映画感想速報
 映画のあらすじと感想をまとめ続けてきましたが、なかなか文章をまとめるのが大変で、まとめた頃には古い話になっている事も少なくありません。そこで、速報的に公開する事にしました。

翌年へ 前年へ

2009/12/29
「ハリウッドランド」
 自殺したスーパーマン俳優ジョージ・リーブスを描いており
彼の死後、その真相を追うと言う展開。
エイドリアン・ブロディが探偵。ベン・アフレックがリーブス役。
リーブスはその人気からスーパーマンと同一視され
そのために他の役ができなくなった事で知られ
この後、007のショーン・コネリーやTVスタートレックの俳優とかも
同じ道を歩んだが、そうしたタイプキャストの走りはこの人か。
そこらあたりが中心に描かれるのかと思えば、そこはあっさりした感じ。
むしろ愛人ダイアン・レインと、別の婚約者に挟まれた人間関係とかに焦点が。
いくつかの推理が出てくるが、結局答えは出しておらず
ブロディ自身の家庭の事情も出てきたりして、スッキリしない感じ。

「ロッキー・ザ・ファイナル」
 ロッキー5の時点で既に老人と言われたが、それから10年以上が経過。
またまた作ってしまった新作。
ロッキー3、4あたりは同じ展開の繰り返しで芸がなかったが、
本作は人間ドラマ中心。
最愛のエイドリアンも死に、落ち込んだロッキーがボクサー復帰に活路を見出す。
旧作に出たらしい不良少女が成長して再登場、というあたりに工夫は見られるけど
観客がロッキーの奮闘ぶりに熱狂するのも空々しい気がする。
息子が言うように、もうやめとけと言う気がするが、どうなる事か。

「ランボー 最後の戦場」
 ロッキーはスポーツなので年齢が来ると無理と言う気がするが
ランボーは知恵や経験もあるので、まだまだ行けるような気もする。
と言うわけでこちらも復活した新作。
やってる事はかつてと同じで、ミャンマーと舞台を変えて暴れぶり。
残虐行為をする軍の連中を、怒ったランボーが次々倒す。
最後に機関銃で一網打尽に。物語も作戦もあったもんじゃない。
残虐行為の描写は特筆すべきものがある。

「NEXT ネクスト」
 ニコラスが2分後の未来を予知出来るという男を演ずるが
設定的に近作「ノウイング」とダブるような気が。
2分という微妙な設定がミソで、万能というわけではないはずだが、
例えばジェシカ・ビールにアプローチする際に、
いろんなパターンをシミュレーションして最善の策を見つけ出すし
最後には1日後を予知しちゃったりで、設定は破られ続ける。
FBIジュリアン・ムーアは他の出演作もあり、それっぽいけど
恋人役のビールは逆におとなしめの役が似合わない。何か浮いた感じ。

「インベージョン」
 「恐怖の町」の4回目の映画化で
今回はニコール・キッドマンとメジャーな俳優が出ているので期待して見る。
旧作は、宇宙人がひそかに侵略しようとして
眠ると複製が本物になり、本物がしぼんでしまうと言う描写がショッキングだったが
今回は宇宙の生物が遺伝子を書き換えて別人に、と言う設定で
割にリアルにしたために、こぢんまりしてしまって脅威ももう一つ。
免疫ができたり、回復すると元の人間に戻るのもいただけない。
2回目の映画化で唯一無事だった、ベロニカ・カートライトが再登場するのは面白いし
同僚役でダニエル・クレイグとジェフリー・ライトという
007コンビが出ているのも気に入った。

「2012」 ☆☆☆★★

 2012年に世界が滅亡すると言うマヤ文明の伝説があるらしく
世界が崩壊する様を、ローランド・エメリッヒが描く映画。
インデペンデンス・デイ、ゴジラ、デイ・アフター・トゥモローと
何度も破壊を描いた彼が、またも世界崩壊をどう描くのか、とにかく見る。
 物語は地殻だかの変動が急速に速まり、一気に陸地が沈むと言うから
日本沈没ならぬ世界沈没のノリ。
マヤ文明の伝説も科学的根拠も、物語的にはどうでもいい感じで
ただひたすら逃げまどう展開。
主役のジョン・キューザックは、政府関係者でも科学者でもない一般市民で
とにかく家族だけ生き延びればいいと言う考えで
トム・クルーズ版「宇宙戦争」を連想させる。
都市崩壊の描写は、ただの大地震ではなく、大陸が沈むわけだからそれはもう派手。
「タイタニック」「大地震」などを連想させるシーンもあるが、それも軽く通過。
そんな中をキューザック一家はなぜかラストまで生き延びてしまうあたり
わらしべ長者とかを思い出す強運の持ち主。
終盤に来て、一握りの連中が生き延びるため「箱船計画」を進めている事が明らかに。
それはあまりに唐突と言うか、今までとトーンが違う展開で
ウディ・ハレルソンが語る都市伝説的な物かと思ったら、実際にそう言う展開に。
今度は「地球最後の日」のノリだ。
箱船は宇宙船ではなく、ただのでかい船で、
世界が水没するから、中国の高地に基地を構え、
いざ水が迫ると周囲は危険な岩場になるわけで、
準備に2年かけたなら、もう少し考えろと言いたくなる感じ。
しかも、でかい船なら何とか嵐を乗り越えられるだろうという発想で
おかげで船出はいろいろ波乱あり。「ポセイドン・アドベンチャー」のノリに。
キューザックの元妻アマンダ・ピートには、新しい恋人がいるが
登場するや否や、「こいつは死ぬな」と予想できてしまう例のパターンで
実際そうなる安易さもあるが、
派手な破壊シーンが見た事もない光景である事は確かで面白かった。

2009/12/27
「バンテージ・ポイント」
 米大統領暗殺事件が発生。これを護衛官デニス・クエイドが追うわけだが、
同僚にLOSTのマシュー・フォックス、
中継TVのディレクターにシガニー・ウィーバー、
ビデオを撮影していた(つまりただの通行人)フォレスト・ウィテッカー、
そして大統領のウイリアム・ハートと言う布陣。
いろんな人の視点で何度も事件を描くのだが、
羅生門的に人によって話が食い違うわけではなく、真実はあくまで1つで
次第に真相が明らかにと言う展開。
有名俳優はいいのだけれど、テロリスト一味は区別がつかずやや混乱。
何しろマシュー・フォックス視点がなかなか描かれないので結末は見えた感じ。

2009/12/26
「デス・レース」
 デビッド・キャラダインと無名時代のスタローンが出ていた
70年代のSF映画のリメイクで
バイオハザードのポール・W・S・アンダーソンが監督し
主人公にジェーソン・ステイサムを配置するなど期待出来る感じ。
前作は一般の人を殺してもOKのレースに人々が熱狂する
病んだ未来を舞台にしていて、発想ありきのチープなSFと言う印象があったが
今回は民営化された刑務所を舞台にするなど、リアルにしようとした努力が見られる。
ただし、そのために舞台が限定された空間になって、何かこぢんまりした感じ。
前作でスタローンが演じたマシンガンジョーが黒人になったのはいいとして
最後に彼と協力し、成し遂げたのがただの脱走と来ては拍子抜け。
女所長が爆殺されるあたりに、ちょっと痛快感があるが
前作にあった変な魅力はない。

