ほとんど説明もなく、短時間に成功。爆弾を解除。
今度はヤンキースタジアムに行けと言う。その間に、どの学校かのヒントを与える。
ヒントは「42の中の21」。21は42の半分だとか言うが、答えはわからない。

 マクレーンらは走ってヤンキースタジアムへ向かうが、
途中、万引きをする少年たちを捕らえる。
だって警官がいないから、盗みたい放題だと言われ、ピンと来るマクレーン。
彼らの自転車を、盗みたい放題だと称して奪い、引き返す。
マクレーンらは連邦準備銀行へ。ゼウスに爆弾は警官に渡せと言う。
実はそこにいる警官はニセ警官なのだが、殺すなと指示を受ける。
ゼウスから爆弾を受け取ると、1人が放置しようとするが、
子供が拾ったらどうすると持ち帰る。多数の子供を殺そうとしているのにだ。
一方、マクレーンは銀行へ。ニセ警官や係員が問題ないと地下金庫へ案内。
地下へ行くまでに殺されるのは必至だ。
だがマクレーンはニセ警官のバッチが、リッキーの「6991」だと気づき
銃を奪って一同を射殺。金庫はもぬけの殻。
道路から平気で入ってきたゼウスと合流できるほどだ。
マクレーンは盗まれたトラックが犯行に使われたと気づき、トラック群を探す事に。
ゼウスは金塊1本を持ち出し、ポンコツ車を奪って急行。
どうやら一味はダムの下の、工事中のトンネルへ向かっているらしい。
部長に電話するため、高級車を止めて携帯電話と車を奪う。
ゼウスが、奴も怒ってるだろうと言うが、マクレーンは金塊を見れば満足だと言う。
金塊はうっかり忘れてしまったのだ。
ヒラリー大統領夫人みたいな女性に抜かれ、現大統領が42代目だと気づく。
しかし、21代目大統領が誰なのかは、2人ともわからない。
工事現場へ到着。普通の作業員が、不審なトラック群が通っていったと言う。
マクレーンは、ゼウスにヤンキースタジアムへ向かわせ、
(ここまで寄り道しといて、急に向かえもないもんだと言う気がするが)
自分は作業員とトラックに乗ってトンネルに入る。
サイモンらのトラック群は、トンネルを走り抜けるが、
途中で溝の上に置かれた鉄板がはずれ、彼らには運良く追っ手を妨げる形に。
作業員は、21代目大統領はアーサーだと言う。
マクレーンは作業員に、部長にアーサー小学校が危ないと伝えろと頼み、
自分はさらにトラックで向かう。
トンネルを抜けたサイモン一味は、マクレーンが追ってくると知り、
水門に爆弾を仕掛ける。

 一方ゼウスは、ヤンキースタジアムへ。
そこには刺客がいて、2人を処分する計画だったのだが、
ゼウス1人しかいないと知り、射殺を中止。彼を尾行する事に。
ゼウスは座席に残された野球ゲームの裏に「ゲームオーバー」と言う文字を見つけ、
罠にかけられた事に気づく。(ようやく)
部長はサイモン一味の狙いが実は金塊で、
アーサー小学校が目標と知り、警察はそこへ急行。
マクレーンは溝が渡れず苦労するが、
前方から水が迫ると気づき、あわててトラックへ乗り込みバック。
途中でスピンターンして逃げるが、逃げ切れるものではない。
周囲が水にまみれ、もはや運転する必要もなくなると、
屋根の上に上がり、天井から地上へ抜ける通気孔のハシゴに飛び移る。
ものすごい勢いで水が吹き上げ、マクレーンは地上へ引き上げられる。
噴水状になって地上へ落下。すげえ運がいい事にそこをゼウスが通りかかる。
何やってんだと言う感じのゼウス。スタジアムは罠だ。尾行はされていないと言うが
やっぱり尾行されてて、2人が合流すると、いきなり銃撃を受ける。
あわててマクレーンは車に飛び乗り、銃撃してくる追っ手と撃ち合いに。
激しいカーチェイスの末、追っ手の車を転倒させ、乗ってる奴は死に、
それでサイモン一味が向かうに違いない船着き場へ向かう。
ゼウスは一味の狙いがアーサー小学校と知り、サイモンに敵意を抱くように。
彼の甥たちがアーサー小学校に通っているのだ。
マクレーンがまだ無事で、彼らの陰謀が発覚したと知り、
マスコミに小学校に爆弾が仕掛けられたとの情報を流し、
小学生の子供を持つ大人たちが大騒ぎ。市内は大混乱となる。
そのころアーサー小学校では、警察が周囲を封鎖。生徒を集会場に集め、校内を捜索。
今朝運び込まれたと言うクーラーみたいな装置の中に、
大型の2種類の液体を発見。これはまさしく爆弾だ。
生徒たちを避難させようと言う話も出るが、またどこかで監視しているかも知れない。
避難はギリギリまで待ち、解体に全力を入れる事に。
とりあえず、避難訓練と称して、生徒たちを出口の近くに待機させる。
しかし、ゼウスの甥たちは、警官がウロウロしているのに気づき、
ラジカセを盗んだ事がばれたのかと校内にこっそり隠れる。
もはやこれまでと、生徒たちはいっせいに校舎の外へ走り出る。
甥たちはびっくり。あわてて逃げようとするが、カギがかけられて逃げられない。
気づいた部長たちが、あわてて助けに戻る。
一方、1人が爆弾を解体。彼が決断してコードを切ると、液体が外へあふれ出す。
それは液体爆薬ではなく、ただのシロップだった。

