住吉大社と住吉公園

 「住吉の長屋」の近くに、この住吉大社があります。日本建築史を勉強すると、その初めの頃、神社建築の発生のところで「住吉造り」というのが出てきますが、そのルーツがここです。日本の神社建築の、最も初源的な形式を伝えるものの一つとして、国宝に指定されています。勇んで来てみたところ、5時閉門!知っていれば、長居から車に乗ってしまえばよかったとも思いましたが、歩いてくる途中でかつての長屋なども見ることができたので、これも旅ならではと・・・
 この写真は、門の格子の間から、第三本宮を写したものです。左奥に、第二本宮が一部見えています。そのさらに奥に、第一本宮が続き、第三本宮の右(南)隣に第四本宮と、同じ形式の建物が4つ、海(西)に向かって縦横に並ぶという独特の配置形式をとっています。大海原に漕ぎ出す船団のような、海の神様を祭る社ならではの壮大なコスモロジーの匂いを嗅ぐことはできました。

 ここでひとつ驚いたのが、手水舎のうさぎです。我が家の近所の調神社(つきのみや)でも、手水舎にはうさぎがいるのです。上の写真で、左が住吉さん、右が調神社です。共に、御影石から掘り出して彫刻されています。調神社は月待ち信仰から、社内のあちこちにうさぎが登場するのですが、他で見るのは初めてのような気がしたのです。説明書きによりますと、
「住吉大社と兎」
兎(卯)は当社の御鎮座(創建)が神宮皇后?政11年(211)辛卯の年の卯月の卯の日であるご縁により奉納されたものです
ということで、月待ち信仰との関係は無いようです。
 大社からすぐ西に、南海本線の住吉大社駅があり、そこから大阪駅を目指すのですが、少し時間があったので、隣接する住吉公園をブラブラしました。ここは明治6年に開設された大阪で最も古い公園とのこと。地元の人々がゆっくりした時間を過ごしていて、通勤通学や買い物で駅を利用するために公園を通過する人たちの歩くペースもつられてゆっくりするようで、公園のための公園ではない、庭の延長のような自然な界隈性が感じられました。下の写真、左は、住吉大社の太鼓橋から西へ続く道が公園を貫いていき、「通過」と「停留」が交じり合う様子。右は「花と水の広場」

 また、高架の住吉大社駅の脇にうずくまるように建っている阪堺電気軌道上町線「住吉公園駅」の駅舎も、大正2年開業という、歴史を感じる建物でした。
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