追憶(73)

監督 シドニー・ポラック

 大学時代から政治活動に参加するケイティ(バーバラ・ストライサンド)は
スポーツマンで人気者ハベル(ロバート・レッドフォード)の小説の才能を認め、
次第に接近。戦争中に酒場で再会。ハベルはケイティの家に泊まり、愛し合うように。
ハベルの旧友JJのパーティへ招かれるが、
社交べたのケイティの会話は政治がらみで、人々に敬遠される。
ハベルも離婚を考えるが、結局仲直り。
ハベルは小説家として活動を始め、映画化されるが、赤狩りの標的に。
ケイティらはハリウッド十字軍として、言論の自由を訴えるが、非国民と言われる。
ハベルも参加するが、それは彼の意志ではなく、ケイティの希望に合わせただけ。
だが、彼女についていけなくなり、彼女の出産を待って離婚。
互いに再婚して再会。ハベルはテレビ局で働き、ケイティはまだ政治活動をしていた。
2人は再会を約束する。

 と言うわけで、しゃれた大人の恋愛ものかと思って見たが
良くも悪くもストライサンド色の強い映画で、レッドフォードの影は薄い。
JJはブラッドフォード・デイルマンらしい。
ハベルの元恋人でJJと結婚した女性にロイス・チャイルズ。
大学時代のケイティの同志フランキーにジェームズ・ウッズ。
作家の際のエージェントにマーレー・ハミルトン。
音楽はマービン・ハムリッシュ。主題曲は替え歌でネスカフェのCMに使われた。

TV放送 2000/03/08 BS11 2000-2200
 

追撃者(2000年アメリカ)

 取立屋のジャック(シルベスター・スタローン)は、弟リッチーが死んだと知り
5年ぶりに故郷へ戻る。殺人かと考えるが、リッチーの妻は迷惑がる。
リッチーの店のオーナー、クリフ(マイケル・ケイン)は殺人説を否定。
ジャックは旧友サイラス(ミッキー・ローク)を尾行。
彼はソフト会社のジェレミーと組み、ポルノサイトで儲けているらしい。
リッチーの愛人ジェラルディンは、リッチーが離婚を考えていたと言う。
ソービーらはジャックに出て行けと言い、その裏にはクリフがいるのだが、
リッチーの件とは関係ないと言う。リッチーの家に謎の侵入者が。
ジェラルディンは、リッチーにCDを渡したと言う。
荒らされた部屋から隠されたCDを発見。そこには麻薬パーティの光景が写され
リッチーの娘ドリーンもいた。ドリーンは父の友人エディにレイプされたらしい。
それを知ったリッチーはサイラスに抗議したと言う。
しかし、ジェラルディンとエディが始末される。
怒りが頂点に達したジャックはサイラス宅へ怒鳴り込み、叩きのめす。
ジェレミーを追及すると、彼はCDを取り返せと指示した事を認める。殺人は否定。
実は糸を引いていたのはクリフだった。彼はCDの在処を捜しており、
ジャックに糸口を与えれば、見つけ出すと考えたのだ。
私を殺せば一生追われるぞと言うクリフだったが、ジャックは彼を射殺する。

 と言うわけで、一世を風靡したスタローンも、シュワに比べると最近はパッとせず
ドリブンのような大作では脇役、さもなくばこの作品のような小粒な作品に。
とは言え、クリント・イーストウッドは、こういう線を維持してトップで居続けるし
作品がある内はよしと見るべきか。
物語の方は、スタローンが弟の死を追う話だが、
特に凶悪な敵がいるわけでなく、恐るべき陰謀があるわけでもなく
ただただしつこく調べ回るだけ。そして、スタローンがそれほど強くもなく
けっこうやられたりもするし、あまりスカッとした話ではない。

TV放送 2002/10/14 BS05 2100-2257
 




ツイスター」(96)を見た。

 この映画は、デビュー作「スピード」で一躍人気監督となったヤン・デボンが監督。
こんな映画の前に、ハリウッド版「ゴジラ」と「スピード2」をやるはずが、
「ゴジラ」はどこかへ行ってしまい、「スピード2」も遅れ気味。
そうこうしているうちに、やや意表を突いてこの映画が登場した。
製作はスピルバーグで、映画を見てみるとわかるが、
かなりスピルバーグ色が出ていて、さしものヤン・デボンも
スピルバーグの前では実力を発揮できないと言うわけか?
それはさておき、その題材は「竜巻」。
なるほど、以前かなりはやったデザスター映画(パニック映画)で
地震・雷・火事・オヤジに、怪獣やら巨大なサメやらいろいろ出てきたが
竜巻と言うのは目新しいし、特撮の技術も飛躍的に進んだからと思ったら
実はそうではなくて、竜巻の研究をする連中が、
わざわざ竜巻を追い回すと言う話らしい。
いわば、製作者スピルバーグの出世作「ジョーズ」(あるいは「激突」)の
サメやトラックを竜巻に変えて、迫力のあるバトルが見られると言うわけか。
これは見逃せまい。

