File16 オスマン・トルコ軍楽隊がやってきた

<文責:女王様1号>

音符ライン

 今年は「日本におけるトルコ年」ということで、これまでにも「大トルコ展」「2003年春の文明展×2」参照)や「トルコ3大文明展」「2003年夏の自由研究6連発」参照)を見てきた1号。 ネタにはしていなけいど、大丸ミュージアムで開催された「オスマントルコの女性たち展」&同時期に大丸で開催されていた「トルコ大物産展」までチェック済。 別にトルコ大好き人間というわけでもなんでもないのだが。 (^^;
 さあ、次は何が来るのか? こうなったら何でも来ーい!と思っていたら、なんと1号がイスタンブールの軍事博物館で見損ねた(自由時間が午前中のみだったのだが、演奏は午後しかやっていなかったため)オスマン・トルコ軍楽隊(メフテル)がやってくるというではないですか! これは千載一遇のリベンジ(?)のチャンス!

軍楽隊その1  というわけで、ネットで情報を調べて、10月18日の午後に渋谷公会堂前広場で行われる「トルコ共和国・渋谷区友好の碑 完成披露式典」でのミニコンサートなるものに行ってみた。 午後1時~2時半まで表参道をパレードしてきて、その後で式典らしいので、ちゃんと時間を見計らって行ったのだが…いきなり雨が降ってきてコンビニにビニール傘を買いに行ったりしていたため、すっかり出遅れる(爆)。 会場にはトルコ好きな日本人&在日トルコ人の皆さんが予想以上に多数詰めかけていた。
 予定時間より少々遅れて、スタンバイしていた地下駐車場からいよいよ軍楽隊が出陣(?)。 クジャクの羽付きの目立つ帽子をかぶった隊長(左下写真1番手前)以下、管楽器隊員(左上写真)、打楽器隊員、鈴付きの杖?を持った隊員、日本でいうと纏みたいなもの???を持った隊員(右上写真)、そしてなぜだか鎖帷子に鉄兜に付けヒゲ隊員(左中写真)が整然と隊列を組んで行進曲を奏でつつ、颯爽と登場してきた。 総勢60名くらいか? ナマで聞くオリエンタルな響きに期待は高まる。

軍楽隊その2  とーこーろーがー、ここからが長い! トルコ大使だかなんだかのスピーチは、本人がトルコ語でしゃべった後に日本語訳が読まれるから普通の倍時間がかかるのは仕方ないとして、渋谷区長、話長っ! だんだん強くなる雨の中、軍楽隊・お返しの演奏をする地元小学校の鼓笛隊・一般聴衆を待たせて10分以上も話しまくり。この場にいる誰1人として、渋谷区長の話が聞きたくて来ている人間はいないのだが。 (-_-# 軍楽隊のみなさんは、参謀本部所属の軍人らしい辛抱強さで(?)まったく意味のわからない日本語のスピーチをじっと聞いていたが、「話なげーよ」という表情は隠しきれなかった。 ヒゲ隊員
 長い話がようやく終わると、今回の主目的である「友好の碑」の序幕。このとき1号は後ろの方にいたので、どんな碑なのかさっぱり見えなかったが、式典後に見たらこんなの(右下写真)でした。 外側から見ると「立てた土管?」という感じでなんだかよくわからないが、トルコでは著名な建築家のデザインによるものらしい。内側はイズニックタイル張り

 次に、地元小学校の鼓笛隊による演奏。途中であまりに雨が強くなったので彼らは一時建物の中に待避していたのだが、小学生ということで半袖・半ズボン姿の子供もいて、寒さに震えていて気の毒だった。 そういう子供たちは、1号の傍を通って演奏に出ていくとき 「ありえない、ありえない」とブツブツ言っていた(笑)。
記念碑  でも、彼らが例の行進曲「ジェッディン・デデン」の演奏を始めると、待ち疲れていた軍楽隊のみなさんもニコニコ顔に。途中のところでは演奏に合わせて一緒に歌っていた。聴衆のトルコ人のみなさんも合唱。 その様子を見て、昔NHKでやっていたドラマ「阿修羅のごとく」のOP以来インパクトの強いメロディは何度となく耳にしてきたが、「この曲の歌詞ってトルコ人ならフツーに知ってるものなのかー!」と、小さなカルチャーショックを受けた1号であった。
 鼓笛隊はその後もドラクエのテーマ(?)など数曲を演奏。最初はトルコ好き日本人ってずいぶんたくさんいるんだなと思っていたが、どうやらその中には鼓笛隊の父兄が結構いたようだった。

隊長以下整列

 そして式典開始から1時間以上経過して、いよいよお待ちかね、軍楽隊のみなさんの出番となった。隊長の号令のもと、勇猛な音楽と共に広場をぐるりと回ってから演奏用の配置に展開。 このとき来賓に正対する形になったので、ほとんどの観客からは軍楽隊の後ろ姿しか見えなくなってしまったのが残念。
 最前列ではなかった1号の位置からは見える部分がかなり限られてしまっていたが、大太鼓の叩き方が芝居がかっている(?)というか大げさで面白かった。 いちいち腕を頭の上まで振り上げて回すようにしながら叩くのだ。軍楽隊のコスチュームやナゾの鎖帷子隊員からもわかるが、全体的に「様式美」重視な感じである。
 演奏してくれたのは4、5曲で、もちろん本家本元による「ジェッディン・デデン」もあった。在日トルコ人のみなさんは持参したトルコ国旗を振りかざして、盛り上がりは最高潮に。 他にも1号が軍事博物館で購入したメフテルのテープに入っていた(ような気がする)曲を演奏していたが、曲名がよくわからなかった。 f(^^; そもそも軍隊を鼓舞する音楽ということで、どの曲もなんとなく似ているのだ(と言い訳)。
 しかし、西洋でもなく東洋でもないエキゾチックな楽曲をついにライブで聞けて、1号は軍事博物館での無念を晴らすことができた。 もうちょっといいポジションから見れればさらに良かったのだが、まあ渋谷区長の長い話にも耐え抜いた甲斐があったと言えましょう。

 最後は再び演奏しながらの行進で広場から退場。この日、日本のメディアがこの式典を報道したかどうかは知らないが、トルコのTV局が取材に来ていて、軍楽隊だけでなく観客の方もかなり熱心に撮影していた。 もしかしたら、1号の姿も「トルコ好き日本人」の1人としてトルコで放送されていたかも(笑)。


 関連リンク 

★ ナマ録音版「古い陸軍行進曲『ジェッディン・デデン(祖先も祖父も)』」
今回調べて初めて正式タイトルを知りました。
WAVファイルで532KBあります。デジカメで撮影した動画から落としたので、品質は良くないです。再生時間は1分ちょっと。出だしを録音し損ねました(爆)。
Win XP & IE6 or Netscape7で動作確認済みですが、それ以外でちゃんと再生できるか心配。 (^^;

★ トルコの時代
「2003年 日本におけるトルコ年」に関するイベント情報など。

★ Lokanta
ayaさんによるトルコの写真などのホームページ。
「Mehter」のコーナーに上述のミニコンサート&翌日の青山通りでのパレードの写真が掲載されています。1号が撮った写真より全然良く撮れているので(爆)、詳しく見たい方はゼヒ。


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