「ゲット スマート」
 かつてのTVシリーズ「それゆけスマート」の映画版。
スパイブーム時代に登場し、かつて本家ドン・アダムス主演で映画化された事もある。
今回はスティーブ・カレルとアン・ハサウェイと言うコンビで復活。
スマートは分析能力は優秀という設定だけれども、基本的にドジで笑わせる展開で
例えばピンクパンサーなんかと比べて差別化がつらいところあり。
スパイ映画として面白いわけでもなく、中途半端な感じ。

「スピード・レーサー」
 マッハGOGOGOは米国ではスピードレーサーとして知られ
日本より人気があるとの事で、それをマトリックスのウォシャウスキー兄弟が映画化。
マリオカートのようなコースと、登場人物もマンガ風の描写で
はなからリアルに描こうという気はないらしく
そんな訳だから、派手なレースシーンも特にハラハラせず。
昔見たキャラが外国人で、それなりにキャスティングしているのは感心する。

「ヘアスプレー」
 ミュージカル全盛時代は過ぎたが、最近でも時々ヒット作は登場。
本作もそんな一編だけど、何と言っても主役のキャラが抜群で
黒人でも白人でも平気でつきあえちゃうと言う、
天性の陽気さで歌って踊って全編楽しい。
暗めのミュージカルもあるけど、やはりこうでなきゃと言う感じ。
トラボルタの女装はちょっと抵抗あるけど、
ミシェル・ファイファーがやりこめられる展開まで面白い。

2009/12/25
「アバター」
☆☆☆☆

 これはジェームズ・キャメロンの新作。
キャメロンと言えば、「タイタニック」で大ヒットしたが、それ以来の新作。
TV「ダークエンジェル」から考えてもかなりの年数だ。
本作の内容はよく知らないんだけど、
「ターミネーター4」のサム・ワーシントンが主役で
「エイリアン2」でキャメロンとも組んだシガニー・ウィーバーも出演。
「見た事もない映像」が見られると言うので見る。
 3Dの映画は何本か見たが、大半は短い事が多いのに、本作は2時間半なので長め。
技術的に進んでいるらしく、確かに見ているとあちこちに奥行きを感じさせられ
シガニー・ウィーバーが登場したシーンでは
おかしな事に彼女がスクリーンではなく劇場側にいると錯覚した。まさに妙な感覚だ。
物語は惑星パンドラを開発するために、原住民と接触する事になるが
彼らは人間より一回り大きい上、空気が有毒で人間は生きられない。
そこで遺伝子操作でアバターというクローンみたいなのを作り出し
選ばれた人々がアバターとリンクする事で遠隔操作。
このアバターが原住民の中に入り込むという寸法。
これを操るワーシントンは、歩く事ができず車いすで生活するが
アバターになると、跳んだりはねたり自由に。
人間に似てはいるが、異質な原住民の生活を続けるが
これができるのは本体が寝ている時。本体が目覚めるとアバターは動かない。
まさに現実と夢の世界を行ったり来たりする内、どちらが現実かわからなくなる。
これは「ジョニーは戦場へ行った」と同じ手法だ。
やがてワーシントンは原住民と同調し、開発に否定的になるが
「エイリアン2」の悪役を思わせる企業代表が出てきて
さらに例のガンダムみたいなマシンも再登場。
物量作戦で制圧しようとする軍の連中が攻撃を開始。
まさにキャメロンの面目躍如という感じ。
これを、ワーシントンがリーダーとなり、
ドラゴンのような竜に乗って総攻撃する光景は、今度はファンタジー映画のノリ。
ややごった煮的な印象も受けるが、印象に残るセリフが2つ。
「平和を夢見たが、いつも目覚める」
「地球には緑がなくなった。彼らはここでも繰り返す」
キャメロンは政治的なテーマがあると認めており、
なかなか直球的な表現だが重く受けた。
ミシェル・ロドリゲスはエイリアン2の女戦士風。
見た事のない映像と言うが、物語は割にオーソドックス。

2009/11/30

「ジャンパー」
 映画にはこれまでにも、いろいろな超能力を持つ人々が出てきたが
「別の場所に移動出来るだけ」なんて割に地味な能力に限定。
世界を絞って面白くしようと言う狙いはわかる。
この能力のおかげでヘイデンは気ままな生活を満喫するが
それがそれほど脅威とも思えないのに
どこかで見たようなサミュエル・L・ジャクソンの一味に狙われ
女性に困らないはずなのに、幼なじみの娘に戻っていくという展開で
何か思ったほど面白くない。

2009/11/16
「ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発」
 かつて怪獣ブームの時代に、東宝ゴジラの二番煎じとしてガメラが登場。
これもヒットしたので、さらに日活のガッパ、松竹のギララが登場したが
いずれも一発屋に。
時は流れ、ゴジラもガメラも今風のマジメ路線で復活した事から
満を持してギララが復活。。。と言うわけでもなさそうで、
見てみると、ギララに対する各国のドタバタぶりをマンガチックに描く方が主眼。
日本の首脳陣は、モノマネのニュースペーパーという連中が
ネタそのままに明かなかぶり物で登場しており
ハナから「リアル路線なんか狙ってません」と言う姿勢。ギララは完全に脇役だ。
そうなると、この手の話は見た事があると思ったら
北の将軍が出てきて、「日本以外全部沈没」と同じ発想と気づく。
最後に出てくるタケ魔人もタケちゃんマンのノリで
あやうく劇場で見そうだったけど、ビデオで1回見れば十分という感じ。

2009/11/04
「テイラー・オブ・パナマ」
ジョン・ルカレ原作のスパイもの映画で
ピアース・ブロスナン主演と言えども、世界を股にしたと言う感じではなく
むしろ末端のスパイの悲哀を描いた感じ。
実際はブロスナンは脇役で(そして悪いヤツ)
真の主役は仕立て屋ことジェフリー・ラッシュ。
ラッシュはその交友関係から、ブロスナンに情報を流すが
たいした情報がないので、ついついパナマ運河売却などと大きな話をでっち上げる。
するとブロスナンはそれをホラと知りつつ、便乗して儲けようとし
米軍とかが出てきて、ラッシュには収拾がつけられなくなると言う展開。
何か着想は面白いんだけど、
だったらそう言う映画だと最初から言ってよと言う感じで、
見る前に期待したのとはだいぶ違う印象を受けた。

2009/10/13
「バンディッツ」
 ブルース・ウイリスとビリー・ボブ・ソーントンと言うところがコンビで
伝説の銀行強盗になると言う話。
ブルースが乱暴なタイプ、ビリー・ボブが知能犯という感じで
2人がうまいバランスで成功を繰り返すが、
ケイト・ブランシェットの登場で調和が崩れるという展開。
実際には2人のキャラがそれほどハッキリしているわけでなく
あまりスッキリしない感じ。
最後のトリックはちょっと面白いけど、結局ケイトから足がつくんじゃないの?

