4月4日、新しい札幌・古い札幌
「モエレ山」

 札幌から地下鉄・バスを乗り継いで「モエレ沼公園」へ。実はこのバスの便が少なく、タクシーを使うのにはけっこうは距離なので、スケジュールのネックだったのです。今回の旅はなかなかタイトなスケジュールだったのですが、なかでも今日はギリギリどうか?という感じで、札幌でJRから地下鉄まで走り、情報のなかったバスターミナルでもやっとこさ乗り込んで、イサム・ノグチの遺作ともいえるこの公園に辿り着きました。
 札幌の新しい顔として2005年に完成し、100haにも及ぶこの広大な公園は、公園全体をひとつの彫刻として彼がマスタープランを引いたもの。高さ67メートルの「モエレ山」、「プレイマウンテン」など大きなスケールの造形から建築・遊具のスケールまで、天才彫刻家の夢がちりばめられています。それらがほとんど雪に覆われて、抽象性を高めているように感じられました。雪に埋もれて見えなかったものも多々あったのですが、まあ、それは夏のお楽しみに残しておきましょう。
 モエレ山を登る階段は除雪されていたので勇んで登ってみると、てっぺんは猛烈な風でした。日本海から石狩平野を吹きぬける風は痛いほど。それでも360度の展望はあっけらかんと気持ちのいいものでした。最初のスケッチは、そのモエレ山を、プレイマウンテンから見返しているもの。スケッチブックが風に飛ばされそうで、ざっとイメージで描きました。下は、モエレ山頂上からのパノラマ写真です。左に「プレイマウンテン」。中央、円く植栽されているのが「海の噴水」。右に、ギャラリーやレストランなどを含む「ガラスのピラミッド」が見えています。

「モエレ沼公園
 雪原を歩き疲れてガラスのピラミッドに着くと、中は、「ひだまり」という愛称で呼ばれているようにポカポカでした。雪でぬれた靴を乾かし、体も温まって岐路に着き、遅い午後の札幌の街を歩きました。札幌は特に駅前を中心に大きく様変わりをしてしまっていて、昔を思い出せない程でした。人も多く、歩いているスピードも東京のようです。それでも時計台・道庁・テレビ塔などでは懐かしさを感じ、夜はサッポロビール園で古い札幌にタイムスリップしてきました。赤い星印は、開拓時代の札幌の象徴に違いありません。
夜のサッポロビール園
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