映画感想速報
 映画のあらすじと感想をまとめ続けてきましたが、なかなか文章をまとめるのが大変で、まとめた頃には古い話になっている事も少なくありません。そこで、速報的に公開する事にしました。

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2011/12/30
「ブラック・サンデー」
 数ある映画の中には、プレミアがついた映画と言うのがあって、
そのポイントは滅多に見られない事。
単なる日本未公開よりも、
公開予定だったが諸般の事情で未公開になったと言う物こそプレミア度が高い。
本作は、アラブゲリラを描いている関係もあり、劇場を爆破すると言われ、
公開寸前に中止となったいわくつきの作品。
同様の作品に、特攻サンダーボルト作戦があるが、これは映画自体はいまいちだった。
ところが、本作は、そんな事情がなくても面白い、まさにプレミア中のプレミア作だ。
私は映画情報として、本作の存在を知り、まず小説を入手。
後に羊たちの沈黙をヒットさせたトマス・ハリス原作だが、
もちろん当時はそんな人は知らず、小説も買っただけ。
その後、LDで本作を入手して愕然とした。特筆すべき面白さで繰り返し鑑賞。
個人的に気に入ったのは、何と言っても、15分ほどのクライマックスで、
巨大な飛行船がスタジアムに突入するシーンには鳥肌が立ったもの。
その後、ケーブルテレビ等でも放送されたが、
大画面で見たいと言う欲求は抑えられない。
そんな望みをかなえかけたのが、DVD発売にあわせて行われた試写会。
応募したら当たったので行ったが、やはりDVDらしいスクリーンの小ささで失望。
それでも、一応個人の記録上劇場で見た映画と言うリストに入れたが、
どうも後ろめたさがあった。
そしたら、まさかまさかで、今回過去の名作を上映する企画に、
本作が含まれていたのだ。
全国の劇場で数日ずつ上映して回るため、
近くに来るのは約1年後だったけど、そりゃ待ちましたよ。
 この映画はジョン・フランケンハイマー監督で、ロバート・ショウ主演。
どちらも、初見の頃は思い入れがなかったが、
間違いなく本作を契機に作品を押さえるように。
テロ組織とそれを追うモサドの攻防が面白いのだが、
特筆すべきはジョン・ウィリアムズの音楽。
この人は、スターウォーズみたいな作品よりも、サスペンスにうまさを感じる。
実はオープニングは音楽なしで、
中盤から静かにブラックサンデーのテーマとでも言うべき旋律が流れる。
ハラハラさせる感じだが、次第に展開が派手になると、旋律が大音量になり、
そのままエンディングに続くのもうまい。
繰り返しになるが、クライマックスの15分は出色で、
大盛り上がりのスタジアムの背後で、
まさかこんなことが展開しているとはと言う面白さ。交互に見せる辺りもムダ0。
ちょっと古い映画ならではの特撮の荒らさ、
締めがあっさりしてる点などの残念なところもあるが、全体の面白さで割り引ける。
また見たい。

「トランスポーター」
 デスレースのリメイクや、
エクスペンダブルズに出ていたジェイソン・ステイタムは、
悪役もやったりしたが、たぶん出世作はこのシリーズ。
ながらく未見だったが、まとめて見た。
未見だったのは、たぶんステイタムをよく知らなかったからと、
フランス映画ならではの扱いだったからでは。
本シリーズはリュック・ベッソン製作で、何となくTaxiマジメ版と言う雰囲気も。
見ていると、一応アクション映画なんだけど、ステイタムが異様に強かったり、
現実的ではないスタントで窮地を乗り越えたりするあたり、Taxiに通じるものが。
派手なスタントは007とかも同様だが、
あちらは、まあ可能かな?と言うボーダーの手前を目指してるのに対し、
こちらはボーダー何するものぞと平気で越える感じで、好き嫌いは出そう。

「トランスポーター2」
 マジメ版Taxiと言う趣のシリーズ第二弾。
今回も派手なカースタントを繰り広げる一方で、
ウイルスが絡んだ陰謀に巻き込まれ、大立ち回りと言う展開。
ステイタムの役どころは、元特殊部隊の運転手で、格闘に強いのは説明がつくが、
車の運転だけは誰にも負けないとか、そんな設定でも良かったかもね。

「トランスポーター3 アンリミテッド」
 派手なスタントで見せるシリーズ第三弾。
今回は車から離れると爆発すると言うハンデありで、
同じステイタムのアドレナリンと言うシリーズと設定が似ていて紛らわしい。
今回も陰謀に巻き込まれて大立ち回りするが、敵側がティーバッグと来れば強敵だ。
スタントの方は、走行中の列車に飛び乗り、
さらに列車から列車に飛び移るなんてありえないもの。
フランスのアクションものはお約束なのか、
クルーゾー警部みたいな、ちょっと抜けてる感じの警部が毎回出て、
何だかもう一つ締まらない感じ。

「地獄の変異」
 洞窟を探検する一行は、そこで奇怪な生物に襲われる。
実は生物は人間に寄生し、コントロールした挙げ句、
人間を怪物化してしまうと言う代物だった。
まあ、そんな設定は物体Xとかパラサイトとかでも見たし、
洞窟から脱出しようと奮戦するのもよく聞く感じ。
洞窟は暗いし、出演者にもなじみがないので、誰に何が起こったかよくわからず、
ラストに生物が外界に出たとわかるが、人類にとってどれほどの脅威かピンと来ず。

「スピーシーズXX 美しき寄生獣!危険な誘惑」
 美女エイリアンが、男を襲って子供を作ると言う
スピーシーズをパクったような作品。
物語はほぼ同じだが小さな田舎町の若者中心に展開して、
人類にとっての脅威と言う意味では今一つ。
序盤からエイリアンは結構出るが、
かなり後半まで、大半の出演者が事態を認識していないのがもどかしい。
若者たちも、実はエイリアンの女性陣も、なかなか区別がつかないのも困りもの。

2011/12/24
「新幹線大爆破」
 スピードを落とすと爆発するバスの話、
その名も「スピード」と言う映画はヒットしたが、
本作はその元ネタではと噂される作品だ。
時速100キロ超で走る新幹線に、
ひとたびスピードを落とすと爆発する爆弾が仕掛けられ、
あの手この手で解除しようと奮戦する展開は同じ発想だ。
スピードでは同じ所をぐるぐる回ると言う作戦が可能だったが、
本作は線路上なので、最悪でも終点博多までに手を打たねばならないおまけつきだ。
今思えば、ウルトラQにも暴走した列車が終点の九州に突っ込む話があったね。
さて、スピードはサスペンス映画だったが、
新幹線大爆破は当時流行ったパニック映画として作られたようで、
端役まで豪華な布陣で来た。
それが失敗だったようで、サスペンス中心にすれば面白そうなのに、
人間模様を描く方に力を入れ、どうにも話の焦点が定まらない。
高倉健の犯人が静かに行動するタイプなのはいいが、対する人が局面ごとに変わる。
最初は宇津井健の管制官と、千葉真一の運転士だったが、
途中から対するのが警察に移り、ここの中心的な人がいない。
普通、いろいろ作戦を立てる人がいそうだが、それがなく出たとこ勝負。
まだ新幹線が止まっていない状態で、
秘密を握ってるはずの一味を、無計画に捕らえようとして失敗する場面が続く。
15億円の身代金が、意外に簡単に集まるのも拍子抜け。
ラストで再び宇津井健に焦点が移り、
中盤いなかったくせに、辞職したりするのも違和感あり。
本来最もハラハラするはずの新幹線側の見せ場は、
浜松でのすれ違いと、終盤のバーナーを渡すシーンくらい。
やはり最大の失敗は、サスペンスとして作らなかった事かな。

2011/12/18
「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」
☆☆☆☆

 ミッションインポッシブルと言えば、
もともとはスパイ大作戦と言われたTVシリーズの映画版。
映画化当初は、似つかわしくないトム・クルーズが映画版オリジナルの役で主役をはり
一方でTV時代の主役フェルプスくんを違う俳優に演じさせた挙げ句、
悪役にしてしまった恨みから、どうも好感が持てなかった。
しかしシリーズは数年に1回という、スローなペースで展開。
毎回監督を変え、毎回路線も変えて4作目にもなると、かつての恨みも薄れるもの。
前作では、エイリアスのJJエイブラムスが起用され、エイリアス風の展開が描かれ、
本作もJJが製作にタッチ。
シリーズ共通の出演者も、有名俳優のゲストもいないが、
トムは今回も体を張ったアクションを見せ、高層ビルから落ちそうになったりするし、
面白そうだから見ました。