2009/10/04
「ファインディング・ニモ」
 そもそも魚って子供は大量にいるはずで、
さらに、釣られたら連れて行かれるのは、魚にとってかなり遠方のはず。
と言うハンデを乗り越え、父が行方不明の息子を捜し出すという話。
後はサメとかカメとか、海なら出てくるお約束のキャラが登場。
冒険はあっても、まあ安心して見られる感じ。反面、ヒネリはあまりない。

2009/09/30
「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」
 このシリーズは、もともとヴィン・ディーゼルとポール・ウォーカー主演で
ストリートレースをする男たちの話だった。
2作目では、人気の出たディーゼルがはずれ、
この3作目ではウォーカーもはずれた一方で、目先を変えて日本を舞台に。
日本を舞台にした珍妙な映画は数多くあるが、その中でもこれは異色。
広い道路が少ないと言う特性からか、ドリフト走行に重きを置いていて
何かその手のマンガの実写版みたい。
これはこれで面白いけど、シリーズとしては番外編。
ただし、なぜか最後にディーゼルが出てくる。仕事が減ったのか。

2009/09/24
「サブウェイ123激突」 ☆☆☆★★★

 本作は70年代のサスペンスの傑作「サブウェイパニック」のリメイク。
オリジナルはとぼけた感じのウォルター・マッソー対
知的だが凶暴なロバート・ショー。
いろんな見せ場があって面白かったが、中でもラストのオチがポイントで
TVでリメイクされた際も描かれており、今回どうなるかと思ったが
アレンジされていてアレはないとの事。でも全体として面白そうだから見る。
 今回は運行司令室のデンゼル対犯人トラボルタと言う図式。
オリジナルの面白い点は
 ・乗客に刑事がいるらしいが正体不明
 ・眠り続けている正体不明の人物
 ・逃げられない地下からどう逃げるか
 ・ラストの落ち(とその伏線)
 今回、一味のトリックはオリジナルとまったく同じで、そこは工夫がない。
一方で、トラボルタの相棒と乗客の刑事がそれぞれ早めに射殺され
オリジナルの面白い点を封じてくる始末。
トラボルタは市長と因縁があったりするようだが、どうもドラマ的には浅い。
デンゼルは警官ではなくて操車係で、
たまたま事件に関わって現場に行くハメにと言う展開は面白い。
しかし、過去に収賄疑惑があったりするのは、やや蛇足の感あり。
物語はTV「24」のノリで、全体として1時間で展開するわけだが
これでどうにも急ぎすぎ。
いくら何でも、市長も警察もTV局も、そんなに機敏には動けないだろうという気が。
でもオリジナルも1時間だったんだよね。
おかげで現金輸送車の描写とかはスリリングに。
しかし考えてみると、道路をあらかじめ封鎖しておくくらいの手は打てたはず。
他の地下鉄が走り続けてるのも違和感があるし
皆携帯を持っているはずなのに、なかなか使わないのも引っかかる。
原作の頃は携帯なんかなかったわけだが
現代風にアレンジするなら、ここらへんはちょっと意識してほしいところ。
ネットで車内の様子が公開されるのは、意識した点と言えるが
物語的にさほど重要になっていない。
デンゼルは現場の人間ではないが、
なりゆきで身代金を渡しに行く事になるのは、何か巻き込まれ型ぽくて面白い。
しかし、一味から逃げ出したのに犯人を追って車を飛ばしたり
銃を撃ったりすると、クライマックスに安易な見せ場作っちゃいましたねと言う感じ。
妻に牛乳を買うエピソードは、電話で話してる時はウルッときそうだったが
ラストで本当に牛乳を買って帰ると、何かダメ。
ところで、オリジナルでは全部青のはずの信号に、なぜか赤があって
列車が急停止するシーンが疑問だった。
今回、そこは説明があり。ここは良くなってるね。

2009/09/16
「X−MEN:ファイナル ディシジョン」
 様々な能力を持つミュータントが大勢出るシリーズ3作目。
一応今回で完結という形。
そこそこ有名どころが出ているのが魅力だったが
今回はジャックマンとハル・ベリー中心に展開して、だいぶ弱体化。
対する敵もミスティークが離脱してるし。
ミュータントの大軍同士の対決はかなり大味。
ようやく光の当たったファムケ・ヤンセンの扱いがポイントだが、今回ももう1つ。

2009/09/09
「エアポート ’04」
 ニセエアポートシリーズと言うのは承知の上だが、今回はさらに異色で、
妄想癖があって、ゲームの操縦が得意なんて都合の良い少年が主役で
彼が乗った機で、ハイジャックがあり、操縦士の不在あり
軍による撃墜の危機ありと、一応定番ところをなぞるものの
やっぱり少年が主役というのが難で、全体的にのんきな感じで緊迫感はない。

2009/09/03
「運命の女」
 ダイアン・レインがややくたびれた妻を演じ、彼女が若い男と不倫に陥るという話。
それを夫リチャード・ギアが気づくわけだが、
ギアは何かイメージが合わず、
ランダム・ハートのハリソン・フォードとダブって、ハリソンの方が合ってたかも。
彼は蚊帳の外で展開するのかと思ったが、
後半そうでもなくなって、ちょっと面白い。

2009/09/01
「スラップ・ショット2」
 原題から、一応ポール・ニューマン主演作の続編みたいだけど
物語の連続性はなさそう。
ダメチームが奮起して大勝利するという例のパターンだが
ダメぶりが、ただ弱いのではなく、
金持ちのお気に入りチームの引き立て役をさせられるあたりが
ちょっとひねってるけど、まあ全体としてお約束。
女コーチは最初の内存在感を見せるが
後半は急に目立たなくなり、やっぱり主人公と恋仲になるだけ。

2009/08/20
「ジル・リップス」
 ドルフ・ラングレンが元刑事役を演ずる作品。
この人の場合、同系統の人と違い、スタイリッシュな役を演ずる事はなく
ただひたすら不器用な感じ。
今回は兄の死をめぐり、巨大な陰謀を疑うが、さにあらずと言う展開。
刑事が捜査の過程で、いいろアブノーマルな世界を体験する話はあるが
割に本格的なSMの世界で、行き着いた感じ。ドルフまで縛られたりするし。
犯人は序盤に想像できてしまい、
こんな展開なので、あんまりスカッとする話ではない。

2009/08/12
「ハリー・ポッターと謎のプリンス」 ☆☆☆★

 ハリー・ポッターについてはもはや語る必要もないが
第1作から見続けて、2作目あたりからつらかったんだけど
もはやノルマと思って見る。
 どうやら次の作品が最終話らしく(ただし前後編)
クライマックスが始まったとか宣伝される。
しかし肝心のヴォルデモートは出てこず、若い頃のトム・リドルが出てくるだけ。
ヴォルデモートが実は元生徒だったなんて、
旧作で語られたかも知れないけど、個人的には唐突に思えて。
ハリーの彼女も、今まであまり印象のなかったロンの妹だったり。
結局身内の話だったのねと言う感じ。
事前の情報によると
 ・何かハリーにとって大事な人が死ぬらしい
 ・今までライバルのくせに出番の少なかったドラコが泣かせるらしい
との事。
「大事な人」と言っても、主役3人の誰か
(と言うかハリー以外の2人の内のどちらか)が死ぬとも思えず
他に「大事な人」なんていないのでは?
ひょっとして、唐突に現れた新しい恋人が死ぬとか?と思っていたが
結果的に、ああそう言えばこの人も「大事な人」だったね。と言う感じ。
ドラコの方は、期待はずれで、やっぱり出番は少ない。
もともと怪しい存在だった、ハンスことスナイプ先生が
序盤でやっぱり一味だったと明かされ、実はそうではなかったとわかるのかと思ったが
そうはならず、何か意外性という点でいまいち。
「謎のプリンス」と言う新キャラが登場して、
ハリーを助けるのかと思ったがそうでもないし。
なんて言う、ハリーと一味の攻防の一方で
誰と誰がひっついたとか別れたとか、何だかのんきな展開もあり。
ここまで来たら、全部見るつもりだけど、まだ2作もあるらしい。
CMで一味が町を破壊するシーンがあったので
ついに現実の世界を巻き込むのかと期待したけど、そうはならず。

