再び三郎の正体
朴の落ち葉がおびただしく降り敷いた奥多摩の山道の脇に座って、私はゴーッという風の音と次々に舞い落ちる巨大な朴の葉に耳と目を奪われていました。隣の尾根に目をやれば、そこも木々が大きく揺れて強い風が吹いているようでした。
そのとき、今、もしこの場所から視点を上空に上げてはるかな高みから特殊の目で俯瞰すれば、視界の限りの関東の山々のあちこちに一斉に木々の揺れとざわめきが巻き起こっているのが確かめられるにちがいない。いやそれだけではない、もっとマクロな偏西風系の一部としてアジア大陸の南端から遥か北方の海上まで吹き抜けて行く一連の流れをも感じ取れるに違いない、とそんな考えが起こってきたのです。そして何か一つの人格的な意志、あるいは意志の集合としての「風」を、あらゆる山々のざわめきも、隣の尾根の木々の揺れも、目の前の朴の葉の乱舞もが見せてくれているような、そんな実感もしてきたのです。同時に、「風野又三郎」に描かれた「うなの兄なも風野又三郎、うなぃのお父さんも風野又三郎、うなぃの叔父さんも風野又三郎」の意味がパッと解ったような気がしました。
作者宮沢賢治が「風野又三郎」執筆時に、もしこれと同じような観念に一旦捕われていたのだとしたら、それから数年後に再び又三郎の話を書こうというときに、そのアイデアから完全に離れることが一体できたものなのだろうか。つまり彼には、全くのただの人間のことを又三郎だと誤認する話を書けるということがあり得ただろうか・・・。あのときの実感を思い出すたびに私はこのように考えることを何度もしてみなければなりません。(三郎の正体については鑑賞の手引き(2)その他でいろいろ考えてきましたが、申し訳ないことに今はこうしてなんだか振り出しに戻ってしまったようなずるい形で筆を置かなければなりません。)
おしまいに永瀬清子氏は又三郎は「初秋の日に吹き過ぎた風に寄せてイーハトーヴォの子供らが大空に描いた夢である。」と言いました(「風の又三郎の公演」―「イーハトーヴォ」昭和14・12宮沢賢治の会―)。そこで私もここで最後にふさわしく、作品「風の又三郎」とは何か、と堂々とまとめてみるというのはどうだろうとしばし考えてみました。
しかしどうもそれは長くなりそうですし、要領よくまとまるかどうか・・・。これまでもあちこちでぼちぼちと述べてきてありますし・・・ で、その代わりとして少し具体的に、「風の又三郎」においてカゼノマタサブロウとは何か、について辞書的に箇條を立てて記述してみる・・ということなら、お茶を濁す程度のことはできるかもしれないと思い立ちました。[カゼノマタサブロウ]
1.まず、なんと言っても実際に「又三郎」と呼ばれている転校生、高田三郎君こそがそれに当たります。彼以外に又三郎と呼べる人間をみつけることはできません。
それから、
2.嘉助が又三郎だと思って見る三郎。現実の三郎ではありますが、嘉助には特別の相が見えています。初日、教室でにやっと笑った三郎などがそうです。
それからそれから、
3.嘉助が4日に見た空飛ぶ又三郎。初めて見た又三郎の正体の具体的姿です。風野又三郎そのもの。
それから、それからどうだい。
4.三郎を又三郎と見ることの元のイメージ。嘉助が思っていた風の神。少年の姿をしています。風野又三郎と同質の存在ですが、もっと漠然と土俗的な姿であったかもしれません。
それから、それから、あとはどうだい。
5.このものがたり世界にヴァーチャルに存在する風の神。嘉助のイメージの元となった大人たちの民俗的信仰神。現実世界の「風の三郎様」と実質的に重なります。
それから? それからあとは? あとはどうだい。
6.それがら、うう、このものがたり世界自体の名称。作品「風の又三郎」のことです。どうも「風の又三郎」の読解が一筋縄では行かないことはこんなことからも納得することができそうです。
さてしかし、こういった重層的な意味を畳み込んでいることを意識して、この作品名「風の又三郎」を唱えてみることにすると・・・、
カゼノマタサブロウ・・・ カゼノマタサブロウ・・・ カゼノマタサブロウ・・・。
案外、うまくいけば、かえってこれがものがたり世界の直感的構造把握の呪文となるような気がしないでもありません。さてここでなんだかもう一つ答えが残っているような・・・落ち着かない気分にさせられませんか。
どうしても考えずにはいられない当然かつ究極の問いが私に答えを促しています。異形の者として現世に到来し、この世での振る舞い方を知らず、世間にかく名指しされながらも自己の正体について知らぬまま、あとに大きな謎を残しながら彼方へとあわただしく去って行った人――
しかり!