 今から30年ほど前。オクラホマ州を巨大な竜巻が襲っていた。
ラジオだかテレビだかでは、地下室へ避難しろと言う。
少女ジョーの一家も地下室へ避難しようとする。
だが、あちらの地下室と言うのは、実質は物置の事で、庭のど真ん中にあるのだ。
仕方なく、わざわざ風の吹き荒れる庭を通過して、地下室へ。
その扉は、ヤワそうな木製の物。当然、風でガタガタ揺れる。
父親はこれを必死に押さえるが、持ちこたえられなくなり、
ついに扉ごと飛ばされていってしまった。
扉がなくなった地下室に残された、ジョーと母親は無事だった事から考えると
父親は手を離せば無事だった気がするし、その前に家の中の方が安全だった気がする。
そして現在。そんな暗い過去にも関わらず、ジョーは竜巻の専門家となり、
竜巻が来ると、喜んでそれを追っかける一団に入っていたのだ。
一方、ビル(ビル・パクストン)は、恋人メリッサと結婚するため、
別居しているが、まだ正式には離婚していないジョーに、
離婚届にサインしてもらうため、ジョーらが集結した場所へ向かった。
ビルもかつては竜巻を追っていたのだが、今は気象予報官として仲間を抜けたのだ。
かつての仲間たちは、ビルが現れたのを見て、竜巻の話を聞いてかけつけたのだと
さも当然そうに受け入れる。ジョーも同様だが、離婚の話になると話をはぐらかす。
彼女はまだビルを忘れられないのだ。
(もっとも、別れた理由は、ジョーが竜巻ばかり追っているからなのだが)
ビルはそこで思いがけない物を見せられる。
それは「ドロシー」と言う観測器だ。
(ドロシーとは、竜巻に飛ばされた「オズの魔法使い」の主人公にちなむ)
これはビルが発案した物で、彼が仲間だった頃は完成しなかったのだ。
これを竜巻の中で放すと、ボール状の物が飛散し、
そこからの電波を観測して、竜巻のメカニズムを捕らえると言うものだ。
実際、竜巻のメカニズムはいまだに解明されていない部分が多く、
これが成功すれば、竜巻の予測ができるかもしれないのだ。
ビルも自分の発案が実現し興奮気味。ついに竜巻接近で出動と言う事になり
ビルは離婚の事もどこかへ忘れ、ジョーとトラックに同乗して発進。
メリッサも面白そうだと、彼女のトラックでついてくる事になる。
チームは何台かの車に分かれて、竜巻へ向かって急行。
1台の男が地図で近道を調べ、無線で連絡する。
一方、別のチームも竜巻へ向かっていた。ジョーナスのチームだ。
彼もまたかつては仲間だったのだが、金づるを見つけて離脱。
後でわかるのだが、彼はビルのドロシーの盗作である観測器を作り
さも自分の発案のように、金に物を言わせてマスコミに宣伝。
何かとビルらと対立するのだが、竜巻の方向に関しての読みは
ビルにかなり劣っていて、なかなか竜巻に接近できず。
いわくありげな設定だが、後半までジョーナスの出番はほとんどない。
土壇場でビルは、竜巻の動きを見て、こっちへコースを変えるはずだとか指摘。
それがいつも見事に的中し、ジョーナスは見当違いの方向へ。
ジョーらのチームはいつも竜巻に接近。しかし、仲間は一歩後退した所で待機。
ジョーらだけが竜巻に超接近し、ドロシーを放って逃げると言う計画だ。
彼らは悪路をスピードを落とさず暴走。
おかげで、小道の中で、桁の低い橋に激突して停止。
ジョーはドロシーを放とうとするが、もはやそんな余裕はない。
橋桁にしがみつくが、橋は木造のヤワな作りで、上に駐車されたトラクターが揺れる。
竜巻は彼らが乗り捨てたトラックを舞い上げ、2人は泥だらけ。
何とか難を逃れ、心配した仲間がかけつける。
メリッサも後をついてくるが、その目の前へ、ジョーのトラックが落下。
あわててよけるが、興奮がおさまらない様子だ。
だが、ジョーらはすでに次の事を考えていた。
4つあったドロシーの1つが使えなくなったが、まだ3つある。
ならばビルのトラックを借りて、それでまた追おうと言うのだ。
反対するビルだが、メリッサはもう大丈夫だと言うし、
結局、3人が同乗して再び竜巻を追う事になる。

 再度竜巻が発生。普通、この間に間がありそうなものだが、この映画にはない。
この竜巻は、2つないし3つの竜巻が合体したもので、かなり強力だ。
見ていると、竜巻はみるみる接近。
一方、後部座席のメリッサは、実は精神カウンセラーで、
彼女の都合も考えずに、相談の電話が携帯にかかってくる。
普段は、どんな相談をされても平然としている彼女だが、
今は目の前に竜巻が来ているので、平然ではいられない。
見ると、すごい竜巻で牛が生きたまま飛ばされている始末。
彼らは逃げ遅れ、湖の橋の上で竜巻に巻き込まれる。クルクル回るトラック。
何とか飛ばされるのは逃れ、竜巻の中に入ったと喜ぶジョーら。
だが、今度もメリッサは興奮気味だ。
いったん、彼らはジョーの叔母であるメグのいるワキタと言う町へ。
いつも彼女の家で、ステーキを食べるのが習慣なのだ。
メグは、ジョーが実はビルとの離婚の事で悩んでいる事に気づく。
一方、ビルたちは昼間の竜巻について話し合っていた。
あれはF2か、F3は行くだろうと話し合い、メリッサはF3とは何かと聞く。
それは竜巻の威力の大きさを表す物だ。
さらに強力なF4を見た者は、彼ら専門家でもほとんどいない。
そして最高級の竜巻F5となると、ビルでさえ見た事がない。
それを見たのは、ジョーだけ。そう、あの30年前の竜巻がそうなのだ。
またまた竜巻が発生し、彼らは出動する事に。
再びジョーナスらを出し抜き、ビルらが竜巻に接近。影響でアラレが降る始末。
彼らは竜巻に超接近。できるだけ近づいて、ドロシーを設置しようとするが
近づきすぎてそんな余裕はない。
だが、ジョーは何とか設置しようとして、それをビルが止める。
君には生きてほしいとか叫ぶ彼の言葉が、無線を通じてメリッサの耳にも届く。
彼女には複雑な思いだ。
ドロシーが倒れてしまい、ボール状の物が散乱。
もはやこれまでと、逃げようとするが、倒れた木に乗り上げなかなか逃げられない。
何とか脱出。今日は休もうと、一行は町へ向かう事となる。

 夜、町で休息をとる一行。ジョーも昼間の事があったせいか素直になり、
離婚届にサインする気だ。
だが、そうこうしていると、またも竜巻が接近。それもこの町にだ。
今回も接近に気づいたのは直前で、人々も避難の余裕がない。
とにかく、大きな倉庫みたいな建物へ逃げ込む人々。
だが、すごい風で、ホースみたいな物がブルブルとふるえ、危険な状態。
倉庫の窓ガラスなど簡単に割れるし、車のホイールがフリスビーのように飛び回る。
頭にかすって負傷する者も。そうこうしていると、今度は車が飛び込んでくる。
その上にさらに次の車が。危険な状態だが何とかおさまり、死者はいないようだ。
またも恐怖にふるえるメリッサ。竜巻は去ったが、ワキタの町に近づいていると言う。
メグが危ないと一行は急行する事にするが、メリッサはもう別れると言う。
もうついていけないと言う感じだが、特にビルに怒っているわけではないらしい。
ジョーナスもそうだが、彼女もいわくありげで、ほとんど物語に影響しない。
複雑な思いと言う表情をするビルだが、簡単にあきらめてワキタへ急行。
ワキタの町は竜巻が去った後で、町全体が廃墟と化している。
今回も警報が出るのが直前で、住民は逃げる余裕がなかったのだ。
崩れそうな家の中から、下敷きになったメグを救出。
負傷はしているが、何とか無事だ。
彼女は失意のジョーに、がんばって研究しろと言う。
励まされたジョーは、家の前の風車を見て、ピンとくるものがあった。
昼間、ドロシーが倒れたのにボールは飛ばなかった。
これはボールの浮力が不足しているからに違いない。
となれば、1つずつに風車をつければいいのでは。
そう考えた彼らは、ビールの空き缶を切って風車にして1つずつに取り付ける。