2009/08/07
「G.I.ジョー」 ☆☆☆

 G.I.ジョーと言えば、あちら版の兵士ものフィギュアで知られ
それを実写版映画にしたというあたり、既にチープな匂いがプンプン。
わざわざ劇場へ行くほどではないと思ったが、
予告を見たらエッフェル塔が倒れたり、
派手なアクションがあるようなので勢いで見る。
 物語はナノテクを駆使して、小さなロボットが敵の建造物を食い尽くして破壊する
と言う、なかなか新しい発想の兵器が輸送され
これが謎の一団に奪われるという展開。
突如現れた敵の戦闘機と言うのがキンピカで、
現実に存在しそうもなく、途端に調子が狂う。
現れた一団に対し、米兵が総攻撃してもまったく歯が立たず
装備が違いすぎると言うわけだが、その装備が何かマンガチック。
主人公はもともと米軍の精鋭部隊にいたのだが
彼らでも知らない超ハイテク兵器を敵は所有しているわけ。
そして主人公は秘密部隊G.I.ジョーに入り戦う事になるが、こちらも超ハイテクで
超ハイテク対超ハイテクで現実離れした感じ。
「SWAT」の兵士版みたいな映画を想像していたが、さにあらず。
ロボコップみたいなスーツを身につけると、
身体能力がアップして、カーチェースの代わりにドスドス言わせながら
車と同じスピードで走ったりする始末。
007のような、本当にありそうなメカと言うわけではなく
ファンタステックフォーのような、登場人物からして超人と言うわけでもない。
人形をもとにした映画と言うよりは、人形をベースにしたアニメが原作らしく
そのアニメを知らないからいけないのかも知れないけど
何かレスキューフォースを、ハリウッドが巨額の制作費で映画化したみたいな感じで
どうも金のかけ方を間違えてる気がして、ちょっとさめて見てしまう。
ファンタステックフォーと思えば、
東京に少林寺みたいなのがあって、そこでなぜかニンジャの訓練をしていたりと
設定も笑って見られるのかも。
シエナ・ミラーはむかつく感じだが、最後にいい人になってしまって拍子抜け。
不二子ちゃん的な計算ずくと言うキャラでもない。
主演の人は、知名度も低いしパッとしない。
原題は「コブラ団の始動」とか言う副題があるので、続編作る気満々らしい。

2009/07/14
「アザーズ」
 戦争で主のいない屋敷、光を浴びられない子供たち、
突然押しかけてきたお手伝い
と曰くありげな展開で、屋敷に何やら別の住人がいることが判明。
「壁の中に誰かがいる」と言うような可能性もあるものの
普通に考えたら基本的に幽霊。
しかも、お手伝いさんも、突然帰還した夫も、たぶん幽霊だろうとわかっちゃって
意外性はあまりないと思ったのだが、実はと言う展開。
オチはシックスセンスと同じ感じだけど
こうなったいきさつを考えると、後味は悪い。
少年ビクターの正体はひねってて面白い。

2009/07/12
「モンスターVSエイリアン」 ☆☆☆★★

 あちらのアニメは主に2派あって、
ディズニー+ピクサーものか、ドリームワークスもの。
本作は後者で、ディズニーでモンスターズインクと言う作品もあったので
パクリぽい所もあるが
どちらかと言うと、一昔前のモンスター+SF映画のパロディ風味を出しつつ
今時の3Dと言うのに惹かれて見る。
 期待通りのモンスター映画ノリで展開。
まずは花嫁スーザンが巨大化するが、これはジャイアントウーマンのノリ。
「花嫁」と言うところがミソで、巨大になったため
「花嫁が来た」と人々が逃げまどうのが面白い。
幸福なはずの花嫁が恐怖の対象となるおかしさ。
彼女は捕らわれて某所へ。そこには同じようなモンスターが集められているわけだが
「マックイーンの絶対の危機」(あるいは人食いアメーバ)風のゼリー状怪物ボブ。
こいつは脳がない設定なので、会話が微妙にずれているのが面白い。
続いて「ザ・フライ」を思わせるコックローチ博士。
コックローチだから蠅男ではなくてゴキブリと言う事か。
オリジナルでは転送装置の事故で怪物になったわけだが
本作では「モンスター製造装置」で生まれたと言われる始末。彼は比較的知的だ。
さらには半魚人が出てきて名前がミッシングリンク。
ミッシングリンクと言うのは、進化論的に猿と人間の間の生物が存在したはずとか
そんな未確認の生物を称するのだが、それを怪物の名前にしてしまったわけ。
最後は巨大なムシザウルス。
これは巨大なムシの怪物で、東京に現れた事があると言うからモスラのノリ。
こんな連中に仲間入りするのはごめんと言うスーザンだが
エイリアンの出現に協力して戦う事に。
このエイリアンは、マーズアタックとかに出てくる火星人のノリ。
まず巨大ロボットとスーザンが、ゴールデンゲートを壊しつつ戦う見せ場があり
これがまさに怪獣映画のノリ。
しかもリアルなCGのはずが、このシーンではわざと車を模型ぽく描写している。
この対決シーンはなかなかの迫力。
続いて一同が宇宙船に入り、スーザンが能力を失うが
結束して宇宙人を退治すると言うお約束的展開が小気味よい。
子供にも大人にも楽しめるようになっていると思う。

2009/06/24
「天使と悪魔」 ☆☆☆★★

 天使と悪魔と言うのは、数年前に大ヒットした小説の映画版として、
これまたヒットした「ダ・ヴィンチ・コード」の続編。
今回はダヴィンチではなく、ガリレオとかが残した暗号が関係しているとかで
前作よりもわかりやすいとの事。
何となく後回しにしていたが、やはり前作も見たので見る。
 確かに物語は割に単純で、
4人の枢機卿が殺され、1箇所が爆破されるとの予告がある。
これが5時間の間に1時間おきで起こるのだからあわただしい。
TV「24」のノリだ。
大事件にトム・ハンクスが呼び出され、
爆発物である「反物質」の権威である女博士も同行。
この女性が、なぜかハンクスばりに教会にもそれなりに詳しい一方
肝心の反物質除去には役立たずで、脚本家の都合に合わせたような存在。
あまりにも独自のキャラがないので、前作のヒロインがそのまま出ていて
だからあまり説明する必要がないのかと錯覚しそうになるほど。
物語はローマ法王交替をからめた陰謀で、
次々起こる殺人をトム・ハンクスが追うが、いつもちょっとずつ間に合わず
同行する警察も次々やられ、
最後には警察がいなくなって、ハンクスが1人で犯人を追っているような状態に。
物語は、007ばりに世間の人は事件があった事すら知らないと言う展開かと思いきや
クライマックスでユアンが爆発物除去にヒーロー的活躍を見せる派手な展開。
序盤でユアンに軍隊経験があり、ヘリ部隊にいたと語るシーンがあるが
その唐突な設定が、特攻隊的行為の伏線だったとわかり
ちょっと物語がこなれていないという印象を受ける。
実際には、それで完結と言うほどすんなりは行かず、
お約束のどんでん返しがあるわけ。
我々日本人にはどこまで本当かわからないが
イルミナティとか、教会を巡る謎解きとか、テンポも良くて面白そうなんだけど
前作は、昔の人が秘密を仕掛けて、時代を超えてそれを解決する面白さがあったが
今回は罠を仕掛けたのはあくまでも現代人。
全体的には底が浅くて安易な印象を受ける。