 物語は、何やら凄腕ぽい男が女殺し屋に殺され、
なぜか刑務所にいたトムが脱走すると言う序盤。
トムが刑務所にいたのは今回の作戦とは関係ないらしく、いつもの指令を受ける。
ロシアの核ミサイルの情報を盗めと言われ、スパイ大作戦ぽい作戦で乗り込む。
今回の相棒はJJ版スタートレックでスコットを演じた人で、前作にも出てたらしい。
作戦は横取りされ、クレムリンが爆破されたりしたものだから、
トムが犯人と思われ、IMFは解散に。
しかし、命令無視で勝手に動くなら構わんと長官に言われ、
それこそがゴーストプロトコルと言うものらしいけど、
それってスパイ大作戦のそもそもの設定じゃなかったか?
何にせよ、孤立無援の状態で戦うトムだが、いつもは1人で頑張ってるのに対し、
今回はチームプレイ。これもスパイ大作戦的で好感が持てる。
他のメンバにも過去に影があったりするしね。
作戦は、敵同士が核の起爆コードだかをダイヤと交換する事になり、
チームはそれぞれに会って本物と思わせ、コードを入手すると言うもの。
敵はコードが偽物だと気付くので、本物を渡すしかないが、その間にコピー。
一方、コードを持ってきた相手には報酬のダイヤを渡す必要があり、
別チームがもらったダイヤを使い回す同時進行ぶりはまさにスパイ大作戦。
ダイヤくらいは自前で調達できた気もするが。
その間に、トムはトムで、ビルをはい上がったり落ちそうになったりの
ダイハードな活躍。そういうのを期待してた人の期待も満たす。
ここがクライマックスかと思いきや、もうひと見せ場あり、
恒例の宙吊りは他メンバーに任せて、自動式の立体駐車場で戦う派手な展開。
スパイものにはこれがなくちゃと言うミサイル発射もあり。
今回は出ないかと思った皆勤賞のルーサーも再登場。
前作と同じ女優さんかはわからないけど、奥さんも再登場して、
いろんな期待を満たした感じで、今までで一番いいね。
ややわかりにくいところもあるけど、流れでOK

2011/12/13
「ジーリ」
 ベンの映画はぼちぼち押さえてるつもりだが、
当時恋仲だったと言うジェニファー・ロペスと共演。
これが酷評を受け、ラズベリー賞を受けたと言うから、
ちょっとしり込みしつつ、一応見てみた。
ベンは取り立て屋で、ボスの指示で知的障害の少年を預かる事に。
ベンだけでは心配と見張り役にジェニロペをつけられる。
実は少年は検事の弟で、大ボスの逮捕を阻止するため、誘拐させられたのだ。
。。。なんて展開は悪くなく、大ボスがアル・パチーノ、
彼を追う刑事がクリストファー・ウォーケン。
監督はビバリーヒルズコップやミッドナイトランのマーチン・ブレスト。
なるほど、ミッドナイトラン的な珍道中な面も見せ、
面白そうな面子んだけど、ちょっとずつ描写が抜けてて、中途半端な感じ。
ベンは決して凄腕ではないチンピラと言う雰囲気を見せるが、
ジェニロペは何か貫禄があって、最初から彼女だけに頼めばいいじゃんと言う感じ。
ジェニロペはレズだと言いながらベンと親密になったり、
誘拐した少年と親しくなるあたりも描写不足。
指を切るシーンも面白くなりそうなエピソードなのに、あっさりしてる。
ウォーケンとパチーノの二大俳優は友情出演的で、それぞれ1シーン出ただけ。
全体的に登場人物は少なく、基本的にベンの部屋からあまり出ないとあっては、
お手軽に作った感は否めない。
でも、評価が低いのは、面白くなりそうな要素があったからで、
最初からつまらないと聞いていれば、言う程つまらなくない。

2011/11/17
「キラー・シャーク/沼に潜む恐怖」
 サメと聞けば一応見ます。
フライングジョーズと言う題名のレンタルDVDがあるらしくて、
それも見ねばと思っていたが、どうやら本作の別タイトルらしい。
冒頭、保安官一味がサメを密輸。
タンクローリーで運ぶが、内側で暴れてタンクごと沼に落ちて脱出する。
こいつは深海に住んでた希少なサメで、
だから体が固くて普通の攻撃は通用しないらしい。
どうやって捕まえたか?と言う疑問はあるが、このサメがそれほどでかくない。
メガロドンと言う巨大サメは実在したらしいが、
今回のサメは実在するか否か怪しいくせに、でかくないのだ。
サメは淡水でも生きられるらしく、沼で次々人がやられるが、
フライングと言う割にあまり飛ばない。
当然トビウオみたいなのを期待するよね。
人が死んで、殺人では?なんて疑惑が起こるが、
ヒロインが序盤でサメを目撃したから、犯人探しで対立するような事もあまりない。
そしてこのヒロインが、顔は美人系だが、体はでかい。サメはでかくないのにだ。
一方、実は密輸にからむ保安官が、よく見ればロバート・ダビ。
ちょっと毒がなくなった感じで、一応悪役なんだけど、
それほど悪を発揮する事なくサメに食われる。
ヒロインは彼の恋人のような、そうでもないような素振りで、
バーテンの男も自称恋人だがどっちつかず。
バーテンも食われるが、それほどショックでもなさそう。
最後は、モリ1本で陸上へ引き上げ(鯨用とかでなく。まあ、サメもでかくないし)、
そこにあったプロペラで細切れにして倒せちゃうなんて拍子抜け。
たいした事やってない人が、話をでかくして自慢したって感じかな。

2011/11/02
「猿の惑星:創世記」 ☆☆☆★★

 猿の惑星と言うのは、今を遡る事40年前、
チャールトン・ヘストン主演で始まったSFシリーズ。
計5作が作られ、数十年を越えてティム・バートンが1作目のあたりをリメイク。
(監督はリイマジネーションと言ってました)
さらに今回は、猿が地球を支配するあたりを描くと言うから、
旧シリーズの4作目「猿の惑星 抵抗」付近のリメイクか。
旧シリーズで、1作目が一番評価が高いのは当然として、
2番目に好きなのが何かと言うと評価が分かれるが、
手塚治虫は4作目だと言ってたし、個人的にも思い入れあり。
実は旧シリーズ5作目の「最後の猿の惑星」は、公開当時に劇場で見た事があって、
ティム・バートン版も見たし、
数十年の時を越えて、3作連続劇場鑑賞を目指して、今回も見た。

 冒頭から、科学者ジェームズ・フランコは、
父のアルツハイマーを治療するため、新薬を研究。
猿で実験したり、こっそり父に投与したりして成果を上げる。
実はこの猿が。。。と言うのは、事前情報で見る前からわかってた話。
(正しくは、実験台の猿は始末され、その子供が賢い訳)
この猿が、フランコの父をかばって暴れたため、施設に入れられ、
他にも猿が大勢いる事を知る。
ここから主役は、フランコから猿のシーザー(旧4作目と同じ名)に移る。
シーザーは自らや仲間が虐待を受けた事から、自由を求めて施設からの脱出を図る。
厳重な包囲網をものともせず、シーザーたちは森へ到達。
あれ?これではただ脱出しただけで、
ここから地球を支配するにはだいぶハードルがあるんじゃないの?
そもそも、サンフランシスコの動物保護局なんてところに、
地域住民を支配するほどの数の猿がいるとも思えない。
なんて思ってたら、答えはエンドロールが始まってから判明。
実は、人間は新薬がもとで出来たウイルスで滅んでしまい、
免疫のある猿が生き延びた、と言う事らしい。なるほど、この落ちはちょっと面白い。