7.作者宮沢賢治こそが風の又三郎でした。
このことを言わぬままこのサイトを終えてしまうことはどうしてもできない気がします。そして私は作者と風との関係を象徴するあの一編を思い起こさずにはいられません。
昭和三年に病に倒れてのちの詩です。「風がおもてで呼んでゐる」
風がおもてで呼んでゐる
「さあ起きて
赤いシャッツと
いつものぼろぼろの外套を着て
早くおもてへ出て来るんだ」と
風が交々叫んでゐる
「おれたちはみな
おまへの出るのを迎へるために
おまへのすきなみぞれの粒を
横ぞっぽうに飛ばしてゐる
おまへも早く飛びだして来て
あすこの稜ある巌の上
葉のない黒い林のなかで
うつくしいソプラノをもった
おれたちのなかのひとりと
約束通り結婚しろ」と
繰り返し繰り返し
風がおもてで叫んでゐる(「疾中」より)
あの禁欲の塊だった作者が「結婚」とまで言って吐露した風との親密な関係。それが最晩年のこの「風の又三郎」によってついに最後の、総括し切れない総括を示されたのだ---と、私はしみじみと思うのです。作品「風の又三郎」は、作者宮沢賢治がイーハトーブの野に一人立ってつぶやく次のようなモノローグに還元されるのではないでしょうか。
風よ、私に近しい風よ。お前は誰なのか。そしてなぜそんなにも私を掻き乱し、急き立てるのか。
風よ、私に一体どうせよというのか。私は一体どうしたらいいのか。
風よ、近しい風よ。私を一人置いてお前はどこへ行ってしまうのか・・・
さあおしまいに、作品「風の又三郎」の評価はどうまとめたらよいでしょう。
小沢俊郎氏は「十月の末」の中の村童の育つ環境を「自然と人とが一体となっている先祖伝来の生活」と言っています(賢治童話事典―別冊國文學「宮沢賢治必携」學燈社―)。私は、作者の意図とは別に今となってはこの「風の又三郎」についても、かつて日本中でそれぞれの土着の自然、風土と一体になって生きていた子供たちの世界への美しい賛歌、オマージュという意味を離れてはどんな評価もむなしいような気がしてなりません。
そのことを大前提として次のように思います。●まず、教訓臭くなく、感傷的でなく、暗くなく、日常茶飯的でなく、現実遊離的設定でなく、陳腐でなく、嘘っぽくなく、荒唐無稽でなく、独善的でなく、冷笑的でなく、世知辛くなく・・・ と、数々の否定表現の羅列で肯定的な評価を与えることが可能であることを見逃すわけには行きません。さまざまな意味での「わざとらしさ」からほとんど逃れきっていると言ってもよいでしょう。
しかし、もしかすると「それはこの作品が欠点のない童話、イコール、力のない童話であることを意味するものだ」と、それこそ陳腐な公式的思考にとらわれる方があるかもしれません。でもそれは間違いです。果たして現実には他にどんな作品が上の羅列を満足させることができているでしょうか。「教訓臭い、感傷的、暗い、日常茶飯的、現実遊離的設定、陳腐、嘘っぽい、荒唐無稽、独善的、冷笑的、世知辛い・・・」などのどれをも免れ得て、しかも悪人や犯罪、大事件などという安易なモチーフにも頼っていない、この真に力強い作品は実に稀有のものだと言わなければなりません。
●次に肯定語を使ってみましょう。
風土に根ざし、無限に拡がる――。 これだけで十分でしょう。
きれい事のように聞こえるとしたら、それはあなたがこれまで余りにも実体のない空虚な言葉遣いの書評や文芸批評にさらされてきたことの悪影響です。ここで言うこの評価は実に言葉通りの意味を持っているのです。
