逃亡者」(93)を見た。

 逃亡者と言えば、何十年か前、デビッド・ジャンセンなる俳優主演で
テレビシリーズ化された作品だ。
無実の妻殺しで逃亡者となったキンブル医師が、
ジェラード警部の追跡をかわし、真犯人片腕の男を追うが、
毎週毎週、あと一歩の所で逃げられてしまうと言う展開が好評で、
最終回、ついに真犯人と対面した等と言われる紹介を読むと、
放送期間が長ければ長いほど、作品全体の構成のすごさを感じさせられるものだ。
何しろ、このシリーズは好評で、
同じ製作者が、今度は宇宙人から逃げ回る男の話を、ロイ・シネス主演
「インベーダー」と言う作品でやったが、これはあまり評判が良くなかった。
とは言え、これほどおいしい題材が、(他のテレビ作品が映画化されているのに)
放置されるはずもないと思っていたが、
ついにミッキー・ローク主演「逃亡者」として、映画化された。
かと思ったら、これはハンフリー・ボガード主演「必死の逃亡者」のリメイク。
やや失望を隠せなかったが、ちょうどその頃、本物の「逃亡者」映画化の噂が。
さらにそれから数年。ついに、映画化が実現したのだ。
主演は、ハリソン・フォード。監督は、「沈黙の戦艦」のアンドリュー・デービス。
「沈黙の戦艦」で、アニメファンの悪役を演じたトミー・リー・ジョーンズが
ジェラード警部に扮する。
何しろ、テレビならではの長い期間で構成された話を、
2時間前後におさめるわけだから、成功すれば、息もつかせぬ展開に。
失敗すれば、あらすじを追うのに終始と言う作品になりかねない。
「ザ・シークレット・サービス」と合わせて、評判が良いようだし、見てしまえ。

 シカゴのとある病院の有名な医師リチャード・キンブル(ハリソン・フォード)宅で
殺人事件が発生した。殺されたのは、彼の最愛の妻。
キンブルと妻は、医師の集まりのパーティに出席し、
その帰り、手術の連絡を受けて、キンブルは病院へ。
等と言う話が、回想シーンで登場。テンポのよい展開だ。
妻は自宅で帰宅を待つが、何者かが家に侵入。
キンブルが帰宅すると、すでに妻は虫の息で、その後、彼は男と格闘に。
男が義手である事に気づくが、逃げられる。
市警が捜査を開始。キンブル宅は最新の防犯装置を設置。
暗唱番号を知る者は、夫婦とメイド以外にはいない。
押し入った形跡もなく、家の中にはキンブルの指紋ばかり。そして彼の拳銃にも。
キンブルは金持ちだが、妻の実家はさらに金持ちだ。
彼女が死ねば、高額の遺産と生命保険が彼のものになる。
市警は、あなたは損していない等と失礼な事を言い出す。
キンブルは怒りを覚え、「片腕の男」を追えと言うが、状況は彼に不利に。
妻は警察に電話しており、その際「殺される」と言った後、キンブルを呼んでいる。
もちろん、夫を呼んでいるのだが、犯人だと告げていると言う解釈も可能だ。
裁判で、まさかまさかの有罪死刑判決。
ここまでが、長い長いタイトルシーン。

 キンブルは、他の囚人と同様に、手足に鎖をつけられ、護送用のバスに。
彼は、他の囚人らが何か計画している事に気づく。
夜になると、1人が泡を吹き出し、警官に助けを求める。
しかたなく、1人が仕切りの柵を開ける。
すると、男は隠し持った歯ブラシをナイフのように警官に刺し、格闘に。
別の警官がショットガンで男を射殺。
しかし、バスの中はパニック状態で、暴走するバスは、ガードレールを突き破り、
山の斜面を転げ落ちる。
中にいる連中は、何人かが負傷し、何人かは死亡。
生き延びた警官は、キンブルに負傷した同僚を見させる。彼は鎖をはずす事に。
その時、妙な音が。外を見ると、バスは線路の真上にあり、列車が迫っている。
先刻の警官は、仲間を見捨てて逃走。別の囚人コープランドも助ける気などない。
しかたなく、キンブルは警官を引きずって、窓から外へ出す。
続いて自分も。列車は直前に近づき、間一髪、キンブルは脱出。
だが、脱線した列車は、キンブルの方向へみるみる迫る。
キンブルは走って逃げるが、足の鎖ははずれておらず、逃げる速度は遅い。
危うく、溝みたいになっている所へ飛び込み、頭の上を列車は通過。
一面は恐ろしい状態だった。
しばらくして、キンブルは自分の置かれた状態に気づく。
死刑のために護送されていた自分が、今、誰の監視もされない状態にいる。
とにかく、逃げるしかない。彼は必死に走る。
コープランドが彼を助け、鎖の鍵をはずす。2人はそれぞれ別に逃げていった。

 事件の報告を聞き、市警や連邦捜査官が到着。
市警の取調べに、味方を見捨てた警官は、自分が助けたかのように報告。
そして、みな死んだろうと言う。
連邦捜査官と字幕にはあるが、逃亡犯を追う等を任務とした、
マーシャルと言う肩書きのジェラード警部(トミー・リー・ジョーンズ)は、
周囲の緊急配備を命ずる。
市警は皆死んだはずとバカにするが、はずされた鎖が発見される。
例の警官も、うなだれて、逃げた者がいるかもと認める。
こうした捜査になると、担当はジェラード警部らに移るのだ。
事件発生後、まだ1時間程度。地形は山なので、たいした距離は逃げていないはずだ。
なぜか、ジェラードは、コープランドはほっといて、キンブルばかりに執着。
やがて、血痕を発見。逃走犯は負傷しており、病院に行く可能性もある。

 キンブルは、護送犯用の服装では出歩けないので、
駐車された車から、作業着を盗み出す。
そして、近くの病院へ。ここへも彼の顔写真はFAXされている。
彼はまず、医師としての土地感か、外科医用の部屋へ。
そこで、道具を揃えて、ブラックジャックのように、自分で傷を縫い合わせる。
さらに、服を盗み出し、昏睡状態の患者の部屋へ。
アゴヒゲを剃り、髪型を変える。以降、何度も彼は髪型を変える。
そして、昏睡状態の患者の食事をむしゃむしゃ。
後で、看護婦が驚くと言うお約束のシーンはない。
医師に扮して廊下に出たキンブルは、いきなりFAXを持った警官に出会う。
警官はキンブルに、特徴を言って、こんな男を知らないかと言うが、
キンブルは大胆にも、ヒゲ以外は私の特徴だ等と言う。
すると、警官はなおも呼び止めるのでギクリ。
だが、社会の窓が開いているので注意しただけだった。
外へ出ると、救急車が到着。タンカで運ばれるのは、負傷した護送犯。
キンブルがすましているので、ギョッ!として、こいつ……等と言うが、
キンブルは様子を見るふりをして、麻酔を吸わせてしまう。
そして、無人になった救急車に乗って逃走。
だが、護送犯の報告で、救急車でキンブルが逃走している事が判明。
ジェラードもヘリで急行。救急車はすぐ見つかり、パトカーも集結。
まだ映画は始まったばかりなのに、いきなり危機一髪だ。
救急車はトンネルの中で停止。ヘリから降りたジェラードらが双方から包囲。
だが、救急車は無人だ。這い出したキンブルは、道路わきの下水道へ逃げたのだ。
ジェラードらは下水道へ入り、キンブルを追跡。
道が分かれているので、追跡する方も分かれる。
ジェラードは足をすべらせ、拳銃を落としてしまう。流れてきた拳銃を拾うキンブル。
ジェラードに銃を向け、おれは殺してない!と叫ぶ。
しかし、ジェラードにはそんな事は関係ない。彼は逃亡犯を捕まえる事が任務なのだ。
逃げ出すキンブル。ジェラードは隠し持ったもう1つの銃を出す。
キンブルは明るい方へ逃げるが、行き止まり。そこはダムで、眼下は絶壁。
後ろからはジェラード。キンブルは銃を捨てさせられ、後ろを向かされる。
ひざまずけと言われ、(彼は高所恐怖症かも知れない描写あり)
とっさにキンブルはダムに飛び込んだ。
ジェラードの同僚たちは、これを知って一安心。死んだに決まっているからだ。
だが、ジェラードは、ダムを止めさせ、死んだなら死体を発見するまで安心しない。

 映画が始まって、ここまでで、すでに事前に聞いていた見せ場の2つが
(バスと列車の激突と、ダムからのダイビング)
登場したので、この先さらに見せ場があるかと思うと、大変な映画に思えるが
この後はややテンションが落ちる。
キンブル捜索ははかどらず、ジェラードらは彼に関する調査をやり直し。
妻殺しの現場を検証し、同僚に会う。そして、市警の雑な捜査に気づく。
キンブルは、弁護士に電話。弁護士は協力できないと言い、自首を勧める。
だが、キンブルはこれを拒否。セントルイスだかにいると言う。
弁護士への電話の録音は、ただちに警察へ。
聞いていると、後ろの電車の音が高架らしく、セントルイスはウソだと判明。
さらに駅名のアナウンスから、シカゴに戻っている事がわかる。
続いてキンブルは、親友のチャールズ(ジェローン・クラッペ)に会う。
ジェローン・クラッペは、「007/リビング・デイライツ」で
敵か味方かよくわからない、実はやっぱり敵役を演じた男だ。
車で運転するところを呼び止め、金を貸せと言う。
彼も医師であるチャールズは、君を助けたいと言うが、
キンブルは彼に迷惑をかける事を避け、金だけもらって去る。
ジェラードらの捜査はチャールズにも及び、
彼はキンブルに会った事を認めるが、彼は頭がいいので見つからないと断言。
そして、捜査にも協力しないと言う。
一方、逃走したコープランドが、こっちはあさはかにも、恋人の所へ逃げた事が判明。
ジェラードらは家を包囲し、逮捕を試みるが、部下が人質に取られる。
しかし、ジェラードはひるまず、人質に取られた状態のまま、コープランドを射殺。
ショックの部下は、交渉すべきだったと反論。
だが、ジェラードは、おれは交渉などしないと断言する。

 キンブルは、借りた金でとある家の地下室を借りる。
そして、郡病院へ行き、歩き回る。
彼は義肢を作成する部屋に気づき、ただならぬ関心を持つ。
犯人は確かに「片腕の男」だった。キンブルとの格闘の際、義手がはずれかけたのだ。
キンブルは義手の形まで正確に記憶していた。
彼は、病院職員の身分証を盗み出し、3分間写真で身分証を偽造する。
下宿で寝ていると、パトカーの音がするのでびっくり。
あわてて逃げる方法を考えるが、何も思いつかない。
だが、逮捕されたのは、大家の息子。彼は麻薬取引をしていたのだ。
ほっとするが、この息子がキンブルの事を報告。
ジェラードが現れるが、キンブルは外出した後。
彼らは部屋を捜索。ゴミの中から、身分証の偽造の痕跡を発見。
小さな文字から、キンブルが郡病院職員に扮した事を知る。
キンブルは、掃除係に扮して、義肢担当の部屋のコンピューターを操作。
ここにはあっと驚く、義肢をしている人のデータベース検索システムがあり、
(この病院を利用していない者までは無理な気がするが)
年齢や義手のタイプを指定。検索結果は、5名までしぼられた。
職員として病院内をウロウロするキンブルは、肋骨が折れたとか言う少年を見かける。
医師たちはこれを軽く考え、猫の手も借りたい医師は
キンブルに手術室まで連れていくよう指示。
彼は医師としての血が騒ぎ、レントゲン写真を見る。
そして、医師が誤診している事に気づき、カルテを修正。
ただの外科へ行くはずの所を、別の正しい部署へ。
子供を見捨てられないこのシーンは、ちょっと感動的だ。
しかし、これを不審に思った医師は、警備員を呼ぶ。キンブルはあわてて逃げた。