 最初から振り返ると、父のために新薬開発に没頭するフランコ博士は、
そのままディープブルーの女博士。(3口で食われた人ね)
つまり、感心しない主人公だ。
だが、彼のシーザーへの愛情の描き方は悪くなく、
父や恋人にも、うまいバランスで愛情を注いでいる。
不幸な展開で、シーザーが施設に入れられてからは、
黒人奴隷とかの虐待を連想させるが、
やってるのはドラコだけで、それほど陰湿と言う印象は受けない。
それでも耐えかねたシーザーはドラコを倒し、警官隊をものともせず森へ到達。
間違いなく、ここで見ている方は猿側を応援。
巨大権力を打ち破る痛快感を感じさせる。
後半、フランコはまったくの役立たず。
シーザーたちを追い回すだけで、物語的に影響せず。
むしろ、前半それほど悪そうでもなかったフランコの上司が、
なぜか人類代表の悪になってしまい、無残な死に方を遂げる。
猿たちはかなり暴れたが、基本的に人間を殺しておらず、
画面で死んだのは、ドラコと上司の乗ったヘリの人だけ。
もう一人目立つ存在として、フランコのご近所さんのパイロットがいる。
フランコのご近所は大勢いるはずなのに、シーザーに襲われたり、
フランコの父に車をぶつけられたり、あげくに。。。
と、これまた人類の悪(と言うか、いやな奴と言う程度だけど)として、
ひどい目に遭い続ける。
もともと新薬は、注射していたはずが、
改良の際にガスになり、そのため、簡単に猿たちは賢くなる。
一方、人間には有害になって、ガスを吸った人から、疫病のように広まり、
前述のパイロットを通じて、たちまち世界中へ。
何とも都合の良い展開だが、これにより、多分人類は滅び、
猿が生き残ると言う事らしい。
思えば、旧1作目には、
人間が猿に支配されていたと言うショッキングな設定もさることながら、
「実はそこは地球だった」と言う落ちと、
「なぜそうなったのか」を考えされる余韻があった。
その答えは、「人類が、文明を滅ぼすような戦争をしてしまった」と言うもので、
それに派生して「猿が人類を支配するようになった」訳だが、
実はテーマ的には、その点は二の次だったはず。
その後、シリーズが作られ、2作目は単純に「あの後」を描いた話。
3作目以降で時代は現代に戻り、
未来の猿の子孫が、後の指導者になると言う、SF的な技を使ってきた。
その結果、猿が賢くなった、そもそもの始まりが存在しないと言う、
タイムトラベルものの妙を見せる。
本作でも、ティム・バートン版でも、猿が賢くなった理由は描かれており、
答えがハッキリしている分、物足りなさも感じる。
旧シリーズでは、シーザーが猿を率いて戦争を起こし、人類を支配するようになり、
この戦争が、1作目の答えであるかのような展開に。
でも、もともと1作目で言外に語られた戦争は、人類同士の戦争だったはず。
人類は戦争をするが、猿は戦争をしないと言う皮肉もあったはずで、
それがシリーズが続くにつれて薄れ、
単にSFとしての面白さと言うところに飛び付いた感じだった。
今回も、弱者が反乱を起こす痛快感はあれど、
新薬とかで自然の摂理に逆らうなと言う程度では、人類への警鐘と言う点は弱いかな。

2011/10/11
「グリーン・ランタン」
 アメコミのヒーローたちは次々実写映画化され、
日本ではなじみの薄いこんな所にも手を出してきた。
かつてヒーロー大集合的なドラマ、ジャスティスリーグで見かけた事はあるが、
何者でどんな能力があるかはよくわからないまま。
今回ようやくその素性がわかる。
主人公は平凡な地球人で、彼がひょんな事から宇宙人に能力を授けられ、
ヒーローになると言う展開。何の事はない、パーマンと同じ図式だ。
平凡な地球人と言っても、テストパイロットで、死んだ父は軍の英雄。
恋人は兵器会社の重役で、友人は科学者、その父は議員とくれば、
決して平凡な身の上ではない。
彼は力を与えるリングに認められ、グリーンランタンと言う集まりの一員になり、
宇宙の悪と戦う訳。
地球人でメンバになったのは初めてとか言われ、
正義の味方になる事に重圧を感じたりするが、意外に簡単に正義のため戦う事を決意。
最強の敵に、地球を犠牲にする事もやむなしとするグリーンランタンに反発し、
主人公が立ち上がると言う訳だが、あまり地球が危機になってるような描写はなく、
主人公がなぜ敵を倒せたのかもよくわかんない感じ。
全体として、どこかで見たようなヒーローものの第1話で、
他の作品ではなく、本作の続編を是非見たいと言う気持ちにはならない。

2011/10/08
「メガ・シャークVSクロコザウルス」
 メガシャークVSジャイアントオクトパスと言う作品があった。
古代に実在したと言うメガロドンと言う巨大ザメが蘇り、実在したかどうか知らないが
巨大タコもついでに蘇り、現代で激突すると言う話だった。
この手の話は、連続性もなく乱発されるのかと思ったら、
死んだかと思った巨大ザメが生きていたと言う続編が登場。
今度の相手は巨大ワニ。ビルをふみつぶすでかさだ。
海の中ならば、人知れず巨大生物が存在するかも知れないが、
陸上に何でそんな生物が?何食べてたの?
この二匹の巨大な奴らが、陸と海と言う、ホームグラウンドの違いをものともせず、
なぜか戦うと言う話。
巨大ワニの卵を巨大ザメが狙い、卵のある場所ならどこでも行きまっせと、
世界を股にかけて各地で激突。
人間側も、巨大ザメの専門家と巨大ワニの専門家が1人ずついて(1人ずつしかいない)
彼らが犬猿の仲なんだけど、協力して戦うなんて、どうでもいいようなドラマが展開。
巨大ザメは、今回も戦艦の上を飛び跳ねてヒレで攻撃したり、
ミサイルに空中で食い付いて方向を変えるなんて、派手な動きを見せる。
対する巨大ワニは、ただノシノシ歩くだけで、見せ場的にはもう一歩。
潰したビルに、なぜか前作の日本向けポスターが貼られてたりするご愛嬌あり。
もともとレベルの高い映画でないのは承知の上だが、
もう少し開き直ったシーンがたくさんあってもいいはずで、
軍人たちが妙に格好つけたりするのが空々しい。

2011/08/28
「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」 ☆☆☆

 いやいや、もう大変すよ。
ハリーポッターと言えば、平凡な少年が実は伝説的な魔法使いだった
と言う人気小説の映画版。
当初の設定は悪くなく、主役の少年少女も可愛らしい感じだった。
あれから10年たちました。
主役ハリーはすっかりおっさん顔になり、ハーマイオニーは妙に色っぽくなった。
物語の方は、途中から「あの方」とか言う謎の敵がいるらしいとわかり、
それが凄く怖いらしいのだが、観客にはいまいちピンと来ない。
そのあたりから雰囲気が暗くなり、スカッとする爽快感には程遠く。
魔法使いの世界の設定とかもよくわからず、雰囲気しか伝わらない。
おまけに、必ず2時間半と言う長めの尺をキープ。
小説の映画版では、2話目と3話目を1本にまとめたなんて話がよくあるが、
本シリーズは一切それをやらず。
結果的に原作のファンは納得、
映画から入った人にはそのテンポの遅さが退屈と感じられるように。
最終作は、小説に合わせて前後編構成にしてきたからさらに大変。
前編は暗い雰囲気で物語の起伏も少なく、シリーズで最も退屈な出来で、
後編が思いやられたが、ここまでお付き合いしてきた事だし、
最後のお勤めと思って見ました。
 物語は、ヴォルデモートを倒すのに必要な分霊箱とやらを探す旅に。
残りはあと2つらしいので、
前編の時のような、これが延々と続くんかいと言う絶望的な雰囲気はない。
ハリーは分霊箱の1つが学校にあると気付いて、久々に学校へ舞い戻る。
学校はスネイプ先生が校長に納まっていたが、
ハリーの登場に生徒たちも盛り返し、俄然対決姿勢に。
一方でヴォルデモートはスネイプを用済みと始末してしまうが、
彼の涙から過去の記憶を探ったハリーは、意外な真相を知る。
第一印象が怪しそうで、実はそうでもないと思わせたスネイプは、
やっぱり悪いヤツだったと思わせて、
実は実はそうでもなかったと言う実にややこしい展開。
いつも出番が少ない悪友ドラコは今回窮地をハリーに救われ、
最後に改心するかと思わせて、実はそうでもない。
ハリーがヴォルデモートを倒すために、
わざと命を落とすが、実は生きているなんて、誰でも想像できちゃう。
死後の世界で両親や、ゲーリーオールドマンと再会するのは最終回的。
この一度死んだのが、どれ程効果的だったかはよく分からない。
ハーマイオニーとロンに、ヴォルデモートの分身である大蛇を倒させようとするが
、これは結局うまく行かず。
大蛇、すなわちヴォルデモートは、
ここまであまり印象のなかったリドルだかネビルだかに倒される。
いやいや、どっちかが、若きヴォルデモートの名前と言うのは知ってるんだけど、
どっちがどっちかわかんない。
結局計画通りにヴォルデモートは倒されるが、
彼は学校で暴れてただけで、どの程度脅威だったかはよくわからない。
最後に16年後だかで、ハリーたちが子供たちを学校へ送り出す事に。
ロンとハーマイオニーは夫婦。
ハリーはあの印象の弱い彼女と夫婦。
ドラコも、おう久しぶりてな感じで現れて、歴史は繰り返すてな事かも知れないが、
何だか平凡な連中に落ち着いちゃったなと言う印象を受ける。
まあ、前編ほどひどい事はなく、最終回ならではの興味もあったけど、
やっぱり前後編合わせて2時間半くらいが妥当かな。