●そしてその上で、古いタイプの社会科学的児童文学方法論に毫も冒されていないこと、ものがたりの命である「センスオブワンダー」そのものを中核に据えていること、そして作者の言語感覚及び自然との交感力の特異さがこの作品の圧倒的な力の源となっていることを指摘すれば完全です。(いやまだ足りないという方はどうぞ付け加えて下さい。)「風の又三郎」は完全無欠の至高の作品だと言っているわけでは決してありません。見方によってはちょっと「変な」作品です。ただ、「風の又三郎」という作品がどう利用されたとか作者がどう神格化されていったかという、いわゆる後知恵的問題は論外ですよ。(否定的側面については投稿ページを参照して下さい。)
エピローグに代えて――私の白昼夢
それから六十年ほどもたった平成の初めごろ、夏休みも終りに近づいたある雨風の強い日・・・
「ああ、ひで風だ。又三郎また来だなあ。」
「おじいちゃん、又三郎ってなあに?」
「うん、風の又三郎っていうやづよ。」
「ふーん。なんだか恐そうだね。」
「髪赤くて、おがしやづだったなあ。」
「おじいちゃん又三郎見たことあるの?」
「うん、一緒に山で馬を追いかげだり、川で泳いだりしだなあ・・・ むがしむがしの・・・」
「・・・」
「それどもありゃ、やっぱり夢だったんだべが・・・」
「おじいちゃん、濡れるよ、うちへ入ろうよ。」
最後までお読み下さいましてありがとうございました。なんだ「はじめに」で大言壮語したほどのことはなかったじゃないかとおっしゃるとすればそれは全面的に私の力なさに原因があります。一貫した一つの力強い考えを提示するというよりは無秩序にあれこれと考え方のヒントを散りばめただけの感銘の薄いものになってしまっていることを率直にお詫びしなければなりません。
(何が言いたかったのだろうかと我ながら確認の意味でまとめのページを作ってみました。)
しかしそれでもどうでしょう、これから先のあなたの人生、あなたの目と耳に何回「風の又三郎」という言葉が触れることになるかわからないでしょうが、きっとその度に少なくとも何かしらほんのちょっとした引っ掛かりみたいなものを覚えることになるだろうとは思われませんか。
そうです。私としては皆さんにそんな暗示をかけさせていただいたつもりなのです。皆さん、今後はどうぞこぞって意識的あるいは無意識的の「風の又三郎」応援団として活躍していただきたいとお願いする次第です。
募集のお知らせ
皆さんの文章を募集しています。
内容は「風の又三郎」読書感想文あるいは「風の又三郎」にまつわるエッセイなど。
投稿文集「私の又三郎」 をごらん下さい。
最後の問題にも是非答えをお送り下さい。お待ちしております。
サイトへのご意見や感想、雑談などは掲示板でお待ちしています。
◇参考サイトへのリンクです。
鑑賞の手引き(2)関連
風の民俗辞典 (風の辞典より)
風の三郎信仰−風三郎神社− (陶房「酔翁」(SUIOU)より)
風の三郎ヶ岳の謎 (げんちゃんのホームページより)
「風の又三郎」を吹く風」、参考作品紹介関連
風の科学辞典 (風の辞典より)
登場人物関連
「さいかち淵」と「風の又三郎」-鼻の尖った人- (地学と宮澤賢治より)
ものがたりの舞台(1)関連
種山ケ原 (宮沢賢治の宇宙より)
宮沢賢治と種山ケ原 (江刺ルネッサンスより)
「さいかち淵」碑 (宮澤賢治の詩の世界より)
道地橋周辺(イーハトーブの風の森より)
又三郎が駈けぬけた“たばこ畑”(JTホームページより)
参考作品紹介、参考作品抜粋関連
宮沢賢治作品館・童話篇 (森羅情報サービスより)
映画「風の又三郎」関連
風の又三郎 (日本映画データベースより)