 またまた竜巻が発生。今度は最高級に強力で、F5級と言える。
ジョーにとってみれば、父を奪った宿敵と言うところか。
ジョーとビルは再びトラックに乗って、竜巻に接近。
竜巻の中に何かあると思ったら、タンクローリーが降ってきて大爆発。
だが、スピードを落とすわけにはいかず、そのまま炎の中を走り抜ける。
爆発すると、何も残らないから便利だ。
これまで役に立たなかったジョーナスらは、突然現れ、
ビルらの警告を無視して竜巻に大接近。
運転席に鉄柱みたいな物が突き刺さり、そのまま巻き上げられる。
そして墜落爆発。役立たずだ。
ジョーらは残る2つのドロシーの、1個をまたもムダにしてしまい、残るは1個だ。
トラックに乗って逃げるが、竜巻がどんどん近づいてくる。
後方で農家の小屋が竜巻で破壊され、気がつくと目の前に次々トラクターが落下。
左右に次々落下するので、ハンドルを切りながら、切り抜ける。
今度は、小屋全体がゴロゴロ転がりながら、道路に現れ、
車はその中を突破する形に。(小屋の中には何もないのか?)
トウモロコシか何かの畑へ。作物が邪魔して立ち往生。
ここで最後のドロシーを放ち、ついに見事にボールが吸い込まれ、
観測データが次々コンピュータに受信される。
計画は成功だが、今度はジョーたちが竜巻から逃げなくてはならない。
だが、畑の中を走り抜け、納屋へ向かう2人。
竜巻は後ろから接近し、柵の木が1本ずつ宙に舞い上がる。
何とか納屋へ逃げ込むが、中にはカマとか危険そうな刃物がいっぱい。
それが風で揺れるものだから、人殺しの館のようだが、
これは正直言ってやりすぎ。スピルバーグ色だろうが、センスが悪い。
2人はこのままではいかんと、納屋を脱出。竜巻はこの納屋も直撃。
もはやこれまでと、水道管に体を縛り付け、竜巻を待ち受ける。
ものすごい竜巻の中へ。それも切り抜け、何とか無事の2人。
当然のようにキスしたりして、ヨリを戻した感じ。
かけつける仲間たちと、喜びを分かち合うのであった。

 と言うわけで、ヤン・デボン監督であるにも関わらず、
スピルバーグ色が出ていると言う評判だったが、確かにそんな感じ。
最後の納屋の悪趣味さとか、ややしつこいあたりはそんな感じだ。
そのスピルバーグの出世作と言えば「ジョーズ」だが、
あれはパニック映画とか恐怖映画とか言われ、
そこらへんが人々が誤解している所だと思う。
製作サイドもそれが理解できなかったため、「ジョーズ」の続編は失敗したと言える。
確かに前半はそんな感じだが、あれはジョーズの威力を見せるための演出で
むしろ大切なのは、後半3人の男たちがジョーズと対決するシーン。
あれは恐怖映画とかではなく、立派な冒険映画だ。
今回の「ツイスター」でも、パニック映画と決めつけられてしまったため、
竜巻の恐怖はあまり感じられず、大騒ぎして火事場見物している感じと言う
批評もあったが、そういう意図で作った映画なのだから仕方がない。
今度の敵は竜巻で、それに挑む人々の冒険を描いたと言うわけで、
いわくありげなライバルや恋人も早々と戦線離脱し、
物語は一本調子と言うか、かなりムダを排除した感じ。
そういう意味で、久々にリキの入った冒険映画を見せられたと言う感じだ。
ただ、難を言うと、我々に竜巻がどんな物かと言うイメージがあまりわかない事だ。
サメならば、陸には上がってこまいとか、船全体を飲み込む事はあるまいと
常識的に考える事ができ、もしそれをやられたらバカバカしいと感じるはずだ。
ところが、竜巻に関しては、そこらへんの切り分けができず
町全体より大きい竜巻とか出てきても、ひょっとしたらあるかも知れないし
どんどんパワーアップされても、何でもありではと感じてしまい
すごい強敵が出てきたと言う実感があまりわかないのだ。
しかも、ジョーズは1匹倒せば一応終わりだが、(続編は別として)
竜巻は生物ではないから、再発したり、自然消滅したり、分裂したり合体したりで
敵としては焦点が絞りにくいと言う難もある。
そういう意味で、ちょっとホラ話を聞かされた感じだなあと言う感じだ。
あと、最後に竜巻に巻き込まれるシーンでは、
30年ぶりにF5の竜巻に出会ったジョーが、
その中で、まだ飛ばされている父親と再会するのではと言う気がしたが、
当然の事ながら、そんなお笑いシーンはなかった。
 

ツイスター・インフェルノ(95)(未公開)

 大型の竜巻が迫り、ジャックは連絡の取れない祖母の所へ。
一方、義子ダニーは家が振動で崩壊し、地下室へ逃げ込む。
母ローラらは店に閉じこめられる。ダニーは恋人ステイシーと祖母の家へ。
祖母を救出するが、母はおらず、道の途中で車の下敷きになっているのを発見。
父を救出。今度は母を捜しに行き合流。車で移動するが、竜巻に追われる。
橋の下に逃げ込み、やり過ごし、わだかまりのあった義父と和解する。

 と言うわけで、インチキくさい題名だが、
物語は右往左往する家族の話で終始。竜巻がすごいと言う印象も受けず。

TV放送 2000/03/01 08CH 0145-****
 

ツイスター・インフェルノ2(98)

 竜巻を研究する気象調査官ジェイミー(ケリー・マクギリス)は、
夫ジムを事故で失い、その研究を受け継ぐ。
コロラドの従来竜巻が発生しない地区で竜巻が発生。ジェイミーが調査に行く。
極秘の政府施設を不審に思い調査。どうやらエネルギー省による極秘実験が
竜巻を引き起こしていたらしく、ジムもその危険性を主張していたのだ。
ついに最大級の竜巻が6つも現れ、ジェイミーらの車が追われるが何とかやり過ごす。

 と言うわけで、ツイスターともツイスター・インフェルノとも関係ない話で
発生源が人間の研究で、しかもでかいのが6つも現れる大安売りときたら
バッタ物と言う印象は否めない。

TV放送 2000/07/18 11CH 0147-0338
 

ツイステッド(2004年米)

 ジェシカ・シェパード 殺人課捜査官
 ミルズ本部長 ジェシカの育ての親
 マイク・デルマルコ ジェシカの上司
 ボブ 第1の犠牲者
 ゲバー 第2の犠牲者
 レイ・ポーター 第3の犠牲者。容疑者カルターの弁護士
 ジミー 第4の犠牲者。ジェシカの同僚

 サンフランシスコ警察。男勝りの女捜査官ジェシカ(アシュレー・ジャッド)は
父が母を殺害したと言う過去を持ち、
ミルズ本部長(サミュエル・L・ジャクソン)に育てられた。
ボブとゲーバーが殺される事件が発生。連続殺人の兆候が。
実は2人ともジェシカが行きずりで愛し合った人物だ。
上司マイク(アンディ・ガルシア)らは秘密にするが、
なぜか同僚が知っており、ジェシカはマイクを疑う。
殺人容疑者カルターの弁護士レイが殺される。
殺人の証拠はないが、酔っている間の行動に自信が持てないジェシカ。
同僚ジミーに迫られるが、気がつくと彼もまた殺されていた。
ジェシカの血液から薬物が検出される。無抵抗になる薬で殺人は不可能だ。
マイクに疑いがかかるが、その証拠はミルズのでっち上げだった。
ジェシカを溺愛するミルズは、彼に近づく男性を次々と殺害。
抑制できなくなったと言う。会話は携帯で本部に連絡され、
追いつめられたミルズをジェシカが射殺する。