2011/08/16
「カニング・キラー 殺戮の沼」
 巨大ワニが暴れる話で、よくあるデタラメなやつかと思ったがさにあらず。
実話を基にしたと言う話で、巨大ワニを生け捕りにしようと
リンカーン・バローズことドミニク・パーセルらが赴く。
確かにワニは巨大そうで、人々も次々やられたりするんだが、
画面が暗かったり、動きが早すぎたりで、何だかよくわからないまま。
リンカーンと女性キャスターが生き残るが、ワニより怖い、現地の影のボスがいて、
実は案内した人物がボスだったと言う展開。
実話と言っても、ここは作り話かなと言う印象を受ける。
だって、真相を知られたくないなら、訪問前に妨害すりゃいい訳だし。
逆に、実話だからこそ、最後までワニは退治できず、物足りなさを感じるね。

2011/08/13
「レディ・イン・ザ・ウォーター」
 いつもヒネリがあるシャマラン監督の作品で、
ヴィレッジの娘が印象的だったブライス・ダラス・ハワードを再起用。
彼女は水の精だかで、プールとかシャワーとかにいると比較的元気。
草のかたまりみたいな怪物に追われていて、
彼女を救うために、守護者とか通訳とか、いろんな役割の人を探す必要がある。
それを知ったマンションの管理人が奔走するが、
彼自身が守護者で、他の人々もマンションの住人から見つかる。
苦戦したとは言え、一人の犠牲者も出なければ、
ホントに深刻な事態だったんかいと言う感じ。
謎解きもピンと来ないし、結局基本的に推理どおりに展開して、
いつもあるヒネリが全くない感じ。
ハワードもヴィレッジの時ほど魅力が感じられない。

2011/07/06
「エアポート2011」
 毎度おなじみ偽エアポートシリーズ。
妙にしょぼい時もあるが、今回設定だけはそれなりに派手。
最新鋭旅客機が登場するが、その操縦士が大統領の弟で、
おかげでシークレットサービスも同行すると言う、いかにも危険なフライトに。
これをネオナチと称する一味が乗っ取るが、
名前だけで、彼らがこれと言った主義を振りかざす事はない。
目的はダイハード流に高額の債券を奪う事。
操縦士が大統領の弟だから、こんな事件の対策を検討するのも大統領。
お約束の撃墜案も出るが、弟が乗ってるからと言って特に躊躇する様子もないから、
この設定は不発っぽい。
大統領のスタッフは妙に少なく、それは敵も同様。逃げ惑う群衆も少ない。
一味は燃料を排出させ、追跡する戦闘機を墜落させたりするが、
それを知った機内の捜査官は、
たまたま倉庫室にあった「燃料排出ボタン(!)」を押してこれを阻止。
米軍が繰り出す最新鋭のミサイルやレーザーは、
なぜかまったく当たらず、味方の戦闘機や地上を攻撃するばかり。
最後は機長の腕で河に不時着。
乗客もさほどパニックになったりせず、敵のボスは勝手に自爆。
安上がりながら工夫して派手目にした努力は買うが、
もう少し面白くする工夫もできたはず。

2011/06/02
「トゥルー・グリット」
 西部劇全盛時代は遥か昔だが、最近も時々いい味を出してる作品が登場。
撃ち合いメインの話もあるが、本作はロードムービー的。
ジェフ・ブリッジスは、凄腕との評判だが、
ちょっと怪しい所もある飲んだくれの保安官。
一応は娘の依頼を受けるが、金を持ち逃げしかねない雰囲気あり。
マット・デイモンは、自称凄腕のテキサスレンジャーだが、
どこか頼りなさげで、賞金稼ぎのために娘を利用しようとする。
そんな一癖ある連中を向こうに、一歩も引かない存在感を見せるのが主役の娘。
泣いてばかりの母を置いて荒くれ者の町へ単身出向き、大人との交渉で金と馬をせしめ
荒馬を乗りこなしたり、川を渡り切ったりもする。
一応はブリッジスがリーダー的に犯人を追うが、最後には娘が奮戦すると言う展開。
物語は割に突然終わり、25年後の大人になった女性が登場。
敵討ちの際に片手を失うが、相変わらず男勝りで、
男に皮肉を言って去っていくあたり、カッコいい感じ。
大人の女性や、少年が活躍する西部劇はあっても、少女が活躍するのは思いつかず、
なかなかあっぱれな感じ。実際はリメイクらしいんだけど。

2011/06/01
「アンノウン」
 もともと身元不明と言う題名で公開されるはずだった本作は、
東日本大震災を考慮して英語の題名に変更。
主人公は旅先の外国で事故に遭い、妻とはぐれる。
比較的簡単に再会するが、妻は彼を知らないと言い、
本物の夫と称する人物も現れて混乱。
まさにヒッチコック風の設定で、海外旅行先のトラブルと言う事で
ハリソン・フォードのフランティックも連想させる。
弱いのは、この手の話のパターンとして、
周囲が主人公を陥れようとしている事は容易に想像でき、
主人公自身も割にそう確信している。
も一つ言うと、妻役の人はよく知らないが、運転手役はダイアン・クルーガーで、
こちらの方が物語的に重要になる事が予想できる。
そうは言っても、一捻りあって、主人公自身が忘れていた真相があると判明。
これはヒッチコックの白い恐怖のパターンだ。
このパターンは少ないので、やや意外だったが、
結局のところ、「映画の中では主人公は悪くない」と言うところに納まってて、
割に当たり前な感じかな。
ヒッチコック風のサスペンスを現代風に派手にした感じで、
ご都合主義的な面もあるが、まあまあ面白い。

「グリーン・ホーネット」
 また出た昔のTVシリーズの映画版。
個人的になじみがないけど、TVではカトー役のブルース・リーの人気が出たらしい。
今回、主役の富豪役はセス・ローゲンと言う人で、
カトー役の人とあわせてなじみがない。
一方で、秘書役がなぜかキャメロン・ディアスで、
その配役のアンバランスさに違和感あり。
物語は志の低いバットマンと言う感じで、
今回も富豪が金にものを言わせて、開発された武器で正義のために戦う。
だが、世間は彼らを悪と考えていたと言うあたりまで同じ。
なぜ志が低いかと言うと、まず富豪にはこれと言った才能がなく、
武器を作るのも、格闘するのもカトー。
後ろで調子のいい事を言ってるだけと言う感じ。
そして、悪党のフリをして敵をおびき出すなんて姑息な事を考える始末。
ここらへんの設定で目新しさを出そうとしたようだが、逆効果と言う印象を否めない。
敵も魅力的なキャラとは言い難く、続編も見たいと言うワクワク感は乏しい。
テーマ曲は好きなんで、もっと使ってほしかったが、ラストにちょっと出ただけ。

2011/05/20
「フェーズ6」
 新カーク船長ことクリス・パイン主演のウイルスもの。
アウトブレイクみたいにウイルスを退治しようとするのではなく、
もう人類の大半が死んだらしい近未来の話で、アイアムレジェンドとかの路線か。
船長一行は安住の地を求めて移動。
彼らには、途中で生き残りの感染者がいても近づきすぎるな、
必要ならば見殺しにしろと言うようなルールがある。
だが船長の恋人がルールを破り、感染者の娘に同情したために感染。
やむなく船長は恋人をも置き去りにするが、自らも感染。
と言うように、次第に均衡が崩れていくと言う展開。
もう一つ緊迫感がないが、
もちろんハッピーエンドと言う訳でもなく、何だか淡々とした感じ。