2009/06/23
「80デイズ」
 ジューヌ・ベルヌ原作をもとに、かつて八十日間世界一周として描かれた作品は
評価はいまいちと言われつつ、アカデミー賞を受賞。
デビッド・ニブンのとぼけた紳士ぶりや、世界の国々の光景が見られて
昔のいい映画という感じ。
リメイクばやりの昨今、そんな作品のリメイクを作ると言うのはいいんだけど
ちょっと目先を変えて、
パスパルトゥにフランス人に扮した中国人と言う設定のジャッキー・チェンを配置し、
教授役の人は明らかに知名度が落ちる。
と言うか、ひょっとして年下?こんな設定からしてダメという感じ。
全体的にジャッキー主演映画という感じで、教授はまったく存在感がない。
おまけにヒロインも同様。
途中、オーウェン・ウイルソン兄弟が友情出演的に出てきて
未見だけどシャンハイヌーンとかでのジャッキーとの共演もあり
オーウェンが教授役だったかと錯覚してしまう始末。
世界の光景はCGでごまかし、ドタバタでワーワーキャーキャー騒がしいだけ。
建設中の自由の女神が出てくるのは面白い方で、
こんな風に歴史的出来事を絡めた風景とかを各地で出せば、もう少し楽しめたかも。
ラストのオチはオリジナルと同じだけど
賭けの相手が逮捕された後にわかっても仕方ない気がするが。

2009/06/15
「クローバーフィールド HAKAISHA」
 まるで自分が体感しているような、見た事もない映像と言うので期待して見るが
全体的な雰囲気は、ブレアウィッチプロジェクト。
あるいはわが日本の「大怪獣東京に現わる」。決して目新しい発想ではない。
かの映画では、怪獣が現れたと語るだけで、映像ではまったく出てこなかったのに対し
本作はけっこう怪物が写っちゃってるのが大きなマイナス。
「鳥」のジャングルジムのシーンのごとく、この手の演出では
観客に見せる情報を遮断しなくては意味がないと思うのだが、
そこがどうにも中途半端。
一方で、カメラで撮影しているという設定に引きずられ、どうもテンポが悪いのも難。
考えてみると、一歩引いてこのフィルムを保管した連中の世界で
怪物が退治されたのか、まだ生きてるのか想像させるのは面白いけど
全体の評価を覆すほどではない。

2009/05/30
「ターミネーター4」 ☆☆☆★★★

 ターミネーターと言うのは、今から遡ること20年も前に
未来から殺人ロボットが来たと言う設定で
当時コナンで知られ始めたアーノルド・シュワルツェネッガーが
殺人ロボットことターミネーターを演じ、
一方で、ターミネーターが狙う娘サラ・コナーを助けようと、
同じく未来から来た哀愁の戦士カイル・リースをマイケル・ビーンが演じた。
ジェームズ・キャメロン監督と合わせて、3人の出世作と言えるが、
(あとリンダ・ハミルトンもね)
基本的にはアイデアありきのB級アクションだった。
それは当時としても、何かチープな特撮にも感じられる。
だがこの作品がヒットし、10年後だかに続編を製作。
今度は有名になったシュワルツェネッガーをいい方へ回して、
代わりに不気味なT1000ことロバート・パトリックが登場。
サラの息子若きジョン・コナーをエドワード・ファーロングが演じ、彼も人気に。
大作となった2作目はヒットしたが、ターミネーターは自らの命を絶ち、
機械の文化であるスカイネットが誕生しないようにしたはずだった。
ところが、時は流れ、結局スカイネットは生まれてしまったと称して
またまたシュワがジョンを助けに来る3作目が登場。
繰り返しと言うイメージは否めなかったが、ラストで結局核戦争が勃発。
4作目以降では核戦争以降が描かれる事に。
その後シュワはカリフォルニア州知事となり、出演不可能になるが
未来ではロボットがウロウロしているので、特に人間に扮する必要もない訳。
代わりに、これに対するジョン役として、
バットマンことクリスチャン・ベールが登場。
人気シリーズ2つの主演が同じ人なんて
かつてのハリソン・フォードみたいで芸がない気がするけど
未来を舞台に、ターミネーターとの対決がどういう風に描かれるか
これはやはり見るしかない。
 今までのターミネーターシリーズの面白さのポイントとして
・未来の殺人ロボットが現代に現れ、そんな事は知らない人々を襲うという発想。
・ターミネーターを演ずるシュワルツェネッガーのキャラ
があったと思う。
しかし、3回も過去へさかのぼる話を繰り返し、ややしつこいぞと言う感じになり
舞台を未来に移すしかなくなった本作。
しかもシュワは出演できないと来れば、目玉を2つも封じられてかなり厳しい状況。
主人公を、これまで助けられる立場だったジョンにして
クリスチャン・ベールと言う有名どころを配置したものの
機械が人間を支配する未来で、人間が機械と戦うという話はあまり珍しくもない。
どうなる事かと思ったが、いろんなタイプのターミネーターを登場させる事で
メカ好きの嗜好を満たし、
一方でどこかシュワを連想させる新キャラマーカスを登場させる。
このマーカスは、むしろジョンよりも魅力的なキャラで
たぶんメカなんだろうなと思っていたら、実際その通りだったんだけど
人間の部分もあって、ロボコップを連想させる哀愁の戦士という感じ。
ジョンとマーカスと言う2人体制で物語を引っ張り
とりあえずジョンがカイルと出会うところまで描いて
3部作の1作目という本作は終了。
スタートレックと一緒で、未来は変わってるらしいので
ミッシングリンク的な面白さはあまりないかと思ったが
T2公開時に話題になった、未来のジョンの顔の傷の秘密が明らかになり
ちょっとうれしい感じ。
残念ながらマーカスは次回は出そうもないし、
新チェコフことカイルはやさ男で、マイケル・ビーンほどの魅力がない。
続編はさらに苦戦するだろうと心配しつつ、本作はそれなりに善戦と言える。
ただ、話題のシュワ登場シーンは蛇足の感も。
どう見ても合成の上に、ここ見せ場ですとばかりに
わざわざデデンデンデデンと派手な音楽で盛り上げて、ちょっと気恥ずかしい。

2009/06/08
「スカイ・ハイ」
 カート・ラッセルが出ているので見るけど
基本的に彼は脇役で、息子の少年が主人公。
特殊能力を持つ者ばかりが集まった学校と言うのがポイントだけど
発想的にはXメンとかファンタスティックフォーとか
TV「HEROS」とかに割に似た設定の話があるので
それほど面白い設定と言えない。
まあ、校長がワンダーウーマンと言うのは面白いが
物語の展開はどこかで聞いたような感じ。

2009/06/04
「アパッチ砦」
 予備知識はなかったが、聞いた事ある題名の西部劇なので見る。
最初に出てきたヘンリー・フォンダ主演の映画と思って中盤まで見るが
彼がどうも気難しくて、部下のジョン・ウェインの方がかっこいい感じ。
と思ったらこっちの方が主役らしく
成長したテンプルちゃんが、簡単に恋に落ちるなど
全体的には昔風ののんきな感じの作り。

「バトルスター・ギャラクティカ 序章」
 旧シリーズは映画版以外は見ていないので思い入れはあまりない。
リメイクシリーズもどうしようかと思っていたが、序章だけはとりあえず見る。
アポロとかスターバックとか言う連中はそのまま出てくるのだが
スターバックが女性になるなど、設定には一工夫あり。
旧シリーズの映画は2話ひっつけた感じで、後半は普通のエピソードだったが
今回は1時間半ずつの前後編なので、オリジナルの4倍の長さの船出。
おかげでちょっとテンポが悪く、わくわく感はまだあまりない。

