詩仙堂の次は平安神宮を目指していたので、曼殊院道をたどって、一乗寺駅から叡山電鉄に乗りました。二両連結のワンマンカー。先頭の車窓から、京の街を切り開いて進んでいく風景を楽しみます。まもなく終点の出町柳が近づき、特徴的な駅舎の屋根を望むことができました。かつては駅の正面からも屋根の妻面が朗らかに望めたそうですが、今は、叡山側から見えるのみです。
ここからは、平安神宮まで歩くことにしました。町屋風情の残っている界隈、あるいは、三階建て駐車場付という現代町屋の建売住宅になってしまった界隈などを経て、京都大学のエリアに差し掛かるところで、二つのヴォーリズ作品に出会いました。ひとつが、トップの写真の、京都大学YMCA会館地塩寮(1913年建築)です。近年改修工事が行われて、赤い窓枠も鮮やかに蘇りました。登録文化財の指定を受けています。東山一条通りに面して起立していて、大正初期の京都の町並みの中では、存在感の強い建物だったに違いありません。そして、その奥の、京都府立医科大学の橘井寮という建物も、同時期のヴォーリズ作品として現役です。逆三角形の装飾が特徴的。
そして、京大医学部・京大病院のエリアを、いくつかの特徴的な建物を見ながら通り越して、下の写真の旅館、「さわや本店」に出会いました。中をのぞいてみたい気持ちが高まりましたが、先へ急ぎます。
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