スピルバーグがリメイク「宇宙戦争」を見た。(2005年)

 宇宙戦争と言えば、H・G・ウェルズ原作の宇宙侵略ものの元祖で
原作では火星人が攻めてきたと言う話だったが、
その後、オーソン・ウェルズがラジオドラマ化してパニックを起こし
50年代にはジョージ・パルがベガ星人として初の映画化。
いろんな侵略ものがあるけれども、やはり元祖と言うわけで
その有名なラストまで、まさに王道という感じ。
インデペンデンスデイやサインさえも、この映画をベースにしているはず。
そんなわけで、今さらという気もするが、
この物語をスピルバーグが映画化し今風の派手な特撮でどう演出するかが見物。

 冒頭はナレーション。
「高度を頭脳を持った異星生物が、太古の昔から地球を監視していた」
湾岸労働者のレイ(トム・クルーズ)は、
フォークリフトを扱わせたらピカイチだと言うが、それは物語にたいして影響しない。
上司に残業を頼まれるが、今日はダメだと引き上げる。
メカにも詳しいらしくて、修理工の人にエンジンがかからない車について聞かれる。
ならばコイルを交換してみろなんて、素人のクセにアドバイスしたりする。
それから別れた妻の所へ車で急行。
彼女が新しい夫とボストンへ行くので、その間子供を預かる事に。
息子ロビーは、レイは父親として失格だと無視しているような状態。
娘レイチェル(ダコタ・ファニング)はそれなりにレイを慕っている様子。
その頃、世界各地で異常気象が発生。
ウクライナや大阪だかで発生したとテレビで報道される。
その異常気象は、気がつくとレイの町にも及んでいた。
巨大な竜巻のような物がいくつも発生。
しかし不自然な事に風は外から渦の方へ向かっているのだ。
やがて雷が発生。車や様々な機械が使えなくなり、町中が混乱する。
レイは様子を見るため、子供たちを残して町へ行ってみる。
すると、雷が落下したらしき場所には、隕石が落ちたかのような穴が。
皆が取り囲んでいると、そこがふくらんだりへこんだりして、驚く人々。
亀裂が周囲に広がり、駐車されてる車をはじき飛ばして一同退散。
さらに、地中から、何かの機械が現れる。
3本足のトライポッドと言うマシンが現れ、人々は逃げまどう。
マシンはいきなり光線を発射し、命中した人はたちまち灰に。
光線を撃ちまくり、あちこちに服の切れ端が飛び散り、レイを含めて人々は退散。
何とか家へ逃げ帰ったレイ。何が起きたかわからないでいる子供たち。
呆然としていたレイだが、ようやく落ち着いて子供たちを連れて逃げる事に。
まだ事情がわからないでいる子供たち。
レイたちは町へ出ると、修理工の人に、
コイルを交換したらエンジンがかかるようになったと言われる。
今の段階で、エンジンがかかるのはこの車だけだ。
レイは家族と共にこの車に乗り込む。人の車に乗るのに抵抗を示す子供たち。
おまけに修理工の人が、車を盗むなと近づいてくる。
レイは、生き延びたければ乗れと言うが、肝心の事情を説明しないので
怒っている修理工。やがて、そこにもマシンが現れ修理工もやられてしまう。
レイは車を飛ばして退散。人々が車に乗れず、走り回ってる中、
特に誰に止められるでもなく走り続けるレイ。
一応、後で車が襲われるシーンがあるが、すぐにでも群がってきそうだ。
あまりのパニックに過呼吸になってるレイチェル。
レイはどうしていいかわからないが、ロビーが何とか落ち着かせる。
そんな事もできないので、ますます父親失格という気になるレイ。

 レイらは、地下室がある妻の家へ避難する事に。
不満をもらすロビーらを抑えて、何とか地下で過ごす事に。
その夜、もの凄い音が起きておびえる一同。
翌朝、静かになっているので、外へ出て様子を見るレイ。そこには壮絶な状況が。
近所の家が破壊されていて、何と目の前に旅客機が墜落していたのだ。
生存者はいない様子だ。
とまどっていると、近くにはTV局の車が。
その取材班によると、外部とは連絡が取れなくなっているが
どうやら世界中が似たような状況になっているらしい。
そしてトライポッドが現れた穴を移した映像を見ると、
雷に乗って、エイリアンが上から降りてきた事がわかる。
まあエイリアンと言う言葉は出てこなかったのだが。
どうもトライポッドは太古から地中にあり、この襲撃のために待機していたのだ。
なぜ地下鉄とか作っているのに、どこでも発見されなかったのやら。
ロビーは戦うべきだと言い、通りかかった軍と一緒に行こうとするがレイが止める。
レイチェルは無数の死体を見て動揺している。
レイらはハドソン川へ到着。
だが、ここでようやく人々に取り囲まれ、車に乗せろと押し寄せる。
レイは銃を取り出し抵抗するが、逆効果で人々は興奮。
窓を割られて引きずり出され、車は奪われてしまう。
途方に暮れるレイらは、近くの喫茶店に入り休憩するが、
そうこうする内に、レイが落とした銃を拾った男が、車の運転手を射殺し修羅場に。
近くにはフェリー乗り場があり、人々が殺到。
何とか乗せろと押し寄せ、そこで妻の知り合いとか言う女性と、その子供に会う。
レイらは強引にフェリーに乗るが、警官だか軍だかが途中で止めてしまい
女性は子供とはぐれるハメに。
しがみついた人々を見て、ロビーは再び正義心を燃やし、彼らを助ける。
それを見ていながら、何もできないでいるレイ。
フェリーは出発するが、再びトライポッドが出現。
ブォーンとか言う音を出す巨大なマシンを下から見上げる構図で、かなり怖い感じだ。
トライポッドはフェリーを転覆させ、人々は川へ。
ここであっさり引き受けたはずの子供とはぐれる。
泳ぐ人々はトライポッドから出た触手に次々捕らわれていく。土佐の一本釣り状態だ。
何とか陸に上がったレイら。
そこでは、軍隊がトライポッドと交戦していた。
しかし、トライポッドの周囲にはバリアがあるらしく、歯が立たない。
血気盛んなロビーは、一緒に戦うと言い出し、レイは何とか説得しようとするが
その間に置き去りにされたと誤解した夫婦が、レイチェルを連れて行こうとし
結局ロビーをあきらめて、レイチェルだけを助ける事に。

