Seed
〜 A Story of 'Miracle' 〜

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Scene.1 培養庫

 そこは青白い蛍光灯の光で満ちていた。
 冷たいその光の下で輝く無数のガラス管。
 室温は25℃前後。暑くもなければ寒くもない、微妙な温度。
 完全に機械に制御されたそこは、忘れ去られたように存在していた。もう、随分と長い事、そこに置き去りにされている。
 もし、それに意志があったなら、その孤独に涙したかもしれない。
 けれどそれは心を持たない無機質だったので、ただじっとそこで待ち続ける事が可能だった。
 それが抱くガラスの管の中で、彼等は眠っている。
 何時か目覚める、その日まで。
 ここの主がやってくる、その時間まで。
 

 ──目覚めの日を夢見ながら。

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