2009/05/30
「スター・トレック」
☆☆☆☆

 スタートレックと言えば、TV「宇宙大作戦」を始めとした
映画とかTVとかの、数多くの登場人物とエピソードを持つ一連のシリーズ。
トレッキーと呼ばれる熱狂的なファンがいて
米国では映画も毎回ヒットするが、日本ではもう一つ盛り上がらない。
オリジナルメンバーの映画が数作続き、キャストも歳をとったので
続いて新スタートレックのキャストによる映画が作られると、
だんだんマニアしか楽しめない感じになって尻すぼみ。
ここへ来て原点であるカーク、スポックコンビを主人公に
TVよりも前の、宇宙艦隊に入った頃のエピソードを映画化。
今までウイリアム・シャトナーとレナード・ニモイ以外の人が演ずるなんて
想像もしていなかったが、若いキャストがそれっぽく演じる。
今回はスタートレックを知らない人でも楽しめると言われ
(実はそんな宣伝をするあたりに、日本の映画館の不安があるのかも)
監督はLOST、エイリアス、MI3のJ・J・エイブラムズ。とにかく見る。
 物語はカークの父の殉職と、カーク誕生、そして幼い頃を描き
一方でスポックも若い頃から描かれる。
その後、宇宙艦隊で2人が出会うわけだが、
何しろ昔懐かしいコスチュームを、初めて大画面で見るのはなかなか感激。
カーク、スポックもなかなかオリジナルの雰囲気に似た人を見つけてきている。
その他のキャストとしては、スコッティが頭が薄いが似ている。
マッコイもぼちぼち。ウフーラ、スールー、チェコフはもう1つ。
ウフーラは今回ヒロイン的な位置にあり、TVよりも出番が多い。
そんな事より、オリジナルを知る者としてはちょっと気になる点が。
スポックがカークより先輩と言うのは別にいいけど
カーク、ウフーラ、マッコイ、スールー、チェコフが同期生みたいに描かれていて
いきなり皆エンタープライズに集結。
TVでは、カークには別の艦での副長時代があるはず。
パイク時代の部下はスポックだけで、
スポックとパイクにはカークとは別の絆があったはずだが、みじんも感じさせない。
チェコフは最初ブリッジにはいなかった。
惑星ロミュラスとバルカンは壊滅していない。
TVの段階でスポックの母アマンダは死んでない。(あれアマンダだよね)
地球人はTVまでロミュラン人と面識がなかった。
父サレックとスポックは、TVまで数十年口をきかなかったはずだが
どう見ても普通に接してる。
と言ったあたりが気になっていたら、
途中で軽く「これは別の歴史だ」と言われてがっくり。
と言う事は、このカーク、スポックが、
TVのカーク、スポックになるわけではないのか。
マニアに突っ込ませるために意識的に設定を変えたのか、
あるいは設定に労力をかけないため逃げの手を打ったのか。
監督は旧作に思い入れがないとの発言もあり、
それが昔からのファンには裏目に出るかも。どうもだまされた感が。
ウフーラは他の艦を断ってエンタープライズに乗船するが
どの艦も新造艦で、特別エンタープライズにこだわる必要はないはず。
スポックはコバヤシマルテストの考案者なので、カークらより先輩のはずだが
いざパイクの下につくと、ほぼ同期みたいな感じになるのも違和感あり。
ただ、エイブラムズ得意のテンポ良い展開は面白く
「別の歴史」と言う事から、ミッシングリンクという位置づけではなく
ちょっと設定を変えた旧シリーズのリメイクと考えると、
今後2人の物語がまた見られるのかもという期待が。
やっぱり昔からのマニア向けかもね。

2009/05/28
「リディック」
 ビン・ディーゼルと言えば、ワイルドスピードやトリプルXの続編には出ず
なぜかピッチブラックの続編である本作に登場。だが前作の印象は最も薄い。
この作品では、ディーゼルはめっぽう強く、無数の敵を相手にひるまず、
目的地への足がないため、わざと捕まって護送されたりする恐れ知らずぶり。
最近珍しい無敵のキャラだ。
そんな彼が、星々を侵略する悪玉と対決するのだが
賞金稼ぎとか絡めて、話を三つ巴にしたために、侵略者の凶悪ぶりがあまり伝わらず。
むしろ賞金稼ぎの方が悪そう。
侵略者の隊長との対決も期待したが、意外に簡単に寝返って拍子抜け。

2009/05/26
「紀元前1万年」
 紀元前1万年という題名で、
イグアナ版ゴジラのローランド・エメリッヒ監督と来れば
恐竜百万年のリアル版みたいな話かと思ったがさにあらず。
マンモスが出てくるくらいで、後は大きめのダチョウと虎。
人々も割に文化的で、話もありがちな部族間の争い。
1万年前という時代を選んだ意図はよくわからない。

2009/05/24
「エアポート'02」
 毎度おなじみニセエアポートシリーズ。
今回は有名どころがエリック・ロバーツだけなので、本家の布陣にはほど遠い。
彼は事故を起こして休職中の機長で、今回は副機長として搭乗。
ロバーツより後輩だが、プライドの高い機長や
ハイジャックを企む護送中の殺人犯という連中が乗り合わせた機が
不測の事態で墜落の危機に陥るという展開だが
殺人犯さえ実はいい人で、操縦の妨げとなるような悪い人物が現れず
ロバーツはもともとプロのパイロットだし、機器も損傷していないと来れば
たいしたピンチではないと言う感じ。

2009/05/19
「レプリカント」
 バンダムが正義と悪を1人2役やって対決する話って
「ダブル・インパクト」「マキシマム・リスク」で2回もやってる設定で
またかと言いたくなる感じ。
とは言え今回は、バンダム対バンダムではなく
「クリフハンガー」でスタローンに引けを取らない活躍したマイケル・ルーカー対
悪バンダムという図式が正しい。
悪バンダムは逃げているので必然的に出番が少なく
正義バンダムは、クローンの特性として頭が弱くて
最初の内はルーカーに道具として使われる。もっぱらアクションもルーカー中心。
一方頭の弱いバンダムにはちょっと味があり、
いろいろひどい扱いを受ける描写には同情したくなるところも。
ただ、なぜかラストで娼婦とひっついてハッピーエンドと言うのは唐突な感じ。

2009/05/14
「炎の少女チャーリー/REBORN 前編」
「炎の少女チャーリー/REBORN 後編」
 前後編と来るからTVものと言うのは承知の上だが
かつてバルモアちゃんが出た「炎の少女チャーリー」のリメイクかと思えば
さにあらず、少女が成長した後の後日談。
前回、ジョージ・C・スコットが演じて、死んだかと思われた悪役が再登場。
今回は彼女のパワーを封じる少年とか出てくるし、最後の暴れ方も派手だけど、
結局前回と同じで、生き残って1人旅立つなんて、何も進展しない感じ。
怪しげな一団が彼女を利用しようとするが、
騒ぎに乗じて銀行を襲うとか言う、割にレベルの低い目的らしく
しかも肝心の計画はまったく実行に移されず
一味もマルコム・マクダウェルと少年たちだけになって拍子抜け。
少年たちも期待させて割に弱い。