 と言うわけで、アシュレー・ジャッドがまたまた罠にかけられる話で
何かいつも似たような役どころに思える。
彼女の周囲の男性が次々殺され、
酒を飲むと記憶がなくなる彼女は自信がなくなると言う展開なのだが
それで、彼女が本当に犯人だったとしたら、物語的に面白くもなく
(そう言うどんでん返しものもあった気がするが)
と言うわけで、犯人はその他にいるはず。
アンディ・ガルシアは、展開上一度は疑われるだろうとは思ったが、
ありがちの、中盤でチラリと出てきた同僚の刑事あたりが犯人かと思えば
真犯人がわかると、意外さも中くらいの展開。

TV放送 2006/10/03 BS05 1210-1554
 

追想(1956年米)

 17年ロシア革命でロマノフ王朝は崩壊。王族は銃殺されるが、
娘アナスタシアは生き延びたと言う説もあった。
28年パリ。ボーニン将軍(ユル・ブリンナー)は精神病院にいたと言う
アンナ・コレフ(イングリッド・バーグマン)と言う女性を見つける。
今は否定しているが、かつてはアナスタシアだと話していたらしい。
将軍と仲間は、英国銀行に遺された王室の1000万ポンドの遺産を狙っている。
本物のアナスタシアとは思っていないのだが、訓練して本物に見せる事は可能だ。
歩き方、ピアノ、ダンスも訓練。アンナは混乱し、自分が誰かわからなくなる。
パーティでお披露目するが、侍従ワシリウイッチらは否定的で、進展しない。
そこでコペンハーゲンへ行き、皇太后(ヘレン・ヘイズ)に会わせようとする。
多くのニセ者にあった皇太后は、金目当てだと会おうとしない。
そこで、女性好きの甥ポールに接近させ、何とか会わせる事に成功。
それでも皇太后は否定的だったが、興奮すると咳の出る癖で本物と認める。
記者会見する事になるが、かつてアンナを引き取ったと言う男が否定する。
ボーニンは複雑な思いで、会見の前に彼女を去る事に。
アンナはポールとの結婚を望まず、彼女も姿を消す。
皇太后は、記者たちを前に、芝居は終わったと語る。

 と言うわけで、アニメにもなったアナスタシア妃の伝説の映画化で
実際に彼女と称する女性が、
近年DNA鑑定で別人とわかったとか言う話を聞いた事があるが
この映画が、その話を元にしているのかどうかはよくわからない。
演ずるのは、イングリット・バーグマンで
不倫によりハリウッドを追放されていたが、これは復帰作でアカデミー賞を受賞。
対するブリンナーも、同年に「王様と私」でアカデミー賞を受賞しているから
ベストな布陣と言える。
皇太后も、「めぐり逢い」のおばあさんを思わせる味わいのある存在。
物語の方は、彼女が実は本物という感じで展開するのかと思ったが
そこらへんは曖昧に。
どちらかと言うと、本物であるかのように訓練するシーンがメインで
「マイ・フェア・レディ」を思わせる展開だ。
ブリンナーの方が恋に落ちてしまう展開はわからないでもないが
逆にバーグマンの方が恋に落ちるに至る心理変化は
いまいち理解できない。

TV放送 2002/03/11 BS05 1900-2050
 

ツインズ(88)

監督 アイバン・ライトマン

 孤島の遺伝学研究所の博士は、ジュリアス(アーノルド・シュワルツェネッガー)に
彼の素性について話す。ジュリアスは合衆国の遺伝実験のため、
6人の優秀な男の精液を混合し、メアリー・アンと言う女性を母に生まれたのだ。
母は出産時に死亡したが、双子の兄ビンスがロスの養護施設にいると言うのだ。
ジュリアスは兄に会うため、35歳にして初めて島を出た。
ビンス(ダニー・デビート)は、クレイン兄弟に借金して追われていた。
そして、駐車係アルの協力で自動車泥棒しているが、駐車違反で逮捕される。
ジュリアスは刑務所で似ても似つかぬ兄ビンスと対面。保釈金を払う。
ビンスは取り合わないが、ジュリアスがクレイン兄弟を撃退したため、同行する事に。
2人は、ビンスの恋人リンダと妹マーニーと会い、マーニーはジュリアスが気に入る。
ジュリアスは、母が生きている可能性がある事を突き止め、
真相を知るトレーブン教授に会いに行く事を決意。
ビンスは、盗んだ車に500万ドル相当の機械が積まれている事を知り、
これを届ける事に。マーニーらも含めて4人で旅行する事になる。

 機械を運ぶはずだったウェブスターは、ビンスを突き止め、後を追う。
トレーブン教授から、ビンスは失敗作だと聞かされ、彼はショックを受ける。
だが、ジュリアスは互いに補いあってこそ家族だと言う。
2人は揃いの服で町へ。ビンスはジュリアスにいろいろ体験させようとする。
メアリー・アンがいると言う芸術家村へ。だが、彼女は死んだと聞かさせられる。
実は、彼らにあった女性こそメアリー・アンだが、双子の話を信じなかったのだ。
失望したビンスは、機械を取引場所の工場へ運ぶ。事情を知ったジュリアスも追跡。
ビンスは金を受け取るが、現れたウェブスターが襲撃。
ジュリアスがかけつけ、ウェブスターを撃退。
金と機械は返す事になり、賞金をもらうと言うニュースに。
それを知ったメアリー・アンは2人の所へ。兄弟は結婚し、共に双子が生まれた。

 というわけで、シュワちゃんが初めて挑戦したコメディ。
万能だが不器用なシュワと、ダメな男だが要領いいデビートのコンビが
なかなかうまくいっている。
スパイものみたいな話がからむのはいただけないが、全体としてほのぼのと楽しめる。

LD
 

ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間」(92)を見た。やれやれ。

 ツイン・ピークスと言うのは、アメリカのテレビシリーズで、
パイロット版(序章)の好評により、第1章〜第29章まで作られた。
作ったのは、「エレファントマン」「砂の惑星」等の奇才デビッド・リンチ。
自身も監督したり、出演までしてしまうほどのノリだ。
大ざっぱに言えば、ツイン・ピークスと言う町をめぐる人々の話で、
前半は、ローラと言う女子高生殺害事件にまつわる話。
後半は、アールと言う元FBI捜査官の殺人にまつわる話だ。
これをリンチ監督映画の常連、カイル・マクラクラン扮するクーパー捜査官が
捜査すると言うもの。
そこには、事件とはほとんど関係ないものまで含めて、
イヤになるほどの人間関係があり、数多くの小さな証拠物件が登場。
これだけなら、複雑な推理ものと言う印象だが、
クーパーを含めた数人が、幻覚を見るクセがあり、
クーパー自身はこの幻覚を頼りに捜査している部分があるのだ。
そして、そう言うのを抜きにしても、いつも丸太を抱いている女性とか、
高校生になったつもりの女性等と、ちとおかしな設定の人も出てくる。
少なくとも、ローラ事件を追っていた頃は、その異様な雰囲気もあってか、
ヒットして、第2シーズンへの突入を達成したわけだ。
だが、クーパーが強引にツイン・ピークスの住人となり、恋人までできるが、
物語があまり展開しなくなり、視聴率は低下していった。
アメリカのテレビシリーズは、視聴率が下がると、
たとえ連続ものでも、平気で途中で終わらせてしまうものだ。
したがって、きちんとした最終回がないシリーズはゴロゴロある。
そんな中で、「ツイン・ピークス」は、最終回と言えば最終回、
まだ続きがあると言えば、あるとも思えると言う中途半端な終わり方で終わった。
リンチは、この終わり方に不満を持ち、映画化に踏み切ったわけだ。
映画は、不評だったアール事件のその後ではなく、
好評だったローラ事件の前を描くと言う異色さだ。