2011/05/15
「ヴィレッジ」
 毎度おなじみシャマラン監督の、ちょっと変わった設定の物語。
今回の舞台は、外界との接触を断ったアーミッシュのような村の話。
そこらへんを含めて序盤やや説明不足で、主役の娘と姉を最初混同したし、
ウイリアム・ハートやシガニー・ウィーバーが村の中心的存在と言うのも
なかなかわからない。
まあ、最初は村の中だけで話が終わると思ったので、
時代設定についてははっきり描かれないと思いつつ、
外界と接触してないんだから、別に現代でもいいよねと感じた。
やがて村には怪物の伝説があるとわかり、実際に怪物が現れたりする中、
主役の娘の恋人ホアキン・フェニックスが刺され、
娘が盲目なのに薬を求めて町へ向かう展開に。
何か怖そうな雰囲気の中、旅が続き、中盤に怪物を倒し、終盤に町で薬を得るが、
娘は盲目なので2つの「真相」に全く気付いていない。
まあ、怪物の正体はともかく、終盤の真相は、観客にはショックでも、
俯瞰で見ていない村の人々にはさほどでもない気がする。
そして、終盤の真相とは、まさに私が序盤で感じた通り、
「実は現代なんです」と言う点で、
シャマラン氏はしてやったりと考えた落ちかもしれないが、インパクトはもうひとつ。
そんな落ちを狙った作りにしない方が良かったかもね。
主役の娘は結構存在感あるが、ロン・ハワードの娘らしい。
スパイダーマン3の警察署長の娘や、ターミネーター4のジョンの妻もやったらしいが
そっちはいまいちだったね。

2011/05/14
「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」
 何だかスタイリッシュなアクションかと思って見る。
出演するのは、レイ・リオッタ、ライアン・レイノルズ、アンディ・ガルシア、
ベン・アフレック、そしてカーク船長ことクリス・パインと言う面々。
なかなか魅力的な出演者を揃えた感じ。
物語は、ギャングを脅かす存在であるマジシャンに賞金がかけられ、
各地から殺し屋が集まると言う話。
だが、それはネットとかの紹介記事を見てわかった事で、
映画を見ていてもなかなか伝わらない。
おまけに多くの登場人物の関係もよくわからず、ベンは最初FBIなのかと思ったら、
警備員に扮するとか称するのでどうやら殺し屋らしいと思うようになり、
死んだ後に保釈保証人なんて存在とわかる。
他の連中も似た感じで、激しい撃ち合いで大勢死ぬが何が何だか。
ライアン・レイノルズとレイ・リオッタは、一緒に現場に急行したはずなのに、
なぜかリオッタだけがエレベータで殺し屋にやられ、
レイノルズは駐車に手間取ったか遅れて到着する始末。
それまで誰が中心で物語が展開していたかわからなかったが、
最後に来て、レイノルズが真相を知りショックを受けると言うのも唐突な感じ。
真相と言っても、各登場人物がさほど掘り下げられてる訳でもないので、
ちょっと空々しい感じ。

2011/05/09
「怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス」
 東宝ならぬ円谷プロの映画で、
子供人気を狙ったような怪獣が、強敵の怪獣に奮戦する話。
それだけでは物足りないと思ったか、
犬塚弘とか三波伸介なんて連中のややオーバーなお笑いで尺をとってる感じ。
これをやりすぎたか、人間不在の怪獣映画と言うのはよくあるが、
怪獣不在と言う感じに。
飼育された怪獣の餌の出費がかさむなんて、妙にリアルな描写もある一方で、
怪獣が現れたのに自衛隊とかが出動せず、対策を立てるのが町の発明家と来たら、
全体的にお手軽に作ってみましたと言う感じかな。

2011/05/08
「ハプニング」
 異色の作品を乱発するシャマラン監督の作品で、
今回は突然人々が自殺するが原因は不明と言う事件が発生。
テロが噂されるが、どうも違うらしく、
主人公マーク・ウォールバーグは教師ならではの論理的思考で分析。
植物に関係あるらしく、人が大勢いるところに発生するらしいなんて突き止めるが、
世捨て人みたいな老婆にも影響が現れて原因は不明のまま。
目に見える攻撃を受けた訳ではない点が疑心暗鬼を呼ぶと言う恐怖を描く。
セリフの中に、自然界の事はすべて解明された訳ではないと言うものがあり、
作品の意図が文明への警鐘にあるように感じられるが、
実は後半のそういう雰囲気が作品を安易なところに落ち着かせてる印象を与える。
テロとか巨大災害時の混乱ぶりを描くと言う意味で、
前半は悪くないので、最後まで謎のままだった方が良かった気がするが。

2011/05/07
「第9地区」
 エイリアンと人間の攻防を描く話と思って見たが、
冒頭はドキュメンタリー風で、ミラジョボのフォース・カインドあたりを連想させる。
いざ見るとエイリアンは好戦的ではなく、難民のような状態。
もともとは侵略に来たのだが、上層部が病死し、
生き残った働き蜂のような連中が難民化したと言う訳。
かつての黒人のように人間に差別され、
キャンプを移動する事になると言うあたりまでをさっと説明される。
ここらあたりはエイリアンネイション風だ。
主人公は移動の責任者だが、一応エイリアンたちの了承をもらう訳で、
そこらあたりを面白おかしく描いていて、
全編そういう映画なのかと思い始めた頃に事件が発生。
主人公は何かに感染して半身がエイリアン化。
エイリアンにしか使えない兵器の秘密を狙う企業は、彼をいきなり解剖しようとする。
その結果、追う身が追われる身となり、
今まで小バカにしていたエイリアンとの間に友情が芽生えたりするあたりは、
王子と乞食的と言うか、昔からよく描かれる展開。
ただ、人間と異形なエイリアンとの友情と言う設定は目新しく、
最後には、見ている方も異形エイリアン側を応援する形に。
20年間動かなかった宇宙船やロボが動きだすあたりに、カタルシスを感じるが、
どうせならもう少し痛快なラストでも良かったかな。

2011/05/03
「ムーラン・ルージュ」
 ロミオ&ジュリエットのバス・ラーマン監督が、
ムーランルージュを舞台にした悲恋を描くと言う作品。
ロートレック等実在の人物も登場し、当時のパリの雰囲気を再現したミュージカル風。
引っ掛かるのは選曲で、サウンドオブミュージックや、
マリリン・モンローのダイヤモンドの歌とか、
時代的に後のスタンダードナンバーを使ったあたりに違和感あり。
全体的にはどこかで聞いたような悲恋もので、雰囲気も悪くない。

2011/04/30
「スターシップ・トゥルーパーズ3」
 ガンダムの元ネタと言われる
宇宙の戦士を映画化したシリーズの第三弾。
第一作はロボコップのポール・バーホーベン監督作で、
ちょっと過激だったりグロかったりしたところをパワーアップ。
第二作は設定だけ継いで、登場人物は異なるが、
この第三作はバーホーベンが製作に戻り、
一作目の主役キャスパー・バン・ディーンも復活したと言うのが売り。
と言っても、もともと知名度が高い作品とも思えないし、俳優も同様。
おまけに物語は、不時着した艇の一行を中心に展開し、
キャスパーは救出する役でどちらかと言うと脇役。
不時着した艇の女艦長は、キャスパーではなく別の人の恋人ときたら、
何だかどこに焦点があるのやらと言う感じ。
女提督が総司令官の後釜を狙ったりして悪い人かと思ったら、
そうでもないと言う展開も中途半端。

「DOA/デッド・オア・アライブ」
 また出たゲームの実写映画化で、今回も個人的には元ネタになじみなし。
孤島に各界のトップと言うべきメンバーが集まり、
格闘技のトーナメントをすると言うから、ストリートファイターと同じ発想やね。
何かケイン・コスギはストリートファイター映画版にも出てた気がするし。
スタイルの良い女性陣がアクロバチックなアクションで、
屈強な男性陣を蹴散らすと言うのはお約束で、
ワイヤーアクションはチャーリーズエンジェルを連想させる。
物語は、出演者の能力をコピーして奪おうと言う敵に、
結局手を組む事になった女性メンバーが立ち向かう展開で、
発想は悪くないけどリアルかと言われればそうでもない。
何と言っても、有名どころが出演していないのは大きなマイナスで、
C級アクションと言う印象を否めない。

2011/04/24
「候補者ビル・マッケイ」
ロバート・レッドフォードが若き政治家を演じ、
最初は理想に燃えたが、政党の道具に使われ、次第に骨抜きにされていく話。
まあ、いずこの国のいずこの時代も同じって感じ。
骨抜きにされてく加減は小出しにしてるので、
やや分かりにくいが、その分リアルかも。

2011/04/23
「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」
 平凡な学生であるパーシーが、実はそうではなく神の息子だったとわかり、
その力で活躍する小説シリーズ第一話の映画化。
基本的発想がハリーポッターと同じで(どっちが先か知らないないけど)、
ピアース・ブロスナンが出てなかったら見なかったかも。
まあ見ていると、アレックスライダーのノリで、秘密兵器みたいな物で敵を倒したり、
ハリーポッター式に男2人女1人で危険に挑戦したりで、
全体としてそこそこ面白いけど、どこかで見た感じと言う印象を否めない。
他の訓練してる連中を、
ポセイドンの息子であるが故の力の凄さで圧倒するなんてあたりをもっと表現できると
もう少し楽しめたかも。
ブロスナンはパーシーを見守る先生で、実は下半身が馬。中盤は出てこない。