風の又三郎 (日のあたらない邦画劇場より)
風の又三郎 (邦画備忘録より)
かりんの活躍 風の又三郎-ガラスのマント-より
子どもの文化と本16 宮澤賢治の不思議な視点(中)「風の又三郎」の映画化をめぐって(中澤 千磨夫) (週刊・読書北海道メール版より)
◇武田鉄矢 出張出前おろし、〜ミステリアス「風の又三郎」〜 文化放送2016年09月03日公録。
◇「風の又三郎」について中学生が授業で作ったHPとして貴重なものを紹介させていただきます。「宮沢賢治ワールド・風の又三郎」 (茨城・岩瀬町立西中学校)
◇目で見る又三郎の姿です。種山ケ原「風の又三郎」像
ぎんどろ公園「風の又三郎」群像(宮澤賢治の詩の世界より)版画
風の又三郎 分教場の上空
あんまり川をにごすなよ
飛ぶ(COMIC BOX畑中版画展より)
◇「風の又三郎」に関するあらゆる情報は・・・
◇ダウンロードサイト。(有料のものがあります。)
◇ページのデザインを頂きました。心休まるサイトです。
北アルプスのはずれ 郭公の森から
引用作品名一覧
宮沢賢治作品
「悪意」 隠しページ
「あすこの田はねえ」 「風の又三郎」を吹く風
「雨ニモマケズ」 登場人物
「イーハトーボ農学校の春」 作品の成り立ち、参考作品抜粋
「イギリス海岸」 作品の成り立ち、参考作品紹介
「泉ある家」 ものがたりの舞台(1)、参考作品紹介
「いちょうの実」(「いてふの実」) 作品の成り立ち、参考作品抜粋
「馬の頭巾」 作品の成り立ち
「馬行き人行き自転車行きて」 「風の又三郎」の謎
「丘々はいまし鋳型を出でしさまして」 作品の成り立ち
「おきなぐさ」 「風の又三郎」を吹く風
「オツベルと象」 勘違いしていませんか
「オホーツク挽歌」 美しい自然
「風がおもてで呼んでゐる」(「風がおもてで呼んでいる」) おしまいに
「風野又三郎」 鑑賞の手引き(2)、三郎の正体の根拠、事典に見る「風の又三郎」、ものがたりの舞台(2)、二百十日の計算、作品の成り立ち、風野又三郎から風の又三郎へ、参考作品紹介、「風の又三郎」の謎、「SF風の又三郎」解説、映画「風の又三郎」、おしまいに
「花鳥図譜・八月・早池峯山巓」 隠しページ
「ガドルフの百合」 作品の成り立ち
「きみにならびて野にたてば」 作品の成り立ち
「銀河鉄道の夜」 勘違いしていませんか、事典に見る「風の又三郎」、作品の成り立ち、風野又三郎から風の又三郎へ、参考作品紹介、「風の又三郎」の謎、映画「風の又三郎」
「グスコーブドリの伝記」 事典に見る「風の又三郎」、ものがたりの舞台(2)、作品の成り立ち、風野又三郎から風の又三郎へ、「SF風の又三郎」解説
「孤独と風童」 作品の成り立ち、参考作品抜粋
「さいかち淵」 鑑賞の手引き(1)、事典に見る「風の又三郎」、ものがたりの舞台(1)、作品の成り立ち、風野又三郎から風の又三郎へ、参考作品紹介
「サガレンと八月」 「風の又三郎」を吹く風
「さるのこしかけ」 作品の成り立ち、参考作品紹介
「シグナルとシグナレス」 「風の又三郎」を吹く風
「鹿踊りのはじまり」 作品の成り立ち
「十月の末」 「風の又三郎」を吹く風、作品の成り立ち、おしまいに
「十六日」 ものがたりの舞台(1)、参考作品紹介
「水仙月の四日」 作品の成り立ち、参考作品抜粋
「台川」 作品の成り立ち、参考作品紹介
「谷」 作品の成り立ち、参考作品紹介
「種山ヶ原」 鑑賞の手引き(1)、事典に見る「風の又三郎」、ものがたりの舞台(1)、作品の成り立ち、風野又三郎から風の又三郎へ、参考作品紹介、映画「風の又三郎」