 日本では、映画が完成した頃になって、突然、マスコミ等が盛り上げ始め、
「ツイン・ピークス知らなきゃ、通じゃないですよ」等と言われると、
ムッとする人々の間で、面白いと言わなければならない状況ができ
ツイン・ピークスツアーとか、全話をおさめたビデオの発売など、
ノセられやすい連中から、可能な限り金をしぼりとれと言う策にはめられていった。
そんな中で、日本では世界で最初に映画が公開されたわけだ。
この段階で、なぜ、他の国では(特にアメリカ)すぐに公開しないのかと言う
疑問がわいてもいいはずだった。ひょっとして不評なのではと。
公開してしばらくすると、「さっぱりわけわからん」との評判が出てきた。
通常のシリーズものは、一応、続編だけ見てもわかるように作られている。
ところが、この映画はまったく容赦なかったのだ。
そして、カンヌ映画祭で、ブーイングが出るほどの不評。
クーパーが活躍せず、特にこれと言った謎ときもないのが不評の原因らしい。
それでも、我々は苦労して全話を入手して、時には夜遅くまで起きていて見た。
映画公開が終わりそうになって、あわてた時もあった。
こうして、見るまでにえらい苦労を経て見た、あの映画は何だ。

つまらんぞ!

 と、声を荒げてはみたものの、いままで数年間、
劇場で見た映画はあらすじと感想をまとめると言う習慣を続けてきたので、
ここへきて例外を作るわけにはいかない。
でも、2時間半と言う長さにも関わらず、かなり内容が薄く、
たぶん、TVシリーズの紹介の方が長くなってしまう。やれやれ。困ったもんだ。

 (TVシリーズのあらすじ)
 ある日、ローラ・パーマーと言う女子高生の全裸死体が発見される。
続いて、ロネットと言う娘が、レイプされた状態で発見される。
FBIのクーパー捜査官が到着。テレサ・バンクス事件と同一犯と言い、
ローラの爪の中から、「R」と書かれた紙片を発見。
ローラは、事件当夜バイカーのジェームズと会っていた事が判明。
だが、彼によればローラは様子がおかしく、途中で別れたと言う。
クーパーは、夢でローラに会い、犯人を聞くが、忘れてしまう。
ホテルのオーナーの娘オードリーは、クーパーに気に入られるため独自に捜査。
ローラが父のデパートの香水売り場で働いていた事をつかむ。
検死の結果、ローラの胃の中から、「J」と書かれたプラスチック片が発見される。
クーパーは、「官能の世界」と言う雑誌に、ローラとロネットが出ている事に気づく。
そして、プラスチック片は、カジノ「片目のジャック」のポーカーチップと判明。
一方、オードリーは香水売り場から、娘が裏で売春業を行う「片目のジャック」へ
送られている事を知り、これまた潜入。
クーパーは、「片目のジャック」のジャック・ルノーを逮捕。
ローラの父リーランドは、ジャックを殺害する。
クーパーは何者かに撃たれ、彼の前に現れた巨人が、捜査のヒントを与える。
彼は、事件当夜、ローラはレオとジャックと共にいたと推理。
だが、殺害犯は第3の男であると思われた。
リーランドは、クーパーが夢で見た犯人ボブを、子供の頃見たと証言。
クーパーはリーランドを、ジャック殺害犯として逮捕。
ローラの親友ドナは、ローラが給食サービスしていたハロルドの家に、
第2のローラの日記がある事を知る。
クーパーは、「片目のジャック」に捕らわれていたオードリーを救出。
クーパーの夢に出た片腕の男、ジェラードを取り調べ。
憑依霊であるマイクが現れ、ボブについて語る。
ハロルドは自殺し、日記には「ベンの正体を暴く」と書かれていた。
クーパーは、ホテルのオーナー、ベンを逮捕。
ボブは、ローラのいとこマデリーンを殺害。
クーパーは、関係者を全員集め、ついに夢でローラが語った真犯人を思い出す。
それは、ローラの父リーランドだった。憑依霊であるボブがやらせていたのだ。
リーランドは死に、ボブはどこかへ消えていった。

 クーパーの前にFBI捜査官が現れ、彼は停職処分に。
オードリー救出時の国境越えに問題があると言うのだ。
ブリッグス少佐が失踪。再び現れた時には、妙な傷跡が発見される。
アールは、かつて妻をクーパーの過失で失い、以来、彼を恨んでいた。
アールは次第に、クーパーの周囲に接近。
クーパーは、ブリッグスの傷が、ふくろうの洞穴と同じ模様と気づき調査。
そこには、悪の巣窟とも言うべき、「ブラック・ロッジ」への地図がかかれていた。
アールは、ミス・ツインピークスコンテストで優勝した、
クーパーの恋人アニーをつれ去り、ブラック・ロッジへ。クーパーも追跡。
意外にも、ボブがアールを倒し、クーパーは脱出。
だが、クーパー自身がボブに入り込まれていた。

 というわけで、後半が前半に比べて簡単なのは、他の人々の事件が多くなったから。
映画では、クーパーではなく、ローラが主役らしい。
ほとんどの俳優は、TVと同じだが、ドナが別の女優に変わっている。
有名な俳優も何人か出ていたが、映画版には出てきていない。
映画版の新しい出演者としては、
FBI捜査官に、デビッド・ボウイ、キーファー・サザーランド。
テレサ・バンクスの住んでいたトレーラーハウスのオーナーに、
「エイリアン」等に出演したハリー・ディーン・スタントン。
そういう事で、結末はわかっている話なので、物語の展開を追う必要性が弱く、
したがってどういう順番で展開したか、明確には覚えていないので、
かなりパンフの助けを借りた。「JFK」より困った映画である。