 マクレーンらは、サイモン一味のトラックが、すでに古タンカーに乗せられ
港を出ている事に気づく。タンカーはマクレーンらのいる橋の下を通過する。
怒りに燃えたゼウスは、飛び降りると言い出すが、
さすがにその高さから飛び降りれば、命はない。
彼らはオフロード車のワイヤーを、下を通過するタンカーの上のクレーンにひっかけ
ワイヤーを伝って移ろうとするが、下の見張りに感づかれる。上へ向けて撃ってくる。
オフロード車は引っ張られ、橋を破って下の河(海?)へ落下。
ワイヤーはたわみ、2人はタンカーの上へ落下。
見張りはワイヤーで体をまっぷたつに切られる。
苦しみながらゼウスは、おまえに鍛えられて、死ななくなったぜと言う。
2人は銃を持って船内へ。ゼウスは銃など撃った事がないが、マクレーンが説明する。
マクレーンはトラックを積んだ倉庫で、見張りと格闘に。
ゼウスは操縦室に上がり、サイモンらに銃を向けるが、
マクレーンも安全装置については教えなかったらしく、弾が出ない。
奪われた銃で足を撃たれ負傷。捕らわれる事に。
マクレーンも後を追うが、ゼウスが人質に取られ、結局捕らわれる事に。
そして、小学校にあるものとばかり思っていた1000sの爆弾が、
実はこのタンカーにある事を知る。サイモンは2人を爆弾に縛りつけ、立ち去る事に。
マクレーンは二日酔いだと、サイモンにアスピリンを要求。彼はそれを与える。
ゼウスは、これで我々も死ぬが、サイモンも金塊を失うと言うが、
マクレーンはそれを否定。
トラックに積まれたのは鉄屑で、爆破で海に沈んだと思わせたいのだ。
2人は互いの妻の話をする。マクレーンはちょっとしたケンカから、
1年も妻ホリーと話していないと言うと、ゼウスはそれはバカだと言う。
ゼウスはカギはずしの才能があるため、マクレーンの肩に突き刺さった
ワイヤーの破片を引き抜いて、それでマクレーンの手錠のカギをはずす。
しかし、破片を落としてしまい、ゼウス自身のカギがはずせない。
マクレーンが爆弾の上から降りて、破片を探すが、これがきっかけで時限装置が作動。
大あわてで2人は逃げ出し、いつのまにかゼウスの手錠もはずれる始末。
爆発寸前に海に飛び込むあたりは、1作目の屋上爆破と同じだが、
すぐにカメラがロングに変わり、海岸の人々がびっくりしてみる光景になって、
いかにも特撮然としてしている。

 ゼウスが足を負傷していて、泳ぐのに大変なはずとか言う心配をよそに、
2人は救出される。
サイモン一味はどこかへ姿を消し、負傷したゼウスはヘリで病院へ行く事に。
彼はマクレーンにホリーに電話しろと忠告。
しかたなくマクレーンは電話するが、途中でサイモンにもらった薬の瓶に気づく。
その底には、「カナダとの国境」と書かれていた。そこに隠れ家があるのだ。
マクレーンは必然性もないのに、わざわざヘリを止めてゼウスと共に急行。
隠れ家で、サイモンらは大量の金塊を入手して、革命が成功するとか言って喜ぶ。
死んだ仲間のために追悼しようと言われ、ちょっと白けるが、
(サイモンは金の事しか関心がないらしい)
仲間を怒らせるのも何なので、つきあう事に。
映画では説明不足でよくわからないが、パンフを参考にするならば、
サイモンは仲間のテロリスト、タルゴの妻カティヤと不倫の仲。
カティヤは喉を負傷して、口がきけないらしいが、そんな事はちっともわからない。
2人がこっそりHしようとしていると、マクレーンらの乗ったヘリが現れる。
小屋は包囲される。サイモンは仲間を逃がし、マクレーンと最後の決着をつける事に。
ここまで弟の復讐などは、事件を隠すための口実と言う感のあったサイモンだが、
最後の最後だけは一応戦うらしい。サイモンらが乗ったヘリと撃ち合いに。
マクレーンは高圧電線を撃ち抜き、切れた電線がサイモンのヘリに接触。
あっけなくヘリは爆発。締めに「イッピカ・イエー、マザーファッカー」のセリフ。
マクレーンとゼウスは2人で喜ぶが、
マクレーンはホリーに電話をかけたままだと言う事を思い出した。

 と言うわけで、シリーズ第3弾は、前2作とはずいぶん趣が変わった。
1匹狼のマクレーンに相棒ができ、ありがちなコンビものに。
(毎回黒人の相棒らしき奴は出てくるが、一緒に行動するのは初めて)
舞台もニューヨーク市全体と言う広さで、閉鎖性と言うのにも乏しい。
派手な見せ場が自慢のシリーズで、確かにタンカーなども出てくるので
金はかかっていると言うのはわかるのだが、海上の出来事なので
見せ場としては迫力に欠ける。
冒頭のデパート爆破と、地下鉄爆破はすごい迫力なのだが、
前半のまだまだ盛り上がらないうちにすんでしまい、
その後は迫力に欠ける地下トンネルからの水吹き上げ、特撮ぽいタンカー爆発、
もう死んだの?と思わせる悪役のヘリ爆発と
本来盛り上げるべきの後半の見せ場が、いまいちになっている。
黒人の相棒と、犯人の要求で振り回されると言う前半は、
シリーズ前作までの趣とは違うが、これはこれでけっこう面白いものだった。
このまま最後まで引っ張れば、すごい映画になったかも知れないのだが
あまりにもひねりがないと思ったのか、
実はこれは別の犯行を隠すための囮だったと言う展開を見せ、
爆弾事件と金塊強奪に、事件が2つに分裂してしまった。
金塊強奪が本来の目的だったとわかったにも関わらず、
相変わらず、爆弾の方も解決しなければと言う展開には、ムダを感じる。
2作目が、1作目にあったエッセンスを失ったものの
見せ場の派手さだけは前作以上と言うパワフルさを持っていたのに対し
今回は見せ場もエッセンスも失ってしまった。
マスコミにわざと情報を流して、ニューヨーク市全体を混乱させると言うあたりは
街全体を乗っ取ったと言う感じで面白いのだが、
チラリと出るだけで、その後に続くわけではない。
こうしてあらすじを振り返ってみると、脚本的にはだれないようになっているが
見た目の印象と言うのも重要だ。やや期待はずれと言う印象は否めない。
 