2011/04/22
「ブロークン・チェーン」
 かつて米原住民はインディアンと言われ、西部劇の悪役にされたが、
近年実は侵略した白人側に問題ありと言う描写が増えてきた。
この作品は、まさに侵略しつつある頃を描いた話で、
最初は英国軍と同盟を結んで仏軍と戦った原住民が、
戦いが終わり不要になると、今度は英国軍との争いになると言う展開。
争いと言っても、すべての部族が一斉に英国軍と戦ったわけではなく、
主人公の部族は最初英国軍に味方して、
他の部族と戦う羽目になったあたりが皮肉な感じ。
ただし全体的な描写は淡々とした感じで、盛り上がりに欠ける。
ピアース・ブロスナンは英国軍大佐で比較的原住民と親しい存在だったが、
部族との争いが始まった頃に死ぬ。

2011/04/16
「ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣」
 東宝怪獣映画と言えばゴジラシリーズが当たり前の時代に、
初心に返って人間と怪獣の対決を描こうとした作品。
過去にゴジラが東京に現れた事もなさそうで、
怪獣自体が初めての出現らしいと言うあたりに好感が持てるが、
見てる側にその設定が伝わったかは微妙。
そんな中で南の島に怪獣が現れるが、それが最近飛来した宇宙生命体の仕業なのだが、
なぜか住民はゲゾラとかガニメとか以前から名前をつけてた様子。
高度な生命体のくせに、都市部を狙ったりせず、南の島で練習したりするものだから、
たまたまいたコウモリの超音波にやられたりして計画は失敗。
3大怪獣が一同に介する事はなく、
序盤はゲゾラが延々と暴れ、後半はガニメとカメーバが戦う。
ガニメは一度人間に倒されてるから、2匹目と言う事に。
全体として志は悪くなかったが、半端な感じに終わってるかな。
音楽は伊福部昭。

2011/04/11
「沈黙の鉄拳」
 セガールのいわゆる沈黙シリーズの一作。
実際はシリーズではないから物語も設定も違うが、
いつも同じなのは、セガールはひょんな事から事件に巻き込まれ、
どんな過去があったか知らないが、異様に強いと言う点。
今回、セガールは妻を襲った男を半殺しにし、男が後に殺された事から刑務所へ。
無実とわかり釈放されるが、
待ち切れなかった妻が出ていった(おいおい)と言う展開。
意識不明だったセガールが蘇ったなんて過去作もあったが、そのバリエーション。
ただし、この前段は本筋にほぼ影響しない。
出所したセガールはチンピラにからまれ返り討ちにするが、
その件を捜査する警察がたまたま中国マフィアに声をかけ、
たまたまロシアマフィアの息子も近くにいたため、騒動がでかくなりややこしい事に。
設定がややこしい割に物語は単純で、
セガールはあっさりロシアマフィアと手を組み、中国マフィアを倒すと言う訳。
いろいろ面白くしようと言う気持ちは見え隠れするが、どれも中途半端な感じ。

2011/04/02
「極底探険船ポーラーボーラ」
 日米合作の特撮映画で、日本側は東宝ではなくて円谷プロ。
北極付近の隠された地に火山の熱で恐竜が生き延びていたと判明。
これを知った富豪らが探検に向かう訳。
どこかで聞いたような話だが、
最初から恐竜がいるのを承知で向かっているので、冒険色はもう一つ。
狩りが趣味の富豪の目的はあくまで恐竜を倒す事で、メンバーが退散しても彼は残る。
おれも最後の恐竜だなんて言って、何だか不釣り合いなムーディな歌で終わるが、
歌詞は「彼は最後の恐竜」だから何だこりゃと言う感じ。
恐竜の造形はいびつで、鳴き声はゴジラと同じ。
原住民の娘が、最初はメンバーの女性になついていたが、
彼らが去った後、富豪になつくのはおかしな感じ。
この娘役は特捜最前線で女性警官をやってた人ね。

2011/03/06
「メガシャークVSジャイアント・オクトパス」
 実際にいたと言う古代の巨大ザメメガロドンと、
実在かどうかはともかく、とりあえず出しちゃえと言う巨大タコが、
凍り漬けになってた事も忘れて戦い続けると言う話。
はなからリアルさとかは求めていないので、メガロドンが金門橋に噛み付いたり、
ジャンプして上空の飛行機を食うなんてシーンは大歓迎だが、それは序盤だけ。
後は縮尺のよくわからない海底で戦うのみ。
ミサイル攻撃が効果なく、こうなったら両者を戦わせるしかないと言う例の発想で、
フェロモンとやらで誘導して戦わせる。
それでは片方が生き残るはずと言う心配をよそに、
2匹とも海底に沈んでいったから結果オーライかな。

2011/03/01
「ヒア・アフター」
 このところ評判のいい作品が続くクリント・イーストウッド監督作。
臨死体験を中心に3人の人間模様を描く展開。
1人目は津波に巻き込まれて死にかけたキャスター。
彼女は職場復帰したがるが、チラリと見た死後の世界が気になる。
2人目は出来のいい兄を事故で失った双子の少年。
母とも離された彼は、兄と話すため、本物の(インチキでない)霊媒師を探す。
3人目はマット・デイモン扮する霊媒師。
彼はこの能力を嫌がり、普通の生活を求めるが、周囲がそれを許そうとしない。
この3人の話が絡み合う展開。
それぞれが影を持って生きているあたりに哀しみを感じさせられるが、
何と言っても心を閉ざしていた少年が、霊媒師を通じて兄と再会するシーンが感動的。
その後、デイモンとキャスターが引っ付く展開は、蛇足感を否めない。

2011/02/27
「マックス・ペイン」
 またまたゲームの映画化で、
クルーニと組まなくなってから作品が地味気味のマーク・ウォールバーグ主演。
個人的には、本作の基となるゲームもピンと来ない。
物語は、妻子を殺された刑事が、単独で事件を追う内、同一犯らしき事件に遭遇。
こう聞くと面白そうだけど、敵の正体は羽根がはえた悪魔みたいな奴とわかると、
ゴーストライダーみたいな話を想像して、またそんな話かと失望。
(悪魔役はプリズンブレイクのスクレ)
実は、悪魔は薬による幻覚だったとわかるが、失望が回復する事はない。
殺されかけたウォールバーグが、薬の助けで凄腕になって反撃する展開は悪くないが、
見た感じの凄さは今一つ。
黒幕にたどり着かないままなのも失望感を増す。
007に出たオルガ・キュリレンコが物語にからむ女性役だが序盤で殺され、
その姉である女刑事は時々手伝う程度で、必然性はあまり高くない。

「RED/レッド」
 引退した元スパイたちが集結して、彼らを陥れようとした連中に反撃する話。
その元スパイに扮するのが、ブルース・ウイリス、モーガン・フリーマン、
ジョン・マルコビッチ、ヘレン・ミレンと言う面々。
有名俳優を集めて、発想的にエクスペンダブルズなんかと変わらないが、
あの作品ほど、おっ!と思わせる人選でもない。
ブルース・ウイリスなんて、まだダイハードの新作やると言う話もあるし、
「引退した」と言うあたりの説得力ももう一つ。
リチャード・ドレイファスやアーネスト・ボーグナインの扱いも軽い。
この手の話は、敵に軽く見られていた連中が、
実は凄腕だったと言うギャップにあると思うが、そこらへんももう一つ。
実際のところ、アクションとして見せたいのか、
コメディとして見せたいのか中途半端な感じが。
モーガンが簡単にやられ、ラストにどっこい生きてるぜとならないのも物足りない。

「ザ・タウン」
 最近見なかったベン・アフレックが監督主演で評判が良いと言う作品。
ベンは柄の悪い地区に住み、銀行強盗を職業とするチームのリーダー。
ある日の強盗で、覆面をしたものの、女性支店長に正体がばれたかもと心配に。
そこで彼女に接近。正体がばれてないとわかり彼女と親密に。
メンバーはその関係を快く思わず、ベンが町を出る事も許さないと言う、
なんて人間模様が展開。
下町の若者たちを描いた作品はいくらもあるが、とりとめもなく描くのではなく、
出演者の中で唯一馴染みのあるベンを中心にしていて彼に感情移入しやすい。
ひょんな事から困った状況に追い込まれるあたりはヒッチコックタッチ。
銀行強盗のシーンを緊迫感で描くクライムサスペンス味もある。
ごった煮と言うか、いろんな映画のええとこどりになってて、面白く見れた。
最後に安易にヒロインとひっついたりしないあたりも好感が持てる。