 テレサ・バンクスと言う女性が殺害された。
FBIは捜査を開始。ゴードン(デビッド・リンチ)の指示で、
デズモンドとスタンリー(キーファー・サザーランド)が現場へ。
閉鎖的な町では、警官すらも捜査に非協力的。
デズモンドは、バンクスの爪の中に、「T」と書かれた紙片を発見。
2人は、バンクスが住んでいたトレーラーハウスへ。
と言うあたりから、この知ってる登場人物がまったく出てこず、(ゴードン以外)
かなりノロノロした展開のため、睡魔に襲われたため、
何があったのかよくわかっていない。
どうやら、デズモンドが突然消えてしまい、
逆に、失踪していたフィリップ(デビッド・ボウイ)が現れる。
クーパー(カイル・マクラクラン)や、ゴードンは困惑。(私もだ)
事件に、悪の影がある事を指摘して消えると、パンフには書かれているが、
ただでさえ訳のわからん展開なのに、半分寝ていたのでは、わかるわけがない。
クーパーは、なぜかこの事件は迷宮入りすると断言。
1年後、再び事件が起こり、その時は捜査官のアルバートが協力してくれるだろう。
次に殺されるのは、女性。金髪。高校生。性生活は乱れている。
(これだけで、すでに1時間弱が経過している。たまらない映画だ)

 1年後。ツイン・ピークス。
高校のクイーンに選ばれたローラ・パーマーは、親友のドナと学校へ。
ちょっとワルのボビーがまとわりつくが、つかず離れずと言う適当なつき合い。
バイカーのジェームズともつき合っていて、彼は真剣に愛しているが、
これまたローラは、真剣になっちゃダメよ等と言う。
いきなり、ローラがTVでは見せなかった、けっこうでかい胸を出してきた。
この段階では、TVの出演者はだいたい出ると思っていたので、
オードリー、シェリー……と期待はふくらんだが、そうは問屋がおろさなかった。
ローラは麻薬にも手を出し、周囲が思ってるより、結構悪い奴だったのだ。
彼女は秘密の日記をつけていたのだが、何者かに一部が破られている事に気づく。
(TVでは、ローラがクーパーの夢を見たので、破られた事になっていたはずだが、
映画では、ボブの正体に気づいたからと言う事になっている)
愕然としたローラは、唯一この秘密の日記の事を知っているハロルド・スミスの所へ。
家から出られないハロルドに頼まれて、ローラは自分の夢の話などを
日記に書いてきたのだ。だが、それがばれてしまったのか。
ハロルドは、ボブは実在するわけではないと言うが、ローラはマジでびびっている。
ローラは日記をハロルドに渡す。こうすれば、「奴」にはわからないはずだから。
彼女は、もう会わないと思うと言い残し、立ち去る。
彼女が給食サービスをする「RRダイナー」の前に、奇妙な老婆と孫が現れる。
(これは、TVではハロルドの隣に住んでいたトレモンド夫人だ。
だが、ドナが彼女と再会しようとすると、まったく別人が住んでいた)
トレモンドは、奇妙な部屋の中の絵を手渡し、「彼は扇風機の下にいる」と言う。
ローラは、あわてて家へ。すると、ボブが部屋の中を探っていたので愕然。
家を飛び出すが、次に家から出てきたのは、父リーランドだった。
まさか、リーランドがボブなのか。答はTVを見たものなら知っている。
というわけで、ローラはリーランドにおびえる。
夜。ローラが寝ると、意識は壁にかけた絵の中へ。
赤いカーテンの部屋。テレサ・バンクスが現れ、「指輪をしちゃダメよ」と言う。
(この指輪の模様は、TVで後に発見される、ふくろうの洞穴の模様と同じだと
パンフには書かれているが、もちろん、そんな事、映画を見ていて気づくはずもない)
だが、気づくと指輪が手に。隣を見ると、血だらけのアニーが。
(「私アニーよ」か何か言ったと思ったが、アニーが、TVで後に出てきた
クーパーの恋人かどうかは、よくわからなかった)
朝、目覚めると指輪はなくなっている。

 ボビーは麻薬取引にも手を出し、大きい取引をしたいなら、森へ来いと言われる。
ローラに、いつも丸太を抱いている丸太おばさんが警告。
「火を消すのは難しい。無垢な小枝から燃え、善は危険にさらされる」
(もちろん、そんなセリフはすっかり忘れていて、パンフで思い出したのだが、
考えてみると、TVでは何かにつけて「火よ我と共に歩め」と言っていたので
火と言うのが、ボブとかの、悪の象徴だったのではと思えてきた)
泣いてすがってきたかと思うと、冷たくなったりする、
ローラの態度に困惑した親友ドナは、彼女について怪しげな店へ。
ジャック・ルノーの仲介で、ローラは2人の女性の相手をする。
割り込んできたドナも仲間に。
ローラはまたも裸になり、いつの間にかいたロネットと共に男の相手。
「片目のジャック」をクビになって以来ね。またあの時が戻ったみたい。
だが、ドナまでもが裸になって、男に愛撫されているのを見て、
突然ローラは彼女を店の外へ。私の服を着ちゃダメと叫ぶ。
翌朝、気がついたドナをなぐさめるローラ。
迎えにきたリーランドは、テレサ・バンクスの事を思い出す。
バンクスは秘密に気づき、リーランドによって殺されたのだ。
帰る途中の車。突然、片腕の男の車が接近。「そいつだ!」等と叫ぶ。
(これは、TVでボブの元仲間のマイクが乗り移っていたジェラード)
ローラは訳がわからないが、この男におびえ、過剰な反応を示す父にもおびえた。
そして、ジェラードがしていた指輪が、夢で見たあの指輪だと気づく。

 ボビーはローラと共に、麻薬取引現場へ。
だが、そこで待ち受けていたのは保安官だった。ボビーは彼を射殺。
笑いだしたローラは、殺したのはマイクだと言う。
(保安官だと言うのは、パンフに書いてあったからで、映画ではわからなかった。
マイクとは、ボブの仲間ではなく、ボビーの親友の名前。何というややこしさだ。
でも、この親友マイクは、TVでも後に出てくるので、死んでないはず。
なぜ、ローラがこんな事を言ったのかは不明だ。
そういえば、TVでジェームズが、「ローラはボブが人殺しをしたと言った」と
言っていたが、この事だったのか。
でも、なぜこんなに簡単に忘れられてしまったのか。
それは、未来を先に作ってしまった、リンチのやり方がいけないのだと思う)
ローラの部屋にボブが現れ、彼女にのしかかる。
「おまえの口で食べたい。体をよこせ」
ボブは長年、ローラの体を欲しがっていたが、ローラが拒否したのだ。
ローラは初めてボブの顔をまともに見た。それは間違いなくリーランドだ。