 キンブルが子供を救った事を知り、ジェラードはちと見直す。
そして、警官が大勢いる病院へ、頭がいいはずのキンブルが、
なぜわざわざ来たのかと考える。
そして出てきた答は、キンブルが「片腕の男」を探していると言うものだ。
そこで、ジェラードも、キンブルの証言をもとに、片腕の男の条件を入力。検索する。
片腕の男候補を、5人までにしぼったキンブルは、1人ずつ電話する。
友人だとか称するが、すでに死んでいたりして、1人ずつ削除されていく。
何人目かは、強盗で逮捕され、今は刑務所にいると言う。有力候補だ。
キンブルは、都会のど真ん中のビルの中にある、ちょっと変わった刑務所へ。
問題の人物と面会するが、黒人だったため、一目で別人とわかる。
一方、ジェラードの方も、片腕の男を探しており、
偶然にもこの時に、この刑務所へ来ていたのだ。
エレベーターが待ちきれず、階段を登るジェラード。
彼は、通路をはさんで反対側の階段を、見かけた男が降りていくのに気づく。
キンブルだ。あわてて追跡するジェラード。気づいて逃げるキンブル。
1階へ降り、人混みの中、キンブルは警備員に不審な男に追われていると言う。
警備員はジェラードを捕まえるが、仲間が身分証を見せたため、すぐに解放。
出口の自動ドアを閉めるよう指示。
間一髪、キンブルはドアをすり抜けるが、片足がはさまってしまう。
ジェラードは銃を撃つ。自分に向けて銃が撃たれる事に、ショックを受けるキンブル。
だが、ドアのガラスが邪魔して、キンブルには当たらない。
キンブルは足をはずして逃走。今度はドアが開かないためので、あわてるジェラード。
キンブルは表で行われている、緑の祭典とか言うパーティへ逃げ込む。
人混みのため、キンブルは見つからず、彼は去っていった。

 キンブルは、義手の男の中から、何とかと言う男を発見。
彼が外出するのを見届けた後、男の部屋へ侵入。
元警官の男の部屋には、医師仲間のレンツの写真が。
キンブルは男が犯人と確信。この部屋からジェラードへ電話する。
ジェラードはたちまち逆探知を開始。
ダムでおれが言った事を覚えてるな。おれは殺していない。
犯人は片腕の男だ。そして、今証拠をつかんだと言う。
キンブルは机に電話をたたきつけるが、切りはしない。
たちまちジェラードらは逆探知し、男の部屋へ急行。
もちろん無人だが、ジェラードは、なぜここから電話したのか考える。
男は元警官。今は警備員をしていると言う。
指紋から、ある写真にただならぬ関心を示している事が判明。
帰宅した男に、矢のような質問が。
何も知らないと言う男だが、ジェラードは、男が何か隠していると確信。
彼に見張りをつける。

 レンツは某社の新薬開発に関わった男だった。
そして、その新薬による薬害を、キンブルは指摘していたのだ。
キンブルは、再び大胆にもチャールズに会い、レンツが黒幕だろうと言う。
しかし、レンツは昨年交通事故で死んでいた。驚くキンブル。
またもジェラードがチャールズの所へ。
今度はチャールズは、キンブルに会った事を否定。
レンツの写真を見せられても、知らないと言う。
もう、ここで、彼が犯人という事は、見当がついてしまう。
007で悪役を演じた男が、ここまでほとんど登場しなかった上、
黒幕がいるらしいと言う雰囲気になった段階で、彼に疑いがかかるのだが。
キンブルは、めちゃ大胆にも、自分の病院へ。
キンブル自身が実験した、新薬のテスト結果のサンプルを借りる。
このサンプル貸出係の老人を、キンブルは気づいちゃいまいと考えていたが、
奥さんの件はどうなりましたと聞かれギクリ。
これからが勝負だと答え、老人は、その後ジェラードの追及にも口を閉ざすのだ。
続いて、キンブルは、同僚で彼の無実を信じている女性医師の所へ。
サンプルを顕微鏡で見た結果、すり替えられている事に気づく。
そして、キンブルは、黒幕が誰か確信し、彼に会うために出ていった。

 一方、元警官の例の何とか宅は、監視されていたが、
男が消防車を呼び、騒ぎの最中にマンマと外へ出る。
彼はキンブルを探すが、見つからない。
そこで黒幕らしき人物へ電話。あんたに言われたところを探したが、いないぞ。
だが、そこへキンブルが現れ、男は追跡を開始する。
キンブルは地下鉄で移動。
しかし、向かいの席に座る乗客が、キンブルが新聞の男だと気づく。
あわてて鉄道公安官に連絡。公安官は電話連絡。
弱ったキンブルは、立ち上がってウロウロ。彼の目の前に、例の片腕の男が出現。
格闘になる。だが、事情を知らない公安官が、キンブルを呼び、
振り返った男は公安官を射殺。
そのスキに、キンブルは非常ブレーキをかけ、列車は急停止。
再び格闘になり、男を倒したキンブルは、公安官の手錠で縛りつけ、逃げる。
市警は、キンブルを公安官殺害犯として手配。
だが、ジェラードは、これに疑問を感じ、キンブルを追跡。
彼が行く場所は、想像がつく。

 そこは、とあるホテルの最上階。
そこでは、例の製薬会社の重役に就任した、チャールズをたたえるパーティが。
チャールズは、新薬の有効性を説明。
そこへ、指名手配中のはずのキンブルが現れたものだから、場内は騒然。
チャールズはあわてて、特別室で話そう等と言う。
キンブルは、おまえのしわざだ。おまえしかサンプルをすり替えられない。
そして、妻を殺し、薬害に気づいたおれに、罪を押しつけたのだと言う。
だが、特別室に入ると、チャールズの態度は一変。
あきらめの悪い奴だ等と言いながら、格闘に。
一方、ジェラードはホテルへ到着。ホテルを封鎖し、自らは最上階へ。
キンブルと2人は、格闘しながら部屋を出て屋上へ。
ジェラードもかけつけ、互いに物陰に隠れて様子をうかがう。
市警は、キンブルを公安官殺人犯と決めつけているので、
ヘリから狙撃手がキンブルを狙う。
あわてたジェラードは、自分に当たりそうだ等とでまかせを言い、狙撃をやめさせる。
キンブルとチャールズは、再び格闘に。
天窓から2人は落下。なぜかその下はエレベーターで、ワイヤーすらない。
2人は気を失う。キンブルは、エレベーターの箱の上。
チャールズは屋根を突き破って、箱の中だ。気づいた彼は停止して逃げる。
キンブルも後を追う。ジェラードは、その階を封鎖。
そこは、クリーニング室で、天井から吊るされた洗濯物で隠れる場所はたくさん。
たがいに様子をうかがう。
ジェラードは叫ぶ。キンブル、君は公安官を殺していない。そして、妻も。
あの日、パーティの最中、チャールズは車を借り、
そこにあった鍵で家へ侵入したのだ。
真相を知るキンブル。だが、チャールズとの決着がまだだ。
チャールズは、警官を殴って銃を奪い、ジェラードを狙うが、
隠れていたキンブルが、鉄棒でチャールズを殴り倒す。
現れるジェラード。もう逃亡は止めろと言う。キンブルは鉄棒を捨てる。
よかった。疲れたよと言うジェラード。
表では、報道陣が集まり、市警に公安官殺人事件について質問が。
市警は、キンブルが犯人と断言。
そんな中、ジェラードに付き添われて、キンブルはパトカーへ。
しかし、車に乗るや、ジェラードは手錠をはずさせる。
やさしいんだなと言われると、そうだろと答えるジェラード。
2人を乗せて、パトカーは去っていった。

 と言うわけで、無実の罪で追われた男の話で、
製作にテレビの関係者も参加しているそうなので、設定はほぼ同じ。
冒頭は、ダムのシーンまで、あっという間に、危機が2発もあって
それが双方かなりやばい状況だったので、
このテンションを維持できるとしたら、恐るべき映画になると思ったが、
その後はややだれ気味。
真犯人は誰かと言う調査に関心が移り、その間も追跡はあるが、添え物的。
前述の通り、途中で真犯人は察しがつき、
推理ものにありがちな、それを否定する要素は登場しない。
推理ものに移行したのに、これでは拍子抜けだ。
製薬会社をめぐる陰謀ぽい話は、やや必然性の点で弱い気がするし。
なんて事で、やや批判的な面もあるのだが、
やっぱり、見せ場を面白くしようと言う努力は評価できる。
ジェラードを演じた、トミー・リー・ジョーンズが、この後、株を上げたと評判で、
確かに、最後に見せた優しさなど、普通なら憎悪を抱いていそうだが、
本当に職務だけで追跡していたプロっぽさに、けっこういいものがある。
ま、気になるのは、キンブルが逃亡中に犯した細かい犯罪は、どうなるかと言う事だ。
情状酌量の予知ありとも考えられるが、検察側が誤審を認めたがらないだろうし。
あと、やっぱり、最初のテンションを維持してほしかったと言う気持ちが強い。
 

追跡者(98)

 特別捜査官ジェラード(トミー・リー・ジョーンズ)は
凶悪犯マーク(ウエズリー・スナイプス)を含む囚人の護送に同行。
中国人囚人らが発砲し機は墜落。マークは逃走し、ジェラードが追跡する事に。
FBIはロイス(ロバート・ダウニーJr)に捜査を協力させる。
護送機の墜落には、整備士ケビンの関与が疑われるが、中国人に殺される。
マークはCIA工作員として国家の仕事についていたが、
国防省の情報が中国に漏れた事件で、調査中の捜査員を射殺したらしい。
マークは墓地でCIAバローズを追求。彼は上司に情報漏れが発覚されかけ、
マークに罪を着せたのだ。だが中国人チャンにバローズは殺され、マークは逃走。
老人ホームへ逃げ込むが、ロイスは捜査官ニューマンを射殺し、マークのせいにする。
ジェラードはマークが貨物船で逃走するとにらみ捜査。
撃ち合いでロイスはマークを始末しようとするが、
彼を怪しんでいたジェラードが射殺。マークの起訴は取り下げられる。

 と言うわけで、「逃亡者」のジェラード捜査官を主役にした続編だが
スナイプスを悪役にしてそれを追う展開に。
だが、彼が真犯人でないとわかってくると、
当然犯人はダウニーJrに違いないと読めてしまうのが難。
展開的にも前作の焼き直しと言う印象を否めない。
音楽はジェリー・ゴールドスミス。

TV放送 1999/12/12 BS05 2000-2213
 

透明人間(92)

監督 ジョン・カーペンター

 やり手会社員ニック(チェビー・チェース)は、マグナ社の講演に出席。
核融合実験の事故で光線を浴び、分子が不安定になり、透明化してしまう。
CIAのジェンキンス(サム・ニール)は工作員に最適と彼を追う。
逃げ回るニックは、食事をするのも一苦労で、空腹に悩まされる。
ジェンキンスの狙いを知ったニックは、友人の別荘で生活する事に。
だが、恋人アリス(ダリル・ハンナ)が現れたため、彼女には正体を明かす。
化粧で顔を描き、列車での逃走を計画。だが、アリスが捕らえられてしまう。
アリスと交換との条件で、ジェンキンスを工事現場におびき出す。
ニックは服を落とし、あわてたジェンキンスは転落死。CIAは事件を闇に葬る。
そして透明なままのニックとアリスは、スイスで幸せにすごした。

 と言うわけで、やや古くさいSFと言う印象の透明人間ものの現代版。
食べ物が見えるあたりがリアルだが、服が見えたり見えなかったりするのが気になる。

TV放送 94/05/11  BS05  21:00-22:57
 

透明人間ジェミニマン(75)(TV作品)

 某国の人工衛星が落下し、インターセクトとロイス工業が引き上げ作業に参加。
だが妨害工作で衛星は爆破され、作業中のサムが被爆。DNAの変化で透明人間に。
安定装置で自由に消える事が可能に。その能力を利用してスパイ活動する。
事件がロイス工業の副社長らの陰謀と知り、飛行機で酸欠で殺されかかる社長を救出。

 と言うわけで、600万ドルの男とかのバリエーションだが、
透明人間と言う、最も非科学的なものが主人公なので、今見るとバカバカしい。

TV放送 95/06/22  12CH  12:00-14:00
 

遠い空の向こうに(1999年アメリカ)

 57年。ソ連は初の人工衛星スプートニクの打ち上げに成功。
炭坑の町で責任者をするジョンの息子ホーマーは、自分も打ち上げたいと考える。
友人オデルらと組み、花火を作るが柵を壊しただけ。
資料はほとんどなく、変わり者のクエンティンを仲間に、本格的に取り組み出す。
父の部下バイコフスキーに溶接を依頼。女教師ライリー(ローラ・ダーン)も応援。
打ち上げたロケットが採掘場に突っ込み、父は敷地内でやる事を禁ずる。
仕方なく、郊外にある広場まで行き、そこで実験を再開。
ロケットもどんどん改善。見物客も増えるが、失敗すれば物笑いの種だ。
だがロケットは垂直に上がるようになり、新聞社も取材に。
尊敬するフォン・ブラウン博士からの手紙が届く。
しかし、警察は先日の山火事がロケット事件のせいと断定。実験は中止する事となる。
炭鉱の事故でバイコフスキーが死に、父も入院。ホーマーは炭坑で働く事に。
ライリーがホジキン病で余命わずかと知り、再び勉強を再開。
落下地点を計算し、山火事が無関係であると証明。校長も認め、科学フェアに参加。
父の反対を押し切り出発。だが、展示用のロケットが盗まれてしまう。
父と和解し、ロケットをあわてて作成。バスで届け、最優秀賞を得る。
帰宅したホーマーは、皆の前でライリー号を打ち上げ、父がそのスイッチを押す。
31歳でライリー先生は死ぬ。父も黒肺病で死に、鉱山は廃止に。
大学を卒業したホーマーは、その後、NASAのエンジニアとなった。