 逃げまどうレイらは、農家の男オギルビー(ティム・ロビンス)に助けられ
彼の家に潜む事に。
一安心と思うが、このオギルビーの様子がどうもおかしい。
最初は、レイチェルに、パパが死んだら俺が守ると不気味な事を言う。
何万年も前から計画していた彼らに歯が立つはずがないと言うオギルビーだが
どうして情報を得たのか大阪でトライポッドが倒されたなどと言い出し、
急に戦うと言い出す。
それは危険だからよせと言うレイ。ヘタすれば自分たちも見つかってしまう。
トライポッドの触手が農家の建物を探り、
オギルビーが立ち向かおうとするが、何とか止める。
今度はエイリアンが部屋の中へ。情けない姿で、見せない方が良かったのでは。
隠れ続けるがオギルビーがいつ動くか気が気でない。
ついに意を決したレイは、レイチェルに目をつぶらせ、オギルビーを襲う。
ハッキリとは描かれていないが、殺したのは確かだ。
しかし、気がつくとレイチェルが姿を消していた。
レイは建物から出て彼女を捜す。
付近は赤い不気味な植物が繁殖。
それはエイリアンの食物で、人間の血液がその肥料になるらしい。
現れたトライポッドの腹の部分に檻のようながあり、
そこにレイチェルが捕らわれているのを発見。
レイもまた触手に捕まり、檻に入れられてしまう。
そこには捕らわれている人々が大勢。皆絶望している様子だ。
檻の中の人が、さらに触手で捕らわれると、腹の中のような所へ入れられ
そして二度と出てくる事がない。
ついにレイが触手に捕らわれてしまう。
覚悟を決めたレイは、落ちていた手榴弾を手に。
腹の中へ飲み込まれるが、周囲の人々が引っ張り、何とか引きずり出す事に成功。
出てきたレイは手榴弾を残しており、トライポッドは内部から爆発。
人々は解放され、再びさまよい歩く事となる。
町へ到着したレイは、建物によりかかって倒れているトライポッドを発見。
近くにいた兵士に、彼らが倒したのかと聞くが、兵士は急に倒れたと言う。
再びトライポッドが現れ、人々は退避するが、
よく見るとトライポッドに鳥が乗っている。バリアが効いていないのだ。
何が起きたかわからないが、急にトライポッドの調子が悪くなったらしい。
軍の攻撃でトライポッドの破壊に成功。
まあ、原作からお約束の結末だが、地球の何と言う事はない微生物で
エイリアンは全滅してしまい、トライポッドも機械のクセに動かなくなったのだ。
レイらはボストンの、元妻の家へようやく到着。
あきらめていた元妻は娘たちが無事と知り感激する。
軍と共に戦ってるはずのロビーは、あっさりここで落ち着いていて
レイとの再会に感激する。

 と言うわけで、物語はまずトム・クルーズ一家の身の回りを中心に展開。
ありがちな離婚夫婦の描写とか、疎遠だった父に反発する息子とかはいまいち。
ちょっと退屈だったが、その後、マシンが暴れ出してからが見所。
特撮に物を言わせて、派手な破壊シーンや、下から見上げたマシンの威圧感。
ダコタちゃんのパニック演技も含めて、
本当に現れたらと言う雰囲気を出すのには成功していると思う。
過去の作品のように、主人公が大統領や、軍関係者や科学者ではなく
ただの一市民なので、ひたすら家族さえ生き延びればいいと言う考えて行動。
自動車は盗むし、知人を見殺しにしたり、最後には。。。といろいろあるのだが
戦争批判が見え隠れするようで、ちょっと教訓くさい。
そんな行動ばかりしていて、周囲の妨害も受けずに生き延びられるのも不思議だし。
彼に対して、ひたすら戦おうとする息子との対比もわざとらしい感じで
途中で生き別れになり、最後に簡単に再会できるのも安易な感じ。
とは言え、マシンの威圧感とかで、生き別れになるくらいまでは面白いのだが
そこから、ラストにあるはずの、あのエンディングまでどう展開するかと思ったら
何か逃げてばかりで芸がない。
ここの見せ方をもう少し面白くすれば良かったが。
ラストは基本なので仕方ないが、原作を知らない人にはやはり拍子抜けらしい。
 

宇宙大征服(68)(未公開)

監督 ロバート・アルトマン

 ソ連が月飛行を開始したため、米国は計画を進めて先を越す事に。
チズ(ロバート・デュバル)が有力候補だったが、上層部は評判を考慮して
軍人のチズをはずし、リー(ジェームズ・カーン)を採用。
ソ連側が発射したため中止かと思われたが、追い越せと計画を強行。
先に打ち上げたシェルターで迎えを待つ計画だが、リーは未確認のまま着陸。
ソ連宇宙船が墜落したのを発見。残り時間わずかの時、シェルターに到達する。

 と言うわけで、これもアポロ前に宇宙計画をリアルに描こうとした話だが
どちらかと言うと、米ソの競争が主眼に置かれていて
そこは事実そうだったから、「宇宙征服」よりは面白い。
音楽はレナード・ローゼンマン。

TV放送 98/08/25 BS05 22:00-24:00
 

宇宙の7人(80)

 惑星アキールは、セイドア(ジョン・サクソン)を植民地にすると警告。
少年シャドーは戦うため、傭兵を集める。
カウボーイ(ジョージ・ペパード)、殺し屋ゲルト(ロバート・ボーン)ら7人だ。
激しい戦いでカウボーイやゲルトらはやられ、シャドーのロケットも捕らわれる。
シャドーは機を自爆させて脱出。セイドアを倒す。

 と言うわけで、「七人の侍」「荒野の七人」のSF版。
そうは言っても、7人集めた意味はほとんどなく、ロバート・ボーンも活躍せず。
音楽はジェームズ・ホーナー。
以前間違えて速い回転で聞いていたので、ちょっとスローテンポでイライラする。

TV放送 95/11/16 12CH 12:00-14:00
 

美しき諍い女(91)