 そして、事件の夜。ここからは、TVを見ている者には、記憶のあるシーンだ。
ローラはジェームズに呼び出され、バイクに。
ジェームズは相変わらず、彼女を愛していたが、
ローラはいつもにも増して、様子がおかしい。
そして、これ以上近づけば、あなたが危ない等とも言う。
バイクを降りて、ローラは森へ。そこで、レオ、ジャック・ルノー、ロネットと会う。
小屋でローラは縛られて、2人と乱交状態。それを窓からのぞいているリーランド。
外へ出たジャック・ルノーをリーランドが殴る。
(死んだように見えるが、TVにも出てきたので、死んでいてはおかしい。
それに、TVでは、ジャックを殴ったのはレオで、
そのために、レオのシャツに血がついたはずだが、そうはなっていない)
気づいたレオは、やばいと感じて、2人を残し、車で立ち去る。
リーランドは、2人の娘を軽々かかえて、壊れた列車へ。
(これまた変で、レオ1人で2人を連れてくのは無理だから、
第3の男の存在が浮かんだはずなのに……)
リーランドは、2人を殴る。かけつけたジェラードがドアを開け、ロネットを外へ。
ほっといて、リーランドはローラを撲殺。失意のジェラードは現場を立ち去る。
リーランドは、ローラの死体をビニールでくるみ、外へ。
倒れているロネットを見て、あたかも死を確認したかのように立ち去る。
(でも、TVでは、ローラを殺す事に夢中で、ロネットが逃げるのに気づかなかったと
言っていたので、ちょっとニュアンスが違うが)
そして、死体を湖へ。
この先になると、赤いカーテンの部屋やら、天使やら、浮いてるリーランド等
訳のわからん映像の連続。最後に笑っているローラの顔。
これは、ハッピーエンドと言う意味だろうか。
何だったのかと言う疑問を残して、消化不良のまま、映画は終わってしまった。

 というわけで、いろいろと問題はあるが、TVシリーズは不評の第2シーズンまで
ごく一部を除いて面白くできていた。
ところが、この映画は全然面白くない。
カンヌ映画祭での不評の理由のように、クーパーは活躍せず、
デビッド・ボウイ等のゲストも活躍せず、
ハリー保安官等、TVでおなじみのキャラも出ない。
(まさか、寝ている間に出てはいないはず)
前半3分の1くらいは、知らない連中しか出てこない。
結末はわかっており、真犯人も知っているので、特に何かが解決するわけではない。
物語と言うのは、先の展開が見えないから面白いわけで、
結末が限定されてしまうと、どうしても物語が小さくなってしまうのだ。
そのくせ、そこかしこに、TVと矛盾するのではと思わせるシーンがちらほら。
マニアックな映像を作ってきたデビッド・リンチも、
まさか観客の方が「ツインピークス」に詳しいとは思わなかったのだろうか。
TVでちょっとイライラさせられた、赤いカーテンのシーン等の幻想が、
けっこうなウェイトを占めているのもいただけない。
異様な雰囲気はデビッド・リンチの世界と言いたげだが、
TVよりつまらないのだから、仕方がない。
デビッド・リンチは描きたりなかったと称して、この映画を作ったわけだが、
それならば、なぜあの後を描かなかったのか。
こんなものを見るために、我々は苦労したのではない。
唯一の収穫は、ローラの裸と言う事か。ドナも裸になったが、あのブスのドナはダメ。
 

ツーリスト(2010年米仏)

フランク・トゥーペロ 数学教師(ジョニー・デップ)
エリーズ・ウォード フランクが知り合った女性(アンジェリーナ・ジョリー)
アレキサンダー・ピアース 正体不明の金融犯罪人
レジナルド・ショー 組織のボス(スティーブン・バーコフ)
アチソン警部 ロンドン警察
ジョーンズ主任警部 ロンドン警察(ティモシー・ダルトン)

 ロンドン警察は、金融犯罪人アレクサンダー・ピアースを追跡。
恋人エリーズを監視する。エリーズは列車で旅行客フランクに接近。
警察はフランクがピアースではと疑うが、結局数学教師と判明。
一方、ピアースに23億ドルを奪われたショーは、フランクをピアースと考え追跡。
フランクはベネチアのホテルでエリーズと過ごすが、
翌朝彼女はおらず、ショーの組織に追われる羽目に。
組織に通じる地元警察に捕まるが、エリーズが救出。
空港に送られるが、フランクはエリーズを心配して引き返し、警察に捕まる。
実はエリーズは潜入捜査官でピアースを監視していたが、
警部はエリーズの裏切りを疑っていた。
ショーはエリーズを捕らえ、持ち出した金のありかを聞き出そうとする。
警部は、エリーズの危機にピアースがかけつけると考えたのだ。
エリーズが金庫を開けようとすると、いつのまにか抜け出したフランクが現れる。
フランクはピアースだと称し金庫を開けようとする。
かけつけた主任警部は危険な作戦を止め、突入を許可。ショーらは射殺される。
開いた金庫からはピアースの小切手が見つかる。
組織から盗んだだけとお咎めはなく、フランクらは解放。
フランクこそ、整形で顔を変えたピアースだったのだ。

 と言うわけで、ジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーと言う組合せの
(最初はトム・クルーズとシャーリーズ・セロンで企画された)、
ヒッチコック風巻き込まれサスペンス。
平凡な旅行者デップが、ひょんな事から、事件に巻き込まれる設定は悪くないんだけど
中盤でジョリーが実は潜入捜査官とわかり、雲行きが怪しくなる。
あげくの果てに、と言う結末は、まさに蛇足の典型。
デップがギャングに追われ、あわてふためいてたのが実は演技だったなんて、
そんな伏線はまったく感じられず。
ところで、ティモシー・ダルトンが出るから見たけど、登場は最初と最後だけ。
良くも悪くもない警察幹部役。

TV放送 2012/12/11 WOWOW 0415-0558
 

28days(2000年アメリカ)

 グエン(サンドラ・ブロック)は恋人ジャスパーと共にアルコール中毒。
姉リリーの結婚式でも大暴れしてしまい、更正施設へ入れられる事に。
様々な中毒患者がいる施設で、うんざりさせられる。
訪問したジャスパーと共に抜け出したりするが、
職員コーネル(スティーブ・ブシュミ)に侮辱されて自制する事に。
薬を捨てるが、窓から転落して両足を痛めてしまう。
罰としてトイレ掃除をさせられ、馬の相手をするセラピーなどで次第にまじめに。
家族セラピーで、リリーに結婚式での事を言われショックを受ける。
退所したダニエルは舞い戻り、退所寸前のアンドレアは薬の過剰摂取で死ぬ。
元スポーツ選手のエディ(ヴィゴ・モーテンセン)と親しくなるが
ジャスパーはエディとケンカに。ジャスパーは良くないと忠告する。
やがてグエンも退所になり、皆が見送ってくれる。
ジャスパーは人生を変えてみせると言うが、飲みには行こうとするので失望。
彼女は退所した仲間の所を訪ねる事にする。

 と言うわけで。サンドラが出ていて未公開になった割に新しい作品。
共演にアラゴルンやブシェミなんか出ていてお得感もあるが、
物語は基本的に、アル中などの中毒症状の更正施設の話。
楽しげな所はあるものの、何か「17歳のカルテ」の別バージョンと言う感じ。
テーマがありそうで、何かハッキリしない気がする。

TV放送 2005/05/15 25ch 1405-1600
 

月の輝く夜に(1987年米)

ロレッタ (シェール)
ジョニー ロレッタの婚約者
ロニー ジョニーの弟(ニコラス・ケイジ)
ローズ ロレッタの母(オリンピア・デュカキス)
コズモ ロレッタの父
ペリー ローズと食事する

