4月7日、帰路

 朝起きてリビングに出てみると、よく晴れていて、窓先のテラスから雪原へと広がるビスタが白く輝いていました。そのなかに、いくつかの餌台が用意されており、様々な鳥たちがやってきていました。アカゲラ、コゲラ、ミヤマカケス、カラ類など。これも19年前と同じ風景でした。そして、10種類を超える手作りジャムとパンの朝食を済ませ、名残惜しい北の宿を後にしました。
 前の時との最大の変化、すっかり成人された娘さんに運転してもらい、最近できた「道の駅スワン」へ。風蓮湖を見渡す高台にあり、館内のフィールドスコープで、対岸の鹿まではっきり見ることができました。白鳥も、まだまだちいさな群れをつくっていました。湖のほとりまで下りていってみると、遠く知床の山々まで見渡すことができました。

 ここからはタクシーで根室駅を目指します。途中、左に広がるオホーツクの水平線のかなたに浮かぶ島々が見えたので、タクシーの運転手さんに聞いてみると、「国後島です。根室からは、山のある高いところだけが3箇所くらいに分かれて別の島みたいに見えるんですよ。」そうと聞いたら写真に撮りたいので、適当なところで車を止めてもらい、そこで出会った風景を絵にしました。(帰宅してから調べてみると、この山は羅臼山(標高888m)で、根室からの距離は75kmでした。)

 

 根室駅、11時5分、快速「はなさき」が動き出すと、旅の終わりが近づき、戻っていく実感が沸いてきました。ワンマンカーの先頭に立ち続け、たびたび出くわす鹿にも別れを告げて、快速なので30分ほどスピードアップで、13時7分釧路着。親戚のみなさんが見送りに来て下さり、和商市場の勝手丼で昼飯を済ませて、バスで釧路空港へ。飛行機は、白がまだらな大地をいっきに離れ、北海道とサヨナラです。写真は、最後に見えた北海道の大地、襟裳岬の先端です。
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