 マリアンヌ(エマニュエル・ベアール)や恋人のニコルらは、
活動を中止した画家フランボーウェルのアトリエを訪問。
友人ポリビュスは、10年前に断念した「美しき諍い女」を描く事を勧める。
モデルは妻リズ(ジェーン・バーキン)で、年齢的に無理だ。
マリアンヌをモデルにする案が出て、ニコルは承諾。だが、彼女はヌードを嫌がる。
だが、マリアンヌは翌日単身アトリエへ。スケッチを開始。続いて裸を。
ニコラはマリアンヌを心配する。絵は進まず、翌日続ける事に。
フランボーウェルはリズと知り合い、抱きたいと思った事が恐怖に。絵をやめる事に。
マリアンヌに天地創造前の混沌を求めるが、それを求めるのは絵画自身だと言う。
筆で描き始めるが、調子が出ず、断念しようとする。
だが、マリアンヌは途中で放り出すなと、継続するよう説得。
彼女は様々なポーズをとり、フランボーウェルは描き始める。
調子が出て、彼はアトリエにこもり、マリアンヌも屋敷に泊まる。
フランボーウェルは、リズを描いた10年前の絵の上に絵を描く。
思い出や後悔を消すためだと言うが、リズには不満だ。あの時完成すべきだった。
ニコラやリズは、2人の関係を心配。絵は彼女をさらけ出すものになるはず。
やがて完成した絵を、フランボーウェルは壁の裏に埋め、別の絵を描く。
遺作として、一同に公開する。

 と言うわけで、「氷の微笑」「ラマン」と並んで、ヘア三部作等と言われた映画。
ヘアと言っても、影になっててほとんどわからない場面だけの話である。
ようやく、そのレベルが許されるようになったと言う事か。
間違っても、カラミのシーンなどない。
映画は、4時間ものくそ長い映画で、最初の1時間は絵を描かず、
30分も延々とカリカリ不快なペンの音をさせてスケッチ。
完成した絵を観客は見る事ができず、ちとこの感覚にはついていけない。

TV放送 93/02/11 BS05 20:00-00:05
 

海の上のピアニスト(99)

 質屋へトランペットを売りに来たマックスは、
割れたレコードを見つけ、その曲の由来を語る。
1900年。大型客船ヴァージニアン号に赤ん坊が捨てられ、
石炭たきのダニーは1900と名づける。8歳の時ダニーが事故で死に
1900は陸に上がった事のない、法的に生まれていない存在となる。
マックスはトランペットふきとして乗船。
大揺れでもピアノを弾き続ける天才的な1900(ティム・ロス)と知り合う。
彼のピアノ技術は驚異的で、ジャズの生みの親と言う黒人ジェリーとの対決でも圧勝。
彼の噂を聞いてレコード録音されるが、1900は恋した女性客に贈ろうとして失敗。
レコードを割ってしまう。ニューヨークで下船すると言い出すが、結局留まる。
33年にマックスは船を去るが、老朽化した船が爆破されると知りかけつける。
1900がどこかに隠れているはずと考え、ついに再会する。
だが1900は陸は広すぎ、生きていく事ができないと言う。
マックスは説得を断念し、船は爆破され、質屋は彼にトランペットを返す。

 と言うわけで、船から下りた事のないピアニストの話で、おとぎ話みたいな感じ。
面白い設定とは思うが、なかなか船を下りないあたりに社会への皮肉を感じる。
感じる事は感じるのだが、何かそこへ行き着いた経緯と言うのが少しわかりづらい。
音楽はエンニオ・モリコーネ。

TV放送
 

裏切りのサーカス(2011年英仏独)

ジョージ・スマイリー 元英諜報員(ゲーリー・オールドマン)
コントロール 元リーダー(ジョン・ハート)
リッキー・ター 通称首狩り人(トム・ハーディ)
ビル 幹部(コリン・ファース)
レイコン 幹部
パーシー 幹部
ピーター スマイリーの部下(ベネディクト・カンバーバッチ)

 サーカスと呼ばれる英国諜報部のリーダー、コントロールが殺される。
サーカス幹部にソ連のスパイが潜り込んでいるらしく、
かつてコントロールの部下で、解雇されたスマイリーが調査の為に呼び出される。
スマイリーは、ソ連からスパイを引き抜く役目のリッキーが疑われる様に
力が働いている事に気付く。
コントロールが不在となり、
残された者はソ連の偽情報に踊らされて、結果的に情報が筒抜けに。
スマイリーは、リッキーが重要な情報を持ってると言う偽情報を流し、
裏切り者をあぶり出す事に。現れたのは幹部ビルだった。
名前を残したかったと語るビルは、狙撃されて始末される。
一件は落着し、スマイリーがサーカスのリーダーに収まるのだった。

 と言うわけで、ジョン・ルカレ原作のスパイもの。主演はゲーリー・オールドマン。
ゲーリーは元英国諜報員だが、政治的なものが働いてクビに。
その後、諜報部内にソ連の二重スパイがいると判明し、
追及に最適としてお呼びがかかると言う訳。
ゲーリーの元上司がジョン・ハート、同僚にコリン・ファース。
二重スパイと疑われる男がトム・ハーディ、
調査に協力する男がベネディクト・カンバーバッチと、新旧そこそこの俳優陣が登場。
彼らの役割やら立ち位置がはっきり描かれない上に
昔のシーンが差し込まれたりするものだから、結構わかりにくい。
ルカレものはとっつき悪いんすよね。

TV放送 2014/07/01 ムービープラス 2100-2307
 

裏切りのベストセラー(1987年米)

 72年ロス。警官デニス(ブライアン・デネヒー)は、
証拠品倉庫を襲撃する一味に襲われて、同僚を殺される。
87年。デニスは事件を題材に作家として成功。
彼のファンだと称するクリーブ(ジェームズ・ウッズ)は、デニスにつきまとう。
クリーブは倉庫襲撃の犯人の1人で、実業家マドロックに雇われたと言う。
だが彼にクビにされ、復讐したいので、彼の事を小説にしてほしいと頼む。
クリーブはダンジル夫妻を殺したと言い、埋められた死体も見つかる。
デニスはクリーブこそ、同僚を殺した男と知り反発を覚える。
マドロックの弁護士は執筆に圧力を加え、裁判でも争う構えだ。
二人は工場を調べるが、一味の襲撃を受け、クリーブは殺し屋を射殺。
デニスの家にも侵入者が現れ、またもクリーブに助けられる。
マドロックはデニスの恋人ホリーを人質に捕らえて、デニスを撃つ。
かけつけたクリーブと撃ち合いに。クリーブは撃たれて死に、
デニスはマドロックを逮捕する。
デニスはクリーブをヒーローだと感じ、その著作はベストセラーとなった。