 と言うわけで、実話に基づくと言う作品で、宇宙を夢見る少年の話だが、
ライトスタッフのような、現場の物語までは行かず
4人がほのぼのとしたムードで取り組む姿は、「スタンド・バイ・ミー」風。
しかし、父との確執のあたりになると雰囲気は変わり
まあ、最後に父も彼の仕事を認めて成功するからいいようなものの
ちょっと重苦しい感じ。
本当にNASAの技術者になったらしいが、そこまで見たかった気もする。

TV放送 2001/08/12 BS05 1700-1855
 

遠すぎた橋(77)

 監督 リチャード・アッテンボロー

 第2次大戦末期。
ノルマンディの成功に勢いづいた連合軍は、一気にドイツまで進行する事を計画。
マーケットガーデン作戦というこの計画は、
空挺部隊が占領下オランダの5つの橋を占拠し、続く機甲師団に道をあける計画だ。
しかし、最後の橋は最前線から100kmも先にあり、遠すぎると言う声もある。
各基地より空挺部隊が出動。だが、第1の橋ソン橋は、空挺部隊到着前に爆破される。
米空挺部隊スタウト大佐(エリオット・グールド)が橋の修理を指揮。
アイルランド機甲師団バンデラー中佐(マイケル・ケイン)は独軍との戦闘で苦戦。
独軍のビットリッヒ中将はアーンエムへ、
ルードビッヒ少将(ハーディ・クルーガー)はナイメーヘンへ急行。
彼らは橋の破壊を提案するが、モーデル元帥が許可しない。
英空挺部隊フロスト中佐(アンソニー・ホプキンス)隊は
アーンエム橋へ到達するが、独軍戦車部隊らに包囲を受ける。
米空挺部隊ギャビン准将(ライアン・オニール)隊は、ナイメーヘンで苦戦。
英機甲師団は、第3の橋グラーブを通過。
英空挺部隊アーカード少将(ショーン・コネリー)隊も独軍に包囲される。

第4の橋ナイメーヘンでは、
英機甲師団ホロックス中将(エドワード・フォックス)らが苦戦。
米空挺部隊クック少佐(ロバート・レッドフォード)は、ボートで川を渡る事を計画。
渋滞でボートは遅れて到着。クックらは激しい独軍の攻撃の中、対岸に渡る。
ルードビッヒは橋を爆破しようとするが、失敗。
だが、クックらは命令で先へ進む事ができない。
フロスト隊はルードビッヒ隊に降伏。
出動の遅れたポーランド空挺部隊ソサボフスキー少将(ジーン・ハックマン)隊が
ようやくかけつけるが、敵の待ち伏せを受ける。
アーンエム郊外の医師(ローレンス・オリビエ)は、
負傷兵を撤退させるために休戦を要求。ルードビッヒがこれを飲む。
機甲師団は2kmまで接近するが、撤退を決定。
命からがら撤退したアーカードは、ブラウニング司令官宅へ赴く。
モントゴメリー元帥は作戦は90%までは成功だったと喜び、
ブラウニングはあの橋は遠すぎたと言う。

 というわけで、空挺部隊だとか、機甲師団だとか、
軍隊の事がよくわからない者にはややこしい話。
おまけに、いろんな国の連合軍だから、よけいややこしい。
それに、5つの橋の話が前後して展開するので、
いったいどうなっているのか、よくわからなかった。
しかし、よくよく考えると、オールスターキャストの誰もたいした事はしていない。
レッドフォードなどは、後半まで出てこなかったクセに、
高いギャラをとるとはけしからん。
ジェームズ・カーン、デンホルム・エリオットも出演していたが、チョイ役。
実際の戦争と言うのはこういうものかも知れないが、わかりにくいのはいたたげない。

TV放送 91/09/26  12CH  20:02-22:48
 

今日はトータル・リコール(90)を見た。

 アーノルド・シュワルツェネッガー主演のSF映画で、
ロボコップのポール・バーホーベン監督というこの作品は
疑似の記憶を作るという商売によって、
かつての消された記憶がよみがえってしまうという話である。
これは寺沢武一のマンガ「コブラ」の出だしと同じ設定だが、
トータル・リコールの原作は古いらしいので、あっちの方がまねしたのかも知れない。
しかし、ドイツ人というポール・バーホーベンにかかると、
ロボットが刑事になるという、日本ではよく聞く話の映画化であっても、
異様な世界を作り上げてしまった。
(ところが、監督が代わったロボコップ2は、実にノーマルな作りでいまいちだった)
かつては、デカルト先生も「我、考える故に我あり」などと称して
自分の存在を証明したものだが、記憶を植え直すことが可能となれば、
本当に自分が自分なのかどうか、誰にも証明できない気がしてならない。
こうした設定を、ポール・バーホーベンがどう描くか
これは非常に興味のあるところである。

 時代は21世紀。火星を探検しているシュワちゃんと女。
しかし、シュワちゃんが足を踏み外して谷底へ落ちてしまう。
ショックで宇宙服のマスクが壊れる。
人間はゴリラ3頭分の空気の重さに耐えているので、
宇宙では、服が人間に圧力をかけないと、破裂してしまうのだと聞いたことがある。
というわけで、目の玉が飛び出しそうになったところで、目がさめるシュワ。
シュワはシャロン・ストーン(キング・ソロモンの秘宝)扮する奥さんと夫婦だが
ここのところ、火星の夢ばかり見ている。
おまけに夢に出る女はまったく記憶のない相手だ。
気になって仕方がないシュワは、夫婦で火星へ行こうと提案するが
シャロン・ストーンはあまり乗り気ではない。
この頃、火星は植民地となっているが、
どうもゲリラとかが出て治安はよくないらしい。
コーヘーゲンという長官のもとに圧制がしかれているのだ。
このコーヘーゲンに扮するのが、ロニー・コックス。
ビバリーヒルズ・コップの警部や、
ロボコップの最後にやられる副社長で知られている。
シュワは地下鉄で仕事に出かけるが、
この頃の地下鉄は金属探知機、
というよりはレントゲンみたいなものの前を通らないと乗れない。
この地下鉄は吊り広告の代わりに、テレビがたくさん乗っていてCMをやっている。
そこでやっていたCMが、どんな希望も疑似体験できるという
夢を植え付ける商売、リコールだ。
そこに出てきた火星のイメージが、夢に似ていたので気になるシュワ。
工事現場で働いている彼は、同僚に相談するが、
植物人間になった者もいるぞと反対される。

 結局、リコールを試す事にしたシュワは、
コースとして一も二もなく、火星を選ぶ。
最近は自分の設定自体から変えるコースもあるというので
彼は火星にいる情報員という設定を選ぶ。
そして、途中で出会う美女として、夢に出てきた女と同じ設定を選ぶ。
こうしてリコールを試すシュワだが、突然やばい!とか言って暴れ出した。
リコール社の科学者たちは、麻酔でシュワを眠らせるが、
どうやらシュワは、かつて本当に火星でスパイをしていて、
その記憶を消されていたのだが、リコールでそれがよみがえってしまったらしいのだ。
リコール社はこの事件を隠すため、シュワの記憶を消してタクシーに乗せて家へ返す。
タクシーで目覚めたシュワは、なぜそんな場所にいるのか不思議に思うが、
リコールへ行くことを反対していた同僚は、
シュワにリコールを試した拍子に何か話したのではないかと聞いてくる。
彼を連れていこうとする同僚を、
シュワは自分でも驚くあざやかな手際で倒してしまう。
あわてて帰ったシュワは、奥さんのシャロン・ストーンに事情を説明し
血を洗うために洗面所へ行く。
しかし、シャロン・ストーンは出てきたシュワを機関銃で攻撃。
何とかシャロン・ストーンを捕まえたシュワは事情を聞く。
それによると、シャロン・ストーンはシュワの本当の奥さんではなく、
何やら重大な秘密を知ってしまったシュワの記憶を消し、
別の設定で生きてもらうために、記憶をすげかえて
まるで7年間結婚生活していたかのようにしてきたのだ。
追っ手が来たと知ったシュワは逃げ出す。
この追っ手のリーダーがTVシリーズ「V」のレジスタンスを演じた
マイケル・アイアンサイド。
もっともVの役柄は例外的で、だいたいは悪役が多い。
彼は自分の女を、シュワの妻という設定に貸していたので、かなり頭にきている。

 何とかホテルの一室に逃げこむが、そこになぜか電話がかかってくる。
シュワの体には発信機が仕込まれているので、
どこへ逃げても見つけられてしまうのだ。
味方らしき男からカバンを受け取ったシュワは、タクシーに乗って逃げる。
この時代のタクシーは、運転手がロボットになっているが
こいつが言うことをなかなか聞かないので、
頭にきて壊してしまい、自分で運転を始める。
何とか逃げ切るが、タクシーはおかしくなって爆発してしまう。
カバンを開いたシュワは、そこにいろいろな道具が入っているのを見つける。
その中のモニターに自分そっくりの男が映る。
その男は、君は君じゃなく私なのだなどと言い出す。
映画を見ている間は、この言葉の意味がよくわからず、
シュワは、このモニターの男の身代わりとして
顔も記憶もすげ替えられたのかと思っていたが、どうもつじつまがあわない。
パンフレットを読むと、記憶をすげかえられることを察知したシュワが
自分に向けてメッセージを残したのだと言う。
ややこしい話を想像したのに、あまりにも単純な話だ。
これだから、ややこしい話はギャップがあっていけない。
モニターの指示に従って、鼻の穴に棒を突っ込んでバカでかい発信機を抜くシュワ。
つづいて、火星の何とかホテルへ行けと言われる。
かけつけたマイケル・アイアンサイドたちから逃げ出すシュワ。
地下鉄の駅へ逃げるが、今度は銃をもっているのでレントゲンに引っかかってしまう。
前からは地下鉄の係員、後ろからはマイケル・アイアンサイドたちにと
はさまれたシュワは、何とレントゲン装置を体当たりで破って、
マンマと逃げてしまう。
警備が厳重なはずなのに、困ったものだ。
エスカレーターで銃撃戦になる。後ろにいた通行人がやられてしまうが
(他にも大勢まきぞえをくらっている)
何とシュワはそれを盾にして、通行人の死体ごしに撃ったりして
地下鉄の窓を撃ち破り、飛び乗って逃げきる。
中のテレビで実際に火星へ行こうとCMしていたのでピンとくるシュワ。
しかし、周囲の人はこの乱暴な男をとがめなかったのだろうか?