「種山ヶ原」(口語詩)(「種山と種山ヶ原」) 美しい自然、参考作品紹介
「種山ヶ原 七首」(歌稿「大正六年七月より」) 参考作品紹介
「種山ヶ原の夜」 ものがたりの舞台(1)、(2)、作品の成り立ち、風野又三郎から風の又三郎へ、参考作品紹介
「タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった」(「タネリはたしかにいちにち噛んでゐたやうだった」) 登場人物
「注文の多い料理店」 作品の成り立ち、参考作品抜粋
「注文の多い料理店」序 「風の又三郎」を吹く風
「月夜のでんしんばしら」 「風の又三郎」を吹く風
「毒もみの好きな署長さん」 鑑賞の手引き(1)、作品の成り立ち、参考作品紹介
「topazのそらはうごかず」 作品の成り立ち
「鳥をとるやなぎ」 鑑賞の手引き(1)、作品の成り立ち、参考作品紹介
「どんぐりと山猫」 作品の成り立ち、参考作品紹介
「楢の木大学士の野宿」 作品の成り立ち、参考作品紹介
「農民芸術概論綱要」 「風の又三郎」を吹く風
「春と修羅」(詩集) 「風の又三郎」を吹く風
「ひかりの素足」 鑑賞の手引き(1)、鑑賞の手引き(2)、事典に見る「風の又三郎」、作品の成り立ち、参考作品抜粋
「病床」 風野又三郎から風の又三郎へ
「二人の役人」 作品の成り立ち
「葡萄水」 作品の成り立ち、参考作品抜粋
「北守将軍と三人兄弟の医者」 作品の成り立ち
「ポラーノの広場」 事典に見る「風の又三郎」、風野又三郎から風の又三郎へ
「ポラーノの広場」初期形 「風の又三郎」を吹く風
「盆地に白く霧よどみ」(「凶作地」、「二学期」) 登場人物、ものがたりの舞台(1)、作品の成り立ち、参考作品抜粋
「盆地をめぐる山くらく」 作品の成り立ち
「マグノリアの木」 作品の成り立ち、参考作品紹介
「祭の晩」 作品の成り立ち
「まなづるとダァリヤ」 作品の成り立ち、参考作品抜粋
「みじかい木ペン」(「みぢかい木ペン」) 作品の成り立ち、参考作品紹介
「峯や谷は」 作品の成り立ち、参考作品紹介
「やまなし」 ものがたりの舞台(1)、参考作品抜粋
「雪渡り」 作品の成り立ち、参考作品抜粋
「夜をま青き藺むしろに」(「土性調査慰労宴」) ものがたりの舞台(1)、作品の成り立ち
「わが雲に関心し」 「風の又三郎」を吹く風
「和風は河谷いっぱいに吹く」 参考作品紹介書簡54 ものがたりの舞台(1)
書簡212 美しい自然
書簡377 作品の成り立ち
書簡379 作品の成り立ち
書簡421 「風の又三郎」の謎
書簡488 風野又三郎から風の又三郎へ風野又三郎メモ二種 作品の成り立ち
童話風野又三郎メモ 作品の成り立ち
童話風野又三郎梗概メモ 作品の成り立ち
封筒裏英文メモ ものがたりの舞台(1)
Mental Sketch Modified 1931.9.6.メモ 作品の成り立ちその他
あききぬと(古今集) 「風の又三郎」を吹く風
風(クリスティナ ロゼッティ) 「風の又三郎」を吹く風
風(尋常小学唱歌) 「風の又三郎」を吹く風
秋風引(劉禹錫) 「風の又三郎」を吹く風
わがやどの(万葉集) 「風の又三郎」を吹く風
書籍等内容引用一覧
(書名のみの引用は除く)
「新校本宮澤賢治全集」(筑摩書房) 原作本文、ものがたりの舞台(1)、作品の成り立ち、参考作品抜粋、風野又三郎から風の又三郎へ
「風の又三郎」(講談社英語文庫) 原文について
「童話集風の又三郎」(岩波文庫)
(解説 谷川徹三) 鑑賞の手引き(1)
