民家の造りに生じていた変化とは、コンクリートの基礎を高くしたような、木造三階建住宅が多く目につくようになっていた事です。僕が以前この辺りを旅したのは1988年で、建築基準法の改定により木造三階建て住宅の建設が可能になったのが1987年です。豪雪にみまわれるこの地域にとっては、一階に車庫や倉庫を設け、生活のレベルを二階・三階に上げる三階建住宅というのは、風土が要求していた建築様式だったにちがいありません。その要求に法律が追いついたために、この20年弱の間に、雨後のたけのこのように、むくむくと建ち上がり、集落の風景を変えたのです。篠原一男の言うとおり、民家は、自然の条件と社会的条件のなかから発生する「きのこ」なのです。

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