 シュワが火星に来ると見越したマイケル・アイサイドたちが空港へ来ている。
マイケル・アイアンサイドはロニー・コックス長官の命令で動いていた。
ロニー・コックスは命令しか出さないタイプで、その意味まで考えさせない。
ま、それはいいとして、税関に中年の婦人が現れる。
この婦人はCMを見ていた我々は百も承知なのだが、シュワなのだ。
この時代には何だか変な変装装置があるようで、どう見ても中年の婦人だったのだが、
途中から調子が悪くなって簡単にばれてしまう。
かけつけるマイケル・アイアンサイド。
頭がはずれたシュワは、それを警官に投げつける。爆弾になっていて爆発する頭。
空港の窓が割れて、空港内のみんなが外へ吹き飛ばされそうになる。
シャッターが閉じるが、シュワは逃げてしまう。
その後乗った列車で、シュワはエイリアンが作ったという巨大な山を見る。
何とかホテルにたどりついたシュワは、偽名で預けられた品物があることを知る。
それは「最後の楽園」というHな店の広告だった。
黒人の運転手のタクシーでこの店へ向かうが、
実はこの店はレジスタンスのたまり場だった。
この店でシュワはメリナという女を指名しろと指示されていたが
どうやら、このメリナはシュワの彼女だったらしい。
しかし、シュワは記憶がないとか結婚したとか、
わけのわからないことを言い出したので、
メリナはシュワをスパイだと誤解して、怒って行ってしまう。

 ホテルに戻ったシュワの所へ1人の男が現れる。
彼はリコール社の人間で、その説明ではシュワはリコールで精神分裂を起こし
いまだに夢の中にいるのだと言う。この男はこういう時にのみ現れるのだ。
この状態から抜けるためには、夢の中で眠らなくてはならない。
妻のシャロン・ストーンまで現れて、シュワに睡眠薬をすすめるが
夢なら撃っても大丈夫のはずと男を脅してみると、男が汗をかいたので
うそと見抜いて撃ち殺す。
とたんに一味が現れ、
気絶したシュワはマイケル・アイアンサイドのところへつれて行かれそうになるが、
メリナが現れて一味を倒す。
シャロン・ストーンと格闘になるメリナだが、
気がついたシュワがシャロン・ストーンを射殺する。
メリナは、シュワが一味に狙われたことから信用したのだ。逃げる二人。
彼らは偶然にも、先刻の黒人の運ちゃんと合流して、レジスタンスの隠れ家へ逃げる。
運ちゃんは不審がられるが、
彼はレジスタンスの大部分をしめるミュータントだったのだ。
(火星では原発の事故等でミュータントが増えていた)
しかし、追っ手のマイケル・アイアンサイドたちは「最後の楽園」を襲い
シュワたちをかくまったということで、彼らを射殺。
(この時、壁のモニターに「ロボコップ」が映っていたような気がした)
そして、この地区の空気の供給をストップしてしまう。

 シュワはレジスタンスのリーダーに会う。
何と彼は、こいつがリーダーか?と思った男の腹に、
できもののようにできたミュータントだったのだ。
彼らは、ロニー・コックスたちが執拗にシュワを追うのは
シュワの知っている記憶が重要な事だと確信し、
超能力を持つリーダーは、シュワから記憶を引き出す。
それは、エイリアンが作ったという山に、
何か隠された秘密を発見したロニー・コックスたちの姿だった。
しかし、この地下の隠れ家を、マイケル・アイアンサイドたちは
ウルトラ警備隊のマグマライザーのような地下をもぐる車で襲撃。
実は、黒人の運ちゃんが密告していたのだ。
レジスタンスのリーダーは射殺され、シュワとメリナはとらえられる。
リーダーは断末魔にリアクターを引けと言った。

 ロニー・コックスのところへ連れてこられる2人。
彼によれば、シュワはレジスタンスのリーダーを見つけだすために
今までの話のような設定で踊らされていたと言うのだ。
でも、何もエイリアンの山とかいう重大な秘密を知っているシュワを
利用する必要はないと思うのだが……。
いずれにせよ、ロニー・コックスはシュワとメリナの記憶を消し
平凡な夫婦にしようとする。
再び、リコールにかけられるシュワとメリナ。
しかし、驚いたことにとんでもない怪力で、リコールの機械を壊すシュワ。
メリナを助け、係員たちを倒す。
酸欠状態で倒れている仲間たちを助けようとするメリナに対して
シュワはエイリアンの山に向かおうとする。
そこにあるリアクターとかいうものを作動させると、空気ができるというのだ。
しかし、そんなものが作動したら、民衆も空気に不自由しなくなり、
ロニー・コックスとしては搾取がしにくくなるというわけだ。
待ち伏せしていた黒人の運ちゃんを倒して、山に侵入する二人。
マイケル・アイアンサイドたちの襲撃を受けるが、
これを次々と倒して、後はマイケル・アイアンサイドのみ。
工事現場用のエレベーターの上で格闘する2人。
建物との間にはさまれて腕がちぎれて、落ちていくマイケル・アイアンサイド。
ついに手の形をしたリアクターというものを見つける。
ここに手を当てると作動するのだ。
しかし、そこへロニー・コックスが現れる。
彼はリアクターを作動させると火星が溶融してしまうと言う。
リアクターを爆破しようとするロニー・コックス。
そこへメリナがかけつけて、あれこれして爆弾が爆発。
空気が吹き出して3人は飛ばされそうになる。
いろんなものにしがみつく3人。リアクターに引っかかったコードをつたって
リアクターに接近するシュワ。
外へ吹き出されるロニー・コックス。破裂してしまう。
リアクターを作動させるシュワ。吹き飛ばされる2人。
地震が起こり、山から空気が吹き出す。
顔が破裂しそうになるが、危機一髪で空気が火星を包み、彼らは助かる。

 というわけで、2時間に満たない映画のくせに
あらすじがこんなに長くなるほどややこしい割に、
つじつまがあわない箇所がいくつかあるのは、この手の話にありがちの事だが
やはり、ポール・バーボーベンだけあって、なかなか特殊な雰囲気があった。
最初から最後まで追っかけあいと、力のはいる格闘が続いて
深く考えなければ面白いが、深く考える方なのでちょっと引っかかりが残る。
 

トータル・リコール(2012年米カナダ)

ダグラス・クエイド 工場の作業員(コリン・ファレル)
ローリー ダグの妻。警官(ケート・ベッキンセール)
メリーナ ダグの夢に出た女(ジェシカ・ビール)
コーヘイゲン長官
マサイアス レジスタンスのリーダー
カール・ハウザー マサイアスの右腕
ハリー ダグの友人

 21世紀末。地球上の居住可能区域は、
富裕層のブリテン連邦UFBと労働者のコロニーに限定される。
労働者は、フォールと言う乗り物で、地球の裏側にあるUFBへ出勤するのだ。
労働者のダグは、敵に追われる謎の夢に悩まされていた。
妻ローリーは警官で、UFBで発生した爆破テロを捜査。
マサイアスをリーダーとするレジスタンスの犯行で、
カール・ハウザーがマサイアスの右腕と言われていた。
同僚の勧めで、ダグはリコールと言う夢を体験できるサービスを受ける事に。
諜報員の体験を希望するが、寸前に本物の諜報員と言われ、警察に追われる羽目に。
帰宅すると、妻ローリーは意外な事を言う。
ダグは他人の記憶を移植されており、正体は不明だが、彼女が監視していたのだ。
逃走したダグは、ハモンドと言う男から連絡を受け貸金庫へ。
そこにはダグ自身が残したメッセージがあり、アパートへ向かえと言う。
空港で追っ手に見つかったダグを、
夢で見た女性メリーナが助け、彼女と共にアパートへ。
そこに残したメッセージから、ダグこそカール・ハウザーと判明。
UFBのコーヘイゲン長官が、マサイアスを始末するために彼を送り込んだが、
メリーナと出会い、寝返ったのだ。
現れた友人ハリーは、それはリコールによる幻覚だと説明。
ダグは迷うが、メリーナを信じ、ハリーを撃って退散。
メリーナは、ダグをマサイアスの隠れ家へ連れていく。
そこはUFBでもコロニーでもない、廃墟となったノーゾーンと言われる場所だった。
ダグはマサイアスに会うが、
実はダグはコーヘイゲンによって記憶を消された二重スパイで、
マサイアスの居場所を突き止める為に利用されたのだ。
コーヘイゲンの兵士は総攻撃を用意。
ダグはコーヘイゲンと格闘。フォールを破壊し、コーヘイゲンを落として倒す。
さらにローリーに襲撃されるが、彼女も射殺。
コロニーは独立し、抑圧は終わりを遂げたのだ。

 と言うわけで、トータルリコールと言えば、もちろんシュワ主演のSFアクション。
本作は、その強い印象を恐れず取り組んだリメイク作だ。
コリン・ファレルが旧作のシュワに当たる主人公で、
リコール装置で隠された記憶が蘇る訳。
てな展開は、誰でも知ってる小説の映画化みたいで、そこに意外性は期待できない。
(ラストに若干ひねりがあるけど)
旧作では、主人公がどんな危機に陥っても、
シュワだから何となく乗り切れちゃう強引さがあった。
本作はそこらは丁寧に描いてる。
旧作はシャロン・ストーンも印象に残るが、前半で退場してもったいなかった。
本作のベッキンセールは、クライマックスまで生き延び、
マイケル・アイアンサイドの役柄も継いだ感じ。
荒廃した火星へは行かず、未来都市の上で展開するあたりも工夫を感じる。
エレベーターの上で戦うシーンは、同じ原作者のマイノリティリポートを連想させる。
全体として強引な印象があった旧作に比べ、丁寧に作ってはいるが、毒が抜けた感じ。
肝心のリコール装置によって、どういう体験が出来るのかがまったく描かれず、
いきなりいわば誤作動を見せられるのも困りもの。

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新トータル・リコール

 地球へ鉱石を送っている火星へ、コーションと言う男が到着。
コーシャンは、副長官クレメントの指示で兄が殺された事件を調査。
火星では、最高のエネルギー、サイレックスを作り出しているが、
一方で、疫病が蔓延している。兄はリンゴ一味と麻薬売買に手を出していたらしい。
疫病の原因が、サイレックスにあると突き止めた医師が殺される。
子供たちが奇病になり、会社はその事実を隠しているらしい。
リンゴと対決の末倒し、黒幕だったクレメントをドーム外に放り出して会社を辞める。

 と言うわけで、新と言われても、シュワちゃんが出ているわけでもなく
物語にトータル・リコールとの関連性はほとんどない。火星が舞台になった程度。
有名な俳優もなく、何やら陰謀も、この時代の設定がわからないので
それが深刻な事なのかどうか、どうもピンと来ない。

TV放送 2001/08/24 11CH 0212-0359
 



 007前哨戦「トーマス・クラウン・アフェアー」(99)を見た。

 この映画はスティーブ・マックイーン主演の「華麗なる賭け」のリメイクだそうで
マックイーンの映画はだいたい見たつもりでいたが、よく考えたら、これは未見。
今回の作品では5代目ボンド、ピアース・ブロスナンが主演。
相手役は「リーサル・ウェポン」他で男勝りの女性を演じたレネ・ルッソ。
ブロスナンの役柄は、富豪でありながらスリルを楽しむために泥棒をする男で
そう言う意味でおしゃれな泥棒映画が見れるかも知れない。
監督は「ダイ・ハード」のジョン・マクティアナンだ。

 冒頭は精神分析医(フェイ・ダナウェイ)が
投資会社を切り回す富豪トーマス・クラウン(ピアース・ブロスナン)
の診断をするシーン。分析医はその後も何回か登場するが、本筋には影響なし。
実はフェイ・ダナウェイはオリジナルでマックイーンの相手役をしたわけで
それに敬意を表してと言うことらしい。
ニューヨーク。美術館によくわからない美術品が届き、係員は仕方なくそれを倉庫へ。
夜になると、その馬の模型みたいな物の腹をさいて、中から男たちが現れる。
まさにトロイの木馬作戦。彼らは赤外線センサーとかを避け、何やらエアコンに細工。
翌朝になると、彼らは警備員に扮するが、警備員は大勢いるらしくて誰も気づかない。
一方、美術館にクラウンが到着。彼は目玉の時価1億ドルのモネの絵ではなく
別の絵が気に入っているとか、顔なじみの警備員に話す。
その頃4人組は、上司が呼んでるぞとか言って、本物の警備員を追い出し
装置の故障のため閉鎖ですと言って、モネの絵の部屋から客を追い出す。
異常に気づいた本物の警備員は、モネの絵の部屋のシャッターを閉める。
美術館は大混乱で、逃走する4人組に足を引っかけて倒すクラウン。
だが彼は、締まりかけたシャッターをアタッシュケースで止め、
隙間から部屋の中へ。すばやくモネの絵を取り外し、室内にあったケースに入れる。
そしてそのまま混乱に乗じて逃走してしまう。
警察マッキャン警部は実行犯4人を逮捕するが、肝心のモネが消えて頭を抱える。
保険会社調査員のキャサリン(レネ・ルッソ)は、別に黒幕がいるとにらむ。
エアコンを切ったのは、室温を上げサーモセンサーに反応されないためだ。
モニターには、ベンチの下に足のようにスーツケースが隠されているのが写され
本当の犯人は、そのケースに絵を入れて持ち去ったに違いない。
だが逮捕された4人は、依頼主の指示通りに動いただけで、その正体も知らなかった。
そこでキャサリンは、モネ愛好家のリストを調査。
その中に、現場にいて犯人の逮捕に協力したクラウンの名前を見つける。
キャサリンはクラウンが犯人だと直感。
マッキャン警部は、大金持ちが買い取れる絵を盗む必要があるかと疑うが
キャサリンは、盗むスリルを楽しんでいるのだと考える。
クラウンはスリルのために、高価なヨットをパーにするほどの人物だ。