 久々の新作「ダイ・ハード4.0」(2007年)を見た。

 ダイハードと言うと、今から10年以上前が第1作。
テロ一味が高層ビルを制圧し、たまたま居合わせたジョン・マクレーン刑事が
なぜか死なない不死身ぶりで、結果的にド派手な活躍を見せてヒット。
2作目は舞台を空港に移し、さらにスケールアップと言うわけだが
「なぜか死なない」と言う面白みは薄れる。
2作目が1作目の延長線上だったのに対し、ひねり技で来たのが3作目。
NYの各地でテロを起こす一味との対決で、1、2作目のパターンを崩し
家族は話に出るだけで登場せず、代わりに相棒が登場。
シリーズを崩してきた事で、違和感のある人もいるようだが
個人的には2作目より善戦と評価。
その後、新作の噂は時々あり、「ティアーズ・オブ・ザ・サン」は
元は「ダイハード4」だったとか、そんな経緯を経て
「あ、やっぱりやるんだ新作」と言う感じで、割に唐突に10年ぶりに新作が登場。
今回はサイバーテロに対し、アナログで戦うと言う事で
どんな事になるかわからないが、やはりここは見るべし。

ジョン・マクレーン NYの刑事。何があっても死なない
マット・ファレル 天才ハッカー
ガブリエル テロリストのリーダー
ボウエン FBIサイバー対策班副局長
マイ ガブリエルの手下の女殺し屋
ワーロック マットの友人である伝説的ハッカー
ルーシー・マクレーン ジョンの娘。普段はジェナロ姓を名乗る

 ハッカー青年が、謎の連中にテストと称して依頼され、
何かのセキュリティを破る仕掛けを作り出す。
その仕組みを入手した一味は、用済みになったハッカーを始末。
ハッカーがパソコンのキーを押すと、爆弾が爆発する仕掛けだ。
(爆弾はいつ仕掛けた?)
一味は用意ができたと、何かの計画を開始する。
FBIサイバーテロ対策室のモニターが数秒止まり、すぐに回復するが
副局長ボウエンは、侵入を試みられたらしく、とりあえず被害はないようだが
こういう事を阻止するための部署である以上、メンツもあるので
目をつけていたハッカー全員を逮捕するよう指示する。
(と言うか、侵入されたなら、その時点でネットワークを遮断しなくちゃ)

 ルーシーは車で彼氏とイチャイチャしていたが、それ以上させる気はない。
さらに現れたジョン・マクレーン(ブルース・ウイリス)が、
彼氏を車から引きずりおろす。
なにごとかわからない彼氏だが、ルーシーがパパと呼んだため、
お父さんは死んだと聞かされていたと言う。
娘を心配し、ストーカーのように監視する父に嫌気がさしていたルーシーは、
彼氏の事も彼氏とは認めず、もう帰ると言い出す。
「待て、ルーシー・マクレーン」と言うジョンだが、
「ルーシー・ジェナロ」だと言う娘。
どうやら結局妻とは別れ、娘は母方の姓を名乗っているのだ。
やれやれと車に戻るジョンに、本部から連絡が。
私用で来てはいるのだが、車には探知装置が付いていて、居場所がばれている。
機械に弱いジョンには、理解不能な事だ。
(エレベータには詳しかったけどね)

 近くにいるハッカーのファレルを逮捕しろと指令が。
ジョンはファレルの所へ。ファレルはまさに一味の指示で何かの仕掛けを開発。
キーを押すと爆発するところだったのだが、
ジョンが訪ねてきたのでキーを押さずに出る。
ジョンが警察だと気づき、別の名前をかたるファレルだが
近所の友人が「ファレル氏」とか声をかけたため、正体がばれる。
パソコンの電源を落としていくと観念。
だがその頃、外で待機していた一味は、いつまでたっても爆発しないので
プランBに移る事に。すなわち実力行使だ。
いきなり外から銃撃を受け、床に伏せるジョンら。
しかし、こういう場面は得意なジョンも激しく応戦。
侵入してきた男は、たまたまキーの上に物が落ちて爆発に巻き込まれる。
廊下でも撃ち合いに。消火器を撃って爆破させて倒すなど奮戦。
先ほどまで大勢いたオタク仲間はまったく姿を現さない。
2人は表へ逃げ車で逃走。さらに一味に襲われるが、2人ほどはねとばして逃げ去る。
あんた何をしたんだと言うファレルだが、一味が追っているのは君だと言うジョン。

 一方、一味にとってはファレルはどうなっても構わないらしく、計画を進める。
まずは信号のコントロールを奪い、青にしたり赤にしたりするものだから、
あちこちで車が衝突し大混乱。ジョンらも仕方なく歩いていく事に。
まあ、その後も電車などの交通機関が狂わされて大騒ぎ。株とかも操作される。
放送なども妨害され、一味の犯行声明が。要求は金だっけ?
国会議事堂が爆破されるトリック映像が流され、人々が本気にしたりして騒然。
ジョンはファレルを連れてFBIボウエンの所へ。
ファレルは、一味の狙いが「投げ売り(ファイヤーセール)」だと言う。
ボウエンはそんな話を大声でするなと否定するが。
それは机上で論じられていたサイバーテロの手口で、
多段階に国家の機能を掌握していく手法で、やがては発電などのライフラインを抑え
国家の中枢まで捕まれるというものだ。
とりあえず、ボウエンはファレルに護衛をつけ、別の場所へ護送する事に。
だがその無線は一味に傍受され、ファレル発見とばかりに動きを見せる。
一味の女性は、警官のフリをして応答するが、
ファレルはその声が、自分に仕事を依頼した女性だと気づく。
ジョンはファレルの話を信用して警戒するが、ヘリの実行部隊が襲撃。
(どうせなら銃を使わずにサイバーテロだけでいろいろやってほしいものだが、
そうなると映画的な見せ場はなくなるね)
護衛がやられ、ジョンらはトンネルに逃げ込む。
一味はまたも信号などを操作し、
車を両方から一方通行のトンネルに進入させたものだから、あちこちでぶつかり大変。
実行部隊はファレルを倒したとか、適当な報告をするが
ジョンとファレルはこれを何とかかわして生きていて
ジョンは簡単な仕事と聞いたのにとぶつぶつ言いながら、
そこらの車に乗り込み、暴走させて途中で飛び降りる。
車は出口付近の料金所用のブースに乗り上げ、うまいこと上空のヘリに激突。
実行部隊の狙撃手はこれからまだ登場するのか、寸前で落っこちてまだ無事。
この後実行部隊らしき人が時々出てくるが、同じ人かどうかはよくわからない。
彼はアジトに、ファレルを逃し、マクレーンとか言う男がいる事も知らせる。