 と言うわけで、ブライアン・デネヒー刑事が、
殺し屋のジェームズ・ウッズに振り回される話で、
黒幕である人物を追うのだが、ウッズも信用できないと言う展開。
ウッズの怪しさはなかなかの物があり、
結局悪いヤツではなかったと言う風な描かれ方だが、それはどうかなと言う感じ。

TV放送 2003/02/28 25ch 1330-1530
 

裏切りの密輸船(1958年)

監督 ドン・シーゲル

 支払いがたまっている船長サムは、
カジノ客ハナガン(エディ・アルバート)を乗せる事となる。
沖まで行くが、警察はキューバへ行ったのではと怪しむ。
ハナガンはどうやら殺人を起こした上、武器も持ち込んでいるらしい。
再びハナガンは仕事を依頼。今度は船員ハーブ抜きで、キューバへ行けと言う。
カルロスという男も乗り込んで出発するが、荷物は武器だと判明。
しかし武器はニセ物で、ハナガンはカルロスを射殺。取引場所で金を横取りする気だ。
だが、ハーブが隠れていて暴れ、ハナガンを倒して帰還する。

 と言うわけで、ハンフリー・ボガードの「脱出」のリメイクらしく
元ネタも見たはずだが、こんな話だっけと言う感じ。
借金のおかげで引き受けた仕事のせいで、事件に巻き込まれるのだが
自分がさほど窮地に陥るわけでもなく、
なぜ危険を冒して一味を倒す必要があったのかと言う感じ。
酔っぱらいのじいさんにはちょっと味がある。
妙に若いジャック・イーラム(キャノンボール)もチラリと出てくる。

TV放送 2002/05/28 BS05 1900-2025
 



裏切り者」(2000)を見た。

 英語の意味不明の題名が多い中、日本語のシンプルな題名の映画はそれだけで
面白そうな気がするが、だまされる事がないわけでもない。
今回は、何が裏切られる話なのか、サスペンスなのか犯罪ものか知らないが
主役は「猿の惑星」他のマーク・ウォールバーグで
ごひいきのシャーリーズ・セロンも黒髪かつらで出ていて、
ジェームズ・カーン、フェイ・ダナウェイなんて往年の人たちも出演。
よくわからないけど、面白そうな気がするので見てしまえ。

 ニューヨーク。出所したレオ(マーク・ウォールバーグ)は保護観察下にある。
家に戻ると、家族の歓迎を受ける。
窃盗で捕まったが、共犯か真犯人だか知らないが、
友人ウイリー(ホアキン・フェニックス)の事は漏らさなかった。
家族が多いので、最初は見ていて関係がわかりづらい。
レオの母ヴァルはやや病気がち。
その妹キティ(フェイ・ダナウェイ)と娘エリカ(シャーリーズ・セロン)。
キティは夫が死んだらしく、フランク(ジェームズ・カーン)と再婚。
エリカはフランクを父と思っていない。
エリカとウイリーは恋人で、結婚する気なのに対し、
キティは反対するが、フランクは関心がない。
エリカとウイリーとのラブシーンには、
さすがシャーリーズ・セロンと言うべきか、裸のシーンあり。
ただし、黒髪のせいか、いつもとは別人のよう。

 ウイリーはフランクの下で仕事している。
地下鉄の修理をするエレクトリック・レール社だ。
羽振りがいいウイリーを見て、レオは同じ仕事がしたいと言う。
フランクは、修理工として学校の世話まですると言うが、すぐに働きたいと言うレオ。
母ヴァルは、フランクが学校の金を出すと聞き、
そんな世話にはなれないと、すぐ働く方に賛成する。
レオはウイリーと市の入札へ。
新しい車両を決める入札だが、実は賄賂が飛び交っている。
ライバルのウェルテック社は、等配分すると言う規則を破っていると批判。
しかし、市側は聞く耳持たず、エレクトリック・レール社に決定。
政治家も抱き込んでるのだ。
続いて、サニーサイド操車場へ、ウイリーの他、他の仲間も一緒だ。
ウェルテック社の車両を壊して、評判を落とす計画だ。
レオは見張り役に。ウイリーは車庫の控え室へ。
いつも通り賄賂を渡すが、このゴルヴィッツ主任が、ウェルテック社に抱き込まれていた。
賄賂を拒否し、警報を鳴らしてしまう。あわてて刺してしまうウイリー。
リフキン巡査もかけつけ、見張りのレオを呼び止める。
あわてて殴り倒し、一同は逃走する。

 その後、ニュースなどで、主任が死に、巡査は昏睡状態だと判明する。
フランクには内緒でやった事なので相談はできない。
ウイリーらは、巡査の意識が戻るとまずいと、始末する事を計画。
不始末をしたレオに責任を取らせると言う。
最初の内は大丈夫だ等と言っていたウイリーも、仲間らを押さえられずに弱気に。
もし失敗したら逃げろと言う。
一応、病院へ行き、病室に入るレオだったが、殺す事はできず、
そのまま逃げてしまう。
巡査の意識が戻り、レオの素性を証言したため、
警察は、レオが主任も殺した犯人の容疑をかけられる。
この事態にウイリーは何も語らず。
フランクはわかったような顔をして、レオとの関与がばれるとまずいと、
就職相談は受けたが、働いてはいなかった事にする。
だが、このままでは危ない。何とか処理しろと言うフランク。