 クラウンは美術館への寄付金集めのパーティを開催。
さらには、モネの絵の場所に一時的にピサロの絵を貸し出す事に。
キャサリンはクラウンに接近。
しかも自分が調査員で、クラウンを犯人と思っていると大胆に宣言する。
普通なら避けられそうだが、クラウンは逆にキャサリンを気に入る。
マッキャン警部は、彼女の大胆な行動にあわてて、家宅捜索に踏み切るが
法的根拠がないと追い返されてしまう。
そこでキャサリンは、クラウンに接近しまんまと鍵を盗み出し、合い鍵で家に潜入。
家の中を探し回り、隠されたモネの絵を発見。
してやったりと喜び、それを持ち帰るが、贋作と判明する。
もちろん、キャサリンらが家に忍び込むと想定しての罠だが、
限りなくクロに近くても、不法侵入したし、絵は本物じゃないから手が出せない。
屈辱を味わったキャサリンは、パーティへ乗り込む。
そこでは、キャサリンを愛しているような事を言ったクラウンが、
若い女性アンナと踊っている。さらに屈辱を味わうが、負けるもんかと割り込む。
腹を探り合いつつ、2人は急接近。クラウンは自分の自家用グライダーに乗せ
カリブ海の別荘へ。くつろいだキャサリンは裸を披露。
レネ・ルッソ、どうしてこの歳になって裸にと言う印象は否めない。
クラウンは絵を盗んだ事は半分認めたような状態で、
不動産を売って共に逃走しようと誘われる。
だがキャサリンは、クラウンが彼女を愛していると言う気持ちも
アンナと言う女性の存在で信用できないし、
プロとして本物のモネを奪い返す事に意欲も燃やす。
そんな中、クラウンは明日モネを返すと言い、その方法は彼女にも明かさない。
警察が警戒する中、山高帽にステッキと言う目立つ服装でクラウンが現れる。
ところが、彼の手の者が大勢同じ服装であっちにもこっちにも現れ警察は右往左往。
クラウンは非常ベルを鳴らし、スプリンクラーから水が出てピサロの絵にかかる。
おいおい絵が台無しになるぞ。と思うが、ピサロの絵と思ったのは実は水彩画で
水で絵の具が落ちると、下からモネの絵が現れる。
最初からモネは美術館に返されていたのだ。
クラウンは姿を消し、なぜかマッキャン警部は、犯人と確定した彼を見逃す。
彼を追えと言われ、キャサリンは待ち合わせたヘリに行くが、クラウンは現れず。
失意のキャサリンは飛行機に乗るが、その後ろの座席にはクラウンが。
彼は、アンナは以前使っていた贋作家の娘で
今回も水彩画のトリックに使用したと言う。
安心したキャサリンと、キスしたりして物語は終わる。

 と言うわけで、おしゃれな泥棒の話と言うのを期待してみたが
冒頭の盗みのテクニックや、最後にこっそり絵を返す手口とかはそんな感じなのだが
ただ、彼の寄付した絵が実はモネと分かった以上、
逃げたとは言え、犯人であることは間違いないわけで
もう二度と表舞台への復帰はできないと考えると、あまりスマートとは言えない感じ。
映画の中盤は、これと言った見せ場もなく、腹のさぐり合いが延々と続く感じで
それもマイナス。ルパン三世みたいな風にした方が面白い気がするんだが。
 

トカレフ(2014年米)

ポール・マグワイア 元組織(ニコラス・ケイジ)
ヴァネッサ ポールの妻
ケイトリン ポールの娘
ケイン ポールの仲間
ダニー ポールの仲間
マイケル ケイトリンの友人
刑事 (ダニー・グローバー)
フランク・オコネル 組織の男(ピーター・ストーメア)
チェルノフ ロシアのボス

 市長の右腕であるポールは、16歳の娘ケイトリンを溺愛する。
だが、妻と外出した夜、何者かの襲撃を受け、
留守番するケイトリンがさらわれてしまう。
やがてケイトリンの遺体が見つかり、ポールの怒りは頂点に。
実はかつて組織の一員だったボールは、当時の仲間ケインやダニーと共に犯人を追う。
やがて、犯行にトカレフが使われたとわかり、ロシアマフィアの仕業と断定。
妻ヴァネッサや、古い仲である刑事は、ポールの行動を黙認する。
ポールらはロシアマフィアを襲撃。
マフィアのボス、チェルノフは、捕らえたケインを痛めつけて、死なせてしまう。
一方ポールは、ダニーが裏切って情報を漏らしたと疑う様に。
ダニーは否定するが、もみ合う内に死なせてしまう。
やがて、ポールはケイトリンの友人マイケルから真相を聞く。
留守番した夜、ポールが元ギャングだと言う話題になり、
隠していた拳銃を持ち出したのだ。
ふざけてる内に、誤ってケイトリンを撃ってしまい、襲撃を受けた様に偽装したのだ。
真相を知ったポールは、マイケルを見逃す。
ヴァネッサは家を出ていたが、ポールはもう大丈夫だと伝える。
だが、戻ってきたヴァネッサは、
一味がポールを襲撃したと知り、ショックを受けるのだった。

 と言う訳で、ニコラス・ケイジ主演のアクション。
ニコラスは組織の一員だったが、今は平穏に暮らしていた。
だが娘が殺され、かつての敵ロシアマフィアの仕業と判断。
仲間と共に仕返しすると言う訳。
物語はどこかで聞いた感じだが、スカッとした復讐劇ではなく自滅的。
終盤まで犯人が現れないと思ったら、CSIとかでありそうな真相が明らかに。
余計な事やっちゃったと言う展開で、まあニコラスぽいよね。

TV放送 2015/04/08 WOWOW 2100-2238
 

チャップリンの独裁者(40)

 監督 チャールズ・チャップリン

 第一次大戦。トメニア国の戦争で、床屋(チャールズ・チャップリン)は、
シュルツと言う男を救出し、重要文書を運ぶが、間に合わず敗戦。負傷して入院。
やがてヒンケル(チャップリン二役)が政権を取り、ユダヤ人の迫害を始める。
病院を抜け出した床屋は、仕事に復帰するが、トメニア兵と衝突。
司令官となったシュルツと再会。シュルツはユダヤ人迫害を禁ずる。
ヒンケルは、オストリッチ侵攻を計画。
ユダヤ人富豪から資金を調達できなかったため、迫害を強化。
反対したシュルツは逮捕され、床屋も狙われ、地下室に隠れ住む。
脱走したシュルツも加わり、ヒンケル暗殺計画を立てるが、隠れ家がばれ逮捕される。
バクテリアのナポロニがオストリッチへ侵攻。
ヒンケルはナポロニと会談。条約を結び、反故にして侵攻を計画。
猟に出たヒンケルは、脱走した床屋と間違えられて逮捕される。
逆に、床屋がヒンケルとして演説に連れていかれる。
その後は録画されていなかった……。

 というわけで、ヒトラーをモデルにしたとしか言い様のない作品で、
そういう意味では、画期的なのだが、現代ではややギャグが退屈で
ヒトラー批判のメッセージを盛り込もうとしたため、やや説教的になっている。

TV放送 91/12/21  BS11  22:30-00:37
 

独身SaYoNaRa!バチェラー・パーティ(1984年アメリカ)

 スクールバスの運転手リック(トム・ハンクス)はデビーと結婚する事に。
デビーはトンプソン家の娘で、トンプソン氏はだらしないリックに反対。
元彼氏のコールに阻止を命ずる。
一方、リックの悪友は独身さよならパーティを計画。
それを知ったデビーは、娼婦を呼べば結婚は反故だと警告する。
高級ホテルに乗り込んだ一同は、誤ってデビーのホテルへ娼婦を呼んでしまい
デビーらは真相を知るため、娼婦に扮して乗り込んでくる。
ところが本物と思われ日本人客の部屋へ招かれてしまう。
妨害しようとするコールや、トンプソン氏を撃退。
デビーがかけつけ怒るが、リックはほしいのは君だけだと力説。彼女も納得する。
らんちき騒ぎに警察もかけつけ大騒ぎに。
一同は逃げるが、コールはデビーを連れ去り逃走。
リックは彼女を救出。格闘の末コールを倒し、無事結婚する事となる。

 と言うわけで、まだ若造の頃のトム・ハンクス主演のコメディ。
物語自体はあまりレベルの高くなさそうなドタバタ。
個人的には、この時期より少し後のハンクスがベスト。
B級アクションの主役俳優マイケル・ダディコフが悪友の中にいるが
ここでは完全に脇役だし、そもそも有名俳優でもないので目立たない。

TV放送 2004/03/21 BS05 1430-1630
 

ドクター(91)

 外科医のジャック(ウイリアム・ハート)は、凄腕だが口が悪く、
患者には感情を抱くなと言うのが信念。おまけに家庭には無関心だ。
ある時、喉頭部の腫瘍が発見され、ショックを受ける。
面倒な手続きの末、検査を受けると、腫瘍は悪性と判明。
放射線治療が始まるが、自らの執刀はやめない。
脳腫瘍の発見が遅れた患者ジューンと知り合う。彼女はやりたい事が多い。
治療の経過は思わしくないが、ジューンは戦うべきと励ます。
ジャックは患者を大切にするようになるが、自信も失う。
腫瘍切除のため、侮辱していたブルムフィールドに手術を依頼。
妻アンは、ジューンと親しくなった事に嫉妬。だが、ジューンも死ぬ。
手術は成功するが、声帯の一部も切除される。
アンは夫に必要とされていないと感じるが、ジャックは「愛してる」と声を出す。
復帰したジャックは、患者の立場を考えた医師になる。

 と言うわけで、医師たちのどこか冷たい雰囲気を反省させる映画。
冷酷な医師が変わっていく過程が面白いが、当人は完治するラストにヒネリがほしい。

TV放送 93/10/10  BS05  20:00-22:07
 

ドクター・コネリー キッド・ブラザー作戦(67)

 国際犯罪組織タナトス団のセイヤ(アドルフォ・チェリ)は、
マヤ(ダニエル・ビアンキ)に指示し、パイロットのオードを爆殺。
カバンを奪い取る事に成功。さらに病院からヤスコという女性を連れ去る。
整形外科医ドクター・コネリー(ニール・コネリー)は、催眠術の知識を買われて
カニンガム中佐(バーナード・リー)の依頼で事件を捜査する事に。
ドクターはノッティの屋敷に潜入し、ヤスコを救出するが、一味に始末される。
マヤらが運搬中の核物質を奪う。タナトス団のアルファ(アンソニー・ドーソン)は
超高周波のウルトラマグネットで、世界中の機械を麻痺させる気だ。
だが、セイヤはアルファに反発しており、部下を見捨てようとしたため、
マヤらは寝返り格闘に。セイヤは城へ逃げ込む。
セイヤは責任を追及され毒殺されるが、モロッコの秘薬で無事。逆に幹部を始末する。
ついに電波を発射し、ロンドンの機械がマヒする。
銃も使えないが、ドクターは催眠術で大暴れ。セイヤと対決。倒して城を爆破する。

 と言うわけで、007関係ではいろいろバッタ物が現れたが
その中でも、ショーン・コネリーの弟を担ぎ出した珍品。
アドルフォ・チェリ、アンソニー・ドーソン、ダニエラ・ビアンキと言う
シリーズにゆかりのある人物もさることながら
当時まだレギュラーだった、バーナード・リーとロイス・マクスウェルのコンビが
本家と同じような役柄で出てくるのも見所。
ロイス・マックスウェルはリーの秘書的存在だが、現場にも出向く。
ボンドの弟ではなく、ショーン・コネリーの弟と言うのが珍妙だし
なぜ整形外科医が催眠術に詳しいかとかも気になるが
全体的に、当時量産されたC級のデタラメな作り。
脇役の豪華さに対して、主役にほとんど魅力がないのもいただけない。
吹き替えは矢島正雄だったが、どうせなら若山玄蔵にしたいところだ。

TV作品
 

ドクターズ・アカデミー全員暴走中!(85)

 医師一家のダメ息子ジェフ(スティーブ・ガッテンバーグ)は、
入学できる入れる医学校がなく、やむなく中米某国のオンボロ大学へ。
アデラ学長(アラン・アーキン)は規則に厳しい上、
宣伝のため、薬もないのに貧しい村へ慰問させる。
村の現状に驚いたジェフやリズ(ジュリー・ハガーティ)は薬を盗んで村人を治療。
村人の支持を受けるが、リズを狙う学長は、結婚せねば退学だと言う。
ジェフは学長を銃で脅し、かけつけた父の目の前で逮捕される。
だが父が発作を起こし彼らが治療。村人の非難も受け、学長は診療所の存続を決める。

 と言うわけで、ポリスアカデミーで人気の出たガッテンバーグと
フライングハイのジュリー・ハガーティを束ねて1本作った話。
コメディ調ではあるものの、ハメはずし方は中途半端。
音楽はラロ・シフリン。

TV放送 2000/07/05 01CH 0145-0333
 

Dr.パルナサスの鏡(2009年英カナダ)

パルサナス博士 (クリストファー・プラマー)
アントン 博士の助手(アンドリュー・ガーフィールド)
ヴァレンティナ 博士の娘
パーシー 博士の助手(オースティンパワーズのミニ・ミー)
ニック 博士と取引した男