 ファレルは、一味が次に発電所を狙うはずだと言う。
だが発電所は遠隔では制圧できず、現地へ行く必要があると言う。
一味のマイと言う女性と手下らは発電所に乗り込み、
意外に手薄な警備の発電所を簡単に制圧してしまう。
ここを止めると、全米の1/3くらいの発電がストップしてしまう?
そんなに広範囲じゃないかもしれないけど、それなりに大変な状況だ。
そこへ乗り込むジョンとファレル。
ジュンとマイが格闘になるが、マイはなかなか手強くジョンは階下へ突き落とされる。
一方ファレルは捕らわれ、逆に制圧の手助けをさせられるハメに。
駐車場に落ちたジョンは、車に乗り込みそのまま部屋へ突っ込み、
マイをはねとばしてエレベータシャフトへ。
宙吊りになったマイだが、その上でジョンの乗った車も宙吊り。
これってジュラシックパーク2と同じような局面だ。
別の一味が上から撃つが、ファレルがかけつけて棒で殴って落とす。
マイとジョンは宙吊りになりながら格闘するが、結局車ごと落としてマイは爆発。
一味のリーダーはマイと連絡するが、ジョンが応答。
またもジョンにしてやられたと知りショックを受けるが、まだ強がる。
一味は周囲に天然ガスを送り込み、発電所ごと吹き飛ばそうとする。
気づいたジョンらは車の中へ逃げ込み、爆発でがれきとかが落ちてくるが
車のおかげで何とか難を逃れたらしい。

 一味の次の動きを制するには、
ワーロックという人物に会う必要があると言うファレル。
そこへかけつけるには、マイらが乗ってきたヘリしかない。
(ヘリは爆発でも無事だったらしい)
かつては高所恐怖症だったジョンも、それを克服するため操縦を覚えたと言うが
実際に飛ばすのは初めてで、おっかなびっくりで急行する。
一味のリーダーはジョンの素性を調べ、彼に娘ルーシーがいると知る。
(元妻とかには目もくれずだ)
ルーシーが停電でエレベータに閉じこめられたと知り、
保守員のようなフリをして彼女を救出しつつ捕らえる一味。
ジョンとファレルはワーロックの所へ。
ハッカー仲間にジェダイと言われる彼は、実は引きこもりで部屋から出ない。
しかし事件については知っていた。
ファレルはともかく、見知らぬジョンに協力するには抵抗を示した彼だが
結局アドバイスする事に。
一味のリーダーが携帯に電話してきて、ジョンの家族構成やら把握した、
口座残高も操作できるとか、ルーシーを人質にしたから手を引けとか言う。
だが、ワーロックの協力で、逆に相手の顔を受信する事に成功。
その顔をFBIボウエンに送ると、一味のリーダーの正体がガブリエルと判明。
彼はもともとFBIの仲間だったのだが、国家のシステムが不完全だと主張。
それを証明するために侵入してみせクビになった人物だ。
ワーロックは、一味の次の狙いがNSA国家安全保障局のサーバだと言う。
それはボウエンも存在を知らなかった物だが、停電などの事態に際して、
全米の金融に関する情報が立ちどころにバックアップされるのだ。
平時にそれらの情報を収集するにはかなりの労力が必要だが、
今なら一箇所を襲えばいい。そのサーバが破壊されれば、全米は石器時代に逆戻りだ。
(それは戻りすぎだろう)
だが、ガブリエルは破壊が目的ではなく、システムの問題を教えてやった見返りと称し
金をいただく事を計画していた。また金か!

 ジョンとファレルは施設を襲撃するが、ファレルは捕らわれ、
ルーシーと共にバンで移動させられる。
取り残されたジョンはそれを追っかけ、一味の大型トレーラを奪う。
父を甘く見ない方がいいわよとか言うルーシー。
ガブリエルは軍にニセの指示を出し、トレーラを撃破するよう指示。
戦闘機が一機だけ来て(どうせならもっと呼べばいいのに)トレーラを襲撃。
ミサイル攻撃や銃撃を受け、ジョンも逃げ回るが、攻撃は激しく高速道路が崩壊。
ジョンはトレーラを飛び降りて戦闘機にしがみつく。ビックリするパイロット。
道路が崩れ、がれきが当たって戦闘機はくるくる回転。パイロットは脱出。
ジョンも飛び降りて、墜落した機は爆発。ジョンはムクリと立ち上がる。
普通死ぬだろ。
ワーロックの協力も得て、一味のアジトへ乗り込むジョン。
撃ち合いがあったりするが、ジョンも撃たれて負傷。
ルーシーも人質に取られ、ファレルもそれなりに応戦するが、
結局捕らえられ、ガブリエルがジョンを背後から抱え込んで人質にとり、
金を手に入れるためにパソコンを操作しろと言う。
観念しかけるファレルだったが、ジョンは自分ごしに背後のガブリエルを射殺。
スキを見てファレルらも他の一味を倒す。
事件は無事解決。ルーシーは、今日だけはルーシー・マクレーンだと言う。