2009/05/04
「グラン・トリノ」
☆☆☆☆

 かつては派手なアクションばかりしていたクリント・イーストウッドも
初老の域を過ぎ、近年は監督としてアカデミー賞作を含め名作を連発。
自分が主演する作品も少なくないが、今回もそんな1作。
苦虫つぶしたような。。。と言う、いつものキャラを保ちつつ
隣のアジア系一家とひょんな事から親しくなり、何やら事件が起こるらしい。
これが評判が良くて、
かつてもミリオンダラー・ベイビーで不意打ちを食らった事があるが
今回も感動の作品らしいので見る。
 毎回作品は変われども、イーストウッドのキャラは割にいつも同じで
そう言う意味で、ジョン・ウェイン主演作とかブロンソン主演作とかと通じるものが。
今回の彼は朝鮮戦争に行った事のある老人で
ハートブレイクリッジとかの設定を継承してるようにも思えて、入り込みやすい。
まして周囲の者誰もが気にくわないと言うキャラで
常にやれやれと言う感じで悪態をつくのは、
ダーティハリーの昔から共通した彼のキャラだ。
今回も外国人を差別し、今時の若者を快く思わない。
ところが、そんな彼が自分の愛車を盗もうとした少年とその姉と親しくなり
少年には仕事の世話をしてやったりする。
取っつきづらいが、実は悪い人じゃないと言うのもイーストウッド不変のキャラだ。
そんな彼も、何やら病を患い、自分から息子に電話する弱さを見せる。
さらに戦争で人を殺したという罪悪感を背負い続ける。
そんな中で、少年がいとこであるチンピラ一味に痛めつけられ
イーストウッドが仕返しすると、一味の報復がエスカレート。
少年の姉がレイプされ、少年は今にも暴走したそうな状態に。
神父さえも報復を容認するような発言をする始末。
かつてのイーストウッドならば、ここで「メイク・マイ・デイ」とか言って
銃を撃ちまくりそうなところで、実際それでも面白かったと思う。
だがかつて人を殺した罪悪感を持つ彼は、そうした行動は取らず
かと言って、おとなしく引き下がるようなキャラになったわけでもない。
少年を巻き込むまいと地下室に閉じこめ、単身一味の所へ。
やはりここで撃ちまくるのかと思わせて。。。
撃たれてもなお、荒野の用心棒の時の手を使うのではと思ったが、今回は違った。
イーストウッドらしい姿勢を貫きつつ、
それでいて人を殺さずに事態を収拾した姿は、あっぱれと言わざるを得ない。
愛車グラン・トリノの扱いもうまいが、
何となくイーストウッド引退を思わせて、ちょっと寂しい感じ。

2009/04/29
「謎の人喰い魚群」
 リー・メジャース、マーゴ・ヘミングウェイ(姉の方)、
カレン・ブラック(エアポート75のスチュワーデス)、
ジェームズ・フランシスカス(続猿の惑星の飛行士)
なんて微妙な布陣の怪しげな映画。
盗んだ宝石を湖に隠すが、裏切り者を心配してピラニアを放つ者がいて
おかげで大繁殖し、落ちれば即、死に至るような状態に。
しかもなぜか嵐が起きて、簡単にダムが決壊。嵐は簡単に去る。
怪獣映画のような特撮で、仲間が次々死んでいく展開。
大風呂敷広げた割に安易な感じ。
何よりTV局がつけたらしき邦題が「魚群」だから
その時点でスケールの小ささがうかがえる。
メジャースはサイボーグのような活躍をするわけではなく、
ピラニアにかじられて全身血だらけでパッとせず。
マーゴはモデルさんだけど眉毛が太くて時代を感じさせられる。

2009/04/20
「ディフェンダー」
 ドルフ・ラングレンが自身で監督までした1作。
元兵士の護衛官が陰謀に巻き込まれる話で
兵士時代に心の傷を負ったらしいのだが、詳しくは語られず。
護衛の方は大統領を失脚させようとする一味と
一味を倒そうとする大統領の策略のはざまで
ドルフが撃ち合いするハメになるわけだが
何しろ細かいところはちょっと語られるだけで、基本は延々と撃ち合い。
次第に仲間がやられていき、最後には自身も護衛官をやめるが
多くを語らなすぎて、感情移入はできない。

2009/04/14
「フライトパニックS.O.S./超音速漂流」
 パイロットであるトマス・ブロック原作の「超音速漂流」の映像化。
圧倒的迫力の原作をどう映像化するか注目だったが、ずいぶんこぢんまりした感じ。
類似の航空物と違い、出来は悪くないと思うが、原作と比べるとやはり。。。
ミサイルが貫通する描写とかも悪くないが
原作ではばかでかい旅客機が自動操縦で飛び続け、
ラストで空港に現れるあたりの迫力があったのに対し
こちらはせいぜい数十人乗りと言う印象。
チャールズ・S・ダットンが、優柔不断だったくせに
形勢不利とわかると途端にいい人ぶるのもちょっと。
新スーパーマンが悪役だが、巨悪という感じでもない。

2009/03/17
「AVA エイリアンVS.エイリアン ジャッジメント・デイ」
 薄々感づいてはいたが、「エイリアンVSエイリアン」とは無関係の一編。
設定は同じで、地球を侵略しようとするエイリアンと
それを阻止しようとするエイリアンが地球で戦う話。
今回は宇宙船も出てくるし、プレデター風のエイリアンも出てくる。
敵側のエイリアンはふとっちょでちょっと格好悪い。味方側はビン・ディーゼル風。
軍みたいな正体不明の組織があって
昔からひそかに対エイリアンの戦いをしていたという設定だが
話が実にローカルで、田舎町から外へ出たりせず展開するのでリアルではない。
敵エイリアンは地球から連絡があると侵略開始の体制になるが
間一髪連絡を停止すると、侵略が中止(延期)になっただけとは何ともハンパ。

2009/03/15
「AVA エイリアンVS.エイリアン インベージョン」
 題名からすると、エイリアンVSプレデターのパクリぽいが
エイリアン同士が地上で戦いを繰り広げる話。
敵のリーダーがビリー・ゼーンなんて所を抑えたが
困った事に全編エイリアンは登場せず
「地球人の体を乗っ取ったと称するエイリアン」が出てくるだけ。
特に凄いパワーを見せるわけでもなく、
アイデアだけで金をかけずに1本作っちゃった映研のノリ。

2009/03/08
「スピーシーズ3 禁断の種」
 エイリアンのパクリみたいな企画で、
出演者もややランクの落ちる人たちだったスピーシーズ。
続編は1作目をなぞったような展開で、
女性の裸で客を呼ぼうとしたり、もともと志が低いのだが、第3弾が登場。
今回はエイリアンが、どこかおばさん顔のナターシャ・ヘンストリッジから
若い娘に代わって、それでも裸は満載とそこは心得た感じ。
どちらかと言うと、エイリアンは人間の博士の狙いを承知の上で
自分を狙う混合種と戦うため、手を組んだりするのは面白い展開だが
もう一つ中途半端な印象も受ける。
何より人間側の主役2人の設定が強引で、
1人はエイリアンを研究しようとする生物学教授だが、
エイリアンを手に入れるため、極秘のはずの軍の移送の運転手をしてしまう。
もう1人は、学生のくせに金のかかりそうな最新の発電所を開発。
そのくせ、上記の生物学の教授の授業を受け
結果的にその研究を手伝うようになるとは、もう何でもありと言う感じ。