トニー・シェパード 博士の見せ物小屋に参加(ヒース・レジャー)
夢の中のトニー (ジョニー・デップ)
夢の中のトニー (ジュード・ロウ)
夢の中のトニー (コリン・ファレル)

 パルナサス博士の移動式見世物小屋では、夢の様な不思議な世界が体験できる。
博士はニックと言う男との賭けに勝ち、永遠の命を手に入れ今は1000歳だと言う。
移動の途中で、首を吊っているトニーと言う男を助ける。
実は彼はパイプを飲み込んで、窒息しない様にしていたのだ。
自分が何者かわからないと言うトニーは、一同に同行する事に。
実はニックと取引した博士は、
その代償として16歳になった娘ヴァレンティナを引き渡す約束をしていた。
それを避けるには、2日で5人の客を集めなくてはならない。
商才があるトニーは、街中に小屋を開き、女性客が殺到。たちまち4人を集める。
だが、5人目は集まらず、トニーは自らが小屋に入ると言い出す。
だが、博士の弟子アントンは、トニーが詐欺師で追われる身だと知る。
どたばたの中、一同は小屋の中へ。
夢の世界でトニーはヴァレンティナと結婚し、慈善家として活躍していた。
だが、かけつけたアントンに本性を明かされ、トニーは追われる事に。
こうなったのは博士のせいだと責め、パイプを飲み込み首を吊る。
だが、博士はパイプをすり替えており、トニーは本当に死ぬ。
ニックは、ヴァレンティナは自由だと言って去る。
 年月は流れ、博士は探していた娘ヴァレンティナが結婚して
幸せな生活をしていると知る。安心した博士は、見世物を続けるのだった。

 と言う訳で、テリー・ギリアム監督作のファンタジー。
パルサナス博士(クリストファー・プラマー)なる人物の怪しげな見せ物小屋があり、
観客に夢の世界を体験させる。
見せ物小屋は移動式で、
途中で首を吊っていたヒース・レジャーを助け、彼も同行する事に。
ヒースは撮影中に急死するが、
どうせ夢の中だからと別の俳優に演じさせると言う手法をとる。
おかげでジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルなんて顔に変わる訳。
(当人も顔が変わった事を意識してる)
過去に死亡の塔みたいな強引な作品もあったが、本作はまあ良くできてる方。
ただし作品の方は、映画全体が夢みたいな感じで、
何が言いたかったんすかねと言う印象です。

TV放送 2011/02/20 WOWOW 1940-2142
 

ドクター・モローの島(77)

 船が遭難し、船員アンドリュー(マイケル・ヨーク)は孤島へ流れ着く。
そこではモロー博士(バート・ランカスター)が研究をしていた。
博士は遺伝子操作で動物を人間化しようとし、野生を失わない彼らを虐待。
反発するアンドリューを、今度は獣化しようとする。
抵抗した右腕モンゴメリーを殺害し、獣たちは掟を破ったと反乱を起こす。
モローは殺され、アンドリューはマリア(バーバラ・カレラ)と脱出する。

 と言うわけで、H・G・ウェルズ原作で近年「DNA」としてリメイクされた。
遺伝子操作で新しい生物を作るあたりは、クローン問題にも通じるが
どうも古くさいSFと言う印象を否めない。
マリアは実は獣人のはずだが、今回のTV放送ではそう言う描写はなかった。

TV放送 98/02/09  12CH  13:00-15:00
 

D・N・A(96)

監督 ジョン・フランケンハイマー

 墜落機の生存者ダグラスは、ペナーリ号の船医モンゴメリー(バル・キルマー)に
助けられ、彼が助手をするモロー博士(マーロン・ブランド)の島へ。
モローはノーベル賞を受賞したが、17年前から行方不明に。
この島で、動物に人間のDNAを与え、完全な生物を作る研究をしていたのだ。
自分たちの姿に悩む獣たちは、モローに反発するように。
やがてモローとモンゴメリーを殺し、博士の掟を捨て獣に戻っていく。
ダグラスは島を脱出するが、時として人間が獣に見え不安になるのであった。

 と言うわけで、ウェルズ原作の「ドクター・モローの島」の3度目の映画化。
「DNA」と言う邦題はいただけないが、いずれにせよB級には違いない。
最初から、博士の研究には否定的で、もう少し工夫すれば文明批判にもなると思うが。

TV放送 97/10/26  BS05  20:00-21:42
 

ドクトル・ジバゴ(65)

監督 デビッド・リーン

 医学生ユーリ(オマー・シャリフ)は、ラーラ(ジュリー・クリスティ)が
彼女を犯した実力者ビクター(ロッド・スタイガー)を撃つのを目撃する。
第一次大戦が始まり、ユーリは軍医に。夫を捜すラーラを助手にする事に。
ロシア革命で家を奪われたユーリは、一家で移動する。
彼は革命の指導者ステルニコフが、ラーラの夫パーシャだと知る。
ユーリは町でラーラと再会。
彼女と愛し合うが、妻トーニャ(ジュラルディン・チャップリン)が妊娠。
パルチザンに捕らわれ軍医にされるが逃走。一家は去り、ラーラと生活する事に。
だがステルニコフ失脚で危険を感じ、ラーラを逃がしユーリだけ留まった。
ユーリは異母弟エフグラフ(アレック・ギネス)に仕事をもらうが、
心臓マヒで死に、ラーラは娘とはぐれ、強制収容所で死んだ。
将軍となったエフグラフは、彼らの娘を捜索。世話を約束するが、彼女は拒否する。

 と言うわけで、ソ連で発売禁止になったと言う小説の映画化で、
ロシア革命に翻弄される男女の物語。
大作と言う雰囲気は盛り上がるが、男女そろって不倫する話だし。
音楽はモーリス・ジャール。

TV放送 95/03/25  BS11  19:30-22:48
 

ドク・ハリウッド(91)

 ワシントンの外科医ベン(マイケル・J・フォックス)は、
高給の美容整形医に転職するため、ロスへ向かう。
田舎町グレイディの柵を壊したため、裁判で32時間ここの病院で働かされる事に。
医師不足の町で、ホーグ医師も年なので、町長は残らせようとする。
患者が殺到。珍妙な患者ばかりだが、誤診をしてホーグにバカにされる。
助手の娘ルーに言い寄るが相手にされない。彼女は離婚して、娘もいる。
ホーグの心臓発作を治し、結局ルーとも親密に。裁判官も町を出る許可を与える。
彼女の人生を考え、ベンは立ち去る事に。途中産気づいた女性を助け逆戻り。
ルーが友人ハンクと結婚すると聞き、ベンは出発。整形医の仕事につく。
だが、ルーの結婚がウソと知り、彼女を求めて町へ戻っていった。

 と言うわけで、フォックスが、相変わらず調子のいい男を演じている。
田舎町でのほのぼのした診察や、珍妙な患者たちがけっこう笑える。
産気づいた女性を助けるため、ようやく修理した車が壊れるシーンは感動的。
なぜあそこをラストにしなかったのか、ちと疑問が残る。
ハリウッドの整形医にジョージ・ハミルトン。いかにもと言う感じ。
就職にはホーグの推薦もあり、意外な大物だったと言う事か。
町長の娘ナンシーに、ブリジット・フォンダ。ベンに言い寄る。

TV放送 93/05/30  BS05  20:00-22:00
 

ドク・ホリディ(71)

 ドク・ホリディは友人のアープに会うためトゥームストーンの町へ。
連邦保安官のアープは、町を仕切るため、町の保安官になる事を画策。
ドクは娼婦ケート(フェイ・ダナウェイ)と結婚。
アープは選挙のため駅馬車強盗リンゴの引き渡しを、対立するクラントン一家に要求。
殺人をしたキッドを人質にするが、ドクが保釈してしまう。
仕方なく、OK牧場に現れた一家を、有無を言わさず射殺。
これを教訓にいい町を作ると人々に演説する。

 と言うわけで、OK牧場の決闘をアープを悪役として描いた話。
そこらへんがわかっていないと、なかなかピンとこない。

TV放送 97/01/09  BS05  13:00-14:35
 

ドグマ(1999年アメリカ)

 天国から追放された天使バートルビー(ベン・アフレック)と
ロキ(マット・デーモン)は、カトリック復興キャンペーンで天国に戻る事に期待。
最高位の天使と言う男メタトロン(アラン・リックマン)は、ベサニーと言う女性に、
天使が戻るのを阻止しろと夢で告げるが、半信半疑だ。
バートルビーらはバスで移動するが、気に入らない乗客を射殺。
TV局に乗り込み、重役らを殺害。死体のフンが固まったと言う怪物が現れるが倒す。
列車でベサニーと出会い、彼女がキリストの末裔と知る。
クリック枢機卿らによる式典をも襲撃。人々を撃ちまくり、ロキはやりすぎだと怒るが
バートルビーはロキも始末。撃たれて翼が切れる。翼が切れると人間になるのだ。
やがて、寝たきりのホームレスの体から光が。その体内に神はいたのだ。
女性が現れ、壊れた教会は元通りに。血だらけのベサニーも回復する。
ベサニーは妊娠しており、神たちは立ち去る。

 と言うわけで、人気の若手俳優が共演しているので見たが
キリスト教信仰をモデルに描いた話らしくて、どうにもピンと来ない。
キリストの生まれ変わりみたいな人物も現れ、オーメンぽいのだが
何しろ、主役二人が悪い天使とあっては、好感が持てない。
どこまでが現実になったのかもよくわからないし。

TV放送 2001/10/07 BS05 1330-1550
 

時計じかけのオレンジ(71)

 監督 スタンリー・キューブリック

 近未来のイギリス。アレックス(マルカム・マクドウェル)は、4人組のリーダー。
彼らは老人の酔っぱらいに暴行。そして、女性を強姦する敵対グループを襲撃。
さらに、小説家の家に侵入。「雨に歌えば」を歌いながら小説家の妻を強姦。
ベートーベンを愛するアレックスは、レコード屋で知り合った2人の女性と乱交。
残るメンバーは、彼の傲慢さに嫌気がさし、チームからの脱退を考える。
だが、アレックスは彼らに暴行し、無理矢理チームに戻し、彼らの計画を聞き出す。
郊外の女性の家に侵入し、抵抗する彼女を殺してしまう。
あわてて逃走するが、仲間に倒され警察に捕まってしまう。

 アレックスは懲役14年となる。
ある日、大臣が視察に来る。彼は刑務所不足解消のため、犯罪者の心理的矯正を計画。
アレックスがその実験台となり、医療センターに移される。
脳に電極を刺され、暴力的な映像を、大好きな第9をバックに無理矢理見せられる。
やがて、暴力的な衝動だけで吐き気がするようになる。
こうして、彼は無害となり、釈放になる。
しかし、両親は困惑し、アレックスは行き場を失う。

 抵抗力を失ったアレックスを、かつて暴行した老人らが仕返し。
助けたのが、かつての仲間である友人で、彼らもまた暴行。
やがてたどりついたのは、かつて強姦に入った小説家の家だった。
小説家はあの事故で足が不自由になり、妻を失っていた。
彼は、アレックスを反政府活動に利用する事を考える。
妻の復讐もこめて、第9を大音響で聞かせる。
絶えられなくなったアレックスは、窓から飛び降りる。
彼は一命を取り留めるが、人間性を無視した大臣はマスコミに攻撃される。
大臣はアレックスを元通りに矯正。就職先までめんどう見、マスコミ受けを狙う。
アレックスはニヤリと笑い、「これで元通り」。

 というわけで、キューブリックが「2001年」に続いて出したSF3部作の1作。
ベートーベンと暴力とセックスが好きという主人公は、
知識だけ向上し、モラルが低下していった近未来の若者の姿か。
どこか異様な雰囲気があって、カルト的なものがある事は間違いない。
もっとも延々と見せられたのでは退屈してしまうわけだが、
後半はアレックスが矯正されると言うわけで、物語展開があってそれなりに楽しめる。
もっとも、そのために、前半の独特な雰囲気が失われてしまっている。

LD
 

閉ざされた森(2003年アメリカ)