2011/02/24
「タイタニック2」
 タイタニック2と言っても、実はレオ様が生きていたと言う続編ではなく、
タイタニック沈没100周年で建造された2号船の話。
そんな名前だからもちろん沈む。沈まないと思う方がおかしい。
沈むために建造されたような船だ。
物語は最新技術を結集した豪華客船に、
わざわざタイタニック2なんて名前をつけた設計士と、彼の元恋人が逃げ惑う話。
超巨大な氷山が崩壊し、大西洋全体が危険だと言うのに、
恋人の父である沿岸警備隊の大佐は、娘の救出だけに全力を投入する。
乗員乗客は大勢いて、豪華客船だから立派な設備もあるはずだが、
そういうのはあまり描かれず、暗いCGでどうやら大勢死んだらしいとわかるだけ。
大勢が混乱する中、設計士と元恋人は奇跡的に巡り合い、脱出のために奮戦。
途中、ドアをこじ開けてヒロインを通すが、彼女の同僚がはさまれて犠牲に。
ショックのヒロインを設計士が慰めるが、あんたはいつの間にこっちへ来たの?
最後は浸水で酸素ボンベが足りなくて設計士が犠牲になるが、
後で蘇生してくれと言うアビス作戦に。
(ジェームズ・キャメロンつながりを意識したのか)
だが、結局設計士は助からず、何やってんのと突っ込みたくなる感じ。

2011/02/22
「宇宙大戦争」
 地球防衛軍の続編と言われる作品で、登場人物も同じらしいんだけど
もちろんモゲラ以外は記憶にない。
ナタール星人とやらが地球攻撃を進めており、池部良博士らが阻止すると言う話。
怪獣や巨大ロボとかは出ず、ひたすら円盤と地球人側の撃ち合いが展開。
宇宙人もほとんど姿を見せない。
ハードなSFアクションを狙ったと言う事かも知れないけど、
例えば敵宇宙人基地を探す一行が、
無用心にもロケットを無人にしてその間に爆破されるなど、ちょっと抜けてる感あり。
2基あるから、片方爆破されても、もう片方で全員帰還できるし。
最後に地球に戻って再び戦うのはやや異色の構成だが、
何が最後の戦いの決め手だったかはよくわからず。

2011/02/21
「レジェンド 三蔵法師の秘宝」
 もともと香港でジャッキー・チェン映画とかに出ていて、
その後007やハムナプトラにも出たミシェル・ヨーを主演に据えた
インディ風アクション。
三蔵法師の遺骨なんて物をめぐって、主人公らと悪役が争う訳。
遺骨には神秘的な力があったり、それを持ってると凄い権力を握れたり、
凄く高く売れたりと言う価値はなく、
僧たちには大事だが、一般の人にはそれほどでもないと言う代物。
ミシェル・ヨーは007の頃よりふけた感じ。他の俳優陣には馴染みがない。
物語は追いつ追われつと言ってもスローテンポで、緊迫ムードはもう一つ。
インディ風の仕掛けがあるのは一部屋だけで、
ミシェル・ヨーはターザンの如く紐にぶらさがって
あっちこっち移動し続けてる間に勝手に敵が全滅。
ここもスピード感がなく、あんまり面白くないね。

2011/02/14
「ピアース・ブロスナン エヴリンの祈り」
 ブロスナンは007以前は安っぽいアクションや、
インチキくさいハンサムガイと言う役柄が多かった。
本作ではだらしないところはあるが、子供たちへの愛情は誰にも負けないと言う役柄。
ちょっと違和感はあるが、映画を見るとさほど気にならない。
実話の映画化と言う話だが、奮戦するブロスナンよりも、
結局娘が場面をさらってる感じ。
展開はなかなか痛快だけど、意地悪なシスターがおとがめなしなのは物足りないかな。

2011/02/11
「オー・ブラザー!」
 コーエン兄弟と言うちょっとひねった作品を作ってる人たちの映画で、
ジョージ・クルーニ主演。
お宝を取り戻すために脱走した3人組の珍道中で、
珍道中とくれば3人組がしっくりくる感じ。
結構極端な展開がいくつかあるが、脱走した主人公が、囚人とニアミスしても、
彼らを知ってるはずの囚人たちが騒いだりしないなど、
全体として寓話的な現実離れしてる感じで、
そういうものだと割り切ってしまえばそこそこ面白い。

2011/02/05
「レジェンド・オブ・エジプト」
 魔性の女と言うべきクレオパトラと、
彼女に振り回されたローマの英雄シーザーとアントニーの話。
シーザーを演ずるのがティモシー・ダルトン、
アントニーを演ずるのが、まだ毒がない感じのビリー・ゼイン。
個人的にはこの配役が魅力かな。
史実を基にしているから、エリザベス・テイラー版クレオパトラなんかと同じ展開。
クレオパトラの魔性ぶりとか、シーザーたちが堕落していく様子に、
それほどの説得力がないので、忘れかけてた教科書を久しぶりに読んだ感じかな。

2011/02/02
「リオ・グランデの砦」
 ジョン・ウエインとジョン・フォードコンビによる騎兵隊もの。
どちらかと言うと、軍隊としての描写とか、
軍一筋の主人公と家族の関係とかを描いていて、撃ち合い中心の西部劇に比べると、
見せ場的に物足りないかも。

2011/01/31
「ヒットマン」
 人気ゲームを映画化したと言う作品で、フランス映画だけど、
Taxiみたいに妙にテンポが遅かったりしないあたりは好感が持てる。
物語は、殺し屋として育てられた主人公が、ロシア大統領暗殺を命じられ、
見事にやり遂げるが
実は大統領を影武者とすり替えようと言う一味の陰謀が絡んでいたと言う訳。
暗殺を成し遂げた主人公が始末されかかる話なんて、それこそ星の数ほど見てきて、
目新しくもないが、テンポがいいのでそれなりに楽しめる。
凄腕だけど、女の人には奥手なんてキャラも良いが、そちらはあまり描かれず。
007/慰めの報酬のオルガ・キュリレンコが相手役で、裸もあるが、
途中退場したりして、必然性はちょっと弱いかも。

2011/01/30
「アルマゲドン2010」
 隕石だって毎年来ます、今年も来ましたと言う一作。
本家アルマゲドンの魅力は、
地球の危機と言うスペクタクルによる部分が少なくなかった。
本作は描かれる地区も狭く、汚染された水で人々が倒れると言う、
隕石本来の破壊とは別の点が物語の中心に。
当初は世界各国の協力でミサイルが発射されるし、
隕石が来てからも対策チームみたいな連中が出てくるが、
特に何かの問題を解決した訳でもなく、何か主人公が逃げ回ってるだけ。
主人公は水道局か何かの人らしいけど、
職業上の特技で困難に立ち向かったと言う訳でもない。
序盤にはぐれた妻子を探し、途中で知り合った女性と行動を共にするが、
結局この女性は置き去りにし、最後に妻子と再会。
たまたま入手した解毒剤で娘を助けると言う訳。
トム・クルーズ版宇宙戦争でも、身内のためだけに動く主人公がいたが、
宇宙人の侵略自体もそれなりに描かれていた。
本作はそれがなく、隕石じゃなくて、普通の伝染病でもいい感じ。
隕石がらみの毒と思うが詳しくは語られず、それにしてはすぐに解毒剤が開発される。
解毒剤は即効性で、今にも死にそうな人が飲むや否や回復。

2011/01/24
「オルガ・キュリレンコ 慰めと報酬」
 007/慰めの報酬でボンドガールを演じたオルガ・キュリレンコ出演の、
いかにもビデオ的な邦題の作品。
見てみると、彼女は脇役で、ストリッパーと言っても脱いだりしないので、
二重にだまされた感じ。
物語は、占い師の息子なのに、凄い悪運の持ち主である主人公が、
オルガと出会い、運命的なものを感じる。
そこで、彼女を助けるため、母が物凄い強運の持ち主と占った修道士を連れ出し、
カジノへ行くと言う展開。物語は極端な設定で、矛盾の例えみたい。
フランス映画だけに、Taxiを思わせるスローなテンポ。
面白い面もあるけど、何度も見たくなるような作品ではないね。