「イーハトーボ農学校の春」(角川文庫)
(注 大塚常樹) 鑑賞の手引き(1)
「謎解き・風の又三郎」(天沢退二郎、丸善ライブラリー) 鑑賞の手引き(1)、(2)、「風の又三郎」を吹く風、「風の又三郎」の謎
「風土」(和辻哲郎、岩波書店) 鑑賞の手引き(2)
万有百科大事典(小学館) 鑑賞の手引き(2)
「生活の古典」(牧田茂、角川選書) 鑑賞の手引き(2)
「賢治童話の方法」(多田幸正、勉誠社) 鑑賞の手引き(2)
日本伝奇伝説大事典(角川書店) 鑑賞の手引き(2)
「四次元」(宮沢賢治研究会)
(「宮沢賢治」研究ノート(10) 山崎進) 鑑賞の手引き(2)、作品の成り立ち
(春と修羅の表現 佐藤義勝) 「風の又三郎」を吹く風
(一つの心象スケッチの出来上るまで 古賀良子) 参考作品紹介
「國文學 解釈と教材の研究」(學燈社)
(風の又三郎 恩田逸夫) 鑑賞の手引き(2)
「宮沢賢治・『風の又三郎』論」(山下聖美、D文学研究会) 鑑賞の手引き(2)
「宮沢賢治『風の又三郎』精読」(大室幹雄、岩波現代文庫) 鑑賞の手引き(2)
大辞泉(小学館) 事典に見る「風の又三郎」
言泉(小学館) 事典に見る「風の又三郎」
大辞林(三省堂) 事典に見る「風の又三郎」、 風の又三郎クイズ
日本国語大辞典(小学館) 事典に見る「風の又三郎」
日本大百科全書(小学館) 事典に見る「風の又三郎」
旺文社百科事典エポカ 事典に見る「風の又三郎」
国民百科事典(平凡社) 事典に見る「風の又三郎」
玉川児童百科大辞典(誠文堂新光社) 事典に見る「風の又三郎」
マイぺディア98(日立デジタル平凡社) 事典に見る「風の又三郎」
日本文学事典(平凡社) 事典に見る「風の又三郎」
近代日本文学辞典(東京堂出版) 事典に見る「風の又三郎」
日本文学鑑賞辞典(東京堂出版) 事典に見る「風の又三郎」、美しい自然
児童文学辞典(東京堂出版) 事典に見る「風の又三郎」
日本文学史辞典(角川書店) 事典に見る「風の又三郎」
日本現代文学大事典(明治書院) 事典に見る「風の又三郎」
児童文学事典(東京書籍) 事典に見る「風の又三郎」
名作の研究事典(小峰書店) 事典に見る「風の又三郎」
別冊國文學「宮沢賢治必携」(學燈社) 事典に見る「風の又三郎」、「風の又三郎」を吹く風、作品の成り立ち
(賢治童話事典 小沢俊郎) おしまいに
朝日新聞 「風の又三郎」を吹く風、参考作品紹介
「いちい」(遠野地区校長会) 「風の又三郎」を吹く風
「校本宮澤賢治全集」(筑摩書房) 「風の又三郎」を吹く風
「宮沢賢治全集」(ちくま文庫) 「風の又三郎」を吹く風
「宮沢賢治と自然」(宮城一男、玉川大学出版部) 美しい自然、ものがたりの舞台(1)、隠しページ
「ポラーノの広場」(角川文庫)
(注 大塚常樹) 登場人物
「森からの手紙」(伊藤光弥、洋々社) ものがたりの舞台(1)
「賢治研究」(宮沢賢治研究会)
(さいかち淵 小原忠) ものがたりの舞台(1)
岩手日日新聞 ものがたりの舞台(1)
「重要ポイント日本史」(京大歴史教育研究会、ミネルヴァ書房) ものがたりの舞台(2)
岩手日報(マイクロフィルム版) ものがたりの舞台(2)
児童文学者人名事典(中西敏夫編、出版文化研究会) 作品の成り立ち
「宮沢賢治の、短歌のような」(板谷栄城、NHKブックス) 風野又三郎から風の又三郎へ
「宮沢賢治少年小説」(続橋達雄、洋々社) 風野又三郎から風の又三郎へ
「宮沢賢治5」(洋々社)
(「風の又三郎」雑志 栗原敦) 「風の又三郎の謎」