監督 ジョン・マクティアナン

 パナマ。ウエスト軍曹(サミュエル・L・ジャクソン)率いるレンジャー部隊が
行方不明になり、仲間同士で撃ち合いの末、死者行方不明者が出る次第に。
ジュリー大尉が尋問するが、上官ビル大佐は
元軍人の麻薬捜査官トム(ジョン・トラボルタ)を呼ぶ。
尋問のプロと言われる人物だが、麻薬組織に買収されたとの噂も。
ミュラーが死に、黙秘するダンバーを尋問。
ウエストは過酷な訓練を続け、黒人のパイクを毛嫌いしていたと聞き出す。
一方負傷したケンドルは、将軍の息子だ。
彼はパイクがウエストを殺害するのを目撃。ダンバーは彼と何やら話し
撃ち合いで皆を殺害したと言う。だがそれを立証するにはダンバーの自供が必要だ。
ダンバーによると、ケンドルはウエストと一緒にはおらず、証言は食い違う。
ウエストの死体が見つかり、はぐれていたパイクに疑いが。
だがパイクはミュラーがウエストを殺害し、パイクに罪を着せようとしたと主張。
ミュラーはパイクを殺し、さらには目撃者も始末したと言う。
ダンバーは、ジュリーの元恋人である軍医ヴィルマーから麻薬をもらっていたと言う。
ヴィルマーは部隊を麻薬漬けにし、儲けようとしていたと自白逮捕される。
しかし、ケンドルとダンバーの証言を検証すると、2人は誰かをかばっているようだ。
突然ケンドルは血を吐いて死に、調査を続けようとするトムをビルは解雇すると言う。
ダンバーが犯人として護送される事になるが、
ケンドルはジュリアの手に血文字で「8」と書き残していた。

 トムは、この基地の一部が麻薬地帯へ消えたという話をする。
彼らは第8特殊班と呼ばれ、ウエストを嫌悪していたと言うのだ。
そんな中、ヴィルマーの発言から、トムらがダンバーと思っていたのがパイクと判明。
ダンバーが黒人だったのだ。トムは護送されかかるパイクを止める。
彼らは麻薬密輸の副業をしていたが、ウエストにばれて撃ち合いに。
パイクは容疑をそらすために、ダンバーの認識票を奪ったのだった。
トムは、ビルがウソをついている事に気づく。
彼は麻薬密輸に気づいたウエストの報告を受けるが、彼自身も一味だったため
ミュラーとケンドルを始末して闇に葬ろうとしたのだ。
ケンドルは彼の手による毒殺だった。
ビルはトムなら賄賂がきくと考え、彼を尋問役に呼んだのだが、
トムは買収を拒否。ビルは暴れだし、ジュリーに射殺される。
事件は解決したかに思えたが、ジュリーはトムの不審な行動に疑問を感じるように。
彼を尾行すると、そこには死んだはずのウエストやその他のメンバーもいた。
彼らこそ第8特殊班で、ビルらの麻薬組織を暴く任務に就いていたのだ。
唖然とするジュリーだったが、一同は彼女の仕事を評価し、仲間にする事になる。

 と言うわけで、「藪の中」式の物語で、主な関係者が皆ウソをついている始末で、
特に生存者2人の証言が食い違うあたりがミソ。
同じ兵の行動が、証言によって異なり、
そもそも兵の名前と顔はなかなか一致せず、
嵐の中だから、行動を起こしたのがどの兵か映像ではわかりづらく
しかも自分の名前をウソつく人までいるものだから
まだ2人だったから、何とか許容範囲だったが
これが3人とかになっていたら、もう理解不能だったかも。
そんな中から、次第に真相に近づいていくあたりが面白味のはずだが
最近お約束のどんでん返しあり。
とってつけたような感じではなく、一応は伏線が張ってある感じだが
やはり面食らう結末で、何か言いくるめられてしまう女兵士にも拍子抜け。
上官ビルは、新逃亡者のキンブルの人。
ケンドルはフレンズでフィービーの弟役だった人。

TV放送 2005/02/27 BS05 2000-2142
 

トスカーナの休日(2003年米伊)

フランシス 作家(ダイアン・レイン)
パティ 友人(サンドラ・オー)
不動産屋
マルチェロ フランシスの恋人
パヴェル ポーランド人職人
キアラ パヴェルの恋人
キャサリン 知り合った女性

 自らも作家だが書評ばかり書いているフランシスは、夫の浮気で離婚し家を出る。
同姓婚して人工受精で妊娠した友人パティの代わりに、
ゲイのツアーでイタリアのトスカーナへ行く事に。
途中で見かけた築300年の家が気になり、バスを降り全財産はたいて買ってしまう。
荒れ放題の家を改築するため、ポーランド人の職人たちを雇う。
かつては離婚したら死ぬと思っていたフランシスだが、離婚では死なないと悟る。
買い物に行った際に絡まれ、助けを求めたマルチェロと愛し合うように。
結婚相手に捨てられたとパティが押し掛け、出産を手伝う事に。
壁の修理が終わり、意を決したフランシスは、
マルチェロの所へ押し掛けるが、既に新しい恋人を作ったと知り、ショックを受ける。
パティの世話をしていた数ヶ月会えなかったが、その間も男女は進行するのだ。
ポーランド人のパヴェルは、現地の娘キアラとの結婚を求めるが、
キアラの両親は家族のいないパヴェルとの結婚に反対。
フランシスが家族になると約束し、結婚が認められる。
家を買った時、ここで結婚式がしたいと考えたが、願いがかなったのだ。
パーティに、かつてフランシスに辛口の書評をされたと言うエドが訪れ、
2人は付き合うように。
つらい曲がり角もあったけれど、フランシスは外国で生まれ変わったのだ。
毎日花を生けていく老人に初めて挨拶され、フランシスは感激するのだった。

 と言う訳で、ダイアン・レイン主演のドラマ。
大人の恋愛ものかと言うと、そうとも言い切れない。
夫の浮気で離婚したダイアンは、
体外受精で妊娠した友人サンドラ・オーの代わりにトスカーナ行きのツアーに参加。
途中で見かけた古い家が気になり、買ってしまう。
傷心の中、異国から来た職人たちと出会ったり、
イタリアのプレイボーイ風の男性と恋に落ちたり。
結局恋人と別れたと言うサンドラが押しかけてきたり。
毎日見かける老人に初めて挨拶されたのがうれしかったり。
そうこうする内に、ここに家族がいると感じると言う訳。
血のつながりや大恋愛だけが重要なんじゃないんだよと言う事を、
ちょっとくたびれた域に達したダイアンが悟る話。
いい話とは思いますが、映画的にはもう一つパンチがほしいかも。

TV放送 2006/07/21 WOWOW 1800-1952
 

ドッグ・ソルジャー(78)

 ジョンは麻薬の密輸を、船員の友人レイ(ニック・ノルティ)に依頼。
レイはジョンの妻マージに届けるが、横取りを狙う連中に追われ、
山小屋へ逃げ込む。レイは捕らわれたジョンらを逃がすが、撃たれて死ぬ。

 と言うわけで、ベトナム戦争の後遺症を描いたと言う話だが
ほとんどベトナムは関係ない感じ。レイは部外者って感じだし。

TV放送 95/07/29  BS05  15:50-18:00
 

突撃(57)

監督 スタンリー・キューブリック

 1916年。仏軍のミロー将軍は、独軍の「蟻塚」突破作戦を強行。
ダクス大佐(カーク・ダグラス)の指揮で決行されるが、敵砲撃が激しく、
出撃しない中隊も。怒った将軍は自軍の砲撃を命令。砲兵隊長に拒否される。
作戦失敗に怒った将軍は、逃亡罪として、代表で3人を処刑する事に。
軍事裁判が行われるが、証人も立てられず、ダクスはこの裁判こそ汚点だと指摘。
だが、戦時には処刑は強壮剤の役目もし、中止はできない。
やがて刑は執行されるが、ミローも自軍の攻撃を命じた事が原因で軍事裁判に。
ダクスは昇進を拒否し、前線へ戻っていった。

 と言うわけで、戦争の大義名分を批判したような作品だが
何しろ異色の戦争ものなので、ちと面食らってしまう。
検察官に当たる人物に、リチャード・アンダーソン。

TV放送 93/07/01  BS05  01:00-02:30
 

突撃隊(1962年米)

ジョン・リース 兵士(スティーブ・マックイーン)
ヘンショー リースの同僚(ジェームズ・コバーン)
パイク軍曹 リースの上官
ラーキン リースの上官(ハリー・ガーディノ)

起:リースらは最前線へ。
承:トーチカを攻撃する。
転:同僚が全滅し、ショックを受ける。
結:突撃したリースはトーチカを破壊するが、自らは撃たれて死ぬ。

 1944年仏。
赴任した兵士リースは最高の兵士とされるが、問題を起こして降格されたと言う。
帰還の噂は実現せず、隊は前線へ向かう事に。
隊員は消沈するが、リースだけはやる気だ。
 上官ラーキンは爆撃で死亡。
隊はトーチカを攻撃する為、地雷原に突入。
ヘンショーらが犠牲となり、リースだけが生還。
独断でやったトーチカ攻撃は軍法会議ものだと責められる。
 援軍が来て再び攻撃する事に。
突撃したリースはトーチカの破壊に成功するが、撃たれて死ぬ。

 と言う訳で、スティーブ・マックイーンの戦争もの。
時期的には荒野の七人と大脱走の間。
マックイーンの役柄は、優秀だが命令無視で降格になった兵士。
大脱走を思わせる一匹狼だが、
他とほとんどコミュニケーションをとらないので、感情移入しづらい。
終盤になって、独断で敵のトーチカを爆破しようとして仲間を失い、
責任を感じると言う訳。
同僚にはジェームズ・コバーンがいて、ちょい役だが彼らしい雰囲気を醸し出す。
監督はドン・シーゲルで、
上官役でダーティハリーの上司だったハリー・ガーディノが出演。
怪獣大戦争のグレンことニック・アダムスも出ているが、ピンと来ない。

TV放送 2016/09/13 WOWOW 1900-2030
 

特攻サンダーボルト作戦(77)

監督 アービン・カーシュナー

 アテネ経由パリ行139便。ドイツ人(ホルスト・ブッフホルツ)らが乗っ取る。
パレスチナ解放戦線と言う彼らは、機をリビアに着陸させ、妊娠女性を避難させる。
再び離陸。アフリカ、ダウガンのアンサベ空港に着陸。全員をターミナルビルに監禁。
イスラエル閣議では、ラビン首相、グル参謀長らが対応。
ショムロン准将(チャールズ・ブロンソン)を中心に、救出作戦を計画する。
アモン大統領(ヤフェット・コットー)は、世界の注目を得られて喜ぶ。
テロリストは仏独イスラエルに、政治犯の釈放を要求。
続いて、人質をユダヤ人と非ユダヤ人を分ける。
政府は交渉期間の延長に成功。非イスラエル人の帰還が決定。だが、乗員はとどまる。
政府はアモン説得を試みるが、うまくいかない。
人質のワイズ夫人が発作を起こし、病院へ。
実戦演習が開始。こっそり着陸し、ターミナルビルまで接近するのだ。
空港に1時間とどまり、死傷者予想30〜35名。
しかも、敵ミグが1機でも離陸すれば、帰還はできない。
交渉難航。ケニアが帰りの給油を認める。
首相は作戦決行を決断。閣議では反対意見も出るが、結局承認。
輸送機が出発。地上レーダーを妨害し、暗闇の中着陸。米英仏に作戦を連絡。
ターミナルビルへ接近。ビルに侵入。撃ち合いで人質の何人かも死ぬ。
テロリスト7人を射殺し、建物制圧。続いてミグ爆破。
管制塔のダウガン兵らを倒し、人質を輸送機に乗せ帰還。
だが、その後、ワイズ夫人の消息は不明となった。

 というわけで、実際にあったと言う救出作戦をモデルとした映画。
題材がもとで、「ブラックサンデー」のように公開が延期になっていたが
80年代になって公開された。
実際の話なのでアレだが、アモンとテロリストのそれぞれの思惑が、よくわからない。
いかにもと言う感じの救出作戦だが、あまりにも大勢を輸送するなど
ちと強引ではと思われる部分も多く、あざやかとは言いがたい。
人質の何人かが死んだあたりも、何が問題だったか描いてほしかった。
人質の医師クーパーにマーチン・バルサム。(ほとんど役に立たない)

TV放送 92/03/05  12CH  21:02-22:54
 

特攻大作戦(67)

監督 ロバート・オルドリッチ

 44年。マイスン少佐(リー・マービン)は死刑囚らを集め特殊チームを組む。
ブラディスロー(チャールズ・ブロンソン)、ラモット(テリー・サバラス)、
ヒンクリー(ドナルド・サザーランド)と言う連中だ。
規律を無視する隊にクリード大佐は反発するが、
演習でクリードの隊を捕らえ、将軍(アーネスト・ボーグナイン)に評価される。
隊は独軍屋敷に潜入し、制圧する作戦に。
だがラモットが殺しに夢中になり撃ち合いに。ヒンクリーらがやられる。
独兵を地下牢に閉じこめ爆殺。命からがら脱出。生還した者は刑を免じられる。

 と言うわけで、出演陣が豪華な特殊チームものなので面白い展開を期待したが
演習まではまだしも、独軍屋敷を制圧する展開は、あまり鮮やかとは言えず
結構死んだりしてすっきりせず。演習の指導官にジョージ・ケネディ。