 警察が家に踏み込んだりして、心臓の弱い母は動揺。
レオはウイリーに電話し、まだ隠れていろ等と言われつつ、
母が心配と言う事だけ聞かされて、心配でこっそりかけつけ再会。
警察はレオを必死で追っている割に、もう母の所は見張っていないらしい。
エリカはレオに気付き、その話から、レオは何も語らないが、真犯人がウイリーと確信。
一方、フランクは、レオとウイリーの仲間割れを狙ったか、
ウイリーに、レオとエリカはかつて関係していたと言い、ウイリーは動揺する。
ウイリーは、仲間に家へ押し入らせて、レオを始末しようとするが、
気付いたレオが返り討ち。負傷させる。
もう、ウイリーも信用できない。
エリカは、レオを助けたいと感じ、フランクに助けを求める。
ひそかにレオの隠れ家へ連れて行くが、レオはフランクを信用できず、逃走する。
意を決したレオは、ライバル社のヘクトルに連絡。真相を証言すると言い出す。
聴聞会にレオが出ると知った一同は大あわて。
関係した政治家にしてみれば、政治生命を絶たれかねない。
そこで一同は共謀して、手を打つ事に。
生真面目な巡査の買収は無理だが、その上官を抱き込んで殺人は勘違いと言う事に。
それでレオは無罪となるわけだから、フランクらの収賄関係は証言させないと言う算段だ。
一方、動揺しているウイリーは、フランクに屋敷に寄るなと言われ、鍵を返せと言われる。
追いつめられて、ヘクトルに連絡をとるが、時すでに遅し。
呆然として、フランクの家へ。そこでエリカと会う。
出ていけと言うエリカ。去らないでともみあい、階段の上から転落して死ぬエリカ。
その前にエリカが警報を鳴らしていたので、警察がかけつけてウイリーは逮捕される。
無罪として釈放されるレオだが、エリカの死を知り、落ち込む家族。
エリカの弟を慰めるレオ。
決意したレオは、次の公聴会で、結局、政治家や叔父の収賄への関与を証言。
この業界には沈黙の掟があるが、私はそれを破った。だが、後悔しないと語った。

 と言うわけで、予備知識があまりない状態で見たが
これは、サスペンスとかではなく、裏切り裏切られと言う人間関係を描いた話で
誰が裏切り者なのかと思ったが、結局全員裏切り者だったという結末。
そんな中、母だけが裏切らなかったと言うあたりはかなりいい。
最後に皆を落としていれるが、してやったりと言う痛快感がないのは
そう言う意図で作ったからかも知れないが、見ていてちょっとつまらない。
 

裏窓(54)

監督 アルフレッド・ヒッチコック

 足を骨折したカメラマンのジェフ(ジェームズ・スチュワート)は、
退屈なため、向かいのアパートをながめて楽しむ。
ある夜、悲鳴が聞こえ、男(レイモンド・バー)の仲の悪い妻が姿を消す。
雨の深夜に何度も出かけ、包丁を片付けたり、スーツケースを洗ったり。
恋人リザ(グレース・ケリー)も関心も持ち調査。
友人のドイル警部は、故郷へ旅行に出たとの証言を得るが、
結婚指輪を置いていくとは思えない。
花壇を掘った犬が殺され、ジェフらはそこに何かがあると推理。
電話で男を呼び出し、その間にリザらが花壇を掘るが何も出ない。
そのため、男の部屋に忍びこんだリザは、結婚指輪を発見。しかし男につかまる。
リザはかけつけた警察に逮捕されるが、男はジェフの存在に気づく。
逃走するかに見えた男は、部屋に現れジェフと格闘。
男は逮捕されるが、ジェフも窓から転落して今度は両足を骨折する。

 と言うわけで、不謹慎な覗きが原因で、殺人らしき証拠をつかんでしまう話。
だが、各住民が、覗かれる事を意識しないのかと言うのが気になる。

TV放送 93/11/12 08CH 03:00-**:**
 

ウルフ

 出版社のウィル(ジャック・ニコルソン)は、雪道で狼にかまれる。
社長がアルデン(クリストファー・プラマー)に変わり、ウイルは東欧へ左遷。
部下スチュアート(ジェームズ・スペイダー)にも裏切られる。
しかも妻シャーロットと浮気される。ウイルは食欲や性欲が増加。
視力・聴覚・臭覚が敏感に。仕事でも実力を発揮し、社長に復帰・昇給を認めさせる。
体の異変にアレゼアス博士に相談。狼が乗り移り、夜成長していると言う。
社長の娘ローラ(ミシェル・ファイファー)と接近。だが妻が殺され、不安に陥る。
ローラはウイルを納屋に閉じこめ、警察へ。そこで会ったスチュアートも変化を起こし
彼が犯人と知る。スチュアートは屋敷に戻ったローラを襲い、ウイルと対決。
ローラがスチュアートを射殺。
獣となったウイルは森へ去るが、ローラにも異変が起こっていた。

 と言うわけで、ドラキュラ等の映画化が成功したので、登場した感の狼男の話。
狼化で才能を発揮するのはなかなか面白いが、もっと痛快な展開ならよかった。
音楽はエンニオ・モリコーネ。

VHS
 

ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年米)

ジョーダン・ベルフォード 証券マン(レオナルド・デュカプリオ)
ドニー ジョーダンの腹心
ジョーダンの父 (ロブ・ライナー)
テレサ ジョーダンの最初の妻
ナオミ ジョーダンの2番目の妻
デナム捜査官 FBI
ハンナ 若き日のジョーダンの上司(マシュー・マコノヒー)

 証券マンのジョーダンは、1987年の株暴落で失業。
妻テレサに励まされ、求人広告で見つけた小さな株屋に就職。
扱うのはペニー株と言う小さな株ばかりだが、
手数料が50%と知り、持ち前の話術で売りまくる。
彼の才能を評価したドニーに勧められ、会社を作る事に。
優良株で信用させてペニー株を売る手法で、
会社はどんどん大きくなり、儲けてはばか騒ぎをするように。
新聞社にウォール街の狼と呼ばれ、入社希望者が殺到する。
テレサとは離婚し、モデルのナオミと結婚する。

 FBIデナムが不法行為に目を光らせ始めた為、
ナオミの叔母を利用して、スイスの口座に金を移す事に。
クスリをやった挙げ句に車をぶつけ、何とか無罪になるが監視は厳しくなる。
司法取引で業界から身を引く事になるが、結局反故にしてしまう。
叔母が死んだと知り、スイスの口座を守る為、
クルーザーで急行するが、嵐で救出される騒ぎに。
何度も逮捕され、全貌を暴くために盗聴を求められるが拒否。
愛想を尽かしたナオミは出ていく。
ついに3年の刑となるが、刑務所でも金がものを言うと気付く。
出所した彼は、ニュージーランドでセールスを教えるセミナーを開くのだった。