 と言うわけで、サイバーテロはどのように描かれるかと思ったら、
最初は交通機関を麻痺させ、放送や電力なんかを麻痺させていき
全米を揺るがすという描写はなかなか面白いし、
3作目のNYのテロなんかより説得力のある感じ。
ジョン・マクレーンがどう巻き込まれるかと言うと、
一味に利用されたハッカーを捕らえ護送しようとしたところ、
一味の襲撃を受けるという展開。
どこかで見たような感じだけど、「ガントレット」と言うか、
ブルース・ウイリス自身が半年前に出た「16ブロック」みたいな感じ。
その後、いろんな派手なシーンが延々と続くわけだが、
この手の映画にありがちな、「管轄外に口出しするな」と言われたり
コンビで行動する事に相棒が抵抗を示したりする事がほとんどなく
おかげで、終始ジョンの好きなように暴れる事ができて、そこはムダがない感じ。
ヘリを落とし、最後まで生きているのかと思った女殺し屋との中盤での対決など
見せ場には困らないし、一味をいちいち計算外の状況に追い込む痛快ぶりも面白い。
3作目とは毛色の違う相棒との凸凹ぶりも面白い。
難を言えば、たいして役に立たないボウエンにいちいち報告するのがまだるこしい点。
今までと違い、ジョンの移動が多いが、その位置関係が日本人にはよくわからない点。
一番派手な、戦闘機の戦いと大地震のような高速道路崩壊シーンは、
相手が敵ではないので、ジョンがド派手に生き延びても、
それ自体が直接には一味に打撃を与えていない点か。
期待はずれだった「スパイダーマン3」に比べると、及第点と言うべき本作だが
超傑作と言えないのは、何か突き抜けたところがないためと言ったら贅沢か。
でも、戦闘機から落ちたら普通死ぬよね。
 



 これは何だ?「ダイ・ハード ライト・デイ」を見た。(2013年米)

 ダイハードと言えば。。と過去を振り返るのは面倒になったからやめるけど、
毎回ネタを変え、派手なアクションシーンを見せるシリーズ。
今回は大人になった息子と共に、ロシアでダイハードぶりを見せると言うので、
面白そうと思って見た。

ジョン・マクレーン 不死身の刑事(ブルース・ウイリス)
ジャック・マクレーン ジョンの息子。実はCIA
ルーシー ジョンの娘
ユーリ 組織のボス
イリーナ ユーリの娘
コリンズ ジャックの相棒
アリク 一味のリーダー
チャガーリン 政界の黒幕

 某所に拘束されてるユーリ。面会するチャガーリン。
かつて仲間だったと言うチャガーリンは、
そろそろ和解してリストを渡せと言うが、拒否するユーリ。
チャガーリンはロシアの悪名高い大物で、政界で力を持ち始めていた。
そんな中、本作の主人公ジョン・マクレーンの息子ジャックは、
クラブにいる組織の男を射殺。
逮捕されるが、ユーリの命令だったと称し、裁判で証言する事に。

 一方ジョンは、音信不通だった息子がロシアで逮捕されたと知り、かけつける事に。
普通、ここで両国間の引き渡し手続きみたいな事やってから行きそうだが、
ジョンはとりあえずロシアに行ってしまう。
前作に出た娘ルーシーが空港まで見送り、余計な事に首を突っ込まないでと言う。
それは無理です。
飛行機も平気になったジョンは、ロシアに着いてタクシーに乗るが、大渋滞で動かず。
たどたどしいロシア語で話すが、運転手が英語を話せたので問題なし。
運転手は客がアメリカ人と知り、シナトラの歌を歌ってご機嫌に。
この道路はいつもこんな感じだと、歩いていく事を勧め、
歌を聞いてくれたから料金はいらないと言う。ここらの雰囲気はシリーズぽい。
裁判所に到着するジョン。そこへ移送されてきたジャックとユーリを見かける。
その頃、チャガーリン配下の一味は、何やら襲撃の用意をしていた。
バイクに乗った美女が、スーツを脱ぐと、下は黒の下着
と言うセクシーシーンが予告にあったが、本編ではちらっとしか見えず次のシーンへ。
この美女も一味で、それを覚えてると中盤のトリックもわかっちゃう。
だって、他に女の人出てこないから。
一味は裁判所周囲の車を爆破し、裁判所を襲撃。
所内は混乱するが、ジャックはユーリを連れ出す。
外にあったバンに乗って逃げようとするが、ジョンに気付かれ止められる。
なぜここに?とジャックは驚くが、基本的にジョンの事を嫌っており、
父さんではなくジョンと呼んで疫病神と言ったりする。
押し問答する間に、一味がユーリを見つけて追ってくる。
あわててバンで退散するジャックら。それを追う一味。
ジョンもそこらの車を拝借して追跡。
ジャックは、ジョンに足止めされたせいで、合流地点に6分遅れそうだと言う。
(そんな緻密な作戦だったのか!)
追いつ追われつで派手なカーチェイスが展開。
横転したり、橋の欄干からジャンプして、他の車の上を走ったり。
そんな合間にジョンに娘ルーシーから電話が入り、問題ないよ等とごまかしたりする。
このカーチェイス、誰が何やってるのかよくわからないけど、
一味も乱入者であるジョンに腹立てたりするから、
ジョンの動きがそれなりに効果的にダメージを与えているようだ。
ジョンは一味の車を横転させるが、自らの車も大破。降りた所を狙い撃ちされそうに。
ジャックもさすがに見過ごせず、くそっ、とか言って、結局ジョンを拾う。