TV放送 98/05/27  01CH  01:28-03:13
 

特攻ハーレー部隊 クローム・ソルジャー(92)(未公開)

 湾岸戦争から帰還したジム(ゲーリー・ビシー)は、
船整備工の兄ストーニーが焼死したと知る。
軍仲間のビーチ(ヤフェット・コットー)らが昔を思い出して集結する。
保安官(ウイリアム・アサートン)らは、彼らを追い出そうとし、現場には麻薬が。
ジムらは銀行家メイフラワーと保安官が手を組み、麻薬売買をしていたと突き止める。
気づいたストーニーが処分されたのだ。ジムらは取引現場を襲撃。一味は逮捕される。

 と言うわけで、ゲーリー・ビシーが出るので見た。話はどこかで聞いた感じ。
深い陰謀がありそうで、実はかなりそこが浅い。大した活躍もなし。
軍出身のライダー仲間に、ヤフェット・コットーと言うのはあまり似合わない。

TV放送 95/05/25  BS05  13:00-14:35
 

特攻野郎Aチーム アカプルコ救出作戦(83)(TV作品)

 バルデス一味は村人を捕らえ、麻薬畑で働かせていた。
新聞記者エミーは、ベトナムで活躍し、濡れ衣で身を隠したAチームに協力を求める。
ハンニバル(ジョージ・ペパード)、フェイスマン、コング(ミスターT)、
そしてマードックの4人はアカプルコへ。村人を団結させ、バルデス一味を包囲。
バルデスを倒し、エミーも仲間になる。

 と言うわけで、Aチームの第1話。フェイスマンの俳優が違う。
そんな感じだから、やってる事は大体同じだが、人物紹介的。

TV放送 96/11/01  12CH  13:00-15:00
 

特攻野郎Aチーム/必殺大西部作戦(83)(テレビ作品)

 ベトナム戦争時代、活躍した特殊部隊Aチームは、
濡れ衣を着せられて逮捕されるが、脱走に成功。
彼らは地下に潜り、道理にさえあえば、何でもやってしまうチームとなった。
メンバーは、リーダーで作戦担当のハンニバル(ジョージ・ペバード)、
調達の名人であるフェイス(ダーク・ベネディクト)、
操縦の名人で奇人のモンキー(ドワイト・シュルツ)、
怪力だが、飛行機だけは苦手のB・A・バラカス、通称コング(ミスター・T)。
そして、新聞記者で彼らと同行するエンジェルだ。

 陸軍は、Aチーム追跡に新しくデッカー大佐を起用。
インディアンのダニエルは、野生馬をドッグフードにしている牧場主カーターに反発。
Aチームに仕事を依頼。さっそくハンニバルは、メンバーを集める。
まず、カーターの輸送列車を襲撃。野生馬を逃がす。
カーターの屋敷に押し入ったハンニバルらは、ドッグフード会社の書類を盗み出し
人質にカーターの姪リーを連れ出す。叔父の悪事を聞いてショックを受けるリー。
ハンニバルは再び輸送列車の襲撃するが、今度は捕まってしまう。
モンキーは、カウボーイになりきってハンニバルを救出。
一方、エンジェルとダニエルは、デッカーに捕らえられる。
ハンニバルはカーターを捕まえ、ヘリを奪って追跡。
列車を停止させ、デッカーの到着を待って逃走。ダニエルの証言で、カーターは捕まる。

 というわけで、デッカー登場の作品だが、だんだん、順番がわからなくなってきた。
話はさすがTVシリーズと言うほど簡単で、なぜスペシャル版になったか不明なほど。
シーズンとシーズンをつなぐための話と言う感じも強い。

TV放送 91/12/22  10CH  21:02-22:54
 

特攻野郎Aチーム/必殺!最後の大血戦(85)(テレビ作品)

 ベトナム戦争時代、活躍した特殊部隊Aチームは、
濡れ衣を着せられて逮捕されるが、脱走に成功。
彼らは地下に潜り、道理にさえあえば、何でもやってしまうチームとなった。
メンバーは、リーダーで作戦担当のハンニバル(ジョージ・ペバード)、
調達の名人であるフェイス(ダーク・ベネディクト)、
操縦の名人で奇人のモンキー(ドワイト・シュルツ)、
怪力だが、飛行機だけは苦手のB・A・バラカス、通称コング(ミスター・T)。
そして彼らを執念で追い続けるのが、デッカー大佐だ。

 コングとベトナムの戦友であるハルク・ホーガン(当人)に
映画出演してもらう代わりに、ハンニバルたちは彼の頼みを聞く。
ホーガンがいた孤児院が、ヨット会社オーナーのソニーに、
借金している事を理由に、売却を要求されているのだ。
ソニーは拒否すると、いやがらせをし始めた。
ホーガンは孤児院救済のために、寄付を求めて回っていたのだ。
フェイスの調査では、ソニーの父親は有名なマフィアだったのだ。
そして孤児院のオーナーの死んだ父親と共に、金塊輸送車襲撃に関わっており、
金塊は孤児院の下の地中に埋められていたのだ。
そこでハンニバルは金塊を狙うはみ出しFBIに扮して、ソニーらと金塊を掘り出す。
地中から見つかった箱には、金塊は別の場所へ移したとの手紙が見つかるが
そこへデッカーがかけつけて、ハンニバルたちの正体はばれ、逮捕されてしまう。
そこで唯一Aチームのメンバーとは思われていないモンキーが
ハンニバルたちの輸送担当と称して、まんまと助け出す。
ソニーの一味はホーガンの試合会場の売上金を盗み出すが、ホーガンたちに倒される。

 コングは孤児院に出入りする少年が、何か隠している事に気づく。
尾行の末、彼が父親ハリーを廃屋にかくまっている事を突き止める。
ハリーは麻薬中毒で衰弱しており入院。
ハリーの家を探したフェイスとモンキーは、1万ドルを探している連中に捕まる。
ハンニバルは、少年が金を隠した、
警察にレッカー移動されてしまった車から金を盗み出す。
フェイスたちはデタラメの取引場所へ行き、そばに警官がいたのをいい事に逃走。
フェイスたちが逃げたと知って、ハンニバルたちは組織をたたきのめす。
だが、フェイスたちは別の組織に捕まる。
ハリーはかつてボクサーだったが、八百長を強要されて殺人を犯し、
組織の連中に狙われていたのだ。
ハンニバルらによってフェイスは助けられ、彼らの武器密輸計画もばれる。
だが、最初の組織の連中が保釈になり、またまたフェイスたちは捕まる。
一味はフェイスたちを縛り、息子を連れて、金の隠し場所へ行く。
ハンニバルらは武器密輸の現場を襲撃。
そこへ来たもう1つの組織もまじえて銃撃戦となる。
子供は逃げだし、かけつけたフェイスたちも参加。2つの組織を倒す。

 というわけで、2つの話が続いており、金塊がどうなったと言う事と
1万ドルはどこから来たのかと言うのが謎のままだったが、
2つの事件が無関係という事が分からないまま展開してしまった。
ハルク・ホーガンが特別ゲストという事だが、ちと出過ぎという感もある。
1つ目の話は、あれで万事解決なのかよくわからない。
話がおかしい気がしてならないが、テンポが早いのでそうも言っていられなかった。
フェイスたちが再三に渡って捕まるのはなかなか面白かった。

TV放送 91/08/11  10CH  21:02-22:54
 

特攻野郎Aチーム/大アマゾンの秘宝(85) (TV作品)

 ベトナム戦争時代、活躍した特殊部隊Aチームは、
濡れ衣を着せられて逮捕されるが、脱走に成功。
彼らは地下に潜り、道理にさえあえば、何でもやってしまうチームとなった。
メンバーは、リーダーで作戦担当のハンニバル(ジョージ・ペバード)、
調達の名人であるフェイス(ダーク・ベネディクト)、
操縦の名人で奇人のモンキー(ドワイト・シュルツ)、
怪力だが、飛行機だけは苦手のB・A・バラカス、通称コング(ミスター・T)。

 アマゾン川で、ペルーインディオの遺跡を発掘する新聞王
ブライアン(バリー・バン・ダイク)が、海賊エルカ・ホンに襲われる。
フィアンセのターニャはAチームに救出を依頼。
ハンニバルらは現場に急行、ボビーという女性の船を奪い、一味を捕まえる。
続いて、黒幕のドイルも捕まえるが、ホビーが裏切って捕まる。
彼らはブライアンと再会。一味は財宝だけが狙いではないようだ。
見張りを挑発して、脱出に成功。結局ボビーも仲間にして遺跡へ向かう。
賭らは隠された都市を発見。ドイルらの尾行を予想し、罠を仕掛けて一味を捕まえる。
上流では実業家ロイダーマンが、新ナチのための原子炉建設を進めていた。
ボビーの父エル・カホンらの協力も得て、一味を襲撃し、撃滅する。

 というわけで、新エアーウルフのバリー・バン・ダイクが出ているのには驚いた。
話が人身売買する海賊から、財宝狙う連中、そして新ナチと急展開。
あまりの展開の凄さに、とまどってしまう。
南米で原子炉を作ったくらいで、ナチの復興にそれほど役に立つとも思えないのだが。

TV放送 92/03/22  10CH  21:02-22:54
 

特攻野郎Aチーム/地中海殴り込み大作戦(85)(テレビ作品)

監督 デビッド・ヘミングス

 ロス郡刑務所。組織のジョーは、モンデーテ判事の娘を誘拐させ、休廷にさせる。
判事は無罪にしなければならないが、有罪は間違いない。そこでAチームに依頼。
組織のオーギー(ジョージ・ペパード)は、判事の家へ。
捕まり、ハンニバル(ジョージ・ペパード)が変装して、娘の隠し場所へ。
Aチームが襲撃。だが、娘ロージーはつれ去られる。
彼らは、イタリアの隠れ家を見つけ、ロージーを救出。
追跡を振り切るが、飛行機嫌いのコング(ミスターT)が体当たり。
しかたなく、フェイスマン(ダーク・ベネディクト)が豪華客船を調達。
しかし、ジョーの兄ジーノらが乗り込み、彼らを探し始める。
仮装パーティで顔を隠し、モンキーらが1人ずつ敵を捕まえるが、
ロージーが見つかり、一味は船を乗っ取る。
ハンニバルらは、ジーノの部屋を襲撃。警察も到着。
ボートで逃げるジーノを、ハンニバルらはヘリを奪って追跡。捕まえる。

 というわけで、ペパードの2役は必然性が弱い。
ロージーをさらうヘリが、どう見てもエアーウルフ。
監督のヘミングスは、エアーウルフを発明したモフェット博士を演じたが。
フォーブス船医は、たぶんデビッド・ヘミングス自身。

TV放送 92/11/08  10CH  21:02-22:54
 

特攻野郎Aチーム/地獄島からの大脱出(86)(TV作品)

 ハンニバル(ジョージ・ペパード)は、ストックウェル将軍(ロバート・ボーン)
から、Aチームが追われる原因となったベトナム、ハノイ銀行襲撃が、
モリソン大佐の指示と証言できるカーティス大尉が生きていたと聞かされる。
だが、ハイジャック機の人質になっているので、救出しなくてはならない。
そこで、フェイス(ダーク・ベネディクト)、モンキー(ドワイト・シュルツ)、
コング(ミスター・T)、特殊効果マンのフランキー(エディ・ベルツ)も参加。
ハイジャック機の周囲にスクリーンを張り、ニセの映像で離陸したと思わせ、
全員を捕らえる。だが、カーティスの態度が急変し、軍法会議に。
カーティスは、モリソンがハンニバルに殺されたと主張。
ハンニバルは銀行襲撃はモリソンの指示と反論。
だが、モリソンがスパイだと言う北ベトナム、クイエットの発言が報告され、
処刑したとの疑問も出てくる。
モンキーらがクイエットを捕らえるが、カーティスはひき逃げされて死ぬ。
クイエットは処刑説を裏付けてしまい、ハンニバルら3人は銃殺される事に。
ストックウェルは、モンキーに軍施設地獄島の情報を与える。
彼は脱出後、配下で働くようハンニバルに約束をとりつける。
神父に変装したフランキーが弾をすり替え、銃殺の演技をさせ、遺体を運び出す。
モリソンを殺したのはカーティスで、大物バイヤースーレーと仕事していたのだ。
ハンニバルらはスーレーの取引現場を襲撃。スーレーはカーティス殺しを白状。

 というわけで、Aチーム末期のスペシャルで、Aチーム誕生の秘密を明かすが
以前のように逃げ回るのではなく、ストックウェルの手先になってしまう話。
これで、魅力が半減した気がするが。

TV放送 92/08/02 10CH 21:02-22:54