「宮沢賢治の彼方へ」(天沢退二郎、思潮社) 「SF風の又三郎」解説
「風の又三郎」(ビデオ)(日活株式会社) 映画「風の又三郎」
「風の又三郎-ガラスのマント-」(ビデオ)(朝日ビデオライブラリー・ポニーキャニオン) 映画「風の又三郎」
「風の又三郎」(ビデオ)(コナミ株式会社) 映画「風の又三郎」
「風の又三郎-賢治にいちばん近い風-」(ますむらひろし、朝日ソノラマ) 映画「風の又三郎」
「風の又三郎」(片山愁、ASUKA COMICS DX 角川書店) 映画「風の又三郎」
「イーハトーヴォ」(宮沢賢治の会)
(風の又三郎の公演 永瀬清子) おしまいに事典に見る「風の又三郎」「賢治童話事典」引用文中の引用
「宮沢賢治の彼方へ」(天沢退二郎、思潮社)
「評伝宮沢賢治」(境忠一、桜楓社)
「風の又三郎」(岩波書店)
(解説 恩田逸夫)
「国文学」
(童話「風の又三郎」 佐藤通雅)
「賢治研究」
(「風の又三郎」をめぐる断想 続橋達雄)
「四次元」
(賢治の少年小説について 古賀良子)
読書案内
風の又三郎
現在新刊書店等で手に入る「風の又三郎」です。少年向けも絵本も文は原作通りです。
(書籍は2000円までのものに限りました。)一般
「風の又三郎」 角川mini文庫 200円
「風の又三郎」 角川文庫クラシックス 420円
「新編風の又三郎」 新潮文庫 438円
「童話集風の又三郎他十八篇」 岩波文庫 560円
「宮沢賢治全集7」 ちくま文庫 1000円少年向け
「風の又三郎」 フォア文庫 岩崎書店 560円
「風の又三郎」 講談社青い鳥文庫 580円
「風の又三郎」 ポプラ社文庫 600円
「風の又三郎」 岩波少年文庫 680円
「風の又三郎」 宮沢賢治童話集 偕成社文庫 700円
「新版宮沢賢治童話全集9風の又三郎」 岩崎書店 1400円
「銀河鉄道の夜」 少年少女日本文学館10 講談社 2000円絵本
「風の又三郎」 宮沢賢治絵童話集 伊勢英子画 くもん出版 27cm 1942円
「風の又三郎」 画本宮沢賢治 小林敏也画 パロル社 31cm 2000円
英語
「風の又三郎」 講談社英語文庫 講談社インターナショナル 680円
朗読
「カセット 風の又三郎」 新潮カセット 2718円
「CD風の又三郎」 新潮社 3000円(過去の出版については作品の成り立ちの「その後」、まんがについては映画「風の又三郎」をごらん下さい。)
関係書籍このサイトに引用したもの以外で、「風の又三郎」に関する記述を含み、現在新刊書店で目に入るものはおおよそ以下の通りです。(網羅リストではありません。また、あまりに荒唐無稽な内容を含むものは省きました。)
銀河系と宮澤賢治 斎藤文一 国文社
賢治地理 小沢俊郎編 學藝書林
作品論宮沢賢治 萬田務・伊藤眞一郎編 秋枝美保ほか 双文社出版
注文の多い料理店考 赤坂憲雄・吉田文憲編著 五柳書院
宮沢賢治 妖しい文字の物語 吉田文憲 思潮社
宮澤賢治解読 竹澤克夫 彩流社
宮澤賢治研究ノート 山内修 河出書房新社
宮沢賢治その独自性と同時代性 西田(古賀)良子 翰林書房
宮沢賢治という身体 斎藤孝 世織書房
宮沢賢治の深層世界 松田司郎 洋々社
宮沢賢治の全童話を読む 中村三春ほか 學燈社
宮沢賢治の旅 松田司郎 五柳書院
宮沢賢治の童話論 松田司郎 国土社
宮沢賢治の童話を読む 佐野美津男 辺境社
宮沢賢治の美学 押野武志 翰林書房
宮沢賢治の冒険 新木安利 海鳥社
宮沢賢治ハンドブック 天沢退二郎編 新書館
宮澤賢治フィールドノート 林由起夫 集英社