 何とか一味をまいたジャックらは某所へ。そこで相棒コリンズと合流。
隠れ家の機器を見て、ジョンは事態を理解する。
お前らCIAか。ニュージャージー出身の007かと言う。
(機器にCIAとでも書いてあったんすかね)
相棒コリンズが事情を説明。
ユーリは、かつて仲間だったチャガーリンを追い込むリストを持っているのだ。
ユーリは改心してるし、国外へ脱出させて証言を得られれば、
チャガーリンの息の根を止められると言うのだ。ユーリは協力を約束。
条件として娘イリーナを連れていきたいと言い、電話で連絡。
鍵が隠してある改装中のホテルで合流する事に。
リストはチェルノブイリの封鎖された施設にあると言う。
と、観客にも状況がわかった途端に、狙撃されてユーリは負傷。
コリンズが殺されてしまう。ジャックは壁を爆破して何とか脱出。
隠れ家がばれたのもジョンのせいと責めるが、
悪党を野放しにする訳にも行かず、結局3人で向かう事に。
ジャックはホテルへこっそり侵入する方法を思案するが、
ジョンはあっさり職員に金を渡して中へ。
エレベータでレストランみたいな場所へ。そこにはユーリの娘イリーナが待っていた。
ユーリは壁の隙間みたいな所に隠してあった鍵を回収。
その作業を待つジョンは、イリーナが先に来ていた事を怪しむ。
どうやって来た?と聞くと、環状線を通ってきたとか言うが、
それはタクシー運転手がいつも渋滞してると言った道だ。
すると一味が現れ、実はイリーナも寝返って一味になっていたと判明。
つまりこの娘が黒の下着の人ね。
一味はユーリを捕らえ、ジョン親子は残った手下が始末する事に。
だが、ひそかに隠したナイフでロープを切るジョンら。
ケンカしてたジョンとジャックがここへ来て揃って笑い出し、
あっと言う間に一味を倒す。
しかし、イリーナら一味は武装ヘリに乗っていて、ホテルを銃撃。
ジョン親子は息もぴったりに窓から脱出。
工事用の足場に着地。さらに銃撃を受け、工事用のパイプを滑り降りて逃れる。
ジャックは鉄片が刺さっていて、ジョンが抜いてやるが、またもへこたれてる様子。
結局ジョンが励まして、一味が向かったチェルノブイリへ行く事に。
行く事にしたけど、あそこもう大丈夫なんだよな?と急に不安がるジョン。

 一味はチェルノブイリの封鎖された施設へ。
防護服を着て入るが、放射線を中和するガス(!)があるらしくて、
もう大丈夫だと防護服を脱いでしまう。
鍵を開けると、倉庫にあるのはプルトニウムばかり。
一味のリーダーがリストはどこだ?と言うと、
いつの間にか銃を持っていたユーリが射殺。
やはりイリーナはユーリの味方で、
チャガーリンを利用するために一味を欺いていたのだ。
ユーリはチャガーリンに連絡し、してやったと思い知らせ、
手下だったマッサージ師がチャガーリンを絞め殺す。
一同はチェルノブイリの施設を退散するが、
最後にユーリが施設を出ようとした所へジョンらが到着。
ユーリは、奴らがすぐに戻ってくる等と、
うろたえたような芝居をするが、ジョンらにすぐに見抜かれる。
もともとリストなんかなくて、プルトニウムが狙いだったんだな。
そうさ、ここへ来るためにチャガーリンを利用したのさと言い、
ユーリはジャックと格闘に。
ジョンはイリーナたちが乗るヘリに飛び乗り、積んでいた車を機外に落とす。
車はワイヤーでつながれてて、そこそこ重いので、ヘリはバランスを失う。
ジョンは屋上に飛び降りて無事。
屋上で戦うジャックは、ユーリを突き落とし、
ユーリはヘリのプロペラに巻き込まれて死ぬ。父の死にショックを受けるイリーナ。
ぶら下がってた車ははずれ、ヘリは安定を取り戻す。
父の仇と、イリーナはヘリをジョン親子のいる建物に突っ込ませようとする。
それに気付いたジョンらは窓からジャンブ。
スローモーションで飛び出し、空中ですれ違い、ヘリは建物に突っ込み爆発。
ジョンらは階下にあるプールみたいな場所に落ちる。
浮かび上がったジャックは、ジョン!と叫ぶが返事がない。
思わず父さん!と叫ぶが、実はジョンは既にはい上がっていて無事だった。
父さんと言ったな?と聞くと、ジョンと言ったと否定するジャック。
プールに入っちゃったけど大丈夫かなと心配するジョンに、
ただの水たまりだと言うジャック。
親子は、軍か何かの飛行機で無事帰国。それを娘ルーシーが迎えるのだった。
あれ?もう終わり?
(なぜこの家族の一大事にホリーは来ない?)

 と言うわけで、本作の舞台はロシア。
息子がかの地で逮捕されたと知りジョンがかけつける事に。前作に出てた娘も再登場。
実は息子はCIAで、組織の男を米国へ連れ出すため、潜入していたのだ。
男は敵対する連中に狙われ、襲撃を受ける。
そうした敵対構造に入っていない(事情も知らない)ジョンは、
息子を連れ帰ると言う、全く個人的な都合で事件に関わる事に。
前半は、この事情がわからない加減がもどかしい感じ。
中盤になって、事情はわかるが、物足りなさを感じるように。
本シリーズは、物語の出来不出来はあれど、派手な見せ場は盛り沢山だった。
1作目の見せ場はいくつある?と聞かれてもすぐには答えられない。続く作品も同様。
だが、本作の見せ場の数は3回しかない。
最初の裁判所襲撃、改装中のホテル襲撃、チェルノブイリでの戦いの3回。
(後でアジト襲撃もあった事に気付いたけど、あれはただの撃ち合いだからね)
裁判所襲撃はカーチェイスに続くが、これが長い。
大変そうだけど、何やってるか
(ジョンが絡んでるのか、ただ追跡してるだけか)よくわからない。
後の2つの見せ場は、息子と一緒で、文句言い合いながらジャンプしたりする、
よくある凸凹刑事もののノリ。
思えば1作目のジョンは、たまたま事件に遭遇し、
何となく生き延びちゃうと言う面白さがあった。
その後のシリーズでは、警察とかFBIとかの枠組みを越えた、
何をやっても許される特権を与えられた人物みたいに。
そうなると物語の面白さは期待できず、派手なアクションを楽しみにするしかないが、
本作はそこが抑え気味だった。
もちろん、アクションに金がかかってるのはわかるし、
他のアクション映画として見たら、面白かったと思う。
だが、シリーズとしては、あまりに物足りなくて、
番外編的な(007に続いて)印象を否めない。
TV24の、シーズンの間のエピソードを見せられたようだ。
2〜4作目の優劣は、いろいろ思うところあるけど、本作はぶっちぎりの最下位確定。
この落差は007の比ではない。どうしちゃったんでしょうね。
 

タイピスト!(2012年仏)