 と言う訳で、レオナルド・デュカプリオがまたもマーチン・スコセッシと組む。
レオ様扮する実在の証券マンは、ブラックマンデーで路頭に迷う。
そんな中、クズの様な株を売りつけて、多額の手数料を得られると知り、
話術でのしあがる。
女をはべらしたり、クスリでハイになってらんちき騒ぎしたりするが、
FBIに目をつけられる様になると言う訳。
やってる事はアビエイターと同じと言う印象もあるが、
個人的にサクセスストーリー的な話は好きで、
ヒューズみたいに迷走しないあたりは好感が持てる。
2回目の奥さんが魅力的で裸もあり。夫につられて、おかしな道に行かない点も良い。

TV放送 2014/12/07 WOWOW 2200-0059
 

ウルフマン(2010年米)

ローレンス・タルボット 俳優(ベニチオ・デルトロ)
ローレンスの父 (アンソニー・ホプキンス)
グエン・コンリフ 弟の恋人
アバライン警部 (ヒューゴ・ウィーヴィング)
マレーバ 流浪民(ジェラルディン・チャップリン)
列車の男 (マックス・フォン・シドー)

 1891年英国。俳優ローレンスは、弟ベンの婚約者グエンから、
ベンが行方不明だと知らされる。
家族とは疎遠だったが、ローレンスは父のいる屋敷へ。
ベンはむごい遺体で見つかり、狼男の仕業だと言う者も。
ローレンスは流浪民を怪しむが、現れた獣にかまれてしまう。
流浪民の老婆は、愛する者しか解けない呪いだと言う。
狼男に変身したローレンスは村人を襲うが捕われ、
医師は妄想性障害として治療する事に。
そんな中、ローレンスの父も狼男で、母やベンを殺したのだと知る。
医師はローレンスの妄想と証明しようとするが、狼男となったローレンスに襲われる。
だが、グエンはローレンスが人間の心を残していると信じていた。
屋敷に乗り込んだローレンスは、同じく狼男となった父と対決。これを倒す。
かけつけたグエンは狼男を撃ち、
元の姿に戻ったローレンスは、これでいいんだと言って死ぬ。
しかし、彼を追っていたアバライン警部も襲われて負傷していた。。

 と言うわけで、ベニチオ・デル・トロによる狼男もの。
デルトロちゃんは俳優だが、故郷で弟が惨殺されたと知り、かけつける事に。
付近には以前から狼男がいるとの噂があり、調査するデルトロも襲われて狼男化。
デルトロがそうなった事は早々に人々の知るところとなるから、
いまどき珍しいくらい物語的なひねりがない。
狼男なんてあり得ないと言う人は別にいて(精神科医)、
皆の前でデルトロの妄想と証明しようとしてやられるあたりは、ちょっとだけ痛快。
ただし、全体の印象は結構古い感じ(50年代とか)のホラー。

TV放送 2011/04/03 WOWOW 0225-0424
 

麗しのサブリナ(54)

監督 ビリー・ワイルダー

 大豪邸を持つララビー家の運転手の娘サブリナ(オードリー・ヘップバーン)は、
次男デビッド(ウイリアム・ホールデン)にあこがれるが、相手にされない。
失意のサブリナは、パリの料理学校へ。
長男ライナス(ハンフリー・ボガード)は実業家で、プラスチック産業に進出するため
デビッドをエリザベスと政略結婚させようとする。
2年間の勉強で人生を学んだサブリナは、すっかりレディになって帰国。
見違えたデビッドは彼女に夢中に。彼がケガをすると、ライナスがサブリナの相手を。
しかし、数日一緒にいるだけで、サブリナの心はライナスに移っていた。
ライナスはサブリナを再びパリへやり、デビッドと手を切らせる計画。
だが、改心して結婚を中止させ、サブリナを追わせようとする。
事情を悟ったデビッドは、ライナスにサブリナを追わせる。

 と言うわけで、オードリー初期の作品だが、「マイ・フェア・レディ」に似た作品で
けっこう面白い。中でも、ふけたボガードが必死に若ぶるあたりがおかしい。

TV放送 93/02/14 BS05 22:00-00:00
 

サブリナ(95)

監督 シドニー・ポラック

 富豪ララビー家の運転手の娘サブリナは、次男デビッドにあこがれるがかなわず、
パリへ留学。その間にデビッドは、タイソン産業の娘エリザベスと婚約する。
だが帰国したサブリナは、見違えるほど美しくなり、デビッドは婚約解消を言い出す。
企業合併のため、長男ライナス(ハリソン・フォード)は、サブリナを連れ出し、
パリへ再び戻そうとする。サブリナはライナスに惹かれるようになるが、
ライナスも彼女を愛するようになり、合併を断念しデビッドに譲る事を決意。
しかし、察したデビッドは身を引き、ライナスはサブリナを追いパリへ。

 と言うわけで、ヘップバーンの名作のリメイク。話はほぼ同じ。
サブリナの変身ぶりと、ライナスがパリまで追う派手さはこちらが上だが、
恋しそうもない男が恋に落ちるおかしさは、ボガードの方が上と言う感じ。
タイソンにリチャード・クレンナ。その妻はアンジー・ディキンソン。
音楽はジョン・ウイリアムス。

TV放送 97/08/17 BS05 20:00-22:10
 

ウルトラ I LOVE YOU!(2009年米)

メアリー・ホロビッツ クロスワードパズル作家(サンドラ・ブロック)
スティーブ ケーブルテレビのカメラマン(ブラッドレー・クーパー)
ハートマン・ヒューズ レポーター(トーマス・ヘイデン・チャーチ)
アンガス スタッフ