2011/01/21
「アンストッパブル」
☆☆☆★★★

 列車止まらない系と言うジャンルがあるとすれば、私はそのジャンルが大好き。
列車ものにはずれはないと言う人もいて、そうでもない作品も見たが、
本作は何か面白そう。
トニー・スコット監督とデンゼル・ワシントンと言うサブウェイ123のコンビで、
デンゼルの相手役として新スタートレックのカーク船長ことクリス・パインも登場。
実話をもとにしたと言うから、あまり非常識な事にはならないと思うが、
手に汗握るドラマが見れそうな気がする。
 冒頭は、定年間近でクビが決まったデンゼルと、
新人でデンゼルらを押し出した形のパインが水と油みたいな感じで組むと言う展開。
ここを掘り下げてもいい気がするが、あっさり流して、物語は列車暴走の方に。
いまどきの脚本家なら派手な障害をてんこ盛りにしそうだが、それがない。
と言うか、最初の内、デンゼルらは暴走の事を知らない。
操車係とか運行部長とかがいろいろ手を打ってもダメで、
たまたま暴走列車の近くにいたデンゼルらが、会社の命令を無視して奮戦する訳。
実は、デンゼルらのやった事と言えば、
1.暴走列車に接触される
2.暴走列車に連結させ、ブレーキをかけて急カーブを通過
3.暴走列車の運転席に行って列車を止める
この3つだけ。
見せ場の数は極端に少ない。
ただ妙に派手にしたりしていない分、全体としてそこそこの面白さをキープしている。
おかしなもので、すごく面白いシーンがあっても、
すごくつまらないシーンもあったりすると、映画としての評価は悪かったりするが、
全体を通して水準以上だと、良質の映画と言う印象を受ける。
物語は列車から出たり、場面が変わったりしない一直線タイプで「激突」を思わせる。

2011/01/16
「ハイジ」
 フランダースの犬の実写版もあったが、こちらはハイジの実写版。
話はアニメとほぼ同じで、召使のチネッテに至るまで登場人物にも過不足なし。
ただ、どうしてもダイジェスト版みたいになってるのは否めず。
夢遊病になってもすぐに気付かれ、あっさり山に戻るし、クララともすぐに再会する。
アニメとちょっと違うのは、ハイジが山に戻るところ。
アニメでは人間技とは思えないジャンプでおじいさんに飛び付くが、
この映画のおじいさんは最初ハイジを拒絶する。
だがハイジは、自分が出ていった事でおじいさんを傷つけたと感じて
ヤギの小屋で寝泊まりする。ここはアニメと好対照で、どちらも捨てがたい。
もう一つ、ペーターはクララを快く思わず、車椅子を壊してしまう。
それを止めようとしたハイジは崖から落ちそうになり、
結果的にクララは思わず立ち上がるように。
ペーターが車椅子を壊した事は誰も気付かず、彼も話さないから、
ここは後味が良くない。
何にせよ、この映画のポイントはハイジ役の女の子に、どれだけ好感が持てるかで、
その点はまったく問題なし。
ところで、クララのおばあさん役がボンドガールもやったダイアナ・リグで、
これはもう言われないとわからなくてビックリ。

2011/01/14
「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」
 警官を描いたコメディで、
お蔵入りになりそうなところを、警察大好きな水野晴郎が掘り出したと言う作品。
主演の人はどこかで見たと思ったら、新スタートレックのスコット役。
そういうのもやるが、コメディも多い人らしい。
この手の映画で、いかにもなコメディ役者が、
やり手の警官役に扮しても違和感があるが、その点は問題なかった。
(俳優さんをあまり知らないからかも知れないけど)
物語は、左遷された主人公が、事件などないと言う田舎町に戸惑うと言う展開で、
周囲は次第に彼に影響されるが、彼自身も感化されていくと言う、
まあどこかで聞いた話。
後半、彼の周囲に連続殺人が発生。
最初から怪しかったティモシー・ダルトンだけでなく、
町の老人たちが町を浄化するため、意に反する者を処刑していたと判明。
コメディには、ありそうな話を面白おかしく描くものと、
非現実的な設定を笑わせるものがあるが、
本作の場合、前半はありそうな話、
後半は非現実的で、ちょっとギャップに戸惑わされるかな。
全体的にはまあまあ面白かった。

2011/01/13
「日本誕生」
 映画全盛期には、聖書とかローマ時代の話を
大スペクタクルで描く作品が多発されたが、
我が日本にも神話ありと、神話の時代をまさにオールスターキャストで描いた大作。
物語はヤマトタケルの物語を中心に描くが、
さらに昔の話として、イザナギイザナミの話、アマテラスオオミカミの話、
スサノオノミコトのヤマタノオロチ退治の話等、まさに日本が生まれた頃の話も登場。
ヤマトタケルの方も、クマソ征伐の話とか、
火に包囲されるが脱出する話とか、有名なエピソードが描かれる。
ただ難を言うと、これは映画だけのせいではないけれど、
登場人物の名前がわかりにくい。
セリフだけで語られても、誰の事やら。
オウスノミコトとオオウスノミコトなんて嫌がらせみたい。
超豪華なキャストだが、チョイ役も多くて、
有名俳優がどこに出てるかわからなかったりも。
もう少し見せ方に工夫があってもいいかな。
ところで、日本誕生と言えば、
ヤマタノオロチが出てくる怪獣映画と言う印象があったが、もちろん大きな間違いで、
その手の特撮は、オロチと最後の噴火くらい。
後半話がだれるが、日本の神話をおさらいするにはちょうど良い感じ。

2011/01/09
「ブレイド3」
 ウエズリー扮するバンパイア狩りの男の戦いを描くアクションシリーズ第3弾。
何か似たような設定の映画が山ほどあって、正直どれがどれやらよくわからない状況。
本作では、ウエズリー扮するブレイドが、実はバンパイアと人間の混血と言う設定で、
それはドラキュリアのジェーソン・スコット・リーもそうだった。
スーパーナチュラルあたりを連想するところもある。
相棒のクリス・クリストファーソンは、1作目で死んだと思われて、
2作目でどっこい生きてたぜと再登場。
本作でまた死ぬとあれば、これはもうヤマトのノリ。
その娘としてジェシカ・ビールが出てきて大立ち回りするが、
唐突に現れたキャラにしては違和感ゼロ。
これはいいことなんだけど、
裏を返せば、ビールが似たようなキャラばかり演じてると言う事か。
一方で宿敵ドラキュラに扮するのは、リンカーン・バローズことドミニク・パーセル。
こちらは違和感大有り。リンカーン役はよかったんだが、
ここは凄く強いとか凄く妖艶と言う感じの描写がほしく、
それを納得させられる俳優がよかった。
改造された犬はバイオハザード風。
ウエズリーは決まってるけど、これが1作目でも2作目でもいい感じで、
シリーズとしての魅力はもう一つかな。

「キックボクサー」
 バンダムは結構押さえたが、出世作だと言う本作は未見で、ようやく見た。
冒頭キックボクサーとして出てくるのは別の人で、バンダムはその弟役。
まだ若いのか、いかにも坊っちゃん風。
兄貴がルール無用のムエタイ選手に不随にされ、復讐のためムエタイを覚える訳。
相手はルール無用なんだから、相手に合わせてムエタイで戦おうと言うのは、
どうかと思うが。
バンダムは仙人みたいな師匠につき、彼は弟子をとらないはずがあっさり弟子入り。
根性で技を習得していくが、敵一味は兄を人質にとり、
恋人をレイプしたりと極悪非道の限りを尽くす。
おかげで試合ではやられっぱなしだったが、
師匠が兄を救出したと知ると、急に強くなって大反撃。
言ってみれば、少年ジャンプ的な根性ものだが、
恋人をレイプされた点をあまり気にしていなかったり
(達観的な師匠がそんな目に合う事を阻止できないし)、
大ボスに仕返ししなかったあたりに、
あくまで物語は、キックボクシングを見せるための添え物と言う印象を受ける。

2011/01/06
「新・動く標的」
 ポール・ニューマン主演の探偵ハーパーシリーズ。
ま、前作がどんな話だったかは記憶にないけどね。
推理小説に詳しい訳じゃないので、よくわからないが、有名なシリーズらしい。
探偵ハーパーが、簡単そうな事件を依頼され、
それに付随して大事件に巻き込まれると言う展開。
もちろん、今の目で見るとちょっとのんきな感じで、陰謀また陰謀と言う訳でもない。
派手な銃撃戦とかもない。
水をためて、閉じ込められた部屋の天井から脱出するなんて、
プリズンブレイクなアイデアが出るが、結局失敗するし。。。
若かったメラニー・グリフィスはちょっと魅力的。

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