ローズ・パンフィル 秘書
ルイ・エシャール 保険会社社長
マリ ルイの元恋人(アーティストのヒロイン)
アニー 全仏チャンピオン
スーザン 全米チャンピオン

 田舎の店の娘ローズは、店頭にあるタイプライターでタイプを覚える。
保険会社社長ルイの秘書の面接を受けるが、仕事が出来ないローズは相手にされない。
だが、2本指で物凄い速さでタイプして見せた為採用に。
ルイは秘書には向いてないと言い放ち、タイプの早打ち大会に出場させる。
だが決勝には進めず、ルイは10本指で打つ特訓をさせる。
タイプ漬けの日々を経て、地区大会で新チャンピオンに。
ルイから贈られた誕生日プレゼントはタイプの為の道具で、
失望したローズはルイの元恋人マリに相談。
マリはパーティで2人が婚約したと発表し、互いに意識する様に。
全仏大会ではチャンピオンのアニーと対決。
ルイはローズを怒らせ、発奮した彼女が勝利。優勝する。
だが、奥の手を使ったルイは、自分は必要ないと身を引いてしまう。
ローズはタイプライターのCMに出るなど人気者に。
世界大会のためNYへ。決勝で全米チャンピオンと対決する。
3回勝負でリードするが、同点に追い付かれる。
失意のローズは、かつて使った店のタイプを持ち出す。
旧式だとコーチに止められるが、かけつけたルイが励ます。
君には僕が必要だと言ったが、僕には君が必要と悟ったと語る。
3回戦は奮起したローズがリード。
早すぎてアームがからまるが、それでも世界記録で勝利。
ローズはルイとキスし、米国人ばかりの観客に喝采を受けるのだった。

 と言う訳で、タイピストと雇い主を描いた話。
田舎町に生まれたローズは、不動産屋の秘書に採用される。
仕事はできないが、タイプだけは抜群に早い彼女に目をつけた雇い主は、
早打ち大会に出場させる事に。
やがて2人に恋愛感情が生まれると言う訳。
タイプの早打ちと言う時代を感じる競技を題材に
戦いの方も恋の行方の方もお約束な展開だが面白い。
最後は2本指で優勝してもよかったね。

TV放送 2014/09/19 WOWOW 2300-0051
 

ダイブ 深海からの帰還(89)

 パイプラインに漁業用の網がかかり、急遽呼び出された潜水艇が除去の作業に。
ロルフとグナーが向かうが、バルブは人力では閉められない上
網が引っかかり、潜水艇が浮上できなくなる。酸素は2時間しか持たず、天候も悪化。
ウインチも故障し、今日で退職のブリッグスが軽装備で急行。
だがブリッグスは失神して死亡。ウインチの修理は難航。ヘリも間に合わない。
水素ガスの注入で当面の危機を脱するが、爆発を起こして続行は断念。
アルゴンで二酸化炭素を減らす事ができるが、10分で死んでしまう。
クレーンで何とか引き上げる事ができるが、減圧には時間をかけねば危険だ。
ようやくヘリが到着し、持ってきた酸素を注入してロルフらは助かる。

 と言うわけで、深海から脱出できなくなる話は他にもいろいろあった気がする。
今回はいろいろ工夫するのだが、クレーンでと言うアイデアが
ギリギリまで出てこずに、無謀な手で死者が出るのは困りものだ。

TV放送
 

太平洋の地獄(68)

 監督 ジョン・ブアマン

 太平洋戦争中。
太平洋の孤島に、日本軍大尉(三船敏郎)と、米軍少佐(リー・マービン)が漂着。
大尉の水飲み場を狙って、何度も少佐は近づくが、大尉は追い払う。
目を離したスキに、水は飲まれ、小便をかけられ、大尉は激怒。
ジャングルの中を追うが、少佐は疲労で倒れてしまう。
少佐を木に縛りつけるが、いつの間にかヒモをはずし、逆に大尉が縛られる。
炊事係がイヤになった少佐は、大尉に働かせようとする。
大尉はイカダを作ろうとし、少佐も協力する事になる。
言葉の通じないまま、2人はイカダを作り、大海へ出る。
やがて長い漂流の末、別の島へたどりつく。
そこには無人になった日本軍基地があり、米軍がいた形跡もある。
2人はくつろぎ、大尉は雑誌の日本兵の写真を見てショックを受ける。
一方、少佐は日本人が神を信じないと言う話を思い出して激怒。
2人が再び対立した時、基地は砲弾を受けて爆破される。

 というわけで、2人以外は誰も出てこない異色作。
存在感のある2人が、結局、まともにコミュニケーションをはかれないまま終わる。
長い対決の末、協力してイカダを作り、
基地にいると思った味方が、互いを撃つのを心配するあたりは、リアルな展開だが、
最後に少佐が激怒するあたりはよくわからない。
戦争反対を訴えているようで、いまいち弱いが、
面白いアイデアである事は間違いない。

TV放送 91/11/27 BS11 22:00-23:39
 

TIME/タイム(2011年米)

ウイル・サラス (ジャスティン・ティンバーレイク)
ワイス氏 富豪
シルビア ワイスの娘(アマンダ・セイフライド)
レオン 時間監視局(キリアン・マーフィ)
ウイルの母 (カウボーイ&エイリアンのヒロイン役)
ヘンリー・ハミルトン ウイルに余命を与える
ボレル ウイルの友人

 近未来。遺伝子操作によって人々の老化は25歳で止まり、
余命を金のように取引するようになる。
庶民は、余命が24時間を切る生活を続けていた。
ウイルはヘンリーをギャングから助ける。
するとヘンリーは、余命116年をウイルに譲り、人生を無駄にするなと言って死ぬ。
ウイルの母はバス代が払えず死に、
ショックを受けたウイルは金持ちの区域へ乗り込む事に。
時間監視局のレオンは、ウイルを窃盗犯として追跡する。
ウイルはカジノで無謀な賭けをし、富豪ワイス氏と知り合う。
彼の娘シルビアと親しくなるが、レオンに捕まり余命は没収される。
ウイルはシルビアを人質に逃走。ギャングに襲われ、シルビアも余命を奪われる。
ワイスに身代金として余命を要求するが、払う気はなさそうだ。
ウイルはシルビアと銀行を襲撃。庶民に時間をばらまくように。
それだけでシステムを崩す事は出来ないと考えたウイルは、ワイスの会社に乗り込む。
金庫から100万年を奪い、スラムの人々にばらまく。
レオンはウイルを追い詰めるが、自らが時間切れで死ぬ。
時間を得た人々はスラムから抜け出し、システムの崩壊も間近に。
ウイルらの賞金は100年に上るが、足取りはつかめないままだ。