 クロスワードパズルの作家であるメアリーは、両親と同居し、
結婚する気などなかったが、小学生にからかわれて、ブラインドデートをする事に。
現れたスティーブはハンサムだったので、
その気になって強引に迫り、逃げられてしまう。
続いて作ったクイズは、すべてスティーブに関する問題で、クビになってしまう。
これを運命だと感じたメアリーは、
ケーブルテレビのカメラマンであるスティーブが取材する現場を追跡する。
キャスターのヒューズはスティーブをつなぎとめろと、そそのかす。
メアリーは、手術をめぐるデモで知り合った男女とスティーブを追跡。
子供たちが落ちた坑道へ向かう。
子供たちは救出されるが、かけつけたメアリーが落ちてしまう。
メアリーは坑道に忘れられた少女を発見。
マスコミが殺到する騒ぎになるが、地盤がゆるく、救出ははかどらない。
他局がメアリーを変人と報じる中、スティーブは彼女をかばうように。
メアリーを追い込んだと責任を感じたヒューズが坑道に飛び込み、
台車を蹴って反動で3人は脱出。
スティーブはメアリーを称えるが、メアリーは彼を追うのをやめる。
追わなきゃいけない相手はもともと縁がないと悟ったのだ。

 と言うわけで、サンドラ・ブロックによるラブコメ。
クロスワードパズル作家である彼女は、
結婚する気などなかったが、小学生にからかわれてブラインドデートする事に。
その相手ブラッドリー・クーパーに一目惚れ。
あまりの強引さにクーパーは尻込みするが、サンドラは運命の人と感じて、
ストーカーの様に追い回し、各地で騒動を起こすと言う訳。
サンドラのラブコメものは魅力的な作品が少なくないが、
本作のストーカーぽい女性には違和感あり。
もう少し言うと、誰が演じようとも、
こういうストーカー的な役柄ってあまり共感できない。
と言う訳で、サンドラでラブコメなら当たるやろと言う発想で1本こしらえたものの、
作る側がラブコメのツボをわかってなかったと言う感じ。
こんな作品ですが、ラストのサンドラのセリフ「追わなきゃならない相手とは、
もともと縁がなかった」は、意外に真理な気がする。

TV放送 2011/03/31 WOWOW 2100-2239
 

ウルトラヴァイオレット(2006年米)

バイオレット・ソン・シャリフ ファージの殺し屋(ミラ・ジョボビッチ)
ダクサス枢機卿 ファージを一掃しようとする指導者
シックス 少年。枢機卿によって生み出された兵器
ガース バイオレットの協力者(プリズンブレイクのマホーン役)

 兵士の増強剤として開発されたウイルスは感染症となり、
ダクサス枢機卿は感染者ファージの一掃計画を進める。
バイオレットは自由に体を変えられる能力を持ち、
ファージ一掃のための兵器を盗み出す。
兵器とはシックスと言う少年で、彼はウイルスの促進因子を持っているらしい。
ファージ一味はシックスを殺そうとするが、
バイオレットは逆に抑制も可能と考え助ける。
協力者ガースが調べるが、シックスから抗体は見つからない。
実はシックスは枢機卿のクローンで、毒性の強い抗原を埋め込まれていた。
ファージ撲滅は目前で、
枢機卿は人々を支配するため新たな恐怖を生み出そうとしたのだ。
シックスは死に、その体は分析される事に。
バイオレットは施設に乗り込み、無数の兵士を倒して枢機卿と対決。
実は感染者だった枢機卿を倒す。
その時、死んだはずのシックスが生き返る。
バイオレットの涙がシックスに変化をもたらした。
こんな世界にも希望は残っているのだ。

 と言うわけで、また出たアメコミの実写映画化で、
ミラジョボはバイオハザードのイメージのまま暴れ回る。
彼女はウイルス感染で変幻自在になった殺し屋で、
体の一部を刀にしたりするT1000的能力を持ち、銃も撃ちまくる。やたら強い。
対するのは、感染者絶滅を目指す人類のリーダーと、
対抗するため抗体を持つ少年を始末しようとする感染者のリーダー。
この三つ巴の関係が詳しく描かれる事はなく、軽くセリフで片付けられ、
後はひたすら撃ちまくったり、格闘で倒しまくる。
ミラジョボは終始無敵で、痛快アクションと言う事かも知れないが、
もう少し物語には起伏がほしいところだ。

TV放送 2007/10/20 WOWOW 2000-2126
 

ウワサの真相 ワグ・ザ・ドッグ(97)

監督 バリー・レビンソン

 大統領がガールスカウトに手を出し、再選が危うくなる。
そこでブリーン(ロバート・デニーロ)は、架空の戦争を起こし関心をそらす事に。
映画製作者スタンリー(ダスティン・ホフマン)と手を組み、
戦争の噂を流し、合成で戦争の映像を放映する。
だが大統領選の対抗馬ニールはCIAと手を組み、戦争は終結したと発表。
そこでシューマン軍曹(ウッディ・ハレルソン)が戦地に取れ残されたとして
救出を求める声を高める。だがシューマンは凶悪犯で暴れて射殺される。
仕方なく、戦地で死亡した事にし、大統領は高支持率を得る。
だが、スタンリーは自身のおかげと認められない事に不満を示し
真相を明かすと言い出す。だが、スタンリーは急死する。

 と言うわけで、クリントンのセクハラ問題のさなかに空爆を行ったと言う話を
そのままモデルにしたような映画。でも本当はこっちの方が先だったかも。
架空の事件をでっち上げるような展開は、実際にもありそうでなかなか面白いのだが
いざその話が出てしまうと、後はダラダラとその手口を見せるばかり。
スタンリーが始末されるのもありがち。
救援活動に応援するジム・ベルーシ。応援する歌を作る歌手にウイリー・ネルソン。

TV放送 99/06/05 BS05 15:55-17:35
 

噂のモーガン夫婦(2009年米)

ポール・モーガン 弁護士(ヒュー・グラント)
メリル・モーガン ポールの妻。不動産屋(サラ・ジェシカ・パーカー)
ジャッキーとアダム メリルの秘書
クレイ・ウィーラー 保安官(サム・エリオット)
エマ クレイの妻(メアリー・スティーンバージェン)
アール・グレンジャー 食堂のオーナー(ウィルフォード・ブリムリー)

