12月29日、串木野鉱山
 
 熊本からは、リレーつばめで新八代へ。新幹線に乗り換えて川内まで。肥薩おれんじ鉄道で串木野着が、9時13分。親戚が待っていてくれました。今日は、彼女の働く三井串木野鉱山の見学です。ここは金山として300年以上の歴史を持っているのですが、現在、金の採掘は行われておらず、金属のリサイクルなどの工場として動いています。彼女は金属の分析を仕事としているのですが、その仕事場の建物が老朽化のため建て替えられるというので、見納めの訪問ということになります。上の写真が、その「分析棟」です。木造平屋の工場建築で、大きなトラスがかかり、その上部に、空気抜きの越屋根が乗っています。建設時期などは全くわからないということでしたが、戦時中は閉山しており、おそらく戦後間もなく再開するときに建設されたものと思われます。
 他にも古い工場建築がいくつかあるのですが、大正3年の「五反田会館」(下の写真)は、鹿児島県下最大のレンガ造建築として、特筆すべきものです。当初は発電所として作られたものを、現在は、集会などの多目的に使用されているとの事。いずれ文化財として残されていくことでしょう。



 南斜面に展開する敷地の最上部に、観音公園という園地があり、串木野市街地から東シナ海を望むことができました。それが下の写真。沖合い、霞んでいて、甑島までは見えませんでしたが、甑島からのフェリーが、串木野新港に入ってくるところが写っています。右は、三井の看板の裏側。



 串木野はマグロと薩摩あげ(地元ではツケアゲ)が名物です。昼は、最近流行っている「マグロラーメン」で、店に入るまで、ずいぶん待たされました。ワサビを入れるのが特徴で、なかなかおいしかった。その後、ツケアゲの店で今晩のサカナを仕入れ、車で「ちかび展示館」というところに行ってみました。ちかびとは、地下石油備蓄基地の略です。地下水面下の岩盤内、約500m角の面積に、幅18m高さ22mの卵型楕円形断面の長さ約500mのトンネルが10本並んでいて、その中に石油を貯めておくという国の施設です。下の写真は、石油を入れる前のトンネル内部の写真です(複写)。



  地下水圧によって、石油はにじみ出ていかないそうです。そのトンネル掘削のための工事用の斜路トンネル(高さ7m、幅10m、全長780m)の、入り口部分を利用して、展示施設が造られているのです。トンネルの先を見たのが、下の写真です。吸い込まれていきそうで、ちょっと怖くなりました。



串木野国家石油備蓄基地


 見学を終え、南九州自動車道を利用して、鹿児島市内へ。薩摩半島の付け根は山勝ちで、九州新幹線はトンネルが多いのですが、この高速道は逆に橋が多く、山の頂上付近を結ぶように造られています。二日かけ、あちこち寄り道をしながら緩急織り交ぜた旅で、鹿児島の家に着きました。夕方、近所の「みょうばん温泉」で、旅の汗を流しました。
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