 と言うわけで、時間が金の代わりに取引に使われる社会の話。
設定としては、遺伝子操作により、
人類は余命を交換できるようになったと言う事らしい。
決して万人が不老不死になった訳ではなく、金持ちが結果的に半永久的に生きられ、
貧しい人は残り1日の余命を何とか延長して綱渡りで生きてる事に。
つまり、余命の合計が増えた訳ではないのだ。
でも、機械で余命データ受け渡せるなら、人工的に作れそうだよね。
予備知識ありのつもりで見たのに、
この微妙な設定がなかなか把握できず、しっくり来ず。
主人公はある人から余命100年を譲られるが、
そんな奇特な人はいないはずと、時間泥棒として追われる。
追うのがキリアン・マーフィで、プリズンブレイクのマホーン風。
前半は勢いで何とか見せるが、後半になると、なぜか主人公が義賊になり、
なぜかなかなか捕まらない展開が続いて退屈。
発想自体は悪くないので、もう少し推敲してから映画作った方がいいよ。
ところで、吹替版で見ちゃったけど、
ヒロインの声が特筆すべきレベルの棒読みだった。(アンドロイド役かと思った)
タレントさん使ってもいいけど、違和感はないようにしてもらいたいもんです。

TV放送 2013/03/24 WOWOW 2000-2149
 

タイム・アフター・タイム(79)

監督 ニコラス・メイヤー

 1893年。発明家ウェルズ(マルコム・マクダウェル)は、タイムマシンを発明。
だが、実は切り裂きジャックだった、友人ジョン(デビッド・ワーナー)が悪用。
彼は1979年のシスコへ逃走。ウェルズも彼を捕らえるため、後を追う。
ウェルズは銀行員エイミー(メアリー・スティンバーゲン)と協力し、ジョンを追う。
ジョンによる殺人が発生。ウェルズはエイミーに真相を話し、タイムマシンを実演。
その結果、2日後にエイミーが殺される事が判明する。
警察はウェルズを怪しみ、彼を足止め。その間にエイミーが殺されてしまう。
実は人違いで、ジョンはエイミーを人質にタイムマシンを要求。
ウェルズはジョンを時空の彼方へ追いやり、過去へ戻って小説を書く事に。
彼を愛するエイミーは、ついていき、彼と結婚する。

 と言うわけで、ウェルズが本当にタイムマシンを作っていたと言う奇想天外な話。
ウェルズが未来になじめず、ジョンが巧みに過ごすあたりも面白い。
主演2人はこれが縁で結婚するが、後に離婚。音楽はミクロス・ローザ。

TV放送 95/11/10 12CH 12:00-14:00
 

タイムクラッシュ・超時空カタストロフ(1999年アメリカ)

 キャスターのトムは発電所の火災を取材するが、仲間を死なせる。
クビになった彼は、タブロイド紙の記者となり、世紀の惨事について取材する事に。
だが、タイタニックやヒンデンブルグなど、過去の惨事の写真に、
同一人物が写っている事に気づいて調査する事に。
移動で飛行機に乗るが、乗客にその男がいる事に気づく。
彼の持ち物を調べると、この機が墜落するとの記事が。
男は姿を消し、機長を脅して高度を上げさせた結果、間一髪空中衝突を回避する。
FBIはハイジャック犯として取り調べるが、謎の男女が彼を連れ出す。
だが同僚エリザベスの助けで逃走。次にあるはずの地下鉄脱線を調べる事に。
男を見つけ列車に乗り込む。彼は70年後から惨事を体験するツアーで来たと言う。
装置を奪い、トムらは後方の車両へ避難。列車は脱線し、男は死ぬ。
ツアーのパンフを見るトムは、発電所の事故の死者が12名だと気づく。
だが実際には11名しか死んでおらず、あの男がコインを落としたので、
気を取られたトムは難を逃れ、そのために歴史が変わってしまったのだ。

 未来で違法なツアーを仕切る男(マーチン・シーン)は、男女にトムの始末を命令。
トムは次にコロシアムで火災があり、1万人が死ぬと知る。
この試合には、トムの息子ケビンも行くはずだ。
トムはFBIベイカー捜査官に連絡して急行。
追う女コルテスは、息子が歴史が変わって死ぬと知り、トムの始末に執念を燃やす。
トムらを襲撃。エリザベスが犠牲となる。
さらにコロシアムを爆破。1万人の死者が出て、ケビンも犠牲となる。
トムは装置を操作し、時間を元に戻す。
エリザベスは無事で、襲撃を受けたスタンドでの停止を回避。
コロシアムでケビンらを呼び出し逃がそうとするが、男女は爆破を強行。
コロシアムは崩壊を始め、男女は巻き込まれて死ぬ。
男の手から装置を回収したFBIスタントンこそ、後のタイムマシンの発明家だった。
トムが未来の銃で壁を爆破し、人々は無事脱出する。
だが、未来ではトムが歴史を変えた人物とされており、
その現場を目撃に来ていた一団がいた。

 と言うわけで、歴史を狂わせる一団とそれを戻そうとする一団の戦いなんて
この手の発想は良くあるのだが、むしろ敵が戻そうとしてるあたりが新味。
ある男が過去のいろんな惨事の写真に写っていた事から事態に気づくのだが、
男の観光客の1人なので、この人だけが全部に写っているのはおかしい。
一味と主人公がもめだしてからは、何やら訳わからない理由をつけているが
むしろ序盤よりもつまらなくなった感じ。
マーチン・シーンが黒幕的存在で、まともにはまったく出演しないのは面白い。

TV放送 2003/11/20 25ch 2100-2254