2009/02/23
「炎のメモリアル」
 消防士の日常を描く物語で、
冒頭でホアキン扮する主人公が負傷し、それから回想シーンに入る展開。
入隊から始まり、周囲はジョン・トラボルタを筆頭に気のいい連中に恵まれ
妻子にも恵まれ、何やら楽しげな青春映画のノリ。
同僚が死んだり負傷したりして、家族がホアキンの身を案ずるが
やがて消防士の家族である事を耐えるようになり、この描き方も好感が持てる。
ただ、全般的に淡々とした感じで、見せ場という点では弱い。
派手目なバックドラフトの方が面白いと言う人も多いが
見せ場を無理に作った感のあるあちらよりも、個人的には面白い。
しかし、さんざん待たせて最後にやっぱり助からないと言うのはどうしたものか。
安易なハッピーエンドがいいとは言わないけど。

2009/02/19
「ワールド・トレード・センター」
 911テロを描いた作品で、「ユナイテッド93」と同時期に公開。
舞台が異なるのもさることながら、描き方もかなり違う。
あちらが割に異色作だったのに対し、こちらはハリウッドにありがちな映画。
主人公に有名な俳優を使い、彼らの身辺を描き、事件に巻き込まれる展開。
そして何となくハッピーエンドと来たら、
ユナイテッドと比較して、どうにも甘っちょろいという印象。
ニコラスらが大変な目にあったのはわかるんだけど
何しろずっと瓦礫の中なので、911のまっただ中という印象をあまり受けない。
発見した海兵隊の人の描き方も変な感じで、
この人はあまり身辺を描かれないので何か唐突な感じ。
ラストで言うように、人の善意を描きたかったのであれば
別に他の題材でもいいじゃんと言う感じ。

2009/02/15
「ユナイテッド93」
 911の同時多発テロで、4機の旅客機がハイジャックされ
その4番目の機を描いた実話。
実話ものは世に多くあるが、この映画の凄いところは、人物をまったく掘り下げず
傍観者としてドキュメンタリーに徹している点。
何しろ登場人物の名前がほとんどわからず、
犯人なり乗客なりに感情移入する事すら許されない。
前半はハイジャックの発生で大混乱する地上の様子を描く。
地上チームも特に判断を誤ったわけでもないが、なかなか状況がつかめず。
1回目のハイジャックが判明した時点で、後半描かれる機は離陸していなかった。
後半は残された機の中の攻防だが、
特にヒーロー的な人物がいるわけでもなく、
次第に反撃の気運が高まり、犯人もそれに気づいても抑え込めず。
最後に突入になるが、その間も機はどんどん落ち続ける。
最後のメッセージでは、よくぞ目標到達を防いだと言いたげだが
乗客にそんな気持ちがあったかどうか。ただ生き延びたかっただけではないか。
生存者0と言う現実が、何とも救いのない感じの重いドラマ。

2009/02/02
「ハリウッド恐竜スター図鑑」
 昔から現代までの恐竜映画と、その周辺の文化を紹介。
ロストワールド、キングコング、ゴジラなど有名なところを経て
ジュラシックパークへ行き着くわけだが、
日本ではなじみのないTV番組とか、
バットマンとかに出てきた恐竜とは似ても似つかぬ物まで紹介し
有名な映画がはしょられている感も。
トカゲ特撮にケチをつけたり、マニアックなところも。
日本からはゴジラがチラリ。
ジュラシックパーク以降はまだ可能性があるとか言うけど、
見た感じではそんな風に感じられない。
スピルバーグのインタビューは、明らかにこの番組用に収録していない。

2009/01/27
「U.M.A レイク・プラシッド2」
 前作は見てないけど特に困らない。
UMAなんて題名だけど、未知の生物ではなく、巨大なワニ。
巨大な点の説明はないが、CGでやたら巨大に見せてるので、そこは未知の生物ぽい。
そんなのが4匹もいて、その手の動物に詳しいはずのヒロインは何の解説もせず。
派手に食いちぎられたり血しぶきありで、気楽に見るにはちょっと。

2009/01/20
「デイ・アフター 首都水没」
 何かTVぽい洪水もの。
007で悪役を演じたロバート・カーライルが主演で、ヒーローぽくない感じ。
物語は最大級の増水で首都ロンドンが水没の危機に。
それを救うのがカーライルと、カーライルの妻と、カーライルの父で
何だか一家に運命がかかっていたと言う展開。
指揮する副首相が優柔不断かと思わせて意外にマジメな人で
外国にいる首相よりも正しい動きをする。

2009/01/17
「007/慰めの報酬」
☆☆☆★★★

 007と言えば。。。と繰り返し説明するのも何なので、シリーズ新作登場。
ボンドも6代目ダニエル・クレイグとなり、
物語は小説の第1作カジノ・ロワイヤルを念願の映画化。
長年のシリーズで築き上げたスマートなスパイ像はなく
スパイに成り立てですぐ暴走する頃を描き、
これと言った秘密兵器もなければ、ボンド映画の様式美もない。
何か007ぽくないなと思いつつ、歴代トップのヒット。
(物価の差があるからね)
次はもう普通に戻るかと思えば、何と前作の続編で、
シリーズ初の明確な続き物との事。
時間は1時間半と短めで、前作が2時間半だったから
だったら2時間ずつにしろよと言う気もするし。
何はともあれ、見ない事はあり得ないので先行でさっさと見た。
 長いことシリーズをやっていると様式美と言うのがあって
007にもいくつかの決まり事がある。
 ・オープニングは銃口に向かって撃つガンバレルで始まる。
 ・主題曲の前にちょっとエピソードがある。
 ・主題曲の後で事件の概要の説明がある。
 ・どこかで「マイネームイズボンド」と自己紹介がある。
 ・悪役とボンドガールは突き詰めると1人ずつ。
 ・最後はこのボンドガールとラブシーン。
 ・エンディングは主題曲がもう1回流れる。
 ・エンドクレジットの最後で、次回作をお楽しみにと出る。
多少守られない事もあるけど、おおむねこんな感じ。
かなり重要なところがガンバレルだったが、前作でこの使われ方が崩され
なくなってはいないが、主題曲の前へ移動。
今回はさらに後ろへ行って、エンドクレジットの前に。
まあこのルールも前作で破ってしまったので、逆にこの使われ方は面白いかも。
 逆に過去の作品のオマージュと言うべきシーンもあって、
冒頭のカーチェースはひょっとすると、製作サイドも意識してないかも知れないけど
第1作「ドクター・ノオ」のカーチェースに似てる。
第1作は「ブリット」前なので車も合成だったりしたが
今回は本物カーチェースでリアル版リメイクと言う感じ。
そして協力者である女性が、オイル漬けで殺されるシーンは
明らかに第3作「ゴールドフィンガー」の焼き直し。ポーズまで同じ。
 物語はベスパーの死の背後に存在する謎の組織を追う話で
今後のシリーズで、現代のスペクターになって行くのかと言う気もするが
未だ多くは語られず、巨大基地を構えたりはしていない。
いろんな国の重要なポストに幹部が存在。
会議も実際には会わず、マイクで話すだけという設定が面白い。
怪物的殺し屋も出てこない。
 物語はスピーディで、いささか人物関係とかわかりにくいところもあり
前作の続きという点もあって、ちょっとつらい感も。
その間に派手なシーンが次々出てきて、結局どういう事なんだろうと
頭の中で整理するような余裕も与えず、どんどん進行していく感じ。
いわゆるボンドガールもちょっとキスするだけで
お約束のラブシーンもなく、単なる協力者という程度。
Mには否定してたけど、やっぱり個人的な復讐で展開。
小説でおなじみマチスは殺され、タナーは相変わらず影が薄く
レイターはCIAでも下っ端という感じ。
 今回も単品としては面白いんだけど、シリーズとして今後どうなっていくのか。
そろそろ普通になってほしいものです。

翌年へ 前年へ