 NY。やり手の不動産屋メリルと弁護士の夫ポールは、
ポールの浮気を機に別居中だが、寄りを戻そうとポールが食事に誘う。
帰り道で、メリルの客である兵器ディーラーが殺されるのを目撃。
さらに目撃者として襲撃された為、
証人保護プログラムでワイオミングの田舎町レイに避難する事に。
田舎町に慣れず、夫婦でケンカしたり、住民ともめたりしたが、
次第に慣れて、夫婦仲も改善。
夫婦を別々に避難させる準備が進むが、メリルは一緒に避難すべきと言い出す。
その上で、別居中にメリルも浮気したと告白するが、
これにはポールがショックを受ける。
再び険悪になるが、保安官クレイは、下らん事は忘れて前に進めと助言。
犯人が田舎町を突き止め、襲撃してきたため、
夫婦は保安官たちのいるロデオ大会へ逃げ込む。
メリルが足を痛めたため、ポールは単身犯人に立ちはだかる。
保安官らもかけつけ犯人を逮捕。メリルは、危険を顧みなかったポールに感激。
NYに戻った夫婦は、養子をもらい、レイと名付ける。
さらにメリル自身も妊娠するのだった。

 と言うわけで、ヒュー・グラントとサラ・ジェシカ・パーカーの恋愛もの。
2人は夫婦だが、ヒューの浮気を機に別居中。
ヒューは寄りを戻そうとサラと食事するが、その際に殺人現場を目撃。
目撃者として犯人に狙われたため、
証人保護プログラムで田舎町に夫婦で避難する事になると言う訳。
設定はラブコメみたいだけど、
いわゆるラブコメは、初恋みたいな恋愛感情を描く事が多い。
に対して本作は、そういう所を通り越して結婚した2人が、寄りを戻すあたりを描く。
ちょっと毛色が違って、何となく結末の予想がつくと言う所は一緒だけど、
ドキドキ感はもう一つかも。

TV放送 2011/02/11 WOWOW 2200-2343
 

運命の女(2002年アメリカ)

コニー 主婦(ダイアン・レイン)
エドワード コニーの夫(リチャード・ギア)
チャーリー コニーの息子
ポール・マーテル コニーが知り合った男

 ある強風の日。コニーは本のディーラーをすると言うポールと知り合う。
夫エドワード、息子チャーリーと幸せな一家を持つ彼女だったが
ポールへの感情を抑えられず密会する事に。
エドワードは、コニーの行動に不審を抱き、探偵に調査させるが、
密会の事実を知りショックを受ける。
コニーは、ポールが他の女とも関係していると知り怒るが、関係を断ち切れない。
ある日、エドワードはポールを訪ねる。
コニーとの仲を認めつつ、悪びれないポールに激怒し、殴殺してしまう。
エドワードは証拠を隠滅し、死体をゴミ捨て場に捨てる。
警察は行方不明者としてポールの周囲を捜索。コニーにも捜査が及ぶ。
一方、コニーは夫の背広から密会写真を発見。エドワードが殺人を犯したと知る。
エドワードは自首を決意するが、コニーは乗り越えられると引き留めるのであった。

 と言うわけで、ダイアン・レインがややくたびれた妻を演じ、
彼女が若い男と不倫に陥るという話。
それを夫リチャード・ギアが気づくわけだが、ギアは何かイメージが合わず、
ランダム・ハートのハリソン・フォードとダブって、ハリソンの方が合ってたかも。
彼は蚊帳の外で展開するのかと思ったが、
後半そうでもなくなって、ちょっと面白い。

TV放送 2006/07/16 10ch 2100-2254
 

運命のボタン(2009年米)

ノーマ 教師(キャメロン・ディアス)
アーサー ノーマの夫。NASA職員(X−メンの目からビーム)
ウォルター ノーマの息子
スチュアード 謎の人物(フランク・ランジェラ)
デイナ ベビーシッター

 1976年。ノーマとアーサー夫婦の家に、ボタンのついた箱が置かれる。
続いて現れたスチュアードによれば、
ボタンを押すと大金を手に入れられるが、見知らぬ誰かが死ぬと言う。
期限までに決断せねば、チャンスは別の人に回すと。
夫婦は仕事がうまく行かず、金には困っていた。
一方で、スチュアードの話が事実ならば、死んだ人への責任も負う事になる。
悩んだ末、ノーマはボタンを押してしまう。
夫婦は100万ドルを手に入れるが、スチュアードの車の番号を調べた所、
リセットされるまで良心の声を聞いて従えと言う警告を受ける。
どうやらスチュアードには意のままに動く手下が大勢いて、
夫婦は監視されているらしい。
NASAの職員だったスチュアードは実験中に稲妻の直撃を受け、
一度は死んだが蘇生し、不思議な力を手に入れたのだと言う。
以来、人類を試しているのだ。
アーサーは妻を殺して逃走したジェフリーと会う。
彼の妻はボタンを押し、最終的に妻か娘を殺す様に指示され、妻を殺したのだと言う。
その後、事故に遭い、ジェフリーは死ぬ。
夫婦の前に現れたスチュアードは、息子ウォルターの視覚と聴覚を奪ったと言う。
夫婦に与えられた選択肢は2つ。
1つは、あの金で幸せに暮らすが、子供の障害は治らない。
もう1つは、銃で奥さんを撃てば息子は正常に戻り、
金は息子が18歳になった時に渡される。
夫婦は迷うが、ノーマは自らの死を選ぶ。
ためらいながらアーサーが妻を撃った時、どこかの夫婦がボタンを押していた。
アーサーは逮捕され、箱を抱えたスチュアードが別の家を訪ねるのを見るのだった。

 と言う訳で、キャメロン・ディアス主演のSF風ドラマ。
キャメロン夫婦は見知らぬ人物からボタンのついた箱を受け取る。
そのボタンを押すと大金を得られるが、代わりに見知らぬ誰かが死ぬと言う代物だ。
金は必要と言うキャメロンは、ためらった末に押して大金を得るが。。。と言う訳。
原作は短編らしく、確かにショートホラーぽい設定。
不条理ものぽい雰囲気は悪くないんだが、
実は。。と言う真相が、大風呂敷広げすぎた感じで、意図もわかりにくい。
短編を膨らまして面白くなってる物もあるが、
本作は(原作がどんなだか知らないんですが)やり過ぎた感あり。
小粒な方が面白い事もあると言う事が、ハリウッドにはなかなか理解されないらしい。

TV放送 2014/10/19 ザシネマ 1600-1755