 37歳のロレッタは、夫に先立たれ、現在は独身。
同僚のジョニーに求婚され、これを受けてしまう。
だが、マザコンのジョニーは、結婚は病床の母が死んでからだと言う。
一方でジョニーは、絶交状態の弟ロニーを式に呼んでほしいと頼む。
そこでロレッタはロニーを訪ねる事に。
パン屋で働くロニーは、以前にも兄の婚約を聞かされ、
驚いてスライサーで片腕を切断してしまい、以来兄を逆恨みしていたのだ。
ロレッタは何とか仲直りさせようとするが、
ロニーはそんな彼女に夢中になってしまう。
ロレッタはこれで最後と言うデートに着飾って出掛ける自分に気づく。
だが、そこで浮気していた父と出くわし、自分も同罪だと気づく。
ロニーへの愛に気づいたロレッタは、家族に紹介。
皆で食事する事に。父は浮気の件を母に詫びる。
そこに現れたジョニーは、母親が奇跡的に回復した為、結婚はできないと言う。
ならばとロニーが求婚し、ロレッタは受ける。
最後は、ジョニーも含めて皆が家族だと乾杯するのだった。

 と言う訳で、シェールがアカデミー賞をとった作品。
彼女は夫に先立たれ、独身に戻った女性。
知人にプロポーズされ、先行きの不安からか、軽く受けてしまう。
この婚約者に頼まれ、絶縁状態の弟ニコラス・ケイジを式に誘う事に。
だが、こっちと親密になってしまうと言う訳。
どこかで聞いた展開だし、結末は何となく予想がついてしまったが、
バラバラだった家族がラストに集まり、写真を撮るシーンはちょっといい。
ところで、やっぱりニコラス目的で見た。
シェールより一回りくらい年下の若造役で、まだ使い方が定まってなかった感じ。

DVDレンタル
 

つばさ(1927年米)

ジャック・パウエル パイロット
デビッド・アームストロング 資産家の息子
メアリー・プレストン ジャックの隣家の娘
シルビア デビッドの恋人
シュウィンプフ 整備係
ホワイト ジャックらと同部屋(ゲーリー・クーパー)

 1917年。メアリーは隣家のジャックに惹かれるが、ジャックはシルビアに夢中。
だがシルビアはデビッドと恋仲だった。
米軍が参戦し、ジャックとデビッドは空軍に志願。
反発し合うが、戦地で友情が芽生える。
同部屋のホワイトが戦死し、ジャックらが配属に。
敵を倒し浮かれるジャックの姿に、
赴任したメアリーは失望するが、やはり想いは隠せない。
ジャックとデビッドはシルビアをめぐりケンカに。
出動になり、無謀な攻撃をしたデビッドは墜落。
ジャックはデビッドが戦死したと信じ、弔い合戦と果敢に攻撃。
一方、生きていたデビッドは、独軍機を奪って帰還。
そうとは知らないジャックは、デビッド機を撃墜してしまう。
帰還したジャックは、自分がデビッドを死なせたと知りショックを受ける。
シルビアがデビッドを愛していた事も知る。
戦争は連合軍の勝利に。ジャックは英雄として帰還するが、自責の念にかられる。
メアリーと再会し、初めて彼女への想いに気付いたジャックは、
平和の大切さを知るのだった。

 と言うわけで、アカデミー賞の記念すべき第1回作品賞受賞作。
第一次大戦を描いた話で、何しろ製作が第二次大戦よりも前。
白黒のサイレントだが、近年つけたっぽいパートカラー(炎だけ赤い)で弁士つき。
物語は2人の若者と、それに絡む女性たちの話。
2人は恋のライバルだったが、戦場で友情が芽生え、だが残念な結末が。
と言う、比較的シンプルな話だが、
2時間半の長尺なのはどうしてもテンポの悪くなるサイレントならではの宿命か。
戦地でも何かのんきなヒロインにも時代を感じさせられるが、
空撮を含む戦闘シーンは今見てもなかなかの迫力。

TV放送 2013/02/25 WOWOW 2320-0142
 

翼よ!あれが巴里の灯だ(57)

監督 ビリー・ワイルダー

 1927年。郵便飛行士リンドバーグ(ジェームズ・スチュワート)は、
ニューヨーク−パリ間大西洋横断の一番乗り競争への参加を決意。
実業家たちは彼の意気を買い、機は「セントルイス魂号」と命名される。
だが、飛行機会社はパイロットを指定したため、別の社を探す。
90日で作ると言うライアン航空機は、ボロの工場だったが、彼は気にいる。
24時間体制で組立が行われ、重量を軽くするため、器材は最小限に抑えられる。
その間に、ウースター組が事故で死亡し、フランス組が行方不明に。
しかし、リンドバーグは決行。緊張のあまりか睡眠はとれなかった。
悪天候で滑走路はぬかるむが、何とか離陸。ハエが話し相手だったが、それも外へ。
大西洋上空へ。翼が氷結し、重みで危険になるが、間一髪溶けて回復。
激しい睡魔に襲われるが、コンパスを見るための鏡の光で目覚める。
28時間経過し、アイルランドを発見。フランスへ。
パリへ入り、飛行場が迫るが、感覚が鈍り、神頼みまでしての着陸。
33時間30分。彼はパリで20万、帰国後400万の人に歓迎された。

 と言うわけで、ほとんどが一人称で展開する物語。
合計で3日ほど寝ていないと言うのは、驚異でしかない。
ユーモラスの面もあるが、あまり関係ない回想シーンはいただけない。
ドサ回り時代の相棒バッドに、マーレー・ハミルトン。

TV放送 92/12/31 BS05 19:30-21:55
 

冷たい月を抱く女(93)

 大学職員アンディは、レイプ事件で医師ジェッド(アレック・ボールドウィン)と
知り合い、彼を同居させる事に。
アンディの妻トレイシー(ニコール・キッドマン)は、卵巣から出血し危険な状態に。
深夜の手術で検査の余裕がなく、ジェッドは独断で卵巣を摘出。
だが手術後正常だったと判明。トレイシーは許可したアンディに腹を立て家を出る。
ジェッドは過失を認め、示談になる。トレイシーは流産したが、
レイプ犯の捜査でアンディは無精子症とわかり、彼はだまされた事に気づく。
トレイシーの母(アン・バンクロフト)は、娘が詐欺常習犯だと言う。
トレイシーはジェッドと組んで、妊娠促進剤で卵巣破壊の症状を起こしたのだ。
アンディは示談金の半額を要求。仲間割れでトレイシーはジェッドを射殺。
促進剤投与を目撃した少年を襲うが、アンディの罠で彼女は警察に逮捕される。

 と言うわけで、アレック・ボールドウィンの正体不明の医師のスリラーかと思えば
後半では悪役がニコール・キッドマンに移り、食わせ物女優と言う印象を深めた。
それにしても、わざわざ卵巣破壊を起こすとは。
医師の審問会に出たケスラー博士に、ジョージ・C・スコット。
音楽はジェリー・ゴールドスミス。

TV放送 95/06/01 BS05 01:00-03:00