宮澤賢治文献研究 和田寛 矢立出版
宮沢賢治を読む 佐藤泰正編 宮野光男ほか 笠間書院
わが心の宮沢賢治 畑山博 佼成出版社
その他の文献(上記に所収のもの、一般にアクセス困難なものは除きます。引用一覧と重複するものもあります。出典は初出とは限りません。)穴と振動―「風の又三郎」小論― 吉田文憲 (宮沢賢治研究Annual 平成6・3)
イーハトーボゆき軽便鉄道 別役実 リブロポート
畏怖・祝祭・謎「風の又三郎」ノート 中野新治 (宮沢賢治5 洋々社)
風の又三郎 宇佐美碩男 (日本児童文学 昭和43・2)
風の又三郎 佐藤通雅 (路上 昭和47・1)
風の又三郎 (解説) 恩田逸夫 岩波書店
風の又三郎―現実と超現実のはざま― 佐藤通雅 (國文學 解釈と教材の研究 昭和50・4)
「風の又三郎」―幻想空間構築の手法に関するメモ 今井洋一 http://www.geocities.co.jp/Bookend-Kenji/2951/matasaburou.html
「風の又三郎」再考T,U 天沢退二郎 (《宮沢賢治》鑑 筑摩書房)
「風野又三郎」小論 続橋達雄 (宮沢賢治5 洋々社)
風の又三郎その他 赤坂憲雄 (クラムボン 平成8・10) http://www.kenji.gr.jp/kaiho/hokoku12.html
風の又三郎―〈存在〉へのおびえ 佐藤泰正 (國文學 解釈と教材の研究 昭和57・2)
「風野又三郎」としての「風の又三郎」 秋枝美保 (國文學 解釈と教材の研究 平成8・6)
「風の又三郎」について 中島国之 (国語国文学報 昭和36・11)
「風の又三郎」―日本児童文学史の視点から― 西田(古賀)良子 (国文学 解釈と鑑賞 平成5・9)
「風の又三郎」の構造分析 篠田浩一郎 (修羅と鎮魂 日本文化試論 小沢書店)
〈風の又三郎〉ノート 平尾隆弘 (宮沢賢治1 洋々社)
「風の又三郎」は「又三郎」なのか 萩原昌好 (国文学 解釈と鑑賞 平成12・2)
「風の又三郎」論 佐藤義勝 (四次元 昭和36・9,10)
「風の又三郎」をめぐる断想 続橋達雄 (賢治研究 昭和54・2)
賢治研究の展望 小野隆祥 (宮沢賢治1 洋々社)
賢治幻想曲 板谷英紀 れんが書房新社
賢治の少年小説について 古賀良子 (四次元 昭和32・3)
三郎あるいは又三郎の彼方へ 三浦佑之 (イーハトーブセンター会報 平成9・3) http://homepage1.nifty.com/miuras-tiger/sub2-g.html
初稿「風の又三郎」の面白さ―風科学の詩― 宮本硬一 (四次元 昭和43・1)
新修宮沢賢治全集 (解説) 天沢退二郎 筑摩書房
童話の宮沢賢治 中村文昭 洋々社
遠くからくる人―『風の又三郎』 芹沢俊介 (宮沢賢治の宇宙を歩く 角川書店)
評伝宮沢賢治 境忠一 桜楓社
又三郎の「風」 斉藤征義 (北方文芸 昭和56・11)
宮沢賢治「風の又三郎」の構造―境界の時空と遊びの理論 押野武志 (文芸研究 平成2・5)
宮沢賢治「風の又三郎」―風脉のアルケオロジー― 皆川美恵子 (國文學 解釈と教材の研究 昭和60・10)
民俗文学としての「風の又三郎」 阿部正路 (宮沢賢治5 洋々社)(以上、それぞれに深く頷かされるものがあります。煩雑を避けるために一々の引用はしませんでしたが、機会があれば是非お読みになることをお勧めします。)
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